以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図中、軸方向の一方側を矢印Xで示し、径方向の外側を矢印Rで示し、周方向の一方側を矢印Fで示す。また、以下の説明では、便宜上、図2の左側からの視線を正面視とし、図2の右側からの視線を背面視とする。
<第1実施形態>
図1,2に示されるダンパ装置1は、例えば、入力側となるエンジンと出力側となるトランスミッションとの間に位置される。ダンパ装置1は、入力側と出力側との間で駆動力としてのトルクや回転等の変動を緩和することができる。ダンパ装置1は、トルク変動吸収装置とも称されうる。なお、ダンパ装置1は、エンジンとトランスミッションとの間には限らず、他の二つの回転要素間、例えば、エンジンとモータジェネレータとの間に設けることが可能であるし、ハイブリット自動車等の種々の車両や、回転要素を有した機械等に設けることが可能である。
また、ダンパ装置1は、例えば、エンジンとトランスミッションとの間で駆動力の伝達と遮断とを行うクラッチ装置100に設けられることができる。クラッチ装置100は、エンジンのクランクシャフトS1(図9参照)に連結されるフライホイールFW(図9参照)と、トランスミッションの入力シャフトS2(図9参照)と連結されるディスク部11と、を備える。クラッチ装置100は、フライホイールFWに対するディスク部11の押し付け状態を変化させることにより、フライホイールFWとディスク部11との間で駆動力が伝達される伝達状態と、フライホイールFWとディスク部11との間で駆動力の伝達が遮断される遮断状態と、を切り替える。なお、クラッチ装置100は、フライホイールFWとディスク部11との間で入力トルクに対して出力トルクが減る所謂半クラッチ状態での駆動力の伝達も可能である。
図1,2に示されるように、ダンパ装置1は、例えば、ディスク部11と、ダンパ部12と、動吸振器13と、を備える。ディスク部11は、ダンパ装置1のうち径方向の外側に位置され、ダンパ部12は、ディスク部11の径方向の内側に位置されている。また、動吸振器13は、ダンパ部12に設けられている。
ディスク部11は、回転中心Ax回りの円環状に構成されている。回転中心Axは、回転軸や、軸心等とも称されうる。ディスク部11は、例えば、壁部11aと、覆部11bと、を有する。壁部11aは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。覆部11bは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。覆部11bは、壁部11aに対して回転中心Axの軸方向の一方側および他方側のそれぞれに、設けられている。二つの覆部11bは、いずれも壁部11aの径方向の外側の端部に位置されている。軸方向の一方側、すなわち図2の左側の覆部11bは、フライホイールFWに面しており、フライホイールFWと摩擦により結合可能である。壁部11aと二つの覆部11bとは、それらを軸方向に貫通する不図示のねじやリベット等の結合具によって互いに結合されている。覆部11bは、フェイシングやパッド等とも称されうる。ディスク部11には、フライホイールFWからエンジンの駆動力が入力される。なお、覆部11bは、環状でなくてもよい。例えば、矩形状等の形状の複数の覆部11bが、回転中心Ax回りに並べられていてもよい。
ダンパ部12は、第一の回転部材25と、第二の回転部材26と、第一の弾性部材23と、を有する。図2に示されるように、第一の回転部材25は、例えば、ディスク部11と、外側部材21とを含み、第二の回転部材26は、例えば、内側部材22と、ハブ部材24とを含む。第一の回転部材25と第二の回転部材26とは、回転中心Ax回りに回転可能に構成されている。第一の弾性部材23は、第一の回転部材25の外側部材21と、第二の回転部材26の内側部材22と、の間に介在している。また、外側部材21は、ディスク部11を介して入力側、すなわちエンジンに接続され、内側部材22は、ハブ部材24を介して出力側、すなわちトランスミッションに接続されている。ダンパ部12では、第一の回転部材25と第二の回転部材26との相対的な回転に伴って第一の弾性部材23が弾性的に伸縮することにより、トルク変動が緩和される。本実施形態では、第一の回転部材25は、入力側部材の一例であり、第二の回転部材26は、出力側部材の一例である。
図2に示されるように、外側部材21は、例えば、軸方向で一対となった二つのサイドプレート21a,21bを有する。本実施形態では、サイドプレート21aは、サイドプレート21bの軸方向の一方側、すなわち図2の左側に位置されている。サイドプレート21a,21bは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。サイドプレート21a,21bは、少なくとも部分的に、互いに軸方向に間隔をあけて位置されている。サイドプレート21a,21bは、不図示のねじやリベット等の結合具によって互いに結合され、回転中心Ax回りに一体に回転する。また、サイドプレート21aの径方向の外側の端部は、壁部11aの径方向の内側の端部に結合されている。よって、外側部材21は、ディスク部11と回転中心Ax回りに一体に回転する。また、図1に示されるように、サイドプレート21a,21bには、それぞれ、周方向に間隔をあけて複数の開口部21c,21dが設けられている。図2に示されるように、これら開口部21c,21dは、例えば、互いに軸方向に重なり合った貫通孔として構成されている。開口部21c,21dには、それぞれの周方向の一方側の縁部と他方側の縁部との間に第一の弾性部材23が配置されている。サイドプレート21a,21b、すなわち外側部材21は、例えば、金属材料によって構成されうる。
