JP6425378B2 - ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 - Google Patents

ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 Download PDF

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Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせおよび骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。
多孔性高分子金属錯体の特徴の一つが、そのネットワーク構造である。一次元の鎖状物集合体、二次元の四角格子の積層体、ジャングルジム状の三次元構造など様々な構造の多孔性高分子金属錯体が知られている(非特許文献2)。これら多様な多孔性高分子金属錯体は、ネットワーク構造及び、それを構成している金属イオン、配位子の化学的性質、物理的な形状に由来して、様々な物性を発現する。
一般に、多孔性材料は、細孔の大きさにより、ミクロ孔(細孔径<2nm)、メソ孔(細孔径2−50nm)、マクロ孔(細孔径>50nm)に分類される。これらの内、メソ孔材料は、メタンガス他のガス分離、貯蔵材料として利用できる他、ガス分子よりも大きな分子、すなわちベンゼン環を複数含むような分子を吸着でき、これらの吸着分離材や、細孔内に取り込んだ分子を反応させることで、触媒や炭素材料調製用の鋳型として利用できることが知られている(非特許文献3〜6)。
一方でPCP(Porous Coordination Polymer;本発明の多孔性高分子金属錯体を、以下ではPCPともいう。)は小さな有機分子により細孔が形成されるため、一般に細孔径は小さく、メソ孔を有するPCPの報告例は非常に少ない。メソポーラスシリカやメソポーラス炭素材料の場合には、界面活性剤を共存させるなどの合成法が確立されているが、メソ孔を有するPCPは、PCPを構成する小さな配位子でメソ孔を作るのが難しい上に、報告例も少なく、どのような条件で合成出来るかはよく分かっていない(非特許文献7〜9)。
多孔体のガス吸着特性を制御するために、配位子にふっ素原子を導入する試みが行われている(非特許文献10〜13)。ふっ素の材料への一般的な影響として、摺動性、撥水性などは知られているが、前述のふっ素を導入した多孔性高分子金属錯体の例では、ふっ素原子による水素の吸着特性の向上が述べられている。これらは、前記のふっ素原子が惹起する物性とは一致せず、またふっ素原子導入が水素の吸着特性を向上させる原理も詳しくは記載されておらず、すなわち、ふっ素原子の導入が多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性にどのような影響を及ぼすかははっきりとはわかっていない。
メソ孔を有するPCPにふっ素原子を導入した場合、ふっ素特有の親和性の低さ、熱的安定性から、特異な分子吸着能、触媒能の発現が期待されるが、どのような金属イオン、どのような配位子をどのような条件で反応させればふっ素原子を含有するメソ孔を有するPCPが合成出来るかは分かっていない。
特開2000-109493号公報 特許第4427236号公報
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Robsonら、Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1460 ± 1494 Luら、Angew. Chem. Int. Ed., 2006, 45, 7664-7667 稲垣ら、Inorg. Chem. 4554_10 Kaskelら、J. Phys. Chem. C, 2009, 113 (18), pp 7755-7761 Zhouら、Carbon 44 (2006) 1386-1392 Linら、J. Am. Chem. Soc..2008,130,13834 Zhouら、JACS109_12Zhou MacLachlan ら、Chem. Eur. J. 2009, 15, 6552 Omaryら、J. Am. Chem. Soc., 2007,129, 15454 Omaryら、Angew. Chem. Int. Ed.2009,48,2500 Liら、J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 1308 Fereyら、J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 1127-1136
本発明は、ふっ素原子を含有する配位子で合成された、メソ孔を有する新規な多孔性高分子金属錯体及びこれを用いた優れた特性を有するガス吸着材を提供することである。また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、炭素数が1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)を2価の遷移金属イオンと反応させる際に、少量のパーフルオロアルカン類を共存させる事で、または、後述するような第二配位子を反応させる場合には第一配位子、遷移金属イオンおよび第二配位子を反応させる際に、少量のパーフルオロアルカン類を共存させる事で、ふっ素原子を含有するメソ孔を有するPCPを合成でき、さらに本PCPはガス吸着能を有する事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体(第一配位子)と2価の遷移金属イオンとの反応、または、第一配位子、遷移金属イオンおよび第二配位子との反応で得られる、ふっ素原子を含有するメソ孔を有する多孔性高分子金属錯体であり、本多孔性高分子金属錯体のガス吸着材料としての利用及び本ガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置に関する発明である。
すなわち本発明は下記にある。
(1)下記式(1)
下記式(1)
[MXYm]n (1)
(式中、MはCuイオン、Znイオン、Coイオン又はNiイオンから選ばれる2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。mは0〜3である。nは、[MXYm]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体。
