JP2018154563A - 多孔性高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 - Google Patents

多孔性高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたガス吸着特性を有する2次元積層型の多孔性高分子金属錯体及びその前駆体を提供する。【解決手段】式(1):{[Cu(bpy)(BF4)2(H2O)2]bpy}n(式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子、nは{[Cu(bpy)(BF4)2(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)で表される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体。この前駆体は、粉末X線回折測定で、回折角2θ=14度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.3〜5%、2θ=22度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=25度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=27度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.8〜7%、高角側にシフトしている。【選択図】図1

Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせおよび骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。
多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性の制御は、金属イオン、配位子や合成法を変化させる事で、種々のネットワーク構造を作る事で可能である。また別の方法として、他の材料との複合体を作成する手法が挙げられる。
ナノファイバーとの複合化により膜等を形成する、Liら、J. Mater. Chem. (2012) 16971高分子との複合化で膜を作成するLivingstonら、J. Am. Chem. Soc. (2013)15201、キチン類との複合化で膜を作成するKaskelら、Angewandte Chem., Int. Ed. (2016) 12588などが行われている。これらは主として賦形を目的とされており、複合化により多孔性高分子金属錯体の吸着特性を向上させることを目的としていない。
炭素材料とのコンポジットとしては、導電性を目的としたShimizuら, Langmuir, (2016), 32 (19), 4935,グラフェンとの複合体であるBandoszら、Adv. Mater., (2009), 21(46), 4753等が知られている。
しかし、どのような構造の多孔性高分子金属錯体をどのような材料とどのような手法で複合化すればどのような特性変化が生じるかの系統的な研究は行われておらず、炭素等の無機材料と多孔性高分子金属錯体の複合化によりガス吸着特性を向上させる手法は明らかになっていない。
特開2000−109493号公報 特開2004−74026号公報
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Robsonら、Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1460 ± 1494 上代ら、Int. J. Mol. Sci. 2010, 11, 3803-3845
本発明の目的は、優れたガス吸着特性を有する2次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体の前駆体である1次元の(線状)高分子金属錯体を提供することであり、また、この多孔性高分子金属錯体の前駆体から、優れたガス吸着特性を有する2次元積層型の多孔性高分子金属錯体を得ることである。さらにこれを用いたガス吸着材を提供することである。また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、炭素材料の存在下で、多孔性高分子金属錯体の前駆体を製造し、この多孔性高分子金属錯体の前駆体を原料として製造した2次元積層型多孔性高分子金属錯体の吸着特性が、従来よりも非常に優れている事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素材料存在下に製造した多孔性高分子金属錯体の前駆体であり、またこれから誘導される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体であり、これらのガス吸蔵材料としての利用及び本ガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置に関する発明である。
すなわち本発明は下記にある。
(1) 下記式(1):
{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}n
(式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体であって、
粉末X線回折測定で、回折角2θ=14度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.3〜5%、2θ=22度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=25度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=27度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.8〜7%、高角側にシフトしている2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体。
(2) 前記(1)に記載の前駆体から生成された下記式(2):
[Cu(BF42(bpy)2n
(式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは[Cu(BF42(bpy)2]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体。
(3) 4,4’−ビピリジンと、カーボンブラック、活性炭素繊維、カーボンクライオゲルおよびカーボンエアロゲルから選ばれる少なくとも1種の炭素材料とを溶媒中で混合する工程、
