JP2017039810A - 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法 - Google Patents

光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温かつ短時間で光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材と接着させることができる方法の提供。
【解決手段】
基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、形成されたプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光照射し、10〜120℃で静置し、該基材と該エラストマーとを接着させる方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法に関する。
従来、アルケニル基とヒドロシリル基との付加反応を利用した硬化性含フッ素エラストマー組成物は公知であり、更に第3成分として、ヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンを添加することにより自己接着性を付与した組成物が提案されている(特許文献1及び2)。これは、比較的短時間の加熱により硬化させることができ、得られた硬化物は、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性、低透湿性、電気特性に優れているので、これらの特性が要求される各種工業分野の接着用途に使用されている。特に、自動車工業において電装部品の接着シール剤として多用されている。
近年、省エネルギー化や生産性の向上の観点から、より低温且つ短時間で硬化・接着可能なエラストマー材料の開発が求められている。しかしながら、上記加熱硬化タイプの接着剤組成物で速硬化性を得ようとすると、保存安定性や可使時間が犠牲になってしまい、逆に良好な保存安定性や可使時間の確保には速硬化性が犠牲になる、というジレンマがあった。また、一度の加熱処理で硬化工程と接着工程を担っているため、より低温で硬化物と基材との接着性を得ようとした場合、硬化工程に時間がかかってしまい、その結果短時間で硬化と接着性を得ることが困難であった。
一方、撥水撥油性、耐薬品性などに優れたエラストマー組成物として、(A)少なくとも2個のアルケニル基を有し、パーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、(B)少なくとも2個のメルカプト基を有し、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するオルガノポリシロキサン及び(C)光開始剤を含有する光硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物が開発されており、自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンター用、半導体用製造ライン用など、各種電気電子部品のコーティング材、ポッティング材としての応用が期待される(特許文献3)。
しかし、上記光硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物は、硬化物がゲル状又はゴム状で非常に軟らかく、また各種基材へ接着性を持たないため、各種基材へのコーティング、ポッティング用途としては好適な材料ではあるが、封止材、接着シール材など、基材への接着性を求められる用途や、エラストマー材料としての強度が求められる用途には適用が困難な材料であった。
よって、後者のような用途にも適用可能で、室温で良好な保存性と速硬化性を兼ね備え、低温且つ短時間で接着性を発現するフルオロエラストマー材料の開発と共に低温かつ短時間でこれと基材とを接着する方法が望まれていた。
特許第3239717号公報 特許第3567973号公報 特開2007−106875号公報
従って、本発明は、組成物は良好な保存安定性と速硬化性を併せ持ち、且つ低温にて短時間で接着が可能である、という特長を有する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の有用な接着方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、得られるプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光硬化させることで、基材とフッ素エラストマーとを低温かつ短時間で接着させることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、下記、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法を提供するものである。
[1]
基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、形成されたプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光照射し、10〜120℃で静置し、該基材と該エラストマー組成物とを接着させる方法。
[2]
シラン系プライマー組成物が、
(I)脂肪族飽和炭化水素、
(II)下記一般式<1>
Si(OR <1>
(式中、Rは同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物、
(III)下記一般式<2>
Figure 2017039810
(式中、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換または非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、aは0〜2の整数であり、nは0〜2の整数である)
で示されるアルコキシシラン、及び
(IV)アルキルチタネート
を含有するものである[1]に記載の接着方法。
[3]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
及び
(D)疎水性シリカ粉末
を含有するものである[1]又は[2]に記載の接着方法。
[4]
(A)成分が、下記式(1)で表される、分岐を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物である[3]に記載の接着方法。
CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
[式(1)中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR−CO−
(ここで、Yは−CH−、−Si(CHCHCHCH−、−Si(CH)(CH=CH)CHCHCH−、−Si(CH=CHCHCHCH−又は下記構造式(Z)
Figure 2017039810
(式(Z)中、R、Rはそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、Rは水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、
X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR−Y’−
(ここで、Y’は−CH−、−CHCHCHSi(CH−、−CHCHCHSi(CH)(CH=CH)−、−CHCHCHSi(CH=CH−又は下記構造式(Z’)
Figure 2017039810
(式(Z’)中、R3’、R4’はそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、Rは水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
gは独立に0又は1である。
Rfは下記式(i)又は(ii)
Figure 2017039810
(式中、p及びqはそれぞれ0又は1〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は2〜200である。rは0〜6の整数であり、tは2又は3である。)
Figure 2017039810
(式中、uは1〜200の整数であり、vは1〜50の整数であり、tは2又は3である。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
[5]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(E)成分として、ヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む[1]〜[4]のいずれか1に記載の接着方法。
[6]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(F)成分として、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンを含む[1]〜[5]のいずれか1に記載の接着方法。
