JP6493667B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
従来から、被記録媒体などの媒体にインクなどの液体を吐出する液体吐出装置が開示されている。このような液体吐出装置においては、該液体のミストが該液体の吐出部などに付着して溜まり、そのミストが媒体に垂れて媒体を汚してしまう場合があった。このため、ミストが液体の吐出部などに付着することを抑制する技術が開示されている。
例えば、特許文献1及び2には、インクを吐出部から吐出することに伴って発生するインクのミストを回収する回収部を備えた液体吐出装置が開示されている。
特開2007−229950号公報 特開2004−237691号公報
しかしながら、ミストを回収する回収部を備えていても、一端回収部に回収されたミストが、回収部で乱流が発生することなどにより、回収部から吐出部の方向に逆流する場合があった。
特許文献1及び2の液体吐出装置は、インクを吐出部から吐出することに伴って発生するインクのミストを好適に回収することができるが、回収部から吐出部の方向に逆流するミストについての記載はない。
そこで、本発明の目的は、吐出部から液体を吐出することに伴って発生する該液体のミストを回収する回収部から、該液体のミストが逆流することを抑制することである。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部と、前記液体が前記吐出部から吐出されることに伴い発生するミストを回収口から回収する回収部と、を備え、前記回収部は、前記回収口に逆流防止部を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様の液体吐出装置は、前記第1の態様において、前記逆流防止部は、回動部と、前記回収部の内部から外部に向かう方向への前記回動部の回動を規制する規制部と、を有し、前記回動部は、回動することにより前記回収口を開閉可能であり、前記規制部に規制される位置にあるときに該回動部により前記回収口が閉じられる状態となり、前記回動部が前記規制部に規制されない位置にあるときに前記回収口は開かれる状態となることを特徴とする。
本発明の第3の態様の液体吐出装置は、前記第1又は第2の態様において、前記回収部の内部には、前記ミストを前記回収口から回収することに伴う気流に乱流が生じて逆流することを抑制する逆流防止空間が設けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様の液体吐出装置は、前記第1から第3のいずれか1つの態様において、前記ミストを前記回収口に誘導する誘導部を備えることを特徴とする。
本発明の第5の態様の液体吐出装置は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、前記回収部は、前記回収口から該回収部の内部に向けて気流を発生させる吸引部を有することを特徴とする。
本発明の第6の態様の液体吐出装置は、前記第1から第5のいずれか1つの態様において、前記回収部の外部から前記回収口に向けて送風する送風部を備えることを特徴とする。
本発明の第7の態様の液体吐出装置は、前記第6のいずれか1つの態様において、前記吐出部は、往復移動方向に往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、前記送風部は、前記吐出部の前記往復移動方向への移動中は送風を停止し、前記吐出部の停止中に送風することを特徴とする。
本発明の第8の態様の液体吐出装置は、前記第5の態様において、前記吐出部は、往復移動方向に往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、前記吸引部は、前記吐出部の前記往復移動方向への移動中及び停止中の何れにおいても吸引状態をとることを特徴とする。
本発明の第9の態様の液体吐出装置は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、前記回収部の外部から前記回収口に向けて送風する送風部を備え、前記回収部は、前記回収口から該回収部の内部に向けて気流を発生させる吸引部を有し、前記回収口を挟んで、前記回収部の外部から前記回収口に向かう気流の風速は、前記回収口から前記回収部の内部に向かう気流の風速よりも遅いことを特徴とする。
本発明によれば、吐出部から液体を吐出することに伴って発生する該液体のミストを回収する回収部から、該液体のミストが逆流することを抑制することができる。