内側部材22は、例えば、センタプレート22aを有する。センタプレート22aは、外側部材21のサイドプレート21aとサイドプレート21bとの間に位置され、サイドプレート21aおよびサイドプレート21bから軸方向に離間している。センタプレート22aは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。センタプレート22aは、サイドプレート21a,21bと回転中心Ax回りに相対的に回転可能に設けられている。ただし、センタプレート22aとサイドプレート21a,21bとの相対的な回転は、例えば、不図示のストッパ同士が当接することなどによって、所定の角度範囲内に限定されている。センタプレート22aには、開口部22bが設けられている。図2に示されるように、開口部22bは、例えば、センタプレート22aの径方向の外側に向けて開放された切欠部として構成されている。また、開口部22bは、センタプレート22aを軸方向に貫通している。センタプレート22aの開口部22bとサイドプレート21a,21bの開口部21c,21dとは、互いに軸方向に重なり合っている。開口部22bには、周方向の一方側の縁部と他方側の縁部との間に第一の弾性部材23が配置されている。また、センタプレート22aの径方向の内側の端部には、凸状の引掛部22cが設けられている。引掛部22cは、センタプレート22aの径方向の内側の端部から回転中心Ax側に向かって突出している。センタプレート22a、すなわち内側部材22は、例えば、金属材料によって構成されうる。
図1,2に示される第一の弾性部材23は、例えば、金属材料で構成され、周方向に略沿って延びたコイルばねである。第一の弾性部材23は、互いに軸方向に重なり合った開口部21c,21dおよび開口部22b内に収容され、第一の回転部材25と第二の回転部材26とに接続されている。このような構成で、開口部21c,21dの周方向の一方側の縁部と開口部22bの周方向の他方側の縁部とが互いに近付く方向に相対的に回転すると、それら縁部によって第一の弾性部材23が弾性的に縮む。逆に、開口部21c,21dおよび開口部22b内で弾性的に縮んだ状態で、開口部21c,21dの周方向の一方側の縁部と開口部22bの周方向の他方側の縁部とが互いに遠ざかる方向に相対的に回転すると、第一の弾性部材23は弾性的に伸びる。すなわち、第一の弾性部材23は、第一の回転部材25のサイドプレート21a,21bと第二の回転部材26のセンタプレート22aとの間に挟まれ、回転中心Ax回りの相対的な回転に伴って略周方向に沿って弾性的に伸縮する。第一の弾性部材23は、弾性的に縮むことによりトルクを圧縮力として蓄え、弾性的に伸びることにより圧縮力をトルクとして放出する。第一の弾性部材23は、このように、第一の回転部材25と第二の回転部材26との間に位置され、第一の回転部材25と第二の回転部材26とに周方向に略沿って挟まれて、周方向に略沿って弾性的に伸縮する。ダンパ部12は、この第一の弾性部材23の伸縮によってトルク変動を緩和することができる。
図2に示されるように、ハブ部材24は、外側部材21および内側部材22の径方向の内側に位置されている。ハブ部材24は、全体として回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。また、ハブ部材24は、筒状部24aを有する。筒状部24aの内側には、トランスミッションの入力シャフトS2(図9参照)が挿入される。筒状部24aは、入力シャフトS2と結合され、入力シャフトS2と一体に回転する。
筒状部24aは、例えば、第一の筒状部24bと、第二の筒状部24cと、第三の筒状部24dと、を有する。第一の筒状部24b、第二の筒状部24c、および第三の筒状部24dは、いずれも回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。図2に示されるように、本実施形態では、第一の筒状部24b、第二の筒状部24c、および第三の筒状部24dの順で、軸方向の一方側から他方側、すなわち図2の左側から右側に位置されている。第一の筒状部24bは、筒状部24aの軸方向の一方側の端部を含み、第三の筒状部24dは、筒状部24aの軸方向の他方側の端部を含む。第一の筒状部24bの外径と第三の筒状部24dの外径とは、略同じである。また、第二の筒状部24cは、第一の筒状部24bと第三の筒状部24dとの間に設けられている。第二の筒状部24cの外径は、第一の筒状部24bおよび第三の筒状部24dの外径よりも大きい。また、第二の筒状部24cは、サイドプレート21a,21bの径方向の内側に位置され、サイドプレート21a,21b、すなわち第一の回転部材25を回転中心Ax回りに回転可能に支持している。第二の筒状部24cは、第一の回転部材25の軸受として機能することができる。
また、第二の筒状部24cには、張出部24eが設けられている。張出部24eは、第二の筒状部24cの軸方向の略中央部から径方向の外側に向かって張り出している。張出部24eは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。張出部24eは、センタプレート22aの径方向の内側に位置されている。張出部24eは、筒状部や凸部等とも称されうる。また、張出部24eの径方向の外側の部分には、凹状の引掛部24fが設けられている。引掛部24fは、センタプレート22aの引掛部22cと対応した位置に設けられ、引掛部22cと周方向に離間した状態で引掛部22cを収容可能である。引掛部24fは、例えば、内側部材22とハブ部材24との相対的な回転に伴って伸縮する不図示の弾性部材が弾性的に縮んだ状態で、引掛部22cと周方向に引っ掛かるように構成されうる。ダンパ部12は、この弾性部材の伸縮によってもトルク変動を緩和することができる。また、ハブ部材24は、引掛部24fと引掛部22cとが周方向に互いに引っ掛かった状態では、内側部材22と一体に回転する。また、ハブ部材24は、上述のとおりトランスミッションの入力シャフトS2(図9参照)と一体に回転する。したがって、ハブ部材24と内側部材22とは、入力シャフトS2と一体に回転する。ハブ部材24は、例えば、金属材料によって構成されうる。
