JP6459845B2 - 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法 - Google Patents
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Description
よって、後者のような用途にも適用可能で、室温で良好な保存性と速硬化性を兼ね備え、低温且つ短時間で接着性を発現するフルオロエラストマー材料の開発と共に低温かつ短時間でこれと基材とを接着する方法が望まれていた。
即ち本発明は、下記、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法を提供するものである。
基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、形成されたプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光照射し、10〜120℃で静置し、該基材と該エラストマー組成物とを接着させる方法。
シラン系プライマー組成物が、
(I)脂肪族飽和炭化水素、
(II)下記一般式<1>
Si(OR1)4 <1>
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物、
(III)下記一般式<2>
で示されるアルコキシシラン、及び
(IV)アルキルチタネート
を含有するものである[1]に記載の接着方法。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
及び
(D)疎水性シリカ粉末
を含有するものである[1]又は[2]に記載の接着方法。
(A)成分が、下記式(1)で表される、分岐を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物である[3]に記載の接着方法。
CH2=CH−(X)g−Rf1−(X’)g−CH=CH2 (1)
[式(1)中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−
(ここで、Yは−CH2−、−Si(CH3)2CH2CH2CH2−、−Si(CH3)(CH=CH2)CH2CH2CH2−、−Si(CH=CH2)2CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、R1は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、
X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−
(ここで、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)(CH=CH2)−、−CH2CH2CH2Si(CH=CH2)2−又は下記構造式(Z’)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、R2は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
gは独立に0又は1である。
Rf1は下記式(i)又は(ii)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(E)成分として、ヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む[1]〜[4]のいずれか1に記載の接着方法。
[6]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(F)成分として、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンを含む[1]〜[5]のいずれか1に記載の接着方法。
[7]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(G)成分としてカルボン酸無水物を含む[1]〜[6]のいずれか1に記載の接着方法。
まず、本発明に用いる組成物について説明する。
本発明の方法に用いるシラン系プライマー組成物としては、
(I)脂肪族飽和炭化水素、
(II)下記一般式<1>
Si(OR1)4 <1>
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物、
(III)下記一般式<2>
で示されるアルコキシシラン、及び
(IV)アルキルチタネート
を含有するものが好ましい。
〔(I)成分〕
(I)成分の脂肪族飽和炭化水素は、後述する(II)成分〜(IV)成分を均一に溶解し、乾燥後に均質なプライマー皮膜を形成させるための希釈用溶剤として使用される。該成分の構造は、鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、大気圧下の沸点が30℃〜200℃の範囲内にあるものが好適に用いられる。
このような(I)成分としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、i−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種単独でも2種以上併用して用いてもよい。
(I)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、基材への塗工性、硬化皮膜の厚さに応じて適宜調整すればよいが、70〜90質量%、好ましくは75〜90質量%の範囲である。70質量%未満では、乾燥時にプライマー皮膜にクラックが発生することがあり、90質量%を超えるとプライマー皮膜と基材との界面で剥離することがあるため好ましくない。
(II)成分のシラン化合物は、下記一般式<1>
Si(OR1)4 <1>
(式中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物であり、乾燥後にシリカ質皮膜を形成する主成分であり、被塗布体との接着成分としても作用するものである。
〔(III)成分〕
(III)成分のアルコキシシランは、下記一般式<2>で示されるアルコキシシランである。
これは本発明に用いるシラン系プライマー組成物の保存安定剤として使用されるが、皮膜形成成分としても作用し、更には被塗布体との接着成分としても作用するものである。
前記一般式<2>において、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基である。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等を例示する事ができ、メチル基、エチル基が好ましい。また、R1とR2の少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。R3は、置換もしくは非置換の、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、及びデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、及びフェニルエチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、及びシアノエチル基等のハロゲン置換やシアノ置換炭化水素基等を例示する事が出来る。R4は、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基またはアルコキシアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、及びヘキシル基が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、及びエトキシエチル基等を例示する事が出来る。これらの中で、メチル基、エチル基が特に好ましい。aは0〜2の整数であり、好ましくは0または1である。nは0〜2の整数である。
