以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図中、回転中心Axの軸方向の一方側は矢印Xで示される。また、以下の説明では、便宜上、図2の左側からの視線を正面視とし、図2の右側からの視線を背面視とする。
<第1の実施形態>
図1,2に示されるダンパ装置1は、入力側となるエンジンと出力側となるトランスミッションとの間に位置される。ダンパ装置1は、入力側と出力側との間で駆動力としてのトルクや回転等の変動を緩和することができる。ダンパ装置1は、トルク変動吸収装置とも称されうる。なお、ダンパ装置1は、エンジンとトランスミッションとの間には限らず、他の二つの回転要素間、例えば、エンジンとモータジェネレータとの間に設けることが可能であるし、ハイブリット自動車等の種々の車両や、回転要素を有した機械等に設けることが可能である。
より具体的には、ダンパ装置1は、エンジンとトランスミッションとの間で駆動力の伝達と遮断とを行うクラッチ装置100に設けられる。クラッチ装置100は、エンジンのクランクシャフトに連結されるフライホイール(不図示)と、トランスミッションの入力シャフト(不図示)と連結されるディスク部11と、を備える。クラッチ装置100は、フライホイールに対するディスク部11の押し付け状態を変化させることにより、フライホイールとディスク部11との間で駆動力が伝達される伝達状態と、フライホイールとディスク部11との間で駆動力の伝達が遮断される遮断状態と、を切り替えることができる。なお、クラッチ装置100は、フライホイールとディスク部11との間で入力トルクに対して出力トルクが減る所謂半クラッチ状態での駆動力の伝達も可能である。
ダンパ装置1は、例えば、ディスク部11と、ダンパ部12と、複数の動吸振器13と、を備える。ディスク部11は、ダンパ装置1の径方向に関してダンパ装置1のうち径方向の外側に位置され、ダンパ部12は、ダンパ装置1の径方向に関してディスク部11の径方向の内側に位置されている。また、動吸振器13は、ダンパ部12に設けられている。
ディスク部11は、回転中心Ax回りの円環状に構成されている。回転中心Axは、回転軸や、軸心等とも称されうる。ディスク部11は、壁部11aと、覆部11bと、を有する。壁部11aは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、ディスク部11の径方向に広がっている。覆部11bは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、ディスク部11の径方向に広がっている。覆部11bは、壁部11aに対して軸方向の一方側および他方側のそれぞれに、設けられている。二つの覆部11bは、いずれもディスク部11の径方向に関して壁部11aの径方向外側の端部に位置されている。軸方向の一方側、すなわち図2の左側の覆部11bは、フライホイールに面しており、フライホイールと摩擦により結合可能である。壁部11aと二つの覆部11bとは、それらを軸方向に貫通する不図示のねじやリベット等の結合具によって互いに結合されている。覆部11bは、フェイシングやパッド等とも称されうる。ディスク部11には、フライホイールからエンジンの駆動力が入力される。なお、覆部11bは、環状でなくてもよい。例えば、矩形状等の形状の複数の覆部11bが、回転中心Ax回りに並べられていてもよい。
ダンパ部12は、第一の回転部材25と、第二の回転部材26と、第一の弾性部材23と、を有する。図2に示されるように、第一の回転部材25は、例えば、ディスク部11と、外側部材21とを含み、第二の回転部材26は、例えば、内側部材22と、ハブ部材24とを含む。第一の回転部材25と第二の回転部材26とは、回転中心Ax回りに回転可能に構成されている。第一の弾性部材23は、第一の回転部材25の外側部材21と第二の回転部材26の内側部材22との間に介在している。また、外側部材21は、ディスク部11を介して入力側、すなわちエンジンに接続され、内側部材22は、ハブ部材24を介して出力側、すなわちトランスミッションに接続されている。本実施形態では、第一の回転部材25は、入力側部材の一例であり、第二の回転部材26は、出力側部材の一例である。ダンパ部12では、第一の弾性部材23が弾性的に伸縮することにより、トルク変動が緩和される。
図2に示されるように、外側部材21は、例えば、軸方向で一対となった二つのサイドプレート21a,21bを有する。本実施形態では、サイドプレート21aは、サイドプレート21bの軸方向の一方側、すなわち図2の左側に位置されている。サイドプレート21a,21bは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、第二の回転部材26の径方向に広がっている。サイドプレート21a,21bは、少なくとも部分的に、互いに軸方向に間隔をあけて位置されている。サイドプレート21a,21bは、不図示のねじやリベット等の結合具によって互いに結合され、回転中心Ax回りに一体に回転する。また、第二の回転部材26の径方向に関してサイドプレート21aの径方向外側の端部は、第二の回転部材26の径方向に関して壁部11aの径方向内側の端部に結合されている。よって、外側部材21は、ディスク部11と回転中心Ax回りに一体に回転する。また、図1,2に示されるように、サイドプレート21a,21bには、それぞれ、第二の回転部材26の周方向に間隔をあけて複数の開口部21c,21dが設けられている。図2に示されるように、これら開口部21c,21dは、例えば、互いに軸方向に重なり合った貫通孔として構成されている。開口部21c,21dには、第二の回転部材26の周方向に関してそれぞれの周方向の一方側の縁部と他方側の縁部との間に第一の弾性部材23が配置されている。サイドプレート21a,21b、すなわち外側部材21は、例えば、金属材料によって構成されうる。
図2に示されるように、内側部材22は、例えば、センタプレート22aを有する。センタプレート22aは、外側部材21のサイドプレート21aとサイドプレート21bとの間に位置され、サイドプレート21aおよびサイドプレート21bから軸方向に離間している。センタプレート22aは、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、第二の回転部材26の径方向に広がっている。センタプレート22aは、外側部材21のサイドプレート21a,21bと回転中心Ax回りに相対的に回転可能に設けられている。ただし、センタプレート22aとサイドプレート21a,21bとの相対的な回転は、例えば、不図示のストッパ同士が当接することなどによって、所定の角度範囲内に限定されている。センタプレート22aには、開口部22bが設けられている。開口部22bは、例えば、第二の回転部材26の径方向に関してセンタプレート22aの径方向の外側に向けて開放された切欠部として構成されている。また、開口部22bは、センタプレート22aを軸方向に貫通している。内側部材22の開口部22bと外側部材21の開口部21c,21dとは、互いに軸方向に重なり合っている。開口部22bには、第二の回転部材26の周方向に関して当該周方向の一方側の縁部と他方側の縁部との間に第一の弾性部材23が配置されている。また、第二の回転部材26の径方向に関してセンタプレート22aの径方向内側の端部には、凸状の引掛部22cが設けられている。引掛部22cは、第二の回転部材26の径方向に関してセンタプレート22aの径方向内側の端部から径方向の内側に向かって突出している。センタプレート22a、すなわち内側部材22は、例えば、金属材料によって構成されうる。
図1,2に示される第一の弾性部材23は、例えば、金属材料で構成され、第二の回転部材26の周方向に略沿って延びたコイルばねである。第一の弾性部材23は、互いに軸方向に重なり合った開口部21c,21dおよび開口部22b内に収容され、第一の弾性部材23は、第一の回転部材25と第二の回転部材26とに接続される。このような構成で、第二の回転部材26の周方向に関して開口部21c,21dの周方向の一方側の縁部と開口部22bの周方向の他方側の縁部とが互いに近付く方向に相対的に回転すると、それら縁部によって第一の弾性部材23が弾性的に縮む。逆に、開口部21c,21dおよび開口部22b内で弾性的に縮んだ状態で、第二の回転部材26の周方向に関して開口部21c,21dの周方向の一方側の縁部と開口部22bの周方向の他方側の縁部とが互いに遠ざかる方向に相対的に回転すると、第一の弾性部材23は弾性的に伸びる。すなわち、第一の弾性部材23は、第一の回転部材25のサイドプレート21a,21bと第二の回転部材26のセンタプレート22aとの間に挟まれ、回転中心Ax回りの相対的な回転に伴って略第二の回転部材26の周方向に沿って弾性的に伸縮する。第一の弾性部材23は、弾性的に縮むことによりトルクを圧縮力として蓄え、弾性的に伸びることにより圧縮力をトルクとして放出する。第一の弾性部材23は、このように、第一の回転部材25と第二の回転部材26との間に位置され、第一の回転部材25と第二の回転部材26とに第二の回転部材26の周方向に略沿って挟まれて、第二の回転部材26の周方向に略沿って弾性的に伸縮する。ダンパ部12は、この第一の弾性部材23の伸縮によってトルク変動を緩和することができる。
