JP7373290B2 - 結晶軸配向ゼオライト膜およびその製造方法 - Google Patents

結晶軸配向ゼオライト膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、結晶軸を所定方向に配向した結晶軸配向ゼオライト膜、およびその製造方法に関する。より詳細には、磁場中で、多孔質基体上にゼオライト結晶を担持することで、結晶軸を所定方向に配向した結晶軸配向ゼオライト種結晶層をあらかじめ形成し、該結晶軸配向ゼオライト種結晶層を有する多孔質基体をゼオライト合成溶液に浸漬させ水熱処理することで得られる、結晶軸配向ゼオライト膜およびその製造方法に関する。
ゼオライトは、分子と同程度の細孔を有する結晶性のアルミノシリケートであり、A型(LTA)、Y型(FAU)、モルデナイト型(MOR)、ベータ型(BEA)、ZSM-5型(MFI)など種々の構造が存在し、その多くは、電気的中性を保つため、結晶内にNaイオンやCaイオンなどの対イオンが存在する。尚、括弧内の表記は国際ゼオライト学会が規定した構造コードである。これらのゼオライトは、各々の化学組成や結晶構造に基づいた固有の吸着能、触媒能、イオン交換能等を有しており、吸着材、触媒、イオン交換体、分離膜といった用途で利用されている。
近年、ゼオライトの用途として、無機多孔質基体表面に形成させたゼオライト膜をガス混合物、または液体混合物の分離膜として利用する検討が盛んにおこなわれている。ゼオライト膜の合成法として最も一般的なもののひとつが二次成長法であり、これは、多孔質基体上にあらかじめゼオライトの種結晶を担持して種結晶層を形成した後に、水熱処理等によってこの種結晶を成長させることでゼオライト膜を得る方法である。二次成長法は、緻密性、配向性に優れたゼオライト膜を得ることが出来る優れたゼオライト膜合成法であり、この手法を利用してゼオライト細孔の開孔方向(配向性)を制御し、透過度の高いゼオライト膜を合成する検討が行われている。
上記例として、特許文献1には、耐酸性に優れ有益であるものの開口方向がc軸に限定されるMORゼオライトから成る配向性制御膜の製造法として、二次成長法における水熱合成用溶液の組成、水熱処理温度、水熱処理時間等を精緻に調整することで、分離膜として実用性のあるc軸配向MORゼオライト膜を製造する方法が示されている。より詳細には、SiO/Al(モル比)が40~100、HO/NaO(モル比)が100~120、HO/SiO(モル比)が30~40である原料溶液を用いて150℃で5時間の水熱処理することで、分離膜として実用性のあるc軸配向MORゼオライト膜を製造する方法が示されている。
しかしながら、この文献で開示された製造方法においては、水熱合成用溶液の組成によりMORゼオライト膜の配向性がb軸またはc軸に変化する旨の記載があり、MORゼオライト膜が得られる水熱処理条件の中でも更に限定的な条件でのみしかc軸配向MORゼオライト膜が得られなかった。
非特許文献1には、多孔質基体上へのモルデナイト型ゼオライト結晶の担持において、磁場中に配置した多孔質基体上に、結晶を含むスラリーを接触させることで、配向性を制御したモルデナイト結晶層を形成する手法が開示されている。
しかしながら、この時用いられたモルデナイト型ゼオライト結晶は、磁場と平行方向にb軸が配向する特徴を有しており、平板の多孔質基体表面に対して垂直方向にc軸を配向させるためには、基体に平行な磁場中で、基体を基体表面に垂直な軸で回転させることが必要だと示されているが、この方法では、基体表面に部分的にc軸配向したモルデナイト結晶層が得られるのみであった。そのため、十分なc軸配向性を有するモルデナイトゼオライト膜を得るのに適するものではなかった。また、ゼオライト膜は、水熱処理等によって種結晶を成長させて得られる膜であるため、膜中にはゼオライトが緻密に集合するが、非特許文献1の方法で得られたモルデナイト結晶層では、モルデナイト型ゼオライト結晶が単に多孔質基体表面に担持されるだけであり、モルデナイト型ゼオライトは緻密に集合しない。このため、非特許文献1に記載される方法では、ゼオライトが緻密に集合するゼオライト膜を得ることはできない。
特許第4527229号
C. Matsunaga et. al, Microporous and Mesoporous Materials, Vol.151(2012年), P188-194
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、c軸配向性を有するMORゼオライトにより構成されるc軸配向MORゼオライト膜と、その製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定のc軸配向MORゼオライト膜が得られ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を有するc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜である。