図1,2に示されるように、動吸振器13は、エンジンの駆動力が伝達される第一の弾性部材23における当該駆動力の出力側、すなわち第二の回転部材26に設けられている。本実施形態では、動吸振器13は、例えば、第一の支持部材31と、錘部材32と、第二の弾性部材33と、を有する。第一の支持部材31は、第二の回転部材26に接続され、錘部材32は、第二の弾性部材33を介して第一の支持部材31に支持されている。ここで、本実施形態では、動吸振器13は、第二の回転部材26の内側部材22から軸方向の一方側、すなわち図2の左側に突出した状態に設けられている。具体的には、本実施形態では、第一の支持部材31が軸方向に沿って帯板状に延びており、この第一の支持部材31の軸方向の他方側、すなわち図2の右側が内側部材22に接続され、軸方向の一方側、すなわち図2の左側が第二の弾性部材33に接続されている。また、図1に示されるように、本実施形態では、動吸振器13は、第一の弾性部材23の周方向の両側のそれぞれに設けられている。
第一の支持部材31は、例えば、壁部31aと、壁部31bと、壁部31cと、を有する。壁部31cは、外側部材21の開口部21c,21d、および内側部材22の開口部22bの周方向の縁部に面し、軸方向に沿って帯状に延びている。壁部31cは、開口部21c,21d,22bを軸方向に貫通している。壁部31bは、壁部31cにサイドプレート21aの軸方向の一方側、すなわち図2の左側で接続され、壁部31cと直交する方向に沿って帯状に延びている。壁部31aは、壁部31bに壁部31cとは反対側で接続され、壁部31cおよび壁部31bと直交する方向に沿って帯状に延びている。本実施形態では、図1に示される軸方向の視線では、壁部31aおよび壁部31bが略L字状に形成され、図2に示される軸方向と直交する方向の視線では、壁部31bおよび壁部31cが略L字状に形成されている。また、図1に示されるように、本実施形態では、壁部31cは、第一の弾性部材23の周方向の端部23aと、外側部材21および内側部材22の開口部21c,21d,22bの周方向の縁部との間に挟まれている。壁部31cは、第一の弾性部材23の弾性力によって、端部23aと開口部21c,21d,22bの周方向の縁部との間で支持されている。第一の支持部材31は、例えば、金属材料によって構成されうる。
錘部材32は、例えば、扁平な直方体状に構成されている。錘部材32は、第一の支持部材31の壁部31aと離間して位置されている。錘部材32は、第一の支持部材31に対して移動可能に第二の弾性部材33に支持されている。錘部材32は、第二の弾性部材33の弾性変形を伴って第一の支持部材31ひいては第二の回転部材26と相対移動する。錘部材32は、慣性体や、質量体等として機能する。錘部材32は、例えば、金属材料によって構成されうる。
第二の弾性部材33は、互いに離間した錘部材32と第一の支持部材31の壁部31aとの間に介在している。本実施形態では、第二の弾性部材33は、例えば、径方向に略沿って延びた棒状に構成されている。第二の弾性部材33は、例えば、エラストマ等のゴム材料によって構成される。図2に示されるように、本実施形態では、第二の弾性部材33の径方向の内側の端部33aが錘部材32と結合され、第二の弾性部材33の径方向の外側の端部33bが第一の支持部材31の壁部31aと結合されている。第二の弾性部材33と第一の支持部材31および錘部材32との結合は、例えば、加硫接着等によってなされる。なお、第二の弾性部材33は、例えばカラー等の介在部材を介して第一の支持部材31や錘部材32に結合されてもよい。第二の弾性部材33は、第一の支持部材31に弾性変形可能に支持された状態で、錘部材32を支持している。
動吸振器13では、例えば、第二の回転部材26に振動が発生した場合、錘部材32が第二の弾性部材33の弾性変形を伴って第二の回転部材26の振動方向とは逆方向に振動、すなわち相対移動することにより、第二の回転部材26の振動を減衰させることができる。
図3には、動吸振器13が設けられた本実施形態のダンパ装置1と、動吸振器13が設けられていない比較例のダンパ装置と、のそれぞれについて、トルク変動とエンジンの回転数との関係が示されている。比較例のダンパ装置は、動吸振器13が設けられていない点以外はダンパ装置1と同様の構成である。図3から分かるように、動吸振器13は、動吸振器13を設けない場合に発生する共振点(ピーク点)の振動を減衰させ、ダンパ装置1のトルク変動の最大値を、比較例のダンパ装置のトルク変動の最大値よりも低くする特性を有する。
以上のように、本実施形態では、例えば、ダンパ装置1は、第二の回転部材26に接続され、錘部材32と、第二の回転部材26と錘部材32との相対移動により弾性変形する第二の弾性部材33と、を有し、第二の回転部材26から回転中心Axの軸方向に突出した状態に設けられた動吸振器13、を備える。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の回転部材26から径方向の外側に突出した状態には動吸振器13を設け難い部品レイアウトでもダンパ装置1に動吸振器13を適用しやすくなる場合がある。
また、本実施形態では、例えば、動吸振器13は、第二の回転部材26から軸方向に延びて第二の弾性部材33に接続された第一の支持部材31を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、軸方向に延びた第一の支持部材31を用いた構成によって、第二の回転部材26から径方向の外側に突出した状態には動吸振器13を設け難い部品レイアウトでもダンパ装置1に適用しやすい動吸振器13が実現されうる。
