JP2016108459A - ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い固有粘度を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、特に、樹脂組成物の製造時や、当該樹脂組成物を成型加工する際の臭気の発生が抑えられ、高い固有粘度および耐加水分解性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】 有機リン系の難燃性化合物(A)とテトラカルボン酸二無水物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、および当該ポリエステル樹脂組成物からなる、厚み300μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、難燃性ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、本発明は、本樹脂組成物の製造時および本樹脂組成物を用いて成型加工する際の臭気の発生が抑えられ、なおかつ高い固有粘度および耐加水分解性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステル樹脂製品は低コストで製造でき、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐摩耗性などに優れることから、産業向け一般家庭向け問わず、あらゆる分野に広く用いられている。
それらの広範な用途において使用するに際し、ポリエステル樹脂は難燃化されていることが好ましい。特に電気電子製品の分野においては、近年の小型軽量化の要望から製品の緻密化、およびそれに伴う発熱の増大が問題となっており、難燃化は必須である。
ポリエステル樹脂に難燃性を付与できる代表的な難燃性化合物としては、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物、水酸化マグネシウムに代表される金属水酸化物、赤リンに代表される無機リン化合物、リン酸エステル化合物やホスホン酸化合物およびホスフィン酸化合物などの有機リン化合物などが挙げられる。
しかし、ハロゲン含有の難燃性化合物を添加した樹脂は、加工時や燃焼時にダイオキシン類似ガスなどの有毒ガスを発生することが問題視されており、近年、規制が強化されている。
また、無機化合物、無機リン化合物などの無機系難燃性化合物は、ハロゲン系難燃性化合物のような毒性はないものの、樹脂との相溶性に乏しく、また樹脂の透明性を著しく損なう場合がある。これらの観点から、難燃性化合物として、有機リン系の化合物が注目されている。
有機リン系難燃性化合物を用いてポリエステル樹脂に難燃性を付与する方法としては、例えば特許文献1、2などに開示されているように、有機リン系化合物を添加混合または共重合溶融押出成形することが提案されている。
その中でもポリエステル重合時に難燃性化合物を添加共重合させる方法(共重合法)が、その耐ブリードアウト性から工業的価値の高い方法として知られており、種々の方法が提案されている。例えば、ポリエステル樹脂に、有機リン系化合物としてリン酸エステル化合物を共重合する方法(特許文献3)、ホスホン酸化合物を共重合する方法(特許文献4)、特殊なエステル形成性官能基を有するリン化合物を含有させる方法(特許文献5)、カルボキシホスフィン酸を共重合する方法(特許文献6)、ホスフィンオキシド誘導体を共重合する方法(特許文献7)などが開示されている。
しかし、ポリエステル重合時にリン化合物を共重合したものは、融点が低下するため、機械的物性および耐熱性が悪化するといった欠点がある。これは、ポリエステルの分子鎖中に、より軟化点の低いリン化合物が介入している構造であるためと考えられる。
また、リン酸エステル化合物の場合は、その化合物中のP−O結合の結合エネルギーが小さいと考えられ、そのことに起因する成形加工時の主鎖切断に伴う自己触媒作用により、分子量低下が起きるといった欠点も生じる。すなわち、より高い難燃性の発現のためにポリエステル中のリン化合物の共重合量を増やせば、それだけ機械的物性および耐熱性は悪くなることとなる。このことから、難燃性と耐熱性、機械的物性の両立は難しいと考えられる。
以上の問題を鑑み、特許文献8において、難燃性化合物を共重合させず、一定以上の平均分子量を持つ有機リン系オリゴマーを難燃性化合物として添加することで、高い融点を維持し、耐ブリードアウト性と機械的物性を両立させた難燃化ポリエステルフィルムが提案されている。
しかし、上述の特許文献8で用いられている難燃性化合物は、化合物構成単位がオリゴマーであるために、当該化合物自身のIV(Intrinsic Viscosity=固有粘度)が低く、必然的にこれを添加した難燃性ポリエステル樹脂のIVも低くなる。IVは分子量と正の相関があるため、低IVのポリエステル樹脂を用いた製品は耐久性、引張特性などが優れず、特にフィルムに用いられる場合は製膜安定性の悪化も懸念される。
この問題を解決する方法の一つとして、ポリエステル樹脂を種々の架橋剤と反応させる方法が知られており、ポリエステル樹脂に対して有効な架橋剤としてはエポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、ホスファイト系化合物(非特許文献1)、ホスホナイト系化合物が挙げられる。
これらのうちエポキシ系化合物とカルボジイミド系化合物は高いIV上昇効果が見られるものの、加熱加工時に遊離するガスが強い臭気を発するため、当該架橋剤を用いる場所には強力な排気設備を設置する必要がある。ポリエステル樹脂の加熱加工時に発生する臭気は非常に弱いため、ポリエステル樹脂に当該架橋剤を添加した製品の製造を新たに開始するに際して、その製造場所の排気設備の能力が不十分な場合があり、大規模な設備投資が必要となる。
