JP5434114B2 - 多孔性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なブレンステッド酸性を有する多孔性材料及びその製造方法、及び該多孔性材料を用いた固体酸触媒に関する。
固体酸触媒は、塩酸や硫酸のような液状の酸に比べて、これを分離・回収するために中和や塩の除去といったプロセスが不要であり、不必要な副産物を生産することなく省エネルギーで目的物を得ることができるため、従来から積極的に研究が進められてきた。
その結果、ゼオライトやイオン交換樹脂、モンモリオナイト、シリカ−アルミナ、スルホン化カーボン(スルホン化活性炭)、スルホン基が固定化されたメソポーラスシリカ(スルホン酸化メソポーラスシリカ)等の固体酸触媒が知られており、石油化学品の製造及びさまざまな機能性材料の合成反応といったものに用いられている。しかしゼオライトやモンモリオナイトではスルホン酸基を有した固体酸性を示す材料は無く、スルホン化カーボン及びスルホン化メソポーラスシリカは、反応溶媒に対する耐久性や、反応溶媒に溶融してくる硫酸成分があり実際の使用は困難であった。
近年新しい多孔性材料として種々の配位形態をとりうる金属イオンと2座以上の配位座を有する架橋配位子とを組み合わせ自己集合させた配位高分子化合物が第3の多孔性材料として注目されている。配位高分子化合物はゼオライトと同様で均一な細孔を有するが、比表面積がゼオライトと比較し大きい(非特許文献1参照)、またスルホン酸基含有フッ素樹脂はガラス転移温度が低く耐熱性が低いが、配位高分子は高温でも安定である。さらにメソポーラスシリカのように合成過程でアミン系のテンプレートを使用しないため経済的である。
また、上記配位高分子化合物について、大表面積で耐熱性を有するような安定な骨格構造を形成させるには、カルボン酸系クラスター骨格のカルボン酸部位を芳香族化合物のカルボン酸で連結する方法が知られている(非特許文献2参照)。
特許文献1に記載の配位高分子化合物は、配位子がスルホン酸基を有する芳香族多価カルボン酸であるが、カルボン酸系クラスター骨格を有する金属と連結していない為、表面積が無い配位高分子化合物であり、細孔内触媒選択性が期待できる固体触媒にはなりえないものである。
従って、細孔が均一であり、非常に比表面積が大きく、耐熱性に優れ、固体酸性を有し、さらに合成が容易な多孔性材料は従来までに無く、新たな固体酸触媒として開発が期待されていた。
Angew.Chem.Int.Ed.(2000)、39、2081−2084 Science.(2005)、309、2040−2042
特開2007−63448号公報
本発明は、細孔が均一であり、非常に比表面積が大きく、耐熱性に優れ、固体酸性を有し、さらに合成が容易な多孔性材料を提供することを課題とする。また、前記多孔性材料を有する固体酸触媒の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定量以上の表面積を有し、かつ細孔径が均一で耐熱性を有する固体酸性を有する多孔性材料により達成されることを見出した。
即ち、本発明は、
BET比表面積が800m/g以上、細孔径が均一、及び耐熱温度が100℃以上で、固体酸量0.1mmol/g以上の固体酸性を有する多孔性材料からなるものである。
本発明の固体酸性を有する多孔性材料は、熱安定性に優れ、細孔が均一であり、比表面積が大きく、また製造が容易である為、新規固体酸触媒として有用である。また水に安定である為、エステル化反応、アセトンとフェノールの縮合によるBPA製造反応、ラクタム化合物の製造反応等の酸を必要とする反応に適している。
また比表面積が大きく、極性基を有する為、水蒸気やメタン、二酸化炭素、水素などのガス吸蔵材としても適している。
2核クラスター構造例を示す図である。 3核クラスター構造例及びクロム元素による3核カルボン酸型クラスター構造を示す図である。 亜鉛元素による4核カルボン酸型クラスター構造を示す図である。カルボン酸クラスターの構造例を示す図である。 2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する配位子の構造を示す構造式である。式中、Lはスルホン酸基を示し、Lはカルボン酸基を示す。 2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する配位子の構造を示す構造式である。式中、Lはスルホン酸基を示し、Lはカルボン酸基を示す。 2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する配位子の具体例を示す構造式である。 実施例1のクロム−2スルホテレフタル酸錯体(配位高分子化合物)の77Kにおける窒素吸着等温線を示すグラフである。 クロム−2スルホテレフタル酸錯体(配位高分子化合物)の細孔径分布を示す図である。 実施例1のクロム−2スルホテレフタル酸錯体(配位高分子化合物)の粉末X線回折図である。 クロム−2スルホテレフタル酸錯体(配位高分子化合物)の熱重量測定を示すグラフである。
