JP6485063B2 - 積層体、成形体及び日用品 - Google Patents

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Description

本発明は積層体に関し、より詳細には、層間の融着強度に優れ、また、透明性、成形体の外観等が良好であるために意匠性に優れた積層体、該積層体からなる成形体及び日用品に関する。
従来、歯ブラシ、筆記具、髭剃り等のグリップ部を有する日用品、特に該グリップ部がゴム弾性を有するものにおいては、その基体にポリカーボネート樹脂(PC)やポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリプロピレン樹脂(PP)等が用いられ、また、この基体に対してグリップ部に軟質材料が用いられている。
このような日用品のグリップ部においては軟質材料として、ポリエステル系熱可塑性エラストマーやスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが用いられている。ポリエステル系熱可塑性エラストマーはPCやPMMA等の基体に対する層間の融着強度が高いという利点を有する一方で透明性が乏しいという欠点がある。一方、スチレン系熱可塑性エラストマーはポリエステル系熱可塑性エラストマーと比べると一般的に安価であるという利点はあるが、透明性が乏しく、また透明性が改善されたとしてもPCやPMMA等の基体に対する層間の融着強度が乏しいという欠点がある。
例えば、特許文献1には、PCやPMMAに対してポリエステル系熱可塑性エラストマーを積層したものが開示されており、これらの層間融着強度が優れることが示されている。また、特許文献2には、PPに対してスチレン系エラストマーを積層したものが開示されており、これらの層間の融着強度が優れることが示されている。
特開平10−130451号公報 特開平8−90722号公報
本発明者の詳細な検討によれば、特許文献1の積層体には透明性の問題があることがわかった。また、特許文献2において用いられているPPは、透明性に乏しく、透明性、外観等の意匠性を求められる日用品においては好適ではなく、また、PPに積層されているスチレン系エラストマーには、PC、PMMAとの層間の融着の問題があることがわかった。
即ち、本発明の課題は、PC、PMMAとの層間の融着強度に優れ、また、透明性、成形体の外観等が良好であり、意匠性に優れた積層体、該積層体からなる成形体及び日用品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の熱可塑性エラストマー組成物からなる層と、ポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂のうちの少なくとも一方からなる層とを有する積層体が、層間の融着強度、透明性、成形体の外観等に優れ、歯ブラシ、筆記具、髭剃り、玩具、スポーツ用品等の日用品に好適に用いることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたもので
ある。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[6]の通りである。
[1]下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含み、かつ成分(A)100重量部に対し、成分(B)5〜100重量部、成分(C)5〜100重量部を含む熱可塑性エラストマー組成物からなる層(1)と、ポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂のうちの少なくとも一方からなる層(2)とを有する積層体。
成分(A):ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロックPと、少なくとも下記式(1)で表される構造単位を含む重合体ブロックQとを有するブロック共重合体
−CH−CH(CH(CH)− (1)
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリオレフィン系樹脂
[2]成分(A)の重量平均分子量(Mw)が50,000〜600,000である、[1]に記載の積層体。
[3]成分(A)のブロックQが更に下記式(2)で表される構造単位を含む、[1]又は[2]に記載の積層体。
−CH−CH−CH(CH)−CH− (2)
[4][1]乃至[3]のいずれかに記載の積層体からなる成形体。
[5][1]乃至[3]のいずれかに記載の積層体からなり、基体部とグリップ部とを有する日用品。
[6]グリップ部が層(1)からなり、基材部が層(2)からなる、[5]に記載の日用品。
本発明によれば、層間の融着強度に優れ、透明性、成形体の外観等が良好であるために意匠性にも優れた積層体が提供される。また、本発明によれば、この積層体からなる成形体が提供される。更にこの成形体(積層体)は上記の効果を奏することから、歯ブラシ、筆記具、髭剃り、玩具、スポーツ用品等の基体部とグリップ部とを有する日用品として特に好適である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。また、本発明において、「(メタ)アクリレート」という表現を用いた場合、「アクリレート」と「メタクリレート」の一方又は両方を意味するものとする。
本発明の積層体は、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含み、かつ成分(A)100重量部に対し、成分(B)5〜100重量部、成分(C)5〜100重量部を含む熱可塑性エラストマー組成物からなる層(1)と、ポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂のうちの少なくとも一方からなる層(2)とを有するものである。
成分(A):ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロックPと、少なくとも下記式(1)で表される構造単位を含む重合体ブロックQとを有するブロック共重合体