本発明によれば、c軸配向性を有するMORゼオライトにより構成されるゼオライト膜とその製造方法を提供することができる。
実施例1のMORゼオライト膜のSEM画像である。 実施例2と比較例1のMORゼオライト膜のNガス透過度とFortho値との関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を有するc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜である。
本発明において、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を有するc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜は、磁場中で、多孔質基体上にあらかじめモルデナイト型ゼオライト(以下、「MORゼオライト」ともいう)を担持してc軸配向モルデナイト(MOR)種結晶層を形成し、その後、水熱処理等によってこの種結晶層のMORゼオライトを結晶成長させることで得られる膜である。本発明のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜は、c軸配向(MOR)ゼオライト種結晶層を形成した後に、MORゼオライトを結晶成長して得られる膜であるため、c軸配向(MOR)ゼオライト種結晶層が残存するものである。
本発明のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜(以下、単に「MORゼオライト膜」ともいう)は、c軸配向性を有するMORゼオライトにより構成されるゼオライト膜である。
c軸配向性を有するとは、a軸、あるいはb軸に比べ、c軸がより配列した状態であることを指し、例えば、配向度を表すFortho値が0.1以上あることを指す。なお、Fortho値の詳細は、後述する。
また、ゼオライト膜とは、水熱処理等によって種結晶(MORゼオライト)を結晶成長することで生成されるMORゼオライト(以下、「成長MORゼオライト」ともいう)を含む膜を指す。つまり、本発明のc軸配向MORゼオライト膜には、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層だけでなく、成長MORゼオライトが含まれる。
本発明のc軸配向MORゼオライト膜において、成長MORゼオライトは、緻密に集合して層(以下、「成長層」ともいう)を形成していてもよく、種結晶層の表面がこの成長層で覆われていてもよい。なお、成長層には、成長MORゼオライトの他にも、シリカ、アルミナなどのMORゼオライトとは異なる他の成分が含まれていてもよい。
本発明のMORゼオライト膜は、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を有する。c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層(以下、単に「種結晶層」ともいう)とは、c軸配向性を有するMORゼオライトにより構成される層であり、種結晶層を構成するMORゼオライトの少なくとも一部が種結晶として結晶成長のために使用される層である。本発明のMORゼオライト膜に含まれる上述した成長ゼオライトは、種結晶層に含まれる種結晶(MORゼオライト)を結晶成長することで生成されるものである。
種結晶層の配向度(例えば、Fortho値)は、本発明のMORゼオライト膜の配向度と異なっていてもよく同一であってもよい。一方で、本発明のMORゼオライト膜の配向度は、種結晶層を構成するMORゼオライトよりも、上述した成長ゼオライトによる影響が反映されやすいため、本発明のMORゼオライト膜と種結晶層の配向度は互いに異なる値となりやすい。
なお、種結晶層には、MORゼオライトの他にも、シリカ、アルミナなどの他の成分が含まれていてもよい。
種結晶層において、種結晶として使用されるMORゼオライトは、特定の対イオンが導入されていることが好ましい。なお、本明細書において、対イオンとは、MORゼオライトの酸点の対イオンを指す。
種結晶として使用されるMORゼオライトは、特定の対イオンが導入される前に、該対イオンとは異なる他の対イオン(以下、単に「他の対イオン」ともいう)が導入されていてもよい。このような他の対イオンとしては、特に制限はないが、イオン交換の容易さ、ハンドリングの観点から、水素、またはナトリウムであることが好ましい。なお、他の対イオンが導入されている場合には、他の対イオンを特定の対イオンにイオン交換することで、特定の対イオンが導入されたMORゼオライトを得ることができる。
種結晶層は、例えば、MORゼオライトの粉末を含有するスラリーを、多孔質基体などに塗布及び乾燥することで形成できる。該スラリーを調製するためのMORゼオライトの粉末は、乾式ボールミル、ジェットミルなどの乾式法や湿式ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミルなどの湿式法の粉砕方法によって製造することができる。スラリー作成方法は、例えば、多孔質基体への塗布方法に応じて適切なものを選択することができる。