図2に示されるように、ハブ部材24は、第二の回転部材26の径方向に関して外側部材21および内側部材22の径方向の内側に位置されている。ハブ部材24は、全体として回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。また、ハブ部材24は、筒状部24aを有する。筒状部24aの内側には、トランスミッションの入力シャフトが挿入される。筒状部24aは、入力シャフトと結合され、入力シャフトと一体に回転する。
筒状部24aは、例えば、第一の筒状部24bと、第二の筒状部24cと、第三の筒状部24dと、を有する。第一の筒状部24bと、第二の筒状部24cと、第三の筒状部24dとは、いずれも回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。本実施形態では、第一の筒状部24b、第二の筒状部24c、および第三の筒状部24dの順で、軸方向の一方側から他方側、すなわち図2の左側から右側に位置されている。第一の筒状部24bは、筒状部24aの軸方向の一方側の端部を含み、第三の筒状部24dは、筒状部24aの軸方向の他方側の端部を含む。第一の筒状部24bの外径と第三の筒状部24dの外径とは、略同じである。また、第二の筒状部24cは、第一の筒状部24bと第三の筒状部24dとの間に設けられている。第二の筒状部24cの外径は、第一の筒状部24bおよび第三の筒状部24dの外径よりも大きい。また、第二の筒状部24cは、第二の回転部材26の径方向に関してサイドプレート21a,21bの径方向の内側に位置され、サイドプレート21a,21b、すなわち第一の回転部材25を回転中心Ax回りに回転可能に支持している。このように、第二の筒状部24cは、第一の回転部材25の軸受部として機能することができる。
また、第二の筒状部24cには、張出部24eが設けられている。張出部24eは、第二の筒状部24cの軸方向の略中央部から、第二の回転部材26の径方向の外側に向かって張り出している。張出部24eは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。張出部24eは、第二の回転部材26の径方向に関してセンタプレート22aの径方向の内側に位置されている。張出部24eは、筒状部や凸部等とも称されうる。また、第二の回転部材26の径方向に関して張出部24eの径方向の外側の部分には、凹状の引掛部24fが設けられている。引掛部24fは、センタプレート22aの引掛部22cと対応した位置に設けられ、引掛部22cと第二の回転部材26の周方向に離間した状態で引掛部22cを収容可能である。引掛部24fは、例えば、内側部材22とハブ部材24との相対的な回転に伴って伸縮する不図示の弾性部材が弾性的に縮んだ状態で、引掛部22cと第二の回転部材26の周方向に引っ掛かるように構成されうる。ダンパ部12は、この弾性部材の伸縮によってもトルク変動を緩和することができる。また、ハブ部材24は、引掛部24fと引掛部22cとが第二の回転部材26の周方向に互いに引っ掛かった状態では、内側部材22と一体に回転する。また、ハブ部材24は、上述のとおりトランスミッションの入力シャフトと一体に回転する。したがって、ハブ部材24と内側部材22とは、入力シャフトと一体に回転する。ハブ部材24は、例えば、金属材料によって構成されうる。
図1,2に示されるように、動吸振器13は、エンジンの駆動力が伝達される第一の弾性部材23における当該駆動力の出力側、すなわち第二の回転部材26に設けられている。具体的には、動吸振器13は、ハブ部材24の筒状部24aの第一の筒状部24bに設けられている。
動吸振器13は、支持部材31と、錘部材32と、弾性部34と、を有する。支持部材31は、ハブ部材24の筒状部24aの第一の筒状部24bに接続され、錘部材32は、弾性部34を介して支持部材31に支持されている。
支持部材31は、筒状部31aを有する。筒状部31aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。筒状部31aは、第二の回転部材26の径方向に関してハブ部材24の筒状部24aの第一の筒状部24bの径方向の外側で第一の筒状部24bに重ねられ、第一の筒状部24bに接続されている。筒状部31aと第一の筒状部24bとは、圧入やかしめ、引っ掛かり、接着、結合具等によって互いに結合されている。支持部材31は、ハブ部材24と一体に回転する。支持部材31は、例えば、金属材料によって構成されている。支持部材31は、第二の回転部材26に含まれる。
錘部材32は、ベース部32aを有する。ベース部32aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。ベース部32aは、第二の回転部材26の径方向に関して支持部材31の筒状部31aの径方向の外側で筒状部31aと離間して位置されている。錘部材32は、例えば、金属材料によって構成されている。錘部材32は、第二の回転部材26に対して対移動可能に弾性部34に支持されている。錘部材32は、弾性部34の弾性変形を伴って第二の回転部材26に対して相対移動する。錘部材32は、慣性体(質量体)として機能する。ベース部32aは、筒状部とも称される。
弾性部34は、一つの第二の弾性部材33を有する。第二の弾性部材33は、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。第二の弾性部材33は、エラストマ等の弾性材料によって構成されている。第二の弾性部材33は、支持部材31と錘部材32との間に介在している。第二の弾性部材33は、第二の回転部材26の径方向に関して当該径方向の一端部33mと、第二の回転部材26の径方向に関して当該径方向の他端部33nと、を有する。一端部33mは、第二の弾性部材33のうち第二の回転部材26の径方向の内側に位置され、第二の回転部材26の支持部材31に接続されている。他端部33nは、第二の弾性部材33のうち第二の回転部材26の径方向の外側に位置され、錘部材32に接続されている。第二の弾性部材33は、第二の回転部材26に弾性変形可能に支持された状態で、錘部材32を支持している。第二の弾性部材33と支持部材31および錘部材32との結合は、例えば、加硫接着等によってなされる。なお、第二の弾性部材33は、例えばカラー等の介在部材を介して支持部材31や錘部材32に結合されてもよい。
また、図1〜3に示されるように、第二の弾性部材33は、壁部33aと、リブ33dと、を有する。壁部33aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。壁部33aの軸方向の厚さは、第二の回転部材26の径方向の外側に向かうにつれて薄くなっている。壁部33aは、軸方向の一対の端面33b,33cを有する。端面33b,33cのそれぞれには、複数のリブ33dが設けられている。リブ33dは、端面33b,33cから軸方向に突出しているとともに、一端部33mから他端部33nに向かう方向、すなわち第二の回転部材26の径方向、に沿って延びている。各端面33b,33cの複数のリブ33dは、回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されている。具体的には、複数のリブ33dは、回転中心Axを中心とした放射状に並べられるととともに、回転中心Ax回りに略等角度間隔に並べられている。端面33bに設けられた複数のリブ33dと、端面33cに設けられた複数のリブ33dとは、壁部33aを介して互いに軸方向に重ねられている。リブ33dの延び方向、すなわち第二の回転部材26の径方向に沿った方向、と直交する方向のリブ33dの断面は、例えば、矩形状に構成されている。リブ33dは、弾性部34の軸方向の曲げ剛性を高くしている。リブ33dは、抑制部として機能し、軸方向に関する弾性部34の変形を抑制する。なお、リブ33dの断面は、矩形状に限るものではなく、矩形以外の多角形状や半円状等であってもよい。リブ33dは、凸部や突起部、補強部等とも称される。