本発明の実施例1の記録装置を表す概略斜視図。 本発明の実施例1の記録装置を表す概略平面図。 本発明の実施例1の記録装置を表す概略正面図。 本発明の実施例1の記録装置を表す概略側面図。 本発明の実施例1の記録装置を表す概略背面図。 本発明の実施例1の記録装置の要部を表す概略斜視図。 本発明の実施例1の記録装置を表すブロック図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略斜視図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略正面図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略側面図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略平面図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略正面図。 本発明の実施例1の記録装置のキャリッジを表す概略側面図。 本発明の実施例1の記録装置の要部を表す概略側面断面図。 本発明の実施例1の記録装置の回収部を表す概略斜視図。 本発明の実施例1の記録装置の回収部の周辺部を表す概略側面断面図。 本発明の実施例2の記録装置の回収部を表す概略斜視図。 本発明の実施例3の記録装置の回収部の周辺部を表す概略側面断面図。
[実施例1](図1〜図16)
以下に、本発明の液体吐出装置としての一実施例に係る記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
最初に、本発明の実施例1に係る記録装置1の概要について説明する。
図1は本実施例の記録装置1の概略斜視図である。また、図2は本実施例の記録装置1の概略平面図である。また、図3は本実施例の記録装置1の概略正面図である。また、図4は本実施例の記録装置1の概略側面図である。また、図5は本実施例の記録装置1の概略背面図である。そして、図6は本実施例の記録装置1の要部である記録領域周辺を表す概略斜視図である。なお、また、図1から図6は、本実施例の記録装置1から構成部材の一部を取り外した状態を表しており、例えば、キャリッジ6から記録ヘッド7(図11参照)を有するサブキャリッジ5(図12参照)を取り外した状態を表している。
本実施例の記録装置1は、粘着剤が付着された支持面で被記録媒体(媒体)を支持する粘着性ベルト2(無端ベルト)により被記録媒体を搬送方向Aに搬送する搬送機構3を備えている。また、ロール状の被記録媒体をセット可能であり、該被記録媒体を搬送機構3に繰り出すことが可能な不図示の繰出部を備えている。また、搬送機構3による被記録媒体の搬送領域に、吐出部としての記録ヘッド7を備えたキャリッジ6を被記録媒体の搬送方向Aと交差する往復移動方向Bに往復走査させて記録する記録機構4を備えている。さらに、記録機構4において記録がなされた被記録媒体を巻き取ることが可能な不図示の巻取機構を備えている。
本実施例の搬送機構3は、繰出部から繰り出された被記録媒体を載置して搬送する粘着性ベルト2と、粘着性ベルト2を移動させる駆動ローラー8と、従動ローラー9と、を備えている。被記録媒体は粘着性ベルト2の支持面に貼り付けられて載置される。
ただし、搬送ベルトとしての無端ベルトは粘着性ベルトに限定されない。例えば、静電吸着式の無端ベルトを用いてもよい。
なお、本実施例の記録装置1は、このような構成の搬送機構3を備えているが、このような構成の搬送機構に限定されず、被記録媒体を移動式の支持トレイなどに支持させて搬送する構成や、被記録媒体をローラー対などにより搬送させる構成などとしてもよい。さらには、被記録媒体を支持部に固定させ、固定された被記録媒体に対して記録ヘッド7を移動させて記録する、所謂フラッドベッドタイプの記録装置としてもよい。
記録機構4は、インク(液体)を吐出可能な記録ヘッド7を備えるキャリッジ6を往復移動方向Bに往復移動させるキャリッジモーター30(図7参照)を有している。
本実施例の記録装置1は、記録の際、記録ヘッド7を備えるキャリッジ6を往復走査させて記録するが、記録走査中(キャリッジ6の移動中)は、搬送機構3は被記録媒体の搬送を停止させる。別の表現をすると、記録の際、キャリッジ6の往復走査と被記録媒体の搬送は交互に行われる。すなわち、記録の際、キャリッジ6の往復走査に対応して、搬送機構3は被記録媒体を間欠搬送(粘着性ベルト2を間欠移動)させている。
