JP4200302B2 - 多孔体へのチタン酸化物固定化法および該固定化法で作製した複合多孔体 - Google Patents

多孔体へのチタン酸化物固定化法および該固定化法で作製した複合多孔体 Download PDF

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Description

本発明は多孔体へのチタン酸化物固定化法に関するものである。
近年、多孔体を利用した吸着材料や多孔体中の細孔表面に酸化チタンなどの光触媒をコーティングして、吸着や光触媒作用を活用した水処理、脱臭、有害ガス分解除去などを目的とした多種多様な製品開発が市上されており、とくに、シリカゲル、活性炭、ゼオライトなどは比表面積が大きいために有機系化合物の吸着性能に優れている。そのため、細孔壁表面に酸化チタンをコーティングすると、高い吸着性能と大きな表面積による光触媒分解によって、有機物分解能力が格段に大きくなる。
従来、チタンイソプロポキシドなどの金属アルコキシド溶液を多孔体中に含浸させ、アルコールや水などの添加で加水分解させて加熱する方法が公知である。
一方、ヒドロゲルを出発原料として金属アルコキシドなどから製造した光触媒ゾルを含浸させてシリカゲル細孔表面に酸化チタンを被覆した多孔質光触媒が、諸種の悪臭や空気中に漂う有害物質の除去あるいは廃水処理や浄水処理などを行うための環境材料として有効であることが開示されている(特許文献1)。また、酸化チタン微粒子をシリカコロイドに分散した後、コロイドをゲル化し、次いで焼成する方法を用いて、透明性良好な酸化チタン超微粒子分散シリカゲルを、容易に入手可能な原料を用いて簡単な操作で効率よく得られることも開示されている(特許文献2)
特願2000−388108号公報 特開平06−298520号公報
しかし、上記従来技術はいずれも、十分な細孔内部への含浸被覆、生産効率を考慮したものとは言い難く、たとえば、シリカゲルや活性炭のように比表面積が大きくて細孔径が非常に小さい多孔体に対して、市販の酸化チタンゾルや金属アルコキシドを用いた光触媒ゾルを含浸しようとしても、酸化チタンのゾルの径は細孔径よりも小さいために多孔体の細孔内部へチタン化合物を含浸させ難いので、その大部分のものが多孔体の外表面に光触媒ゾルを塗布したものを商品としている。また、仮に細孔内部に入り込める液体を含浸させることができたとしても、最終的に酸化チタンを結晶化させるのに邪魔な不純物を取り去る洗浄などの工程において内部のチタン化合物の液体が漏洩したり、十分な酸化チタンの被覆ができないという問題が顕在化する。
また、金属アルコキシドの前駆体を含浸させる場合においても、金属アルコキシドが高価であり、含浸後に有機物や酸などの不純物が細孔内に残存してしまったり、不純物を取り去るために洗浄をすればチタン化合物の漏洩が起こるなどの不具合があり、そのために、多孔体中のチタン酸化物の含有量を正確に制御することが難しく、また、十分なチタン酸化物を導入し難いため、優れた吸着性と光触媒活性を備えたものが安定的に製造できないという問題が顕在化する。
本発明者らは、従来技術の叙上の不具合や問題点に鑑みて鋭意検討した結果、多孔体の細孔内に含浸させたペルオキソチタン化合物含む液体に対して、固定化液を接触させたり、多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体を過酸化物質にて処理したその後に固定化液を接触させたり、あるいは、多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体に対して固定化液を接触させたその後に過酸化物質にて処理したりすることにより、さらに必要ならば、加熱処理を施す工程を続けても、多孔体の外表面と細孔の内部表面の両方に、チタン酸化物が効率的に固定化できることを見出し、本発明を完成させたものである。
従って、本発明の目的とするところは、多孔体の外表面と細孔の内部表面の両方に、チタン酸化物が効率的に固定化できるチタン酸化物固定化法の提供にある。
上記課題を解決するために本発明が採用した手段は、請求項1の発明は、多孔体の細孔内に含浸させたペルオキソチタン化合物含む液体に対して、固定化液を接触させ、洗浄する工程を有するところに特徴を有するチタン酸化物固定化法を、その要旨とする。
