JP4894997B2 - 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料 - Google Patents

光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料 Download PDF

Info

Publication number
JP4894997B2
JP4894997B2 JP2005296095A JP2005296095A JP4894997B2 JP 4894997 B2 JP4894997 B2 JP 4894997B2 JP 2005296095 A JP2005296095 A JP 2005296095A JP 2005296095 A JP2005296095 A JP 2005296095A JP 4894997 B2 JP4894997 B2 JP 4894997B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
rubber
monovalent
integer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005296095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007106785A (ja
Inventor
伸一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2005296095A priority Critical patent/JP4894997B2/ja
Publication of JP2007106785A publication Critical patent/JP2007106785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4894997B2 publication Critical patent/JP4894997B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

本発明は、光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物、特には耐溶剤性、低温特性等に優れた硬化物を得ることができ、シール材、コーティング剤、ポッティング剤などに有用な光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料に関する。
1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、少なくとも2個以上のヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物及びヒドロシリル化反応触媒から成る組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、耐候性等の性質がバランスよく優れた硬化物を得ることができることが特許第2990646号公報等で提案されている。
上記フルオロポリエーテルゴム組成物は熱により硬化するが、紫外線により短時間で硬化可能な組成物の要求も以前よりあった。この要求に応えるため、本出願人は、末端にアクリル基を有するフルオロポリエーテル化合物とフッ素化された光開始剤からなる組成物を開発した(特願2005−20354号明細書)。しかし、この組成物は、組成物全体のフッ素以外の部分の比率が大きいため、溶剤膨潤性等の特性が不充分であり、また、UV硬化する際の酸素硬化阻害の影響が大きく、これらの点の改善が望まれる。
特許第2990646号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、紫外線照射により硬化する際に酸素硬化阻害が少なく、かつ耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れたゴム硬化物を与える光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中に少なくとも2個のメルカプト基を有し、かつ、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するオルガノポリシロキサン、光開始剤を配合することにより、紫外線照射により硬化する際に酸素硬化阻害が少なく、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れたゴム硬化物を与える光硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物が得られ、この組成物は、シール材、被覆材、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布材料等のゴム材料として有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)下記一般式(1)で表わされる1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物
Figure 0004894997
[式中、Xは独立に−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR’−Y’−(但し、Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R’は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜200の整数である。]
Figure 0004894997
(B)下記一般式(2)で表わされる1分子中に少なくとも2個のメルカプト基を有し、かつ、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するメルカプト基含有含フッ素シロキサン
Figure 0004894997
[式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異種の水素原子又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基、R 5 及びR 6 は、同一又は異種の置換もしくは非置換の2価炭化水素基で、結合途中に酸素原子、窒素原子又はイオウ原子を含んでいてもよい。Rfは炭素数3以上の1価パーフルオロアルキル基又は1価パーフルオロアルキルエーテル基、sは1〜100の整数、tは0〜500の整数、uは2〜100の整数である。]
(C)光開始剤
を含有する光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物、及び、この光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物からなるゴム材料
を提供する。
本発明の光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物は、紫外線照射により硬化する際に酸素硬化阻害が少なく、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れたゴム硬化物を与えるもので、この組成物は、シール材、被覆材、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布材料等のゴム材料として有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に用いる(A)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造、好ましくは2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有するものである。
ここで、パーフルオロアルキルエーテル構造としては、−Cd2dO−(式中、各単位のdは独立に1〜6の整数である。)の多数の繰り返し単位を含むもので、例えば下記一般式(3)で示されるものなどが挙げられる。
(Cd2dO)q (3)
(式中、qは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。)
上記式(3)で示される繰り返し単位−Cd2dO−としては、例えば下記の単位等が挙げられる。なお、上記パーフルオロアルキルエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
また、(A)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物中のアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニル基、アリル基が好ましい。
なお、上記アルケニル基は、分子主鎖の側鎖として存在していてもよいが、分子鎖の両末端に結合していることが好ましく、この場合、直鎖状フルオロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に直接結合していてもよいし、下記に示すような2価の連結基を介して主鎖と結合していてもよい。
−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−、−Y−NR−CO−、
−CO−NR−Y’−
(但し、Yは、−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R、R’はそれぞれ水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)
Figure 0004894997
上記フルオロポリエーテル化合物としては、下記一般式(4)又は(5)で示される直鎖状のものが好ましい。
Figure 0004894997
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR’−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R’は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。また、Rf0は2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(3)、即ち(Cd2dO)qで示されるものが好ましい。pは独立に0又は1、Qは炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。]
Figure 0004894997
このような(A)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物としては、特に下記一般式(1)で示されるものが好適である。
Figure 0004894997