本発明において、種結晶層を構成するMORゼオライトの結晶軸の配向は、磁場中で調整することができるが、結晶軸の配向は、効率的に行うことができることが好ましい。該観点から、MORゼオライトの粉末は、粉砕後、粒径に応じて、適切な分離法により分離することが好ましい。分離後の粒径分布はMORゼオライトの単結晶のサイズと同程度であることが好ましい。尚、分離法として遠心分離、沈降分離などが例示できる。
種結晶層のMORゼオライトに導入する特定の対イオンとしては、磁場の磁力線に対して平行方向にc軸が配向する特徴をMORゼオライトに付与することが可能なイオンであることが好ましく、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、Gdイオンから成る群から選択される1種以上のイオンを含有することがより好ましく、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオンから成る群から選択される1種以上のイオンを含有することがさらに好ましく、Coイオン、又はPrイオンを含有することが特に好ましい。
MORゼオライトに対イオンを導入する方法(イオン交換方法)は特に制限はなく、例えば、MORゼオライトの対イオンにPrイオンを導入する場合、Prイオンを含む水溶液にNa型またはH型のMORゼオライトを浸漬して製造することができる。Prイオンを含む溶液としては硝酸プラセオジム水溶液、塩化プラセオジム水溶液などを例示することができる。水溶液中のPrイオンの濃度は0.001~0.3Mが好ましく、0.001~0.1Mが更に好ましい。尚、Mはmol/Lである。
Mn、Co、Ni、Nd、GdイオンをMORゼオライトの対イオンに導入する場合も、上記例と同様、Mn、Co、Ni、Nd、Gdイオンを含む水溶液にNa型またはH型のMORゼオライトを浸漬して製造することができる。Mn、Co、Ni、Nd、Gdイオンを含む溶液としては、それぞれのイオンを含む硝酸塩、または塩化物塩を溶解させた水溶液などを例示することができる。水溶液中のMn、Co、Ni、Nd、Gdイオンの濃度は0.001~0.3Mが好ましく、0.001~0.1Mが更に好ましい。
種結晶層は、例えば、多孔質基体に担持されていてもよい。種結晶層を構成するMORゼオライト(種結晶)を担持する多孔質基体としては、特に制限はないが、圧力差に耐える強度や、脱水濃縮時の温度で変形などの起こさない耐熱性を有するものが好ましい。多孔質基体としては、例えば、無機系多孔質基体、有機系多孔質基体、又は無機有機ハイブリッド多孔質基体等が挙げられる。
無機系多孔質基体としては、特に限定するものではないが、表面にMOR型ゼオライトを担持でき、多孔質であれば特に制限されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア、窒化珪素、または炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、またはステンレスなどの焼結金属、ガラス、カーボン成形体等が用いられる。
有機系多孔質基体としては、特に限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル等のビニル重合体、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の縮合重合体、または天然系高分子化合物等が挙げられる。
無機有機ハイブリッド多孔質基体としては、特に限定するものではないが、例えば、前記無機系多孔質基体と前記有機系多孔質基体を混合又は積層させたものが挙げられる。
多孔質基体表面層の細孔径としては、好ましくは0.05~1.5μm、さらに好ましくは0.1~1.2μmである。多孔質基体の細孔径の評価は、バルブポイント法や水銀圧入法などで行うことができる。尚、「多孔質基体表面層」とは、成長MORゼオライトを形成し得る基体表面部分をいい、具体的には、多孔質基体の外表面から、多孔質基体の25%程度までの厚さの部位をいう。また、多孔質基体表面層以外の部分の細孔径は特に制限されないが、その部分の気孔率は気体や液体を分離する際の強度及び透過度の観点から、20~60%程度の気孔率を有するものが好ましい。
なお、本発明のc軸配向MORゼオライト膜において、ゼオライトの結晶相(結晶構造)は、X線回折測定により確認することができる。
次に、本発明のMORゼオライト膜を製造する方法について説明する。以下の説明では、本発明のMORゼオライト膜の製造方法の一例として、多孔質基体上に、MORゼオライト膜を製造する方法について説明する。
