JP6497832B2 - リチウムイオン電池セパレータ及びリチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池セパレータ及びリチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン電池セパレータ及びリチウムイオン電池に関する。なお、「リチウムイオン電池セパレータ」を「セパレータ」と略記する場合がある。また、「リチウムイオン電池」を「電池」と略記する場合がある。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液を使用するリチウムイオン電池が注目されてきた。このリチウムイオン電池は、平均電圧として、従来の二次電池であるアルカリ二次電池の約3倍である約3.7Vが得られることから、高エネルギー密度となるが、アルカリ二次電池のように水系の電解液を用いることができないため、十分な耐酸化還元性を有する有機電解液を用いている。有機電解液は可燃性であるため、発火等の危険性があり、その使用において安全性に細心の注意が払われている。発火等の危険に曝される原因は複数あるが、特に過充電が危険である。
過充電を防止するために、現状のリチウムイオン電池では定電圧・定電流充電が行われ、電池に精密なIC(保護回路)が装備されている。この保護回路に掛かるコストは大きく、リチウムイオン電池をコスト高にしている要因にもなっている。
また、保護回路で過充電を防止する場合、当然保護回路がうまく作動しないことも想定され、本質的に安全であるとは言い難い。現状のリチウムイオン電池には、過充電時に保護回路が壊れ、過充電されたときに安全に電池を破壊する目的で、安全弁やPTC素子の装備、熱ヒューズ機能を有するセパレータ等の手段が装備されている。しかし、上記のような手段を装備していても、過充電される条件によっては、確実に過充電時の安全性が確保されている訳では無く、実際にはリチウムイオン電池の発火事故は現在でも起こっている。
リチウムイオン電池セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔性フィルムが多く使用されている。ポリオレフィンからなる多孔性フィルムには、電池内部の温度が130℃近傍になった場合、溶融して微多孔を塞ぐことで、リチウムイオンの移動を防ぎ、電流を遮断させる熱ヒューズ機能(シャットダウン機能)がある。しかし、何らかの状況により、温度がさらに上昇した場合、ポリオレフィン自体が溶融してショートし、熱暴走する可能性が示唆されている。そこで、現在、200℃近くの温度でも溶融及び収縮しない耐熱性セパレータが開発されている。
耐熱性セパレータとしては、ポリエステル不織布からなるセパレータ(特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、不織布からなるセパレータは、不織布の孔が大きく、漏れ電流が大きい問題と、電解液保持性能が悪く、セパレータの内部抵抗が高くなる問題があった
過充電時の安全性が高いセパレータとして、不織布からなる多孔質シート、又はこの多孔質シートを内包し、電解液に膨潤してこれを保持する多孔質有機高分子を含む多孔膜からなるリチウムイオン二次電池用セパレータが開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2の不織布からなる多孔質シートは、空隙が大きく、貫通孔が多数存在するため、内部短絡や自己放電が発生しやすく、実際は電解液に膨潤してこれを保持する多孔質高分子、実施例においてはポリフッ化ビニリデンを含む多孔質膜を含む多孔膜を設けることでセパレータとして機能させている。したがって、この場合、膜厚は24μm以上と厚くなり、高容量化に対応しにくく、多孔膜を設けるために多孔質高分子を凝固、水洗、乾燥させる必要があり、コスト高となる問題があった。
また、セパレータの高温時の短絡を防止できるセパレータとして、融点又は炭化温度が300℃以上の耐熱性パルプ繊維と、融点が200℃以上の熱可塑性繊維とを含有する不織布からなるリチウムイオン二次電池用セパレータ(特許文献3参照)、および耐熱性、電解液保持性、内部短絡防止性、巻回性に優れ、セパレータの内部抵抗を低くし、長寿命にし得るセパレータとして、少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化された有機繊維を1種類以上含有し、且つ、フィブリル化されていない繊度0.5dtex以下の有機繊維を1種類以上含有して成る電気化学素子用セパレータ(特許文献4参照)、ならびにリフロー耐熱性に優れ、内部抵抗が低く、高速充放電特性に優れるものとして、融点又は熱分解温度が250℃以上で、少なくとも一部が繊維径1μm以下、かつ、重量平均繊維長が0.2mm〜2mmの範囲にあるフィブリル化高分子、繊度3.3dtex以下の有機繊維を含有する不織布からなる電気化学素子用セパレータ(特許文献5参照)が開示されている。
これらの特許文献3〜5の中において、特許文献3のセパレータでは、耐熱性パルプ繊維の含有率として30〜80質量%が好ましいとされており、実施例のセパレータの坪量が20g/m、厚みが26μmと厚く、また、特許文献4のセパレータでは、フィブリル化された有機繊維又は液晶性高分子繊維の含有率として、10質量%以上70質量%以下であることが好ましいとされており、実施例のセパレータの坪量が16g/m以上、厚みも30μm以上と厚く、また、特許文献5のセパレータでは、フィブリル化高分子の含有率として、10質量%以上が好ましいとしており、実施例のセパレータの坪量が18g/m以上、厚みも55μm以上と厚く、いずれのセパレータも最近の高容量化には対応し難いものであった。
また、特許文献3〜5に開示されているセパレータでは、耐熱性パルプ繊維、フィブリル化された有機繊維、フィブリル化高分子等の耐熱性のある繊維における好ましい含有率における最低値は10質量%である。しかしながら、耐熱性のある繊維は剛直であり、また、高強度であることが多いため、その含有率が10質量%以上である場合には、セパレータを潰しにくく、セパレータの厚みを薄くすることが難しいという問題があった。あえて、熱や荷重を掛けてセパレータを潰した場合、セパレータの抵抗が高くなる問題、所定幅に断裁してセパレータとして使用する際にスリット工程で断裁し難い問題、および電極の積層工程において、溶断カットし難くなる問題があった。さらに、耐熱性のある繊維間及び耐熱性のある繊維と他の繊維間の結合力が低いため、耐熱性のある繊維の含有率が10質量%以上である場合には、セパレータの引張強度が低くなり、電極積層工程の操作において特段の配慮を有する必要があった。
特開2003−123728号公報 特開2007−317675号公報 特開2006−19191号公報 国際公開第01/93350号パンフレット 特開2004−146137号公報
本発明の課題は、リチウムイオン電池セパレータの厚みを薄くすることができ、引張強度と断裁性に優れ、内部抵抗が低く、内部短絡不良率が低く、サイクル特性が高いリチウムイオン電池セパレータと、該セパレータを含んでなるリチウムイオン電池を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記発明を見出した。
(1−1)耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維として変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維を含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
(1−2)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上99.0質量%以下である(1−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(1−3)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が95.0質量%超99.0質量%以下である(1−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(2−1)耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維として変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維との合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
(2−2)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上4.0質量%未満である(2−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(2−3)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上98.0質量%以下である(2−1)又は(2−2)に記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(3−1)耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維として変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維と変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドとを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、該耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
(3−2)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上99.0質量%以下である(3−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(3−3)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が95.0質量%超99.0質量%以下である(3−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(4−1)耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維としてパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドと変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、該耐熱性繊維の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
(4−2)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、パラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が0.6質量%以上4.6質量%未満である(4−1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(4−3)該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上98.0質量%以下である(4−1)又は(4−2)に記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(5)上記(1−1)〜(1−3)、(2−1)〜(2−3)、(3−1)〜(3−3)、(4−1)〜(4−3)のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータを含んでなるリチウムイオン電池。
なお、「変法ろ水度」とは、「ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値」である。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、厚みを薄くすることができ、引張強度と断裁性に優れる。また、本発明のリチウムイオン電池セパレータは、内部抵抗が低く、内部短絡不良率が低く、サイクル特性が高いという効果を達成できる。
本発明におけるリチウムイオン電池とは、充放電において正負極間をリチウムイオンが移動する二次電池を言う。例えば、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池が挙げられる。リチウムイオン電池には、負極活物質としてリチウム吸蔵性の物質を用いたリチウムイオン二次電池、負極活物質として金属リチウムを用いた金属リチウム二次電池が含まれる。
リチウムイオン電池は、部材として、正極、セパレータ及び負極を含有する。そして、一般に、正極、セパレータ及び負極をこの順に積層した構造を有する。正極、負極及びセパレータには、それぞれ電解液が吸収されている。積層構造の種類としては、各部材を積層した後にロール状に捲回する円筒型、円筒型を押し潰して、2面の平面と曲線状の両端部を形成させた捲回平型、九十九折にしたセパレータの間に、枚葉に切り出した電極を挿入した九十九折型、枚葉に切り出したセパレータと、枚葉に切り出した電極を積層した枚葉積層型等が例示される。
リチウムイオン電池の負極活物質には、リチウム吸蔵性の物質が用いられる。リチウム吸蔵性の物質の例としては、炭素系材料、珪素系材料、遷移金属とリチウムの複合酸化物等が例示される。炭素系材料は、質量当たりのリチウム吸蔵可能量とリチウムの吸収・放出に伴う劣化のし難さとのバランスが良好である点で、好ましく使用される。炭素系材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン等の非晶性炭素;カーボンナノチューブ、グラフェン等のナノ炭素材料が例示される。珪素系材料は、質量当たりのリチウム吸蔵可能量が大きい点で、好ましく使用される。珪素系材料としては、珪素、一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)が例示される。遷移金属とリチウムの複合酸化物の1種であるチタン酸リチウムは、リチウムの吸収・放出に伴う劣化が生じ難い点で、好ましく使用される。
本発明におけるリチウムイオン電池セパレータと共に使用する負極活物質としては、チタン酸リチウムを用いることが特に好ましい。チタン酸リチウムの例としては、スピネル型チタン酸リチウム(Li4+XTi12は充放電状態により0〜3の間で変化する))及び、ラムスデライト型チタン酸リチウム(Li2+XTiは充放電状態により0〜2の間で変化する))が挙げられる。負極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、単一種のチタン酸リチウムを使用しても良いし、2種以上のチタン酸リチウムの混合物を使用しても良い。