[7]
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(G)成分としてカルボン酸無水物を含む[1]〜[6]のいずれか1に記載の接着方法。
本発明の接着方法によれば、低温かつ短時間で光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材と接着させることができる。
組成物の光硬化性を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に用いる組成物について説明する。
シラン系プライマー組成物
本発明の方法に用いるシラン系プライマー組成物としては、
(I)脂肪族飽和炭化水素、
(II)下記一般式<1>
Si(OR <1>
(式中、Rは同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物、
(III)下記一般式<2>
Figure 2017039810
(式中、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換または非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、aは0〜2の整数であり、nは0〜2の整数である)
で示されるアルコキシシラン、及び
(IV)アルキルチタネート
を含有するものが好ましい。
以下、上記シラン系プライマー組成物について詳細に説明する。
〔(I)成分〕
(I)成分の脂肪族飽和炭化水素は、後述する(II)成分〜(IV)成分を均一に溶解し、乾燥後に均質なプライマー皮膜を形成させるための希釈用溶剤として使用される。該成分の構造は、鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、大気圧下の沸点が30℃〜200℃の範囲内にあるものが好適に用いられる。
このような(I)成分としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、i−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等が挙げられる。なお、これらの化合物は、1種単独でも2種以上併用して用いてもよい。
(I)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、基材への塗工性、硬化皮膜の厚さに応じて適宜調整すればよいが、70〜90質量%、好ましくは75〜90質量%の範囲である。70質量%未満では、乾燥時にプライマー皮膜にクラックが発生することがあり、90質量%を超えるとプライマー皮膜と基材との界面で剥離することがあるため好ましくない。
〔(II)成分〕
(II)成分のシラン化合物は、下記一般式<1>
Si(OR <1>
(式中、Rは同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
で示されるシラン化合物であり、乾燥後にシリカ質皮膜を形成する主成分であり、被塗布体との接着成分としても作用するものである。
ここで、上記式<1>中のRとしては、好ましくは炭素数1〜8の、脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などが挙げられる。就中、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基である。
(II)成分として用いられるシラン化合物としては、具体的には下記の構造式で示されるテトラアルコキシシランが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2017039810
(II)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、5〜15質量%が好ましく、特に5〜10質量%の範囲が好ましい。5質量%未満では、塗布と同時にプライマー皮膜が粉体化することがあり、15質量%を超えるとプライマー皮膜と基材との界面で剥離することがある。
〔(III)成分〕
(III)成分のアルコキシシランは、下記一般式<2>で示されるアルコキシシランである。
Figure 2017039810
(式中、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換または非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、aは0〜2の整数であり、nは0〜2の整数である。)
これは本発明に用いるシラン系プライマー組成物の保存安定剤として使用されるが、皮膜形成成分としても作用し、更には被塗布体との接着成分としても作用するものである。
前記一般式<2>において、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基である。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等を例示する事ができ、メチル基、エチル基が好ましい。また、RとRの少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。Rは、置換もしくは非置換の、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、及びデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、及びフェニルエチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、及びシアノエチル基等のハロゲン置換やシアノ置換炭化水素基等を例示する事が出来る。Rは、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基またはアルコキシアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、及びヘキシル基が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、及びエトキシエチル基等を例示する事が出来る。これらの中で、メチル基、エチル基が特に好ましい。aは0〜2の整数であり、好ましくは0または1である。nは0〜2の整数である。
中でも以下に示すシラン化合物が好ましい。下記式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基、及びCyはシクロヘキシル基を意味する。また、aは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1である。
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOPr
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOC17
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOPh
(MeO)3−a(Me)Si−CH−COOCy
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOPr
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOPh
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOBu
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOC17
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOCHCH(Et)C
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Et)−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−(CH−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−(CH−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−(CH−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−(CH−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOBu
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOC17
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOMe
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOEt
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOPr
