JP6482693B1 - 陰イオン吸着剤および陰イオン吸着剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰イオンの吸着性能に優れた陰イオン吸着剤およびその製造方法を提供する。
【解決手段】陰イオン吸着剤は、CaClに加え、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)・nHO(nは、正の整数を表す。)、およびCa(ClO)のうちの少なくとも1つが無機系材料の表面に付着していることを特徴とする。
陰イオン吸着剤は、Ca(PO(OH)が無機系材料の表面に付着していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、陰イオン吸着剤および陰イオン吸着剤の製造方法に関する。
工場排水や地下水などに含まれる有害物質は、環境破壊の原因となる。例えば、半導体工場、ガラス工場、めっき工場から排出される工場排水などには、有害物質として、例えばフッ素が含まれている。このような有害物質を除去する方法として、陰イオンを吸着する材料の開発が試みられている。
例えば、特許文献1には、ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有し、陽イオン吸着性および陰イオン吸着性の両方を有するイオン吸着材が開示されている。このイオン吸着材は、所定の製造方法で形成され、かつ、当該イオン吸着材に含まれるゼオライトの割合が、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、10〜90重量%である。
また、特許文献2には、金属塩化物を含む溶液に植物からなる原料を接触させた後、炭化させた陰イオン吸着炭素材料ならびにその製造方法が開示されている。この陰イオン吸着炭素材料は、この炭化物の微細孔壁表面に引き出された多数の官能基に、吸着対象の陰イオンとイオン交換可能な陰イオンが、金属イオンを介してまたは直接結合されている。
特開2016−155130号公報 特開2006−61769号公報
特許文献1に記載のイオン吸着材は、陽イオンと陰イオンを同時にイオン交換することを追及している。そのため、陰イオンの吸着性能が低いという問題がある。
特許文献2に記載の陰イオン吸着炭素材料は、陰イオンの吸着量が少ないという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、陰イオンの吸着性能に優れた陰イオン吸着剤およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る陰イオン吸着剤は、フッ化物イオン吸着剤またはリン酸イオン吸着剤として用いる陰イオン吸着剤であって、CaClに加え、CaOClCa(OH) が発泡ガラスの表面に付着している。
このような構成によれば、陰イオン吸着剤は、陰イオンの吸着性能に優れたものとなる。
また、陰イオン吸着剤は、発泡ガラスを用いることで、持ち運びなどの扱いが容易となる。また、ガラス廃材を利用することで産業廃棄物の削減を図ることができる。
本発明に係る陰イオン吸着剤の製造方法は、フッ化物イオン吸着剤またはリン酸イオン吸着剤として用いる陰イオン吸着剤の製造方法であって、CaCl水溶液を発泡ガラスに接触させる工程と、前記CaCl水溶液を前記発泡ガラスに接触させた後、前記発泡ガラスを乾燥させる工程と、を含む。
このような製造方法によれば、陰イオンの吸着性能に優れる陰イオン吸着剤を得ることができる。
また、陰イオン吸着剤の製造方法は、発泡ガラスを用いることで、持ち運びなどの扱いが容易となる。また、ガラス廃材を利用することで産業廃棄物の削減を図ることができる。
本発明に係る陰イオン吸着剤は、陰イオンの吸着性能に優れる。
本発明に係る陰イオン吸着剤の製造方法は、陰イオンの吸着性能に優れる陰イオン吸着剤を製造することができる。
第1実施形態の陰イオン吸着剤の製造方法を示すフローチャートである。 第2実施形態の陰イオン吸着剤の製造方法を示すフローチャートである。 第1実施例のサンプルNo.5におけるXRDパターンのグラフである。 第1実施例のサンプルNo.6におけるXRDパターンのグラフである。 第1実施例のサンプルNo.7におけるXRDパターンのグラフである。 第1実施例のサンプルNo.8におけるXRDパターンのグラフである。 第2実施例のサンプルNo.14におけるXRDパターンのグラフである。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
<陰イオン吸着剤>
まず、第1実施形態の陰イオン吸着剤について説明する。
陰イオン吸着剤は、CaClに加え、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)・nHO(nは、正の整数を表す。)、およびCa(ClO)のうちの少なくとも1つが無機系材料の表面に付着したものである。
