JP6492870B2 - 難燃性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、高い難燃性を有し、なおかつ安定して生産できるポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステル樹脂製品は、低コストで製造でき、なおかつ耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐摩耗性などに優れることから、産業向け一般家庭向け問わず、あらゆる分野に広く用いられている。
それらの広範な用途において使用するために、ポリエステル樹脂は難燃化されていることが好ましい。特に電気電子製品の分野においては、近年の小型軽量化の要望から製品の緻密化、およびそれに伴う発熱の増大が問題となっており、難燃化は必須である。
ポリエステル樹脂に難燃性を付与できる代表的な難燃性化合物としては、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物、水酸化マグネシウムに代表される金属水酸化物、赤リンに代表される無機リン化合物、リン酸エステル化合物やホスホン酸化合物およびホスフィン酸化合物などの有機リン化合物などが挙げられる。
しかし、ハロゲン含有の難燃性化合物を添加した樹脂は、加工時や燃焼時にダイオキシン類似ガスなどの有毒ガスを発生することが問題視されており、近年規制が強化されている。また、無機化合物、無機リン化合物などの無機系難燃性化合物は、ハロゲン系難燃性化合物のような毒性はないものの、樹脂との相溶性に乏しく、また樹脂の透明性を著しく損なう場合がある。この観点から、難燃性化合物として、有機リン系の化合物が注目されている。
有機リン系難燃性化合物を用いてポリエステル樹脂に難燃性を付与する方法としては、例えば特許文献1、2などに開示されているように、有機リン系化合物を添加混合または共重合溶融押出成形する方法が提案されている。
それらの中でもポリエステル重合時に難燃性化合物を添加共重合させる方法(共重合法)が、その耐ブリードアウト性から工業的価値の高い方法として知られており、種々の方法が提案されている。例えば、ポリエステル樹脂に、有機リン系化合物としてリン酸エステル化合物を共重合する方法(特許文献3)、ホスホン酸化合物を共重合する方法(特許文献4)、特殊なエステル形成性官能基を有するリン化合物を含有させる方法(特許文献5)、カルボキシホスフィン酸を共重合する方法(特許文献6)、ホスフィンオキシド誘導体を共重合する方法(特許文献7)などが開示されている。
しかし、ポリエステル重合時にリン化合物を共重合したものは、融点が低下するため、機械的物性および耐熱性が悪化するといった欠点がある。これは、ポリエステルの分子鎖中に、より軟化点の低いリン化合物が介入している構造であるためと考えられる。
また、リン酸エステル化合物の場合は、その化合物中のP−O結合の結合エネルギーが小さいと考えられ、そのことに起因する成形加工時の主鎖切断に伴う自己触媒作用により、分子量低下が起きるといった欠点も生じる。すなわち、より高い難燃性の発現のためにポリエステル中のリン化合物の共重合量を増やせば、それだけ機械的物性および耐熱性は悪くなることとなる。このことから、難燃性と耐熱性、機械的物性の両立は難しいと考えられる。
以上の問題を鑑み、特許文献8において、難燃性化合物を共重合させず、一定以上の平均分子量を持つ有機リン系オリゴマーを難燃性化合物として添加することで、高い融点を維持し、耐ブリードアウト性と機械的物性を両立させた難燃化ポリエステルフィルムが提案されている。
しかし、上述の特許文献8で用いられている難燃性化合物は、化合物構成単位がオリゴマーであるために自身のIV(Intrinsic Viscosity=固有粘度)が低く、必然的にこれを添加した難燃性ポリエステル樹脂のIVも低くなる。IVは分子量と正の相関があるため、低IVのポリエステル樹脂を用いた製品は耐久性、引張特性などが優れず、特にフィルムに用いられる場合は、その強度不足ゆえに生産中にフィルム破れが頻発し、生産効率が悪くなることが懸念される。生産速度を下げることでフィルム破れを減らすことはできるが、生産効率が低下することに変わりはない。
この問題を解決する方法の一つとして、高いIVのポリエステル樹脂を原料として使用することでIVの底上げを図る方法がある。しかしこの方法は、IV差の大きい原料同士を混ぜ合わせるためにムラが生じやすく、製品の外観不良になるだけでなく、難燃性をはじめとした物性が不安定になるおそれがあり、品質管理の観点から好ましくない。
上述の混練ムラの問題は、押出機の吐出量に対するスクリュー回転数の比を大きくすることで改善するが、そうすると、せん断発熱増大によるポリエステル分子鎖の熱分解によりIVが低下するため、本末転倒である。
特公昭51−19858号公報 特公昭55−41610号公報 特公昭49−22958号公報 特開昭59−91122号公報 特公昭36−20771号公報 特公昭53−13479号公報 特開平1−40521号公報 特開2012−184399号公報 特公昭59−5216号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高い難燃性を有するポリエステルフィルムの生産において、安定した品質と生産を両立させることにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、つ以上の層からなり、少なくとも1つの層に有機リン系の難燃性化合物を含有し、極限粘度(IV)が0.60以上の層を少なくとも1層有し、最もIVが低い層のIVが0.40以上0.48以下であり、a)前記最もIVが低い層が2つの最表面層であり、該最表面層のリン元素含有率の平均が、全ての内部層のリン元素含有率の平均よりも高いか、或いは、b)前記最もIVが低い層が内部層であり、該内部層の少なくとも1層のリン元素含有率が、2つの最表面層のリン元素含有率の平均よりも高いことを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、均一な性能および外観、優れた難燃性、優れた生産効率を全て実現させた難燃性ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は非常に高い。