動吸振器13では、例えば、第二の回転部材26に振動が発生した場合、錘部材32が第二の弾性部材33の弾性変形を伴って第二の回転部材26の振動方向とは逆方向に振動(移動)することにより、第二の回転部材26の振動を減衰させることができる。
図4には、動吸振器13が設けられた本実施形態のダンパ装置1と、動吸振器13が設けられていない比較例のダンパ装置と、のそれぞれについて、トルク変動とエンジンの回転数との関係が示されている。比較例のダンパ装置は、動吸振器13が設けられていない点以外はダンパ装置1と同様の構成である。図4から分かるように、動吸振器13は、動吸振器13を設けない場合に発生する共振点(ピーク点)の振動を減衰させ、ダンパ装置1のトルク変動の最大値を、比較例のダンパ装置のトルク変動の最大値よりも低くする特性を有する。
以上、説明したように、本実施形態では、リブ33dは、抑制部として機能し、軸方向に関する弾性部34の変形を抑制する。よって、本実施形態によれば、例えば、リブ33dによる軸方向に関する弾性部34の変形の抑制度合いの設定により、動吸振器13の軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13の軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
ここで、例えば、エンジンの第一の回転数以上の回転数領域の使用頻度が少ない場合には、動吸振器13の軸方向の共振が第一の回転数以上で発生するように、動吸振器13の軸方向の共振周波数が設定されうる。これにより、動吸振器13の軸方向の共振の発生が抑制される。よって、動吸振器13を含むダンパ装置1の耐久性を確保しやすい。第一の回転数は、例えば3500rpmであるが、これに限られるものではない。
また、本実施形態では、第二の弾性部材33には、一端部33mから他端部33nに向かう方向に沿って延び抑制部として機能するリブ33dが設けられている。よって、当該構成によれば、例えば、リブ33dの形状や数等の設定により、動吸振器13の軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13の軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
また、本実施形態では、第二の弾性部材33は、回転中心Ax回りの環状に構成され、第二の弾性部材33には、回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置された複数のリブ33dが設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、複数の第二の弾性部材を互いに第二の回転部材26の周方向に間隔を空けて設ける場合に比べて、ダンパ装置1の部品数を少なくしやすい。
<第2の実施形態>
図5に示される本実施形態のダンパ装置1Aは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Aの弾性部34Aは、図1〜図4の第二の弾性部材33に替えて複数の第二の弾性部材33Aを有する。各第二の弾性部材33Aは、第二の回転部材26の径方向に沿って延びた棒状に構成されている。各第二の弾性部材33Aの一端部33mは、第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33Aのうち径方向の内側に位置され、第二の回転部材26の支持部材31に接続されている。また、第二の弾性部材33Aの他端部33nは、第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33Aのうち径方向の外側に位置され、錘部材32に接続されている。各第二の弾性部材33Aは、第二の回転部材26に弾性変形可能に支持された状態で、錘部材32を支持している。第二の弾性部材33Aと支持部材31および錘部材32との結合は、例えば、加硫接着等によってなされる。
複数の第二の弾性部材33Aは、回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されている。よって、第二の回転部材26の周方向で隣り合う二つの第二の弾性部材33Aの間には、空間が設けられている。複数の第二の弾性部材33Aは、回転中心Axを中心とした放射状に並べられるととともに、回転中心Ax回りに略等角度間隔に並べられている。また、各第二の弾性部材33Aは、他の第二の弾性部材33Aと第二の回転部材26の径方向で重なる位置に位置されている。
複数の第二の弾性部材33Aには、複数の第三の弾性部材33A1と、複数の第四の弾性部材33A2と、が含まれている。図6,7から分かるように、第三の弾性部材33A1および第四の弾性部材33A2は、軸方向の厚さL1,L2が互いに異なる。第四の弾性部材33A2の軸方向の厚さL2は、第三の弾性部材33A1の軸方向の厚さL1よりも厚い。第四の弾性部材33A2は、第三の弾性部材33A1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する。すなわち、第四の弾性部材33A2は、第三の弾性部材33A1よりも軸方向の曲げ剛性が大きい。第四の弾性部材33A2は、弾性部34Aの軸方向の曲げ剛性を高くしている。第三の弾性部材33A1と第四の弾性部材33A2とは、回転中心Ax回りに交互に位置されている。各第三の弾性部材33A1は、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられる。各第四の弾性部材33A2は、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられる。すなわち、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられた二つの第三の弾性部材33A1の軸方向の厚さL1は、互いに同じである。また、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられた二つの第四の弾性部材33A2の軸方向の厚さL2は、互いに同じである。
以上、説明したように、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Aには、第三の弾性部材33A1と、第三の弾性部材33A1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する第四の弾性部材33A2と、が含まれている。よって、本実施形態によれば、例えば、第四の弾性部材33A2によって、軸方向に関する弾性部34Aの変形を抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Aが回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されている。よって、一つの第二の弾性部材が回転中心Ax回りの環状に構成されている場合に比べて、第二の回転部材26の周方向に関して弾性部34Aの周方向の変形しにくさを小さくしやすいので、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Aの変形量を大きくしやすい。第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Aの変形量は、捩り量や捩り角とも称される。また、例えば、第二の弾性部材が回転中心回りの環状に構成された場合に比べて、動吸振器13Aを軽量化しやすい。
また、本実施形態では、例えば、複数の第三の弾性部材33A1のそれぞれは、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられ、複数の第四の弾性部材33A2のそれぞれは、回転中心Axを中心として対称となる位置に設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、動吸振器13Aにおける回転中心Axを挟んで互いに反対側の部分同士の変形特性を同じにしやすい。
また、本実施形態では、例えば、第四の弾性部材33A2の軸方向の厚さL2は、第三の弾性部材33A1の軸方向の厚さL1よりも厚い。よって、本実施形態によれば、例えば、第四の弾性部材33A2の軸方向の厚さL2の設定により、動吸振器13Aの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Aの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