リチウムイオン電池の負極としては、前記の負極活物質を含む負極材料を、金属箔上に塗工した電極が例示される。負極材料には、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−ブタジエン共重合体等のバインダー;カーボンブラック、ナノ炭素材料等の導電剤;分散剤;増粘剤等を混合することができる。金属箔に使用される金属としては、銅、アルミニウム等が例示される。
リチウムイオン電池の正極活物質としては、遷移金属とリチウムの複合酸化物、遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩、硫黄等が例示される。遷移金属とリチウムの複合酸化物としては、コバルト、ニッケル、マンガンから選択される1種以上の遷移金属とリチウムの複合酸化物が例示される。これらの複合酸化物には、アルミニウム、マグネシウム等の典型金属;チタン、クロム等の遷移金属等をさらに複合することができる。遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩としては、鉄、マンガンから選択される1種以上の遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩が例示される。
リチウムイオン電池の正極としては、前記の正極活物質を含む正極材料を、金属箔上に塗工した電極が例示される。正極材料には、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン、アクリル酸エステル共重合体等のバインダー;カーボンブラック、ナノ炭素材料等の導電剤;分散剤;増粘剤等を混合することができる。金属箔に使用される金属としては、アルミニウム等が例示される。
リチウムイオン電池の電解液としては、極性溶媒にリチウム塩を溶解した溶液、イオン液体にリチウム塩を溶解した溶液が例示される。リチウム二次電池の電解液に用いられる極性溶媒としては、炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等の炭酸エステル;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等の脂肪酸エステルが例示される。リチウム二次電池の電解液に用いられるリチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)が例示される。固体電解質としては、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有し、該耐熱性繊維として変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維を必須成分として含有していることを特徴としている。
本発明において、下記3成分は、簡略にするため、各成分の右に記載した通りに略記する場合がある。
パラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッド:フィブリッド。
変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維:フィブリル化耐熱性繊維(I)。
変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維:フィブリル化耐熱性繊維(II)。
本発明のセパレータ(1)は、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなり、該耐熱性繊維としてフィブリル化耐熱性繊維(I)を含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であることを特徴としている。
セパレータ(1)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率は、1.0質量%以上5.0質量%未満である。2.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上がさらに好ましい。また、4.5質量%未満がより好ましい。フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が5.0質量%以上である場合、セパレータの厚みを薄く潰すことが難しくなる。あえて、熱や圧力を掛けて厚みを薄くした場合、内部抵抗が悪化し、高レート放電特性が悪化する。一方、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が1.0質量%未満である場合、セパレータの引張強度は強くなるものの、漏れ電流や内部短絡不良率が悪化または低下する場合がある。
セパレータ(1)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は90.0質量%以上が好ましく、92.0質量%以上がより好ましく、94.0質量%以上がさらに好ましく、95.0質量%超が特に好ましい。また、99.0質量%以下が好ましく、98.0質量%以下がより好ましく、96.0質量%以下がさらに好ましい。合成樹脂短繊維が99.0質量%超の場合、セパレータの引張強度が強くなるものの、漏れ電流や内部短絡不良率が悪化する場合がある。一方、合成樹脂短繊維が90.0質量%未満の場合、セパレータの坪量を低くした場合、機械的強度が低くなって、電池を形成する際にセパレータが破損する場合がある。
セパレータ(1)において、最も好ましいセパレータは、繊維成分がフィブリル化耐熱性繊維と合成樹脂短繊維であるセパレータである。その場合、セパレータ(1)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は95.0質量%超99.0質量%以下である。そして、98.0質量%以下がより好ましく、97.0質量%以下がさらに好ましい。また、95.5質量%超がより好ましい。
本発明のセパレータ(2)は、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなり、該耐熱性繊維としてフィブリル化耐熱性繊維(I)及びフィブリル化耐熱性繊維(II)を含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)との合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であることを特徴としている。
セパレータ(2)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満であり、3.0質量%以上8.0質量%未満であることがより好ましく、3.5質量%以上6.0質量%未満であることがさらに好ましく、3.5質量%以上5.0質量%未満であることが特に好ましい。フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有率が9.0質量%以上である場合、セパレータの厚みを薄くすることが難しくなる。また、引張強度や内部抵抗が悪化する。一方、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有率が2.0質量%未満である場合、セパレータの引張強度は強くなるものの、漏れ電流の改良効果が低くなる。
セパレータ(2)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であることが好ましく、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率が1.0質量%以上4.0質量%未満であることが好ましい。
フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率は、セパレータ(2)に含まれる全繊維成分に対して、1.0質量%以上5.0質量%未満であることが好ましく、2.0質量%以上5.0質量%未満であることがより好ましく、2.5質量%以上4.0質量%未満であることがさらに好ましく、2.5質量%以上3.5質量%未満であることが特に好ましい。この範囲で使用した場合、耐熱性繊維のフィブリル化される前の太い幹繊維が少なく、フィブリル化された繊維が細いため、セパレータの厚み調整や断裁性に支障が無く、細孔径が小さくなり、電解液の保持性が良くなるため、セパレータの抵抗が良化する効果がある。含有率が5.0質量%以上の場合、引張強度が低下する場合や、セパレータの抵抗が悪化する場合がある。含有率が1.0質量%未満ではフィブリル化耐熱性繊維を入れた効果がほとんど見られない場合がある。
フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率は、セパレータ(2)に含まれる全繊維成分に対して、1.0質量%以上4.0質量%未満であることが好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましく、1.0質量%以上1.5質量%以下であることが特に好ましい。フィブリル化耐熱性繊維(II)をこの範囲で使用した場合、フィブリル化耐熱性繊維(I)を含有していても、セパレータの厚み調整や断裁性に支障が無く、セパレータの抵抗が悪化することが少ない。一方、フィブリル化耐熱性繊維(II)はフィブリル化された細い繊維の他、比較的太い幹繊維が残っているため、セパレータの耐圧縮性が向上し、耐ショート性が良化する効果がある。
セパレータ(2)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は90.0質量%以上が好ましく、92.0質量%以上がより好ましく、94.0質量%以上がさらに好ましく、95.0質量%超が特に好ましい。また、98.0質量%以下が好ましく、97.0質量%以下がより好ましく、96.0質量%以下がさらに好ましい。合成樹脂短繊維が98.0質量%超の場合、セパレータの引張強度が強くなるものの、セパレータの坪量が低い場合、漏れ電流の改良効果が低くなる場合がある。一方、合成樹脂短繊維が90.0質量%未満の場合、セパレータの坪量を低くした場合、機械的強度が低くなって、電池組立工程でセパレータが破損する場合がある。
最も好ましいセパレータ(2)は、繊維成分がフィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)と合成樹脂短繊維の場合である。その場合、本発明のセパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は91.0質量%超98.0質量%以下であることが好ましい。そして、97.0質量%以下がより好ましく、96.0質量%以下がさらに好ましい。また、95.0質量%超がより好ましい。
本発明のセパレータ(3)は、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなり、該耐熱性繊維としてフィブリル化耐熱性繊維(I)及びフィブリッドを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリッドとの合計含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であることを特徴としている。
セパレータ(3)に含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維の含有率、すなわち、変法濾水度300ml以下のフィブリッドと変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維(I)という2種類の耐熱性繊維の合計含有率は、1.0質量%以上5.0質量%未満である。より好ましくは1.6質量%以上であり、さらに好ましくは2.1質量%以上であり、特に好ましくは2.5質量%以上である。該耐熱性繊維の含有率が5.0質量%以上の場合、セパレータの厚みを薄くすることが難しくなる。また、内部抵抗が高くなる場合がある。一方、該耐熱性繊維の含有率が1.0質量%未満である場合、セパレータの引張強度は強くなるものの、低坪量とした場合、内部短絡不良率の改良効果が低くなる場合がある。
セパレータ(3)に含まれる変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維において、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維(I)の合計含有量に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率は50質量%超が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率は92質量%以下が好ましく、88質量%以下がより好ましく、84質量%以下がさらに好ましい。
セパレータ(3)において、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率が50質量%超で、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維(I)を併用した場合、セパレータを薄くすることができ、セパレータの断裁性に支障が無く、細孔径が小さく、電解液の保持性が良くなるため、セパレータの抵抗が悪化しにくい。また、フィブリッドは繊維形状が薄葉状であり、結晶構造内に存在する水分が乾燥され、除去される際に大きく収縮し、フィブリル化耐熱性繊維(I)や合成樹脂短繊維とのネットワークを強固にするため、坪量が低い場合でも、セパレータの強度特性を維持することができ、内部短絡不良率の悪化を防ぐ効果がある。
セパレータ(3)において、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率が50質量%以下の場合、セパレータを薄くした場合に、抵抗が上がる虞がある。また、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率が50質量%以下の場合、坪量を低くすると、セパレータの強度特性を維持しにくくなる虞や、内部短絡不良率の悪化を防ぐことが難しくなる虞がある。また、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が、92質量%超の場合、引張強度が低下する場合や、セパレータの抵抗が悪化する場合がある。
セパレータ(3)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は90.0質量%以上が好ましく、92.0質量%以上がより好ましく、94.0質量%以上がさらに好ましく、95.0質量%超が特に好ましい。また、99.0質量%以下が好ましく、98.0質量%以下がより好ましく、97.0質量%以下がさらに好ましい。合成樹脂短繊維が99.0質量%超の場合、セパレータの引張強度が強くなるものの、内部短絡不良率の改良効果が低くなる場合がある。一方、合成樹脂短繊維が90.0質量%未満の場合、セパレータの坪量を低くした場合、機械的強度が低くなって、電池組み立ての際にセパレータが破損する場合がある。
最も好ましいセパレータ(3)は、繊維成分がフィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリッドと合成樹脂短繊維からなるセパレータである。その場合、セパレータ(3)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は96.0質量%以上99.0質量%以下であることが好ましい。そして、98.0質量%以下がより好ましく、97.0質量%以下がさらに好ましい。また、96.5質量%以上が特に好ましい。