以下、CaClと、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)・nHO、およびCa(ClO)のうちの少なくとも1つとをまとめて、適宜、Ca物質という。
陰イオン吸着剤は、CaClが無機系材料の表面に付着したものである。陰イオン吸着剤は、さらに、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)・nHO、およびCa(ClO)のうちの1つ、または2つ以上が無機系材料の表面に付着したものである。
なお、Ca(ClO)・nHOのnは正の整数を表し、例えば、1〜4である。
無機系材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、42アロイのような金属材料、シリカ、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスのようなガラス材料、シリコンのようなシリコン材料、サファイアのような結晶材料などを含む材料が挙げられる。無機系材料としては、好ましくはガラス材料である。
また、無機系材料は、表面積がより大きくなる観点から、多孔質体であることが好ましい。多孔質体としては、例えば、発泡ガラスが挙げられる。無機系材料としては、特に、発泡ガラスが好適に使用できる。発泡ガラスとしては特に限定されるものではなく、従来公知の発泡ガラスを用いることができる。
無機系材料は、その形状や大きさは特に限定されるものではない。無機系材料は、粒状のものであってもよいし、粉状のものであってもよい。また、無機系材料は、製造するのに適し、また、陰イオン吸着剤として適した大きさであればよい。無機系材料の大きさは、粒状の場合、例えば直径が3mm以上10mm以下である。
無機系材料は、アルカリ処理がされたものであってもよい。ただし、陰イオン吸着剤は、無機系材料にアルカリ処理がされていなくとも、優れた陰イオン吸着性能を示す。したがって、無機系材料は、アルカリ処理がされていないものであってもよい。
陰イオン吸着剤は、無機系材料として発泡ガラスを用いる場合、Ca含有量(質量%)とSi含有量(質量%)との比であるCa/Siの値が7以上であることが好ましい。Ca/Siの値が7以上であれば、陰イオンの吸着性能がより向上する。Ca/Siの値は、陰イオンの吸着性能をより向上させる観点から、より好ましくは7.2以上、さらに好ましくは7.4以上である。なお、Ca/Siの値は高いほど好ましいが、陰イオン吸着剤の製造を行い易くするなどの観点から、例えば、15以下とすることができる。
Ca/Siの値は、無機系材料の種類や、CaCl水溶液を無機系材料に接触させる際の条件、後述する焼成の有無などにより制御することができる。また、Ca/Siの値は、蛍光X線による組成分析から求めることができる。
なお、Ca含有量、Si含有量は、陰イオン吸着剤全体に対する質量%である。
陰イオン吸着剤は、Ca含有量が30質量%以上であることが好ましい。Ca含有量が30質量%以上であれば、陰イオンの吸着性能がより向上する。Ca含有量は、陰イオンの吸着性能をより向上させる観点から、より好ましくは31質量%以上、さらに好ましくは34質量%以上である。なお、Ca含有量は多いほど好ましいが、陰イオン吸着剤の製造を行い易くするなどの観点から、例えば、40質量%以下とすることができる。
Ca含有量は、無機系材料の種類や、CaCl水溶液を無機系材料に接触させる際の条件、後述する焼成の有無などにより制御することができる。また、Ca含有量は、蛍光X線による組成分析から求めることができる。
なお、Ca含有量は、陰イオン吸着剤全体に対する質量%である。
<陰イオン吸着剤の製造方法>
次に、第1実施形態の陰イオン吸着剤の製造方法の一例について説明する。
図1に示すように、陰イオン吸着剤の製造方法は、水溶液を無機系材料に接触させる工程S101と、無機系材料を乾燥させる工程S102と、を含み、この順に行う。
なお、陰イオン吸着剤や無機系材料については、前記した陰イオン吸着剤で説明したとおりであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
[水溶液を無機系材料に接触させる工程]
水溶液を無機系材料に接触させる工程S101は、CaCl水溶液を無機系材料に接触させる工程である。
CaCl水溶液の無機系材料への接触は、例えば、CaCl水溶液に無機系材料を浸漬することにより行うことができる。
CaCl水溶液を無機系材料に接触させる方法としては、CaCl水溶液に無機系材料を浸漬させるほか、スプレーなどにより、無機系材料にCaCl水溶液を塗布する方法が挙げられる。その他、無機系材料の表面にCa物質が付着すれば、どのような方法であってもよい。ただし、CaCl水溶液の無機系材料への接触を簡便に行う観点から、浸漬させる方法を用いることが好ましい。