なお、本実施例の記録装置1の骨格部を構成するパイプ11aには往復移動方向Bに延設されるレール10aが構成され、本実施例の記録装置1の骨格部を構成するパイプ11bには往復移動方向Bに延設されるレール10bが構成されている。そして、本実施例のキャリッジ6は、レール10a及びレール10bに不図示の軸受部が受けられることで、往復移動方向Bへの移動がレール10a及びレール10bにガイドされる。
また、パイプ11bの下部の位置には、往復移動方向Bに延設され、不図示の複数の送風口から搬送方向Aとは逆方向に送風する、送風部12が設けられている。そして、パイプ11aの下部の位置には、往復移動方向Bに延設され、記録ヘッド7から吐出されたインクのミストを回収可能な、ミストの回収部13が設けられている。なお、ミストの回収部13は、パイプ11aの下部の位置において往復移動方向Bに延設される回収口16が設けられている。
また、本実施例の記録装置1の搬送方向Aにおける下流側には、図3で表されるように、送風部12による送風力を発生させる送風ファン14が複数(3つ)設けられている。送風ファン14が発生させる送風力により、送風部12は回収部13の外部(搬送方向Aにおける下流側の位置)から回収口16に向けて送風することが可能になっている。そして、本実施例の記録装置1の搬送方向Aにおける上流側には、図5で表されるように、回収口16から回収部13の内部に向けて、さらに、回収部13の内部から記録装置1の外部に向けて、気流を発生させる吸引部としての吸引ファン15が複数(3つ)設けられている。
次に、本実施例の記録装置1における電気的な構成について説明する。
図7は、本実施例の記録装置1のブロック図である。
制御部23には、記録装置1の全体の制御を司るCPU24が設けられている。CPU24は、システムバス25を介して、CPU24が実行する各種制御プログラム等を格納したROM26と、データを一時的に格納可能なRAM27と接続されている。
また、CPU24は、システムバス25を介して、記録ヘッド7を駆動するためのヘッド駆動部28と接続されている。
また、CPU24は、システムバス25を介して、キャリッジモーター30、搬送モーター31、繰出モーター32、巻取モーター33、送風ファンモーター17、吸引ファンモーター18、キャリッジファンモーター19及びサブキャリッジファンモーター22を駆動させるためのモーター駆動部29と接続されている。
ここで、キャリッジモーター30は、記録ヘッド7を備えたキャリッジ6を移動させるためのモーターである。また、搬送モーター31は、駆動ローラー8を駆動するためのモーターである。また、繰出モーター32は、不図示の繰出部にセットされた被記録媒体を搬送機構3に送り出すための繰出部の駆動モーターである。また、巻取モーター33は、記録がなされた被記録媒体を巻き取るために不図示の巻取機構を駆動させるための駆動モーターである。また、送風ファンモーター17は、送風ファン14を駆動するためのモーターである。また、吸引ファンモーター18は、吸引ファン15を駆動するためのモーターである。また、キャリッジファンモーター19は、後述するキャリッジファン20(図8参照)を駆動するためのモーターである。そして、サブキャリッジファンモーター22は、後述するサブキャリッジファン21(図12参照)を駆動するためのモーターである。
さらに、CPU24は、システムバス25を介して、入出力部34と接続されており、入出力部34は、記録データ等のデータ及び信号の送受信を行うためのPC35と接続されている。
次に、本実施例の記録装置1のキャリッジ6について説明する。
図8から図13は、本実施例のキャリッジ6の概略図を表している。このうち、図8は本実施例のキャリッジ6の概略斜視図、図9及び図12は本実施例のキャリッジ6の概略正面図、図10及び図13は本実施例のキャリッジ6の概略側面図、図11は本実施例のキャリッジ6の概略平面図、を表している。また、図8から図10はキャリッジ6から構成部材の一部、例えば、記録ヘッド7を有するサブキャリッジ5を取り外した状態を表している。そして、図11から図13はキャリッジ6に記録ヘッド7を有するサブキャリッジ5を複数取り付けた状態を表しているが、図11は各サブキャリッジ5に設けられた複数の記録ヘッド7の配置がわかるように透視図となっている。なお、図10における図10(A)は、キャリッジ6を正面から見て右側の概略側面図であり、図10(B)は、キャリッジ6を正面から見て左側の概略側面図である。