[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR’−Y−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R’は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜200の整数である。]
Figure 0004894997
上記式(1)の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、重量平均分子量が4,000〜100,000、特に1,000〜50,000であることが望ましい。
上記式(1)で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記化合物等を例示することができる。なお、式中、m、nは前記と同様である。
Figure 0004894997
Figure 0004894997
更に、本発明では、直鎖状フルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の重量平均分子量に調節するため、予め上記した直鎖状フルオロポリエーテル化合物を分子内にSiH基を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の方法及び条件でヒドロシリル化反応させ、鎖長延長した生成物を(A)成分として使用することも可能である。
次に、(B)成分は、上記(A)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するもので、1分子中に少なくとも2個のメルカプト基を有し、かつ、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されるものではない。
上記(B)成分としては、下記一般式(2)で表されるメルカプト基含有含フッ素シロキサンが好適である。
Figure 0004894997
[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異種の水素原子又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基、R5及びR6は、同一又は異種の置換又は非置換の2価炭化水素基で、結合途中に酸素原子、窒素原子又はイオウ原子を含んでいてもよい。Rfは、炭素数3以上の1価パーフルオロアルキル基又は1価パーフルオロアルキルエーテル基、sは1〜100の整数、tは0〜500の整数、uは2〜100の整数である。]
上記式(2)において、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異種の水素原子又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、1価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜7のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で置換された基などが例示され、特にメチル基が好ましい。
5及びR6は、同一又は異種の置換又は非置換の2価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜7のもの、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基、このアルキレン基の結合の途中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子が介在している基、フェニレン基、トリレン基等のアリーレン基などが例示される。なお、窒素原子は−NH−,−N(CH2)−,−N(C65)−等として介在し得る。
Rfは、炭素数3以上の1価パーフルオロアルキル基又は1価パーフルオロアルキルエーテル基であり、具体的には下記一般式で示される基を例示することができる。
1価のパーフルオロアルキル基:
a2a+1− (aは3〜12、好ましくは4〜8の整数)
1価のパーフルオロアルキルエーテル基:
Figure 0004894997
上記式(2)のオルガノポリシロキサンの粘度(25℃)は、50〜10,000mPa・s、特に100〜3,000mPa・sが好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンの例としては、次に示すようなものが挙げられる。なお、この(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。なお、Meはメチル基である。
Figure 0004894997
(B)成分の配合量は、通常(A)成分中に含まれるビニル基、アリル基等のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のメルカプト基、即ち、SH基を合計量で好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは1〜2モル供給する量が好適である。(B)成分中の配合量が上記量より少なすぎると架橋度合いが不充分になる場合があり、多すぎると鎖長延長が優先し、硬化が不充分となったり、発泡したり、耐熱性、圧縮永久歪み特性等が悪化する場合がある。
次に、(C)成分の光開始剤は、(A)成分のアルケニル基と(B)成分のメルカプト基との光付加反応を促進させるためのものであるが、これは当業界で良く知られているもので良く、具体的には、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス−(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどが例示される。
また、これら光開始剤の(A)成分及び(B)成分に対する溶解性を向上させるために、上記光開始剤に含フッ素置換基を導入することが有効である。具体的な方法としては、これら光開始剤の中で水酸基を有する化合物とパーフルオロアルキル酸フロライド又はパーフルオロアルキルエーテル酸フロライドとの反応により、含フッ素エステルを有する光開始剤を得ることができる。光開始剤として、このような含フッ素置換基が導入された光開始剤を使用することにより、(A)成分及び(B)成分に対する溶解性が良好になるため、より効果的に光付加反応を促進することができる。
また、その他の成分として、本発明の硬化性組成物の硬度を低下させるため、また、ゲル状硬化物とするために、(A)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物と共にアルケニル基を片末端にしか有しない、分子中に1個のアルケニル基を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、硬度調整、ゲルの針入度調整、組成物の低温特性向上のため、市販のフッ素オイルを添加してもよい。添加するフッ素オイルとしては、ソルベイソレクシス社製のFomblin、ダイキン社製のDemnum、デュポン社製のCrytoxなどが例示される。
また、本発明組成物において、上記(A)〜(C)成分以外に組成物の透明性を大きく損なわない範囲でその他の任意成分を添加することができる。例えば、ヒュームドシリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒユームド二酸化チタン、ガラス繊維等の無機質充填剤や、これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤を配合してもよい。また、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等を配合してもよい。
更に、本発明組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、任意の成分として、例えば、アルケニル基を含有する直鎖状のオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子及びアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤等を配合してもよい。また、接着性を付与するためにトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトトリメトキシシラン、テトライソシアナトシラン等を添加してもよい。
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に制限されず、上記成分を混合することにより製造することができる。また、(A)成分と(B)成分及び(C)成分との2組成物とし、使用時に混合するようにしてもよい。
得られた組成物を硬化させるには、紫外線等の照射により硬化し得る。この場合、特に250〜400nmの波長を有する紫外線が経済的な観点から好ましく用いられ、その照射量は0.1〜5.0J/cm2、その際の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを使用することができる。
本発明の硬化性組成物を使用するにあたり、その用途、目的に応じて該組成物を適当なフッ素系溶剤、例えば、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、パーフルオロオクタン等を加えて所望の濃度に溶解してから使用することもできる。
本発明の光硬化性組成物は、ゴム材料として種々用途に使用することができる。即ち、例えばシール材、テント膜用コーティング材料、被覆材,複写機ロール材料,電気用防湿コーティング剤、センサー用ポッティング剤、燃料電池用シール材、積層ゴム布材料、剥離紙用離型剤、ハードディスクのピックアップヘッドのコーティング剤などに使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも質量部であり、粘度は25℃における値である。
〔実施例1、比較例1〕
下記式(6)で表されるポリマー(粘度2,100cs、重量平均分子量6,200、ビニル基量0.030モル/100g)100部に、下記式(7)で表される含フッ素メルカプトシロキサン(粘度143cs、メルカプト基量0.061モル/100g)49.2部、ジエトキシアセトフェノン1.0部を加え、混合し、組成物Iを作成した。これを減圧下で脱泡し、120×120×2mmの枠に流し込み、脱泡して、アイ紫外硬化装置S05−04002(岩崎電気(株)製商品名)を用いて紫外線を0.6J/cm2照射してこれを硬化させた。得られたゴム弾性体の物性をJIS K6251、6253に準じて測定したところ、下記ゴム物性であることがわかった。
次に、この試験片を用い、溶剤膨潤性を測定したところ、表1に示す結果になった。
Figure 0004894997
Figure 0004894997
硬さ(デュロメータータイプA) 25
伸び(%) 100
引張り強さ(MPa) 1.3
また、下記組成のアクリル硬化タイプ組成物(比較組成物I)を使用し、上記と同様にしてゴム弾性体を得、同様に溶剤膨潤性を測定した。結果を表1に示す。
アクリル硬化タイプ組成物:
Figure 0004894997
Figure 0004894997
表1の結果から、本発明の光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物は、アクリル硬化タイプ組成物よりも耐溶剤性に優れていることがわかった。
また、上記組成物Iと比較組成物Iをそれぞれ空気中でアイ紫外硬化装置S05−04002(岩崎電気(株)製商品名)を用いて紫外線を0.6J/cm2照射して硬化試験を行ったところ、組成物Iの表面はタックがなく良好に硬化したが、比較組成物Iの表面はタックがあり、硬化性が不充分であった。
〔実施例2〕
上記式(6)で表されるポリマー(粘度2,100cs、重量平均分子量6,200、ビニル基量0.030モル/100g)100部にジクロロジメチルシランで表面処理された比表面積120m2/gの煙霧質シリカを10部添加し、プラネタリーミキサーで混合した後、3本ロールにより、分散促進を行い、ベースコンパウンドを作成した。このベースコンパウンドに、上記式(7)で表される含フッ素メルカプトシロキサン(粘度143cs、メルカプト基量0.061モル/100g)49.2部、ジエトキシアセトフェノン1.0部を加え、混合し、組成物IIを作成した。これを実施例1と同様にして硬化させ、硬化シートを作成した。試験片を切り取り、JIS K6251、6253に準じて物性を測定したところ以下の結果が得られた。
硬さ(デュロメータータイプA) 36
伸び(%) 170
引張り強さ(MPa) 2.1