また、本実施形態では、例えば、第一の支持部材31は、第二の回転部材26と第一の弾性部材23との間に挟まれている。よって、本実施形態によれば、例えば、第一の弾性部材23の弾性力を利用して、第一の支持部材31を第二の回転部材26と第一の弾性部材23との間で支持することができる。
また、本実施形態では、例えば、第一の回転部材25のサイドプレート21aは、錘部材32と第二の回転部材26のセンタプレート22aとの間に位置され、サイドプレート21aには、動吸振器13の第一の支持部材31が軸方向に貫通する開口部21cが設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、サイドプレート21aに設けられた開口部21cが有効に利用され、第二の回転部材26から軸方向に突出した状態に動吸振器13が設けられうる。
また、本実施形態では、例えば、第二の弾性部材33は、ゴム材料で構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の弾性部材33、ひいては動吸振器13が比較的簡素な構成によって実現されうる。なお、本実施形態では、図1に示されるように、周方向に並んだ複数の第一の弾性部材23のうちの一つに動吸振器13が設けられているが、周方向に並んだすべての第一の弾性部材23に動吸振器13が設けられてもよい。
<第2実施形態>
図4に示される本実施形態のダンパ装置1Aは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図4に示されるように、ダンパ装置1Aは、複数の第一の弾性部材23Aを有する。本実施形態では、この複数の第一の弾性部材23Aが、軸方向に重なった開口部21c,21d、および開口部22b内で周方向に並んで配置されている。そして、本実施形態では、互いに隣接した二つの第一の弾性部材23A,23Aの間に、動吸振器13が設けられている。動吸振器13の第一の支持部材31Aは、上記第1実施形態と同様に、軸方向に沿って延びた壁部31c(図2参照)と、壁部31cに接続され、壁部31cと直交する方向に沿って延びた壁部31bと、壁部31bに接続され、壁部31b,31cと直交する方向に沿って延びた壁部31aと、を有する。本実施形態では、壁部31c(図2参照)は、二つの第一の弾性部材23Aの間に挟まれている。また、本実施形態では、第一の弾性部材23A,23Aの壁部31cとは周方向の反対側の端部23aは、第三の支持部材28によって支持されている。第三の支持部材28は、例えば、リテーナである。また、第一の弾性部材23A,23Aの壁部31c側の端部23aは、不図示のシート状の第四の支持部材によって支持されうる。第三の支持部材28および第四の支持部材は、例えば、第一の弾性部材23A,23Aをより安定的に支持したり、第一の弾性部材23A,23Aをより安定的に弾性変形させたり、第一の弾性部材23A,23Aと外側部材21および内側部材22との直接的な接触を抑制したり、といった機能を有することができる。第三の支持部材28および第四の支持部材は、例えば、合成樹脂材料によって構成されうる。なお、本実施形態では、周方向に並んだ複数の開口部21c(21d,22b)のうちの一つに第一の弾性部材23A,23Aおよび動吸振器13が設けられているが、周方向に並んだ複数の開口部21c(21d,22b)のすべてに第一の弾性部材23A,23Aおよび動吸振器13が設けられてもよい。このように、本実施形態では、例えば、回転中心Axの周方向に並んで複数の第一の弾性部材23A,23Aが配置され、第一の支持部材31Aは、互いに隣接した二つの第一の弾性部材23A,23Aの間に挟まれている。よって、本実施形態によれば、例えば、第一の弾性部材23A,23Aの弾性力を利用して、第一の支持部材31Aを二つの第一の弾性部材23A,23Aの間で支持することができる。なお、第一の弾性部材23A,23Aと不図示の第四の支持部材とは、例えば、接着や、結合具、かしめ、引っ掛かり等によって互いに結合されてもよい。
<第3実施形態>
図5,6に示される本実施形態のダンパ装置1Bは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図5,6に示されるように、動吸振器13は、錘部材32と、第二の弾性部材33Aと、を有する。本実施形態では、第二の弾性部材33Aが軸方向に沿って延びており、この第二の弾性部材33Aの軸方向の他方側、すなわち図6の右側の端部33bが内側部材22に接続され、軸方向の一方側、すなわち図6の左側の端部33aが錘部材32に接続されている。また、本実施形態では、第一の回転部材25のサイドプレート21aには、第二の弾性部材33Aが軸方向に貫通する開口部21gが設けられている。図5に示されるように、開口部21gは、例えば、周方向に沿って延びた長穴として構成されている。これにより、第一の回転部材25と第二の回転部材26との相対的な回転が制限されるのが抑制されうる。第二の弾性部材33Aは、例えば、エラストマ等のゴム材料によって構成され、軸方向に沿って棒状に延びている。このように、本実施形態では、例えば、第二の弾性部材33Aは、第二の回転部材26から軸方向に延びて錘部材32に接続されている。よって、本実施形態によれば、例えば、軸方向に延びた第二の弾性部材33Aを用いた構成によって、第二の回転部材26から径方向の外側に突出した状態には動吸振器13を設け難い部品レイアウトでもダンパ装置1Bに適用しやすい動吸振器13が実現されうる。
<第4実施形態>