請求項2の発明は、多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体を過酸化物質にて処理したその後に、固定化液を接触させ、洗浄する工程を有するところに特徴を有するチタン酸化物固定化法を、その要旨とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のチタン酸化物固定化法において、前記固定化液を接触させ洗浄する工程の後に、加熱処理する工程をさらに有するところに特徴がある。
請求項4の発明は、多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体に対して、固定化液を接触させたその後に、過酸化物質にて処理し、洗浄する工程を有するところに特徴がある。
請求項5の発明は、請求項4記載のチタン酸化物固定化法において、前記過酸化物質にて処理し、洗浄する工程の後に、加熱処理する工程をさらに有するところに特徴がある。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法であって、前記チタン酸化物固定化法にて製造された複合多孔体の外表面に対して光触媒性物質を被覆する工程をさらに有するところに特徴がある。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法であって、前記の固定化液が、酸、および塩基性物質のいずれか1種又は2種類以上であるところの特徴がある。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法において、前記ペルオキソチタン化合物あるいはチタン化合物に、白金、鉄、銅、および金から選ばれる元素を有する化合物の1種または2種以上の化合物が含まれているところに特徴がある。
本発明によれば、多孔体の細孔内に、チタン酸化物を含む物質を、安全かつ容易に固定化できるため、生産効率と経済性に優れ、しかも、吸着性能および光触媒性能が格段に優れた複合多孔体として製造でき、廉価に提供できるなど、実効性に優れた作用効果が得られる。
本明細書において、多孔体の材質は特に限定されず、シリカゲル、活性炭などの炭素類、ゼオライト、アルミナ、セラミックスや天然鉱物の微粒子を焼き固めた人工多孔体、多孔質金属、多孔質有機物など様々な物質が利用される。また、細孔径や細孔体積は特に限定されない。乾燥シリカゲルのように溶媒中に浸漬した場合に割れてしまいやすいものは、乾燥前のヒドロゲルや焼成したシリカゲルを用いることもできる。
つぎに、ペルオキソチタン化合物およびチタン化合物をとくに限定するものではないが、ペルオキソチタン酸水溶液、ペルオキソチタン錯体水溶液、ペルオキソチタン水和物、ペルオキソチタン有機錯体塩溶液、ペルオキソ改質アナターゼゾル、チタン有機錯体液およびチタン塩化合物溶液などが例示でき、その1種あるいは2種以上を含んでいるものであっても構わない。
ペルオキソチタン酸水溶液の合成方法を限定するものではなく、ペルオキソチタンイオンやそのポリイオンおよびペルオキソチタン水和物などのペルオキソチタン化合物が1種あるいは2種以上が含まれるもので、安定化剤としてアルカリ金属やアンモニウムイオンなどの塩基性物質が入っているものでもよい。ペルオキソチタン酸水溶液はチタン酸懸濁液に過酸化水素を添加する方法、金属チタンに塩基性物質と過酸化水素水を添加して溶解して不純物を適正化する方法、ペルオキソチタン水和物に過酸化水素水を添加する方法などで作成される液体で準安定液体である。
なお、ペルオキソチタン錯体水溶液はチタン塩水溶液などに過酸化物を添加して得られる溶液で酸性物質や塩基性物質を添加して自由にpHを調整できる。しかし、pHが高いとペルオキソチタン水和物を析出するので多孔体への含浸は析出する前が好ましい。このペルオキソチタン錯体水溶液を作成する場合、過酸化物の添加量は任意にすることができ、ペルオキソチタン錯体とチタン塩が共存している状態でもよい。また、pHは3以下で行なう方が望ましく液が安定である。
また、ペルオキソチタン水和物はペルオキソチタン酸の重合体であり、ペルオキソチタン酸水溶液やペルオキソチタン錯体溶液を作成する方法と同様な方法で得られることが知られており、非常に微細なサイズであるが、凝集しないようで多孔体細孔内部へ導入できるように高度に分散していることが望ましい。