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(1)で表わされる1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物
    Figure 0004894997
    [式中、Xは独立に−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)で示される基であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR’−Y’−(但し、Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R’は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、pは独立に0又は1、rは2〜6の整数、m、nはそれぞれ0〜200の整数である。]
    Figure 0004894997
    (B)下記一般式(2)で表わされる1分子中に少なくとも2個のメルカプト基を有し、かつ、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するメルカプト基含有含フッ素シロキサン
    Figure 0004894997
    [式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異種の水素原子又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基、R 5 及びR 6 は、同一又は異種の置換もしくは非置換の2価炭化水素基で、結合途中に酸素原子、窒素原子又はイオウ原子を含んでいてもよい。Rfは炭素数3以上の1価パーフルオロアルキル基又は1価パーフルオロアルキルエーテル基、sは1〜100の整数、tは0〜500の整数、uは2〜100の整数である。]
    (C)光開始剤
    を含有する光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物。
  2. 請求項1記載の光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物からなるゴム材料。
  3. シール材、被覆材、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材又は積層ゴム布材料である請求項記載のゴム材料。
JP2005296095A 2005-10-11 2005-10-11 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料 Active JP4894997B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296095A JP4894997B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296095A JP4894997B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007106785A JP2007106785A (ja) 2007-04-26
JP4894997B2 true JP4894997B2 (ja) 2012-03-14