−CH−CH(CH(CH)− (1)
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリオレフィン系樹脂
ここで、本発明において、層(1)、層(2)は、少なくとも他の一つの層とともに製品(積層体)中に存在するものであり、予め形成された層でも、積層体の製造中に形成された層でもよく、また、如何なる形状であっても、連続性でも非連続性のものでもよく、隣接する層と完全に接触している必要もない。また、積層体は、少なくとも二層の一部が固着していればよく、予め形成された層よりなるものでも、積層体の形成と同時に形成される層よりなるものでも、予め形成された層と積層体の形成と同時に形成される層よりなるものでもよく、各層は、如何なる形状のものでもよく、連続性でも非連続性でもよい。
本発明の積層体は、層間の融着強度、透明性、成形体の外観等に優れるという効果を奏する。本発明の積層体が層間の融着強度に優れるのは、成分(A)のブロック共重合体において、上記式(1)で表される構造単位に由来する粘着性に起因するものと考えられる。また、本発明の積層体が透明性に優れるのは、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の分散性が良好であり、また、それぞれの屈折率が近いためであると考えられる。更に、本発明の積層体が成形体の外観に優れるのは、成分(C)のポリオレフィン系樹脂がマトリクスを形成し、かつ成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤により成形時の流動性が高くなるためであると考えられる。
[層(1)]
本発明の積層体における層(1)は、以下に説明する成分(A)、成分(B)、成分(C)を特定量で含む熱可塑性エラストマー組成物からなる層である。
<成分(A)>
本発明の積層体において、層(1)の熱可塑性エラストマーに用いられる成分(A)は、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロックPと、少なくとも下記式(1)で表される構造単位を含む重合体ブロックQとを有するブロック共重合体である。成分(A)は積層体の層間融着強度、透明性等の向上に寄与する。
−CH−CH(CH(CH)− (1)
成分(A)において、「ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロックP」とは、ビニル芳香族化合物を主体とする単量体を重合したブロックを意味する。なお、本発明において、「主体とする」とは50モル%以上であることを意味する。
ブロックPの単量体としては、ビニル芳香族化合物であれば特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体が好ましい。これらの中で、スチレンを主体とするものが好ましい。なお、ブロックPには、ビニル芳香族化合物以外の単量体に由来する構造単位が含まれていてもよい。
また、成分(A)において、「式(1)で表される構造単位を含む重合体ブロックQ」とは、上記式(1)の構造単位を与え得る単量体を少なくとも含む単量体を重合したブロック、及び重合後の当該ブロックが有する不飽和結合を水素添加したブロックを意味する。
ブロックQは、上記式(1)の構造単位以外に、下記式(2)で表される構造単位を含んでいるものが好ましい。
−CH−CH−CH(CH)−CH− (2)
ブロックQは、さらに、下記式(3)で表される構造単位、その他の構造単位を含んでいてもよい。
−CH−C(CH)(CHCH)− (3)
なお、成分(A)のブロックQの構造単位の種類及び含有量は、13C−NMRにより求めることができる。
ブロックQを構成する単量体としては、式(1)の構造単位を与え得る単量体を少なくとも含むものであれば特に限定されないが、式(1)〜(3)の構造単位を与え得る単量体としては、炭素数5の共役ジエン化合物が好ましい。かかる共役ジエン化合物としては、イソプレン等が好ましいものとして挙げられる。
また、ブロックQが含んでいてもよいその他の構造単位を与え得る単量体としては、例えば、ブタジエン、イソブチレン等が挙げられる。
ブロックQにおいて、式(1)で表される構造単位の割合は、通常10モル%以上、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、また通常95モル%以下、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下である。
式(1)の構造単位の割合を、上記の範囲とすることにより、透明性を向上させることができる。
また、式(2)で表される構造単位の割合は、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上であり、また通常90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。
式(2)の構造単位の割合を、上記の範囲とすることにより、柔軟性を向上させることができる。
ブロックQは、ブロック共重合体の重合後にブロックQが有する不飽和結合を水素添加したものが好ましい。ブロックQの水素添加率は特に制限されないが、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは95%以上であり、一方、上限は特に制限されず、通常100%である。
ブロックQを上記範囲で水素添加することにより、得られる熱可塑性エラストマー組成物の透明性が良好となる。なお、水素添加率は13C−NMRにより測定することができる。
本発明において、成分(A)は、重合体ブロックPを少なくとも2個と、重合体ブロックQを少なくとも1個有する構造であれば特に限定されず、直鎖状、分岐状、放射状等のいずれであってもよいが、下記式(4)又は(5)で表されるブロック共重合体である場合が好ましい。さらに、下記式(4)又は(5)で表されるブロック共重合体は、上記のとおり、水素添加して得られる水添ブロック共重合体であることがより好ましい。下記式(4)又は(5)で表される共重合体が水添ブロック共重合体であると、熱安定性が良好となる。