本発明のセパレータ(4)は、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなり、該耐熱性繊維としてフィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)とフィブリッドを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)とフィブリッドとの合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であることを特徴としている。
本発明において、セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリッドとのフィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有量は、2.0質量%以上9.0質量%未満であり、3.0質量%以上9.0質量%未満であることがより好ましく、3.5質量%以上7.0質量%未満であることがさらに好ましく、3.5質量%以上5.0質量%未満であることが特に好ましい。フィブリッドと2種類のフィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有率が9.0質量%以上である場合、セパレータの厚みを薄くすることが難しくなる。また、引張強度の悪化や内部抵抗が悪化する場合がある。一方、フィブリッドと2種類のフィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有率が2.0質量%未満である場合、セパレータの引張強度は強くなるものの、内部短絡不良率の改良効果が低くなる場合がある。
セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリッドの含有率は、0.4質量%以上2.5質量%未満であることが好ましく、0.4質量%以上2.0質量%未満であることがより好ましく、0.4質量%以上1.5質量%未満であることがさらに好ましく、0.4質量%以上1.0質量%未満であることが特に好ましい。フィブリッドをこの範囲で使用した場合、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)を含有していても、セパレータの厚み調整やセパレータの断裁性に支障が無く、セパレータの抵抗が悪化することが少ない。さらに、フィブリッドは繊維形状が薄葉状であり、結晶構造内に存在する水分が乾燥され、除去される際に大きく収縮し、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)とのネットワークを強固にするため、坪量が低い場合でも、セパレータの強度特性を維持することができ、内部短絡不良を防ぐことができ、セパレータの耐ショート性が良化する効果がある。
セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率は、1.0質量%以上4.0質量%未満であることが好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましく、1.0質量%以上1.5質量%以下であることが特に好ましい。フィブリル化耐熱性繊維(II)をこの範囲で使用した場合、フィブリッドやフィブリル化耐熱性繊維(I)を含有していても、セパレータの厚み調整やセパレータの断裁性に支障が無く、セパレータの抵抗が悪化することが少ない。一方、フィブリル化耐熱性繊維(II)はフィブリル化された細い繊維の他、比較的太い幹繊維が残っているため、セパレータの耐圧縮性が向上し、セパレータの耐ショート性が良化する効果がある。
セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率は、0.6質量%以上4.6質量%未満であることが好ましく、1.0質量%以上4.6質量%未満であることがより好ましく、1.5質量%以上4.0質量%未満であることがさらに好ましく、2.0質量%以上3.0質量%以下であることが特に好ましい。フィブリル化耐熱性繊維(I)をこの範囲で使用した場合、耐熱性繊維のフィブリル化される前の太い幹繊維が少なく、フィブリル化された繊維が細いため、セパレータの厚み調整やセパレータの断裁性に支障が無く、細孔径が小さくなるため、電解液の保持性が良くなるため、セパレータの抵抗が良化する効果がある。フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が4.6質量%以上の場合、引張強度が低下する場合や、セパレータの抵抗が悪化する場合がある。フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が0.6質量%未満ではフィブリル化耐熱性繊維(I)を入れた効果が見られない場合がある。
セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)の合計含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であっても、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維(I)の合計含有率が5.0質量%以上の場合、内部抵抗が悪化する場合がある。加えて、フィブリッドの含有量が2.5質量%以上の場合、セパレータの坪量が低い場合でも内部抵抗が悪化する場合がある。
セパレータ(4)に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は90.0質量%以上が好ましく、92.0質量%以上がより好ましく、93.0質量%以上がさらに好ましく、95.0質量%超が特に好ましい。また、98.0質量%以下が好ましく、97.5質量%以下がより好ましく、97.0質量%以下がさらに好ましく、96.5質量%以下が特に好ましい。合成樹脂短繊維が98.0質量%超の場合、セパレータの引張強度が強くなるものの、内部短絡不良率の改良効果が低くなる場合がある。一方、合成樹脂短繊維が90.0質量%未満の場合、セパレータの坪量を低くした場合、機械的強度が低くなって、電極の積層工程や電池組み立ての際にセパレータが破損する場合がある。
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維としては、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド)、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂からなる耐熱性繊維をフィブリル化したものが用いられる。これらの中でも、電解液との親和性が高く、フィブリル化し易いため、全芳香族ポリアミドが好ましい。
フィブリル化耐熱性繊維は、耐熱性繊維をリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができる。
本発明において、フィブリッドとは、微小なフィブリルを有する薄葉状又は鱗片状の小片であり、繊維の結晶構造が強固に形成されること無く、非結晶状態で水分子又は水分が結晶構造内に存在する微細な耐熱性繊維を指す。フィブリッドとしては、繊維形成性高分子重合体溶液を水系凝固浴に導入して得られた形成物を、乾燥すること無く回収し、必要に応じて叩解等のフィブリル化をすることにより得られる。例えば、ポリマー重合体溶液をその沈殿剤とせん断力の存在する系において混合することにより製造されるフィブリッドや、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から形成した分子配向性を有する非晶質含水形成物であり、必要に応じて叩解処理を施すことができる。
叩解処理としては、例えばフィブリッドをリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができる。
本発明において、フィブリッドは結晶構造内に存在する水分が加熱・減圧などにより除去される際に大きく収縮し、繊維ネットワークを強固にするため、セパレータの強度特性を向上させる効果がある。
本発明におけるフィブリル化耐熱性繊維(I)の変法濾水度は300ml以下であり、好ましくは0ml以上200ml以下であり、さらに好ましくは0ml以上100ml以下である。すべてのフィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300ml超えの場合、太い幹繊維が多く存在するため、厚み調整しにくくなり、セパレータの断裁性が悪化する。また、太い幹繊維の存在により、イオンの透過性が阻害されるため、また、電解液の保持性が悪化するため、セパレータの抵抗が高くなる。さらに、厚み調整に熱カレンダーの荷重又は温度を高くする必要性が多くなり、バインダー繊維の融着面積が広がり、イオンの透過性が阻害されるため、セパレータの抵抗が高くなることがある。一方、すべてのフィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が0ml未満である場合、フィブリル化耐熱性繊維のフィブリル化が進み過ぎて、一定量のバインダー繊維で接合する細い繊維の本数が増えるため、引張強度が低下する場合がある。フィブリル化耐熱性繊維のフィブリル化が進むと、変法濾水度は下がり続ける。そして、変法濾水度が0mlに達した後も、さらにフィブリル化すると、繊維がメッシュを通りすぎるようになり、変法濾水度が逆に上昇し始める。本発明では、このように、変法濾水度が逆上昇し始めた状態を「変法濾水度が0ml未満」と称している。
フィブリル化耐熱性繊維(II)の変法濾水度は300ml超えであり、好ましくは300ml超え700ml未満であり、より好ましくは300ml超え600ml未満であり、さらに好ましくは300ml超え450ml未満である。フィブリル化耐熱性繊維(II)の変法濾水度が700ml以上の場合、フィブリル化があまり進んでいないため、太い幹繊維が多く存在して、厚み調整しにくくなり、セパレータの断裁性が悪化する場合がある。また、太い幹繊維の存在により、イオンの透過性を阻害されるため、また、電解液の保持性が悪化するため、セパレータの内部抵抗が高くなる場合がある。
本発明において、フィブリッドの変法濾水度は、好ましくは0ml以上300ml以下であり、より好ましくは0ml以上200ml以下であり、さらに好ましくは0m以上100ml以下である。フィブリッドの変法濾水度が300mlを超えると、フィブリッドの繊維幅が太くなり、セパレータの内部抵抗が高くなる場合がある。また、セパレータの地合(濃淡ムラ)が悪化し、セパレータの機械的強度が低くなって、電池組み立てする際にセパレータが破損する場合がある。さらに、セパレータの断裁性も悪化する場合がある。
フィブリル化耐熱性繊維(I)において、質量加重平均繊維長は、0.02mm以上1.00mm以下であることが好ましい。また、長さ加重平均繊維長は、0.02mm以上0.50mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、セパレータからフィブリル化耐熱性繊維が脱落する場合がある。平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、繊維の離解が悪くなり、分散不良が発生しやすくなる。
フィブリル化耐熱性繊維(II)において、質量加重平均繊維長は、1.00mm以上1.50mm以下であることが好ましい。また、長さ加重平均繊維長は、0.50mm以上1.00mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、耐ショート性の改良効果が低くなり、平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、セパレータの厚みを薄くし難くなる場合や、断裁性が低下する場合がある。
フィブリッドの質量加重平均繊維長は、0.30mm以上1.00mm以下であることが好ましい。また、フィブリッドの長さ加重平均繊維長は、0.10mm以上0.50mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、セパレータからフィブリッドが脱落する場合がある。平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、セパレータの地合が悪化し、セパレータの内部抵抗が高くなる場合や内部短絡不良率が悪化する場合がある。
フィブリッドが、上記の質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長を持つ場合、セパレータに含まれるフィブリッドの含有率が少ない場合でも、フィブリッド間やフィブリッドと合成樹脂短繊維との間において、繊維による緻密なネットワーク構造が形成され、断裁性を損なうこと無く、引張強度が高く、厚みの薄いセパレータが得られ易くなる。
フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)とフィブリッドの質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長とが上記の好ましい範囲内である場合、セパレータに含まれるフィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維の含有率が少ない場合でも、耐熱性繊維間や耐熱性繊維と合成樹脂短繊維との間において、繊維による緻密なネットワーク構造が形成され、断裁性を損なうこと無く、引張強度が高く、厚みの薄いセパレータが得られ易くなる。また、内部抵抗と内部短絡不良率が低く、高レート放電特性の優れたセパレータが得られやすくなる。
本発明において、質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して、投影繊維長(Proj)モードにおいて測定した質量加重平均繊維長(L(w))と長さ加重平均繊維長(L(l))である。
フィブリル化耐熱性繊維(I)の平均繊維幅は、0.5μm以上20.0μm以下が好ましく、3.0μm以上16.0μm以下がより好ましく、5.0μm以上15.0μm以下がさらに好ましい。平均繊維幅が20.0μmを超えた場合、セパレータの厚みを薄くし難くなる場合や断裁性が悪化する場合があり、平均繊維幅が0.5μm未満の場合、セパレータから脱落する場合がある。
フィブリル化耐熱性繊維(II)の平均繊維幅は、5.0μm以上40.0μm以下が好ましく、5.0μm以上35.0μm以下がより好ましく、5.0μm以上30.0μm以下がさらに好ましい。平均繊維幅が40.0μmを超えた場合、セパレータの厚みを薄くし難くなる場合や断裁性が悪化する場合があり、平均繊維幅が5.0μm未満の場合、耐ショート性が向上しない場合がある。
フィブリッドの平均繊維幅は、3.0μm以上40.0μm以下が好ましく、5.0μm以上35.0μm以下がより好ましく、10.0μm以上30.0μm以下がさらに好ましい。平均繊維幅が40.0μmを超えた場合、セパレータの内部抵抗が高くなりやすく、厚みを薄くし難くなる場合や断裁性が悪化する場合がある。一方、平均繊維幅が3.0μm未満の場合、フィブリッドを叩解する処理時間が長くなり、生産性が著しく低下する。