本発明のc軸配向MORゼオライト膜は、概して、多孔質基体上にあらかじめMORゼオライトを担持して種結晶層を形成し、これをゼオライト合成溶液に浸漬して水熱処理することによって、この種結晶層に含まれるMORゼオライト(種結晶)を結晶成長させ、緻密に集合した成長MORゼオライトを生成することにより製造することができる。この方法は、緻密なゼオライト膜の合成法として一般的な二次成長法である。二次成長法の具体的な処理は、例えば、特開2017-213488号公報や、特開2005-289735号公報や、特開2016-174996号公報に記載されているため、詳細な説明は省略する。
本発明に係る製造方法では、一般的な二次成長法とは異なり、種結晶層の形成の際に、磁場中で多孔質基体にMORゼオライトを担持することで、c軸配向MORゼオライト種結晶層を形成する。そして、これをゼオライト合成溶液中に浸漬し水熱処理を行うことで本発明のゼオライト膜を製造する。なお、本明細書において、磁場は、磁力線の間隔が均一で磁力線どうしが平行な平行磁場を指す。
本発明の製造方法では、種結晶層を構成するためのMORゼオライトに、磁場の磁力線に対して平行方向にc軸が配向する特徴をMORゼオライトに付与する特定の対イオンが含有されていることが好ましい。つまり、本発明の製造方法は、特定の対イオンを含有するMORゼオライトを、磁場中で多孔質基体に担持することにより、磁力線に対して平行方向にc軸配向したMORゼオライトで種結晶層を形成し、該種結晶層を有する多孔質基体を、ゼオライト合成溶液に浸漬し水熱処理する製造方法であることが好ましい。
本発明に係る製造方法で用いられるゼオライト合成溶液は、MORゼオライトを構成する成分を含む溶液であり、例えば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ金属塩を所定の量比となるように混合し、一定時間熟成させることで得ることができる。
前記アルカリ金属塩はMORゼオライト膜の対イオン源として利用されるものであり、対イオンとなるものであれば、特に制限はなく、例えばアルカリ土金属塩や遷移金属塩なども用いることができる。
前記シリカ源としては、コロイダルシリカやシリカ微粉末などの固体シリカ、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムなどの無機ケイ酸化合物、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの有機シラン化合物等を例示することができる。
また、前記アルミナ源としては、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、または塩化アルミニウムなどの無機アルミニウム化合物、酢酸アルミニウムやシュウ酸アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物等を例示することができる。
また、アルカリ金属塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化ナトリウムなどを例示することができる。
シリカ源、アルミナ源、及びアルカリ金属塩の量比としては、MORゼオライトが得られる従来既知の比であれば特に制限はないが、Al/SiOモル比が0.5~0.004とすることができ、AO/SiOモル比が0.1~1.0(但し、Aはアルカリ金属を示す)であることが好ましい。
水熱処理の温度は、MORゼオライトが得られる従来既知の温度範囲であれば特に制限はなく、水熱処理後の結晶性が良いことから、130℃~200℃が好ましく、180℃前後がより好ましい。
水熱処理の時間は、得られるMORゼオライト膜の結晶性がよいことから、4時間以上が好ましく、6時間以上がより好ましい。
種結晶層を有する多孔質基体の、水熱処理中の浸漬形態に特に制限はないが、MORゼオライト(種結晶)を担持した面が、ゼオライト合成溶液の液面に対し、垂直になるように立設して配置する方法、または、平行になるように配置する方法があげられる。MORゼオライト(種結晶)を担持した面が平行になるように配置する方法においては、その面が、上側、下側のどちらを向いていてもよい。
種結晶層、及びゼオライト膜の配向度は、X線回折法により測定したX線回折ピーク強度(I)から算出可能なロットゲーリングファクター(F)を用いて評価でき、より簡便な評価方法としては、X線回折法により測定したX線回折ピークのうち(h00)、(0k0)、(00l)に該当するピークのみに着目し算出するロットゲーリングファクターオルソゴナル(Fortho)値によっても評価できる。
ロットゲーリングファクター(F)は、対象とする結晶面から回折されるX線のピーク強度を用いて、次式(1)により計算する。
F=(p-p)/(1-p) (1)
ここで、上式(1)におけるpは無配向サンプルのX線の回折強度(I)を用いて計算され、c軸配向の場合、全回折強度の和に対する、(00l)面(c軸と垂直な全ての面)の回折強度の合計の割合として、次式(2)により求める。
