JPH05293363A - 空気清浄力を有する組成物およびその製造方法 - Google Patents

空気清浄力を有する組成物およびその製造方法

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JPH05293363A
JPH05293363A JP4095678A JP9567892A JPH05293363A JP H05293363 A JPH05293363 A JP H05293363A JP 4095678 A JP4095678 A JP 4095678A JP 9567892 A JP9567892 A JP 9567892A JP H05293363 A JPH05293363 A JP H05293363A
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Shuichi Mitamura
修一 三田村
Atsuhiko Katayama
篤彦 片山
Tamio Noda
多美夫 野田
Susumu Aoyanagi
邁 青柳
Yozo Takemura
洋三 竹村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は、脱メルカプタン性能に優れた空気
清浄力を有する組成物およびその製造方法を提供する。 【構成】 鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、ア
ルミニウム、銅、錫およびコバルトよりなる群から選ば
れた少なくとも1種の金属イオンを含む化合物と、単体
硫黄とを共存させてなる空気清浄力を有する組成物、お
よび該化合物に単体硫黄を添加する方法、特に該化合物
が酸化鉄の場合は、硫化鉄を酸化分解する方法により単
体硫黄と共存させることによる該組成物の製造方法によ
り達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な空気清浄力を有
する組成物およびその製造方法に関する。詳述すれば、
アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメル
カプタンなどに代表される悪臭ガス類を含有する汚染空
気を浄化する空気清浄力を有する組成物およびその製造
方法に関し、この空気清浄力を有する組成物は、例えば
家庭用の脱臭剤として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中の悪臭ガスに対しては、活
性炭を用いる吸着法や、香料を用いるマスキング法、あ
るいは臭気成分を化学反応させる化学的方法で、悪臭の
除去あるいは不快感の軽減が行われている。しかしなが
ら、活性炭を用いる吸着法は、脱臭性能が短期間で劣化
するという問題があり、香料を用いるマスキング法で
は、香料が新たな不快感を与えることがあり、根本的な
解決策とならない。また化学反応を利用する化学的方法
としては、例えばオゾンにより、悪臭成分を酸化分解す
る方法があるが、悪臭成分とちょうど反応するオゾンの
量を制御することが困難なため、問題が生ずる。すなわ
ち、臭気成分が多量の場合には、脱臭が不完全となる。
一方、人体に有害なオゾンを多量に使用すれば、過剰な
オゾンの漏れなどにより、新たな害を引き起こす危険性
がある。さらに、酸化分解生成物が、悪臭源となる場合
もある。
【0003】これらの問題点を解決する手段として、繊
維学会誌(繊維と工業)42巻12号18〜26頁(1
986)には、第一鉄化合物とアスコルビン酸とを水溶
液状態で反応させて得られた錯体化合物が、窒素化合物
系悪臭ガスに対して脱臭力を有することが述べられてい
る。
【0004】しかし、本発明者らの知見では、この錯体
化合物は、硫黄化合物系の悪臭ガスに対する脱臭力が弱
いうえに、脱臭力が比較的短時間で劣化するという問題
点が認められた。
【0005】本発明者らは、鉄、マンガンなどの金属に
アスコルビン酸などを接触させてできる反応生成物を、
未反応の鉄、マンガンなどの金属と共存させた組成物を
発明し、先に特許出願(特開平3−188939号公
報)を行った。この組成物は、安価に製造でき、空気清
浄力の劣化が極めて小さく、従来技術の問題点を解決す
るものであった。
【0006】しかし、この組成物は、アンモニア、トリ
メチルアミン、硫化水素などの臭気成分に対しては高い
脱臭性能を持つものの、メチルメルカプタンなどのメル
カプタン類に対しての性能は十分ではなく、より一層の
技術向上が要望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開平3−
188939号公報の組成物をさらに広範囲に研究して