P−(Q−P) (4)
(P−Q) (5)
(式中、Pは重合体ブロックPを、Qは重合体ブロックQをそれぞれ示し、mは1〜5の整数を示し、nは2〜5の整数を示す。)
式(4)又は(5)においてm及びnは、ゴム的高分子体としての秩序−無秩序転移温度を下げる点では大きいほうがよいが、製造のしやすさ及びコストの点では小さいほうがよい。ブロック共重合体及び/又は水添ブロック共重合体(以下、まとめて「(水添)ブロック共重合体」と称する。)としては、ゴム弾性に優れることから、式(5)で表され
る(水添)ブロック共重合体よりも式(4)で表される(水添)ブロック共重合体がより好ましく、mが2以下である式(4)で表される(水添)ブロック共重合体が更に好ましく、mが1である式(4)で表される(水添)ブロック共重合体が最も好ましい。
成分(A)を構成するブロックPとブロックQとの重量割合は任意であるが、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度及び熱融着強度の点からはブロックPが多いほうが好ましく、柔軟性、異形押出成形性、ブリードアウト抑制の点からはブロックPが少ないほうが好ましい。
成分(A)中のブロックPの割合は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上であり、また好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは45重量%以下である。
成分(A)の数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、好ましくは50,000以上、より好ましくは60,000以上、さらに好ましくは70,000以上であり、また、好ましくは500,000以下、より好ましくは350,000以下、さらに好ましくは200,000以下である。
また、重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくは50,000以上、より好ましくは60,000以上、さらに好ましくは70,000以上であり、また好ましくは600,000以下、より好ましくは500,000以下、さらに好ましくは250,000以下である。
さらに、分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、通常1.0以上であり、また、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
成分(A)の数平均分子量(Mw)、重量平均分子量(Mn)及び/又は分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲内とすることにより、成形性と耐熱性が良好となる。
なお、本発明において、成分(A)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC法)による測定で求められるポリスチレン換算値である。また、このゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法の測定条件は以下の通りである。
(測定条件)
機器 :東ソー株式会社製HLC−8220
カラム :東ソー株式会社製TSKgel Super HM−M
(6.0mm I.D X 15cm X2 +ガードカラム)
検出器 :示差屈折率検出器(RI/内蔵)
溶媒 :CHCl特級
温度 :40℃
流速 :0.3mL/分
注入量 :20μL
濃度 :0.1重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
成分(A)のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.5g/10分以上、さらに好ましくは1g/10分以上であり、また、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは30g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下である。成分(A)のメルトフローレート(MF
R)が上記範囲内であると、射出成形性が良好となる。なお、本発明において、成分(A)のメルトフローレート(MFR)は、ISO 1133(230℃、荷重2.16kgf)に準拠して測定した値である。
成分(A)は、それ自体既知の通常用いられる重合方法により製造することができるが、市販品として入手することもできる。市販品としては、例えば、クラレ社製ハイブラー(登録商標)7125、7135等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
なお、成分(A)は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合せ及び比率で用いてもよい。
<成分(B)>
本発明の積層体において、層(1)の熱可塑性エラストマーに用いられる成分(B)は、炭化水素系ゴム用軟化剤である。成分(B)は層(1)の熱可塑性エラストマー組成物を軟化させ、柔軟性、弾性、加工性、流動性を向上させると共に、積層体の透明性、成形体の外観等の向上に寄与する。
炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられるが、他の成分との親和性の観点から鉱物油系軟化剤が好ましい。鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30〜45%がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが芳香族系オイルと各々呼ばれている。これらの中で、本発明においては、パラフィン系オイルを用いることが好ましい。なお、炭化水素系ゴム用軟化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