この工程S101では、まず、所望の大きさの無機系材料を準備する。この工程では、無機系材料にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理は、例えば、4%NaOH水溶液に無機系材料を浸漬することにより行うことができる。ただし、陰イオン吸着剤の製造方法は、アルカリ処理を行わなくても、優れた陰イオン吸着性能を示す陰イオン吸着剤を得ることができる。したがって、陰イオン吸着剤の製造方法は、アルカリ処理を行わないものであってもよい。なお、アルカリ処理を行わないことで、工程数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
CaCl水溶液中のCaClの濃度は、1moldm−3以上5moldm−3以下であることが好ましい。CaCl水溶液中のCaClの濃度が1moldm−3以上であれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。一方、CaCl水溶液中のCaClの濃度が5moldm−3以下であれば、経済的である。CaCl水溶液中のCaClの濃度は、無機系材料の表面にCa物質をより付着させやすくする観点から、より好ましくは2moldm−3以上、さらに好ましくは2.5moldm−3以上である。また、CaCl水溶液中のCaClの濃度は、経済性の観点から、より好ましくは3.5moldm−3以下、さらに好ましくは3moldm−3以下である。
CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する場合、CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する時間は、3分以上であることが好ましい。CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する時間が3分以上であれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する時間は、無機系材料の表面にCa物質をより付着させやすくする観点から、より好ましくは4分以上、さらに好ましくは5分以上である。なお、CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する時間は、例えば、10分以下とすることができる。
CaCl水溶液に無機系材料を浸漬する際は、超音波によりCaCl水溶液および無機系材料に振動を与えることが好ましい。このようにすれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。特に、無機系材料として粉状のものを使用した場合、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなるため、有効である。
CaCl水溶液を無機系材料に接触させるときのCaCl水溶液の温度は、室温(常温)であればよい。例えば、CaCl水溶液の温度は、25℃以上30℃以下とすればよい。
[無機系材料を乾燥させる工程]
無機系材料を乾燥させる工程S102は、CaCl水溶液を無機系材料に接触させた後、無機系材料を乾燥させる工程である。
乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、空気恒温槽中で乾燥させることができる。乾燥の条件は、例えば、100℃以上120℃以下で、6時間以上24時間以下とすることができる。
また、乾燥は、自然乾燥により行ってもよい。
陰イオン吸着剤の製造方法は、無機系材料を乾燥した後、無機系材料を焼成する工程を含んでもよい。
焼成の方法は特に限定されるものではない。焼成の条件は、例えば、500℃以上600℃以下で、6時間以上24時間以下とすることができる。
ただし、陰イオン吸着剤の製造方法は、無機系材料を焼成しなくても、優れた陰イオン吸着性能を示す陰イオン吸着剤を得ることができる。したがって、陰イオン吸着剤の製造方法は、無機系材料を焼成する工程を含まないものであってもよい。なお、無機系材料を焼成する工程を含まないことで、工程数を減らしたり、加熱のためのエネルギーを省略したりすることができ、経済性の向上を図ることができる。
第1実施形態に係る陰イオン吸着剤の製造方法は、以上に説明したとおりであるが、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程などを含めてもよい。
また、前記各工程において、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、前記各工程での処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることはいうまでもない。
[第2実施形態]
<陰イオン吸着剤>
まず、第2実施形態の陰イオン吸着剤について説明する。
陰イオン吸着剤は、Ca(PO(OH)(ヒドロキシアパタイト)が無機系材料の表面に付着したものである。
このような構成によれば、陰イオン吸着剤は、陰イオンの吸着性能に優れたものとなる。