図11及び図12で表されるように、本実施例のキャリッジ6には、複数(6つ)のサブキャリッジ5を取り付け可能である。そして、図11で表されるように、各サブキャリッジ5には、複数の記録ヘッド7が互い違い(stagger)に配置されている。なお、各サブキャリッジ5には、複数の記録ヘッド7の他に、基板などが内部に構成されており、該基板を冷却するためのサブキャリッジファン21が設けられている。
サブキャリッジファン21は、サブキャリッジ5の内部に気流を送る(送風する)ことで、サブキャリッジ5の内部の温度上昇を抑制するものなので、インクのミストがサブキャリッジファン21の周辺にあると該ミストをサブキャリッジ5の内部に送ってしまい、基板などにミストを付着させる虞がある。
このため、本実施例の記録装置1には、基板などへのミストの付着を抑制するために、上記のとおり、送風部12と回収部13とが設けられている。
また、本実施例のキャリッジ6には、図8で表されるように、サブキャリッジ5の取付部36が設けられる。
また、図8、図9、図11及び図12で表されるように、記録ヘッド7から吐出されたインクのミストが上側に舞い上がり、該ミストがサブキャリッジ5に付着することを抑制するための枠状部37が設けられている。枠状部37は、記録ヘッド7に近くミストが多い領域に対して、ミストが舞い上がってくるのを抑制してサブキャリッジ5の上側の領域をミストの少ない領域に保つセパレーターの役割をしている。
さらに、図8から図13で表されるように、往復移動方向Bにおける枠状部37の外側に、キャリッジファン20が設けられた気流発生部38a及び38bが設けられている。別の表現をすると、往復移動方向Bにおける枠状部37の外側に設けられた気流発生部38a及び38bには、搬送方向Aの下流側に設けられた開口部39付近に、搬送方向Aの上流側の開口部40に向かって気流を発生させるキャリッジファン20が設けられている。
ここで、本実施例のキャリッジ6は、制御部23の制御により、記録中(キャリッジ6を往復移動方向Bに移動させつつ記録ヘッド7からインクを吐出させている最中)、キャリッジファン20を駆動させ、キャリッジ6近傍のミストを移動させることができる。
なお、図8、図10及び図13で表されるように、気流発生部38a及び38bは、搬送方向Aの上流側の開口部40に向かって高さ方向の長さが小さくなるテーパー形状をしている。
次に、本実施例の記録装置1の要部である回収部13について説明する。
ここで、図14は、本実施例の回収部13とキャリッジ6及び送風部12との位置関係を説明するための、本実施例の記録装置1の要部の概略側面断面図である。また、図15は、回収部13の内部の回収室41を表す概略斜視図である。また、図16は、回収部13の周辺部の概略側面断面図である。なお、図16における図16(A)は、非記録中(記録ヘッド7からインクを吐出させていない状態中)の概略側面断面図であり、図16(B)は、記録中の概略側面断面図である。
図14で表されるように、搬送方向Aにおいて、キャリッジ6の往復移動方向Bにおける移動領域(記録領域に対応)よりも下流側には、搬送方向Aにおける上流側に向けて気流W1を送風可能な送風部12が設けられ、該移動領域よりも上流側には、回収部13が設けられている。このように回収部13が配置されていることにより、記録領域で発生したインクのミストを効率よく回収可能にしている。
また、上記のように、本実施例の記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド7と、インクが記録ヘッド7から吐出されることに伴い発生するミストを回収口16から回収する回収部13と、を備えているが、図14及び図16で表されるように、回収部13は、回収口16に逆流防止部43を有している。このため、本実施例の記録装置1は、回収部13からインクのミストが記録領域に逆流することを抑制することができる構成になっている。
具体的には、図16で表されるように、逆流防止部43は、回収部13の内部の回収室41に設けられ往復移動方向Bに沿う方向の回動軸44を基準に回動方向Cに回動する回動部47と、回収部13の内部から外部に向かう方向(気流W3の向う方向)への回動部47の回動を規制する規制部45と、を有する。そして、回動部47は、回動することにより回収口16を開閉可能であり、図16(B)で表されるように規制部45に規制される位置にあるときに該回動部47により回収口16が閉じられる状態となり、図16(A)で表されるように回動部47が規制部45に規制されない位置にあるときに回収口16は開かれる状態となるように構成されている。このような簡単な構成で、回収部13からインクのミストが逆流することを抑制している。