=ΣI(00l)/ΣI(hkl) (2)
(上式(2)中、h,k,lは、それぞれ整数を表す)
上式(1)におけるpは配向サンプルのX線の回折強度(I)を用いて計算され、c軸配向の場合、全回折強度の和に対する、(00l)面の回折強度の合計の割合として、上式(2)と同様に次式(3)により求める。
p=ΣI(00l)/ΣI(hkl) (3)
(上式(3)中、h,k,lは、それぞれ整数を表す)
ロットゲーリングファクターオルソゴナル(Fortho)値は対象とする結晶面から回折されるX線のピーク強度を用いて、次式(4)により計算する。
ortho=(portho-p0ortho)/(1-p0ortho) (4)
ここで、上式(4)におけるp0orthoは無配向サンプルのX線の回折強度(I)を用いて計算され、c軸配向の場合、(h00)、(0k0)、(00l)面の回折強度の和に対する、(00l)面(c軸と垂直な全ての面)の回折強度の合計の割合として、次式(5)により求める。
0ortho=ΣI(00l)/ΣI((h00)+(0k0)+(00l)) (5)
(上式(5)中、h,k,lは、それぞれ整数を示す)
上式(4)におけるporthoは配向サンプルのX線の回折強度(I)を用いて計算され、c軸配向の場合、(h00)、(0k0)、(00l)面の回折強度の和に対する、(00l)面の回折強度の合計の割合として、上式(5)と同様に次式(6)により求める。
ortho=ΣI(00l)/ΣI((h00)+(0k0)+(00l)) (6)
(上式(6)中、h,k,lは、それぞれ整数を示す)
本発明において、種結晶層のFortho値及びゼオライト膜のFortho値は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。種結晶層のFortho値については、0.3以上であることが特に好ましい。
次に、多孔質基体上への磁場を用いたMORゼオライトの担持方法(つまり、種結晶層の形成方法)について具体的に説明する。
まず、上述した特定の対イオンが導入されたMORゼオライトを所定量含むスラリーを用意する。該スラリーを、多孔質基体(例えば、平板上の多孔質基体)の外表面に対して磁力線が垂直に交わる1テスラ以上の磁場中で、その多孔質基体の表面に、MORゼオライトを含むスラリーを所定量均一に滴下して、30秒間保持する。この間にMORゼオライトが配向するとともに、スラリー中の水が多孔質基体中に給水され、MORゼオライトがc軸配向性を有した状態で多孔質基体表面に固定化(つまり、担持される)される。その後、MORゼオライト(種結晶)が担持された多孔質基体を磁場から取り出し、20℃、60分の乾燥を行うことで、MORゼオライトを担持した(つまり、種結晶層が形成された)多孔質基体を得ることができる。
前記磁場については、多孔質基体の外表面に対して磁力線が垂直に交わるとともに、磁束密度が1T以上であればよく、対イオン源や配向の程度によって選択することができる。例えば、対イオンがCoイオンで担持するMORゼオライト(種結晶)の大きさが約0.3μmのとき、磁束密度として10Tを選択すると配向度Fortho値が0.7以上を得ることができる。
なお、多孔質基体の外表面に対する磁力線の角度や磁束密度は、担持するMORゼオライトの対イオンなどに応じて選択することができ、上述した例に限定されるものではない。
前記MORゼオライトを所定量含むスラリーは、例えば、対イオンが導入されたMORゼオライト10gを水50gに混合し、直径0.5mmのジルコニアボールとともに8時間ボールミル混合することによって分散させ、その後4日間静置し、上澄みを採取することで調製できる。
滴下するスラリーの量および濃度としては、多孔質基体に担持するMORゼオライト(種結晶)の単位面積あたりの担持量にあわせて滴下し、担持されたMORゼオライト(種結晶)の濃度を多孔質基体表面に対して5~20g/mとなるように調整することが挙げられる。例えば、直径3cmで厚さが2mmの多孔質基体では、濃度1~5wt%のスラリーを1~2ml滴下することで前記種結晶層が形成された多孔質基体を得ることができる。
MORゼオライト膜の透過度は、被処理流体をMORゼオライト膜表面へ供給し、透過側の流量を流量計により測定することにより求めることができる。透過度の測定に用いる被処理流体には特に制限はなく、H、He、N、SFなどの無機ガスが例示できる。透過度は次式により算出できる。
透過度=(透過流量(mol/s))/(膜面積(m))/(圧力差(Pa))
ここで、圧力差は流体供給側(膜透過前)の圧力と膜透過側(膜透過後)の圧力の差分である。
MORゼオライト膜の透過度測定に際して、MORゼオライトの細孔内に吸着した水分を熱処理等により除去することで、MORゼオライト膜の流体透過度がより正確に評価可能である。