本発明において、フィブリッドの平均繊維幅は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した繊維幅(Fiber Width)である。
本発明の実施例において、耐熱性繊維の変法濾水度、質量加重平均繊維長、長さ加重平均繊維長及び平均繊維幅は、セパレータ作製前の原料の測定値(A)である。本発明では、セパレータから取り出した耐熱性繊維の測定値(B)も測定し、その差違を調べた。まず、ポリエチレンテレフタレート系合成樹脂短繊維とフィブリル化耐熱性繊維(I)とからなるセパレータを耐アルカリ性のプラスチック容器に入れた。次に、その容器内に、高濃度アルカリ溶液(例えば48質量%の水酸化カリウム水溶液)を加え、攪拌子を入れた。続いて、その容器を40〜60℃の温水浴に漬けたまま、1日間攪拌し、PET系合成樹脂短繊維を完全に溶解させた。その後、容器内のフィブリル化耐熱性繊維(I)をろ紙を用いてろ過して取り出し、中和して、充分に水洗してから、乾燥させて、セパレータから取り出したフィブリル化耐熱性繊維(I)を得た。このセパレータから取り出したフィブリル化耐熱性繊維(I)の変法濾水度等を測定して、測定値(B)とした。セパレータ作製前の測定値(A)と測定値(B)とを比較したところ、測定値(A)と(B)はほとんど変わらない値を示し、「測定値(A)≒測定値(B)」であることが確認できた。
<測定値(A)>
変法濾水度 50ml
質量加重平均繊維長 0.58mm
長さ加重平均繊維長 0.33mm
平均繊維幅 15.5μm
<測定値(B)>
変法濾水度 49ml
質量加重平均繊維長 0.55mm
長さ加重平均繊維長 0.31mm
平均繊維幅 16.1μm
本発明において、合成樹脂短繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ジエン、ポリウレタン、フェノール、メラミン、フラン、尿素、アニリン、不飽和ポリエステル、フッ素、シリコーン、これらの誘導体等の合成樹脂からなる、フィブリル化されていない短繊維(ステープル)が挙げられる。合成樹脂短繊維を含むことによって、セパレータの引張強度や突刺強度を強くすることができる。
合成樹脂短繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる複合繊維であっても良い。また、本発明のセパレータに含まれる合成樹脂短繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。
合成樹脂短繊維の繊度は、0.01dtex以上0.6dtex以下が好ましく、0.02dtex以上0.3dtex以下がより好ましい。合成樹脂短繊維の繊度が0.6dtexを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、セパレータの細孔径分布が広くなり、その結果として、内部短絡不良率が大きくなる。また、厚みを薄くし難くなり、強度特性が低下し易くなる。合成樹脂短繊維の繊度が0.01dtex未満の場合、繊維が非常に高価になり、繊維の安定製造が困難になる場合や、湿式抄紙法によりセパレータを製造する場合、脱水性が低下する場合がある。
合成短繊維の繊維長としては、1mm以上10mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましい。繊維長が10mmを超えた場合、地合不良となることがある。一方、繊維長が1mm未満の場合、セパレータの機械的強度が低くなって、電池を形成する際にセパレータが破損する場合がある。
本発明のセパレータは、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維以外の繊維を配合しても良い。例えば、セルロース繊維、セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、合成樹脂からなるパルプ化物、無機繊維が挙げられる。無機繊維としては、ガラス、アルミナ、シリカ、セラミックス、ロックウールが挙げられる。セルロース繊維は、天然セルロース、再生セルロースのいずれでも良い。
本発明のセパレータの厚みは、10μm以上が好ましく、11μm以上がより好ましく、12μm以上がさらに好ましい。また、20μm以下が好ましく、18μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましい。セパレータの厚みを上記の範囲とした場合においても、本発明のセパレータでは、内部抵抗を低く抑えることができ、電極の積層工程で必要な引張強度を維持できるため、セパレータの抄造性も含め、各工程での作業性を損なうことが無い。セパレータの厚みが20μmを超えると、セパレータの内部抵抗が高くなり過ぎる場合がある。また、電池を高容量にすることができなくなる場合がある。セパレータの厚みが10μm未満であると、セパレータの強度が弱くなり過ぎて、セパレータの取り扱い時や電極の積層工程や電池組み立ての際にセパレータが破損する虞がある。
本発明のリチウムイオン電池セパレータの密度は、0.40g/cm以上が好ましく、0.45g/cm以上がより好ましく、また、0.75g/cm以下が好ましく、0.70g/cm以下がより好ましい。密度が0.40g/cm未満である場合、セパレータの強度が弱くなり過ぎて、セパレータの取り扱い時や電極積層工程時に破損する虞があり、0.75g/cmを超えた場合、セパレータの内部抵抗が高くなり過ぎる場合がある。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、湿式抄造法によって製造される湿式不織布であることが好ましい。湿式抄造法は繊維を水に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを抄紙機で漉きあげて湿式不織布を製作する。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、傾斜短網抄紙機、これらの複合機が挙げられる。湿式不織布を製造する工程において、必要に応じて水流交絡処理を施しても良い。湿式不織布の加工処理として、熱処理、カレンダー処理、熱カレンダー処理などを施しても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものでは無い。なお、実施例において百分率(%)及び部は、断りの無い限りすべて質量基準である。
なお、実施例及び比較例のリチウムイオン電池セパレータについて、下記物性の測定と評価を行った。
<セパレータの坪量>
JIS P8124に準拠して、セパレータの坪量を測定した。
<セパレータの厚さ>
JIS B7502に規定された外側マイクロメーターを用いて、5N荷重時の厚さを測定した。
<引張強度の評価>
各セパレータにつき、長辺が流れ方向になるように、流れ方向250mm×幅方向50mmのサンプル片を切り出し、卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック製、商品名STA−1150)を用いて、JIS P8113に準じて、引張速度200mm/minで引張試験を行った。引張応力の最大値を「引張強度」とした。一般に、引張強度は高い方が好ましく、これが低い場合、電池製造時に、セパレータに掛かる張力を精密に制御する必要が生じ、この制御に必要な装置が大掛かりになる問題がある。引張強度が△の場合、セパレータに掛かる張力を精密に調整すれば、実用上、使用可能な場合がある。
◎:引張強度800N/m以上
○:引張強度600N/m以上800N/m未満
△:引張強度400N/m以上600N/m未満
×:引張強度400N未満
<セパレータの断裁性>
幅120mmの各セパレータについて、ヒートシール装置を用いて溶断カットし、溶断面を目視にて観察し、次の評価基準で評価した。
○:溶断面に毛羽が無い。
△:溶断面にわずかに毛羽が見られる。
×:溶断面に毛羽が目立つ。
<評価用電池の作製>
負極活物質として、平均粒子径0.7μm、Li吸蔵電位が1.55Vであるスピネル構造のLiTi12で表されるチタン酸リチウムを95質量%、導電材としてアセチレンブラック2.5質量%と、ポリフッ化ビニリデン2.5質量%を混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させたスラリーを調製し、厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布して圧延した後、150℃で2時間真空乾燥して、厚さ100μmのリチウムイオン二次電池用負極を作製し、これを負極とした。
正極活物質として、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粉末を90質量%、アセチレンブラック3質量%、グラファイト3質量%及びポリフッ化ビニリデン4質量%を混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させたスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、圧延した後、150℃で2時間真空乾燥して、厚さ100μmのリチウムイオン二次電池用正極を作製し、これを正極とした。
正極及び負極の集電体に端子をそれぞれ接続し、正極、セパレータ、負極、セパレータの順番に積層した後、この積層物を正極、負極の端子がセパレータの長手方向に対して直角になるように捲回した。続いて、この捲回物を90℃で加熱プレスすることにより、70×100mm、厚さ3.0mmの寸法を持つ扁平状電極群を作製した。続いて、両面にポリエチレンフィルムが積層された厚さ40μmのアルミニウム箔から構成された厚さ0.1mmのラミネートフィルムからなるパック(袋状外装材)を用意し、この袋状外装内に得られた電極群をその正極、負極の端子が外装材の開口部から外部に延出するように収納し、80℃で24時間真空乾燥を施した。次いで、前記の電極群を収納し、袋状外装材内に、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチロラクトン(BL)の混合溶媒(体積比率25:75)に電解質として、1.5mol/Lの四フッ化ホウ酸リチウムを溶解したもの(1.5M−LiBF/EC+BL(25:75、vol比))を注入した後、袋状外装材の開口部をヒートシールにより完全密封し、リチウムイオン二次電池を作製した。
<抵抗の評価>
作製したセパレータについて、電解液(1M−LiPF/EC+ジエチルカーボネート(DEC)+ジメチルカーボネート(DMC)(1:1:1、vol比))に浸した後、2つの略円筒形銅電極に挟み、LCRメーター(Instec社製、装置名:LCR−821)を使用して、200kHzにおける交流インピーダンスの抵抗成分を測定した。
<内部短絡不良率>
作製したセパレータをアルミニウム箔からなる電極間に介在して捲回することにより電極群を作製した後、電解液に含浸せずにテスターで電極間の導通を調べることにより、ショート(短絡)の有無を確認した。内部短絡不良率(%)は200個の電極群を検査して全電極群数に対するショート個数から算出した。
<サイクル特性>
各リチウムイオン二次電池を45℃環境下において、1Cレートで充放電サイクル試験を行い、1000サイクル目の放電容量を測定し、5サイクル時のそれに対する放電容量維持率(%)として、サイクル特性を算出した。
≪実施例1≫
実施例1−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系合成樹脂短繊維55.5質量部と繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度50mlにまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維4.5質量部とを、パルパーにより水中に分散し、濃度0.5質量%の均一な抄紙スラリーを調製し、傾斜型抄紙機を用いて湿紙ウェブを得て、表面温度135℃のシリンダードライヤーによって乾燥し、シートを得た。得られたシートを、片方のロールがクロムメッキされた鋼製ロール、他方のロールが硬度ショアーD92の樹脂ロール、鋼製ロールの表面温度が195℃、線圧が100kN/mの熱カレンダー装置により、カレンダー処理し、坪量が10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例1−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を59.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を1.0質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例1−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を4.9質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ11μmのセパレータを作製した。
実施例1−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、高圧ホモジナイザーを用いてポリアリレート繊維(全芳香族ポリエステル繊維)のカット繊維(平均繊維長3.0mm、平均繊維径20μm)を変法濾水度250mlにまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維を4.5質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で、坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
比較例1−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で、坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
比較例1−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を54.9質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を5.1質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧を120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例1−1と同様な方法で、坪量8g/m、厚さ11μmのセパレータを作製した。
比較例1−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を10.0質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が175kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例1−1と同様な方法で、坪量8g/m、厚さ11μmのセパレータを作製した。
比較例1−4