さらに詳細には、本実施例の記録装置1は、記録ヘッド7が往復移動方向Bに往復移動しつつインクを吐出可能な構成であるが、送風部12は、制御部23の制御により、記録ヘッド7の往復移動方向Bへの移動中は送風を停止し、記録ヘッド7の停止中に送風することができる。すなわち、記録ヘッド7からインクを吐出している間(記録中)は送風を停止し、記録ヘッド7からインクを吐出していない間に送風することができる。
ここで、図16(A)は、記録ヘッド7からインクを吐出していない間に送風部12から送風している状態を表している。図16(A)で表されるように、送風部12から送風される気流W1により逆流防止部43が上方に移動して回収口16が開かれ、回収部13はミストを該回収部13の外部から内部に回収することができる。一方、図16(B)は、記録ヘッド7からインクを吐出している間に送風部12からの送風を停止している状態を表している。図16(B)で表されるように、送風部12から気流W1が送風されないことにより逆流防止部43が下方に移動して回収口16が閉じられ、回収部13はミストを該回収部13の内部から外部に逆流することを抑制する(逆流方向に向かう気流W3を遮断する)ことができる。
このため、本実施例の記録装置1は、記録ヘッド7から吐出されるインクの吐出位置(被記録媒体に対する着弾位置)にずれが生じることを抑制しつつミストを回収できる構成になっている。
また、上記のように、本実施例の記録装置1は、図5で表されるように吸引ファン15を備えているが、吸引ファン15は図15及び図16で表されるダクト42を介して回収室41と接続されている。別の表現をすると、回収部13は、回収口16から該回収部13の内部に向けて気流W2を発生させる吸引部としての吸引ファン15を有している。このため、本実施例の記録装置1は、回収部13からインクのミストが逆流することを好適に抑制することができる構成になっている。
また、上記のように、本実施例の記録装置1は、回収部13の外部から回収口16に向けて送風する送風部12を備えているため、ミストを効率よく回収部13に誘導することができる構成になっている。
また、上記のように、本実施例の記録装置1は、記録ヘッド7が往復移動方向Bに往復移動しつつインクを吐出可能な構成であるが、吸引ファン15は、制御部23の制御により、キャリッジ6(記録ヘッド7)の往復移動方向Bへの移動中及び停止中の何れにおいても吸引状態をとることができる。すなわち、吸引ファン15を常時吸引状態とすることができる。吸引ファン15により回収部13の内部で気流W2を発生させてもインクの吐出位置にずれは生じないので、本実施例の記録装置1は、吸引ファン15を常時吸引状態とすることで、記録ヘッド7から吐出されるインクの吐出位置にずれが生じることを抑制しつつ、回収部13からインクのミストが逆流することを好適に抑制することができる構成になっている。
また、上記のように、本実施例の記録装置1は、回収部13の外部から回収口16に向けて気流W1を発生させる送風部12を備えており、回収部13は回収口16から該回収部13の内部に向けて気流W2を発生させる吸引ファン15を有しているが、回収口16を挟んで、回収部13の外部から回収口16に向かう気流W1の風速は、回収口16から回収部13の内部に向かう気流W2の風速よりも遅くなるように構成されている。すなわち、回収口16の位置を基準にして、回収部13の外部から回収口16に向かう気流W1の風速よりも回収口16から回収部13内部に向かう気流W2の風速のほうが速くなるように構成されている。このため、本実施例の記録装置1は、ミストを含んだ気流W1が回収部13に入りきらないということを抑制することで、回収部13からインクのミストが逆流することを好適に抑制している。
なお、本実施例の回収部13は、図14で表されるように、回収口16の構成領域と上面以外の各面を構成する図15で表されるような基体部46に、上面を構成するパイプ11aを載せることで回収室41が形成される構成であるが、このような構成に限定されない。
[実施例2](図17)
次に、本発明の実施例2に係る記録装置について説明する。
図17は本発明の実施例2に係る記録装置1の要部である回収部13の内部の回収室41を表す概略斜視図であり、実施例1の記録装置1の要部である回収部13の内部の回収室41を表す図15に対応している。
なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
本実施例の記録装置1は、回収部13の構成のみが実施例1の記録装置1と相違する。