図7,8に示される本実施形態のダンパ装置1Cは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図7,8に示されるように、動吸振器13は、第一の支持部材31Bと、錘部材32と、第二の弾性部材33Bと、を有する。本実施形態では、第一の支持部材31Bは、壁部31eと、壁部31fと、を有する。図8に示されるように、壁部31fは、外側部材21の開口部21c,21d、および内側部材22の開口部22bの周方向の縁部に面し、軸方向に沿って帯状に延びている。壁部31eは、壁部31fにサイドプレート21aの軸方向の一方側、すなわち図8の左側で接続され、壁部31fと直交する方向に沿って帯状に延びている。本実施形態では、相互に接続された壁部31eおよび壁部31fによって、第一の支持部材31Bが略L字状に形成されている。また、本実施形態では、第二の弾性部材33Bが軸方向に沿って棒状に延び、この第二の弾性部材33Bの軸方向の他方側、すなわち図8の右側の端部33bが第一の支持部材31Bの壁部31eに接続され、軸方向の一方側、すなわち図8の左側の端部33aが錘部材32に接続されている。さらに、図7に示されるように、本実施形態では、第一の弾性部材23の周方向の両側の端部23aは、第三の支持部材28によって支持されている。第三の支持部材28は、例えば、リテーナである。本実施形態では、第一の支持部材31Bの壁部31fは、第一の弾性部材23の端部23aと第三の支持部材28との間に挟まれている。よって、本実施形態によっても、例えば、第一の弾性部材23の弾性力を利用して、第一の支持部材31Bを第一の弾性部材23と第三の支持部材28との間で支持することができる。なお、第一の支持部材31Bと第三の支持部材28とは、例えば、接着や、結合具、圧入、かしめ、引っ掛かり等によって互いに結合されてもよい。
<第5実施形態>
図9に示される本実施形態のダンパ装置1Dは、図7,8のダンパ装置1Cと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図7,8の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図9に示されるように、錘部材32がフライホイールFWと出力軸としてのクランクシャフトS1とを結合する第一の結合具C1よりも第一の回転部材25の径方向の外側に位置されている。第一の結合具C1は、例えば、ボルト等である。一般的に、フライホイールFWの径方向の外側には、軸方向に凹んだ凹部19が設けられている。本実施形態では、このデッドスペースとなる凹部19に、動吸振器13の錘部材32を配置している。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の回転部材26から径方向の外側に突出した状態には動吸振器13を設け難い部品レイアウトでもダンパ装置1Dに適用しやすい動吸振器13を得ることができつつ、錘部材32の慣性モーメントがより大きくなりやすい。
<第6実施形態>
図10に示される本実施形態のダンパ装置1Eは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図10に示されるように、動吸振器13は、第一の支持部材31と、錘部材32と、第二の弾性部材33Cと、を有する。本実施形態では、第二の弾性部材33Cが、板ばねで構成されている。第二の弾性部材33Cの一方側の端部33aは、錘部材32に接続され、第二の弾性部材33Cの他方側の端部33bは、第一の支持部材31に接続されている。第二の弾性部材33Cは、第一の支持部材31に弾性変形可能に支持された状態で、錘部材32を支持している。第二の弾性部材33Cは、例えば、軸方向の厚さが周方向に沿った幅よりも薄い板ばねとして構成されている。すなわち、本実施形態では、第二の弾性部材33Cは、厚さ方向の曲げ剛性と厚さ方向と直交する幅方向の曲げ剛性とが異なっている。よって、本実施形態によれば、例えば、ダンパ装置1Eに加わる互いに異なる方向の振動に対して異なる減衰特性を得やすい場合がある。
<第7実施形態>
図11に示される本実施形態のダンパ装置1Fは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図11に示されるように、動吸振器13は、第一の支持部材31と、錘部材32と、第二の弾性部材33Dと、を有する。本実施形態では、第二の弾性部材33Dが、線材が巻回されたコイルばねで構成されている。第二の弾性部材33Dの一方側の端部33aは、錘部材32に接続され、第二の弾性部材33Dの他方側の端部33bは、第一の支持部材31に接続されている。第二の弾性部材33Dは、第一の支持部材31に弾性変形可能に支持された状態で、錘部材32を支持している。よって、本実施形態によれば、例えば、コイルばねで構成された第二の弾性部材33Dによって、第二の弾性部材33D、ひいては動吸振器13が比較的容易に構成されうる。
<第8実施形態>
図12に示される本実施形態のダンパ装置1Gは、図5,6のダンパ装置1Bと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5,6の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図12に示されるように、動吸振器13は、錘部材32Aと、第二の弾性部材33Aと、を有する。錘部材32Aは、例えば、ベース部32aと、第一の延部32dと、を有する。ベース部32aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成され、第二の弾性部材33Aの軸方向の一方側、すなわち図12の左側の端部33aと結合されている。第一の延部32dは、ベース部32aの軸方向の他方側、すなわち図12の右側の端部から錘部材32Aの径方向の内側に突出し、サイドプレート21aに軸方向で面している。第一の延部32dは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成されている。第一の延部32dの径方向の内側の端部32d1は、錘部材32Aの径方向の内側の端部である。また、本実施形態では、回転中心Axの周方向に互いに間隔をあけて複数の第二の弾性部材33Aが配置されている。複数の第二の弾性部材33Aは、それぞれがベース部32aと接続され、環状の錘部材32Aを支持している。