例えば、MORゼオライト膜の窒素ガスの透過度は、窒素ガス20℃において、150mol/m/s/Pa以上とすることができ、200mol/m/s/Pa以上であることが好ましい。なお、透過度は、例えば、流体の分圧差を0.2MPa、膜面積を0.00063m、及び膜温度を20℃の条件で行う試験に基づいて求めることができる。
熱処理温度は、細孔内の水分子が除去され、かつMORゼオライトの骨格構造が崩壊しない温度範囲であれば特に制限はないが、水分子が確実に除去できるという点において、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。MORゼオライト膜結晶構造安定性の点では、500℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、300℃以下がさらに好ましい。
本発明によれば、c軸配向性を有するMORゼオライトにより構成されるゼオライト膜とその製造方法を提供することができる。本発明のMORゼオライト膜を利用することで、単位時間あたりにより多くの被処理流体を処理することができる。また、単位時間あたりに、より多くの被処理流体を処理することが出来る。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
参考例1 Mnイオン交換方法
16.7gの塩化マンガン(II)4水和物を694.94gの蒸留水に溶解させ、0.12mol/L(M)のマンガン(II)イオン濃度とした溶液中に、50gの東ソー製MORゼオライト(HSZ-642NAA)(対イオンとして、あらかじめナトリウムイオン導入)を添加し28時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでMn―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Mn交換率60%であることが分かった。
参考例2 Coイオン交換方法
95.11gの塩化コバルト(II)6水和物を358.29gの蒸留水に溶解させ、1.0mol/L(M)のコバルト(II)イオン濃度とした溶液中に、45gの東ソー製MORゼオライト(HSZ-640HOA)(対イオンとして、あらかじ水素イオン導入)を添加し28時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでCo―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Co交換率30%であることが分かった。
参考例3 Niイオン交換方法
95.062gの塩化ニッケル(II)を400.09gの蒸留水に溶解させ、1.0mol/L(M)のニッケル(II)イオン濃度とした溶液中に、20.41gの東ソー製MORゼオライト(HSZ-642NAA)(対イオンとして、あらかじめナトリウムイオン導入)を添加し24時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでNi―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Ni交換率59%であることが分かった。
参考例4 Prイオン交換方法
14.94gの塩化プラセオジム(III)7水和物を395.07gの蒸留水に溶解させ、0.10mol/L(M)のプラセオジム(III)イオン濃度とした溶液中に、30gの東ソーMOR製ゼオライト(HSZ-640HOA)(対イオンとして、あらかじめ水素イオン導入)を添加し24時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでPr―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Pr交換率56%であることが分かった。
参考例5 Ndイオン交換方法
24.97gの塩化ネオジム(III)6水和物を695.81gの蒸留水に溶解させ、0.10mol/L(M)のネオジム(III)イオン濃度とした溶液中に、50gの東ソー製MORゼオライト(HSZ-642NAA)(対イオンとして、あらかじめナトリウムイオン導入)を添加し28時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでNd―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Nd交換率57%であることが分かった。
参考例6 Gdイオン交換方法
13.01gの塩化ガドリニウム(III)6水和物を346.54gの蒸留水に溶解させ、0.10mol/L(M)のガドリニウム(III)イオン濃度とした溶液中に、25gの東ソー製MORゼオライト(HSZ-642NAA)(対イオンとして、あらかじめナトリウムイオン導入)を添加し22時間の攪拌混合を行った。続いて、吸引濾過によりこの粉末を回収し、100℃で一晩乾燥することでGd―MORゼオライトサンプルを得た。このサンプルをICP測定した結果、Gd交換率51%であることが分かった。
参考例7 多孔質基体への磁場中でのMORゼオライト(種結晶)の担持