<第3の実施形態>
図8に示される本実施形態のダンパ装置1Bは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Bの弾性部34Bは、図1〜図4の第二の弾性部材33に替えて第二の弾性部材33Bを有する。第二の弾性部材33Bは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。第二の弾性部材33Bの一端部33は、第二の回転部材26の支持部材31に接続され、第二の弾性部材33Bの他端部33nは、錘部材32に接続されている。
図8,9に示されるように、第二の弾性部材33Bは、波形部33pを有する点が第二の弾性部材33と異なる。波形部33pは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。波形部33pは、例えば、軸方向の一方側からの視線、すなわち図8の紙面手前側からの視線での稜部33p1および谷間部33p2を有する。稜部33p1と谷間部33p2とは、第二の回転部材26の支持部材31から錘部材32に向かう方向、すなわち第二の回転部材26の径方向、に沿って延びている。稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りに交互に位置されている。稜部33p1と谷間部33p2との間には、壁部33p3が介在している。稜部33p1と谷間部33p2とは、抑制部として機能し、軸方向に関する弾性部34Bの変形を抑制する。稜部33p1と谷間部33p2とは、軸方向に関する弾性部34Bの変形しにくさを大きくしている。稜部33p1と谷間部33p2とは、曲部や折曲部とも称される。また、谷間部33p2は、谷部や谷底部とも称される。また、波形部33pは、蛇腹部とも称される。
以上、説明したように、本実施形態では、波形部33pは、抑制部として機能する稜部33p1および谷間部33p2を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、稜部33p1および谷間部33p2の数等の設定により、動吸振器13Bの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Bの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。また、第二の回転部材26の周方向に関して弾性部34Bの周方向の変形しにくさが大きくなるのを抑制しつつ、軸方向に関する弾性部34Bの変形しいくさを大きくしやすい。
<第4の実施形態>
図10に示される本実施形態のダンパ装置1Cは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Cの弾性部34Cは、図1〜図4の第二の弾性部材33に替えて第二の弾性部材33Cを有する。第二の弾性部材33Cは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。第二の弾性部材33Cの一端部33は、第二の回転部材26の支持部材31に接続され、第二の弾性部材33Cの他端部33nは、錘部材32に接続されている。
図10,11に示されるように、第二の弾性部材33Cは、波形部33pCを有する点が第二の弾性部材33と異なる。波形部33pCは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。波形部33pCは、例えば、軸方向の一方側からの視線、すなわち図10の紙面手前側からの視線での稜部33p1および谷間部33p2を有する。稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りに延びている。詳細には、稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。稜部33p1と谷間部33p2とは、第二の回転部材26の径方向に交互に位置されている。稜部33p1と谷間部33p2との間には、壁部33p3が介在している。
以上、説明したように、本実施形態では、波形部33pCは、稜部33p1および谷間部33p2を有し、稜部33p1および谷間部33p2は、第二の回転部材26の径方向に交互に位置されている。これにより、例えば、第二の弾性部材33Cは、軸方向に変形しやすい。本実施形態によれば、例えば、波形部33pCの形状の設定により、動吸振器13Cの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Cの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
ここで、例えば、エンジンの第二の回転数以下の回転数領域の使用頻度が少ない場合には、動吸振器13の軸方向の共振が第二の回転数以下で発生するように、動吸振器13Cの軸方向の共振周波数が設定されうる。これにより、動吸振器13Cの軸方向の共振の発生が抑制される。よって、動吸振器13Cを含むダンパ装置1Cの耐久性を確保しやすい。第二の回転数は、例えば1000rpmであるが、これに限定されるものではない。
<第5の実施形態>
図12に示される本実施形態のダンパ装置1Dは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
本実施形態の動吸振器13Dの弾性部34Dは、図5〜7の弾性部34Aと同様に、第三の弾性部材32A1および第四の弾性部材32A2を含む複数の第二の弾性部材32Aを有する。ただし、弾性部34Dは、第二の弾性部材32Aの数が弾性部34Aと異なる。
また、図12,13に示されるように、本実施形態では、錘部材32に、凸部32bが設けられている。凸部32bは、第二の回転部材26の径方向に関して錘部材32のベース部32aの径方向内側の端部から径方向の内側に突出している。また、図13,14に示されるように、凸部32bのうちの軸方向の他方側の部分には、凹状の収容部32cが設けられている。収容部32cは、凸部32bとベース部32aとに渡って設けられている。
また、支持部材31には、軸方向支持部31cが設けられている。軸方向支持部31cは、第二の回転部材26の径方向に関して支持部材31の筒状部31aの径方向外側の端部から径方向の外側に突出している。軸方向支持部31cは、少なくとも一部が収容部32cに収容されている。軸方向支持部31cは、例えば、収容部32cで軸方向と離間している。軸方向支持部31cは、例えば支持部材31と錘部材32との軸方向の相対移動によって、収容部32cと軸方向に当接することにより、錘部材32を軸方向に支持する。また、軸方向支持部31cは、第二の回転部材26の径方向に所定量だけ収容部32cと相対移動可能となっている。軸方向支持部31cは、第二の回転部材26の径方向に収容部32cと当接することにより、第二の回転部材26の径方向に関して錘部材32を径方向に支持するように構成してもよい。この場合、軸方向支持部31cは、径方向支持部としても機能する。軸方向支持部31cは、支持部や制限部等とも称される。
以上、説明したように、本実施形態では、軸方向支持部31cは、錘部材32を軸方向に支持する。よって、当該構成によれば、例えば、軸方向支持部31cによって、錘部材32の軸方向への移動を制限することができる。これにより、例えば、動吸振器13Dに共振が発生した場合であっても、動吸振器13Dの共振の振幅を小さくすることができる。また、弾性部34Dに作用する軸方向の負荷を制限することができる。
<第6の実施形態>
図15に示される本実施形態のダンパ装置1Eは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Eの弾性部34Eは、図5〜7の複数の第二の弾性部材33Aに替えて複数の第二の弾性部材33Eを有する。複数の第二の弾性部材33Eの配置は、図5の複数の第二の弾性部材32Aと同様である。第二の弾性部材33Eは、例えば、軸方向の厚さが第二の回転部材26の周方向に沿った幅よりも薄い板ばねとして構成されている。なお、本実施形態の複数の第二の弾性部材33Eの軸方向の厚さは、互いに同じに設定されうる。
図15,16に示されるように、第二の弾性部材33Eは、波形部33pEを有する。波形部33pEは、第二の回転部材26の径方向に沿って延びている。波形部33pEは、例えば、軸方向の一方側からの視線、すなわち図15の紙面手前側からの視線での稜部33p1および谷間部33p2を有する。稜部33p1と谷間部33p2とは、第二の回転部材26の支持部材31から錘部材32に向かう方向、すなわち第二の回転部材26の径方向、に沿って延びている。稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りに交互に位置されている。稜部33p1と谷間部33p2との間には、壁部33p3が介在している。稜部33p1と谷間部33p2とは、抑制部として機能し、軸方向に関する弾性部34Eの変形を抑制する。