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOC17
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOPh
(EtO)3−a(Me)Si−CH−COOCy
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOMe
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOEt
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOBu
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOCHCH(Et)C
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOEt
(EtO)3−a(Me)Si−CH(Me)−COOMe
より好ましくは次に示すシラン化合物が挙げられる。
(MeO)(Me)Si−CH(Me)−COOPh
(MeO)(Me)Si−CH(Me)−COOCHCH(Et)C
(MeO)(Me)Si−CH−COOMe
(MeO)(Me)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)(Me)Si−CH(Et)−COOEt
(MeO)(Et)Si−CH(Et)−COOMe
(MeO)(Et)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)(Et)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)(Et)Si−CH(Me)−COOBu
(MeO)(Ph)Si−CH(Me)−COOMe
(MeO)(Ph)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)(Ph)Si−CH(Me)−COOC17
(EtO)(Ph)Si−CH(Me)−COOMe
(EtO)(Et)Si−CH(Me)−COOEt
(MeO)Si−CH−COOMe
(MeO)Si−CH(Me)−COOCHCH(Et)C
(MeO)Si−(CH−COOMe
(MeO)Si−(CH−COOEt
(MeO)Si−(CH−COOMe
(MeO)Si−(CH−COOEt
(EtO)Si−CH(Me)−COOEt
(III)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、1〜6質量%、好ましくは1〜4質量%の範囲である。1質量%未満では、塗布時にプライマー皮膜表面が白化することがあり、6質量%を超えるとプライマー皮膜と基材との界面で剥離することがあるため好ましくない。
〔(IV)成分〕
(IV)成分のアルキルチタネートは、空気中で(II)成分及び(III)成分の縮合反応を促進する触媒として作用すると共に、皮膜形成成分としても作用し、更には接着成分としても作用するものである。
具体的な化合物としては、例えば、テトラ(n−プロピル)チタネート、テトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−ブチル)チタネート、テトラ(i−ブチル)チタネート、テトラ(s−ブチル)チタネート、テトラ(t−ブチル)チタネート等が挙げられる。これらの中ではテトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−ブチル)チタネートが好適に使用される。
(IV)成分のシラン系プライマー組成物全体に対する含有量は、1〜9質量%、好ましくは3〜6質量%の範囲である。1質量%未満では、プライマー皮膜と基材との界面で剥離することがあり、9質量%を超えると塗布と同時にプライマー皮膜が粉体化することがあるため好ましくない。
本発明に係るシラン系プライマー組成物には上記した(I)〜(IV)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で従来公知のシランカップリング剤や着色剤を添加することができる。
シランカップリング剤としては、炭素官能基としてエポキシ基、ビニル基、又はアミノ基等を含有するアルコキシシラン類が挙げられる。
本発明に係るシラン系プライマー組成物は、脱水処理された(I)成分の脂肪族飽和炭化水素系溶剤中に(II)〜(IV)成分を添加し、混合撹拌することにより容易に調製することができる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物
本発明に用いる光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は次の(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含有するものが好ましい。
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
及び
(D)疎水性シリカ粉末
〔(A)成分〕
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物における(A)成分は、上記式(1)で表されるものが好ましい。
ここで、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜12、特に1〜10の炭化水素基が好ましく、該炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが好ましいものとして挙げられる。
ここで、上記式(1)中のRfは2価のパーフルオロポリエーテル基であり、下記式(i)又は(ii)で表されるものである。
Figure 2017039810
(式(i)中、p及びqはそれぞれ1〜150の整数、好ましくは10〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は、2〜200、好ましくは20〜160である。また、rは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数であり、tは2又は3である。)
Figure 2017039810
(式(ii)中、uは1〜200の整数、好ましくは20〜160の整数であり、vは1〜50の整数、好ましくは5〜40の整数であり、tは2又は3である。)
Rf基の好ましい例としては、例えば、下記の3つのものが挙げられる。この内、特に1番目の式の構造の2価の基が好ましい。
Figure 2017039810
(式中、p1及びq1はそれぞれ1〜150の整数であり、p1+q1(平均)=2〜200である。Lは2〜6の整数である。)
Figure 2017039810
(式中、p2及びq2はそれぞれ1〜150の整数であり、p2+q2(平均)=2〜200である。Lは2〜6の整数である。)
Figure 2017039810
(式中、u1は1〜200の整数であり、v1は1〜50の整数である。)
(A)成分の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017039810
[式(2)中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR11−CO−(Yは前記と同じものを示し、R11は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である)を示し、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR12−Y’−(R12は上記R11と同じものを示し、Y’は前記と同じものを示す)で表される基であり、gは独立に0又は1であり、Lは2〜6の整数であり、p3及びq3はそれぞれ1〜150の整数であり、p3+q3(平均)=2〜200である。]
式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2017039810
Figure 2017039810
(式中、p’及びq’はそれぞれ1〜150の整数であり、p’+q’=6〜200を満足する数を示す。)
Figure 2017039810
(式中、p”及びq”はそれぞれ1〜150の整数であり、p”+q”=2〜200を満足する数を示す。)
上記式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量は0.005〜0.050モル/100gが好ましく、更に好ましくは0.007〜0.040モル/100gである。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が少なすぎると硬化物の物理的強度が低下したり、硬化物が得られなくなったりする場合がある。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が多すぎると得られる硬化物が脆く割れやすい場合がある。