炭化水素系ゴム用軟化剤の40℃における動粘度は特に限定されないが、好ましくは20センチストークス以上、より好ましくは50センチストークス以上であり、また、好ましくは800センチストークス以下、より好ましくは600センチストークス以下である。また、炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。
成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤は市販品として入手することができる。該当する市販品としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製日石ポリブテン(登録商標)HVシリーズ、出光興産社製ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPWシリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
<成分(C)>
本発明の積層体において、層(1)の熱可塑性エラストマーに用いられる成分(C)は、ポリオレフィン系樹脂である。成分(C)は積層体の透明性、成形体の外観等の向上に寄与する。
ポリオレフィン系樹脂としては特に制限されないが、例えば、低密度ポリエチレン単独重合体、高密度ポリエチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等、及びこれらの重合体を酸無水物等で変性し、極性官能基を付与したもの等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂及び/又はポリエチレン系樹脂が好ましく、ランダムポリプロピレンがさらに好ましい。
成分(C)において、「ポリプロピレン系樹脂」とは、プロピレン単位を主体とする重合体を意味し、「ポリエチレン系樹脂」とは、エチレン単位を主体と重合体を意味する。なお、ここでいう「主体とする」とは、樹脂を構成する全単量体単位に対するプロピレン単位またはエチレン単位の含有量が50モル%よりも多いことを意味する。
成分(C)において、用いることの可能なポリプロピレン系樹脂の種類は特に限定されず、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等のいずれも使用することができる。また、これらのうちの1種を用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
また、成分(C)がプロピレンランダム共重合体である場合、プロピレンと共重合する単量体としては、エチレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等を例示することができる。また、成分(C)がプロピレンブロック共重合体である場合、多段階で重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられ、より具体的には、第一段階でポリプロピレンを重合し、第二段階でプロピレン・エチレン共重合体を重合して得られるプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
成分(C)がポリプロピレン系樹脂である場合、メルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.5g/10分以上、さらに好ましくは1.0g/10分以上であり、また、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは60g/10分以下、さらに好ましくは40g/10分以下である。成分(C)のMFRが上記範囲であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形性がより良好となり、成形体の外観もより良好となる。なお、上記の成分(C)のMFRはISO 1133(230℃、荷重2.16kgf)で測定される値である。
また、ポリエチレン系樹脂としては特に限定されないが、成形性の観点から、メルトフローレート(MFR)が、1.0〜60g/10分であるものが好ましく、2.0〜40g/10分であるものがより好ましい。また、耐熱性の観点から密度が0.910〜0.980g/cmであるものが好ましく、0.930〜0.970g/cmであるものがより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂のMFRは、ISO 1133(190℃、荷重2.16kgf)で測定した値である。
なお、成分(C)としては、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の何れかを用いてもよく、両者を併用してもよいが、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、物性の異なるポリプロピレン系樹脂の2種以上、ポリエチレン系樹脂の2種以上を、任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
成分(C)のポリオレフィン系樹脂は市販品として入手することができる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、日本ポリプロ社製ノバテック(登録商標)PPシリーズ、ウィンテック(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)シリーズ、旭化成ケミカルズ社製クレオレックス(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
<各成分の含有量>
本発明において、層(1)の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有するものである。