中でも以下に示すシラン化合物が好ましい。下記式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基、及びCyはシクロヘキシル基を意味する。また、aは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1である。
(MeO)3−a(Me)aSi−CH2−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH2−COOPr
(MeO)3−a(Me)aSi−CH2−COOC8H17
(MeO)3−a(Me)aSi−CH2−COOPh
(MeO)3−a(Me)aSi−CH2−COOCy
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOPr
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOPh
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOBu
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOC8H17
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOCH2CH(Et)C4H9
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Et)−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Et)−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Et)−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−(CH2)2−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−(CH2)2−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−(CH2)3−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−(CH2)3−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOBu
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOC8H17
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOMe
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOEt
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOPr
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOC8H17
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOPh
(EtO)3−a(Me)aSi−CH2−COOCy
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOMe
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOEt
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOBu
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOCH2CH(Et)C4H9
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOEt
(EtO)3−a(Me)aSi−CH(Me)−COOMe
(MeO)(Me)2Si−CH(Me)−COOPh
(MeO)2(Me)Si−CH(Me)−COOCH2CH(Et)C4H9
(MeO)2(Me)Si−CH2−COOMe
(MeO)2(Me)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)2(Me)Si−CH(Et)−COOEt
(MeO)2(Et)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)2(Et)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)2(Et)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)2(Et)Si−CH(Me)−COOBu
(MeO)2(Ph)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)2(Ph)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)2(Ph)Si−CH(Me)−COOC8H17
(EtO)2(Ph)Si−CH(Me)−COOMe
(EtO)2(Et)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)3Si−CH2−COOMe
(MeO)3Si−CH(Me)−COOCH2CH(Et)C4H9
(MeO)3Si−(CH2)2−COOMe
(MeO)3Si−(CH2)2−COOEt
(MeO)3Si−(CH2)3−COOMe
(MeO)3Si−(CH2)3−COOEt
(EtO)3Si−CH(Me)−COOEt
(IV)成分のアルキルチタネートは、空気中で(II)成分及び(III)成分の縮合反応を促進する触媒として作用すると共に、皮膜形成成分としても作用し、更には接着成分としても作用するものである。
具体的な化合物としては、例えば、テトラ(n−プロピル)チタネート、テトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−ブチル)チタネート、テトラ(i−ブチル)チタネート、テトラ(s−ブチル)チタネート、テトラ(t−ブチル)チタネート等が挙げられる。これらの中ではテトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−ブチル)チタネートが好適に使用される。
(IV)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、1〜9質量%、好ましくは3〜6質量%の範囲である。1質量%未満では、プライマー皮膜と基材との界面で剥離することがあり、9質量%を超えると塗布と同時にプライマー皮膜が粉体化することがあるため好ましくない。