燃焼試験装置
本発明でいうポリエステルフィルムとは、ポリエステル樹脂そのもの、あるいはポリエステル樹脂に1種類以上の任意の成分を添加して加熱混合したものを、薄く平坦な形状に成形加工したものである。その厚みに明確な定義はないが、概ね300μm以下の厚みのものを指し、本発明の対象となる厚みもそれに準じることとする。一般的に薄いフィルムほど安定生産が難しいとされているが、難燃性発現のために必要な難燃性化合物は薄いフィルムほど多くなる傾向があるため、なおさら安定生産が難しくなる。逆に分厚いフィルムに難燃性を付与するために必要な難燃性化合物は相対的に少なくて済むため、安定生産はもともと比較的容易である。すなわち本発明は薄いフィルムに特に適しており、おおむね厚み100μm以下のフィルムに適している。
本発明のポリエステルフィルムを構成する各層のうち、最も極限粘度(IV)が高い層のIVは、通常0.60dl/g以上であり、好ましくは0.63dl/g以上、さらに好ましくは0.66dl/g以上である。当該層のIVは、本発明のポリエステルフィルムの機械的な強度や生産安定性を決定する重要な要素であり、このIVが0.60未満の場合はフィルムの機械的強度が劣るほか、生産中にフィルム破れが頻発して生産性が低下する恐れがある。なお、当該層のIVの上限は特に指定しないが、極端に高いと押出機に過剰な負担がかかり、最悪の場合押出機を破損させてしまうおそれがある。
本発明のポリエステルフィルムを構成する各層のうち、最もIVが低い層のIVは、通常0.40dl/g以上であり、好ましくは0.43dl/g以上、さらに好ましくは0.46dl/g以上である。難燃性化合物を多量に含む低IV層の強度の低さを高IV層で補強するというのが本発明の趣旨であるが、IVが0.40未満の層は非常に脆く、当該層が最表面層になる場合は曲げや摩擦などで容易に脱落してしまい、当該層がフィルム内部に存在する場合は曲げや衝撃などで当該層が崩れ、当該層を境にフィルムが分離してしまうおそれがある。
なお、本発明のポリエステルフィルムには該当しないが、単層構造、もしくは同じ配合の樹脂を同じ条件で押し出したポリエステル樹脂を積層することで得られる疑似単層構造のポリエステルフィルムの場合、IVは0.50dl/g以上であることが好ましい。IVが0.50dl/g未満の場合、フィルム強度が足りないために生産中にフィルム破れが頻発し、生産効率が悪くなるおそれがある。
本発明のポリエステルフィルムは、2つ以上の層から構成されるが、それぞれの層の厚みの比率は特に限定されない。ただし、IVが高い層はフィルム生産の安定性に大きく寄与するため、ある程度の厚みを確保している必要がある。具体的には、IVが0.60以上の層の厚みが、フィルムの総厚みの10%以上であることが好ましい。あるいは、IVが0.60以上の層が2つ以上ある場合、それらの厚みを全て合算した厚みが総厚みの10%以上であってもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、押出ムラによる外観不良や生産不安定化を防ぐ目的で、原料レジン間のIV差を一定以内に抑えることが好ましい。具体的には、フィルムを構成するそれぞれの層について、原料となるレジンのうち、最もIVが高いレジンと最も低いレジンのIV差が0.50以内であることが好ましい。IV差が大きすぎるレジン同士を混ぜての押出は不安定かつ不均一になりやすく、しばしば生産が停止する原因になるほか、生産できたとしても外観不良になりやすい。これは押出機の吐出量に対するスクリュー回転数の比を大きくすることで改善するが、そうするとせん断発熱の増大によりポリエステル樹脂の熱分解が進んでIVが低下し、フィルムの強度が低下、すなわち生産中に破れやすくなり、やはり生産性が悪化する。
本発明において、ポリエステル樹脂とその他の成分を加熱混合するための方法は、特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂とその他の成分を各種の押出機に投入して連続的に生産する方法や、容器中でバルク的に加熱攪拌して混合する方法が挙げられる。他にも、ポリエステルの重合段階でその他の成分を加えておくという方法もある。