(2)2価の遷移金属イオン2個にパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸が配位したパドルホイール構造(「2価の遷移金属イオン2個にパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体が配位して形成されるパドルホイール構造」を、以下、単に「パドルホイール構造」という。)から成るSBU(「SBU1」という;なお、「SBU」は「secondary building unit」(構造素子)の略号である。)構造素子である第1パドルホイール構造が中央に存在し、前記第1パドルホイール構造(SBU1)から左右対称に延びる配位構造を有し、
左右両側のそれぞれに延びる配位構造が、前記第1パドルホイール構造(SBU1)と2個の第2パドルホイール構造、第3パドルホイール構造のSBU(それぞれ「SBU2」、「SBU3」という。)との間がパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸を介して架橋され、前記第2パドルホイール構造(SBU2)〜前記第3パドルホイール構造(SBUの一方のパドルホイール構造(SBUから第4パドルホイール構造のSBU(「SBU4」という。)にパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸を介して架橋され、前記第4パドルホイール構造(SBU4からパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体を介してSBU(「SBU5」という。)の2価の遷移金属イオンに架橋され、前記第5パドルホイール構造(SBU5の2価の遷移金属イオンには二座配位のカルボキシル基が配位してSBU5が末端をなしている構造であることからなる、
基本構造を有し、その基本構造がパッキングされて形成される多孔性高分子金属錯体であり、メソ孔サイズの細孔を有している、上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(3)2価の遷移金属イオン3個と酸素原子1個から形成されるクラスタにパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸5個が配位して形成される最小単位の構造素子1’(「SBU1’」という。)の3個が、パーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸3個で架橋されて三角状の構造素子2’(「SBU2’」という。)を形成し、3個のビピリジンが2個の前記構造素子2’に含まれる6個の前記構造素子1’を架橋することでカゴ状物を形成し、さらにこのカゴ状物内にMOクラスタ(Mは2価の遷移金属イオン)が包含されることで形成された構造素子(「SBU3’」という。)が基本構造となり、その基本構造がパッキングされて形成される多孔性高分子金属錯体であり、メソ孔サイズの細孔を有している、上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(4)Xは、CF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021から選ばれるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である、上記(1)〜(3)に記載の多孔性高分子金属錯体。
)式(2)
[MXYm]n(G)q (2)
(式中、MはCuイオン、Znイオン、Coイオン又はNiイオンから選ばれる2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。mは0〜3である。Gはゲスト分子を示し、水分子またはプロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る有機溶媒分子である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。qは2価の遷移金属イオン1に対して0.2から6である。)で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体。
)式(3)
[MXYm]n (3)
(式中、MはCuイオン、Znイオン、Coイオン又はNiイオンから選ばれる2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。mは0〜3である。Lはプロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る有機溶媒分子または水分子である。nは、[MXYm]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは2価の遷移金属イオン1に対して1または2である。)で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
)上記()に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
)上記()に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
本発明の多孔性高分子金属錯体は多量のガスを吸着、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことが可能である。また本発明の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸着材料を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することが可能になる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(以下「PSA方式」と略記)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良いガス分離が可能である。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明のガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時や保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