フィブリル化耐熱性繊維を、摩砕装置を用いて、変法濾水度320mlにまでフィブリル化させた全芳香族ポリアミド繊維に変更した以外、実施例1−3と同様な方法で坪量8g/m、厚さ11μmのセパレータを作製した。
実施例1−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を54.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を4.5質量部とし、実施例1−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例1−5
比較例1−1の抄紙スラリーを用いて、実施例1−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ11μmのセパレータを作製した。
実施例1−6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、フィブリル化耐熱性繊維を4.5質量部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を5.5質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例1−7
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を49.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を4.5質量部、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を6.5質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例1−8
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を4.0質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例1−9
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を56.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を3.0質量部とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例1−10
実施例1−8の抄紙スラリーを用いて、実施例1−1と同様な方法で坪量12g/m、厚さ18μmのセパレータを作製した。
比較例1−6
比較例1−3の抄紙スラリーを用い、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧を120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例1−1と同様な方法で坪量12g/m、厚さ18μmのセパレータを作製した。
Figure 0006497832
Figure 0006497832
実施例1−1〜実施例1−10で作製したセパレータは、変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(I))と合成樹脂短繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満である。実施例1−1〜実施例1−10のセパレータは、引張強度と断裁性に優れていた。また、抵抗成分であるインピーダンスが低く、内部短絡不良率が少なく、特に、実施例1−1〜実施例1−9のセパレータは、厚さが15μm以下という薄さであるにもかかわらず、サイクル特性に優れていた。
実施例1−6及び実施例1−7のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維(I)と合成樹脂短繊維以外の繊維を含有している。実施例1−6と実施例1−7の比較から、合成樹脂短繊維の含有量が90.0質量%以上である実施例1−6のセパレータの方が、強度特性に優れていた。
比較例1−1と比較例1−5のセパレータはフィブリル化耐熱性繊維(I)を含まないため、セパレータの坪量を下げた場合、内部短絡不良が生じ易い傾向が見られた。
比較例1−2及び1−3のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維(I)と合成樹脂短繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が5.0質量%以上である。そのため、引張強度が低下し、断裁性の評価においても、溶断面に毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するとき、線圧を上げる必要があり、セパレータを薄くし難いことが分かった。その結果、セパレータの抵抗を表すインピーダンスが増大した。そして、比較例1−3では、引張強度も低下するため、電極の積層工程において張力調整しにくく、セパレータの幅が縮むことや切断することがあった。
比較例1−4のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300mlを超えているため、断裁性が悪く、溶断面にわずかに毛羽が見られた。また、フィブリル化度が低いため、低坪量では内部短絡不良率が悪化する傾向が見られた。
実施例1−10及び比較例1−6のセパレータは、共に18μmという厚みを有しているが、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率において、実施例1−10のセパレータは4.0質量%であり、比較例1−6のセパレータは10.0質量%である。厚いセパレータの場合、フィブリル化耐熱性繊維(I)が5.0質量%以上であっても、抵抗成分が高くならなかった。一方、実施例1−8及び比較例1−3のセパレータは、10〜11μmという厚みを有しているが、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率において、実施例1−8のセパレータは4.0質量%であり、比較例1−3のセパレータは10.0質量%である。薄いセパレータの場合、フィブリル化耐熱性繊維(I)が5.0質量%未満であることによって、内部抵抗が低くなった。
≪実施例2≫
実施例2−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系合成樹脂短繊維55.5質量部と、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度350mlまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維1.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物を変法濾水度50mlにまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3.5質量部とを、パルパーによって水中で分散し、濃度0.5質量%の均一な抄紙スラリーを調製し、傾斜型抄紙機を用いて湿紙ウェブを得て、表面温度135℃のシリンダードライヤーによって乾燥し、シートを得た。得られたシートを、片方のロールがクロムメッキされた鋼製ロール、他方のロールが硬度ショアーD92の樹脂ロール、鋼製ロールの表面温度が195℃、線圧が100kN/mの熱カレンダー装置により、カレンダー処理し、坪量が10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例2−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維3.5質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を1.0質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例2−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を58.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維1.0質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を1.0質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例2−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を54.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維2.5質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を3.5質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
実施例2−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.2質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維3.9質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を4.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧を115kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例2−6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を53.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維2.5質量部と、高圧ホモジナイザーを用いてポリアリレート繊維(全芳香族ポリエステル繊維)のカット繊維(平均繊維長3.0mm、平均繊維径20μm)を変法濾水度250mlまでフィブリル化させたフィブリル化ポリアリレート繊維を3.5質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例2−7
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を51.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維2.5質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を5.0質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧を120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例2−8
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を51.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維4.0質量部と変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を3.5質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が125kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例2−9
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維3.5質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を4.5質量部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を2.0質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
実施例2−10
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を49.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維3.5質量部と、変法濾水度50mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を4.5質量部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を3.0質量部としたとした以外、実施例2−1と同様な方法で坪量9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
比較例2−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
比較例2−2
比較例2−1の抄紙スラリーを用いて、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が90kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例2−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維8.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が175kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例2−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を8.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が160kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例2−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmのバインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.8質量部、変法濾水度350mlのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維4.1質量部と変法濾水度50mlのフィブリル化耐熱性繊維を5.1質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が140kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例2−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
Figure 0006497832
Figure 0006497832