以下、Ca(PO(OH)を、適宜、Ca物質という。
無機系材料については、第1実施形態で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
<陰イオン吸着剤の製造方法>
次に、第2実施形態の陰イオン吸着剤の製造方法の一例について説明する。
図2に示すように、陰イオン吸着剤の製造方法は、水溶液を無機系材料に接触させる工程S201と、無機系材料を加熱する工程S202と、無機系材料を乾燥させる工程S203と、を含み、この順に行う。
なお、陰イオン吸着剤や無機系材料については、前記した陰イオン吸着剤で説明したとおりであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
[水溶液を無機系材料に接触させる工程]
水溶液を無機系材料に接触させる工程S201は、リン酸二水素ナトリウム水溶液、リン酸水素二ナトリウム水溶液、およびリン酸三ナトリウム水溶液のうちの少なくとも1つを無機系材料に接触させる工程である。
以下、リン酸二水素ナトリウム水溶液、リン酸水素二ナトリウム水溶液、およびリン酸三ナトリウム水溶液のうちの少なくとも1つを、適宜、所定リン酸水溶液という。また、以下、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸三ナトリウムのうちの少なくとも1つを、適宜、所定リン酸ナトリウムという。
所定リン酸水溶液の無機系材料への接触は、例えば、所定リン酸水溶液に無機系材料を浸漬することにより行うことができる。
所定リン酸水溶液を無機系材料に接触させる方法としては、所定リン酸水溶液に無機系材料を浸漬させるほか、スプレーなどにより、無機系材料に所定リン酸水溶液を塗布する方法が挙げられる。その他、無機系材料の表面にCa物質が付着すれば、どのような方法であってもよい。ただし、所定リン酸水溶液の無機系材料への接触を簡便に行う観点から、浸漬させる方法を用いることが好ましい。
この工程S201では、まず、所望の大きさの無機系材料を準備する。この工程では、無機系材料にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理は、例えば、4%NaOH水溶液に無機系材料を浸漬することにより行うことができる。ただし、陰イオン吸着剤の製造方法は、アルカリ処理を行わなくても、優れた陰イオン吸着性能を示す陰イオン吸着剤を得ることができる。したがって、陰イオン吸着剤の製造方法は、アルカリ処理を行わないものであってもよい。なお、アルカリ処理を行わないことで、工程数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
リン酸二水素ナトリウム水溶液、リン酸水素二ナトリウム水溶液、およびリン酸三ナトリウム水溶液は、これらのうち1つを用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。所定リン酸水溶液としては、これらのうち、リン酸三ナトリウム水溶液が好ましい。
所定リン酸水溶液中の所定リン酸ナトリウムの濃度は、0.5mol/L以上2mol/L以下であることが好ましい。所定リン酸水溶液中の所定リン酸ナトリウムの濃度が0.5mol/L以上であれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。一方、所定リン酸水溶液中の所定リン酸ナトリウムの濃度が2mol/L以下であれば、経済的である。所定リン酸水溶液中の所定リン酸ナトリウムの濃度は、無機系材料の表面にCa物質をより付着させやすくする観点から、より好ましくは0.7mol/L以上、さらに好ましくは1mol/L以上である。また、所定リン酸水溶液中の所定リン酸ナトリウムの濃度は、経済性の観点から、より好ましくは1.5mol/L以下、さらに好ましくは1.2mol/L以下である。
[無機系材料を加熱する工程]
無機系材料を加熱する工程S202は、所定リン酸水溶液を無機系材料に接触させた状態で無機系材料を加熱する工程である。
加熱の方法は特に限定されるものではないが、例えば、電気炉を用いて加熱することができる。また、例えば、所定リン酸水溶液に無機系材料を浸漬する場合は、所定リン酸水溶液を加熱することで、無機系材料を浸漬した無機系材料を加熱することができる。
加熱温度は、60℃以上140℃以下であることが好ましい。加熱温度が60℃以上であれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。一方、加熱温度が140℃以下であれば、経済的である。加熱温度は、無機系材料の表面にCa物質をより付着させやすくする観点から、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。また、加熱温度は、経済性の観点から、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは125℃以下である。