シランカップリング剤としては、炭素官能基としてエポキシ基、ビニル基、又はアミノ基等を含有するアルコキシシラン類が挙げられる。
本発明に用いる光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は次の(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含有するものが好ましい。
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
及び
(D)疎水性シリカ粉末
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物における(A)成分は、上記式(1)で表されるものが好ましい。
ここで、R1及びR2としては、水素原子、炭素数1〜12、特に1〜10の炭化水素基が好ましく、該炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが好ましいものとして挙げられる。
式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
上記式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量は0.005〜0.050モル/100gが好ましく、更に好ましくは0.007〜0.040モル/100gである。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が少なすぎると硬化物の物理的強度が低下したり、硬化物が得られなくなったりする場合がある。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が多すぎると得られる硬化物が脆く割れやすい場合がある。
これらの鎖状フルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(A)成分の、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物の組成物中の配合量は、50〜99質量%とすることが好ましく、特に70〜95質量%、更に80〜95質量%とすることが好ましい。
(B)成分は、1分子中に含フッ素有機基を1個以上、好ましくは1〜10個有し、且つケイ素原子に直結した水素原子(即ち、Si−Hで示されるヒドロシリル基)を2個以上、好ましくは3〜50個有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。(B)成分は、上記(A)成分の架橋剤及び/又は鎖長延長剤として機能するものであり、また、(A)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、含フッ素有機基として、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
この1価又は2価の含フッ素有機基としては、例えば下記式で表されるもの等を挙げることができる。
−CgF2g−
(式中、gは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とは2価の連結基により繋がれていることが好ましく、該2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、若しくはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、ジオルガノシリレン基等を介在させたものであってもよく、例えば、以下の炭素数2〜12の2価の連結基等が挙げられるが、これらに限定されない。
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2−Si(CH3)2−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH3)2−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−
また、この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に結合した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。
このような1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子結合水素原子を有する(B)成分としては、例えば次の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独でも2種以上を併用して用いてもよい。なお、下記式において、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
これらの含フッ素オルガノ水素シロキサンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対し、(B)成分中のヒドロシリル基、即ちSi−H基が0.5〜3.0モルとなる量が好ましく、特に0.8〜2.0モルとなる量が好ましい。ヒドロシリル基(≡Si−H)が少なすぎると、架橋密度が不十分となる結果、硬化物が得られないことがある。また、ヒドロシリル基(≡Si−H)が多すぎると硬化時に発泡することがある。
(C)成分は、光活性型ヒドロシリル化反応触媒である。光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、光、特に300〜400nmの紫外線の照射によって活性化され、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。この光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、主に白金族系金属触媒及びニッケル系金属触媒が挙げられ、白金族系金属触媒としては白金系、パラジウム系、ロジウム系の金属錯体化合物、ニッケル系金属触媒としてはニッケル系、鉄系、コバルト系の金族錯体化合物が挙げられる。中でも白金系金属錯体化合物は、比較的入手し易く且つ良好な触媒活性を示すため好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して金属原子換算で0.1〜500ppmが好ましく、特に1〜100ppmが好ましい。配合量が少なすぎると、十分な光硬化性が得られず、一方多すぎると硬化物の耐熱性に悪影響を及ぼす可能性がある。
(D)成分は、疎水性シリカ粉末であり、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物から得られる硬化物に適切な物理的強度を付与すると同時に、後述する(F)成分のオルガノシロキサンを該組成物中に均一に分散させる作用を有するものである。この(D)成分の疎水性シリカ粉末としては、シリコーンゴム用充填剤として公知のBET比表面積が50m2/g以上、特に50〜400m2/gの微粉末シリカを疎水化処理したものが好適である。