(固体酸性を有する多孔性材料)
本発明の多孔性材料は耐熱性に優れ、比表面積が大きく、均一な細孔径を有し、且つ固体酸性を有する。具体的には、BET比表面積が800m/g以上、細孔径が均一、耐熱温度が100℃以上で、固体酸量0.1mmol/g以上の固体酸性を有する多孔性材料である。
本発明において多孔性材料とは、多数の細孔を有する固体物質を意味する。本発明の多孔性材料は、比表面積が、多点法BET比表面積として800m/g以上、詳細には、
800〜5000m/gであり、好ましくは1000〜4000m/g、更に好ましくは1200〜3000m/gのものである。比表面積が大きいほど細孔が大きくなるため触媒としての反応性が優れるという点で好ましいが、もろくて安定性に欠ける材料になりやすい。
また、本発明の多孔性材料は細孔が均一であることを特徴とする。ここでいう均一とは、細孔径分布曲線における最大ピークを示す細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれることを意味し、更に好ましくは細孔直径の±20%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれることをいう。細孔径分布曲線は次に述べる方法により求めることができる。すなわち、多孔性材料を液体窒素温度(77.4K)にて冷却して窒素ガスを導入し、定容量法あるいは重量法によりその吸着量を求め、次いで導入する窒素ガスの圧力を徐々に増幅させ、各平衡に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。この吸着等温線を用いて、CI法、DH法、BJH法の計算法により細孔径分布曲線を求めることができる。
本発明の多孔性材料のように細孔径が均一である材料では、活性炭など分布のある材料と比較して特異的な立体選択性などが期待できるため好ましい。
また、本発明の多孔性材料は、耐熱温度が100℃以上である。上記耐熱温度は、例えば、熱重量分析(TG)測定することによって吸着水の脱離以外の重量減少を測定することにより多孔性材料の骨格が分解する温度として測定することができる。固体酸触媒として利用する上で耐熱性は重要であり、既存の例えばイオン交換樹脂などは100℃以上での利用は困難である。本明細書中で耐熱温度とは、吸着水が脱離したと考えられる温度(100℃)を基準にして5wt%重量減少した温度を意味する。本発明の多孔性材料の耐熱温度は100〜400℃が好ましく、耐熱温度が高温であるほど利用できる触媒反応が増える為、200〜400℃がより好ましい。
本発明の多孔性材料の固体酸量は、0.1mmol/g以上であり、10mmol/g以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜5mmol/gであり、酸価が低すぎると活性作用が低く固体酸としての作用が低くなり易く、10mmol/gを超えて高すぎると極性溶媒に可溶し固体酸としての機能が損なわれ易い。
本発明の多孔性材料の固体酸量は、滴定法により求めることができる。例えば、スルホン酸基を含む多孔性材料を所定の濃度の塩化ナトリウム水溶液に分散させた後、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液で滴定することによって、固体酸量を求めることができる。
また、本発明の多孔性材料は、X線波長1.54184ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも3.3°±0.3°、8.4°±0.3°及び9.0°±0.3°の回折角(2θ)に回折ピークを有する特徴を有する。
(配位高分子化合物)
上記固体酸性を有する多孔性材料は、例えば、以下の配位高分子化合物により構成されるものが挙げられる。本明細書において、配位高分子化合物とは、金属元素と有機配位子の反応により得られる高分子化合物で、その主鎖の繰り返し単位(以下、「構成単位」と称することがある)が配位結合によって結合しているものをいう。
該配位高分子化合物の好ましい例としては、構成単位として、下記一般式(1)で表わされる2核金属クラスター、一般式(2)で表わされる3核金属クラスター、及び一般式(3)で表わされる4核金属クラスターのいずれかと、2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する配位子からなるものが挙げられる。

{M(OOC−R−COO)} ・・・(1)
(式中、MはCu2+、Rh2+、Zn2+、Mo2+、Cr2+、Co2+から選