参考例1乃至6で得た、対イオンとして、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、又はGdイオンを含有するMORゼオライト各5.0g、蒸留水10g、Φ0.5ジルコニアボール200gを250mL容量の樹脂ポットに入れ、8時間のボールミル粉砕を実施した。粉砕後のスラリーに蒸留水50gを添加し、これを回収、デカンテーション4日間の後に上澄みのみを30mL採取し、MORゼオライト(種結晶)の担持に用いるスラリーとした。このスラリーを平板状のAl2O3多孔体に1.5mL滴下し、平板状のAl多孔体の外表面に対し、垂直に磁力線が交わる10Tの磁場を、超伝導マグネットを用いて印加した状態で30秒間保持した。その後、20℃、60分の乾燥を行い、得られた種結晶層を有するAl多孔体表面について以下に示す条件でX線回折測定を実施した。
(X線回折測定条件)
XRD装置:RINT UltimaIII
線源 : CuKα線(λ=1.54Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件: 毎分6.5°
発散スリット: 1/3deg
散乱スリット: 1/3deg
受光スリット: 7.0mm、0.15mm
ステップ幅 : 0.01°
測定範囲 : 2θ=5~40°
X線回折結果と上式(4)~(6)を用いて、Fortho値を算出した。算出されたFortho値をそれぞれ表1に示す。
Al多孔体表面に形成された種結晶層において、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、Gdイオンを対イオンとしてそれぞれ含有するMORゼオライトがc軸配向性を有していることを確認した。
参考例8 多孔質基体への磁場中でのNa型ゼオライト(種結晶)担持
対イオンとして用いたMnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、Gdイオンの代わりにNaイオンを含有したMORゼオライトを用いたこと以外は、参考例7と同様の方法でスラリーを取得した。このスラリーを、平板状のAl多孔体に1.5mL滴下し、平板状のAl多孔体の外表面に対し、垂直に磁力線が交わる10Tの磁場を印加した状態で30秒間保持した。その後、20℃、60分の乾燥を行い、得られた種結晶層を有するAl多孔体表面について、上述した方法と同じ方法でX線回折測定を実施した。また、得られたX線回折結果から、Fortho値を算出した。結果を表1に合わせて示す。
算出されたFortho値は、表1に記載の通り、0.08であり、Al多孔体表面に担持されたMORゼオライトが特定の配向性を示さないことを確認した。
このことから、Mn、Co、Ni、Pr、Nd、Gdから成る群のうち1種以上を含有しないMORゼオライトでは、磁場によるc軸配向担持がなされないことが分かる。
参考例9 多孔質基体への磁場中のMORゼオライト(種結晶)担持における磁束密度の影響
対イオンとしてCoを含有する参考例2のMORゼオライトを含むスラリーを、参考例7と同様の方法で取得した。このスラリーを平板状のAl多孔体に1.5mL滴下し、平板状のAl多孔体の外表面に対し、垂直に磁力線が交わる磁束密度が1、2、4、5、7テスラのいずれかである磁場を印加し、30秒間保持した。その後、20℃、60分の乾燥を行い、得られた種結晶層を有するAl多孔体表面のX線回折測定を実施した。結果を表1に合わせて示す。
表1に記載の通り、1テスラの磁場中でAl多孔体表面にMORゼオライトを担持した種結晶層では、Fortho値が0.39となり、c軸配向性を有することを確認した。また、表1に記載の通り、2テスラ以上の磁場中でMORゼオライトを担持した種結晶層では、Fortho値が0.75以上となり、より高いc軸配向性を有することを確認した。また、10Tの磁場中でMORゼオライトを担持した種結晶層では、Fortho値が0.88以上となり、より高いc軸配向性を有することを確認した。
実施例1 c軸配向種結晶層を有するc軸配向MORゼオライト膜の製膜
非特許文献M. Matsukata et. al,Journal of Membrane Science, Vol.316 (2008年), p18-27を参考に、0.488gのアルミン酸ナトリウム(和光純薬製)を水酸化ナトリウム溶液(12.97gの水酸化ナトリウム(和光純薬製)+ 213.01gの蒸留水)に混合し、ウォーターバス中で50℃に保持した状態で30分の攪拌混合を行った。その後、123.54gのコロイダルシリカ(日産化学)を上記溶液に追加し、ウォーターバス中で50℃に保持した状態で4時間の攪拌混合を行いゼオライト合成用の透明溶液を得た。生成したゼオライト合成溶液のモル比は、36SiO:0.15Al:10NaO:960HOであった。