なお、上記式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物の粘度(23℃)は、100〜100,000mPa・s、より好ましくは500〜50,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜20,000mPa・sの範囲内にあることが、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物をシール、ポッティング、コーティング、含浸等に使用する際に、硬化物においても適当な物理的特性を有しているので望ましい。式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物は用途に応じて最も適切な粘度のものを選択する。また、低粘度のポリマーと高粘度のポリマーを混合し、所望の粘度に調整して用いることも可能である。
更に、上記式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の重量平均分子量に調節して使用するため、予め上記したような鎖状フルオロポリエーテル化合物を分子内にヒドロシリル基(Si−H基)を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の方法及び条件でヒドロシリル化反応させ、鎖長延長した生成物を(A)成分として使用することも可能である。
これらの鎖状フルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(A)成分の、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物の組成物中の配合量は、50〜99質量%とすることが好ましく、特に70〜95質量%、更に80〜95質量%とすることが好ましい。
〔(B)成分〕
(B)成分は、1分子中に含フッ素有機基を1個以上、好ましくは1〜10個有し、且つケイ素原子に直結した水素原子(即ち、Si−Hで示されるヒドロシリル基)を2個以上、好ましくは3〜50個有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。(B)成分は、上記(A)成分の架橋剤及び/又は鎖長延長剤として機能するものであり、また、(A)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、含フッ素有機基として、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
この1価又は2価の含フッ素有機基としては、例えば下記式で表されるもの等を挙げることができる。
2g+1
−C2g
(式中、gは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
Figure 2017039810
(式中、fは1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、hは1〜3の整数である。)
Figure 2017039810
(式中、i及びjはそれぞれ1以上の整数、好ましくは1〜100の整数であり、i+jの平均は2〜200、好ましくは2〜100である。)
−(CFO)−(CFCFO)−CF
(式中、d及びeはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは1〜40の整数である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とは2価の連結基により繋がれていることが好ましく、該2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、若しくはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、ジオルガノシリレン基等を介在させたものであってもよく、例えば、以下の炭素数2〜12の2価の連結基等が挙げられるが、これらに限定されない。
−CHCH−、
−CHCHCH−、
−CHCHCHOCH−、
−CHCHCH−NH−CO−、
−CHCHCH−N(Ph)−CO−、
−CHCHCH−N(CH)−CO−、
−CHCHCH−N(CHCH)−CO−、
−CHCH−Si(CH−Ph’−N(CH)−CO−、
−CHCHCH−Si(CH−Ph’−N(CH)−CO−、
−CHCHCH−O−CO−
(式中、Phはフェニル基であり、Ph’はフェニレン基である。)
また、この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に結合した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。
(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンとしては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常2〜60、好ましくは3〜30程度である。
このような1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子結合水素原子を有する(B)成分としては、例えば次の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独でも2種以上を併用して用いてもよい。なお、下記式において、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
上記(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量は0.00050〜0.01000モル/gが好ましく、更に好ましくは0.00100〜0.00800モル/gである。含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量が少なすぎると架橋密度が不十分となり得られる硬化物の物理的特性が低下する場合がある。また、含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量が多すぎると硬化時に発泡したり、得られる硬化物の物理的特性が経時で大きく変化したりする場合がある。
これらの含フッ素オルガノ水素シロキサンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対し、(B)成分中のヒドロシリル基、即ちSi−H基が0.5〜3.0モルとなる量が好ましく、特に0.8〜2.0モルとなる量が好ましい。ヒドロシリル基(≡Si−H)が少なすぎると、架橋密度が不十分となる結果、硬化物が得られないことがある。また、ヒドロシリル基(≡Si−H)が多すぎると硬化時に発泡することがある。
〔(C)成分〕
(C)成分は、光活性型ヒドロシリル化反応触媒である。光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、光、特に300〜400nmの紫外線の照射によって活性化され、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。この光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、主に白金族系金属触媒及びニッケル系金属触媒が挙げられ、白金族系金属触媒としては白金系、パラジウム系、ロジウム系の金属錯体化合物、ニッケル系金属触媒としてはニッケル系、鉄系、コバルト系の金族錯体化合物が挙げられる。中でも白金系金属錯体化合物は、比較的入手し易く且つ良好な触媒活性を示すため好ましい。
光活性型の白金系金属錯体化合物としては、例えば、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ―アルキル)白金錯体化合物やβ―ジケトナト白金錯体化合物などがあり、具体的には(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルエチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルアセチル白金(IV)、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(メトキシカルボニルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリメチルシクロペンタジエニル白金(IV)、トリメチル(アセチルアセトナト)白金(IV)、トリメチル(3,5−ヘプタンジオネート)白金(IV)、トリメチル(メチルアセトアセテート)白金(IV)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へキサンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へプタンジオナト)白金(II)、ビス(3,5−ヘプタンジオナト)白金(II)、ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)白金(II)、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)白金(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)白金(II)などが挙げられる。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには適切な溶剤に溶解したものを(A)成分のフルオロポリエーテル化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して金属原子換算で0.1〜500ppmが好ましく、特に1〜100ppmが好ましい。配合量が少なすぎると、十分な光硬化性が得られず、一方多すぎると硬化物の耐熱性に悪影響を及ぼす可能性がある。