完成したもので、従来の金属系脱臭剤の特性改善を図
り、脱メルカプタン性能の優れた空気清浄力を有する組
成物およびその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、鉄、マ
ンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅、
錫およびコバルトよりなる群から選ばれた少なくとも1
種の金属イオンを含む化合物と、単体硫黄とを共存させ
たことを特徴とする空気清浄力を有する組成物(以下、
本発明の組成物と略す)により達成される。
【0009】本発明の目的は、鉄、マンガン、クロム、
ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルト
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを
含む化合物に、単体硫黄を添加することを特徴とする本
発明の組成物の製造方法により達成される。
【0010】また本発明の他の目的は、鉄、マンガン、
クロム、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅、錫および
コバルトよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
イオンを含む化合物が酸化鉄である場合に、硫化鉄を酸
化分解させることを特徴とする本発明の組成物の製造方
法によっても達成される。
【0011】本発明で用いる、鉄、マンガン、クロム、
ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルト
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを
含む化合物(以下、本発明で用いる金属イオンを含む化
合物と略す)としては、相当するハロゲン化物、酸化
物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クロム酸塩
などの無機金属化合物や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
安息香酸、アスコルビン酸、酒石酸、シュウ酸、タンニ
ン酸、没食子酸などの有機酸の金属塩や、フタロシアニ
ン、ポリフィリンなどのとの有機金属錯体などを例示で
きる。
【0012】また鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルトよりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の金属に、無機酸または有機
酸もしくはその両者を作用させて、該金属のイオンを含
む化合物を生成させた組成物も、本発明で用いる金属イ
オンを含む化合物として好適である。この際に用いるこ
とのできる無機酸としては、リン酸、クロム酸、リン酸
水素塩、クロム酸水素塩など、また有機酸としては、ギ
酸、酢酸、安息香酸のごとき有機一塩基酸や、アスコル
ビン酸、酒石酸、シュウ酸、タンニン酸、没食子酸など
の有機多塩基酸が例示できる。
【0013】これら本発明で用いる金属イオンを含む化
合物のうち、鉄および/またはマンガンのイオンを含む
化合物が、特に好ましい結果を与える。特に、前記特開
平3−188939号公報に記載の組成物、例えば、
鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、アルミニウ
ム、銅、錫およびコバルトよりなる群から選ばれた少な
くとも1種の金属と、オキシ多塩基酸類から選ばれた少
なくとも1種の酸との反応生成物が、未反応の該金属と
共存している共存物であるところの組成物、より好まし
くは鉄および/またはマンガンと、アスコルビン酸、ク
エン酸、酒石酸およびグルコン酸よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の酸との反応生成物が、未反応の該金
属と共存している共存物であるところの組成物、および
これら共存物にさらに固体塩基を配してなる組成物等
を、本発明で用いる金属イオンを含む化合物として使用
するとメルカプタン類のみならず、アンモニア、トリメ
チルアミン硫化水素などの代表的な悪臭全般に効果的な
空気清浄力を有する組成物を得ることができるため好ま
しい。
【0014】本発明の組成物においては、共存させる単
体硫黄の粒径は小さいことが望ましく、通常1000μ
m以下、好ましくは0.005〜100μm、より好ま
しくは0.005〜10μmであり、小さいほど空気清
浄力は強い。その共存量は、本発明の組成物の表面積中
に占める単体硫黄の表面積の割合が、95〜0.001