図15と図17とを比較すると明らかなように、本実施例の回収部13の回収室41は、実施例1の回収部13の回収室41と比べて広くなっている。別の表現をすると、本実施例の回収部13の内部には、インクのミストを回収口16から回収することに伴う気流W2に乱流が生じて逆流することを抑制する(回収部13の内部から外部に向かう方向の気流W3が発生することを抑制する)逆流防止空間49が設けられている。すなわち、回収部13は、気流W2に乱流が生じてミストが逆流しないよう、内部に十分大きな空間が設けられている。このため、本実施例の記録装置1は、回収部13からインクのミストが逆流することを好適に抑制することができる構成になっている。
なお、回収部13の内部における逆流防止空間49の範囲は、インクのミストを回収口16から回収することに伴う気流W2に乱流が生じて逆流することを抑制する広さであれば、その境界は明確でなくてもよい。ただし、このような効果を発揮させるため、回収部13の内部における回収口16からの奥行き方向の長さL1が、最大部分において50cm以上あることが好ましい。
[実施例3](図18)
次に、本発明の実施例3に係る記録装置について説明する。
図18は、本発明の実施例3に係る記録装置1の要部である回収部13の周辺部の概略側面断面図である。なお、図18における図18(A)は、非記録中(記録ヘッド7からインクを吐出させていない状態中)の概略側面断面図であり、図18(B)は、記録中の概略側面断面図である。また、図18は、実施例1の記録装置1の要部である回収部13の周辺部の概略側面断面図を表す図16に対応している。
なお、上記実施例1及び2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
本実施例の記録装置1は、パイプ11aの構成のみが実施例1の記録装置1と相違する。
図18で表されるように、本実施例のパイプ11aは、斜面部48を備えている。そして、図18(A)で表されるように、送風部12から送風される気流の一部である気流W4を該斜面部48に沿って回収口16に誘導することが可能な構成になっている。すなわち、本実施例の記録装置1は、インクのミストを回収口16に誘導する誘導部としての斜面部48を備えており、ミストを効率よく回収部13に誘導することができる構成になっている。
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。
以上、本発明について具体的な実施例に基づいて詳述した。ここで、本発明について、もう一度まとめて説明する。
本発明の第1の態様の液体吐出装置1は、液体を吐出する吐出部7と、前記液体が吐出部7から吐出されることに伴い発生するミストを回収口16から回収する回収部13と、を備え、回収部13は、回収口16に逆流防止部43を有することを特徴とする。
本態様によれば、回収部13は回収口16に逆流防止部43を有する。このため、回収部13から液体のミストが逆流することを抑制することができる。
本発明の第2の態様の液体吐出装置1は、前記第1の態様において、逆流防止部43は、回動部47と、回収部13の内部から外部に向かう方向への回動部47の回動を規制する規制部45と、を有し、回動部47は、回動することにより回収口16を開閉可能であり、規制部45に規制される位置にあるときに該回動部47により回収口16が閉じられる状態となり、回動部47が規制部45に規制されない位置にあるときに回収口16は開かれる状態となることを特徴とする。
本態様によれば、逆流防止部43は、回動部47と、回収部13の内部から外部に向かう方向への回動部47の回動を規制する規制部45と、を有する。そして、回動部47は、回動することにより回収口16を開閉可能であり、規制部45に規制される位置にあるときに該回動部47により回収口16が閉じられる状態となり、回動部47が規制部45に規制されない位置にあるときに回収口16は開かれる状態となる。このため、このような簡単な構成で、回収部13から液体のミストが逆流することを抑制することができる。
本発明の第3の態様の液体吐出装置1は、前記第1又は第2の態様において、回収部13の内部には、前記ミストを回収口16から回収することに伴う気流W2に乱流が生じて逆流することを抑制する逆流防止空間49が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、回収部13の内部には、ミストを回収口16から回収することに伴う気流W2に乱流が生じて逆流することを抑制する逆流防止空間49が設けられている。すなわち、回収部13は、ミストが逆流しないよう、内部に十分大きな空間が設けられている。このため、回収部13から液体のミストが逆流することを好適に抑制することができる。