また、本実施形態では、ハブ部材24の第一の筒状部24bと第一の延部32dとの間に、第二の支持部材41が設けられている。第二の支持部材41は、径方向支持部41aと、軸方向支持部41bと、を有している。径方向支持部41aは、筒状部とも称され、軸方向支持部41bは、壁部とも称される。径方向支持部41aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。径方向支持部41aと第一の筒状部24bとは、圧入や、かしめ、引っ掛かり、接着、結合具等によって互いに結合されている。よって、第二の支持部材41は、第二の回転部材26と一体に回転する。径方向支持部41aは、錘部材32Aの端部32d1に径方向で面している。径方向支持部41aと端部32d1との間には、隙間があってもよいし隙間が無くてもよい。径方向支持部41aは、径方向支持部41aと端部32d1とが互いに径方向で接触した状態で、錘部材32Aを径方向に支持する。また、径方向支持部41aは、径方向支持部41aと端部32d1とが互いに径方向で接触した状態で、錘部材32Aを回転中心Ax回りに回転可能に支持する。すなわち、径方向支持部41aは、錘部材32Aのラジアル軸受として機能する。軸方向支持部41bは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成されている。軸方向支持部41bは、径方向支持部41aの軸方向の他方向、すなわち図12の右側の端部から径方向の外側に突出している。軸方向支持部41bは、第一の延部32dと第二の筒状部24cとの間に位置され、第一の延部32dに軸方向で面している。軸方向支持部41bと第一の延部32dとの間には、隙間があってもよいし隙間が無くてもよい。軸方向支持部41bは、軸方向支持部41bと第一の延部32dとが互いに軸方向で接触した状態で、錘部材32Aを軸方向に支持する。また、軸方向支持部41bは、軸方向支持部41bと第一の延部32dとが互いに軸方向で接触した状態で、錘部材32Aを回転中心Ax回りに回転可能に支持する。すなわち、軸方向支持部41bは、錘部材32Aのスラスト軸受として機能する。第二の支持部材41は、合成樹脂材料や金属材料等によって構成されている。なお、第二の支持部材41は、玉軸受や、ころ軸受等によって構成されてもよい。
以上のように、本実施形態では、例えば、第二の支持部材41は、第二の回転部材26に設けられ、錘部材32Aを第二の回転部材26の径方向に支持する。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の支持部材41によって、錘部材32Aの径方向への移動を抑制することができる。よって、例えば、錘部材32Aの偏心を抑制することができる。
また、本実施形態では、例えば、第二の支持部材41は、環状の錘部材32Aを回転中心Ax回りに回転可能に支持する軸受として機能する。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の支持部材41とは別に軸受が設けられた場合に比べて、ダンパ装置1Gの製造に要する手間や費用が低減されやすい。また、環状の錘部材32Aによって、錘部材32Aの慣性モーメントがより大きくなりやすい。
また、本実施形態では、例えば、第二の支持部材41は、錘部材32Aの径方向の内側の端部32d1を支持する。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の支持部材が錘部材の径方向の外側の端部を支持する構成に比べて、第二の支持部材41における錘部材32Aの支持位置と回転中心Axとの間の距離を短くすることができる。よって、例えば、第二の支持部材41と錘部材32Aとの接触によるトルクを小さくすることができる。
また、本実施形態では、例えば、錘部材32Aは、第二の弾性部材33Aと接続されたベース部32aと、内側の端部32d1を含みベース部32aから錘部材32Aの径方向の内側に延びた第一の延部32dと、を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の支持部材41と錘部材32Aとの接触によるトルクがより小さくなりやすい。
<第9実施形態>
図13に示される本実施形態のダンパ装置1Hは、図12のダンパ装置1Gと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図12の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図13に示されるように、動吸振器13は、錘部材32Bと、第二の弾性部材33Aと、を有する。錘部材32Bは、例えば、ベース部32aと、第一の延部32dと、折曲部32eと、を有する。折曲部32eは、ベース部32aの軸方向の一方側、すなわち図13の左側の端部から径方向の外側に折れ曲がっている。また、折曲部32eは、第二の延部32e1と、筒状部32e2と、を有する。第二の延部32e1は、ベース部32aの軸方向の一方側、すなわち図13の左側の端部から錘部材32Bの径方向の外側に延びている。第二の延部32e1は、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。筒状部32e2は、第二の延部32e1の径方向の外側の端部から軸方向の他方側、すなわち図13の右側に延びている。筒状部32e2は、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。筒状部32e2は、ベース部32aの径方向の外側に位置されている。本実施形態では、ベース部32a、第一の延部32d、および折曲部32eは、板状に構成されている。そして、錘部材32Bは、プレス成形によって形成されたプレス成形品である。このように、本実施形態では、錘部材32Bがプレス成形によって形成されたので、錘部材32Bの製造コストを低減しやすい。また、本実施形態では、錘部材32Bは、ベース部32aから錘部材32Bの径方向の外側に延びた第二の延部32e1や、筒状部32e2を有する。よって、本実施形態によれば、錘部材32Bの慣性モーメントがより大きくなりやすい。