ガス分離装置やガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状や容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特に特別の装置を用いなくてもよく、ガス分離装置やガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含されるものである。
本発明の実施例1で調製したPCPを構成する基本構造(複合SBU)を示す。 本発明の実施例1で調製したPCPを構成する基本構造(複合SBU)の一部拡大図である。 本発明の実施例1で調製したPCPを構成する基本構造(複合SBU)の一部拡大図である。 本発明の実施例1で調製したPCPを構成する基本構造(複合SBU)の一部拡大図である。 本発明の実施例1で調製したPCPをa軸方向から見た図を示す。 本発明の実施例1で調製したPCPをb*軸方向から見た図を示す。 本発明の実施例1で調製したPCPをc軸方向から見た図を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPの最小単位SBU1を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPの最小単位SBU1の3個がイソフタル酸誘導体3個で架橋されたSBU2を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPの2個のSBU2に属する2個のSBU1がビピリジンにより連結され、さらにこれに内包されるZn40クラスタが近傍に存在している状態を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPの図10に示したSBUから形成されるPCPの基本構造SBU3を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPをa軸方向から見た図を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPをb軸方向から見た図を示す。 本発明の実施例2で調製したPCPをc軸方向から見た図を示す。
本発明は、下記式(1)
[MXYm]n (1)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。mは0〜3である。nは、[MXYm]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体を提供する。
本願発明の材料の様に、多孔性高分子金属錯体に形成される細孔の表面に分子レベルの凹凸があり、特に軸周りの回転運動が存在する芳香環や、分子運動性が高いアルキル基のたぐいが細孔壁に存在する場合、厳密に細孔径を決定するのは困難である。このためここでは、細孔径とは、細孔の最大直径となる部分に存在している、本材料の骨格を形成している主因子である金属イオン間の距離と定義する。本発明において、メソ孔サイズとは、細孔径が2〜50nmの大きさの細孔をいうが、本発明では特に2〜15nm、さらには3〜7nmであることができる。メソ孔のサイズは単結晶X線構造回折によりネットワーク構造を明確にした後、専用ソフトウエアを使用することにより決定できる。
本発明のPCPは、メソ孔サイズの細孔を有している三次元ネットワーク構造を有している。以下、図面を参照して本発明のPCPの構造を説明するが、簡単のために水素原子は省略されている。図面において、原則として、2価の遷移金属イオンは黒色、炭素原子は白色(立体的に表現するために影として白色〜灰色になっている)、酸素原子は濃い灰色、窒素原子は薄い灰色、ふっ素原子は薄い灰色で表している。
各図は、実施例にて合成した化合物を単結晶X線回折装置により測定し、得られた電子密度のデータを専用のソフトウエアにて図版化したものである。実際の材料には結晶の格子欠陥や、分子の熱振動が存在するため、それら由来のデータの欠陥が生じ、このため、図面上は芳香環のゆがみ、官能基(特にアルキル基類)の消失等が起こりうる。しかし、仮にそうようなことがあったとしても、本発明の温和な合成条件においては芳香環のゆがみ、官能基の消失等は起こりえないと考えられ、あくまでも欠陥は測定上の問題であり、実化合物は、原料として使用した配位子により構成されると考えて良い。
本発明の第一の態様を、図1〜7に、銅イオン、C3F7基を5位に有するイソフタル酸誘導体から合成されたメソ孔PCPの例を用いて示す。なお、「SBU(secondary building unit)(構造素子)」はPCPの分野で知られている概念であるが、本発明においては、金属イオンとカルボキシル基等の酸素原子から形成される、たとえば、図1〜4に見られるパドルホイール構造やZnOのようなクラスター様の化学種であり、PCPのネットワーク構造において「かすがい」や構成単位のような役割をしている。
図1は、このPCPを構成する基本構造(複合SBU)を示す。この基本構造は、中央にパドルホイール構造のSBU(SBU1)が存在し、左右対称であり、したがって両側にそれぞれ、パドルホイール構造のSBUが3個(SBU2〜4)あり、末端に非対称のSBU(SBU5)が存在する。図2に中央SBU(SBU1)から伸びる半分の部分を切り出して示す。図3はSBU1〜3の部分を拡大して示し、図4はSBU4〜5の部分を拡大して示す。ただし、図1〜図4において、見る角度は必ずしも同じではない。図3に見られるように、パドルホイール構造のSBU1〜3の銅イオンにはC3F7基を5位に有するイソフタル酸誘導体のカルボキシル基が配位して環状物が形成されている。SBU1のパドルホイール構造の上下にはピリジンが配位している。SBU3のパドルホイール構造には、さらにC3F7基を5位に有するイソフタル酸誘導体のカルボキシル基と溶媒(メタノール)の酸素原子が配位しているが、その1つはC3F7置を5位に有するイソフタル酸誘導体を介してSBU4に配位結合している。図4にSBU4,SBU5を示すが、SBU4のパドルホイール構造の銅イオンにも、さらにC3F7基を5位に有するイソフタル酸誘導体のカルボキシル基と酸素原子が配位しているが、そのn− C3F7基を5位に有するイソ
フタル酸誘導体を介して(二座配位のカルボキシル基が)SBU5に配位結合している。