%になるような量である。この割合が大きいほど、脱メ
ルカプタン性能は大きくなる傾向があるが、アンモニア
などの窒素化合物系悪臭ガスに対する脱臭性能が低下す
る傾向もあるので、使用目的に合わせて共存量を調整す
ることが好ましい。
【0015】本発明の組成物においては、本発明で用い
る金属イオンを含む化合物と単体硫黄とは、担体上に担
持されて共存してもよい。担体としては、シリカ、アル
ミナ、マグネシア、チタニア、酸化鉄などの金属酸化物
やこれらの複合酸化物、ゼオライト類、活性白土、珪ソ
ウ土、活性炭などの一般的に触媒担体として用いられて
いるものが広範に使用できる。また、金属多孔体やハニ
カム状金属も担体として好ましい。
【0016】なお、水酸化カルシウムなどの第3成分と
の共存ないしは複合化も本発明の組成物として含まれ
る。
【0017】本発明の組成物を製造するには各種の方法
が挙げられるが、本発明で用いる金属イオンを含む化合
物に単体硫黄を添加する方法が、簡便で好ましい。この
際、水酸化カルシウムなどの第3成分を併せて添加して
もよい。また、本発明で用いる金属イオンを含む化合物
は、前記の担体に担持してあってもよい。担持の方法は
触媒活性成分を担体へ担持する方法として一般的である
含浸法、すなわち、該化合物の水溶液ないしはスラリー
を担体に含浸させ、必要により水洗を行ない、乾燥ある
いは熱分解する方法が簡便である。
【0018】本発明で用いる金属イオンを含む化合物に
単体硫黄を添加する方法の具体的手法としては、単体硫
黄の溶液を用いる含浸法が例示できる。より具体的に
は、本発明で用いる金属イオンを含む化合物を、単体硫
黄の溶液に浸漬して単体硫黄を吸着させる吸着法もしく
は平衡吸着法、該化合物へ単体硫黄の溶液を吸い取らせ
る、ポア・フィリング法もしくはインシピエント・ウエ
ットネス法、該化合物を単体硫黄の溶液に浸漬したのち
溶媒を蒸発させ、単体硫黄を固定化する蒸発乾固法、該
化合物に単体硫黄の溶液を噴霧するスプレー法などを挙
げることができる。
【0019】含浸法で用いる単体硫黄の溶液の溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、二硫化炭素などの単体硫黄を溶解す
ることができる有機溶媒が広範に使用できる。また、単
体硫黄の微粒子を、水等の単体硫黄に対する溶解度の低
い溶媒に分散させたスラリーも厳密には溶液とは異なる
が、実質的には単体硫黄の溶液として上記の含浸法に使
用できる。この際、界面活性剤などの分散助剤を用いて
もさしつかえない。
【0020】また、含浸の際の単体硫黄の溶液の濃度
は、原則的には、いかなる濃度の溶液でも用いることが
できるが、0.01〜10重量%、特に0.1〜10重
量%で行なうのが望ましい。同様に単体硫黄の溶液の温
度は、使用する溶媒の沸点以下であればよく、好ましく
は0〜150℃、より好ましくは10〜100℃の範囲
である。
【0021】単体硫黄を添加する方法における、含浸法
以外の具体的手法としては、本発明で用いる金属イオン
を含む化合物と、単体硫黄の粉末とを、固体状態で混練
する方法や、該化合物の水溶液に、単体硫黄の粉末を加
えてスラリーとした後、蒸発乾固する方法を挙げること
ができる。この際の単体硫黄の粉末の粒径は小さいほど
よく、通常1000μm以下、好ましくは0.005〜
100μm、より好ましくは0.005〜10μmであ
る。
【0022】単体硫黄を添加する方法以外の本発明の組
成物の製造方法としては、本発明で用いる金属イオンを
含む化合物が、酸化鉄である場合には、硫化鉄を酸化分
解させる方法を挙げることができる。すなわち、一般
に、金属硫化物は水存在下で相当する酸化物ないしは水
酸化物と単体硫黄とに分解可能であるが、特に硫化鉄、
とりわけFeSで表されるピロタイト類は、水分存在下
で速やかに酸化分解され、本発明の組成物である酸化鉄
と単体硫黄との共存物を与える。この酸化分解は、過酸
化水素のような強い酸化剤を作用させても行ない得る
が、硫化鉄を水分存在下、大気中で放置ないしは通気す
ることで、容易に実施できる。硫化鉄は、水分ならびに
大気中の酸素との接触面の多い、粒状が好ましい。水分
は、大気に飽和させて存在させてもよいが、硫化鉄に表
面がほぼ濡れる程度に添加するのが、もっとも効率がよ
い。温度は室温で十分であるが、加温してもよい。ま
た、大気の代わりに、酸素を溶かした空気を用いること
も好ましい実施態様の一つである。
【0023】
【作用】本発明者等の研究によれば、本発明で用いる金
属イオンを含む化合物は、大気中でメルカプタン類を酸
化分解し、ジスルフィド類に変える。ジスルフィド類は
悪臭の程度はメルカプタン類より低いが、類似した臭い
を持つため、その生成を抑制することが必要である。こ