また、本発明においてポリエステル樹脂をフィルム状に成形する方法も特に限定されず、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、溶液キャスト法など一般的によく知られた各種の方法を用いることができる。フィルムを構成する各層を積層する方法もやはり特に限定されず、共押出法、ラミネート法、ヒートシール法など一般的によく知られた各種の方法を用いることができる。本発明の趣旨を生かすという観点から言えば、共押出した多層ポリエステル樹脂をインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法のいずれかでフィルム状に成形するのが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、二軸方向に延伸および熱固定されていることが好ましい。逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法のどちらを用いてもよいが、例えば、逐次二軸延伸法を用いる場合、未延伸のポリエステルシートを縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸して縦一軸延伸フィルム化した後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、その後150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。この際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口の冷却ゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩工程を追加することが好ましい。また、二軸延伸フィルム化した後に、必要に応じてさらに縦延伸および/または横延伸工程を追加することもできる。
本発明において用いられるポリエステル樹脂は特に限定されるものではなく、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルを主とするものであり、繰返し構造単位の60%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件であれば、他の第三成分を含有していてもよい。例えば、ポリカーボネートなどポリエステル系樹脂と相溶性のある樹脂との混合が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸およびテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えばイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えばp−オキシエトキシ安息香酸など)などを用いることができる。特に、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルを用いることが好ましい。
グリコール成分の例としては、エチレングリコール以外に、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどのうち1種類または2種類以上を用いることができる。特に、エチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明で用いる難燃性化合物の種類は特に限定しないが、有機リン系の難燃性化合物を用いることが好ましく、例えばカルボキシメチルフェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)トルイルホスフェート、(2−カルボキシエチル)2,5−ジメチルフェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)シクロヘキシルホスフェート、(カルボキシプロピル)フェニルホスフェート、(4−カルボキシフェニル)フェニルホスフェート、(3−カルボキシフェニル)フェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)メチルホスフェート、(2−カルボキシエチル)エチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、t−ブチルジフェニルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)−1.3−フェニルビス(ジフェニルホスフェート)、ホスホニトリル酸ジフェニルエステル、または下記化学式(1)に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて1種類または2種類以上を併用することができる。
上記化学式(1)において、Aは2価または3価の有機残基であり、好ましいものとして、メチレン基、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン等の低級アルキレン基、1,3−フェニレン、1,4フェニレンなどの、アリーレン基、1,3−キシリレン、1,4−キシリレン、などの2価の基などが挙げられる。
化学式(1)において、Qは炭素数が1〜18の炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリロキシ基などが挙げられる。また、化学式(1)においてZはエステル形成性官能基であり、具体的には、カルボキシ基、カルボキシル基の炭素原子数が1〜6のアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステル、ヒドロキシ基、炭素原子数2〜7のヒドロキシルアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