SBU5は、図4に見られるように、対称性がなくパドルホイール構造ではない。銅イオンにはC3F7基を5位に有するイソフタル酸誘導体のカルボキシル基(二座配位)と、イソフタル酸誘導体のカルボキシル基(一座配位)2個とピリジン2個が配位することで銅イオンは6配位状態になっている。しかし、SBU5に配位しているピリジンや、上述のSBU3に配位した溶媒などは、合成の際に用いられる溶媒や添加物、空気中の水分子等に由来する弱い配位の成分が、金属イオンに弱く配位しているだけであり、加熱すれば簡単に除去される成分であり、本発明のPCPにおける必須成分ではない。SBU4に配位している成分についても同様のことがいえる。このようなSBU1〜5が図1〜2に示すように集合して形成される左右対称の基本構造(複合SBU)は、全長がおおよそ3nmである。
図5〜7に、このような基本構造(複合SBU)からなるPCPのa軸、b*軸、c軸方向から見た図を示す。結晶学上のa,b,c各軸から見ても一見細孔があるようには見えないが、図5のa軸方向から見た図によれば、約3ナノ(30Å)の非常に大きな長周期構造を有し、直径約27.2ナノのメソ孔を有している。ここで細孔径は、細孔の長い径を形成しているパドルホイール構造に含まれる銅イオン間の距離である。
本発明の第二の態様を、図8〜14に、亜鉛イオンとn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体と4,4‘−ビピリジンから合成されたメソ孔PCPの例を用いて示す。
図8にこのPCPの最小単位SBU(SBU1’)を示すが、3個の亜鉛イオンと1個の酸素原子から成るクラスタに対し、3個のn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体のカルボキシル基が銅イオンを架橋することによりSBU1’が形成されている。
図9を参照すると、この最小単位SBU1’の3個(それぞれSBU1'(1))がn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体3個で架橋されて、図9に示すSBU(SBU2’)を形成している。図10を参照すると、このSBU2’の3個のSBU1’の各々(SBU1'(1))から下方向にn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体とビピリジンが垂れ下がるように配位し、ビピリジンの反対側にはSBU1’ (SBU1'(1))と同じSBU1’ (SBU1'(2))が配位し、この下側のSBU1’ (SBU1'(2))から上向きに3個がn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体が配位している。図10は、図9に示すSBU2’の3個のSBU1’ (SBU1'(1))のうちの1個のSBU1’ (SBU1'(1))にn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体とビピリジンが垂れ下がる部分を示す。図11に、図10に示すSBUが図9に示すように3個架橋された状態を示す。図10、図11では、図9に示した3個のSBU1’(SBU1’(1))から垂れ下がるビピリジンの反対側にあるSBU1’(SBU1’(2))から上にn−C17基を5位に有するイソフタル酸誘導体を介して結合されたSBU1をSBU1’(3)として示すが、この上下それぞれ3個ずつのSBU1’(1),SBU1’(2)(3)がZnOクラスタを囲んで6配位して、全体としてSBU3’が完成している。図11に示すSBU3’の直径(等価円)はおおよそ1.1nmである。
図14のc軸から見た図において、SBU3’が6個集まって六角形を形成し、その中に、細孔を形成している対角上の2個のSBU3’の中心距離を測定する方法で直径約3.5nm(約35Å)、細孔内部の最も内側に突き出しているベンゼン環の炭素原子間の距離を測定する方法で直径約3.3nm(約33Å)のメソポアが形成されていることが認められる。
なお、図1〜14に示したPCPは、実施例1及び実施例2で調製したPCPであり、溶媒や添加物が金属イオンに配位していることがあるが、これらは結合力が弱く、加熱すると簡単に除去される。
本発明の多孔性高分子金属錯体は多孔体であるため、水やアルコールやエーテルなどの有機分子に触れると孔内に水や有機溶媒を含有し、たとえば式(2)
[MXYm]n(G)q (2)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。mは0〜3である。Gは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子であり、通常ゲスト分子と呼ばれる。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。qは2価の遷移金属イオン1に対して0.2から6である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
しかし、これらの複合錯体中の上記Gで表されるゲスト分子は、多孔性高分子金属錯体に弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される錯体に戻る。そのため、式(2)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
また本発明の多孔性高分子金属錯体は、2価の遷移金属イオンに後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子が配位し、たとえば式(3)
[MXYm]n (3)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。mは0〜3である。Lは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子である。nは、[MXYm]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは2価の遷移金属イオン1に対して1または2である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
しかし、これらの複合錯体中の上記Lで表される配位性の分子は、2価の遷移金属イオンに弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される錯体に戻る。そのため、式(3)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