択される2価の金属イオンを表わす。Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表し、他の置換基により置換されていてもよい。)

{M O(OOC−R−COO)} ・・・(2)
(式中、MはCr3+、Ru3+、Fe3+、Mn3+、V3+、Ti3+、Co3+から選択される3価の金属イオンを表わす。Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表し、他の置換基により置換されていてもよい。)

{ZnO(OOC−R−COO)} ・・・(3)
(式中、Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表し、他の置換基により置換されていてもよい。)

上記配位高分子化合物を構成する金属元素としては有機配位子と錯体を形成し得る金属元素であれば特に制限はなく、周期表のs−ブロック、p−ブロック元素であるBe、Mg、Ca、Ba、Al等も使用できるが、特にd−ブロック元素を使用することが好ましい。これは、配位高分子の形成には配位結合が重要な役割を担い、この配位結合の形成には、有機配位子が電子対を金属元素に供与し、この電子対を金属元素が受け入れるが、この電子対の受け入れにd軌道が適しているからである。
d−ブロック元素としては、有機配位子と複合錯体を形成し得る元素であれば特に制限はないが、形成される有機無機複合体の安定性、結晶性の点から、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mo、Ru、Rh、よりなる群から選ばれることが好ましく、特にCo、Cu、Fe、Ru、Zn、Rhよりなる群から選ばれることが好ましい。またこれらの構成する金属元素は1種類からなることが多いが、2種類以上の混合金属でもかまわない。
上記配位高分子化合物を構成する金属元素は単核でも良いがクラスター化していることがより好ましく、2核、3核、4核、6核、8核、12核の金属から構成されるいずれのクラスターでもかまわない。クラスター源となる金属は金属単体及び金属酸化物、過塩素酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化塩、硫酸塩など金属塩または水和塩、いずれの形態を用いてもよい。
クラスターを構成する要素としてハロゲンブリッジ、酸素、水酸基ブリッジ、チオールブリッジ、硫酸基ブリッジ、カルボン酸ブリッジ等がある。以下に2核クラスター構造例(一般式(4))、3核クラスター構造例(一般式(5))、カルボン酸クラスターの構造例(一般式(6))、及びスルホン酸クラスターの構造例(一般式(7))を示す。
(式中、Mは金属、Xはハロゲン元素、酸素、水酸基(OH)、チオール(SH、S−R(Rはアルキル基を示す))を示す。 )
(式中、Mは金属、Xはハロゲン元素、酸素、水酸基(OH)、チオール(SH、S−
R(Rはアルキル基を示す))を示す。)
(式中、Mは金属、Rはアルキル基を示す。)
(式中、Mは金属を示す。)
2核クラスターの中では、図1に示す様な上記一般式(1)で表わされる構造をとるカルボン酸型クラスターが安定性の面より好ましい。2核カルボン酸型クラスターを構成する金属種としては、銅、ロジウム、亜鉛、モリブデン、クロム、コバルトが含まれ、銅、ロジウム、モリブデンを含有するクラスターが安定性の面より好ましい。
3核クラスターの中では図2に示す様な一般式(2)で表わされる構造をとるカルボン酸型クラスターが好ましい。3核カルボン酸型クラスターを構成する金属種としては、クロム、ルテニウム、鉄、マンガン、バナジウム、コバルト、チタンが含まれる。クロム、バナジウム、ルテニウム、鉄を含有するクラスターが安定性の面より好ましい。
さらに4核クラスターとしては、図3に示す様な一般式(3)で表わされる構造をとるカルボン酸型クラスターが好ましい。
いずれのカルボン酸型クラスターとカルボン酸系配位子でも大表面積錯体が形成されるが水蒸気安定性の関係から特に3核クラスター構造がもっとも好ましく、構成する金属種としては、クロム、ルテニウム、鉄、マンガン、バナジウム、コバルト、チタンが含まれるが、合成錯体の安定性の観点よりクロム元素が最も好ましい。
配位高分子化合物の配位子は、非共有電子対を持つものが好ましく、配位高分子を形成させるには14族及び15族の元素を含んだ有機配位子が好ましい。特に、ヘテロ元素として、N、O、P、Sの1種又は2種以上を有する有機配位子が好ましい。
このようなヘテロ元素を有する有機配位子としては特に制限はないが、下記の化合物に由来するN、O、P、Sの1種又は2種以上を含有する構造を有するものが好ましい。