一方、ホスファイト系化合物やホスホナイト系化合物は、IV上昇効果が見られ、加熱加工時の臭気の発生がないものの、当該化合物を架橋剤として添加した樹脂は耐加水分解性が著しく悪化する。さらに、ポリエステル樹脂が三酸化アンチモン(Sb)を含む場合、当該化合物が三酸化アンチモンを還元して金属アンチモンを生じさせることで、樹脂を黒化させてしまう。三酸化アンチモンは、ポリエステルの重合触媒の一種として広く用いられているため、例えば特にポリエステル樹脂の再生時にIVを回復させる目的で当該化合物を添加する場合、アンチモンを含まない樹脂のみを選別して黒化を防ぐことは、現実的に不可能である。
特公昭51−19858号公報 特公昭55−41610号公報 特公昭49−22958号公報 特開昭59−91122号公報 特公昭36−20771号公報 特公昭53−13479号公報 特開平1−40521号公報 特開2012−184399号公報 特開2010−270321号公報
B.H.Bimestre,C.Saron;Mater.Res.,2012,15(3),467 P.Kiliaris,C.D.Papaspyrides,R.Pfaender;J.Appl.Polym.Sci.,104,3,1671(2007)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高い固有粘度および耐加水分解性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、特に、樹脂組成物の製造時や、当該樹脂組成物を成型加工する際の臭気の発生が抑えられ、高い固有粘度および耐加水分解性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造を持つ化合物を架橋剤として原料に添加して製膜することで、高いIVおよび耐加水分解性を有し、なおかつ製造時および成型加工時の臭気の発生が抑えられる難燃化ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、有機リン系の難燃性化合物(A)とテトラカルボン酸二無水物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、および当該ポリエステル樹脂組成物からなる、厚み300μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、ポリエステル樹脂が本来持っている耐熱性、耐久性などの特性を損なうことなく、高い難燃性および耐加水分解性を達成したポリエステル樹脂組成物を得ることができる。当該樹脂組成物は、特に難燃性ポリエステルフィルム製造に用いると、フィルムの強度および耐久性の向上だけでなく、製膜安定化によって生産性向上にも寄与することもでき、本発明の工業的価値は高い。
燃焼試験装置
本発明でいうポリエステル樹脂組成物とは、例えば、ポリエステル樹脂そのもの、あるいはポリエステル樹脂に1種類以上の任意の成分を添加して加熱混合することで得られる物質のことを指し、それらをフィルム、板、筐体などに成型加工したものも含まれる。加熱混合のための方法は特に限定しないが、例えばポリエステル樹脂とその他の成分を各種の押出機に投入して連続的に生産する方法や、容器中でバルク的に加熱攪拌して混合する方法が挙げられる。ほかにも、ポリエステルの重合段階でその他の成分を加えておくという方法もある。
本発明において用いられるポリエステル樹脂は特に限定されるものではなく、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルを主とするものであり、繰返し構造単位の60%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件であれば、他の第三成分を含有していてもよい。例えば、ポリカーボネートなどポリエステル系樹脂と相溶性のある樹脂との混合が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸およびテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えばイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えばp−オキシエトキシ安息香酸など)などを用いることができる。特に、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルを用いることが好ましい。
グリコール成分の例としては、エチレングリコール以外に、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどの1種または2種以上を用いることができる。特に、エチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明において用いられるテトラカルボン酸二無水物(B)の種類は特に限定されないが、例えばmeso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。耐熱性の観点からその構造中に1つ以上のベンゼン環を含み、なおかつそれらのベンゼン環にカルボン酸無水物の構造が直接付加しているものが好ましく、中でも特にピロメリット酸二無水物が好ましい。例としてピロメリット酸二無水物の構造式を下記化学式(1)に示す。
ポリエステルとピロメリット酸二無水物の架橋反応については、非特許文献2にて公開されている。この反応式を下記化学式(2)に示す。
なお、上記反応式(2)において「PEster」で表される置換基はポリエステルの分子鎖を意味している。
本発明における化合物(B)の含有量は、混合前の原料全体の重量に対する重量比で定義される。化合物(B)の種類ごとに架橋反応の効果の大小が異なるため、添加量を一概に限定することはできないが、添加量が少なすぎる場合はIV上昇の効果が不十分となることがあり、過剰な場合は樹脂組成物のゲル化や、製造時および成形加工時に用いる装置の破損のおそれがある。
本発明において原料系に化合物(B)を添加する際の状態については、化合物(B)単体の状態や、あらかじめポリエステル樹脂に高濃度で練り込みペレット化したマスターバッチの状態などが挙げられる他に、ポリエステル樹脂を重合する段階で架橋性化合物を添加することもできるが、特に限定しない。ただし化合物(B)をマスターバッチ化する場合は、原料として取り扱いやすくなるものの、マスターバッチ化の過程で反応を起こすなどして失活してしまう可能性があるため、なるべく低温、低回転数など反応を抑えられる条件でマスターバッチ化することが望ましい。