BET比表面積が50m2/g未満の場合は、得られる硬化物の物理的強度が不十分であり、また、(F)成分が均一に分散しないことがある。400m2/gを超えると混練作業が困難となり、(D)成分の分散が不均一になる場合がある。微粉末シリカとしては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、コロイドシリカ等が例示されるが、これらの中では煙霧質シリカが最も好ましい。なお、本願におけるBET比表面積は、DIN 66131に準拠して測定した。
また、上記微粉末シリカの疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示されるが、これらの中ではオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザンが好ましい。
この(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましい。配合量が0.5質量部未満の場合には、得られる硬化物の物理的特性が低下し、且つ接着性が不安定になることがある。一方、30質量部を超えると組成物の流動性が悪くなり、また光による硬化性も著しく低下することがある。
〔(E)成分〕
(E)成分は、ヒドロシリル化反応の反応制御剤である。ここでの反応制御剤の例としては、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のアセチレン化合物、以下の構造式で示される含フッ素アセチレンアルコール化合物、
(F)成分であるオルガノシロキサンは、上記組成物の接着性を改善させるために配合するものである。このようなオルガノシロキサンは、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシ基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンであり、好ましくは更に加えてケイ素原子に結合した炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を1個以上有するオルガノシロキサンである。
このようなオルガノシロキサンのシロキサン骨格は、環状、鎖状、分岐状などのいずれでもよく、またこれらの混合形態でもよい。
具体的には、下記平均組成式で表わされるものを用いることができる。
R5のハロゲン置換又は非置換の1価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが挙げられ、この中で特にメチル基が好ましい。
wは0≦w≦20が好ましく、xは1≦x≦20が好ましく、yは1≦y≦20が好ましく、zは1≦z≦20が好ましく、3≦w+x+y+z≦50が好ましい。
Aは炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を示し、具体的には、下記の基を挙げることができる。
−R7−Si(OR8)3
[式中、R7は炭素数1〜10、特に1〜4の2価炭化水素基(アルキレン基等)を示し、R8は炭素数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基(アルキル基等)を示す。]
Bは、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示す。1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基の例としては、例えば、下記一般式で表されるもの等を挙げることができる。
(式中、sは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
F−[CF(CF3)CF2O]n’−CtF2t−
(式中、n’は2〜200、好ましくは2〜100の整数、tは1〜3の整数である。)
このオルガノシロキサンの製造に際しては、反応終了後に目的物質を単離してもよいが、未反応物及び付加反応触媒を除去しただけの混合物を使用することもできる。
(F)成分として用いられるオルガノシロキサンとしては、具体的には下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、Meはメチル基である。
(G)成分であるカルボン酸無水物は、これを配合することによって(F)成分の接着付与能力を向上させ、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着性の発現を促進させるためのものである。このような成分としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているものはすべて包含され、室温で固体状でも液体状でもよく、トリアルコキシシリル基を含んでいてもよい。
具体的には下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物においては、その実用性を高めるために上記の成分以外にも、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、無機充填剤、接着促進剤、シランカップリング剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲、及び組成物の特性及び硬化物の物性を損なわない限りにおいて任意である。
[式中、X’は上記(A)成分中の式(1)の化合物中の定義と同じであり、aは0又は1であり、Rf3は、下記式(iii)である。
D−O−(CF2CF2CF2O)c1−D (4)
(式中、Dは式:CsF2s+1−(sは1〜3)で表される基であり、c1は1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、且つ、前記(A)成分のRf1基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)
D−O−(CF2O)d1(CF2CF2O)e1−D (5)
(式中、Dは上記と同じであり、d1及びe1はそれぞれ1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数であり、且つ、d1とe1の和は、前記(A)成分のRf1基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和以下である。)
上記式(3)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる(なお、下記f1’は、上記要件を満足するものである。)。
CF3−[(OCF2CF2)e1’(OCF2)d1’]−O−CF3
(式中、c1’は1〜200の整数であり、d1’は1〜200の整数、e1’は1〜200の整数で、d1’+e1’=2〜200である。)
本発明の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法は、以下3つの工程より成る。つまり、
1.まず、基材表面に上記プライマー組成物を塗布し、乾燥させ、基材上にプライマー皮膜を得る工程
2.次に、得られたプライマー皮膜上に上記光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光硬化させる工程
3.最後に、上記得られたフッ素エラストマーを一定時間放置することで、プライマー皮膜を介してフッ素エラストマーを基材に接着させる工程
である。以下、それぞれの工程に関して詳述する。