N含有構造としては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、2−ピロリン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、インドール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、4H−キノリジン、プリン、1H−インダゾール、キナゾリン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン、プテリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、フェナジン、インドリン、イソインドリン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラキス[(2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアゾ−6−イル)フェニル]メタン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ビピリジン、1,2−ビス(2−ピリジル)エタン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(2−ピリジル)グリコール、1,2−ビス(4−ピリジル)エタン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)グリコール、テトラメチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,4,6−トリ(4−ピリジル)−1,3,5−トリアジン、2,2’−ビイミダゾールなどの含窒素芳香族複素環系化合物、ピロリジン、2−イミダゾリドン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、キヌクリジン、アジリジン、アゼピンなどの含窒素脂肪族環状化合物が挙げられる。
また、Nを含む置換基も好ましく、アミノ基、シアノ基、アミド基、イミノ基、ニトロ基等が挙げられ、これらの置換基を有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(3―エチニルベンゾニトリル)ベンゼン、3−シアノ−6−メチル−2(1H)ピリジノン、4,4’,4’’−4’’’−テトラシアノテトラフェニルメタン等が挙げられる。
含有構造としては、特に制限はないが、カルボン酸類、オキソ化合物類、アルコール類が好ましい。カルボン酸の場合、1分子中にあるカルボキシル基の数に応じて、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸などと総称されるが、勿論、カルボキシル基の数には何ら限定されるものではなく、テトラカルボン酸、ペンタカルボン酸、ヘキサカルボン酸等のポリカルボン酸を用いても良い。カルボン酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ゼライン酸、セバシン酸、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、ショウノウ酸などの飽和または不飽和脂肪族のカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メリット酸、ナフトエ酸、トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、ケイ皮酸、フル酸、テン酸などの芳香族炭化水素または複素環化合物のカルボン酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸などの水酸基含有の飽和または不飽和脂肪族のカルボン酸、トロパ酸、ベンジル酸、サリチル酸、アニス酸、バニリン酸、ベラトル酸、ピペロニル酸、プロトカテキュ酸、没食子酸などの水酸基含有芳香族炭化水素系カルボン酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、アセト酢酸、メソシュウ酸、オキサル酢酸、レブリン酸などのカルボニル基含有カルボン酸等が挙げられる。
水酸基含有化合物類としては特に制限はないが、フェノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログリシノール、チモール、カルバクロール、スチフニン酸、2−ナフトール、2−フェナントロール、1、2、4−ベンゼントリオール、p−ターフェニル−2’−オール、ヒドロキノン、9、10−ビス(3、5−ジヒドロキシフェニル)アントラセン、ビスフェノールA等のフェノール類が挙げられる。
S含有構造として、特に制限はないが、チイラン、チイレン、チエタン、チエテン、チオフェン、チオラン、1、3−チアゾール、ベンゾチオフェン、1、4−ジチアナフタレン等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいのは、チオフェン、チオラン、1、3−チアゾール等である。