〔(D)成分〕
(D)成分は、疎水性シリカ粉末であり、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物から得られる硬化物に適切な物理的強度を付与すると同時に、後述する(F)成分のオルガノシロキサンを該組成物中に均一に分散させる作用を有するものである。この(D)成分の疎水性シリカ粉末としては、シリコーンゴム用充填剤として公知のBET比表面積が50m/g以上、特に50〜400m/gの微粉末シリカを疎水化処理したものが好適である。
BET比表面積が50m/g未満の場合は、得られる硬化物の物理的強度が不十分であり、また、(F)成分が均一に分散しないことがある。400m/gを超えると混練作業が困難となり、(D)成分の分散が不均一になる場合がある。微粉末シリカとしては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、コロイドシリカ等が例示されるが、これらの中では煙霧質シリカが最も好ましい。なお、本願におけるBET比表面積は、DIN 66131に準拠して測定した。
また、上記微粉末シリカの疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示されるが、これらの中ではオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザンが好ましい。
この(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましい。配合量が0.5質量部未満の場合には、得られる硬化物の物理的特性が低下し、且つ接着性が不安定になることがある。一方、30質量部を超えると組成物の流動性が悪くなり、また光による硬化性も著しく低下することがある。
本発明に用いる光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物には、更に、以下の成分を添加してもよい。
〔(E)成分〕
(E)成分は、ヒドロシリル化反応の反応制御剤である。ここでの反応制御剤の例としては、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のアセチレン化合物、以下の構造式で示される含フッ素アセチレンアルコール化合物、
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
ポリメチルビニルシロキサン環式化合物及び有機リン化合物などが挙げられる。これら反応制御剤は、その化学構造によって制御能力が異なるため、添加量についてはそれぞれ最適な量に調整すべきである。一般的に制御剤の添加量が少なすぎると室温での長期保存安定性が得られず、多すぎると硬化性が鈍くなり十分な硬化性が得られなくなる可能性がある。
〔(F)成分〕
(F)成分であるオルガノシロキサンは、上記組成物の接着性を改善させるために配合するものである。このようなオルガノシロキサンは、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシ基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンであり、好ましくは更に加えてケイ素原子に結合した炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を1個以上有するオルガノシロキサンである。
このようなオルガノシロキサンのシロキサン骨格は、環状、鎖状、分岐状などのいずれでもよく、またこれらの混合形態でもよい。
具体的には、下記平均組成式で表わされるものを用いることができる。
Figure 2017039810
(式中、Rはハロゲン置換又は非置換の1価炭化水素基であり、A、Bは下記に示す。wは0≦w≦100、xは1≦x≦100、yは1≦y≦100、zは0≦z≦100を示す。)
のハロゲン置換又は非置換の1価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが挙げられ、この中で特にメチル基が好ましい。
wは0≦w≦20が好ましく、xは1≦x≦20が好ましく、yは1≦y≦20が好ましく、zは1≦z≦20が好ましく、3≦w+x+y+z≦50が好ましい。
Aは炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を示し、具体的には、下記の基を挙げることができる。
Figure 2017039810
[式中、Rは酸素原子が介在してもよい炭素数1〜10、特に1〜5の2価炭化水素基(アルキレン基、シクロアルキレン基等)を示す。]
−R−Si(OR
[式中、Rは炭素数1〜10、特に1〜4の2価炭化水素基(アルキレン基等)を示し、Rは炭素数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基(アルキル基等)を示す。]
Figure 2017039810
[式中、Rは炭素数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基(アルキル基等)を示し、R10は水素原子又はメチル基、kは2〜10の整数を示す。]
Bは、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示す。1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基の例としては、例えば、下記一般式で表されるもの等を挙げることができる。
2s+1
(式中、sは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
F−[CF(CF)CFO]n’−C2t
(式中、n’は2〜200、好ましくは2〜100の整数、tは1〜3の整数である。)
これらのオルガノシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンにビニル基、アリル基等の脂肪族不飽和基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを含有する化合物、更に必要により脂肪族不飽和基とパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基とを含有する化合物を、常法に従って部分付加反応させることにより得ることができる。なお、上記脂肪族不飽和基の数は、Si−H基の数より少ない必要がある。
このオルガノシロキサンの製造に際しては、反応終了後に目的物質を単離してもよいが、未反応物及び付加反応触媒を除去しただけの混合物を使用することもできる。
(F)成分として用いられるオルガノシロキサンとしては、具体的には下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、Meはメチル基である。
Figure 2017039810
Figure 2017039810
(o,q,rは正の整数、pは0以上の整数。)
Figure 2017039810
Figure 2017039810
(o,q,rは正の整数、pは0以上の整数。)
Figure 2017039810
(F)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜5.0質量部、好ましくは0.1〜3.0質量部の範囲であることが望ましい。0.05質量部未満の場合にはこれを配合する効果が得られず、5.0質量部を超えると組成物の流動性が悪くなり、得られる硬化物の物理的強度が低下し、また硬化性を阻害すること可能性がある。
〔(G)成分〕
(G)成分であるカルボン酸無水物は、これを配合することによって(F)成分の接着付与能力を向上させ、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着性の発現を促進させるためのものである。このような成分としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているものはすべて包含され、室温で固体状でも液体状でもよく、トリアルコキシシリル基を含んでいてもよい。
具体的には下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2017039810