まず、基材表面に上記プライマー組成物を塗布する。本発明で用いられる基材は、特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属、ガラス、セラミック、PPS、PBT、PET及び6−ナイロン等の合成樹脂等が挙げられる。ここで、塗布前に基材を有機溶剤による脱脂やアルカリ洗浄、プラズマ洗浄、UV洗浄等適宜実施しておくと、基材とプライマー皮膜との密着性が向上するため好ましい。
プライマー組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り、スプレー塗布、浸漬塗布等が挙げられる。
次に、塗布したプライマー組成物を乾燥させ皮膜を得る。その際、乾燥させる温度や時間等の条件は特に限定されないが、好ましくは10℃〜200℃で数秒〜数時間である。
次に、得られたプライマー皮膜上に上記光硬化性エラストマー組成物を塗布し、光硬化させ、フッ素エラストマーを得る。
硬化の際、照射する光は発光スペクトルにおける最大ピーク波長が300〜400nmの領域にあり、且つ300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度は前記最大ピーク波長の放射照度の5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、つまり0に近ければ近いほど好ましい。300nmより短い波長領域にあり、放射照度が前記最大ピーク波長の放射照度の5%より大きい波長を有する光を照射すると、ポリマー末端基の分解が起きたり、触媒の一部が分解したりするなどして、十分な硬化物を得ることができない可能性がある。
複数の発光スペクトルを有する光を照射する光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、ナトリウムランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ等、窒素等の気体レーザー、有機色素溶液の液体レーザー、無機単結晶に希土類イオンを含有させた固体レーザー等が挙げられる。
光照射装置としては、特に限定はされないが、例えばスポット式照射装置、面式照射装置、ライン式照射装置、コンベア式照射装置等の照射装置が使用できる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を硬化させる際、光照射時間は、用いる光の照度によるが、例えば1〜300秒、好ましくは10〜200秒、より好ましくは30〜150秒であり、光照射の1〜60分後、特には5〜30分後には組成物は流動性を失いゴム弾性体を得ることができる。
また光硬化の際の環境温度は、硬化時間に影響を与える。つまり、低い温度では硬化完了に要する時間がより長く、逆に高い温度ではより短くなる。光硬化の特長を活かす意味で、硬化の際の環境温度は10〜120℃が好ましい。それより低いと、硬化に長時間を要するため作業性の面から好ましくなく、逆にそれより高いと、基材によっては熱劣化(熱変形・熱変色)を引き起こす可能性があるため好ましくない。
本発明において、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物のプライマー皮膜への塗布方法は、組成物をプライマー皮膜上に塗布した後、上記方法により光照射を行い硬化させてもよく、また別途光照射を行った組成物を、硬化するまでの間にプライマー皮膜上に塗布する方法でもよい。
上記、プライマー皮膜上のフッ素エラストマーを所定時間以上静置することで、プライマー皮膜を介して、基材とフッ素エラストマーとを接着させることができる。
その際、静置する環境温度は10〜120℃が好ましい。この温度範囲より低いと、接着性の発現により長時間を要することになり、逆にこの温度範囲より高いと、基材によっては熱劣化(熱変形・熱変色)を引き起こす可能性があるため好ましくない。
また静置する時間については、環境温度によって左右されるため特に限定されず、適宜選択すればよいが、5分間〜7日間が好ましく、さらに10分間〜48時間が特に好ましい。
本発明の接着方法は、光硬化性エラストマー組成物を自動車関連部品、各種電気・電子部品などに接着させる方法として有用である。例えば、自動車の制御系に使用される各種圧力センサー、ガス濃度検知器、温度センサーなどの検知器・センサーの接着シール剤や保護用コーティング剤、ポッティング剤、また各種ガス、温水、薬品などに曝されるセンサーなどの保護用封止剤、インクジェットプリンター用の接着剤、プリンターヘッド用の接着剤・封止剤、レーザープリンターや複写装置のロールやベルトのコーティング剤、各種回路基板の接着シール剤、コーティング剤、ポッティング剤などに光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を接着する方法として有用である。
下記、表1に示す組成(重量比)にてプライマー1及び2を調製した。
下記式(6)で示されるポリマー(粘度11,000mPa・s、数平均分子量17,500、ビニル基量0.012モル/100g)100部をプラネタリーミキサー内に仕込み、内温を50〜100℃に保持しながら、ジメチルジクロロシランで表面処理された煙霧質シリカ(BET比表面積110m2/g)10部を分割添加した。その後、加熱を停止して1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混練した。引き続き混練しながら装置を加熱し、内温が130℃に達してから130〜160℃に保持しながら1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で熱処理した。次に、内容物を40℃以下に冷却後、内容物を取り出し、三本ロールを2回通してベースコンパウンドを得た。
[調製例1]
上記ベースコンパウンド110部に対して上記式(6)で示されるポリマー100部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.18部を添加し、均一になるまで混合した。次に下記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン3.0部(Si−H基量0.0050モル/g)、下記式(10)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン2.6部(Si−H基量0.00683モル/g)を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
上記ベースコンパウンド110部に対して上記式(6)で示されるポリマー100部、下記式(11)で示されるカルボン酸無水物0.5部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.18部を添加し、均一になるまで混合した。次に上記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン3.0部(Si−H基量0.0050モル/g)、上記式(10)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン2.6部(Si−H基量0.00683モル/g)、下記式(12)で示される接着付与剤4.4部、下記式(13)で示されるエポキシ基含有シラン化合物0.2部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