前記混合溶液に銅金属塩を添加し、混合する工程、
生成した反応溶液を静置する工程、
前記反応溶液から、反応生成物である{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}n
(式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
と、前記炭素材料とを分離する工程
を含む、前記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体の前駆体の製造方法。
(4) 前記(2)に記載の2次元積層型の多孔性金属錯体を含むガス吸着材。
(5) 前記(4)に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
(6) 前記(4)に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
本明細書で用いる「ELM」は、Elastic Layer-structured Metal organic frameworkのことをいう。
ELM−11は、[Cu(BF42(bpy)2]で表される多孔性高分子金属錯体を表し、pre‐ELM−11は、[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpyで表される多孔性高分子金属錯体の前駆体を表す。
本明細書にいう「基準材」とは、東京化成工業(株)から販売されているpre−ELM−11(製品コード:C2409)である。
本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体は多量のガスを吸蔵、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことが可能である。また本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸蔵材料を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することが可能になる。
本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(以下「PSA方式」と略記)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良いガス分離が可能である。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明のガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時や保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
ガス分離装置やガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状や容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特に特別の装置を用いなくてもよく、ガス分離装置やガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含されるものである。
実施例、比較例で得られたpre‐ELM−11の粉末X線回折測定の結果のチャート図である。
本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体(以下、単に「本発明の前駆体」ともいう)は、下記式(1):
{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}n
(式中、bpyは4,4’−ビピリジン。nは{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表される。非特許文献3にpre−ELM−11または化合物1として記載されている1次元高分子金属錯体と同じ化学組成を有するが、それとは結晶構造が異なる物質である。
また本発明の2次元積層型の多孔性高分子金属錯体(以下、単に「本発明の多孔性高分子金属錯体」ともいう)は、非特許文献3にELM−11として記載されている多孔性高分子金属錯体と同じ化学組成を有するが、その結晶構造が異なる物質である。ELM−11は、ガスの吸着に際して構造変化を生じ、ゲート的にガスを吸着する事が知られている。
pre−ELM−11は、ガス吸着性を有さないが、非特許文献3に記載の通り、減圧加熱処理により、容易にガス吸着特性を有するELM−11に変換する事が可能であり、ELM−11の前駆体または等価体と見なすことができる。
本発明では、炭素材料の存在下でpre−ELM−11を合成することで、炭素材料が存在しない状態で合成された非特許文献3のpre−ELM−11よりも格子が縮んだ、特殊な結晶状態のpre−ELM−11が合成される。これを前駆体として用いる事で、非特許文献3に記載のELM−11よりよりも優れたガス吸着能を有するELM−11を合成することができた。
非特許文献3に記載されているELM−12、ELM−13は、ELM−11と同じく2次元四角格子が積層したネットワーク構造を有している。ELM−11とELM−12、ELM−13の違いは、対イオンの違いだけで有る。高分子金属錯体の対イオンを、イオン交換法にて交換することはよく知られており、ELM−12、ELM−13もELM−11からイオン交換で合成する事が可能である。具体的には、アルコール溶液中にpre−ELM−11を浸漬することでpre−ELM−11をELM−11に変換し、さらにこの溶液に所望のイオンを含有する塩、たとえば、ELM−12の合成であれば、CF3SO3Na塩、ELM−13の合成であれば、CF3FB3Na塩を添加すれば良い。
したがって、本発明の前駆体を原料として用いてELM−12、ELM−13を合成した場合、非特許文献3に記載のpre−ELM−11から合成されたELM−12、ELM−13よりも優れた吸着能を有している。これは、炭素材料存在下で合成された本発明の前駆体の特殊な格子の構造が、イオン交換後にも維持されている為と考えられる。
本発明の前駆体は、炭素材料存在下で、前駆体の原料となる銅金属塩と4,4’−ビピリジンを溶媒中で混合して反応させ、反応後に生成した前駆体と炭素材料とを分離することで製造することができる。炭素材料は比重が軽いため、溶媒に浮き、生成した本発明の前駆体は比重が大きく、溶媒に沈降するため、デカンテーション等の方法で炭素材料と本発明の前駆体は分離が可能である。また遠心分離等を用いて強制的に沈降させた場合にも、本発明の前駆体と炭素材料とは異なる層として沈降するため、容易に分離が可能である。本発明の前駆体を合成するために用いる炭素材料の添加量は、原料となる銅金属塩に対して、0.1質量%以上、400質量%以下が好ましく、優れた特性の多孔性高分子金属錯体が得られる点で、0.5質量%以上、200質量%以下がさらに好ましい。