の知見を基にさらに研究したところ、単体硫黄とを共存
させると、ジスルフィド類が生成する際の中間体である
メルカプタンラジカルが単体硫黄に付加して固定され、
ジスルフィド類の生成が抑制されることが分かった。ま
た、単体硫黄はメルカプタン類からメルカプタンラジカ
ルへの生成を促進する効果もある。このような作用で本
発明の組成物は、脱メルカプタン性能に優れ、かつジス
ルフィド類の生成を抑制する。
【0024】
【実施例】以下、実施例、参考例および比較例にて本発
明をさらに詳細に説明する。
【0025】参考例 目の粗さが20PPIのウレタンフォームに、粒径10
μm以下の微細銑鉄粉末を塗着して、非酸素雰囲気で1
150℃、2時間焼成して、鉄多孔体を得た。これを以
下の実施例で用いた。
【0026】実施例1 鉄多孔体1gを、リン酸二水素ナトリウムの3.5重量
%水溶液に100℃で1時間浸漬し、大気中で風乾し
た。ついで、単体硫黄の1重量%ベンゼン溶液に20℃
で30分浸漬した後、大気中に放置し、溶媒を蒸発させ
た。得られた組成物は、表層は、ほぼリン酸鉄で覆われ
ており、その上に粒子径10μm以下の単体硫黄の粒子
が分散して存在していた。組成物の全表面積に対する単
体硫黄粒子の表面積の割合は、約5%であった。
【0027】このようにして得た組成物を、内容積1リ
ットルの密閉容器に入れ、210ppmのメチルメルカ
プタンを導入した。22時間後のメチルメルカプタン濃
度は7ppmであった。また、この際生成したジメチル
スルフィドは9ppmであった。
【0028】比較例1 鉄多孔体1gを、リン酸二水素ナトリウムの3.5重量
%水溶液に100℃で1時間浸漬し、大気中で風乾し
た。
【0029】これを、内容積1リットルの密閉容器に入
れ、210ppmのメチルメルカプタンを導入した。2
2時間後のメチルメルカプタン濃度は5ppmであっ
た。またこの際生成したジメチルスルフィドは87pp
mであった。
【0030】実施例2 鉄多孔体1gを、アスコルビン酸0.1mol/リット
ル、硫酸鉄0.3mol/リットルおよび水酸化カルシ
ウム0.4mol/リットルを含む水溶液に浸漬した
後、大気中で風乾した。ついで、単体硫黄の1重量%ベ
ンゼン溶液に20℃で30分浸漬した後、大気中に放置
し、溶媒を蒸発させた。得られた組成物は、表層は、L
−アスコルビン酸鉄錯体でほぼ覆われており、その上に
粒子径10μm以下の単体硫黄の粒子が分散して存在し
ていた。組成物の全表面積に対する単体硫黄粒子の表面
積の割合は、約5%であった。
【0031】このようにして得た組成物を、内容積1リ
ットルの密閉容器に入れ、120ppmのメチルメルカ
プタンを導入した。60分後のメチルメルカプタン濃度
は、10ppmであった。また、この際生成したジメチ
ルスルフィドは12ppmであった。
【0032】比較例2 鉄多孔体1gを、アスコルビン酸0.1mol/リット
ル、硫酸鉄0.3mol/リットルおよび水酸化カルシ
ウム0.4mol/リットルを含む水溶液に浸漬した
後、大気中で風乾した。
【0033】これを、内容積1リットルの密閉容器に入
れ、120ppmのメチルメルカプタンを導入した。6
0分後のメチルメルカプタン濃度は、106ppmであ
った。また、この際生成したジメチルスルフィドは5p
pmであった。
【0034】実施例3 四三酸化鉄の粉末0.5gと、単体硫黄の粉末0.5g
とを良く混合し、内容積1リットルの密閉容器に入れ、
120ppmのメチルメルカプタンを導入した。60分
後のメチルメルカプタン濃度は、0ppmとなった。
【0035】比較例3 四三酸化鉄の粉末1gを、内容積1リットルの密閉容器
に入れ、130ppmのメチルメルカプタンを導入し
た。60分後のメチルメルカプタン濃度は、72ppm
であった。
【0036】実施例4 硫化鉄(FeS)の粉末1gに水1gを添加し、室温で
12時間放置後、風乾した。
【0037】これを、内容積1リットルの密閉容器に入
れ、140ppmのメチルメルカプタンを導入した。6
0分後のメチルメルカプタン濃度は、0ppmとなっ
た。
【0038】比較例4 硫化鉄(FeS)の粉末1gを、内容積1リットルの密
閉容器に入れ、110ppmのメチルメルカプタンを導
入した。60分後のメチルメルカプタン濃度は、53p
pmであった。
【0039】実施例5 鉄多孔体40gを、L−アスコルビン酸0.1mol/
リットル、硫酸鉄0.3mol/リットルおよび水酸化
カルシウム0.4mol/リットルを含む水溶液に浸漬
した後、大気中で風乾した。これに、単体硫黄の7重量
%二硫化炭素溶液10mlを噴霧した後、大気中に放置
し、溶媒を蒸発させた。得られた組成物の表層には、粒
径100μm以下の単体硫黄0.23gが分散して付着
していた。