加熱時間は、3時間以上8時間以下であることが好ましい。加熱時間が3時間以上であれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。一方、加熱時間が8時間以下であれば、経済的である。加熱時間は、無機系材料の表面にCa物質をより付着させやすくする観点から、より好ましくは6時間以上、さらに好ましくは6.5時間以上である。また、加熱時間は、経済性の観点から、より好ましくは7時間以下、さらに好ましくは6.7時間以下である。
所定リン酸水溶液に無機系材料を浸漬して加熱する場合は、回転撹拌させることが好ましい。このようにすれば、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなる。特に、無機系材料として粉状のものを使用した場合、無機系材料の表面にCa物質がより付着しやすくなるため、有効である。
所定リン酸水溶液が接触した無機系材料の加熱は、所定リン酸水溶液を無機系材料に接触させた後、所定リン酸水溶液を加熱することにより行うものとした。しかしながら、所定リン酸水溶液が接触した無機系材料の加熱は、あらかじめ、加熱により所定温度に設定した所定リン酸水溶液を無機系材料に接触させることにより行ってもよい。
[無機系材料を乾燥させる工程]
無機系材料を乾燥させる工程S203は、無機系材料を加熱した後、無機系材料を乾燥させる工程である。
乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、空気恒温槽中で乾燥させることができる。乾燥の条件は、例えば、100℃以上120℃以下で、6時間以上24時間以下とすることができる。
また、乾燥は、自然乾燥により行ってもよい。
陰イオン吸着剤の製造方法は、無機系材料を乾燥させた後、無機系材料を焼成する工程を含んでもよい。
焼成の方法は特に限定されるものではない。焼成の条件は、例えば、500℃以上600℃以下で、6時間以上24時間以下とすることができる。
特に、リン酸三ナトリウム水溶液を用いた場合、無機系材料を焼成することで、優れた陰イオン吸着性能を示す陰イオン吸着剤を得ることができる。無機系材料を焼成することで、結晶性の高いヒドロキシアパタイトが無機系材料の表面に付着するためと考えられる。ただし、陰イオン吸着剤の製造方法は、無機系材料を焼成する工程を含まないものであってもよい。なお、無機系材料を焼成する工程を含まないことで、工程数を減らしたり、加熱のためのエネルギーを省略したりすることができ、経済性の向上を図ることができる。
第2実施形態に係る陰イオン吸着剤の製造方法は、以上に説明したとおりであるが、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程などを含めてもよい。
また、前記各工程において、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、前記各工程での処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることはいうまでもない。
このような製造方法によれば、陰イオンの吸着性能に優れる陰イオン吸着剤を得ることができる。
また、陰イオン吸着剤の製造方法は、発泡ガラスを用いることで、持ち運びなどの扱いが容易となる。また、ガラス廃材を利用することで産業廃棄物の削減を図ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
以下のようにして、No.1〜3のサンプルを作製した。No.1、2のサンプルは、発泡ガラスにアルカリ処理を行ったものである。なお、No.2のサンプルは、No.1のサンプルの再現性を確認するために、No.1のサンプルと同条件で作製したものである。No.3のサンプルは、発泡ガラスにアルカリ処理を行っていないものである。また、No.4として、他社製品のアルカリ処理のみを行った発泡ガラスを準備し、フッ化物イオン吸着測定を行った。なお、No.1〜3のサンプルに用いた発泡ガラスは同種のものであり、No.4のサンプルに用いた発泡ガラスは、No.1〜3のサンプルに用いた発泡ガラスとは異なるものである。
〈アルカリ処理〉
アルカリ処理は、以下のようにして行った。
(1)25mLテフロン(登録商標)分解容器に発泡ガラス5gを量り取った。
(2)16mLの4%NaOH水溶液を直接テフロン分解容器に加えた。
(3)テフロン分解容器の内蓋をはめ、内蓋と容器の隙間を埋めるようにテフロンテープをしっかりと一周巻いた。その後、外蓋をしっかりと閉めた。
(4)あらかじめ130℃に保った電気炉にテフロン分解容器を入れ、6.5h、テフロン容器回転装置で60rpmの速度で回転撹拌させた。
(5)テフロン分解容器を取り出し、氷水に入れて約15分間冷却した。
(6)内容物をガラスカラムに入れ、テフロンコックを開けて溶液のみを取り除いた。
(7)テフロンコックを閉じイオン交換水を50mL加え、カラムを静かに振った。その後、溶液を流し出した。この操作を2回繰り返し、2回目の溶液のpHを測定した。