実施例2−1〜実施例2−10で作製したセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(II))と変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(I))の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満である。実施例2−1〜実施例2−10のセパレータは引張強度と断裁性に優れていた。また、抵抗成分であるインピーダンスが低く、内部短絡不良率が少なく、厚さが15μm以下という薄さであるにもかかわらず、サイクル特性に優れていた。
実施例2−1〜実施例2−10で作製したセパレータの中でも、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満である実施例2−1〜実施例2−6と実施例2−9〜実施例2−10のセパレータは、断裁性に優れていた。
実施例2−1〜実施例2−10で作製したセパレータの中で、実施例2−7のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)と合成樹脂短繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であるが、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が5.0質量%以上である。そのため、断裁性の評価においても、コバ面に毛羽がわずかに残り、また、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、線圧を上げる必要があり、セパレータを薄くし難いことが分かった。その結果、セパレータの抵抗成分を表すインピーダンスは坪量が7g/mにもかかわらず、9g/m並みであった。
実施例2−1〜実施例2−10で作製したセパレータの中で、実施例2−8では、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)と合成樹脂短繊維とを含有し、フィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であるが、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率が4.0質量%以上である。実施例2−5と実施例2−8の比較から、フィブリル化耐熱性繊維(II)を4.0質量%以上含有した場合、太い幹繊維が多く残るため、断裁性の評価において、コバ面に毛羽がより多く残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧に上げる必要があり、セパレータを薄くし難いことが分かった。その結果、セパレータの抵抗成分を表すインピーダンスは坪量が7g/mにもかかわらず、9g/m並みであった。
実施例2−1〜実施例2−10で作製したセパレータの中で、実施例2−9及び実施例2−10のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維(I)及び(II)と合成樹脂短繊維以外の繊維を含有している。実施例2−9と実施例2−10の比較から、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上である実施例2−9のセパレータの方が、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%未満である実施例2−10のセパレータよりも強度特性に優れていた。
比較例2−1と比較例2−2のセパレータはフィブリル化耐熱性繊維を含まないため、セパレータの坪量を下げた場合、内部短絡不良が発生し易かった。また、実施例2−1〜実施例2−3と比較例2−1のセパレータは、同坪量・同厚さであるが、比較例2−1のサイクル特性が低下した。同様に、実施例2−5〜実施例2−8と比較例2−2のセパレータは、同坪量・同厚さであるが、比較例2−2のサイクル特性が低下した。
比較例2−3及び比較例2−4のセパレータは、フィブリル化耐熱性繊維として、フィブリル化耐熱性繊維(II)のみ又はフィブリル化耐熱性繊維(I)のみを含有し、フィブリル化耐熱性繊維の含有率が8.9質量%であるセパレータである。フィブリル化耐熱性繊維の含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、どちらか一方のフィブリル化繊維のみを含有する場合、引張強度が低下し、断裁性の評価においても、コバ面に毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、線圧を上げる必要があり、セパレータを薄くし難いことが分かった。その結果、セパレータの抵抗成分を表すインピーダンスがより悪化し、サイクル特性も低下した。
比較例2−5は、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維(II)とフィブリル化耐熱性繊維(I)の合計含有率が9.0質量%以上であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有率が4.0質量%以上であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有率が5.0質量%以上である。この場合、引張強度が低下し、断裁性の評価において、コバ面に毛羽がより多く残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、実施例2−5よりもさらに高い線圧にする必要があり、セパレータを薄くし難いことが分かった。その結果、セパレータの抵抗成分を表すインピーダンスがより悪化し、サイクル特性も低下した。
≪実施例3≫
実施例3−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系合成樹脂短繊維55.5質量部と繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40.0質量部と、耐熱性繊維として、あらかじめ高速ホモジナイザーを用いて離解及び叩解し、変法濾水度88mlとしたパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドを1.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて、パラ系芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物を変法濾水度50mlにまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3.5質量部とを、パルパーにより水中に分散し、濃度0.1質量%の均一な抄紙スラリーを調製し、傾斜型抄紙機を用いて湿紙ウェブを得て、表面温度135℃のシリンダードライヤーによって乾燥し、シートを得た。得られたシートを、片方のロールがクロムメッキされた鋼製ロール、他方のロールが硬度ショアーD92の樹脂ロール、鋼製ロールの表面温度が195℃、線圧が100kN/mの熱カレンダー装置により、熱カレンダー処理し、坪量が10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例3−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを2.0質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例3−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを2.5質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.0質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例3−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを3.5質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を1.0質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例3−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を59.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを0.4質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を0.6質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例3−6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を56.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを1.0質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
実施例3−7
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を53.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を42.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを1.0質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を3.9質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例3−8
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を48.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を42.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを2.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を5.5質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
実施例3−9
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を47.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を42.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを2.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部、実施例3−8で用いた叩解溶剤紡糸セルロース繊維を6.5質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
比較例3−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を40.0質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で、坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
比較例3−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を40.0質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が90kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例3−1と同様な方法で、坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
比較例3−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を53.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を42.0質量部、実施例3−1で用いたフィブリッドを2.5質量部と、実施例3−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部とした以外、実施例3−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例3−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を40.0質量部、変法濾水度を310mlとしたパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドを2.0質量部と、変法濾水度320mlのフィブリル化耐熱性繊維を2.5質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例3−1と同様な方法で、坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
Figure 0006497832
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実施例3−1〜実施例3−9で作製したセパレータは、耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維としてパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドと変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(I))とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、該耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であるセパレータである。実施例3−1〜実施例3−9のセパレータは、引張強度が強く、断裁性に優れていた。また、抵抗成分であるインピーダンスが低く、内部短絡不良率が少なかった。そして、15μm以下という薄さであるにもかかわらず、サイクル特性に優れていた。
実施例3−6及び実施例3−7のセパレータは、変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維に対するフィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率が71質量%であるセパレータと80質量%であるセパレータであり、繊維同士のネットワークが増え、フィブリッドが繊維のネットワークを強固に結合して、各々のセパレータの坪量が8g/mと7g/mで、低いにも関わらず、抵抗成分のインピーダンスが低く、内部短絡不良率の結果が良好であり、強度特性も維持することができた。
実施例3−1〜実施例3−2と実施例3−3〜実施例3−4の比較から、セパレータの坪量が10g/mの場合、変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維に対するフィブリル化耐熱性繊維(I)の含有比率が多い実施例3−1〜実施例3−2の方が、抵抗成分のインピーダンスが低く、サイクル特性が良好であった。