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜2.0質量部が好ましく、特に0.1〜1.0質量部の範囲が望ましい。(G)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0.1質量部未満の場合には十分な接着促進効果が得られない。(G)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して2.0質量部を超えると組成物の保存性が悪くなり、得られる硬化物の物理的強度が低下し、且つ経時変化することが多いので好ましくない。
〔その他の成分〕
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物においては、その実用性を高めるために上記の成分以外にも、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、無機充填剤、接着促進剤、シランカップリング剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲、及び組成物の特性及び硬化物の物性を損なわない限りにおいて任意である。
可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤として、下記式(3)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物及び/又は下記式(4)若しくは(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を併用することができる。
Rf−(X’)CH=CH (3)
[式中、X’は上記(A)成分中の式(1)の化合物中の定義と同じであり、aは0又は1であり、Rfは、下記式(iii)である。
Figure 2017039810
(式中、f1は1以上の整数、好ましくは2〜100の整数であり、tは1〜3の整数であり、且つ上記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)]
D−O−(CFCFCFO)c1−D (4)
(式中、Dは式:C2s+1−(sは1〜3)で表される基であり、c1は1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、且つ、前記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)
D−O−(CFO)d1(CFCFO)e1−D (5)
(式中、Dは上記と同じであり、d1及びe1はそれぞれ1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数であり、且つ、d1とe1の和は、前記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和以下である。)
上記式(3)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる(なお、下記f1’は、上記要件を満足するものである。)。
Figure 2017039810
上記式(4)又は(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる(なお、下記c1’、及びd1’とe1’の和は、上記要件を満足するものである。)。
CFO−(CFCFCFO)c1’−CFCF
CF−[(OCFCFe1’(OCFd1’]−O−CF
(式中、c1’は1〜200の整数であり、d1’は1〜200の整数、e1’は1〜200の整数で、d1’+e1’=2〜200である。)
上記式(3)〜(5)の化合物の配合量は、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物中の(A)成分、特に上記式(1)のポリフルオロジアルケニル化合物100質量部に対して1〜300質量部が好ましく、特に50〜250質量部が好ましい。また、回転粘度計による粘度(23℃)は、ポリフルオロジアルケニル化合物と同様の理由により、5〜100,000mPa・sの範囲であることが望ましい。
無機充填剤として、例えば、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化ケイ素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等を添加することができる。
また、チタン酸エステル等の接着促進剤、エポキシ基含有シラン等のシランカップリング剤を添加することができる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は、上記した(A)〜(E)成分とその他の任意成分とをプラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー等の混合装置、必要に応じてニーダー、三本ロール等の混練装置を使用して均一に混合することによって製造することができる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法
本発明の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法は、以下3つの工程より成る。つまり、
1.まず、基材表面に上記プライマー組成物を塗布し、乾燥させ、基材上にプライマー皮膜を得る工程
2.次に、得られたプライマー皮膜上に上記光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光硬化させる工程
3.最後に、上記得られたフッ素エラストマーを一定時間放置することで、プライマー皮膜を介してフッ素エラストマーを基材に接着させる工程
である。以下、それぞれの工程に関して詳述する。
1.基材上にプライマー皮膜を作製する工程
まず、基材表面に上記プライマー組成物を塗布する。本発明で用いられる基材は、特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属、ガラス、セラミック、PPS、PBT、PET及び6−ナイロン等の合成樹脂等が挙げられる。ここで、塗布前に基材を有機溶剤による脱脂やアルカリ洗浄、プラズマ洗浄、UV洗浄等適宜実施しておくと、基材とプライマー皮膜との密着性が向上するため好ましい。
プライマー組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り、スプレー塗布、浸漬塗布等が挙げられる。
次に、塗布したプライマー組成物を乾燥させ皮膜を得る。その際、乾燥させる温度や時間等の条件は特に限定されないが、好ましくは10℃〜200℃で数秒〜数時間である。
2.光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマーを光硬化させる工程
次に、得られたプライマー皮膜上に上記光硬化性エラストマー組成物を塗布し、光硬化させ、フッ素エラストマーを得る。
硬化の際、照射する光は発光スペクトルにおける最大ピーク波長が300〜400nmの領域にあり、且つ300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度は前記最大ピーク波長の放射照度の5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、つまり0に近ければ近いほど好ましい。300nmより短い波長領域にあり、放射照度が前記最大ピーク波長の放射照度の5%より大きい波長を有する光を照射すると、ポリマー末端基の分解が起きたり、触媒の一部が分解したりするなどして、十分な硬化物を得ることができない可能性がある。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を硬化させるのに用いる活性光線種は特に限定はされないが、上記波長の紫外線が好ましい。紫外線照射量(照度)は、積算光量として好ましくは1,000mJ/cm〜50,000mJ/cm、より好ましくは2,000mJ/cm〜20,000mJ/cm、さらに好ましくは5,000〜10,000mJ/cmとすることが良好な硬化性を得る上で望ましい。紫外線照射量(照度)が上記範囲未満の場合、組成物中の光活性型ヒドロシリル化反応触媒を活性化するのに十分なエネルギーが得られず、十分な硬化物を得ることができない可能性があり、一方、紫外線照射量(照度)が上記範囲以上の場合、組成物に必要以上のエネルギーが照射され、ポリマー末端基の分解が起こったり、触媒の一部が失活したりするなどして、十分な硬化物を得ることができない可能性がある。
紫外線照射は複数の発光スペクトルを有する光であっても、単一の発光スペクトルを有する光であってもよい。また、単一の発光スペクトルは300nmから400nmの領域にブロードなスペクトルを有するものであってもよい。単一の発光スペクトルを有する光は、300nmから400nm、好ましくは350nmから380nmの範囲にピーク(即ち、最大ピーク波長)を有する光である。このような光を照射する光源としては、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や、紫外線発光半導体レーザー等の紫外線発光半導体素子光源が挙げられる。