本発明では、難燃性化合物として有機リン系の難燃性化合物(A)を使用する。その化合物(A)の構造は特に限定しないが、例えばカルボキシメチルフェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)トルイルホスフェート、(2−カルボキシエチル)2,5−ジメチルフェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)シクロヘキシルホスフェート、(カルボキシプロピル)フェニルホスフェート、(4−カルボキシフェニル)フェニルホスフェート、(3−カルボキシフェニル)フェニルホスフェート、(2−カルボキシエチル)メチルホスフェート、(2−カルボキシエチル)エチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、t−ブチルジフェニルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)−1.3−フェニルビス(ジフェニルホスフェート)、ホスホニトリル酸ジフェニルエステル、または下記化学式(3)に記載の化合物が挙げられる。
上記化学式(3)において、Aは2価または3価の有機残基であり、好ましいものとして、メチレン基、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン等の低級アルキレン基、1,3−フェニレン、1,4フェニレンなどの、アリーレン基、1,3−キシリレン、1,4−キシリレン、などの2価の基などが挙げられる。
化学式(3)において、Qは炭素数が1〜18の炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリロキシ基などが挙げられる。また、化学式(3)においてZはエステル形成性官能基であり、具体的には、カルボキシ基、カルボキシル基の炭素原子数が1〜6のアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステル、ヒドロキシ基、炭素原子数2〜7のヒドロキシルアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
前述のとおり、本発明において用いられる有機リン系難燃性化合物の構造は限定しないが、中でも下記化学式(4)に記載のオリゴマーを用いるのが好ましい。この有機リン系化合物は、分子中にリン原子を含有し、GPC測定による平均分子量の下限値は、通常1170であり、好ましくは2290以上、さらに好ましくは3410以上である。すなわち、化学式(4)におけるnの下限値は、通常3であり、好ましくは6以上、さらに好ましくは9以上である。平均分子量が1170未満であると、例えば本発明のポリエステル樹脂組成物を用いてフィルムを製造する際の当該有機リン系化合物の揮発およびポリエステル樹脂の結晶化の阻害、さらには当該有機リン系化合物のブリードアウトによりフィルムの機械的強度の低下に繋がることがある。また、当該有機リン系化合物の平均分子量の上限値は特に規定しないが、過度に分子量を高めると、ポリエステル樹脂内での分散性が悪化することがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれるリン元素の濃度は、通常0.30〜2.00重量%の範囲であり、好ましくは0.60〜1.90重量%、さらに好ましくは0.90〜1.80重量%の範囲である。リン元素の濃度が0.30重量%未満の場合は十分な難燃性が得られなくなるおそれがあり、2.00重量%を超える場合は高い難燃性が得られるものの、機械的強度などの物性が劣るおそれがある。
本発明では、ポリエステル樹脂組成物を製造する際に化合物(A)をポリエステル樹脂組成物製造系に添加する方法については特に限定されないが、ポリエステル樹脂に化合物(A)を直接添加する手法が好ましい。その他にポリエステル重合時に添加する方法もあるが、この場合ポリエステルと化合物(A)が共重合を起こし、ポリエステルの融点が低下し、その結果機械的物性および耐熱性の悪化することが懸念される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含んでいてもよい。特許文献9において、テトラカルボン酸二無水物とヒンダードフェノール系酸化防止剤の併用によりポリエステル樹脂の粘度を著しく高める効果があることが報告されており、我々が行った実験においても同様の結果が確認された。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の種類は特に限定しないが、例えばBASF社製のIrganox1010、Irganox1035、Irganox1098、Irganox1330、Irganox1425、Irganox3114、またはADEKA社製のAO−60などが挙げられ、中でもIrganox1010、Irganox1330またはAO−60が好ましく、Irganox1010またはAO−60がさらに好ましい。