(8)0.01mol/LのHCl水溶液を30mL加え、カラムを静かに振った。10分後、再びカラムを静かに振り、溶液を出し、最初は捨て、2回目のpHを測定した。pHが7以下になるまでこの操作を繰り返した。
(9)テフロンコックを開けたまま、イオン交換水を回しかけ、酸を洗い流した。
(10)洗浄後の粒子をシャーレに移し、110℃の恒温槽で15h乾燥させた。
〈サンプルの作製〉
サンプルの作製は、以下のようにして行った。
(1)準備した発泡ガラス(アルカリ処理あり品およびアルカリ処理なし品)をビーカーに1.5g量り取った。
(2)3moldm−3に調製したCaCl水溶液10mlを発泡ガラスに加え、CaCl水溶液に発泡ガラス全体を浸漬し、超音波で振動を与えながら5分間含浸させた。
(3)空気恒温槽中、110℃で9h乾燥させた。
(4)乾燥させた試料を磁性ボートに乗せ、管状炉に入れ、空気気流中、550℃で12h焼成した。
(5)室温まで冷却した後に試料を取り出し、水を飽和吸着させた。
このようにして得られたサンプルについて、フッ化物イオン吸着測定を行った。
〈フッ化物イオン吸着測定〉
フッ化物イオン吸着測定は、Thermo Scientific社製 フッ素複合電極を用い、以下のようにして行った。
(1)フッ素濃度測定ソフトを立ち上げ、初期設定を行った。
(2)フッ素複合電極をイオン交換水で洗浄し、キムワイプで水分を除いた後、電極の先端を10ppmのNaF水溶液の中に浸け測定した。測定後、電極を洗浄し、50ppm、100ppm、500ppm、1000ppmの順に測定した。測定終了後検量線データを保存した。
(3)試料を約1g量り取った。
(4)蓋付き容器に25mlホールピペットで1000ppmのNaF水溶液を75ml量り取った。
(5)(3)で量り取った試料を(4)の蓋付き容器に入れ反応を開始した。反応は30℃で振とう機で行った。
(6)反応開始から0.5h、1.0h、2.0h、3.0h、4.0h、8.0h、24h、48h後に振とう機から取り出し、フッ素複合電極で測定した。
(7)測定終了後、データを保存しプログラムを終了させた。
フッ化物イオンの吸着量を算出するための25℃における検量線において、測定の濃度範囲で直線性の高い回帰曲線が得られたため、この近似式より濃度を算出した。
各サンプルの48時間後の吸着量を表1に示す。
Figure 0006482693
表1に示すように、本発明の要件を満たす実施例であるNo.1〜3は、比較例であるNo.4に比べ、フッ化物イオン吸着量が高く、フッ素除去の性能に優れていることがわかる。
〈XRD分析〉
以下の4つのサンプルについて、XRD分析を行った。アルカリ処理および各サンプルの作製は、No.1〜3の作製と同様に行った。
XRD分析は、株式会社リガク製 SmartLabを用い、2θ範囲20〜70°、スキャン速度 12°/min(高速検出器D−tex使用)、Kβフィルター法の条件で測定することにより行った。
(No.5)
No.2のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、CaCl処理を行っていないもの(アルカリ処理あり、および、CaCl処理なし品)。
(No.6)
No.2のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、乾燥後、焼成前のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成なし品)。
(No.7)
No.2のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、焼成後のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品)。
(No.8)
No.1のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、フッ化物イオン吸着後のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品であって、フッ化物イオン吸着後)。
No.5のサンプルのXRDパターンを図3に示す。No.6のサンプルのXRDパターンを図4に示す。No.7のサンプルのXRDパターンを図5に示す。No.8のサンプルのXRDパターンを図6に示す。
なお、図3〜6において、符号1は、SiO(石英)を示すグラフ、符号2は、CaSi16(OH)を示すグラフ、符号3は、CaClを示すグラフ、符号4は、CaOClCa(OH)を示すグラフ、符号5は、NaClを示すグラフ、符号6は、Ca(ClO)3HOを示すグラフ、符号7は、CaF(蛍石)を示すグラフ、符号8は、CaCOを示すグラフである。
(XRD分析結果)
アルカリ処理済みの発泡ガラスについて以下のことが確認できた。