先ず、成分(B)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、下限が、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上であり、上限が、100
重量部以下、好ましくは90重量部以下、より好ましくは75重量部以下である。
成分(B)の含有量を上記下限と上限の範囲とすることにより、熱可塑性エラストマーの流動性が高くなり過ぎず、また流動性が下がり過ぎず、成形性が良好となる。
また、成分(C)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、下限が、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上であり、上限が、100重量部以下、好ましくは90重量部以下、より好ましくは80重量部以下である。
成分(C)の含有量を上記下限と上限の範囲とすることにより、熱可塑性エラストマー組成物としての硬度が高くなり過ぎず、また硬度が低くなり過ぎず成形性が良好となる。
<その他の成分>
本発明の積層体において、層(1)の熱可塑性エラストマー組成物には、成分(A)〜(C)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を配合することができる。
その他の成分としては、例えば、成分(A)及び成分(C)以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等の樹脂、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
成分(A)及び成分(C)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン樹脂(だだし、成分(C)に該当するものを除く。)等を挙げることができる。また、成分(A)及び成分(C)以外のエラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー(ただし、成分(A)に該当するものを除く。);ポリエステル系エラストマー;ポリブタジエン等を挙げることができる。
充填材としては、例えば、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。充填剤を用いる場合、成分(A)〜成分(C)の合計100重量部に対して、通常0.1〜50重量部で用いられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合、成分(A)〜成分(C)の合計100重量部に対して、通常0.01〜3.0重量部の範囲で用いられる。
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
本発明において、熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜成分(C)、必要に応じて配合されるその他の成分を、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブラーブレンダー等で機械的に混合した後、公知の方法で機械的に溶融混練することにより製造することができる。前記機械的溶融混練には、バンバリーミキサー、各種ニーダー、単軸又は二軸押出機等の一般的な溶融混練機を用いることができる。
<層(1)の熱可塑性エラストマー組成物の物性>
層(1)の熱可塑性エラストマー組成物は、硬度がISO 7619−1に準拠して測定された硬度デュロAで、90以下が好ましく、80以下より好ましい。下限は特に限定されないが、30以上が好ましい。
層(1)のヘーズは、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。この値が小さいほど、透明性が良好であることを示し、下限は小さいほど好ましい。なお、ヘーズは厚み2mmの成形体をISO 14782に準拠して測定した値である。
[層(2)の樹脂]
本発明の積層体において、層(2)はポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂のうちの少なくとも一方からなる層である。ポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂はいずれも透明性に優れるため、意匠性が求められる日用品の基体として好適に用いられる。
また、層(2)は、ポリカーボネート樹脂とポリメチル(メタ)アクリレート樹脂の組成物よりなる層であってもよく、ポリカーボネート樹脂の層とポリメチル(メタ)アクリレート樹脂の2層により構成されていてもよい。この場合、2層は隣接していなくともよい。
層(2)の樹脂は、ISO 178に準拠して測定された曲げ弾性率が、5,500MPa以下が好ましく、5,000MPa以下より好ましい。下限は1,000MPa以上が好ましく、1,500MPa以上がより好ましい。
また、層(2)の樹脂のヘーズは、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。この値が小さいほど、透明性が良好であることを示し、下限は小さいほど好ましい。なお、ヘーズは厚み2mmの成形体をISO 14782に準拠して測定した値である。
[積層体の製造方法]
上記した層(1)の熱可塑性エラストマー組成物と層(2)の樹脂を、例えば、成形して熱融着させることにより、本発明の積層体を製造することができる。ここで、本発明において、積層体とは、層(1)と層(2)を有し、その一部が固着しているものであればよく、製品の形態に成形されたもの(成形体)、成形して製品となる中間状態のものを意味する。
成形方法は特に限定されず、通常の射出成形、押出成形、プレス成形等の各種成形方法を用いることができる。また、必要に応じて、ガスインジェクション成形、射出圧縮成形、ショートショット発泡成形等の各種成形方法を用いることもできる。本発明においては、以上に挙げた成形方法の中でも射出成形が特に好適である。射出成形としては、例えば、インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法等が挙げられる。