前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤は、架橋剤の半分以下の添加量でも十分に効果を発揮しうる。具体的な添加量については特に限定しないが、0.01重量%以上0.20重量%以下が好ましく、0.05重量%以上0.15重量%以下がさらに好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物のIVは、通常0.50dl/g以上であり、好ましくは0.55dl/g以上、さらに好ましくは0.60dl/g以上である。IV値が0.50dl/g未満では、架橋性化合物を添加してもIVがほとんど上昇していない、あるいはむしろ下がっている場合があり、架橋性化合物が単なる不純物として働き、ポリエステル樹脂が本来持っている特性である耐熱性、機械的強度などが低下する恐れがある。また、フィルム原料として用いた場合、製膜中にフィルムの破れが頻発して製膜安定性が悪化することがある。IVの上限は特に指定しないが、極端に高いと成形加工時に押出機に過剰な負担がかかり、最悪の場合押出機を破損させてしまうおそれがある。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、120℃100%RHのプレッシャークッカーで12時間処理した際のIV保持率Rが45%以上であり、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上である。IV保持率Rは、プレッシャークッカー処理前後のIVをそれぞれV、VとしてR=100×V/Vで表される。R<45%の場合は長期耐久性が劣り、当該樹脂を使用した製品の長期使用により本来の性能を発揮できなくなるほか、甚大な事故を招く恐れもある。一方Rの上限は規定されず、高ければ高いほどよい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、300μm以下であり、好ましくは25〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル樹脂組成物を乾燥したペレットを、単軸押出機を用いてダイから押し出し、得られた溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。
その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7.0倍、好ましくは3.5〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムには、塗布層を設けてもよく、塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で、塗布層を高温で処理することができるため、塗布層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性や耐湿熱性等の性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングにより、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)リン濃度測定
ICP発光分析装置(Varian製730−ES)を用いて、ポリエステル樹脂組成物中のリン元素含有量を測定した。測定にあたり、標準溶液としてSPEX製のXSTC−22(リン含有量100ppm)を使用し、原液、10倍希釈(同10ppm)、100倍希釈(同1ppm)の3種類の溶液から検量線を作成した。
(2)IV測定
ポリエステル樹脂組成物を精秤し、1.0g・dl−1濃度になるようフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1溶液中に加えた。この溶液を110℃で20分間加熱し、ポリエステル樹脂組成物を溶解させた後、容器を30分間水道水に浸して室温まで冷却させた。毛細管粘度計“VMS−022UPC・F10”(離合社製)を用いて、この溶液の流下時間、およびフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液のみ(リファレンス液)の流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数は0.33と仮定した。なお、IVの単位は“dl・g−1”とする。
(2)耐加水分解性評価
ポリエステル樹脂組成物を5mm角程度の大きさにカットし、飽和型プレッシャークッカー“PC−242HS−E”(平山製作所製)を用いて120℃100%RH下における12時間の加速劣化処理を行ったのち、50℃の真空オーブンで一晩乾燥させた。処理前後の樹脂組成物についてそれぞれIVを測定し、IV保持率Rを求めた。
(3)臭気の有無
ポリエステル樹脂組成物製造中の臭気の有無について確認した。製造に用いた装置は適切な排気装置を備えてはいるものの、従業員の健康管理の観点から、悪臭の発生がない、あるいは可能な限り弱くできるような条件が望ましい。
(4)ゲル化の有無
押出機から押し出される樹脂溶融物表面の凹凸の有無から評価した。ゲル化した樹脂を用いた製品は表面の平滑性が失われ、外観が損なわれるため、樹脂がゲル化しない条件を検討する必要がある。
(5)難燃性
アンダーライターズラボラトリーズ(UL)社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94に準じ、フィルム状に成形したポリエステル樹脂組成物についてUL94VTM試験を行う。本試験方法は結果がばらつくことが少なくないため、評価の信頼性をより高める目的で、1種のポリエステルフィルムサンプルに対し通常5回ずつ試験を行うところを、10回ずつ行うこととした。以下に、難燃性評価手順について説明する。
(i)試験片作成
フィルムを200mm×50mmに裁断し、試料下端から125mmのところで試料の幅方向に標線を入れる。試料の縦軸を直径12.7mmの棒の縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの円筒状にする。試料の外にはみ出た縁部は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で粘着テープにより固定する。最後に棒を引き抜く。
(ii)コンディショニング
上記(i)により得られた試験片を
(a)気温23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で48時間以上処理
(b)気温70℃±2℃で168±2時間処理後、気温23±2℃、相対湿度20%以下で4時間以上冷却
したものをそれぞれ10本ずつ用意する。(a)を受理状態、(b)をエージング状態と呼ぶ。
(iii)試験片固定