ペルオキソチタン有機錯体塩溶液は、チタンペルオキソクエン酸アンモニウム水溶液やチタンペルオキソシュウ酸アンモニウムなどのような物質が知られており、水に可溶な物質である。また、有機チタン錯体溶液は、チタンEDTA錯体などの有機物を含むチタン化合物である。
ペルオキソ改質アナターゼゾルはペルオキソチタン酸水溶液やペルオキソチタン水和物の懸濁液を加熱することにより得られるペルオキソチタンと超微粒子アナターゼを含む液体である。また、チタン塩化合物は塩化チタン、硫酸チタンなどの水や有機溶媒に可溶なものである。このようにチタン塩化合物を含む物質は、水や有機溶媒に溶けるかあるいは細孔内に入るくらい非常に微細なサイズを維持できるものであればよく、上記の物質に限定されるものではない。
さらに、白金、鉄、銅、および金から選ばれる元素を有する化合物のうち、1あるいは2以上を含ませることもでき、チタン塩化合物を含む物質に混合あるいはチタン塩化合物を含む物質と別に含浸することもできる。また、他の化合物においても酸化鉄のように光触媒活性を増大させるものもあるため、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物などの超微粒子あるいは溶液を含ませることもできる。
また、ペルオキソチタン化合物ではないチタン塩化合物溶液などを多孔体に含浸させたあと、過酸化水素水のような過酸化物溶液と混合などの方法で接触させることにより、細孔内部のチタンの一部あるいは全部をペルオキソ化させることもできる。
また、溶媒は水や有機溶媒等いずれでもよいが、環境上汚染が少ない水を使用することが好ましい。チタン塩化合物を含む物質の濃度やpHは特に限定されず、必要に応じて酸や塩基性物質を加えることができ任意の濃度およびpHで使用することができる。
多孔体の細孔内部に、ペルオキソチタン化合物やチタン塩化合物溶液などを含浸させる方法としては、ディッピング、スプレーがけ、圧入、真空脱泡含浸、加熱脱泡含浸などの含浸方法を挙げることができるが、適宜自在に選択できる事項とする。
つぎに、固定化液および固定化方法について説明する。
固定化液は、酸、および塩基性物質を利用でき、多孔体に接触混合すると成分が多孔体内部に拡散して多孔体中に含浸させたチタン化合物を含む物質を不溶化、固体化させ、細孔内から出られないように固定化される。たとえば、ペルオキソチタン化合物は、酸、および塩基性物質でペルオキソチタン水和物の重合物と考えられるゲル状の固体へ凝集、高分子化されることを見出しており、細孔内に含浸したものはそのままフロック状の固体へ変化するために拡散性や流動性を失い、細孔内表面や細孔空間に固定化されるのである。
また、チタン有機錯体液およびチタン塩化合物溶液は過酸化物を接触させる工程を除いても同じような手法でゲル化、凝集、高分子化などを起して細孔内で固定化される。
また、チタン化合物を含む物質のほかに、白金、鉄、銅、および金から選ばれる元素を有する化合物の1種または2種以上の化合物のうち、1あるいは2種以上をさらに含んでいるチタン化合物を含む物質を混入することが可能である。なお、固体物質や吸着されやすい物質であれば、細孔内部のチタン塩化合物を含む物質と固定化液の接触によるゲル化などで同時に固定化することができるので、好ましい。
なお、固定化剤は、チタン塩化合物を含む物質を含浸した後で接触混合するが、固定化剤を多孔体中にあらかじめ含浸しておき、その後にチタン塩化合物を含む物質を含浸してもよい。
また、ペルオキソチタン化合物の場合は、固定化液を利用しなくても放置、乾燥、水熱などによって細孔内に固定化することができる。とくにペルオキソチタン有機錯体を除くペルオキソチタン化合物は自然重合や乾燥によって通常の水や有機溶媒に再溶解しない場合があるので、次の工程である洗浄不純物除去を行なうことができる。
ついで、多孔体の洗浄方法について説明する。
不純物が少ないチタン化合物を含む物質を用いると、後の加熱工程で容易に結晶性チタン酸化物を生成するために、特に洗浄する必要はないが、通常は塩素、硫酸イオン、アルカリ金属、アンモニアなどの不純物が同時に含浸されているために、チタン酸化物の結晶化を阻害する場合があるため、水洗、イオン交換等の一般的な方法による不純物除去を行なうことが好ましい。チタン化合物は、細孔内部に固定化されているので容易には脱離できないので、あらゆる方法で不純物濃度を低下させることが可能である。不純物は細孔内に固定化されているチタン化合物を含む物質に吸着しているので、加温などの補助的な方法で不純物除去を加速することもできる。