<第10実施形態>
図14,15に示される本実施形態のダンパ装置1Iは、図12のダンパ装置1Gと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図12の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図14,15に示されるように、動吸振器13は、錘部材32Cと、第二の弾性部材33Aと、を有する。本実施形態では、錘部材32Cと第二の支持部材41Kとに、ストッパ機構80が設けられている。図15に示されるように、ストッパ機構80は、第一の引掛部41d1と、第二の引掛部32gと、を有する。第二の引掛部32gは、例えば、錘部材32Cの第一の延部32dに設けられ、端部32d1から径方向の内側に突出している。第二の支持部材41Kには、第二の引掛部32gの少なくとも一部が収容される開口部41dが設けられている。開口部41dは、軸方向の視線、すなわち図15の視線では、径方向の外側に向けて開放された略U字状の断面形状を有している。本実施形態では、この開口部41dの周方向の両側の面によって第一の引掛部41d1が構成されている。第二の支持部材41Kは、第一の筒状部24bに結合され、第二の回転部材26と一体に回転する。第二の引掛部32gは、錘部材32Cと第二の支持部材41Kおよび第二の回転部材26との相対的な回転によって周方向に離間した二つの第一の引掛部41d1,41d1の間を移動する。そして、第一の引掛部41d1と第二の引掛部32gとが互いに当接した場合に、錘部材32Cと第二の支持部材41Kとの相対的な回転が制限される。よって、本実施形態によれば、例えば、第一の引掛部41d1および第二の引掛部32gによって、第二の弾性部材33Aの過大な変形が抑制されうる。
<第11実施形態>
図16に示される本実施形態のダンパ装置1Jは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図16に示されるように、動吸振器13は、第一の支持部材31Cと、錘部材32Dと、第二の弾性部材33Eと、を有する。第一の支持部材31Cは、例えば、壁部31a〜31cと、壁部31dと、を有する。壁部31a〜31cの構成は、上記第1実施形態と同様である。壁部31dは、壁部31aの軸方向の一方側、すなわち図16の左側の端部から径方向の内側に突出している。壁部31dには、開口部31d1が設けられている。開口部31d1は、例えば、壁部31dを軸方向に貫通した貫通孔である。錘部材32Dは、偏平な直方体状のベース部32tと、ベース部32tから径方向の外側に突出した壁部32jと、を有する。壁部32jには、開口部32j1が設けられている。開口部32j1は、例えば、壁部32jを軸方向に貫通した貫通孔である。第二の弾性部材33Eは、壁部33sと、結合部33g,33hと、を有する。結合部33gは、壁部33sの径方向の内側の端部に接続されている。結合部33gの軸方向の厚さL5は、壁部33sの軸方向の厚さL6よりも厚くなっており、結合部33gの軸方向の両端部は、壁部33sに対して軸方向に突出している。結合部33gには、開口部33g1が設けられている。開口部33g1は、例えば、結合部33gを軸方向に貫通した貫通孔である。開口部33g1は、錘部材32Dの開口部32j1に面している。結合部33gは、開口部32j1,33g1に挿入された結合具42と、結合具42と結合された結合具43とによって、錘部材32Dの壁部32jに結合されている。結合具42は、例えば、ねじ部材としてのボルトであり、結合具43は、例えば、ねじ部材としてのナットである。また、結合部33hは、壁部33sの径方向の外側の端部に接続されている。結合部33hの軸方向の厚さL7は、壁部33sの軸方向の厚さL6よりも厚くなっており、結合部33hの軸方向の両端部は、壁部33sに対して軸方向に突出している。結合部33hには、開口部33h1が設けられている。開口部33h1は、例えば、結合部33hを軸方向に貫通した貫通孔である。開口部33h1は、壁部31dの開口部31d1に面している。結合部33hは、開口部31d1,33h1に挿入された結合具42と、結合具42と結合された結合具43とによって、第一の支持部材31Cの壁部31dに結合されている。
以上のように、本実施形態では、例えば、第二の弾性部材33Eは、錘部材32Dと第一の支持部材31Cとに、結合具42,43によって結合されている。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の弾性部材33Eと、錘部材32Dおよび第一の支持部材31Cのうち少なくとも一方との結合において、加硫接着をせずに済む。なお、第二の弾性部材33Eは、錘部材32Dおよび第一の支持部材31Cのうち少なくとも一方と、かしめ等によって結合されてもよい。また、本実施形態では、結合具42,43によって、第二の弾性部材33Eと錘部材32Dおよび第一の支持部材31Cとが結合された場合が例示されたが、これに限定されず、例えば、結合具42,43によって、図6に示される第二の弾性部材33Aと錘部材32および第二の回転部材26の内側部材22とが結合されてもよい。
また、本実施形態では、第二の弾性部材33Eは、錘部材33Dおよび第一支持部材31Cと結合された結合部33g,33hを有し、結合部33g,33hの軸方向の厚さL5,L7は、当該第二の弾性部材33Eのうち結合部33g,33h以外の部分である壁部33sの軸方向の厚さL6よりも厚い。よって、本実施形態によれば、例えば、結合部33g,33hの強度を高くしやすい。
<第12実施形態>