本発明の第4の態様の液体吐出装置1は、前記第1から第3のいずれか1つの態様において、前記ミストを回収口16に誘導する誘導部48を備えることを特徴とする。
本態様によれば、ミストを回収口16に誘導する誘導部48を備える。このため、ミストを効率よく回収部13に誘導することができる。
本発明の第5の態様の液体吐出装置1は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、回収部13は、回収口16から該回収部13の内部に向けて気流W2を発生させる吸引部15を有することを特徴とする。
本態様によれば、回収部13は回収口16から該回収部13の内部に向けて気流W2を発生させる吸引部15を有する。このため、回収部13から液体のミストが逆流することを好適に抑制することができる。
本発明の第6の態様の液体吐出装置1は、前記第1から第5のいずれか1つの態様において、回収部13の外部から回収口16に向けて送風する送風部12を備えることを特徴とする。
本態様によれば、回収部13の外部から回収口16に向けて送風する送風部12を備える。このため、ミストを効率よく回収部13に誘導することができる。
本発明の第7の態様の液体吐出装置1は、前記第6のいずれか1つの態様において、吐出部7は、往復移動方向Bに往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、送風部12は、吐出部7の往復移動方向Bへの移動中は送風を停止し、吐出部7の停止中に送風することを特徴とする。
本態様によれば、吐出部7は往復移動方向Bに往復移動しつつ液体を吐出可能であり、送風部12は吐出部7の往復移動方向Bへの移動中は送風を停止し吐出部7の停止中に送風する。すなわち、吐出部7から液体を吐出している間は送風を停止し、吐出部7から液体を吐出していない間に送風する。このため、吐出部7から吐出される液体の吐出位置にずれが生じることを抑制しつつミストを回収できる。
本発明の第8の態様の液体吐出装置1は、前記第5の態様において、吐出部7は、往復移動方向Bに往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、吸引部15は、吐出部7の往復移動方向Bへの移動中及び停止中の何れにおいても吸引状態をとることを特徴とする。
本態様によれば、吐出部7は往復移動方向Bに往復移動しつつ液体を吐出可能であり、吸引部15は吐出部7の往復移動方向Bへの移動中及び停止中の何れにおいても吸引状態をとる。すなわち、吸引部15を常時吸引状態とする。吸引部15により回収部13の内部で気流W2を発生させても液体の吐出位置にずれは生じないので、吸引部15を常時吸引状態とすることで、吐出部7から吐出される液体の吐出位置にずれが生じることを抑制しつつ、回収部13から液体のミストが逆流することを好適に抑制することができる。
本発明の第9の態様の液体吐出装置1は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、回収部13の外部から回収口16に向けて送風する送風部12を備え、回収部13は、回収口16から該回収部13の内部に向けて気流を発生させる吸引部15を有し、回収口16を挟んで、回収部13の外部から回収口16に向かう気流W1の風速は、回収口16から回収部13の内部に向かう気流W2の風速よりも遅いことを特徴とする。
本態様によれば、回収部13の外部から回収口16に向けて送風する送風部12を備え、回収部13は回収口16から該回収部13の内部に向けて気流W2を発生させる吸引部15を有し、回収口16を挟んで、回収部13の外部から回収口16に向かう気流W1の風速は、回収口16から回収部13の内部に向かう気流W2の風速よりも遅い。すなわち、回収口16の位置を基準にして、回収部13の外部から回収口16に向かう気流W1の風速よりも回収口16から回収部13内部に向かう気流W2の風速のほうを速くする。このため、ミストを含んだ気流W1が回収部13に入りきらないということを抑制でき、回収部13から液体のミストが逆流することを好適に抑制することができる。
1 記録装置(液体吐出装置)、2 粘着性ベルト、3 搬送機構、4 記録機構、
5 サブキャリッジ、6 キャリッジ、7 記録ヘッド(吐出部)、8 駆動ローラー、