ついで、多孔体の加熱について説明する。
多孔体内部のチタン化合物は、ペルオキソチタン化合物、チタン酸(あるいは水酸化チタン、あるいは酸化チタン水和物)などの物質が固定化さており、加熱によって結晶化させることができる。結晶化させるための加熱方法は、乾燥程度の低温加熱、昇温焼成、水熱加熱、マイクロ波加熱などの手法を用いることができるが、それらの方法に限定されるものではない。
多孔体中のチタン化合物を含む物質が、すでに結晶性のチタン酸化物を含んでいる場合には、加熱しないで実用することもできる。また、結晶性のチタン酸化物を含んでいなくても、加熱せずに利用することもできる。また、加熱によってチタン化合物のすべてが結晶化する必要はなく、必要に応じて一部だけを結晶化させることもできる。また、加熱による結晶化温度は任意に選ぶことができ、非常に小さな細孔内のチタンのアナターゼ/ルチル転移温度は高温側にシフトする傾向にあり、光触媒として有利なアナターゼで結晶化させることができる範囲が広くなることがある。水熱温度も任意に選択することができ、数十度から数百度まで可能であるが、経済的には数十度から200℃が好ましい。
このようにして多孔体内部に固定化されたチタン酸化物およびチタン酸化物とその他の物質との混合物は、細孔内壁を被覆するだけでなく、細孔内部空間に広がって多孔質になっており、2重多孔性の複合多孔体になっており、多孔体の比表面積を増大させる効果が生じる特徴がある。その細孔径の範囲や比表面積は任意であり限定されない。
また、このようにして作成した複合多孔体の外表面上にさらに光触媒性物質を塗布して、光触媒特性を向上させることもできる。塗布する光触媒性物質に制限はなく、好ましくは酸化チタンゾルあるいはその前駆体でもよく、乾燥または焼き付けることによって結晶性チタン酸化物を密着させることができる。
つぎに、本発明の実施例を説明するが、これらはその代表例に過ぎずこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
約0.2モル濃度の四塩化チタン水溶液50容量に、過酸化水素水30%濃度液を10部および塩酸溶液(1:1)10容量を添加してペルオキソチタン錯体水溶液を得、このペルオキソチタン錯体水溶液100容量当たりB型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ(有)製;乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)を50容量の割合で投入し、2時間浸漬含浸させた。分離後、約1モル濃度のアンモニア水中にシリカヒドロゲルを投入し、2時間浸漬した。蒸留水で十分に水洗後、乾燥、800℃で焼成して、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む複合多孔体(実施例1)を製造した。
実施例2
実施例1におけるB型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ(有)製;乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)に代えて、予め800℃にて焼成した同社製のB型シリカゲルを使用した点を除き、外は叙上の実施例1と同様に操作して実施例2の複合多孔体を製造した。
実施例3
実施例1におけるB型シリカヒドロゲルに代えてアルミナ製多孔体(平均細孔径0.1μm)を使用した点を除き、外は叙上の実施例1と同様に操作し、実施例3の複合多孔体を製造した。
実施例4
合成直後のペルオキソチタン酸水溶液((株)エコート製、約0.9重量%)中に、ダイヤカセイ製Bシリカヒドロゲル(乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)を投入し、2時間浸漬含浸させた。分離後、約0.1モル濃度の塩酸水中にシリカヒドロゲルを投入し30分浸漬した。蒸留水で十分に水洗後、乾燥、800℃で焼成して、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む、実施例4の複合多孔体を得た。