(ii)の試験片の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置でスプリング付きのクランプで挟んで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試験片の真下には、最大厚みが6mmの1枚の0.05gの脱脂綿(50mm×50mm)を水平に置くが、試験片の下端はこの脱脂綿よりも300mm上にあるようにする(図1参照)。
(iv)バーナー調整
バーナーから高さ20mmの青炎が出るよう調整する。その炎を出すためには、ガスの供給とバーナーの空気入口を調整して先端が黄色い高さ20mmの青い炎が出るようにする。続いて黄色い先端が消えるまで空気の供給を増やす。その後再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調整をする。この時、バーナーへのメタンガス供給は“ASTM D 5207”に準じた方法で流量を調整する。
(v)1回目の接炎
炎は、試験片の巻かれていないほうの下端の中心点を中心に当て、バーナーの先端はその中心点から10±1mm下にあるようにして、その位置で3秒接炎を続ける。ただし、試験片の長さおよび中心位置は燃焼によって変化するので、その変化に応じてバーナーの位置を移動させる。接炎中に溶融物または発煙物が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾け、バーナーの管の中にそれらの物質が落下するのを防ぐためにちょうど十分なだけ試験片の下から移動させる。その間もバーナーの先端の中心と試験片の残存部分間は10±1mmの距離を保たなければならない。3秒間接炎の後、直ちにバーナーを試験片から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけ、同時に経時装置により残炎時間tを秒で計測し始める。
(vi)二回目の接炎
1回目の接炎に由来する試験片の残炎が消滅した時点で、(バーナーを試験片から150mm以上はなれたところまで遠ざけていなくても)直ちにバーナーを試験片の下に持ってきて、試験片の残りの部分の下端から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で燃焼による落下物の挙動が確認できるようにする。3秒間接炎の後、直ちにバーナーを試験片から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけ、同時に経時装置により残炎時間tを秒で計測し始める。
(vii)難燃性評価基準
UL94規格に基づき、難燃性の評価を行った。評価基準は下の表1に示す通りである。本発明においては、プレッシャークッカー処理前に厚さ50μmのフィルムに加工した際にVTM−0相当の難燃性能を持つことを「難燃性ポリエステル樹脂組成物」の定義とする。なお、通常のVTM試験はサンプル5本を一組として行い、5本すべてが試験に合格することを認定取得の条件としているが、5本中1本のみ不合格となった場合、一度だけ別の5本組で再試験を行うことができ、再試験の5本すべてで合格すれば認証取得となる。この仕組みを反映させ、本発明においてはサンプル10本中不合格が1本だけならば、VTM−0相当の難燃性と見なすこととする。
実施例および比較例にて用いた原料の製造方法は以下のとおりである。ただし、あくまで本発明を説明するための例示であり、本発明に用いることのできる原料を限定するものではない。
≪難燃性化合物の製造≫
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(5))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(6)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(6)の化合物を精製できる。
続いて、このフラスコ内に、三酸化アンチモン(Sb)0.33gおよび酢酸亜鉛二水和物[(AcO)Zn・2HO]0.29gを含んだエチレングリコール130gを添加し、フラスコ内を200℃に保持し、減圧度を徐々に高めていき、1Torr以下の真空状態とした。さらに、内容物の温度を220℃まで上昇させ、エチレングリコールの留出が極端に減少した点を反応終点とした。この点を確認後、内容物を窒素ガスで加圧しながら、SUS製容器内で固化させることで、端黄色の透明なガラス状固体である、難燃性有機リン化合物、すなわち下記化学式(7)で表される2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)の脱エチレングリコール重縮合物を得た。
上記操作を繰り返すことにより、後述する実施例および比較例で添加する2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)の脱エチレングリコール重縮合物の必要量を確保した。
この難燃性有機リン化合物に関して、生成物のGPC分析から重量平均分子量(Mw)は6,800であった。なお、当該分析において、下記化学式(8)で示される化合物の酸無水物または化学式(8)で示される化合物とエチレングリコールとの環状エステルであると推定される、低分子量領域におけるピークも観測された。また、XRF測定により、リン含有量は8.31wt%であることがわかった。したがって、難燃性有機リン化合物のnの平均値は18.1に相当していた。当該難燃性有機リン化合物は、以降FR1と呼称する。
≪ポリエステルAの製造≫
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩0.02重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、エステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03重量部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04重量部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温して280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、IV=0.66に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を製造した。このプレポリマーを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステルAを得た。得られたポリエステルのIVは0.85であった。