実施例3−8及び実施例3−9のセパレータは、変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維と合成樹脂短繊維以外の繊維を含有している。実施例3−8と実施例3−9の比較から、合成樹脂短繊維の含有量が90.0質量%以上である実施例3−8のセパレータの方が、強度特性に優れていた。
比較例3−1及び比較例3−2のセパレータは変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維を含まないため、セパレータの坪量を下げた場合、内部短絡不良率が生じ易い傾向が見られた。
比較例3−3のセパレータは、坪量が7g/mで、変法濾水度300ml以下の耐熱性繊維が5質量%以上の場合であるが、実施例3−7と比較して、抵抗成分のインピーダンスが高くなり、強度特性とサイクル特性が悪化した。
比較例3−4のセパレータは、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300mlを超えているため、フィブリッドの繊維幅やフィブリル化耐熱性繊維の幹部分の繊維径が太く、繊維の分散性や繊維同士の絡みが悪くなり、セパレータの地合が悪化した。その結果、セパレータの強度特性、断裁性、抵抗成分のインピーダンス及び内部短絡不良率が悪化した。また、セパレータのサイクル特性も悪化した。
≪実施例4≫
実施例4−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系合成樹脂短繊維55.5質量部と繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40.0質量部と、耐熱性繊維として、あらかじめ高速ホモジナイザーを用いて離解及び叩解し、変法濾水度88mlとしたパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドを1.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて、パラ系芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度350mlまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(II))1.0質量部と、高圧ホモジナイザーを用いて、パラ系芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度50mlにまでフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(I))2.5質量部とを、パルパーにより水中に分散し、濃度0.1質量%の均一な抄紙スラリーを調製し、傾斜型抄紙機を用いて湿紙ウェブを得て、表面温度135℃のシリンダードライヤーによって乾燥し、シートを得た。得られたシートを、片方のロールがクロムメッキされた鋼製ロール、他方のロールが硬度ショアーD92の樹脂ロール、鋼製ロールの表面温度が195℃、線圧が100kN/mの熱カレンダー装置により、カレンダー処理し、坪量が10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例4−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを0.4質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を3.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を0.6質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例4−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を58.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを0.4質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を1.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を0.6質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量10g/m、厚さ15μmのセパレータを作製した。
実施例4−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を55.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを1.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を1.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.5質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
実施例4−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.6質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を3.9質量部と実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.5質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
実施例4−6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を51.6質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを0.4質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を2.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を4.5質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
実施例4−7
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を54.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを0.8質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を1.2質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.5質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例4−8
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を51.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を2.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.5質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例4−9
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.0質量部と、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を4.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.5質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が110kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例4−10
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を51.5質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを0.4質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を2.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を4.6質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例4−11
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.4質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.5質量部と、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を1.5質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を4.6質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が110kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
実施例4−12
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を2.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を3.0質量部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した、変法濾水度90mlの叩解溶剤紡糸セルロース繊維を3.0質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
実施例4−13
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を49.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を2.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を3.0質量部、実施例4−12で用いた叩解溶剤紡糸セルロース繊維を4.0質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量9g/m、厚さ13μmのセパレータを作製した。
比較例4−1
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を40.0質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量8g/m、厚さ12μmのセパレータを作製した。
比較例4−2
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を60.0質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を40.0質量部とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−3
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.9質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維を40.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを2.4質量部と、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を3.9質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を2.8質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−4
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを8.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が110kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−5
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を8.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−6
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を8.9質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−7
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリッドを3.9質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を5.0質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
比較例4−8
繊度0.06dtex、繊維長3mmの配向結晶化PET系合成樹脂短繊維を50.1質量部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系合成樹脂短繊維(軟化点120℃、融点230℃)を41.0質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(II)を3.9質量部、実施例4−1で用いたフィブリル化耐熱性繊維(I)を5.0質量部とし、セパレータの厚さを揃えるため、鋼製ロールの表面温度を195℃、線圧が120kN/mの熱カレンダー条件とした以外、実施例4−1と同様な方法で、坪量7g/m、厚さ10μmのセパレータを作製した。
Figure 0006497832
Figure 0006497832