実施例5
実施例4におけるペルオキソチタン酸水溶液に代えて、金属チタン0.25gと28%アンモニア水5gおよび30%過酸化水素水20gを混合して金属チタンを溶解し、クエン酸を加えて作製したチタンペルオキソクエン酸アンモニウムを使用した点を除き、外は叙上の実施例4と同様に操作し、実施例5の複合多孔体を製造した。
実施例6
実施例1のペルオキソチタン錯体水溶液に代えて、塩化白金をチタンに対して0.1モル%の割合で加えた液を用い、実施例1と同様に処理して白金有結晶性チタン酸化物を含む実施例6の複合多孔体を得た。
実施例7
実施例1のペルオキソチタン錯体水溶液に、塩化鉄をチタンに対して0.1モル%の割合で加えた液を用い、実施例1と同様に処理して鉄有結晶性チタン酸化物を含む実施例7の複合多孔体を得た。
実施例8
実施例1のペルオキソチタン錯体水溶液に、塩化銅をチタンに対して0.1モル%の割合で加えた液を用い、実施例1と同様の処理して銅含有結晶性チタン酸化物を含む実施例8の複合多孔体を得た。
実施例9
実施例1のペルオキソチタン錯体水溶液に、塩化金をチタンに対して0.1モル%の割合で加えた液を用い、実施例1と同様の処理して金含有結晶性チタン酸化物を含む実施例9の複合多孔体を得た。
参考例1
0.3モル濃度の四塩化チタン50mlに30%過酸化水素水5mlを加え、アンモニア水にてpHを7に調整してなるペルオキソチタン水和物溶液に対して、30mlのシリカ多孔体(平均細孔径0.1μm、サイズ約2mm直径)を投入し、5時間浸漬含浸放置させた。黄色い不溶物が析出した後、分離し、蒸留水で十分に水洗後、乾燥、800℃で焼成して、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む参考例1の複合多孔体を得た。
実施例10
ペルオキソ改質アナターゼゾル((株)エコート製、約0.9重量%)50mlあたりアルミナ多孔体(平均細孔径0.5μm、サイズ約3mm直径)を30mlの割合で投入して2時間浸漬含浸させた後、分離したアルミナ多孔体を約0.1モル濃度の塩酸中に投入し30分間浸漬した。蒸留水で十分に水洗、乾燥することで、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む実施例10の複合多孔体を得た。
実施例11
ペルオキソチタン酸水溶液((株)エコート製、約0.9重量%)とペルオキソ改質アナターゼゾル((株)エコート製、約0.9重量%)を体積比3:7の割合で混合した混合液50ml当たりB型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ製:乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)を30mlの割合で投入し、2時間浸漬含浸した。分離後、約0.1モル濃度の塩酸水溶液中に投入し、30分間浸漬した。ついで、蒸留水で充分に水洗、乾燥することで、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む、実施例11の複合多孔体を得た。
参考例2
0.2モル濃度四塩化チタン50ml当たり、B型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ製:乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)を30mlの割合で投入し、2時間浸漬含浸させた。分離後、約1モル濃度アンモニア水中に投入し、1時間浸漬した。蒸留水で十分に水洗後、乾燥、800℃で焼成して、結晶性チタン酸化物を含む、参考例2の複合多孔体を得た。
実施例12
実施例12において、アンモニア水中に投入する前に、10%過酸化水素水中に2時間浸漬した点を除き、外は実施例12と同様に処理することで、結晶性チタン酸化物を含む、実施例12の複合多孔体を得た。
実施例13
参考例2において、アンモニア水中に投入した後に、10%過酸化水素水中に2時間浸漬した点を除き、外は実施例11と同様に処理することで、結晶性チタン酸化物を含む、実施例13の複合多孔体を得た。
参考例3