図3に示すように、アルカリ処理あり、および、CaCl処理なし品であるNo.5は、XRDパターンの結晶性ピークより、CaCl、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)nHO、Ca(ClO)のいずれも表面に付着していないことが確認できた。
図4に示すように、アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成なし品であるNo.6は、XRDパターンの結晶性ピークより、CaClが表面に付着されており、一部は酸化されたCaOClCa(OH)となっているこが確認できた。CaCl、CaOClCa(OH)は、どちらもフッ素イオン吸着のCaサイトとなっていると推測される。
図5に示すように、アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品であって、フッ化物イオン吸着前であるNo.7は、XRDパターンの結晶性ピークより、NaClとCa(ClO)3HOが確認できた。Ca(ClO)3HOは、フッ素イオン吸着のCaサイトとなっていると推測される。なお、No.7は、CaCl水溶液に発泡ガラスを浸漬させたため、微量のCaClが発泡ガラスに付着していると推測される。
図6に示すように、アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品であって、フッ化物イオン吸着後であるNo.8は、XRDパターンの結晶性ピークより、CaF(蛍石)が観測でき、フッ化物イオンはCa2+と反応することで高い吸着量を示したことが裏付けられた。
なお、本実験では、アルカリ処理を行った発泡ガラスを用いたが、アルカリ処理を行っていない発泡ガラスを用いても、同等の結果になると推測される。
[蛍光X線による組成分析]
以下の5つのサンプルについて、蛍光X線による組成分析を行った。アルカリ処理およびNo.10〜13のサンプルの作製は、No.1〜3の作製と同様に行った。
蛍光X線分析は、株式会社リガク製 ZSX PrimusIIを使用した。専用のセルに試料をセットし、測定径を「1mm」、測定時間を「長い」、雰囲気を「真空」に設定し、EZスキャンモードでホウ素B以上の元素の定性・定量分析を行った。
(No.9)
No.3のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理なし)を用いたものであり、CaCl処理を行っていないもの(アルカリ処理なし、および、CaCl処理なし品)。
(No.10)
No.2のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、乾燥後、焼成前のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成なし品)。
(No.11)
No.2のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理あり)を用いたものであり、焼成後のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品)。
(No.12)
No.3のサンプルに用いた発泡ガラス(アルカリ処理なし)を用いたものであり、乾燥後、焼成前のもの(アルカリ処理なし、CaCl処理あり、および、焼成なし品)。
(No.13)
No.3のサンプルに用いた発泡ガラスについて、アルカリ処理、CaCl処理を行い、乾燥後、焼成を行ったサンプルについてフッ化物イオン吸着後のもの(アルカリ処理あり、CaCl処理あり、および、焼成あり品であって、フッ化物イオン吸着後)。
この結果を表2に示す。なお、表中、「−」は、元素を含有しないものである。
Figure 0006482693
表2に示すように、本発明の要件を満たす実施例であるNo.10〜12は、比較例であるNo.9に対し、いずれもO(酸素)とSi(ケイ素)の質量%が激減している。すなわち、アルカリ処理なし、および、CaCl処理なしの発泡ガラスに対し、CaCl処理後の発泡ガラスでは、アルカリ処理あり、かつ焼成なし品(No.10)、アルカリ処理あり、かつ焼成あり品(No.11)、アルカリ処理なし、かつ焼成なし品(No.12)ともに、OとSiの質量%が激減している。これは上記XRD分析で確認された、CaCl、CaOClCa(OH)、Ca(ClO)3HOが、発泡ガラス表面を覆っているためと推測できる。
また、No.12のような、アルカリ処理なし、かつ焼成なし品でも、No.10のような、アルカリ処理あり、かつ焼成なし品と同等のCa(カルシウム)が検出されており、表面にCaClおよびCaOClCa(OH)が付着していると推察できる。
また、本発明の要件を満たす実施例のサンプルについてフッ化物イオン吸着後であるNo.13は、No.10〜12に対し、OとSiの質量%が減少しておらず、Caの質量%が減少している。これは、表面を覆っていたCa化合物の一部が溶解したと考えられる。しかし、フッ素Fが検出されており、XRDの結果を支持する蛍石の生成を裏付ける結果となった。