9 従動ローラー、10a、10b レール、11a、11b パイプ、
12 送風部、13 回収部、14 送風ファン、15 吸引ファン、16 回収口、
17 送風ファンモーター、18 吸引ファンモーター、
19 キャリッジファンモーター、20 キャリッジファン、
21 サブキャリッジファン、22 サブキャリッジファンモーター、
23 制御部、24 CPU、25 システムバス、26 ROM、27 RAM、
28 ヘッド駆動部、29 モーター駆動部、30 キャリッジモーター、
31搬送モーター、32 繰出モーター、33 巻取モーター、34 入出力部、
35 PC、36 サブキャリッジ5の取付部、37 枠状部、
38a、38b 気流発生部、39 開口部、40 開口部、41 回収室、
42 ダクト、43 逆流防止部、44 回動軸、45 規制部、46 基体部、
47 回動部、48 斜面部(誘導部)、49 逆流防止空間、
L1 回収部13の内部における回収口16からの奥行き方向の長さ、
W1、W2、W3、W4 気流

Claims (9)

  1. 液体を吐出する吐出部と、
    前記液体が前記吐出部から吐出されることに伴い発生するミストを回収口から回収する回収部と、を備え、
    前記回収部は、前記回収口に逆流防止部を有し、
    前記回収部の内部には、前記ミストを前記回収口から回収することに伴う気流に乱流が生じて逆流することを抑制する逆流防止空間が設けられ、
    前記逆流防止空間は、前記回収部の内部における前記回収口からの奥行き方向の長さが最大部分において50cm以上あることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記逆流防止部は、回動部と、前記回収部の内部から外部に向かう方向への前記回動部の回動を規制する規制部と、を有し、
    前記回動部は、回動することにより前記回収口を開閉可能であり、前記規制部に規制される位置にあるときに該回動部により前記回収口が閉じられる状態となり、前記回動部が前記規制部に規制されない位置にあるときに前記回収口は開かれる状態となることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出装置において、
    前記ミストを前記回収口に誘導する誘導部を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出部を有し、往復移動方向に移動するキャリッジと、
    前記キャリッジの移動をガイドするレールと、
    前記誘導部及び前記レールが設けられた骨格部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
    前記回収部は、前記回収口から該回収部の内部に向けて気流を発生させる吸引部を有することを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
    前記回収部の外部から前記回収口に向けて送風する送風部を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項6に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出部は、往復移動方向に往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、
    前記送風部は、前記吐出部の前記往復移動方向への移動中は送風を停止し、前記吐出部の停止中に送風することを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項5に記載の液体吐出装置において、
    前記吐出部は、往復移動方向に往復移動しつつ前記液体を吐出可能であり、
    前記吸引部は、前記吐出部の前記往復移動方向への移動中及び停止中の何れにおいても吸引状態をとることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
    前記回収部の外部から前記回収口に向けて送風する送風部を備え、
    前記回収部は、前記回収口から該回収部の内部に向けて気流を発生させる吸引部を有し、
    前記回収口を挟んで、前記回収部の外部から前記回収口に向かう気流の風速は、前記回収口から前記回収部の内部に向かう気流の風速よりも遅いことを特徴とする液体吐出装置。
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