以上、説明したように、本実施形態では、波形部33pEは、抑制部として機能する稜部33p1および谷間部33p2を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、稜部33p1および谷間部33p2の数等の設定により、動吸振器13Eの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Eの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Eが回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されているので、一つの第二の弾性部材が回転中心Ax回りの環状に構成されている場合に比べて、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Eの変形しにくさを小さくしやすい。よって、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Eの変形量を大きくしやすい。
<第7の実施形態>
図17に示される本実施形態のダンパ装置1Fは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Fの弾性部34Fは、図5〜7の複数の第二の弾性部材33Aに替えて複数の第二の弾性部材33Fを有する。複数の第二の弾性部材33Fの配置は、図5の複数の第二の弾性部材32Aと同様である。第二の弾性部材33Fは、例えば、軸方向の厚さが第二の回転部材26の周方向に沿った幅よりも薄い板ばねとして構成されている。なお、本実施形態の複数の第二の弾性部材33Fの軸方向の厚さは、互いに同じに設定されうる。
図17,18に示されるように、第二の弾性部材33Fは、波形部33pFを有する。波形部33pFは、第二の回転部材26の径方向に沿って延びている。波形部33pFは、例えば、軸方向の一方側からの視線、すなわち図17の紙面手前側からの視線での稜部33p1および谷間部33p2を有する。稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りに沿って延びている。稜部33p1と谷間部33p2とは、回転中心Ax回りに延びている。稜部33p1と谷間部33p2とは、第二の回転部材26の径方向に交互に位置されている。稜部33p1と谷間部33p2との間には、壁部33p3が介在している。
以上、説明したように、本実施形態では、波形部33pFは、稜部33p1および谷間部33p2を有し、稜部33p1および谷間部33p2は、第二の回転部材26の径方向に交互に位置されている。これにより、例えば、第二の弾性部材33Fは、軸方向に変形しやすい。よって、本実施形態によれば、例えば、稜部33p1および谷間部33p2の数等の設定により、動吸振器13Fの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Fの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Fが回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されているので、一つの第二の弾性部材が回転中心Ax回りの環状に構成されている場合に比べて、第二の回転部材26の周方向に関して弾性部34Fの周方向の変形しにくさを小さくしやすい。よって、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Fの変形量を大きくしやすい。
<第8の実施形態>
図19に示される本実施形態のダンパ装置1Gは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Gの弾性部34Gは、図5〜7の複数の第二の弾性部材33Aに替えて複数の第二の弾性部材33Gを有する。各第二の弾性部材33Gは、板ばねである。第二の弾性部材33Gは、例えば、軸方向の厚さが第二の回転部材26の周方向に沿った幅よりも薄い板ばねとして構成されている。
複数の第二の弾性部材33Gには、複数の第三の弾性部材33G1と、複数の第四の弾性部材33G2と、が含まれている。図20,21から分かるように、第三の弾性部材33G1および第四の弾性部材33G2は、軸方向の厚さL3,L4が互いに異なる。第四の弾性部材33G2の軸方向の厚さL4は、第三の弾性部材33G1の軸方向の厚さL3よりも厚い。第四の弾性部材33G2は、第三の弾性部材33G1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する。すなわち、第四の弾性部材33G2は、第三の弾性部材33G1よりも軸方向の曲げ剛性が大きい。各第二の弾性部材33Gは、支持部材31の筒状部31aの軸方向の一方側の面と、錘部材32のベース部32aの軸方向の一方側の面とに亘って設けられている。なお、第三の弾性部材33G1と第四の弾性部材33G2との配置は、図5の第三の弾性部材33A1および第四の弾性部材33A2の配置と同様であるため、詳しい説明は省略される。
以上、説明したように、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Gには、第三の弾性部材33G1と、第三の弾性部材33G1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する第四の弾性部材33G2と、が含まれている。よって、本実施形態によれば、例えば、第四の弾性部材33G2によって、軸方向に関する弾性部34Gの変形を抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Gは、板ばねである。板ばねは、厚さ方向の曲げ剛性と厚さ方向と直交する幅方向の曲げ剛性とが異なる。よって、本実施形態によれば、ダンパ装置1Gに加わる互いに異なる方向の振動に対して異なる減衰特性を得やすい。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Gが回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されている。よって、本実施形態によれば、一つの第二の弾性部材が回転中心Ax回りの環状に構成されている場合に比べて、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Gの変形しにくさを小さくしやすいので、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Aの変形量を大きくしやすい。
<第9の実施形態>
図22に示される本実施形態のダンパ装置1Hは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Hは、図1〜4の錘部材32に替えて錘部材32Hを有する。また、本実施形態の動吸振器13Hには、図1の支持部材31が設けられておらず、第二の弾性部材33は、ハブ部材24に接続されている。
錘部材32Hは、第二の弾性部材33と接合されたベース部32aの他に、第一の延部32dを有する。第一の延部32dは、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aの軸方向の一方側の端部から径方向の内側に延びて、第二の弾性部材33に軸方向で面している。第一の延部32dは、回転中心Ax回りの環状の板状に構成されている。第二の回転部材26の径方向に関して第一の延部32dの径方向内側の端部32d1は、第二の回転部材26の径方向に関して錘部材32Hの径方向内側の端部である。
また、ダンパ装置1Hは、介在部材41を備える。介在部材41は、第二の回転部材26のハブ部材24と錘部材32Hとの間に介在している。介在部材41は、第二の回転部材26に含まれる。介在部材41は、第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33の径方向の中心よりも径方向の内側に位置されている。第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33の径方向の中心の位置は、線Bによって示されている。介在部材41は、回転中心Ax回りの環状に構成されている。介在部材41は、径方向支持部41aと、軸方向支持部41bと、を有している。径方向支持部41aは、筒状部とも称され、軸方向支持部41bは、壁部とも称される。