P含有構造として、特に制限はないが、ホスファベンゼン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、リン酸及びリン酸エステル類、亜リン酸及び亜リン酸エステル類、次亜リン酸及び次亜リン酸エステル類等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいのは、トリフェニルホスフィン、リン酸、リン酸エステル類等である。また上記配位子は組み合わせて使用しても良い。
固体酸性の発現にはスルホン酸、りん酸、カルボン酸何れでも良いが、固体酸性度からスルホン酸がより好ましい。
上記配位高分子を形成する配位子の中で、2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物が良く、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、フェナントレン、アントラセン、ピレン、1、3、5−トリフェニルベンゼンなど剛直な部位を有し、2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する図4及び図5に示す構造を有する配位子から選択されたものが好ましく用いられる。さらに、具体的には、例えば、図6に記載の化合物が配位子として集積化させ易い点で好ましく、その中でも最も好ましくは2−スルホテレフタル酸である。
上記配位子のカルボン酸、スルホン酸以外の部位は他の置換基、以下の3つのいずれの置換基を有しても良い。(i)1〜10個の炭素原子からなる置換または無置換の炭化水素基。(ii)1〜10個の炭素原子からなる置換または無置換のアルコキシ基、または、置換または無置換のアリーロキシ基及びヘテロアリーロキシ基。(iii)その他置換基(i)〜(iii)において、置換基は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、シリル基及びシロキシ基より成る群より選定される置換基である。
(i)における具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基のような炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
(ii)における具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等の飽和炭化水素基から成るアルコシキ基、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、メトキシフェノキシ基、ジメトキシフェノキシ基、カルボメトキシフェノキシ基、シアノフェノキシ基、ニトロフェノキシ基、クロロフェノキシ基、ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ基、メチルナフトキシ基、メトキシナフトキシ基、クロロナフトキシ基、ニトロナフトキシ基、テトラヒドロナフトキシ基等の置換基を有していてもよいアリーロキシ基、ベンジロキシ基等のアラルキルオキシ基、ピ
リジノキシ基、メチルピリジノキシ基、ニトロピリジノキシ基、ピラジロキシ基、ピリミジロキシ基、ベンゾフリロキシ基、キノリロキシ基、イソキノリロキシ基、ベンズイミダゾリロキシ基、インドリロキシ基等のヘテロ元素含有芳香族オキシ基等が挙げられる。カルボン酸、スルホン酸以外の部位は(i)〜(iii)いずれの置換基により置換されていてもよいが細孔を大きく利用する上で立体的に小さい置換基であることが好ましい。
本発明の配位高分子化合物の構成単位として好ましい例は、クラスター源として3核カルボン酸型クラスター、配位子として、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、フェナントレン、アントラセン、ピレン、1,3,5−トリフェニルベンゼンなど剛直な部位を有し、2つ以上のカルボン酸と1つ以上のスルホン酸基を有する配位子からなるものが挙げられる。また、上記配位子の好適な例としては、図6に記載のものが挙げられる。
さらに本発明の配位高分子化合物の構成単位としてもっとも好ましい例としては、クロムの2−スルホテレフタル酸錯体、鉄の2−スルホテレフタル酸錯体、バナジウムの2−スルホテレフタル酸錯体、ルテニウムの2−スルホテレフタル酸錯体、クロムの5−スルホイソテレフタル酸錯体、鉄の5−スルホイソテレフタル酸錯体、バナジウムの5−スルホイソテレフタル酸錯体、クロムの4−スルホイソテレフタル酸錯体、鉄の4−スルホイソテレフタル酸錯体、バナジウムの4−スルホイソテレフタル酸錯体が特に好ましい。
(固体酸性を有する多孔性材料の製造方法)