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実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータは、パラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドと変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(II))と変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維(フィブリル化耐熱性繊維(I))と合成樹脂短繊維とを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、三種類の耐熱性繊維の含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満である。実施例4−1〜実施例4−13のセパレータは、厚さが15μm以下という薄さにも関わらず、強度特性と断裁性に優れていた。また、抵抗成分であるインピーダンスが低く、内部短絡不良率が少なく、サイクル特性に優れていた。また、耐熱性繊維の合計含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、パラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が0.6質量%以上4.6質量%未満である実施例4−1〜実施例4−7と実施例4−12〜実施例4−13のセパレータは、断裁性に優れ、抵抗成分であるインピーダンスが低く、内部短絡不良率が低く、サイクル特性に優れていた。
実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータの中で、実施例4−7のセパレータは、三種類の耐熱性繊維の含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が0.6質量%以上4.6質量%未満であり、特に好ましい含有量である。そして、坪量7g/m品であり、厚みが10μmであるにも関わらず、内部短絡不良の発生が無く、抵抗成分のインピーダンスが低く、サイクル特性に優れていた。
実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータの中で、実施例4−8のセパレータは、三種類の耐熱性繊維の含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が0.6質量%以上4.6質量%未満であるが、フィブリッドの含有量が2.5質量%以上である。そのため、坪量が7g/mにも関わらず、抵抗成分のインピーダンスが坪量8g/m品並みとなり、実施例4−7と比較するとサイクル特性がわずかに低下した。
実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータの中で、実施例4−9のセパレータは、三種類の耐熱性繊維の含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が0.6質量%以上4.6質量%未満であるが、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が4.0質量%以上である。そのため、パラ系芳香族ポリアミドの太い幹繊維が多く残るため、コバ面のわずかに毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、セパレータを薄くしにくいことが分かった。また、抵抗成分のインピーダンスが坪量8g/m品並みとなり、実施例4−7と比較すると、サイクル特性がわずかに低下した。
実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータの中で、実施例4−10のセパレータは、三種類の耐熱性繊維の含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であるが、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が4.6質量%以上の場合である。そのため、抵抗成分のインピーダンスが坪量8g/m品並みとなり、実施例4−7と比較すると、サイクル特性がわずかに低下した。
実施例4−1〜実施例4−13で作製したセパレータの中で、実施例4−11のセパレータは、三種類の耐熱性繊維の含有量が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であるが、フィブリッドの含有量が2.5質量%以上であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が4.6質量%以上の場合である。そのため、抵抗成分のインピーダンスが坪量8g/m品並みとなり、実施例4−7と比較すると、サイクル特性がわずかに低下した。
実施例4−12及び実施例4−13のセパレータは、フィブリッドとフィブリル化耐熱性繊維(I)とフィブリル化耐熱性繊維(II)と合成樹脂短繊維以外の繊維を含有している。実施例4−12と実施例4−13の比較から、合成樹脂短繊維の含有量が90.0質量%以上である実施例4−12のセパレータの方が、強度特性に優れていた。
比較例4−1及び比較例4−2のセパレータは三種類の耐熱性繊維を含まないため、セパレータの坪量を下げた場合、内部短絡不良率が悪化した。
比較例4−3は、フィブリッドの含有量が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(II)の含有量が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、フィブリル化耐熱性繊維(I)の含有量が0.6質量%以上4.6質量%未満であるが、三種類の耐熱性繊維の合計含有量が9.0質量%を超えた場合である。微細なフィブリル繊維が増えすぎたため、繊維同士の結合が緩み、強度特性が低下した。また、断裁性の評価においても、コバにわずかに毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、その結果、バインダー用PET繊維の皮膜化が進み、抵抗成分のインピーダンスが上昇し、サイクル特性が悪化した。
比較例4−4は、フィブリッドのみ8.9質量%含有した場合である。耐熱性繊維の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、フィブリッドのみ含有する場合、断裁性の評価において、コバにわずかに毛羽が残った。また、フィブリッドの繊維形状は薄葉状のため、抵抗成分のインピーダンスが大幅に上昇し、サイクル特性が悪化した。
比較例4−5は、フィブリル化耐熱性繊維(II)のみ8.9質量%含有した場合である。耐熱性繊維の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、フィブリル化耐熱性繊維(II)のみ含有する場合、パラ系芳香族ポリアミドの太い幹繊維が多く残るため、断裁しにくくなり、コバ面に毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、その結果、バインダー用PET繊維の皮膜化が進み、抵抗成分のインピーダンスが上昇し、サイクル特性が悪化した。また、芳香族ポリアミドの太い幹繊維が多いため、繊維同士のネットワークが低下し、強度特性が悪化した。
比較例4−6は、フィブリル化耐熱性繊維(I)のみ8.9質量%含有した場合である。耐熱性繊維の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、フィブリル化耐熱性繊維(I)のみ含有する場合、微細なフィブリル化繊維が大幅に増加するため、断裁し難くなり、コバ面に毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、その結果、バインダー用PET繊維の皮膜化が進み、抵抗成分のインピーダンスが上昇し、サイクル特性が悪化した。また、微細なフィブリル繊維が増えすぎたため、繊維同士の結合が緩み、強度特性が低下した。
比較例4−7は、フィブリッド3.9質量%とフィブリル化耐熱性繊維(I)5.0質量%を含有した場合である。耐熱性繊維の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、微細なフィブリル化繊維が大幅に増加するため、断裁し難くなり、コバ面に毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、その結果、バインダー用PET繊維の皮膜化が進み、また、フィブリッドの繊維形状は薄葉状のため、抵抗成分のインピーダンスが大幅に上昇し、サイクル特性が悪化した。また、微細なフィブリル繊維が増えすぎたため、繊維同士の結合が緩み、強度特性が低下した。
比較例4−8はフィブリル化耐熱性繊維(II)3.9質量%とフィブリル化耐熱性繊維(I)5.0質量%を含有した場合である。耐熱性繊維の合計含有率は2.0質量%以上9.0質量%未満の範囲内であるが、パラ系芳香族ポリアミドの太い幹繊維が多く残り、また、微細なフィブリル化繊維が増えるため、断裁し難くなり、コバ面にかすかに毛羽が残った。さらに、熱カレンダー処理によってセパレータを所定の厚みに調整するときに、より高い線圧を掛ける必要があり、その結果、バインダー用PET繊維の皮膜化が進み、抵抗成分のインピーダンスが上昇し、サイクル特性が悪化した。また、微細なフィブリル繊維が増えすぎたため、繊維同士の結合が緩み、強度特性が低下した。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等、リチウムイオン電池に好適に使用できる。

Claims (9)

  1. 耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維が変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維のみからなるフィブリル化耐熱性繊維を含有し、変法濾水度300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドを含有せず、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であり、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上99.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
  2. 該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が95.0質量%超99.0質量%以下である請求項1記載のリチウムイオン電池セパレータ。
  3. 耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維が変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維とのみからなるフィブリル化耐熱性繊維を含有し、変法濾水度300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドを含有せず、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上4.0質量%未満であり、且つ変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維との合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上98.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
  4. 該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が2.0質量%以上5.0質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上3.0質量%以下である請求項3記載のリチウムイオン電池セパレータ。
  5. 耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維が変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維のみからなるフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドとを含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドとの合計含有率が1.0質量%以上5.0質量%未満であり且つ変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドの合計含有量に対し、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有比率が50質量%超92質量%以下であり、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上99.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
  6. 該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率が95.0質量%超99.0質量%以下である請求項5記載のリチウムイオン電池セパレータ。
  7. 耐熱性繊維と合成樹脂短繊維とを含有してなるリチウムイオン電池セパレータにおいて、該耐熱性繊維が変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドと、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維とのみからなるフィブリル化耐熱性繊維を含有し、該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドの含有率が0.4質量%以上2.5質量%未満であり、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が0.6質量%以上4.6質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%以上4.0質量%未満であり且つ変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドと変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維と変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の合計含有率が2.0質量%以上9.0質量%未満であり、合成樹脂短繊維の含有率が90.0質量%以上98.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
  8. 該セパレータに含まれる全繊維成分に対して、変法濾水度が300ml以下のパラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリッドの含有が0.4質量%以上2.0質量%未満であり、変法濾水度が300ml超えのフィブリル化耐熱性繊維の含有が1.0質量%以上3.0質量%以下であり、変法濾水度が300ml以下のフィブリル化耐熱性繊維の含有1.0質量%以上4.6質量%未満である請求項7記載のリチウムイオン電池セパレータ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータを含んでなるリチウムイオン電池。

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