径方向支持部41aは、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関してハブ部材24における筒状部24の第一の筒状部24bの径方向の外側で第一の筒状部24bに重ねられ、第一の筒状部24bに接続されている。径方向支持部41aと第一の筒状部24bとは、圧入やかしめ、引っ掛かり、接着、結合具等によって互いに結合されている。介在部材41は、ハブ部材24と一体に回転する。径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33の第一の延部32dの端部32d1に径方向で面している。径方向支持部41aと端部32d1との間には、隙間があってもよいし隙間が無くてもよい。径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関して径方向支持部41aと端部32d1とが互いに径方向で接触した状態で、錘部材32を径方向に支持する。また、径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関して径方向支持部41aと端部32d1とが互いに径方向で接触した状態で、錘部材32Hを回転中心Ax回りに回転可能に径方向に支持する。すなわち、径方向支持部41aは、錘部材32Hのラジアル軸受として機能する。
軸方向支持部41bは、回転中心Ax回りの環状の板状に構成されている。軸方向支持部41bは、第二の回転部材26の径方向に関して径方向支持部41aの軸方向の他方向の端部から径方向の外側に延びている。第一の延部32dは、錘部材32Hの第一の延部32dと第二の弾性部材33との間に位置され、第二の弾性部材33に軸方向で面している。径方向支持部41aと端部32d1との間には、隙間があってもよいし隙間が無くてもよい。軸方向支持部41bは、軸方向支持部41bと端部32d1とが互いに軸方向で接触した状態で、錘部材32Hを軸方向に支持する。また、軸方向支持部41bは、軸方向支持部41bは、軸方向支持部41bと端部32d1とが互いに軸方向で接触した状態で、錘部材32Hを、回転中心Ax回りに回転可能に支持する。すなわち、軸方向支持部41bは、錘部材32Hのスラスト軸受として機能する。
介在部材41は、合成樹脂材料や金属材料等によって構成されている。なお、介在部材41は、玉軸受やころ軸受などによって構成されてもよい。
以上、説明したように、本実施形態では、径方向支持部41aは、錘部材32を径方向に支持する。よって、本実施形態によれば、例えば、径方向支持部41aによって、第二の回転部材26の径方向に関して錘部材32の径方向への移動を抑制することができる。したがって、錘部材32の偏心を抑制することができる。
また、本実施形態では、介在部材41は、合成樹脂材料または金属材料によって構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、介在部材41の変形を比較的抑制しやすい。
また、本実施形態では、径方向支持部41aは、錘部材32Hを回転中心Ax回りに回転可能に支持する軸受として機能する。よって、本実施形態によれば、例えば、錘部材32Hが第二の回転部材26の径方向に関して径方向支持部41aに径方向に支持された状態でも、錘部材32Hが第二の回転部材26に対して相対移動しやすい。
また、本実施形態では、径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関して錘部材32Hの径方向内側の端部32d1を支持する。よって、本実施形態によれば、例えば、径方向支持部が第二の回転部材の径方向に関して錘部材の径方向外側の端部を支持する構成に比べて、径方向支持部41aにおける錘部材32Hの支持位置と回転中心Axとの間の距離を短くすることができる。これにより、径方向支持部41aに作用する錘部材32Hによるトルクを小さくすることができる。
また、本実施形態では、錘部材32Hは、ベース部32aと、第一の延部32dと、を有する。ベース部32aは、第二の弾性部材33と結合され、第一の延部32dは、第二の回転部材26の径方向に関して端部32d1を含み壁部32aから径方向の内側に延びている。よって、本実施形態によれば、例えば、径方向支持部がベース部32aを支持する構成に比べて、径方向支持部41aにおける錘部材32Hの支持位置と回転中心Axと間の距離を短くすることができる。これにより、径方向支持部41aに作用する錘部材32Hによるトルクを小さくすることができる。
また、本実施形態では、径方向支持部41aは、第二の回転部材26の径方向に関して第二の弾性部材33の径方向の中心よりも径方向の内側に位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、径方向支持部が第二の回転部材の径方向に関して錘部材の径方向の外側に位置された構成に比べて、径方向支持部41aにおける錘部材32Hの支持位置と回転中心Axとの間の距離を短くすることができる。これにより、径方向支持部41aに作用する錘部材32Hによるトルクを小さくすることができる。
<第10の実施形態>
図23に示される本実施形態のダンパ装置1Iは、図22のダンパ装置1Hと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図22の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Iは、図22の錘部材32Hに替えて錘部材32Iを有する。錘部材32Iは、錘部材32Hと同様に、ベース部32aと、第一の延部32dと、を有するが、本実施形態では、ベース部32aと第一の延部32dとは、両方とも板状に構成されている。そして、錘部材32Iは、プレス成形によって形成されたプレス成形品である。このように、本実施形態では、錘部材32Iがプレス成形によって形成されたので、錘部材32Iの製造コストを低減しやすい。
<第11の実施形態>
図24に示される本実施形態のダンパ装置1Jは、図23のダンパ装置1Iと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図23の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Jは、図23の錘部材32Iに替えて錘部材32Jを有する。錘部材32Jは、ベース部32aおよび第一の延部32dの他に、折曲部32iを有する。折曲部32iは、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aの軸方向の他方側の端部から径方向の外側に折れ曲がっている。折曲部32iは、回転中心Ax回りの環状に構成されている。折曲部32iは、第二の延部32i1と、筒状部32i2と、を有する。第二の延部32i1は、ベース部32aの軸方向の他方側の端部から径方向の外側に延びている。第二の延部32i1は、回転中心Ax回りの円環状かつ板状に構成され、径方向に広がっている。筒状部32i2は、第二の回転部材26の径方向に関して第二の延部32i1の径方向外側の端部から軸方向に延びている。筒状部32i2は、回転中心Ax回りの円筒状に構成されている。筒状部32i2は、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aの径方向の外側に位置されている。錘部材32Jは、プレス成形によって形成されたプレス成形品である。第二の延部32i1は、壁部とも称される。
以上、説明したように、本実施形態では、錘部材32Jは、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aから径方向の外側に延びた第二の延部32i1や、筒状部32i2を有する。よって、本実施形態によれば、錘部材32Jの慣性力を大きくしやすい。
<第12の実施形態>
図25に示される本実施形態のダンパ装置1Kは、図22のダンパ装置1Hと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図22の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Kは、図22の錘部材32Hおよび介在部材41に替えて、錘部材32Kおよび介在部材41Kを有する。