本発明の固体酸性を有する多孔性材料は、上述の配位高分子化合物の構成要素である金属クラスター源、配位子、助触媒、溶媒を混合して拡散させるだけで得られることもあるが、ゼオライト合成と同様の方法でオートクレーブなどの耐圧容器に入れ高温・加圧下で反応させても良い。
また反応する配位子のカルボン酸部位及びスルホン酸部位は共に、酸のままでもアルカリ金属塩化しても良い。混合比は2、3核クラスターでは配位子のカルボン酸量に対し金属カチオンがモル比として1:1程度が好ましく、4核クラスターでは配位子のカルボン酸量に対し金属カチオンがモル比として3:4程度を目安とするが、その比率よりをどちらかを過剰ないし大過剰に用いてもよい。
好ましくは配位子の量を多く入れた場合の方が得られる錯体の比表面積が大きくなることもあるが、経済的に良くない。
反応温度は、通常、常温〜300℃の間である。反応温度が余りに高いときには生成物が分解する怖れがあるので、好ましくは、常温〜250℃である。
反応時間は、反応温度は合成のスケールによって一概には決められないが、低温であるほど長時間を要し、一般に30分〜3週間である。反応を均一溶媒で実施する際は数時間程度で問題ないが、耐圧容器下、不均一条件で反応を実施する場合は長時間、具体的には1週間程度必要とする場合もある。
配位高分子化合物の合成反応をより促進させるため沸酸、塩酸、蟻酸、酢酸、硝酸など少量の酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを反応溶媒に加えてもよい。酸やアルカリは多量に用いると配位高分子化合物の合成を妨げる為、配位子に対して0.1〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モル程度が良い。溶媒に関しては水、有機溶媒いずれを使用しても良く混合させても良い。溶媒の使用量に関しては特に限定はないものの、重量基準で10〜2000倍程度が反応制御の容易さの点で好ましい。
反応終了後、沈殿物をろ過することによって、生成物を簡単に単離することができる。生成物単離後は、必要に応じ水や有機溶媒による洗浄を行う。好ましくは水とアセトンの等量混合溶液等用いることができる。また、単離された配位高分子化合物の陰イオンを交
換させる為に沸酸、塩酸、蟻酸、酢酸、硝酸など少量の酸に浸しても良い。
単離された生成物を吸着材として使用するためには、これを速やかに減圧下で加熱することによって、脱溶媒することが特に好ましい。脱溶媒することにより配位高分子化合物が安定化して多孔質構造が維持される傾向にある。その加熱温度は、50〜350℃程度が好適である。なお脱溶媒せずに長時間、例えば数日間放置すると、配位高分子化合物の結晶構造が変わり、比表面積が減少し吸着材、触媒としての性能を損ねる怖れがある。
(多孔性材料の形状及び触媒としての利用)
このような本発明の固体酸性を有する多孔性材料の形状は、特に制限されないが、触媒として利便上、粒子状或いは膜状であることが好ましい。形状が粒子状の場合、粒子の平均粒径は0.01〜100μmであることが好ましく、0.01〜50μmであることがより好ましく、0.1〜50μmであることが特に好ましい。触媒の平均粒径が0.01μm未満である場合は、粒子が飛散しやすく取り扱いが困難となる傾向にあり、他方、平均粒径が100μmを超える場合は、触媒の内部細孔が十分に利用できなくなる傾向にある。
本発明の配位高分子化合物を触媒として利用する場合は、上記粒子からなる粉末のまま使用しても良いが、必要に応じて成形して使用しても良い。成形する手段はどのようなものでも良いが、押出成形、打錠成形、転動成形、圧縮成形、CIP等が好ましい。その形状は使用箇所、方法に応じて決めることができ、例えば円柱状、破砕状、球状、ハニカム状、凹凸状、波板状等が挙げられる。
かくして製造される本発明の多孔性材料は、本発明の多孔性材料の特徴として上述のとおり耐熱性に優れ、比表面積が大きく、均一な細孔径を有し、且つ固体酸性を有する。具体的には、BET比表面積が800m/g以上、細孔径が均一、耐熱温度が100℃以上で、固体酸量0.1mmol/g以上の固体酸性を有することを確認することにより、本発明の多孔性材料として用いられる。
本発明の多孔性材料は、固体酸触媒として使用可能でありアルキル化、アシル化、オリゴマー化、異性化、水和、糖類などの加水分解、エーテル化、エステル化、水素化分解、有機化合物のニトロ化、ベックマン転位反応などの反応に使用でき、特に、フェノールとアセトンからビスフェノールA化合物を製造する際の触媒として効果的に使用される。
また、本発明の多孔性配位高分子化合物は、フリーのスルホン酸部位を有する多孔質でありBET法による比表面積も800m/g以上と非常に大きいことから水蒸気やメタン、二酸化炭素、水素などのガス吸蔵材として、さらに乾燥剤、分別材料、分析材料、電池材料、ガスセンサーなどの用途に使用することも含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