参考例2と同様の方法でイオン交換によりCoを導入するとともに、参考例7と同様の方法で多孔質アルミナ平板の表面に種結晶層を形成した。この多孔質アルミナ平板を圧力容器中に配置し、その圧力容器中に、上記ゼオライト合成溶液を注ぎ入れ、圧力容器を密閉した。この状態の圧力容器を180℃のオーブン内に6時間静置することで、水熱合成法によりMORゼオライト膜を合成した。急冷した後に圧力容器から取り出して得られたMORゼオライト膜を、100℃の沸騰水中に浸漬した後、100℃のオーブン内で乾燥させる処理を3回繰り返すことで、MORゼオライト膜の洗浄とともに余分に生成したアモルファスを除去した。こうして得られたMORゼオライト膜をSEM観察したところ、図1の示すようなc軸配向したMORゼオライトの形態が見られ、c軸配向性を有するMORゼオライトで構成されるゼオライト膜が得られたことを確認した。
比較例1
磁場をかけずにMORゼオライト(種結晶)を多孔質アルミナ平板に担持したこと以外は、実施例1と同様の調製法で、MORゼオライト膜(No.1及びNo.2)を得た。種結晶層を形成した後とMORゼオライト膜を形成した後に、上述した方法でX線回折測定を実施し、Fortho値を得た。結果を表2に示す。
表2に記載の通り、これらサンプル(No.1及びNo.2)は、種結晶層のFortho値が0.00、または0.01であり、c軸配向性がないことを確認した。また、これらのサンプルは、MORゼオライト膜のFortho値が0.00、または0.04であり、c軸配向性がないことを確認した。
実施例2 c軸配向種結晶層を有するc軸配向MORゼオライト膜の製膜及びガス透過度測定
MORゼオライト中の対イオンがCoでなくPrであること以外は実施例1と同様の調製法で、MORゼオライト膜(No.3~No.6)を得た。種結晶層を形成した後とMORゼオライト膜を形成した後に、上述した方法でX線回折測定を実施し、Fortho値を得た。結果を表2に合わせて示す。
表2に記載される各サンプル(No.3~No.6)のFortho値から、これらのMORゼオライト膜がc軸配向性を有していることを確認した。
また、比較例1と実施例2のMORゼオライト膜について、窒素の透過度を測定した。窒素の透過度は、20℃のNガスをゼオライト膜表面へ供給し、透過側の流量を流量計により測定し、次式により算出した。
透過度=(透過流量(mol/s))/(膜面積(m))/(圧力差(Pa))
ガスの透過度の結果を表2に合わせて示す。また、Nガスの透過度とFortho値の関係を図2に示す。
その結果、図2に示すように、Fortho値とN透過度には正の相関がみられた。
本発明によるc軸配向MORゼオライト膜を利用することで、単位時間あたりにより多くの被処理流体を処理することができる。

Claims (5)

  1. c軸配向性を有するモルデナイト(MOR)ゼオライトにより構成される種結晶層と、
    前記種結晶層を覆う、c軸配向性を有するモルデナイト(MOR)ゼオライトにより構成される成長層と、を有し、
    前記種結晶層を構成するモルデナイト(MOR)ゼオライトが、対イオンとして、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、Gdイオンから成る群から選択される1種以上のイオンを含有するc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜。
  2. ortho値が0.1以上であることを特徴とする請求項1に記載のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜。
  3. 前記成長層を構成するモルデナイト(MOR)ゼオライトが、対イオンとして、アルカリ金属イオンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜。
  4. モルデナイト(MOR)ゼオライトに、対イオンとして、Mnイオン、Coイオン、Niイオン、Prイオン、Ndイオン、Gdイオンから成る群から選択される1種以上のイオンを導入する工程と、
    多孔質基体上に、平行磁場中で前記対イオンが導入されたモルデナイト(MOR)ゼオライトを担持することで、c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を形成する工程と、
    該c軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト種結晶層を有する多孔質基体をゼオライト合成溶液に浸漬させて水熱処理する工程と、
    を有する、請求項1から3のいずれか一つに記載のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜の製造方法。
  5. 前記磁場における磁束密度が1T以上であることを特徴とする請求項に記載のc軸配向モルデナイト(MOR)ゼオライト膜の製造方法。
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