≪ポリエステルBの製造≫
ポリエステルAとFR1を、65:35の比でベント付きの二軸押出機にてコンパウンドし、難燃性化合物MBであるポリエステルBを得た。得られたポリエステルのIVは0.46であった。
実施例1〜3:
上記表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂およびPMDA(ピロメリット酸二無水物、ダイセル製)を270℃に設定した押出機に送り込んだ。ここで押出機は同方向の二軸押出機を使用した。押出機のポリマーをギヤポンプ、フィルターを介して、口金よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、実質的に非晶質のシートを得た。得られた非晶質シートを縦方向に85℃で3.0倍延伸した後、横方向に125℃で3.0倍延伸し、215℃で熱処理を施し、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。いずれの配合においてもIV値、PCT処理後のIV保持率Rは共に良好で、押し出し時の臭気もゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つことが分かった。
実施例4:
上記表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂、PMDA、およびAO−60(ADEKA製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。IV値、PCT処理後のIV保持率Rは共に良好で、押し出し時の臭気もゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つことが分かった。
比較例1:
表2に記載の配合で混合したポリエステル樹脂を実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。押し出し時の臭気もゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つが、IV値が劣る。
比較例2:
表2に記載の配合で混合したポリエステル樹脂およびPMDAを実施例1と同様に二軸押出機に送り込んだが、押し出された樹脂はゲル化を起こしており、フィルム状に成形することができなかった。
比較例3:
表2に記載の配合で混合したポリエステル樹脂およびPEP−36A(ADEKA製ホスファイト系添加剤)を実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。押し出し時の臭気もゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つが、PCT処理後のIV保持率Rが劣る。
比較例4:
表2に記載の配合で混合したポリエステル樹脂およびHMV−8CA(日清紡ケミカル製カルボジイミド系添加剤)を実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。IV値、PCT処理後のIV保持率Rは共に良好で、ゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つが、押し出し時に強い臭気が発生した。
比較例5:
上記表2に記載の割合で混合したポリエステル樹脂およびAO−60(ADEKA製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。押し出し時の臭気もゲル化もなく、VTM−0相当の高い難燃性能を持つが、IV値が劣る。
比較例6:
表2に記載の配合でポリエステルAを実施例1と同様に加工することで、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。IV値、PCT処理後のIV維持率Rは共に良好で押出時の臭気もゲル化もなかったが、難燃性能が劣る。
比較例7:
表2に記載の配合で混合したポリエステルAおよびPMDAを実施例1と同様に二軸押出機に送り込んだが、押し出された樹脂はゲル化を起こしており、フィルム状に成形することができなかった。
本発明のポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムは、難燃性が求められる各種の用途において好適に利用することができる。
1 クランプ
2 テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 コットン

Claims (5)

  1. 有機リン系の難燃性化合物(A)とテトラカルボン酸二無水物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)を含有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物
  3. テトラカルボン酸二無水物(B)が、その構造中に1つ以上のベンゼン環を含み、かつそれらのベンゼン環にカルボン酸無水物の構造が直接付加している請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. テトラカルボン酸二無水物(B)が、ピロメリット酸二無水物である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物からなる、厚み300μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109206600A (zh) * 2017-07-03 2019-01-15 中国石油化工股份有限公司 一种含磷共聚阻燃聚乳酸纤维的制备方法

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