(粉末X線回折)
配位高分子化合物のX線回折の測定は、粉末X線回折装置を用い、ターゲットにCuを有するX線管球から発生したX線を試料に照射し、試料により回折された回折X線をモノクロメーターまたはNiフィルターにてCuKα線に単色化されたものを検出することにより行なった。回折ピークの位置は、2θ(回折角)として表される。なおθはブラッグ角を示し、オングストローム単位における面間隔(d値)はブラッグの条件式(2dsinθ=λ)から計算される。ここでλは測定に用いたX線の波長を示す。ピーク位置はピークトップとして表す。また、通常、2θの測定は、人的誤差と機械的誤差との両者を受ける。以上の誤差等を考慮して、測定値の±の範囲を約プラスマイナス0.3°として規定した。
X線回折装置:PANalytical社製 PW1700
使用X線:CuKα線(λ=1.54184Å)
管電圧、管電流:40kV、30mV
発散スリット(DS)=1.0度
散乱スリット(SS)=1.0度
受光スリット(SS)=0.2mm
走査方法:θ/2θスキャン
走査角度:3〜40度
(元素分析)
配位高分子化合物の組成分析に関しては、以下に示す方法にて実施した。クロムはアルカリ溶融し溶解した溶液をICP発光分析装置(HORIBA JOBIN YVON社製ULTIMA 2C型)を用いて波長205.552nmで定量した。炭素、水素はCHN分析計(Parkin Elmer社製2400II型)で、酸素は酸素窒素分析計(Leco社製TC−436型)で定量した。イオウは自動試料燃焼装置(三菱化学アナリテック社製AQF−100型)で燃焼し発生したガス成分を吸収した溶液をイオンクロマトグラフ分析装置(DIONEX社製DX−500型)で定量した。ナトリウムは湿式分解し溶解した溶液を原子吸光分析装置(VARIAN社製SpectrAA 220型)で定量した。
(BET比表面積、細孔径分布)
細孔径分布および比表面積の測定に関しては、カンタークローム社製 全自動ガス吸着測定装置 AS−3Bを用いて窒素吸着により比表面積は多点法を用いて、細孔径分布はBJH法にて、解析範囲を拡張して実施した。
(固体酸量)
固体酸量は乾燥した状態の錯体 0.5gを常温の飽和塩化ナトリウム水溶液に30分に入れ、水酸化ナトリウム水溶液にて滴定し算出した。
(熱重量測定 TG)
熱重量測定は熱重量分析器(セイコー電子工業社製SSC/5200シリーズ)を用いて測定した。
実施例1 多孔性配位高分子合成例
150mlテフロン(登録商標)容器に酸化クロム(VI)1.25g、2−スルホテレフタル酸ナトリウム2.01g、塩酸0.91gに水50ml加え攪拌した。これをステンレス製オートクレーブに仕込み、180℃で144時間反応させた。反応後1晩冷却し、固体をろ過して沈殿物を回収した。沈殿物を1Nの硫酸に1時間ほど浸した後、水―アセトンのの等量混合溶液で3回以上洗浄し、120℃で減圧乾燥し、緑色固体1.9gを得た。
窒素吸着によるBET比表面積は(多点法解析1362m/g)であり、9〜21nmの細孔が全細孔容積の70%程度であった。多点法吸着測定結果を図7に示し、細孔径分布に関して図8に示す。細孔径分布測定結果より、分布が狭く均一な細孔であることがわかった。
この配位高分子化合物を1晩飽和水蒸気を吸着させた後、X線回折測定結果を図9に示す。また元素分析による重量分析結果は表1のようになり下記の組成式(8)に示す構造であることが推定される。
XRPD測定結果から、少なくとも3.3°±0.3°、8.4°±0.3°及び9.0°±0.3°の回折角(2θ)に回折ピークを有することが分かった。また、この配位高分子化合物の熱重量測定した結果を図10に示す。また乾燥錯体0.5gを飽和塩化ナトリウム水溶液に入れ、水溶液中の塩酸量を滴定した結果1.0mmol/gであった。以下この錯体をクロム−2スルホテレフタル酸錯体と略記する。
実施例2 エステル化反応
50ml反応容器中に、メタノール溶媒中(30cc)にヘキサン酸0.33gを入れ、触媒として実施例1で合成したクロム−2スルホテレフタル酸錯体0.45gを加え、加熱還流を6時間実施しエステル化を実施した。生成したエステルの同定はガスクロマトグラフィー(GC)により行った。測定の結果ヘキサン酸メチルへの転化率は80%であった。
実施例3 ビスフェノールA製造反応
50ml反応容器中に、フェノール溶媒9.0gに触媒として実施例1で合成したクロム−2スルホテレフタル酸錯体0.52gを加え、助触媒として4−アミノエタンチオールを酸量に対して30%相当0.030g加え70℃で1時間 攪拌、加熱を行なった。反応後、アセトン0.4452gを滴下し、110℃に昇温、攪拌し1時間BPA合成反応を実施した。減少していくアセトンの定量はガスクロマトグラフィー(GC)により行い、生成したBPAの定量は液体クロマトグラフィー(LC)により行なった。反応1時間後のアセトン転化率は81.7%であり、BPA収率は54.1%であった。