以上の結果から、本発明の陰イオン吸着剤は、フッ化物イオンの除去性能に優れていることがわかった。また、発泡ガラスにアルカリ処理を行わなくても、フッ化物イオンの除去性能に優れる陰イオン吸着剤を製造できることがわかった。また、発泡ガラスをCaCl水溶液に浸漬させ、乾燥させた後、焼成を行わなくても、フッ化物イオンの除去性能に優れる陰イオン吸着剤を製造できることがわかった。
[実施例2]
以下のようにして、No.14のサンプルを作製した。なお、No.14のサンプルは、発泡ガラスにアルカリ処理を行ったものである。アルカリ処理は、[実施例1]と同様の方法で行った。また、用いた発泡ガラス(アルカリ処理前のもの)は、No.1〜3のサンプルに用いた発泡ガラスと同種のものである。
〈サンプルの作製〉
(1)25mlテフロン分解容器に発泡ガラスを約1.5g量り取った。
(2)1mol/Lのリン酸水溶液(リン酸三ナトリウム水溶液)20mlをテフロン分解容器に加えた。
(3)テフロン分解容器の内蓋をはめ、内蓋と容器の隙間を埋めるようにテフロンテープをしっかり巻いた。その後、外蓋をしっかり閉めた。
(4)あらかじめ120℃に保った電気炉にテフロン分解容器を入れ、6.5h、テフロン容器回転装置で回転撹拌させた。
(5)テフロン分解容器を取り出し、氷水に入れ冷却した。
(6)試料が流れ出ないようにテフロンコック上部に石英ガラスウールを詰めたガラスカラムに内容物を入れ、テフロンコックを開け、溶液のみ取り除いた。
(7)テフロンコックを閉じ、イオン交換水を流し入れコックを開けて溶液のみ取り除いた。これを何回かに分け、万能試験紙で中性になるまで洗浄した(目安は約2L)。
(8)洗浄後の試料をシャーレに移し、110℃の恒温槽で15h乾燥させた。
次に、リン酸処理による生成物の結晶性を高めるため、以下の焼成を行った。
(9)(8)で得られた試料1.5gを磁製ボートに量り取った。
(10)磁性ボートを管状炉に入れ、空気気流中(トラップにて1泡/secに設定)550℃で12h焼成した。
(11)12h後、試料を取り出し、水を飽和吸着させた。
〈フッ化物イオン吸着測定〉
フッ化物イオン吸着測定は、[実施例1]と同様の方法で行った。
その結果、No.14のフッ化物イオン吸着量は、7.2mg/gであった。
〈XRD分析〉
No.14のサンプル(乾燥後、焼成後のもの)について、XRD分析を行った。
XRD分析は、[実施例1]と同様の方法で行った。
No.14のサンプルのXRDパターンを図7に示す。
なお、図7において、符号9は、Ca(PO(OH)(ヒドロキシアパタイト)を示すグラフである。
(XRD分析結果)
図7に示すように、リン酸処理を行い、かつ焼成を行ったNo.14は、XRDパターンの結晶性ピークより、Ca(PO(OH)(ヒドロキシアパタイト)が表面に付着していることがわかる。
[蛍光X線による組成分析]
No.14のサンプルについて、蛍光X線による組成分析を行った。
蛍光X線分析は、[実施例1]と同様の方法で行った。
この結果を表3に示す。
Figure 0006482693
表3に示すように、本発明の要件を満たす実施例であるNo.14は、Caが多く検出され、Pも検出されていることがわかる。
本発明の陰イオン吸着剤は、フッ化物イオン吸着剤(フッ素除去剤)や、リン酸イオン吸着剤(リン酸除去剤)などに用いることができる。特に、フッ化物イオン吸着剤(フッ素除去剤)として好適に用いることができる。
本発明の陰イオン吸着剤は、基材となる無機系材料としてガラスを利用することができる。そのため、陰イオン吸着剤は、持ち運びなどの扱いが容易である。また、本発明の陰イオン吸着剤は、ガラス廃材を利用することで産業廃棄物の削減を図ることができる。
本発明の陰イオン吸着剤の製造方法は、アルカリ処理工程や、焼成工程を省略することができるため、経済性の向上を図ることができる。
1 SiO(石英)を示すグラフ
2 CaSi16(OH)を示すグラフ
3 CaClを示すグラフ
4 CaOClCa(OH)を示すグラフ
5 NaClを示すグラフ
6 Ca(ClO)3HOを示すグラフ
7 CaF(蛍石)を示すグラフ
8 CaCOを示すグラフ
9 Ca(PO(OH)を示すグラフ

Claims (2)

  1. フッ化物イオン吸着剤またはリン酸イオン吸着剤として用いる陰イオン吸着剤であって、
    CaClに加え、CaOClCa(OH)が発泡ガラスの表面に付着していることを特徴とする陰イオン吸着剤。
  2. フッ化物イオン吸着剤またはリン酸イオン吸着剤として用いる陰イオン吸着剤の製造方法であって、
    CaCl水溶液を発泡ガラスに接触させる工程と、
    前記CaCl水溶液を前記発泡ガラスに接触させた後、前記発泡ガラスを乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする陰イオン吸着剤の製造方法。
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