本発明のふっ素を含有し、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有しているネットワーク構造を有する新規な多孔性高分子金属錯体を形成する金属イオンは2価の遷移金属イオンである。2価の遷移金属イオンは、上記の配位構造を安定的に形成する。2価の遷移金属イオンの具体例としてはコバルトイオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン、銅イオンが挙げられる。得られた多孔性高分子金属錯体の化学的安定性の観点から、銅イオン、亜鉛イオンが好ましい。
本発明の多孔性高分子金属錯体を形成する第一配位子(パーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体)のパーフルオロアルキル基としては直鎖状または枝分かれのある炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基が挙げられ、特にガス分離特性が優れる点で、CF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021基が好ましい。ベンゼン環へのパーフルオロアルキル基の導入方法としては、たとえば、柴崎ら、Chem. Asian J. 2006, 1, 314 - 321を参照することができる。
次に、本発明の多孔性高分子金属錯体を形成する第二配位子に関して説明する。第二配位子は、線状の分子であって、その両端に配位点となる窒素原子を有している2座配位子である。
本発明で好ましく用いることができる第二配位子は、ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体である。
ビピリジンには、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジンなどのビピリジン異性体が好ましい。
本発明で好ましく用いることができる4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体としては下記一般式で表される化合物を挙げることができる。
(式中、RはC1〜C4アルキレン基、C2〜C4アルキレン基、C2〜C4アルキニレン基、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、ジアゾ結合、
を示し、Xは−S−、−O−または−NH−であり、Yはアリーレン基である。)
第二配位子は、好ましくは、化合物の安定性から、ピラジン、ビピリジン、又は、上記化学式でRが、ジアゼン−1,2−ジイル基、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、チオフェン−2,5−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ビフェニル−1,4−ジイル基、フェニレン基(さらに好ましくはp−フェニレン基)、1,2,4,5−テトラジン−1,4-ジイル基若しくは4,4’-ビフェニレン基であるビピリジン類縁の化合物である。
具体的には、本願発明で使用される第二配位子は、ピラジン、芳香環を二個含むピリジン誘導体、例えば、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジンなど、芳香環を3個以上含むピリジン誘導体、例えば、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンなどが挙げられる。これらの内、ピラジン、4,4’−ビピリジル、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、(E)−4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、3,6−ジ(4-ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンが好ましい。
第二配位子はその芳香環に置換基を有していてもよく、置換基の種類としては、メチルなどのアルキル基、ヒドロキシメチル基などの極性官能基を有するアルキル基、ジメチルアミノ基などのアミノ基類が好ましく、置換基の個数は1〜4個である。
(多孔性高分子金属錯体の製造方法)
本発明の多孔性高分子金属錯体は、2価の遷移金属イオンと第一配位子(炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体)とを溶媒に溶かし、または、2価の遷移金属イオン、第一配位子及び第二配位子(ピラジン、ビピリジン、4−ピリジル基を分子両末端に有するビピリジン類縁体)とを溶媒に溶かし、パーフルオロアルカンを共存させて、溶液状態で混合することで製造することができる。
本発明の多孔性高分子金属錯体を形成する2価の遷移金属イオンの原料としては、2価の遷移金属塩を用いることができる。2価の遷移金属塩の好ましい例としては、コバルト塩、ニッケル塩、亜鉛塩、銅塩が挙げられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する亜鉛塩としては、2価の亜鉛イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛が特に好ましい。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などのその他の2価の遷移金属塩も、2価の遷移金属イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ぎ酸塩、塩化塩、臭化塩が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸塩、硫酸塩が特に好ましい。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する第一配位子(パーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体)としては、上記した第一配位子を用いることができる、具体的には、直鎖状または枝分かれのある炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸誘導体が好ましく用いられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造に使用する第二配位子としては、上記した第二配位子を用いることができる。