【0040】このようにして得た組成物を、40リット
ルの密閉容器に入れ、50ppmのメチルメルカプタン
を導入した。30分後のメチルメルカプタン濃度は、3
ppmであった。
【0041】ついで、1000リットルの密閉容器に入
れ、30ppmのアンモニアを導入した。30分後のア
ンモニア濃度は、6ppmであった。
【0042】ついで、1000リットルの密閉容器に入
れ、10ppmの硫化水素を導入した。30分後の硫化
水素濃度は、0ppmであった。
【0043】実施例6 鉄多孔体40gを、L−アスコルビン酸0.1mol/
リットル、硫酸鉄0.3mol/リットルおよび水酸化
カルシウム0.4mol/リットルを含む水溶液に浸漬
した後、大気中で乾燥させた。7重量%の単体硫黄の二
硫化炭素溶液に20℃で1分間浸漬した後、大気中で風
乾した。得られた組成物の表層には、粒径100μm以
下の単体硫黄1.3gが分散して付着していた。
【0044】これを、40リットルの密閉容器に入れ、
50ppmのメチルメルカプタンを導入した。30分後
のメチルメルカプタン濃度は、3ppmであった。
【0045】ついで、1000リットルの密閉容器に入
れ、30ppmのアンモニアを導入した。30分後のア
ンモニア濃度は、5ppmであった。
【0046】ついで、1000リットルの密閉容器に入
れ、10ppmの硫化水素を導入した。30分後の硫化
水素濃度は、0ppmであった。
【0047】上記の実施例1〜2と比較例1〜2の比較
により、本発明で用いる金属イオンを含む化合物と単体
硫黄とを共存させた組成物は、脱メルカプタン性能に優
れ、かつジメチルスルフィドの生成も抑制していること
が分かった。
【0048】また、実施例3と比較例3とからも、本発
明の組成物は、メルカプタン類に対する優れた脱臭性能
を有していることが分かった。
【0049】実施例4と比較例4とから、硫化鉄の酸化
分解により、メルカプタン類に対する脱臭性能が優れ
た、本発明の組成物が得られることが分かった。
【0050】実施例5および6により、本発明の空気清
浄力を有する組成物は、メルカプタン類のみならず、ア
ンモニア、硫化水素に対しても、非常に優れた脱臭性能
を示す、バランスのとれた脱臭剤であることが分かっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明により、アンモニアやトリメチル
アミンのごとき窒素化合物系臭気成分や、硫化水素に加
えて、メルカプタン類も効率よく除去できる空気清浄力
を有する組成物を安価に提供できるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青柳 邁 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 竹村 洋三 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルトよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含む化合物
    と、単体硫黄とを共存させたことを特徴とする空気清浄
    力を有する組成物。
  2. 【請求項2】 鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルトよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含む化合物
    に、単体硫黄を添加することを特徴とする請求項1に記
    載の組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、錫およびコバルトよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含む化合物が
    酸化鉄である場合に、硫化鉄を酸化分解させることを特
    徴とする請求項1に記載の組成物の製造方法。
JP4095678A 1992-04-15 1992-04-15 空気清浄力を有する組成物およびその製造方法 Withdrawn JPH05293363A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6482693B1 (ja) * 2018-01-31 2019-03-13 株式会社村上開明堂 陰イオン吸着剤および陰イオン吸着剤の製造方法
CN114632540A (zh) * 2020-12-15 2022-06-17 青岛品森环保科技有限公司 一种复合氧化物改性zsm-5分子筛催化净味模块的制备方法

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