前述のとおり、本発明において用いられる難燃性化合物の構造は限定しないが、中でも下記化学式(2)に記載のオリゴマーを用いるのが好ましい。この化合物は、分子中にリン原子を含有し、GPC測定による平均分子量の下限値は通常1170であり、好ましくは2290以上、さらに好ましくは3410以上である。すなわち、化学式(2)におけるnの下限値は通常3であり、好ましくは6以上、さらに好ましくは9以上である。平均分子量が1170未満であると、例えば本発明のポリエステルフィルムを製造する際の当該有機リン系化合物の揮発およびポリエステルフィルムの結晶化の阻害、さらには当該難燃性化合物のブリードアウトによりフィルムの機械的強度の低下に繋がることがある。当該難燃性化合物の平均分子量の上限値は特に規定しないが、過度に分子量を高めると、ポリエステル樹脂内での分散性が悪化することがある。
本発明のポリエステルフィルム中の好ましいリン元素含有量は、フィルムの厚みによって異なり、薄いほど高い含有量が必要になる傾向がある。これは、フィルムが薄いほど比表面積が増大し、燃焼が進行しやすくなるためだと考えられる。具体的には、リン元素含有量をP重量%、フィルム厚みをTμmとしたとき、通常9.00/T+0.12≦P≦2.00を満たし、12.00/T+0.26≦P≦12.00/T+1.56≦2.00を満たすことが好ましく、12.00/T+0.46≦P≦12.00/T+1.36≦2.00を満たすことがさらに好ましい。P<9.00/T+0.12の時は、十分な難燃性能を得られないおそれがある。P>2.00の時は、難燃剤を含む層のIVが低くなりすぎて非常に脆くなるため、当該層が最表面層になる場合は曲げや摩擦などで容易に脱落してしまい、当該層がフィルム内部に存在する場合は曲げや衝撃などで当該層が崩れ、当該層を境にフィルムが分離してしまうおそれがある。
本発明では、ポリエステルフィルムを製造する際に難燃性化合物をポリエステルフィルム製造系に添加する方法については特に限定されないが、ポリエステルフィルム製造時に難燃性化合物を直接添加する方法や、高濃度の難燃剤MB化しておく方法が好ましい。他にも、ポリエステル重合時に添加する方法もあるが、この場合ポリエステルと難燃性化合物が共重合を起こし、ポリエステルの融点が低下し、その結果機械的物性および耐熱性が悪化することが懸念される。
本発明のポリエステルフィルムは、必要に応じて各種の不活性な微粒子を含有していてもよい。その平均粒径は0.5μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以上2.0μmであることがさらに好ましい。また、当該微粒子の添加量は0.005重量%以上0.5重量%以下が好ましく、0.01重量%以上0.1重量%以下がさらに好ましい。微粒子の平均粒径が3.0μmを超える、あるいは添加量が0.5重量%を超えると、フィルムの平面性および/または透明性が損なわれる恐れがある。
前述の不活性微粒子の例としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、セライト、カオリン、タルク、カーボンブラックおよび特許文献9に記載されているような架橋高分子微粒子を挙げることができる。これらの微粒子は、必要に応じて1種類または2種類以上を併用することができる。
本発明で得られたポリエステルフィルムには、塗布層を設けても構わない。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
塗布液組成物中のバインダーとして、水に溶解、乳化または懸濁する水性高分子としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルピロリドンおよびこれらの共重合体等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらの化合物は、1種または2種以上を混合して使用できる。
塗布液組成物中の成分として、架橋剤も含有されることが好ましい。架橋剤としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、アミド系などの化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ポリイソシアヌレート、ブロックポリイソシアネート、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤が挙げられる。塗布液中には、塗布性を向上するために、本発明の効果を損なわない範囲で、無機や有機の粒子、潤滑剤、帯電防止剤、消泡剤等を含有させてもよい。
本発明の塗布層として、有機シラン化合物を含有する塗布層であってもよい。有機シラン化合物としては、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等があり、これらの混合物や縮合反応物であっても良い。特に、分子内に有機官能機を持ったアルコキシシランがこのましい。その代表的な例としては、下記一般式で表される有機シラン化合物があり、これらは、シランカップリング剤として知られている。
XRSi(OR または、 (XR)(YR)Si(OR
(ここで、Rはメチル基またはエチル基で代表されるアルキル基やメトキシアルキル基等の置換アルキル基であり、R、Rはそれぞれ独立してプロピレン基等のアルキレン基、X、Yはそれぞれ独立して有機官能基である)。
上記一般式において、XやYの有機官能基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基およびグリシジル基が好ましい。また、有機官能基としては、N−β(アミノエチル)アミノ基のような置換アミノ基やポリエチレンイミンのように、置換されたものであってもよい。有機官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好ましく例示される。これらは一種または二種以上、および必要によっては、官能基を持たないアルコキシシランを含めた混合物や縮合物を用いることができる。