比較例1 クロム−テレフタル酸触媒を用いたエステル化反応
50ml反応容器中に、メタノール溶媒30cc、ヘキサン酸0.33gを入れ、触媒として非特許文献1に示される錯体0.45gを加え、加熱還流を6時間実施しエステル化を実施した。生成したエステルの同定は実施例1同様ガスクロマトグラフィー(GC)により行った。測定の結果ヘキサン酸メチルへの転化率は2%であった。
比較例2 イオン交換樹脂を触媒として用いたビスフェノールA製造反応
50ml反応容器中に、フェノール溶媒9.0gに触媒としてイオン交換樹脂を実施例3の酸量と同量0.3g加え、助触媒として4−アミノエタンチオールを酸量に対して30%相当0.030g加え70℃で1時間 攪拌、加熱を行なった。
アセトン0.4452gを滴下し、110℃に昇温、攪拌し1時間BPA合成反応を実施した。減少していくアセトンの定量はガスクロマトグラフィー(GC)により行い、生成したBPAの定量は液体クロマトグラフィー(LC)により行なった。反応1時間後のアセトン転化率は61.3%であり、BPA収率は 51.3%であった。

Claims (5)

  1. BET比表面積が800m/g以上、細孔径が均一、及び耐熱温度が100℃以上で、固体酸量0.1mmol/g以上の配位高分子化合物からなる固体酸性を有する多孔性材料であって、
    前記配位高分子化合物の構成単位が、一般式(1)で表わされる2核金属クラスター、一般式(2)で表わされる3核金属クラスター、又は一般式(3)で表わされる4核金属クラスターのいずれかからなることを特徴とする多孔性材料。
    {M (OOC−R−COO)} ・・・(1)
    (式中、M はCu 2+ 、Rh 2+ 、Zn 2+ 、Mo 2+ 、Cr 2+ 、Co 2+ から選択される2価の金属イオンを表わす。Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表わし、他の置換基により置換されていてもよい。)
    {M O(OOC−R−COO) } ・・・(2)
    (式中、M はCr 3+ 、Ru 3+ 、Fe 3+ 、Mn 3+ 、V 3+ 、Ti 3+ 、Co 3+ から選択される3価の金属イオンを表わす。Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表わし、他の置換基により置換されていてもよい。)
    {Zn O(OOC−R−COO) } ・・・(3)
    (式中、Rは1つ以上のスルホン酸基を有する芳香族化合物を表し、他の置換基により置換されていてもよい。)
    (ただし、一般式(1)〜(3)のRにおいて、前記芳香族化合物はベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、フェナントレン、アントラセン、ピレン又は1,3,5−トリフェニルベンゼンであり、また、前記他の置換基は以下の3つのいずれの置換基である。(i)1〜10個の炭素原子からなる置換または無置換の炭化水素基。(ii)1〜10個の炭素原子からなる置換または無置換のアルコキシ基、または、置換または無置換のアリーロキシ基及びヘテロアリーロキシ基。(iii)アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、シリル基及びシロキシ基より成る群より選定される置換基。なお、(i)又は(ii)において置換されている場合のその置換基は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、シリル基及びシロキシ基より成る群より選定される置換基である。)
  2. 前記配位高分子化合物の構成単位が、前記一般式(2)で表わされる3核金属クラスターからなることを特徴とする請求項1に記載の多孔性材料。
  3. 前記配位高分子化合物の構成単位が、一般式(8)で表される構造からなることを特徴とする請求項2に記載の多孔性材料。
  4. X線波長1.54184ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも3.3°±0.3°、8.4°±0.3°及び9.0°±0.3°の回折角(2θ)に回折ピークを有する請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔性材料。
  5. 請求項1に記載の金属クラスター源、配位子、助触媒、及び溶媒を混合して加熱することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔性材料の製造方法。
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