溶媒としては、アルコール類などのプロトン系溶媒とジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒の混合溶媒を利用すると良好な結果が得られる。アルコール類などのプロトン系溶媒及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒は2価の遷移金属塩をよく溶解し、さらに2価の遷移金属イオンや対イオンに配位結合や水素結合することで2価の遷移金属塩を安定化し、配位子との急速な反応を抑制することで、副反応を抑制する。アルコール類の例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの脂肪族系1価アルコール及びエチレングリコールなどの脂肪族系2価アルコールを例示できる。安価でかつ2価の遷移金属塩の溶解性が高いという点でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールが好ましい。またこれらのアルコール類は単独で用いてもよいし、複数を混合使用してもよい。アミド系溶媒の例としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが例示出来る。2価の遷移金属塩の溶解性が高いという点で、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドが好ましい。
アルコール類とアミド系溶媒の混合比率は99:1〜1:99(体積比)で任意である。配位子、2価の遷移金属塩の両方の溶解性が高まり、副生成物の発生を抑制出来るという点で、混合比率は90:10〜10:90(体積比)、反応を加速できるという観点から80:20〜20:80(体積比)が好ましい。
溶媒として前記のアルコール類とアミド系溶媒の混合溶媒に別種の有機溶媒を混合して使用することもできる。アルコール類とアミド系溶媒からなる混合溶媒の別種の有機溶媒に対する混合比率は、30%以上にすることが、2価の遷移金属塩、第一配位子、第二配位子の溶解性を向上させる観点から好ましい。
本発明のふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有しているPCPを合成するためには、反応の際に、直鎖または分岐構造を有するパーフルオロアルカンを共存させる事が重要である。具体的に例示すると、パーフルオロ−n−ブタン、パーフルオロ−i−ブタン、パーフルオロ−n−ペンタン、パーフルオロ−n−ヘキサン、パーフルオロ−n−デカン、パーフルオロ−n−ドデカン、パーフルオロ−n−ヘキサデカンである。収率が向上する観点から、パーフルオロ−n−ブタン、パーフルオロ−i−ブタン、パーフルオロ−n−ペンタン、パーフルオロ−n−ヘキサン、パーフルオロ−n−デカンが特に好ましい。これらは単独の使用であっても、2種以上を混合して使用してもよい。混合する場合の混合比は任意である。
パーフルオロアルカンの添加量は、反応に使用する2価の遷移金属塩1モルに対し、0.001モル以上、200モル以下が好ましいが、目的物の収率が高い点で、0.005モル以上、20モル以下がより好ましく、さらには0.01モル以上、2モル以下、特に0.2モル以下がさらに好ましい。添加したパーフルオロアルカンは多くの溶媒に可溶性であり、目的とするPCPは殆どの溶媒に不溶性であることから、反応後に得られた固体生成物を溶媒で洗浄することで添加したパーフルオロアルカンは目的PCPから除去または回収する事が可能である。またパーフルオロアルカン類は一般に沸点が低いため、反応により得られた固体を減圧しながら加熱する事で、パーフルオロアルカンを除去する事も可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造方法では、反応促進剤として塩基を添加することも可能である。塩基は、配位子のカルボキシル基を陰イオンに変換する事で、反応を加速すると推定される。塩基としては、たとえば無機塩基として水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示できる。有機塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが例示出来る。反応加速性が高いという点で、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびピリジンが好ましい。添加量としては、使用するイソフタル酸の総モルに対し、反応の加速効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜6.0モル、副反応少ないという点でさらに好ましくは0.5から4.0モルである。
本発明の多孔性高分子金属錯体の製造方法では、反応制御剤として有機酸を添加することも可能である。有機酸は、配位子のカルボキシル基の酸としての解離を制御することで、反応が適切に進む事を制御していると考えられる。脂肪族の有機酸としては、酢酸、プロピオン酸などの1価の酸、シュウ酸、マロン酸などの2価の酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸などの環状カルボン酸が挙げられる。芳香族の有機酸としては、安息香酸、4−メチル安息香酸などの1価の酸が挙げられる。これらの内、溶解性が高く、金属イオンに配位が強すぎない酢酸、安息香酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸が好ましい。添加量としては、使用する配位子の総モルに対し、反応の効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜12.0モル、副反応が少ないという点でさらに好ましくは0.5から8.0モルである。