上記調製例1において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部の代わりに、非光活性型ヒドロシリル化反応触媒;白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のエタノール溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部に変更した以外は同様にして硬化性組成物を調製した。
[参考例1、2]
上記調製例1、2より得られた組成物の遮光中23℃での保存安定性を確認した。その際、保存安定性の評価方法としては、JIS K7117−1に準拠し、TV−10U型回転粘度計(東機産業(株)製)による23℃における初期粘度と23℃×2週間後の粘度変化より評価を行った。
[比較例1]
上記調製例3より得られた組成物において、上記参考例1、2と同様にして保存安定性を確認した。
[実験例1]
上記調製例1より得られた組成物を、25℃、8φのアルミニウム基材上、試料厚み0.5mmでUV照射を行い、25℃での弾性率の経時変化を測定した。測定にはTAインスツルメント社製アレスG2を使用し、UV照射にはLumen Dynamics社製OmniCure S2000に320―390nmのバンドパスフィルターを付け、365nmで100mW/cm2のUV照度で45秒間照射を行った。その結果を図1に示す。
上記実施例1において、用いる組成物を調製例2より得られた組成物に変更した。その結果を図1に示す。
図1の結果より、本発明の実施例における組成物は、いずれも良好な光硬化性を示すことが確認された。
[実施例1]
鉄、アルミニウム、SUS304、エポキシガラス、アルミナセラミック、PPS、PBT、PET及び6−ナイロンの基材上に上記シラン系プライマー1を刷毛塗りにて1回塗布し、23℃x30分風乾を行った。30分後、それぞれの基材上に上記調製例1より得られた光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を約2gポッティングし、UV−LED照射器(365nmタイプ、CCS(株)社製)を用いて光照射を行った。その際、365nmで100mW/cm2のUV照度で23℃x90秒間照射を行った。光照射後、23℃x24時間静置し、その後各基材への接着性を確認した。
(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表3に示す。
[実施例2]
上記実施例1において、使用するシラン系プライマーを2に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例3]
上記実施例1において、使用する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を調製例2で作製したものに変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例4]
上記実施例2において、使用する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を調製例2で作製したものに変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例2]
上記実施例1において、シラン系プライマー1を使用しなかった以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例3]
上記実施例3において、シラン系プライマー1を使用しなかった以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例4]
上記実施例1において、光照射後の静置条件を5℃x24時間に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例5]
上記実施例1において、光照射後の静置条件を150℃x24時間に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
Claims (7)
- 基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、形成されたプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光照射し、10〜120℃で静置し、該基材と該エラストマー組成物とを接着させる方法であって、
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
及び
(D)疎水性シリカ粉末 (A)成分100質量部に対し、5〜30質量部
を含有するものである接着方法。 - 静置する時間が5分間〜7日間である請求項1に記載の接着方法。
- (A)成分が、下記式(1)で表される、鎖状フルオロポリエーテル化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着方法。
CH2=CH−(X)g−Rf1−(X’)g−CH=CH2 (1)
[式(1)中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−
(ここで、Yは−CH2−、−Si(CH3)2CH2CH2CH2−、−Si(CH3)(CH=CH2)CH2CH2CH2−、−Si(CH=CH2)2CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、
R1は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、
X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−
(ここで、Y’は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)2−、−CH2CH2CH2Si(CH3)(CH=CH2)−、−CH2CH2CH2Si(CH=CH2)2−又は下記構造式(Z’)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、R2は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
gは独立に0又は1である。
Rf1は下記式(i)又は(ii)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。] - 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(E)成分として、ヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着方法。
- 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(F)成分として、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着方法。
- 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(G)成分としてカルボン酸無水物を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着方法。
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