介在部材41Kは、介在部材41と同様に径方向支持部41aを有するが、本実施形態では、径方向支持部41aに収容部41dが設けられている。図25,26に示されるように、収容部41dは、第二の回転部材26の径方向に関して径方向支持部41aの径方向の外側の面に凹状に設けられ、第二の回転部材26の径方向の外側に開口している。収容部41dは、二つの第一の引掛部41d1を有する。各第一の引掛部41d1は、第二の回転部材26の径方向および軸方向に延びた面状に構成されている。二つの第一の引掛部41d1は、第二の回転部材26の周方向に互いに間隔を空けて位置されている。
錘部材32Kは、錘部材32Hと同様に、ベース部32aおよび第一の延部32dを有するが、本実施形態では、第一の延部32dに第二の引掛部32gが設けられている。第二の引掛部32gは、第二の回転部材26の径方向に関して第一の延部32dの径方向内側の端部32d1から径方向の内側に突出している。第二の引掛部32gの少なくとも一部は、収容部41d内に収容されている。第二の引掛部32gは、第二の回転部材26と錘部材32Kとの回転中心Ax回りの相対回転に伴って二つの第一の引掛部41d1の間を移動する。第二の引掛部32gは、凸部とも称される。
以上、説明したように、本実施形態では、第一の引掛部41d1と第二の引掛部32gとは、第二の回転部材26の周方向で互いに引っ掛かることにより、第二の回転部材26の周方向に関して第二の回転部材26に対する錘部材の32Kの移動を規制する。よって、本実施形態によれば、第二の弾性部材33の変形量を制限することができる。これにより、第二の弾性部材33に作用する負荷を制限することができる。
<第13の実施形態>
図27に示される本実施形態のダンパ装置1Lは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Lは、図5〜7の支持部材31、錘部材32、および複数の第二の弾性部材33Aに替えて、支持部材31L、錘部材32L、および複数の第二の弾性部材33Lを有する。複数の弾性部材33Lには、図5の弾性部材33Aと同様に、軸方向の厚さが互いに異なるものが含まれる。
支持部材31は、筒状部31aの他に、壁部31dを有する。壁部31dは、第二の回転部材26の径方向に関して筒状部31aの軸方向の他方側の端部から径方向の外側に延びている。壁部31dは、回転中心Ax回りの環状の板状に構成されている。壁部31dには、開口部31d1が設けられている。開口部31d1は、壁部31dを軸方向に貫通した貫通孔である。
錘部材32Lは、ベース部32aの他に、第一の延部32dを有する。すなわち、錘部材32Lは、図22に示された図22の錘部材32Hと同様の構成を有する。ただし、第一の延部32dには、開口部32d1が設けられている。開口部32d1は、第一の延部32dを軸方向に貫通した貫通孔である。
複数の弾性部材33Lの配置は、図5の複数の第二の弾性部材33Aの配置と同様である。各第二の弾性部材33Lは、壁部33aの他に、結合部33g,33hを有する。
結合部33gは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向内側の端部に接続されている。結合部33gの軸方向の厚さL5は、壁部33aの軸方向の厚さL6よりも厚くなっており、結合部33gの軸方向の両端部は、壁部33aに対して軸方向に突出している。結合部33gは、第二の回転部材26の径方向に関して支持部材31Lの筒状部31aの径方向の外側で、筒状部31aと重ねられるとともに、支持部材31Lの壁部31dの軸方向の一方側で、壁部31dと重ねられている。筒状部33gには、開口部33g1が設けられている。開口部33g1は、筒状部33gを軸方向に貫通した貫通孔である。開口部33g1は、支持部材31Lの開口部31d1に面している。結合部33gは、開口部31d1,33g1に挿入された結合具42と、結合具42と結合された結合具43とによって、支持部材31Lの壁部31dに結合されている。結合具42は、ねじ部材としてのボルトであり、結合具43は、ねじ部材としてのナットである。
一方、結合部33hは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向外側の端部に接続されている。結合部33hの軸方向の厚さL7は、壁部33aの軸方向の厚さL6よりも厚くなっており、結合部33hの軸方向の両端部は、壁部33aに対して軸方向に突出している。結合部33hは、錘部材32Lの第一の延部32dの軸方向の他方側で、第一の延部32dと重ねられている。筒状部33hには、開口部33h1が設けられている。開口部33h1は、筒状部33hを軸方向に貫通した貫通孔である。開口部33h1は、錘部材32Lの開口部32d1に面している。結合部33hは、開口部32d1,33h1に挿入された結合具42と、結合具42と結合された結合具43とによって、錘部材32Lの第一の延部32dに結合されている。
以上、説明したように、本実施形態では、例えば、第二の弾性部材33Lは、第二の回転部材26と錘部材32Lとに、結合具42,43よって結合されている。よって、本実施形態によれば、第二の弾性部材33Lと、第二の回転部材26と錘部材32Lとの少なくとも一方との結合において、加硫接着をせずに済む。なお、第二の弾性部材33Lと結合具42,43によって結合されるのは、第二の回転部材26および錘部材32Lの少なくとも一方であってよい。また、第二の弾性部材33Lは、第二の回転部材26および錘部材32Lとの少なくとも一方と、かしめによって結合されてもよい。
また、本実施形態では、第二の弾性部材33Lは、当該第二の弾性部材33Lの結合対象である第二の回転部材26の支持部材31Lおよび錘部材32Lと結合された結合部33g,33hを有する。そして、結合部33g,33hの軸方向の厚さL5,L7は、当該第二の弾性部材33Lのうち結合部33g,33h以外の部分である壁部33aの軸方向の厚さL6よりも厚い。よって、結合部33g,33hの強度を高くしやすい。
<第14の実施形態>
図28に示される本実施形態のダンパ装置1Mは、図1のダンパ装置1と同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図1の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Mは、図1〜4の支持部材31、錘部材32、および複数の第二の弾性部材33に替えて、支持部材31M、錘部材32M、および複数の第二の弾性部材33Mを有する。
支持部材31Mは、筒状部31aの他に、凸状の複数の第二の嵌部31eを有する。第二の嵌部31eは、第二の回転部材26の径方向に関して筒状部31aの径方向外側の端部から径方向の外側に突出している。複数の第二の嵌部31eは、第二の回転部材26の周方向に互いに間隔を空けて位置されている。第二の嵌部31eは、接続部31e1と、張出部31e2と、を有する。接続部31e1は、第二の回転部材26の径方向に関して筒状部31aの径方向外側の端部に接続されている。張出部31e2は、第二の回転部材26の径方向に関して接続部31e1の径方向外側の端部に接続されるとともに、接続部31e1に対して第二の回転部材26の周方向に張り出している。
錘部材32Mは、ベース部32aの他に、凸状の複数の第二の嵌部32eを有する。なお、図28では、一つの第二の嵌部32eが示されている。第二の嵌部32eは、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aの径方向内側の端部から径方向の内側に突出している。複数の第二の嵌部32eは、第二の回転部材26の周方向に互いに間隔を空けて位置されている。第二の嵌部32eは、接続部32e1と、張出部32e2と、を有する。接続部32e1は、第二の回転部材26の径方向に関してベース部32aの径方向内側の端部に接続されている。張出部32e2は、第二の回転部材26の径方向に関して接続部32e1の径方向内側の端部に接続されるとともに、接続部32e1に対して第二の回転部材26の周方向に張り出している。
第二の弾性部材33Mは、壁部33aと、リブ33dと、を有する。なお、図28では、リブ33dは省略されている。本実施形態では、壁部33aに、凹状の複数の第一の嵌部33e、33fが設けられている。