本発明の前駆体の合成時に使用することができる炭素材料として、例えば、カーボンブラック、活性炭素繊維、カーボンクライオゲル等が挙げられる。カーボンクライオゲルとは、ホルムアルデヒドなどの炭素源から炭素材料を調整する際に、凍結乾燥により乾燥して合成される炭素材料の総称である。
さらに炭素材料として、カーボンエアロゲルが挙げられる。カーボンエアロゲルはホルムアルデヒドなどの炭素源から炭素材料を調製する際に、超臨界二酸化炭素等を利用して乾燥して合成される炭素材料の総称である。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体の前駆体が目的の結晶構造を有しているかどうかは、粉末X線回折測定により、既知のデータと照合することで確認できる。上記の反応により得られた材料のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
基準となる既知のデータとして、具体的には、東京化成工業(株)から販売されているpre−ELM−11のデータを用いて照合した。
本発明の多孔性高分子金属錯体の前駆体は、炭素材料が存在しない状態で合成された非特許文献3に記載のpre−ELM−11と、本質的には同じ結晶系であり同等の結晶格子構造を有している。しかし、粉末X線回折測定の結晶構造解析から、炭素材料が存在しない状態で合成されたpre−ELM−11と比較して、特定の反射のピーク値が高角側にシフトしており、特有の結晶構造を有している事が判った。本発明の前駆体は、非特許文献3に記載されているpre−ELM−11と同様に、さらに減圧加熱処理等実施することにより、ガス吸着性を有するELM−11に変換することができた。しかし、本発明の特有の結晶構造を有する前駆体から合成された多孔性高分子金属錯体(ELM−11と同じ化学成分を有する)は、炭素材料が存在しない状態で合成されたpre−ELM−11から合成されたELM−11よりも優れた吸着特性を有していた。これは、本発明の前駆体の特有の結晶構造が、本発明の多孔性高分子金属錯体に変換された後もELM−11の結晶構造に、たとえば歪みや結晶格子サイズの変化等の影響を及ぼすことで、吸着特性を向上させていると考えられる。
本発明の多孔性高分子金属錯体を含めて、通常、ELM−11と称される多孔性高分子金属錯体は、空気に触れた瞬間にpre−ELM−11に変化してしまうため、ELM−11自体の粉末X線回折測定を行う事は事実上不可能である。したがって、前駆体であるpre−ELM−11の状態で、粉末X線測定を行い、前駆体の結晶構造を特定した。本発明の多孔性高分子金属錯体は、本発明の前駆体を減圧加熱処理等することにより得られたものである。
本発明はこれらの理論に拘束されるものではなく、本発明の多孔性高分子金属錯体の特性もこの理論によって制限されるものではない。
本発明の多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは実施例に基づき説明する。本発明の前駆体は、ガス吸着前処理の加熱により脱水され、本発明の多孔性高分子金属錯体へと変換され、吸着特性を発現する。
粉末X線回折測定には、ブルカーAX(株)社製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSを用いた。基準材として、前述の東京化成工業(株)から販売されているpre−ELM−11(製品コード:C2409)を用いた。
実施例1
カーボンクライオゲルの調製
レゾルシノール、ホルムアルデヒド、水、炭酸カルシウムを混ぜ、298Kで二週間放置した後、溶媒の水をt−ブタノールと一晩かけて交換を数回行った。223Kで2時間以上冷やし凍結させ、真空ラインで昇華させる。その状態で3日ほど乾燥させ、1273Kで4時間かけ炭化させた。
カーボンクライオゲル存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にカーボンクライオゲル100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
実施例2
カーボンエアロゲルの調製
レゾルシノール、ホルムアルデヒド、水、炭酸カルシウムを混ぜ、298Kで二週間放置した後、溶媒をアセトンと一晩かけて交換を数回行った。10MPa、318K、3時間で超臨界の二酸化炭素乾燥を行った。その状態で3日ほど乾燥させ、1273Kで4時間かけ炭化させた。
カーボンエアロゲル存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にカーボンエアロゲル100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
実施例3
カーボンブラック存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にカーボンブラック(三菱化成製品、品番#32)100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
実施例4
活性炭素繊維存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)に活性炭素繊維(株式会社アドール製A−20)100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
実施例5
カーボンブラック存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にカーボンブラック(三菱化成製品、品番#32)25mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
実施例6
カーボンブラック存在下での本発明の前駆体の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にカーボンブラック(三菱化成製品、品番#32)500mgを加え75℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約5時間ほどかけて滴下した。常温で一晩静置したのち、溶液上層に浮いている炭素分を除いた後、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
比較例1