複数の発光スペクトルを有する光を照射する光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、ナトリウムランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ等、窒素等の気体レーザー、有機色素溶液の液体レーザー、無機単結晶に希土類イオンを含有させた固体レーザー等が挙げられる。
前記光が発光スペクトルにおいて300nmより短い波長領域にピークを有する場合、若しくは、300nmより短い波長領域に前記発光スペクトルにおける最大ピーク波長の放射照度の5%より大きい放射照度を有する波長が存在する場合(例えば、発光スペクトルが広域波長領域に渡ってブロードである場合)には、光学フィルターにより300nmより短い波長領域にある波長の光を除去することが好ましい。これにより、300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度を最大ピーク波長の放射照度の5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0%にする。尚、発光スペクトルにおいて300nmから400nmの波長領域に複数のピークが存在する場合には、その中で最大の吸光度を示すピーク波長を最大ピーク波長とする。光学フィルターは300nmより短い波長をカットするものであれば特に制限されず公知の物を使用すればよい。例えば365nmバンドパスフィルター等を使用することができる。なお、紫外線の照度、スペクトル分布は分光放射照度計、例えばUSR−45D(ウシオ電機)にて測定することができる。
光照射装置としては、特に限定はされないが、例えばスポット式照射装置、面式照射装置、ライン式照射装置、コンベア式照射装置等の照射装置が使用できる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を硬化させる際、光照射時間は、用いる光の照度によるが、例えば1〜300秒、好ましくは10〜200秒、より好ましくは30〜150秒であり、光照射の1〜60分後、特には5〜30分後には組成物は流動性を失いゴム弾性体を得ることができる。
また光硬化の際の環境温度は、硬化時間に影響を与える。つまり、低い温度では硬化完了に要する時間がより長く、逆に高い温度ではより短くなる。光硬化の特長を活かす意味で、硬化の際の環境温度は10〜120℃が好ましい。それより低いと、硬化に長時間を要するため作業性の面から好ましくなく、逆にそれより高いと、基材によっては熱劣化(熱変形・熱変色)を引き起こす可能性があるため好ましくない。
本発明において、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物のプライマー皮膜への塗布方法は、組成物をプライマー皮膜上に塗布した後、上記方法により光照射を行い硬化させてもよく、また別途光照射を行った組成物を、硬化するまでの間にプライマー皮膜上に塗布する方法でもよい。
3.フッ素エラストマーを接着させる工程
上記、プライマー皮膜上のフッ素エラストマーを所定時間以上静置することで、プライマー皮膜を介して、基材とフッ素エラストマーとを接着させることができる。
その際、静置する環境温度は10〜120℃が好ましい。この温度範囲より低いと、接着性の発現により長時間を要することになり、逆にこの温度範囲より高いと、基材によっては熱劣化(熱変形・熱変色)を引き起こす可能性があるため好ましくない。
また静置する時間については、環境温度によって左右されるため特に限定されず、適宜選択すればよいが、5分間〜7日間が好ましく、さらに10分間〜48時間が特に好ましい。
本発明の接着方法は、光硬化性エラストマー組成物を自動車関連部品、各種電気・電子部品などに接着させる方法として有用である。例えば、自動車の制御系に使用される各種圧力センサー、ガス濃度検知器、温度センサーなどの検知器・センサーの接着シール剤や保護用コーティング剤、ポッティング剤、また各種ガス、温水、薬品などに曝されるセンサーなどの保護用封止剤、インクジェットプリンター用の接着剤、プリンターヘッド用の接着剤・封止剤、レーザープリンターや複写装置のロールやベルトのコーティング剤、各種回路基板の接着シール剤、コーティング剤、ポッティング剤などに光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を接着する方法として有用である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。また、粘度は23℃における測定値を示す(JIS K7117―1に準拠)。
シラン系プライマー組成物の調製
下記、表1に示す組成(重量比)にてプライマー1及び2を調製した。
Figure 2017039810
但し、n−C16:n−ヘプタン、(n−CO)Ti:テトラ(n−ブチル)チタネート
ベースコンパウンドの調製
下記式(6)で示されるポリマー(粘度11,000mPa・s、数平均分子量17,500、ビニル基量0.012モル/100g)100部をプラネタリーミキサー内に仕込み、内温を50〜100℃に保持しながら、ジメチルジクロロシランで表面処理された煙霧質シリカ(BET比表面積110m/g)10部を分割添加した。その後、加熱を停止して1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混練した。引き続き混練しながら装置を加熱し、内温が130℃に達してから130〜160℃に保持しながら1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で熱処理した。次に、内容物を40℃以下に冷却後、内容物を取り出し、三本ロールを2回通してベースコンパウンドを得た。
Figure 2017039810
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の調製
[調製例1]
上記ベースコンパウンド110部に対して上記式(6)で示されるポリマー100部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.18部を添加し、均一になるまで混合した。次に下記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン3.0部(Si−H基量0.0050モル/g)、下記式(10)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン2.6部(Si−H基量0.00683モル/g)を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
Figure 2017039810
Figure 2017039810
[調製例2]
上記ベースコンパウンド110部に対して上記式(6)で示されるポリマー100部、下記式(11)で示されるカルボン酸無水物0.5部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.18部を添加し、均一になるまで混合した。次に上記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン3.0部(Si−H基量0.0050モル/g)、上記式(10)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン2.6部(Si−H基量0.00683モル/g)、下記式(12)で示される接着付与剤4.4部、下記式(13)で示されるエポキシ基含有シラン化合物0.2部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
Figure 2017039810
Figure 2017039810
Figure 2017039810
[調製例3]
上記調製例1において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部の代わりに、非光活性型ヒドロシリル化反応触媒;白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のエタノール溶液(白金濃度3.0質量%)0.16部に変更した以外は同様にして硬化性組成物を調製した。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の保存安定性
[参考例1、2]
上記調製例1、2より得られた組成物の遮光中23℃での保存安定性を確認した。その際、保存安定性の評価方法としては、JIS K7117−1に準拠し、TV−10U型回転粘度計(東機産業(株)製)による23℃における初期粘度と23℃×2週間後の粘度変化より評価を行った。
[比較例1]
上記調製例3より得られた組成物において、上記参考例1、2と同様にして保存安定性を確認した。
Figure 2017039810

表2の結果より、光活性型ヒドロシリル化反応触媒を用いた本参考例の組成物では良好な保存安定性が得られることが確認された。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の光硬化性評価