有機シラン化合物は、アルコール溶媒で希釈して用いることができるが、水系であることが好ましく、その際には、塗布性を改善する目的で各種の界面活性剤を配合することができる。また、必要に応じて先に挙げた水性高分子の1種もしくは2種以上を併用し塗布性の向上を図っても良い。また、本発明の塗布剤には、塗布面の滑り性確保する目的で、無機粒子や有機の粒子を加えても構わない。
また、塗布層の滑り性改良やブロッキング改良のために、塗布層中へ粒子を含有することも可能である。用いる粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等を挙げることができる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)リン元素含有量測定
ICP発光分析装置(Varian製730−ES)を用いて、サンプル中のリン元素含有量を測定した。測定にあたり、標準溶液としてSPEX製のXSTC−22(リン含有量100ppm)を使用し、原液、10倍希釈(同10ppm)、100倍希釈(同1ppm)の3種類の溶液から検量線を作成した。なお、フィルム全体のリン元素含有量を測定する際はフィルム全体をそのまま切り出してサンプルとし、フィルムを構成するそれぞれの層のリン元素含有量を測定する際はミクロトームなどを用いて各層を分離することでサンプルとした。
(2)IV測定
サンプルを1.0g・dl−1濃度になるようフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1溶液中に加えた。この溶液を110℃で20分間加熱し、ポリエステル樹脂組成物を溶解させた後、容器を30分間水道水に浸して室温まで冷却させた。毛細管粘度計“VMS−022UPC・F10”(離合社製)を用いて、この溶液の流下時間、およびフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液のみ(リファレンス液)の流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数は0.33と仮定した。なお、IVの単位は“dl・g−1”とする。サンプリング方法は上述のリン元素含有量測定に準じた。
(3)難燃性
アンダーライターズラボラトリーズ(UL)社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94に準じ、ポリエステルフィルムのUL94VTM試験を行う。本試験方法は結果がばらつくことが少なくないため、評価の信頼性をより高める目的で、1種のポリエステルフィルムサンプルに対し通常5回ずつ試験を行うところを、10回ずつ行うこととした。以下に、難燃性評価手順について説明する。
(i)試験片作成
フィルムを200mm×50mmに裁断し、試料下端から125mmのところで試料の幅方向に標線を入れる。試料の縦軸を直径12.7mmの棒の縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの円筒状にする。試料の外にはみ出た縁部は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で粘着テープにより固定する。
最後に棒を引き抜く。
(ii)コンディショニング
上記(i)により得られた試験片を
(a)気温23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で48時間以上処理
(b)気温70℃±2℃で168±2時間処理後、気温23±2℃、相対湿度20%以下で4時間以上冷却
したものをそれぞれ10本ずつ用意する。(a)を受理状態、(b)をエージング状態と呼ぶ。
(iii)試験片固定
(ii)の試験片の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置でスプリング付きのクランプで挟んで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試験片の真下には、最大厚みが6mmの1枚の0.05gの脱脂綿(50mm×50mm)を水平に置くが、試験片の下端はこの脱脂綿よりも300mm上にあるようにする(図1参照)。
(iv)バーナー調整
バーナーから高さ20mmの青炎が出るよう調整する。その炎を出すためには、ガスの供給とバーナーの空気入口を調整して先端が黄色い高さ20mmの青い炎が出るようにする。続いて黄色い先端が消えるまで空気の供給を増やす。その後再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調整をする。この時、バーナーへのメタンガス供給は“ASTM D 5207”に準じた方法で流量を調整する。
(v)1回目の接炎
炎は、試験片の巻かれていないほうの下端の中心点を中心に当て、バーナーの先端はその中心点から10±1mm下にあるようにして、その位置で3秒接炎を続ける。ただし、試験片の長さおよび中心位置は燃焼によって変化するので、その変化に応じてバーナーの位置を移動させる。接炎中に溶融物または発煙物が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾け、バーナーの管の中にそれらの物質が落下するのを防ぐためにちょうど十分なだけ試験片の下から移動させる。その間もバーナーの先端の中心と試験片の残存部分間は10±1mmの距離を保たなければならない。3秒間接炎の後、直ちにバーナーを試験片から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけ、同時に経時装置により残炎時間tを秒で計測し始める。