非特許文献3に記載のpre−ELM−11の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)に60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を、約2時間かけて滴下した。常温で一晩静置したのち、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
比較例2
シリカ存在下でのpre−ELM−11の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にシリカ(Aldrich製、Wormhole mesostructured silica)100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間かけて滴下した。常温で一晩静置したのち、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
比較例3
シリカ存在下でのpre−ELM−11の合成
4,4’−ビピリジンのメタノール溶液(0.08M、100ml)にシリカ(富士シリシア製、310P)100mgを加え60℃にし撹拌した。上からほうふっ化銅水溶液(0.08M、50ml)を約2時間かけて滴下した。常温で一晩静置したのち、吸引濾過した。水とエタノールをそれぞれ50ml用い洗浄し、室温で乾燥し、青色の粉末を得た。
<ガス吸着の結果> 上記の実施例、比較例で得られたpre−ELM−11を用いて、窒素及び二酸化炭素の吸着性を、BET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)を用いて評価した(測定温度:窒素=77K、二酸化炭素=273K)。測定に先立って試料を393Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。pre−ELM−11は、吸着前処理によって測定管の中でpre−ELM−11からELM−11に変換するので、そのまま測定した
表1に実施例1〜6由来の本発明の多孔性高分子金属錯体(ELM−11)および比較例1〜3由来のELM−11の窒素ガス吸着特性を示す。表2に実施例2由来の本発明の多孔性高分子金属錯体(ELM−11)の二酸化炭素吸着特性を示す。また表3に、実施例および比較例のpre−ELM−11の粉末X線回折測定の分析結果を示す。基準材として東京化成工業から販売されているpre−ELM−11の測定データを記載する。また、ELM−11の特徴である、窒素ガスの77Kでの測定で発現する、ゲート現象の開始圧(吸着量0から、急激に吸着が始まる圧)を表1に相対圧で示す。相対圧とは、77Kでの窒素の飽和蒸気圧に対する実測圧である。実施例、比較例いずれも、相対圧0.01〜0.3の範囲で、ELM−11に典型的なゲート圧を示しており、pre−ELM−11の前処理によりELM−11が生成していることを示している。
表3の結果の粉末X線回折測定のチャート図を図1に示す。ここで、pre‐ELM−11は比較例1、pre‐ELM−11/CCgelは実施例1、pre‐ELM−11/CAgelは実施例2、pre‐ELM−11/ACFは実施例4のチャートを示す。
炭素材料が無い場合(比較例1)に比較して、実施例はいずれも高角側にシフトしている。これは結晶格子が縮んだため、面間距離が縮み、長波長化したためである。すなわち、炭素材料が存在する状態で合成することで、特別な結晶構造となっていることが判る。
いずれも、炭素材料が存在しない条件で合成したpre−ELM−11を用いて製造した比較例1や、シリカ類存在下で合成したpre−ELM−11を用いて製造した比較例2,3よりもガス吸着量が多く、炭素材料の影響により、ガス吸着量が増大している事が示唆された。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして窒素等のガスの吸着貯蔵やガス分離が可能であり、これらのガスの分離、貯蔵に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 下記式(1):
    {[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}n
    (式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体であって、
    粉末X線回折測定で、回折角2θ=14度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.3〜5%、2θ=22度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=25度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.2〜5%、2θ=27度±0.8度のピーク位置が基準材よりも0.8〜7%、高角側にシフトしている2次元積層型の多孔性高分子金属錯体の前駆体。
  2. 請求項1に記載の前駆体から生成された下記式(2):
    [Cu(BF42(bpy)2n
    (式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは[Cu(BF42(bpy)2]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表される2次元積層型の多孔性高分子金属錯体。
  3. 4,4’−ビピリジンと、カーボンブラック、活性炭素繊維、カーボンクライオゲルおよびカーボンエアロゲルから選ばれる少なくとも1種の炭素材料とを溶媒中で混合する工程、
    前記混合溶液に銅金属塩を添加し、混合する工程、
    生成した反応溶液を静置する工程、
    前記反応溶液から、反応生成物である{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}n
    (式中、bpyは4,4’−ビピリジン配位子であり、nは{[Cu(bpy)(BF42(H2O)2]bpy}から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    と、前記炭素材料とを分離する工程
    を含む、請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体の前駆体の製造方法。
  4. 請求項2に記載の2次元積層型の多孔性金属錯体を含むガス吸着材。
  5. 請求項4に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
  6. 請求項4に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
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