インサート射出成形法とは、予め芯材(層(2)の樹脂)を射出成形し、賦形された成形品を金型内にインサートした後、該成形品と金型との間の空隙に表層材(層(1)の熱可塑性エラストマー組成物)を射出成形する成形方法である。二色射出成形法とは、二台以上の射出成型機を用いて、芯材(層(2)の樹脂)を射出成形した後に、金型が回転、又は移動することにより、金型のキャビティーが交換され、該成形品と金型との間に空隙ができ、そこに表層材(層(1)の熱可塑性エラストマー組成物)を射出成形する成形方法である。また、コアバック射出成形法とは、1台の射出成形機と1個の金型を用いて、芯材(層(2)の樹脂)を射出成形した後に、金型のキャビティー容積を拡大させ、該成
形品と金型との間の空隙に表層材(層(1)の熱可塑性エラストマー組成物)を射出成形する成形方法である。また、芯材の成形は、通常の射出成形法を用いたものでもよく、ガスインジェクション成形をしたものでもよい。
本発明の積層体は、層間の融着強度に優れることから、層(1)の熱可塑性エラストマー組成物と層(2)の樹脂とを用いて、二色射出成形やインサート射出成形することにより、これらの他の樹脂との積層体(成形体)とすることが好ましい。また、各々別々に成形した成形体を熱融着して一体化して積層体(成形体)とすることもできる。特に、後述する日用品等を製造する場合には、二色射出成形が特に好適である。
[積層体の層構成、厚み、形状]
本発明の積層体において、層(1)と層(2)の積層様式は、層(1)が最外層(表層)となる構成であればどのような構成でも差支えない。場合によっては層(1)、層(2)以外の層が含まれていても差支えない。また、層(1)と層(2)の厚みも特に限定はなく、各用途に応じた厚みを任意に選ぶことができる。
さらに、本発明の複層体の形状には特に限定はなく、シート状、管状、棒状、異形体のいずれでもよい。また、層(1)、層(2)の形状にも特に限定はなく、積層体となり得る形状であれば、それぞれ、任意の形状を選ぶことができる。
[積層体の物性]
<ヘーズ>
積層体のヘーズは、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。この値が小さいほど、透明性が良好であることを示し、下限は小さいほど好ましい。なお、ヘーズは成形体をISO 14782に準拠して測定した値である。
<融着強度>
層(1)と層(2)間の融着強度は、好ましくは1N/25mm以上、より好ましく10N/25mm以上、さらに好ましくは30N/25mm以上である。この値が大きいほど、層(1)と層(2)との融着性に優れることを示す。なお、熱融着強度は、後述する実施例の「剥離試験」と同じ条件で測定した値である。
[用途]
本発明の積層体は、層間の融着強度に優れ、透明性、成形体の外観等が良好であるために意匠性にも優れたものである。このため、本発明の積層体は、歯ブラシ、筆記具(シャープペンシル、ボールペン等)、髭剃り、玩具、スポーツ用品のグリップ等の基体部とグリップ部とを有する日用品として好適であり、グリップ部が層(1)からなり、基体部が層(2)からなる日用品として特に好適である。
以下、実施例及び比較例により、本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
実施例、比較例において用いた原料、射出成形方法、評価方法は次のとおりである。
〔層(1)〕
[原料]
<成分(A)>
A−1:クラレ社製ハイブラー(登録商標) 7125〔スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位を含むもの)、重量平均分子量(Mw):100,000、MFR(ISO 1133(230℃、荷重2.16kgf)):4.0g/10分〕
a−1:クラレ社製ハイブラー(登録商標) 5125〔スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(式(1)で表される構造単位を含まないもの)、MFR(ISO
1133(190℃、荷重2.16kgf)):4.0g/10分〕
a−2:クレイトン・ジャパン社製クレイトン(登録商標) G1650〔スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(式(1)で表される構造単位を含まないもの)、重量平均分子量(Mw):90,000〕
<成分(B)>
B−1:出光興産社製ダイアナ(登録商標) プロセスオイルPW90(パラフィン系オイル)
<成分(C)>
C−1:日本ポリプロ社製 商品名ノバテック(登録商標) PP EG8B〔ポリプロピレンランダム共重合体、MFR(ISO 1133(230℃、荷重2.16kgf)):0.8g/10分〕
[熱可塑性エラストマー組成物の製造]
表1及び表2に記載の各成分を二軸混練機により溶融混練(シリンダー温度160℃〜210℃)し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
[射出成形]
各例で得られた層(1)の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを、射出成形機(日本製鋼所社製「J110AD」、型締め力110T)を用いて、金型温度40℃、射出圧力147MPa、シリンダー温度240℃にて射出成形を行い、100mm×100mm、厚み2mmの成形体を得た。
[評価方法]
<デュロA硬度>
得られた層(1)の成形体をISO 7619−1に準拠してデュロA硬度を測定した。
<ヘーズ>
得られた層(1)の成形体をISO 14782に準拠してヘーズを測定した。
〔層(2)〕
[原料]
B−1:三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロン(登録商標) H−3000〔芳香族ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:18,500、曲げ弾性率(ISO 178):2,300MPa〕