図17に示される本実施形態のダンパ装置1Kは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、図17に示されるように、動吸振器13は、第一の支持部材31Dと、錘部材32Eと、第二の弾性部材33Fと、を有する。第一の支持部材31Dは、例えば、壁部31a〜31cと、凸状の第二の嵌部31eと、を有する。壁部31a〜31cの構成は、上記第1実施形態と同様である。第二の嵌部31eは、壁部31aの径方向の内側の端部から径方向の内側に突出している。第二の嵌部31eは、接続部31e1と、張出部31e2と、を有する。接続部31e1は、壁部31aの径方向の内側の端部に接続されている。張出部31e2は、接続部31e1の径方向の内側の端部に接続されるとともに、接続部31e1に対して軸方向に張り出している。錘部材32Eは、扁平な直方体状のベース部32tと、凸状の複数の第二の嵌部32iと、を有する。第二の嵌部32iは、ベース部32tの径方向の外側の端部から径方向の外側に突出している。複数の第二の嵌部32iは、軸方向に互いに間隔を空けて位置されている。第二の嵌部32iは、接続部32i1と、張出部32i2と、を有する。接続部32i1は、ベース部32tの径方向の外側の端部に接続されている。張出部32i2は、接続部32i1の径方向の外側の端部に接続されるとともに、接続部32i1に対して軸方向に張り出している。第二の弾性部材33Fには、凹状の複数の第一の嵌部33e、33fが設けられている。複数の第一の嵌部33eは、第二の弾性部材33Fの径方向の内側の端部33aに設けられ、軸方向に互いに間隔を空けて位置されている。第一の嵌部33eは、第二の弾性部材33Fの径方向の内側の端面に対して凹状に構成されるとともに、錘部材32Eの第二の嵌部32iに沿った形状に構成されている。第一の嵌部33eは、例えば、錘部材32Eの第二の嵌部32iと嵌め合わされることにより、第二の嵌部32iと機械的に接合されている。具体的には、第一の嵌部33eに第二の嵌部32iが圧入されている。第一の嵌部33eと第二の嵌部32iとは、互いに軸方向および径方向に引っ掛かっている。第一の嵌部33fは、第二の弾性部材33Fの径方向の外側の端部33bに設けられている。第一の嵌部33fは、第二の弾性部材33Fの径方向の外側の端面に対して凹状に構成されるとともに、第一の支持部材31Dの第二の嵌部31eに沿った形状に構成されている。第一の嵌部33fは、例えば、第一の支持部材31Dの第二の嵌部31eと嵌め合わされることにより、第二の嵌部31eと機械的に接合されている。具体的には、第一の嵌部33fに第二の嵌部31eが圧入されている。第一の嵌部33fと第二の嵌部31eとは、互いに軸方向および径方向に引っ掛かっている。よって、本実施形態によれば、例えば、第二の弾性部材33Fと、錘部材32Eおよび第一の支持部材31Dとの結合において、加硫接着をせずに済む。なお、第二の弾性部材33Fと嵌め合いによって結合されるのは、錘部材32Eおよび第一の支持部材31Dのうち少なくとも一方であってもよい。また、本実施形態では、第一の嵌部33e,33fと第二の嵌部31e,32iとによって、第二の弾性部材33Fと錘部材32Eおよび第一の支持部材31Dとが結合された場合が例示されたが、これに限定されず、例えば、第一の嵌部33e,33fと第二の嵌部31e,32iとによって、図6に示される第二の弾性部材33Aと錘部材32および第二の回転部材26の内側部材22とが結合されてもよい。
上述した実施形態に関して、付記を開示する。
(付記)
前記第二の弾性部材は、前記第二の回転部材から前記軸方向に延びて前記錘部材に接続される。
前記第一の回転部材は、前記錘部材と前記第二の回転部材との間に位置され、前記第一の回転部材には、前記動吸振器が前記軸方向に貫通する開口部が設けられる。
前記第一の回転部材は、フライホイールを介してエンジンの出力軸に接続され、前記錘部材は、前記フライホイールと前記出力軸とを結合する第一の結合具よりも前記第一の回転部材の径方向の外側に位置される。
前記第二の弾性部材は、ゴム材料、板バネ、およびコイルばねのうちいずれか一つで構成される。
前記第二の回転部材に設けられ、前記錘部材を前記第二の回転部材の径方向に支持する第二の支持部材を備える。
前記第二の支持部材は、前記錘部材を前記回転中心回りに回転可能に支持する軸受として機能する。
前記第二の支持部材は、前記第二の回転部材と一体に回転し、前記第二の支持部材および前記錘部材のうち一方に設けられ、前記第二の回転部材の周方向に互いに間隔を空けて位置された二つの第一の引掛部と、前記第二の支持部材および前記錘部材のうち他方に設けられ、前記第二の支持部材と前記錘部材との相対的な回転によって前記二つの第一の引掛部の間を移動する第二の引掛部と、を備え、前記第二の支持部材と前記錘部材との相対的な回転が、前記第一の引掛部と前記第二の引掛部との当接により制限される。
前記第二の支持部材は、前記錘部材の前記径方向の内側の端部を支持する。
前記錘部材は、前記第二の弾性部材と接続されたベース部と、前記内側の端部を含み前記ベース部から前記錘部材の径方向の内側に延びた第一の延部と、を有する。
前記錘部材は、前記ベース部から前記錘部材の径方向の外側に延びた第二の延部を有する。
前記錘部材は、プレス成形される。
前記第二の弾性部材は、少なくとも前記錘部材に、第二の結合具またはかしめによって結合される。
前記第二の弾性部材には、第一の嵌部が設けられ、少なくとも前記錘部材には、前記第一の嵌部と嵌まる第二の嵌部が設けられる。
前記第二の弾性部材は、少なくとも前記錘部材と結合された結合部を有し、前記結合部の前記軸方向の厚さは、当該第二の弾性部材のうち前記結合部以外の部分の前記軸方向の厚さよりも厚い。
前記第一の支持部材、および前記第二の支持部材のうち少なくとも一方は、合成樹脂材料または金属材料によって構成される。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。