2価の遷移金属塩の溶液および配位子を反応させるに当たり、2価の遷移金属塩および配位子を容器に装填した後、溶媒を添加する方法以外に、2価の遷移金属塩、配位子をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合してもよい。溶液の混合方法は、2価の遷移金属塩溶液に配位子溶液を添加しても、その逆でもよい。また、2価の遷移金属塩溶液と配位子溶液を、積層した後に自然拡散による方法で混合してもよい。また、少量のパーフルオロアルカン類は、配位子と金属塩が混合する際に共存していれば、添加の方法、タイミングを問わない。たとえば2価の遷移金属塩、配位子をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合するのであれば、遷移金属塩または配位子の溶液のどちらか、または両方に加えてあれば良い。混合法としては、必ずしも溶液で行う必要はなく、例えば、2価の遷移金属塩溶液に固体の配位子を投入し、同時に溶媒を入れる方法や、反応容器に2価の遷移金属塩を装填した後に、配位子の固体または溶液を注入し、さらに2価の遷移金属塩を溶かすための溶液を注入するなど、最終的に反応が実質的に溶媒中で起こる方法であれば、種々の方法が可能である。ただし、2価の遷移金属塩の溶液と配位子の溶液を滴下混合する方法が、工業的には最も操作が簡便であり、好ましい。
いずれの方法に於いても、反応溶液を調製した後に静置することで、配位子と2価の遷移金属イオンの反応を適切な速度に保つことが好ましい。ここで、静置する温度は、−40℃〜180℃、副生生物の発生が抑制できるという点で、−20℃〜150℃が好ましい。静置する時間は、1時間〜3ヶ月、さらには副生生物が少ないという点で4時間〜2ヶ月であることが好ましい。
溶液の濃度は、2価の遷移金属塩溶液は10μmol/L〜4mol/Lが好ましく、100μmol/L〜2mol/Lであることがより好ましい。配位子の有機溶液は10μmol/L〜3mol/Lが好ましく、100μmol/L〜2mol/Lであることがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的物は得られるが、製造効率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では、吸着能が低下するおそれがある。
本発明のメソ孔を有するPCPの合成のために、第一配位子と第二配位子の混合比は、モル比で、第一配位子:第二配位子=8:1〜1:8であることがこのましい。収率が高くなる点で、1:5〜5:1、さらには3:1〜1:3であることがより好ましい。
また2価の遷移金属イオンに対する配位子の混合比は、モル比で2価の遷移金属イオン:配位子(第一配位子と第二配位子併せて)=20:1〜1:20であることが好ましい。収率が高くなる点でより好ましくは3:1〜1:3である。
反応は通常のガラスライニングのSUS製の反応容器および機械式攪拌機を使用して行うことができる。反応終了後は濾過、乾燥を行うことで目的物質と原料の分離を行い、純度の高い目的物質を製造することが可能である。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が目的とするふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有しているネットワーク構造を有しているかどうかは、単結晶X線結晶解析により得られた反射を解析することで確認することが出来る。上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、原料として複数種の第一配位子、あるいは複数種の第二配位子を混合使用して、使用した複数種の配位子を含有する多孔性高分子金属錯体を合成する、いわゆる固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成する事が可能であることを確認している。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、メソ孔構造であり、さらにこの層の上下(層の間)には、本ネットワーク構造を構成するイソフタル酸がパーフルオロアルキル基を有し、メソ孔にはそのパーフルオロアルキル基が突き出している。添加剤として加えたパーフルオロアルカン類と、第一配位子(イソフタル酸誘導体)が有するパーフルオロアルキル基が、ふっ素原子同士の相互作用により凝集構造を形成し、結果としてメソ孔細孔性PCPが得られたと推定される。しかし、本発明は理論に拘束されるものではなく、本発明の多孔性高分子金属錯体の特性もこの理論によって制限されるものではない。
多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは実施例に基づき説明する。
粉末X線回折測定には、ブルカーAX(株)社製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSを用いた。
実施例1
硝酸銅3水和物0.01ミリモルを水1mLに溶かし、直径5mmのガラス管に入れる。さらに5−ヘプタフルオロ−nープロピルイソフタル酸(5位にノルマルCF基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、ピリジン0.01ミリモル、パーフルオロ−n−ブタン0.005ミリモル、メタノール1mLの混合物を先ほどの水層の上にゆっくり注いで層を形成する。ガラス管に蓋をしたのち、室温で20日静置する。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図1〜7に示す構造を有し、直径5nmのメソ孔を有している事が分かった(a=22.010, b=18.340, c=29.770; α=β=γ=90; 空間群=P21/n)。
実施例2
硝酸亜鉛3水和物0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLに溶かし、直径5mmのガラス管に入れる。さらに5−ヘプタデカフルオロオクチルイソフタル酸(5位にノルマルC8F17基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4‘−ビピリジン0.01ミリモル、パーフルオロ−n−ヘキサン0.001ミリモル、エタノール1mLの混合物を先ほどのジメチルホルムアミド層溶液に加え、震盪してよく混合した。ガラス管に蓋をしたのち、80℃で3日静置する。得られた単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間8秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−180℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図8〜14示す構造を有し、直径3.4nmのメソ孔を有している事が分かった(a=28.8192(5), b=18.340, c=29.770; α=90, β=90, γ=120; 空間群=P31c)。