ペルオキソチタン酸水溶液((株)エコート製、約0.9重量%〕とエタノールを体積 比:1の割合で混合した混合液100ml当たり、予め800℃にて焼成したB型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ製)を50mlの割合で投入し、2時間浸漬含浸させた。ついで、分離、乾燥した後、800℃にて焼成することで、結晶性チタン酸化物であるアナターゼを含む、参考例3の複合多孔体を得た。
比較例1
市販の光触媒ゾルAT01分散液(光触媒研究所製)の中に、B型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ製;乾燥時の平均細孔径約6nm、含水率30〜80%)およびB乾燥シリカゲル(ダイヤカセイ製)を投入し、2時間浸漬した。蒸留水で十分に水洗し、乾燥した後、800℃で焼成した。なお、結晶性チタン酸化物の生成は確認できなかった。
比較例2
0.2モル濃度の四塩化チタン50mlあたり、B型シリカヒドロゲル(ダイヤカセイ製;乾燥時の平均細孔径約6nmn、含水率30〜80%)30mlの割合で投入し、2時間浸漬含浸した。分離後蒸留水にて十分に水洗、乾燥した後、800℃で焼成した。なお、結晶性チタン酸化物の生成は確認できなかった。
以上の如く調整した実施例1〜13ならびに比較例1,2のそれぞれにつき、吸着性能と光触媒性能を、つぎの方法で評価した。
まず、実施例1〜13の複合多孔体をそれぞれ、10ppmメチレンブルー水溶液中に入れ、24時間放置し、メチレンブルー液の退色を指標にして吸着性能を評価した。
ついで、さらにブラックライト〜放射される励起光を24時間照射し、多孔体表面及びメチレンブルー液の退色を指標にして、光触媒性能の有無を目視評価した。なお、比較のために、ダイヤカセイ製乾燥Bシリカゲル(平均細孔径6nm)単独と、比較例1、2の多孔体についても同様の実験を行った。その結果をつぎの表1に示す。
Figure 0004200302
以上のことから、実施例1〜13の複合多孔体はいずれも、高い吸着性能と、光触媒性能の両方を具有していることが解った。

Claims (8)

  1. 多孔体の細孔内に含浸させたペルオキソチタン化合物含む液体に対して、固定化液を接触させ、洗浄する工程を有することを特徴とするチタン酸化物固定化法。
  2. 多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体を過酸化物質にて処理したその後に、固定化液を接触させ、洗浄する工程を有することを特徴とするチタン酸化物固定化法。
  3. 前記多孔体へのチタン酸化物固定化法において、
    前記固定化液を接触させ洗浄する工程の後に、加熱処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載のチタン酸化物固定化法。
  4. 多孔体の細孔内に含浸させたチタン化合物を含む液体に対して、固定化液を接触させたその後に、過酸化物質にて処理し、洗浄する工程を有することを特徴とするチタン酸化物固定化法。
  5. 前記チタン酸化物固定化法において、
    前記過酸化物質にて処理し、洗浄する工程の後に、加熱処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項4記載のチタン酸化物固定化法。
  6. 前記チタン酸化物固定化法にて製造された複合多孔体の外表面に対して光触媒性物質を被覆する工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法。
  7. 前記チタン酸化物固定化法において、
    前記の固定化液が、酸および塩基性物質のいずれか1種又は2種類以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法。
  8. 前記チタン酸化物固定化法において、
    前記ペルオキソチタン化合物あるいはチタン化合物に、白金、鉄、銅、および金から選ばれる元素を有する化合物の1種または2種以上の化合物が含まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のチタン酸化物固定化法。
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