B−2:三菱レイヨン社製アクリペット(登録商標) IRK304〔ポリメチルメタクリレート樹脂、MFR(ISO 1133(230℃、荷重3.80kgf)):3.0g/10分、曲げ弾性率(ISO 178):2,600MPa〕
[射出成形]
上記記載のポリカーボネート樹脂(B−1)及びポリメチルメタクリレート樹脂(B−2)のそれぞれを用い、射出成形機(日本製鋼所社製「J110AD」、型締め力110T)により、ポリカーボネート樹脂(B−1)は金型温度80℃、射出圧力147MPa、シリンダー温度300℃にて射出成形を行い、ポリメチルメタクリレート樹脂(B−2)は金型温度40℃、射出圧力147MPa、シリンダー温度240℃にて射出成形を行い、100mm×100mm、厚み2mmの成形体を得た。
[評価方法]
<ヘーズ>
得られた層(2)の成形体をISO 14782に準拠してヘーズを測定した。
〔積層体〕
[射出成形]
得られた成形体(層(2))を100mm×100mm×4mmのシート用金型にインサートした。次いで、該成形体(層(2))と金型との空隙に、各例で得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製「J110AD」、型締め力110T)を用いて、射出温度240℃、金型温度40℃にて射出して(層(1))熱融着成形を行い、積層体を得た。
<ヘーズ>
得られた積層体をISO 14782に準拠してヘーズを測定した。
<熱融着強度>
得られた積層体を、25mm×100mm×3mmの短冊状試験片に切断し、層(1)と層(2)を180℃方向に引張速度200mm/分で剥離試験を行い、層(1)/層(2)の熱融着強度を測定した。
<成形体外観>
得られた積層体を、目視でフローマークの有無を確認した。この成形体外観はフローマークのないものであることが好ましい。
○:フローマークのないもの。
×:フローマークのあるもの。
表1に、実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3〔層(2)にポリカーボネート樹脂を用いた場合〕の層(1)(熱可塑性エラストマー組成物)の組成と物性、得られた積層体の物性を示す。また、表2に、実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−3〔層(2)にポリメチルメタクリレート樹脂を用いた場合〕の層(1)(熱可塑性エラストマー組成物)の組成と物性、得られた積層体の物性を示す。
Figure 0006485063
Figure 0006485063
表1、表2から、本発明の積層体(実施例1−1〜1−4、2−1〜2−4)は、層間の融着強度に優れ、透明性が良好(ヘーズが小)であり、フローマークのない良好な外観をもつものであることが分かる。これに対して成分(B)(炭化水素系ゴム用軟化剤)を用いない比較例1−1、2−1の積層体では、特に外観が不良であり、また、式(1)の構造単位を含まないスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体を用いた比較例1−2、2−2の積層体は、特に透明性が不良(ヘーズが大)であり、同じく式(1)の構造単位を含まないスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体を用いた比較例1−3、2−3の積層体は、特に層間の融着強度が劣ることが分かる。

Claims (10)

  1. 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含み、かつ成分(A)100重量部に対し、成分(B)5〜100重量部、成分(C)5〜100重量部を含む熱可塑性エラストマー組成物からなる層(1)と、ポリカーボネート樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂のうちの少なくとも一方からなる層(2)とを有する積層体。
    成分(A):ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロックPと、少なくとも下記式(1)で表される構造単位を含む重合体ブロックQとを有するブロック共重合体
    −CH−CH(CH(CH)− (1)
    成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(C):ポリオレフィン系樹脂
  2. 成分(A)の重量平均分子量(Mw)が50,000〜600,000である、請求項1に記載の積層体。
  3. 成分(A)のブロックQが更に下記式(2)で表される構造単位を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
    −CH−CH−CH(CH)−CH− (2)
  4. 成分(C)のポリオレフィン系樹脂がランダムポリプロピレンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 層(1)の樹脂のヘーズが30%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 層(1)の熱可塑性エラストマー組成物のデュロA硬度が30〜90である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 層(2)の樹脂のヘーズが30%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の積層体からなる成形体。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の積層体からなり、基体部とグリップ部とを有する日用品。
  10. グリップ部が層(1)からなり、基材部が層(2)からなる、請求項に記載の日用品。
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