実施例3
硝酸コバルト3水和物0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLに溶かし、直径5mmのガラス管に入れる。さらに5−トリフルオロメチルイソフタル酸(5位にノルマルCF基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン0.01ミリモル、パーフルオロ−n−ヘキサン0.001ミリモル、エタノール1mLの混合物を先ほどのジメチルホルムアミド溶液に加え、震盪してよく混合した。ガラス管に蓋をしたのち、80℃で3日静置する。得られた単結晶からX線回折分析により、実施例2と同様に、図8〜14示す構造を有し、メソ孔を有しているネットワーク構造を有している事が明らかになった。(a=32.326, b=14.357, c=36.635; α=β=γ=90; 空間群=P21/n)
実施例4
硝酸ニッケル3水和物0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLに溶かし、直径5mmのガラス管に入れる。さらに5−ウンデカフルオロペンチルイソフタル酸(5位にノルマルC511基を有するイソフタル酸)0.01ミリモル、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン0.01ミリモル、パーフルオロ−n−ヘプタン0.001ミリモル、エタノール1mLの混合物を先ほどのジメチルホルムアミド溶液に加え、震盪してよく混合した。ガラス管に蓋をしたのち、100℃で3日静置する。得られた単結晶からX線回折分析により、実施例2と同様に、図8〜14示す構造を有し、メソ孔を有しているネットワーク構造を有している事が明らかになった。(a=27.396, b=16.336, c=31.196; α=β=γ=90; 空間群=P21/n)
比較例1
実施例1と同様の方法で、ただしパーフルオロアルカンを添加せずに合成した。得られた粉末を粉末X線装置により測定したところ、実施例1で得られた単結晶X線データからの粉末パターンシミュレーション結果とは異なっており、メソ孔を有するネットワーク構造が得られなかった事が判った。
<ガス吸着の結果>
得られたガス吸着材の二酸化炭素吸着性および窒素の吸着性をBET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)を用いて評価した(測定温度:二酸化炭素は195K、および273K、酸素及び窒素は77K)。測定に先立って試料を423Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。
表1に、実施例1〜4で得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性吸を示す。いずれも窒素は殆ど吸着しない一方、二酸化炭素と酸素を良く吸蔵し、また室温での二酸化炭素吸着量が比較的多い事からガス分離、貯蔵材として利用可能であることが判った。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして二酸化炭素や特に酸素などのふっ素原子と親和性を有するガスの特異的な吸着が可能であり、これらのガスの分離、貯蔵に好適に使用出来る。

Claims (5)

  1. 式(2)
    [MXYm]n(G)q (2)
    (式中、MはCuイオン、Znイオン、Coイオン又はNiイオンから選ばれる2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。mは0〜3である。Gはゲスト分子を示し、水分子、またはプロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る有機溶媒分子である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。qは2価の遷移金属イオン1に対して0.2から6である。)で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体。
  2. 式(3)
    [MXYm]n (3)
    (式中、MはCuイオン、Znイオン、Coイオン又はNiイオンから選ばれる2価の遷移金属イオン、Xは第一配位子を示し、炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を5位に有するイソフタル酸である。Yは第二配位子を示し、ピラジン、4,4’−ビピリジン、3,4’−ビピリジン、3,3’−ビピリジン、(E)−4,4’−(エチレン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(ジアゼン−1,2−ジイル)ビビピリジン、N-(ピリジン-4-イル)イソニコチンアミド、(E)−4,4’−(エテン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビピリジン、4,4’−(1,4−フェニレン)ビピリジン、3,6−ビ(ピリジン−4−イル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジン、4,4’−(9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エチン−2,1−ジイル)ビピリジンから選ばれる1種である。mは0〜3である。Lはプロトン系溶媒、アミド系溶媒の少なくとも1種から成る有機溶媒分子または水分子である。nは、[MXYm]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは2価の遷移金属イオン1に対して1または2である。)で表され、ふっ素原子を含有し、メソ孔サイズの細孔を有している多孔性高分子金属錯体。
  3. 請求項1または2に記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
  4. 請求項3に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
  5. 請求項3に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
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