[実験例1]
上記調製例1より得られた組成物を、25℃、8φのアルミニウム基材上、試料厚み0.5mmでUV照射を行い、25℃での弾性率の経時変化を測定した。測定にはTAインスツルメント社製アレスG2を使用し、UV照射にはLumen Dynamics社製OmniCure S2000に320―390nmのバンドパスフィルターを付け、365nmで100mW/cmのUV照度で45秒間照射を行った。その結果を図1に示す。
[実験例2]
上記実施例1において、用いる組成物を調製例2より得られた組成物に変更した。その結果を図1に示す。
図1の結果より、本発明の実施例における組成物は、いずれも良好な光硬化性を示すことが確認された。
光硬化物の接着性評価
[実施例1]
鉄、アルミニウム、SUS304、エポキシガラス、アルミナセラミック、PPS、PBT、PET及び6−ナイロンの基材上に上記シラン系プライマー1を刷毛塗りにて1回塗布し、23℃x30分風乾を行った。30分後、それぞれの基材上に上記調製例1より得られた光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を約2gポッティングし、UV−LED照射器(365nmタイプ、CCS(株)社製)を用いて光照射を行った。その際、365nmで100mW/cmのUV照度で23℃x90秒間照射を行った。光照射後、23℃x24時間静置し、その後各基材への接着性を確認した。
(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表3に示す。
[実施例2]
上記実施例1において、使用するシラン系プライマーを2に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例3]
上記実施例1において、使用する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を調製例2で作製したものに変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例4]
上記実施例2において、使用する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を調製例2で作製したものに変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例2]
上記実施例1において、シラン系プライマー1を使用しなかった以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例3]
上記実施例3において、シラン系プライマー1を使用しなかった以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例4]
上記実施例1において、光照射後の静置条件を5℃x24時間に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例5]
上記実施例1において、光照射後の静置条件を150℃x24時間に変更した以外は、同様に評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2017039810
表3の結果より、本発明の実施例において、光照射後の静置条件を23℃x24時間とすることで良好な接着性が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 基材表面にシラン系プライマー組成物を塗布し、形成されたプライマー皮膜上に、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を塗布し、光照射し、10〜120℃で静置し、該基材と該エラストマー組成物とを接着させる方法。
  2. シラン系プライマー組成物が、
    (I)脂肪族飽和炭化水素、
    (II)下記一般式<1>
    Si(OR <1>
    (式中、Rは同一又は異種の1価炭化水素基を示す。)
    で示されるシラン化合物、
    (III)下記一般式<2>
    Figure 2017039810

    (式中、R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換または非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、aは0〜2の整数であり、nは0〜2の整数である)
    で示されるアルコキシシラン、及び
    (IV)アルキルチタネート
    を含有するものである請求項1に記載の接着方法。
  3. 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、
    (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、且つ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物
    (B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
    (C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
    及び
    (D)疎水性シリカ粉末
    を含有するものである請求項1又は2に記載の接着方法。
  4. (A)成分が、下記式(1)で表される、分岐を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物である請求項3に記載の接着方法。
    CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
    [式(1)中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR−CO−
    (ここで、Yは−CH−、−Si(CHCHCHCH−、−Si(CH)(CH=CH)CHCHCH−、−Si(CH=CHCHCHCH−又は下記構造式(Z)
    Figure 2017039810

    (式(Z)中、R、Rはそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
    で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、
    は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、
    X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR−Y’−
    (ここで、Y’は−CH−、−CHCHCHSi(CH−、−CHCHCHSi(CH)(CH=CH)−、−CHCHCHSi(CH=CH−又は下記構造式(Z’)
    Figure 2017039810

    (式(Z’)中、R3’、R4’はそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
    で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、Rは水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
    gは独立に0又は1である。
    Rfは下記式(i)又は(ii)
    Figure 2017039810

    (式中、p及びqはそれぞれ0又は1〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は2〜200である。rは0〜6の整数であり、tは2又は3である。)
    Figure 2017039810

    (式中、uは1〜200の整数であり、vは1〜50の整数であり、tは2又は3である。)
    で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
  5. 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(E)成分として、ヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着方法。
  6. 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(F)成分として、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着方法。
  7. 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物が、更に(G)成分としてカルボン酸無水物を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着方法。
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