複数の第一の嵌部33eは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向内側の端部に設けられ、第二の回転部材26の周方向に互いに間隔を空けて位置されている。各第一の嵌部33eは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向の内側の端面に対して凹状に構成されるとともに、支持部材31Mの第二の嵌部31eに沿った形状に構成されている。第一の嵌部33eは、例えば、支持部材31Mの第二の嵌部31eと嵌め合わされることにより、第二の嵌部31eと機械的に接合されている。具体的には、第一の嵌部33eに第二の嵌部31eが圧入されている。第一の嵌部33eと第二の嵌部31eとは、互いに第二の回転部材26の周方向および第二の回転部材26の径方向に引っ掛かっている。
複数の第一の嵌部33fは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向外側の端部に設けられ、第二の回転部材26の周方向に互いに間隔を空けて位置されている。各第一の嵌部33fは、第二の回転部材26の径方向に関して壁部33aの径方向の外側の端面に対して凹状に構成されるとともに、錘部材32Mの第二の嵌部32eに沿った形状に構成されている。第一の嵌部33eは、例えば、錘部材32Mの第二の嵌部32eと嵌め合わされることにより、第二の嵌部32eと機械的に接合されている。具体的には、第一の嵌部33fに第二の嵌部32fが圧入されている。第一の嵌部33fと第二の嵌部32eとは、互いに第二の回転部材26の周方向および第二の回転部材26の径方向に引っ掛かっている。
以上、説明したように、本実施形態では、第二の弾性部材33Mには、第一の嵌部33e,33fが設けられ、第二の回転部材26の支持部材31Mおよび錘部材32Mには、第一の嵌部33e,33fと嵌め合わされる第二の嵌部31e,32eが設けられている。よって、本実施形態によれば、第二の弾性部材33Mと、支持部材31Mおよび錘部材32Mとの結合において、加硫接着をせずに済む。なお、第二の弾性部材33Lと嵌め合いによって結合されるのは、第二の回転部材26の支持部材31Mおよび錘部材32Mの少なくとも一方であってよい。
<第15の実施形態>
図29に示される本実施形態のダンパ装置1Pは、図5のダンパ装置1Aと同様の構成を備える。よって、本実施形態によっても、図5の実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。
ただし、本実施形態では、動吸振器13Pの弾性部34Pは、図5〜7の複数の第二の弾性部材33Aに替えて複数の第二の弾性部材33Pを有する。各第二の弾性部材33Pは、線材が巻回されたコイルばねである。
複数の第二の弾性部材33Pには、複数の第三の弾性部材33P1と、複数の第四の弾性部材33P2と、が含まれている。第三の弾性部材33P1および第四の弾性部材33P2は、線径が互いに異なる。第四の弾性部材33P2の線径は、第三の弾性部材33P1の線径よりも大きい。第四の弾性部材33P2は、第三の弾性部材33P1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する。すなわち、第四の弾性部材33P2は、第三の弾性部材33G1よりも軸方向の曲げ剛性が大きい。第三の弾性部材33P1と第四の弾性部材33P2との配置は、第2の実施形態の第三の弾性部材33A1および第四の弾性部材33A2の配置と同様であるため、詳しい説明は省略される。
また、図30に示されるように、支持部材31Pの筒状部31aには、収容部31hが設けられている。収容部31hは、第二の回転部材26の径方向の外側に開口している。収容部31hには、第二の弾性部材33Pの一端部33mが収容されている。また、錘部材32Pの筒状部32aには、収容部32hが設けられている。収容部32hは、第二の回転部材26の径方向の内側に開口している。収容部32hには、第二の弾性部材33Pの他端部33nが収容されている。
以上、説明したように、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Pには、第三の弾性部材33P1と、第三の弾性部材33P1よりも軸方向に曲がりにくく、抑制部として機能する第四の弾性部材33P2と、が含まれている。よって、本実施形態によれば、例えば、第四の弾性部材33P2の線径等の設定により、動吸振器13Pの軸方向の共振周波数を設定することができるので、動吸振器13Pの軸方向の共振周波数の設定がしやすい。
また、本実施形態では、複数の第二の弾性部材33Pが回転中心Ax回りに互いに間隔を空けて位置されている。よって、本実施形態によれば、一つの第二の弾性部材が回転中心Ax回りの環状に構成されている場合に比べて、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Pの変形しにくさを小さくしやすいので、第二の回転部材26の周方向に関する弾性部34Aの変形量を大きくしやすい。
上述した実施形態に関して、付記を開示する。
前記複数の第二の弾性部材には、複数の前記第三の弾性部材と、複数の前記第四の弾性部材と、が含まれ、
前記複数の第三の弾性部材のそれぞれは、前記回転中心を中心として対称となる位置に設けられ、
前記複数の第四の弾性部材のそれぞれは、前記回転中心を中心として対称となる位置に設けられる。
前記第四の弾性部材の前記軸方向の厚さは、前記第三の弾性部材の前記軸方向の厚さよりも厚い。
前記第二の弾性部材は、板ばねである。
前記第二の弾性部材は、前記第二の回転部材から前記錘部材に向かう方向に沿って延び前記抑制部として機能する稜部と、前記第二の回転部材から前記錘部材に向かう方向に沿って延び前記抑制部として機能する谷間部とが、前記回転中心回りに交互に位置された波形部を有する。
前記ダンパ装置は、
回転中心回りに回転可能な第一の回転部材と、
前記回転中心回りに回転可能な第二の回転部材と、
前記第一の回転部材および前記第二の回転部材に接続され、前記第一の回転部材と前記第二の回転部材との相対回転により弾性変形する第一の弾性部材と、
錘部材と、前記第二の回転部材および前記錘部材に接続され前記第二の回転部材と前記錘部材との相対移動により弾性変形する第二の弾性部材、を有した弾性部と、を有した動吸振器と、
を備え、
前記第二の弾性部材は、前記回転中心回りに延びた稜部と、前記回転中心回りに延びた谷間部とが、前記第二の回転部材の径方向に交互に位置された波形部を有する。
前記第二の弾性部材は、前記回転中心回りの環状に構成されている。
前記ダンパ装置は、前記回転中心回りに互いに間隔を空けて位置された複数の前記第二の弾性部材を備える。
前記第二の回転部材は、前記錘部材を前記軸方向に支持する軸方向支持部を備える。
前記第二の回転部材は、前記錘部材を前記第二の回転部材の径方向に支持する径方向支持部を備える。
前記径方向支持部は、合成樹脂材料または金属材料によって構成されている。
前記径方向支持部は、前記錘部材を前記回転中心回りに回転可能に支持する軸受として機能する。
前記径方向支持部は、前記第二の回転部材の径方向に関して前記錘部材の前記径方向内側の端部を支持する。
前記錘部材は、前記第二の弾性部材と接続されたベース部と、前記錘部材の前記径方向内側の端部を含み前記ベース部から前記錘部材の前記径方向の内側に延びた第一の延部と、を有する。
前記錘部材は、前記ベース部から前記錘部材の前記径方向の外側に延びた第二の延部を有する。
前記錘部材は、プレス成形された。
前記径方向支持部は、前記第二の弾性部材の前記径方向の中心よりも前記径方向の内側に位置されている。
前記ダンパ装置は、
前記第二の回転部材と前記錘部材との一方に設けられ、前記第二の回転部材の周方向に互いに間隔を空けて位置された二つの第一の引掛部と、
前記第二の回転部材と前記錘部材との他方に設けられ、前記第二の回転部材と前記錘部材との前記回転中心回りの相対回転に伴って前記二つの第一の引掛部の間を移動する第二の引掛部と、
を備え、
前記第一の引掛部と前記第二の引掛部とは、前記第二の回転部材の周方向で互いに引っ掛かることにより、前記第二の回転部材に対する前記錘部材の前記第二の回転部材の周方向の移動を規制する。
前記第二の弾性部材は、前記第二の回転部材と前記錘部材との少なくとも一方に、結合具またはかしめによって結合されている。
前記第二の弾性部材には、第一の嵌部が設けられ、
前記第二の回転部材と前記錘部材との少なくとも一方には、前記第一の嵌部と嵌め合わされた第二の嵌部が設けられている。
前記第二の弾性部材は、前記第二の回転部材または前記錘部材と結合された結合部を有し、
前記結合部の前記軸方向の厚さは、当該第二の弾性部材のうち前記結合部以外の部分の前記軸方向の厚さよりも厚い。
前記第二の弾性部材は、コイルばねである。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。