(vi)二回目の接炎
1回目の接炎に由来する試験片の残炎が消滅した時点で、(バーナーを試験片から150mm以上はなれたところまで遠ざけていなくても)直ちにバーナーを試験片の下に持ってきて、試験片の残りの部分の下端から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で燃焼による落下物の挙動が確認できるようにする。3秒間接炎の後、直ちにバーナーを試験片から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけ、同時に経時装置により残炎時間tを秒で計測し始める。
(vii)難燃性評価基準
UL94規格に基づき、難燃性の評価を行った。評価基準は下の表1に示す通りである。本発明においては、VTM−0相当の難燃性能を持つことを「難燃性ポリエステルフィルム」の定義とする。なお、通常のVTM試験はサンプル5本を一組として行い、5本すべてが試験に合格することを認定取得の条件としているが、5本中1本のみ不合格となった場合、一度だけ別の5本組で再試験を行うことができ、再試験の5本すべてで合格すれば認証取得となる。この仕組みを反映させ、本発明においてはサンプル10本中不合格が1本だけならば、VTM−0相当の難燃性と見なすこととする。
(4)生産安定性
幅2000mmのフィルムを毎分50mの速度でのべ12時間生産した時にフィルム破れが発生した回数をカウントした。
実施例および比較例にて用いた原料の製造方法は以下のとおりである。ただし、あくまで本発明を説明するための例示であり、本発明に用いることのできる原料を限定するものではない。
≪難燃性化合物の製造≫
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(3))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(4)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(4)の化合物を精製できる。
続いて、このフラスコ内に、三酸化アンチモン(Sb)0.33gおよび酢酸亜鉛二水和物[(AcO)Zn・2HO]0.29gを含んだエチレングリコール130gを添加し、フラスコ内を200℃に保持し、減圧度を徐々に高めていき、1Torr以下の真空状態とした。さらに、内容物の温度を220℃まで上昇させ、エチレングリコールの留出が極端に減少した点を反応終点とした。この点を確認後、内容物を窒素ガスで加圧しながら、SUS製容器内で固化させることで、端黄色の透明なガラス状固体である、難燃性有機リン化合物、すなわち下記化学式(5)で表される2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)の脱エチレングリコール重縮合物を得た。
上記操作を繰り返すことにより、後述する実施例および比較例で添加する2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)の脱エチレングリコール重縮合物の必要量を確保した。
この難燃性有機リン化合物に関して、生成物のGPC分析から重量平均分子量(Mw)は6,800であった。なお、当該分析において、下記化学式(6)で示される化合物の酸無水物または化学式(6)で示される化合物とエチレングリコールとの環状エステルであると推定される、低分子量領域におけるピークも観測された。また、XRF測定により、リン含有量は8.31wt%であることがわかった。したがって、難燃性有機リン化合物のnの平均値は18.1に相当していた。当該難燃性有機リン化合物は、以降FR1と呼称する。
≪ポリエステルAの製造≫
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩0.02重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、エステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03重量部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04重量部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温して280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、IV=0.64に相当する時点で反応を停止し、ポリエステルAを得た。
≪ポリエステルBの製造≫
ポリエステルAを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合による高分子量化を行うことで、ポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのIVは0.85であった。
≪ポリエステルCの製造≫
ポリエステルAとFR1を、65:35の比でベント付きの二軸押出機にてコンパウンドし、難燃性化合物MBであるポリエステルCを得た。得られたポリエステルCのIVは0.43であった。
≪ポリエステルDの製造≫
ポリエステルAの製造において、エステル交換反応終了時に、平均粒径2.30μmのシリカ粒子0.1重量部を配合する以外はポリエステルAのプレポリマーと同様の方法でポリエステルBを得た。得られたポリエステルDのIVは0.62であった。
≪ポリエステルEの製造≫
再生可能なPETボトルを洗浄、乾燥したのち破砕、再溶融過程を経て再ペレット化したポリエステル樹脂を、真空下220℃にて固層重合による高分子量化を行うことで、ポリエステルEを得た。得られたポリエステルEのIVは1.10であった。
実施例1〜12:
上記表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、表面の2層用(A)と中間層用(B)で別々の押出機(設定温度270℃)に送り込んだ。ここで押出機はいずれも同方向の二軸押出機を使用した。それぞれの押出機のポリエステル樹脂をギヤポンプ、フィルターを介して、マルチマニフォールドタイプの口金よりシート状に共押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、実質的に非晶質な、A/B/Aの3層構成のシートを得た。得られた非晶質シートを縦方向に85℃で3.0倍延伸した後、横方向に125℃で3.0倍延伸し、215℃で熱処理を施し、厚み50μmまたは80μmまたは175μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。いずれの例においても得られたフィルムはVTM−0相当の難燃性能を示し、なおかつ長時間安定して生産することができた。
比較例1〜2:
表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、実施例と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。生産は非常に安定していたが、難燃性はVTM−0相当に満たなかった。
比較例3:
表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、実施例と同様に加工したが、中間層が脆すぎるために多層フィルムとして成形することができなかった。
比較例4:
表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、実施例と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。難燃性はVTM−0相当であったが、フィルムIVが低いため生産中にフィルム破れが頻発した。
比較例5:
表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、押出機を1台だけ使い、単層シート用の口金からポリエステル樹脂を押し出すこと以外は、実施例と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。難燃性はVTM−0相当であったが、フィルムIVが低いため生産中にフィルム破れが頻発した
比較例6:
表3に記載の割合で混合したポリエステル樹脂を、比較例5と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。難燃性はVTM−0相当であり、フィルムIVも高いが、押出しが不安定でフィルム破れが頻発したほか、混練不十分が原因と思われるムラがフィルム全面に見られた。
本発明によれば、優れた難燃性を持つポリエステルフィルムを非常に安定して効率よく生産できる。本発明の工業的価値は高い。
1 クランプ
2 テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 コットン

Claims (7)

  1. つ以上の層からなり、少なくとも1つの層に有機リン系の難燃性化合物を含有し、極限粘度(IV)が0.60以上の層を少なくとも1層有し、最もIVが低い層のIVが0.40以上0.48以下であり、
    a)前記最もIVが低い層が2つの最表面層であり、該最表面層のリン元素含有率の平均が、全ての内部層のリン元素含有率の平均よりも高いか、或いは、
    b)前記最もIVが低い層が内部層であり、該内部層の少なくとも1層のリン元素含有率が、2つの最表面層のリン元素含有率の平均よりも高いことを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. つ以上の層からなり、それぞれの層の原料レジンについて、原料レジンのうち最もIVが高いレジンと最も低いレジンのIV差が0.50以である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 前記a)において、全ての内部層に難燃性化合物を含有しない請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 前記b)において、2つの最表面層に難燃性化合物を含有しない請求項のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. フィルムの総厚みをTμm、フィルム全体としてのリン元素の含有率をP重量%としたとき、9.00/T+0.12≦P≦2.00を満たす請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 3つの層からなる請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 難燃性化合物が、下記化学式で示される化合物である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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