Family

ID=38032912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005296095A Active JP4894997B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4894997B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5008192B2 (ja) * 2006-09-08 2012-08-22 信越化学工業株式会社 パーフルオロポリエーテル−ポリオルガノシロキサン共重合体及びそれを含む表面処理剤
JP4721459B2 (ja) * 2007-11-30 2011-07-13 信越化学工業株式会社 パーフルオロポリエーテル−ポリオルガノシロキサンブロック共重合体及びそれを含む表面処理剤
JP5275297B2 (ja) * 2010-07-28 2013-08-28 信越化学工業株式会社 液状エポキシ樹脂組成物及び該液状エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物で封止された半導体装置
JP5614509B1 (ja) * 2013-04-15 2014-10-29 ダイキン工業株式会社 含フッ素含ケイ素ポリマーおよび表面処理剤
JP6459845B2 (ja) * 2015-08-18 2019-01-30 信越化学工業株式会社 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法
JP6512120B2 (ja) * 2016-01-26 2019-05-15 信越化学工業株式会社 含フッ素エラストマーの基材への接着方法
JP7306472B2 (ja) 2019-11-11 2023-07-11 信越化学工業株式会社 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物とその接着方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH115902A (ja) * 1997-06-17 1999-01-12 Shin Etsu Chem Co Ltd 硬化性シリコーンゴム組成物
JPH1121352A (ja) * 1997-07-03 1999-01-26 Toray Ind Inc 硬化性組成物
US6778753B2 (en) * 2001-07-25 2004-08-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Halogenated optical polymer composition
JP4265887B2 (ja) * 2002-05-08 2009-05-20 富士フイルム株式会社 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007106785A (ja) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4894997B2 (ja) 光硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物及びゴム材料
JP4632069B2 (ja) 硬化性フルオロポリエーテル系コーティング剤組成物
JP3666575B2 (ja) 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物
JP6386548B2 (ja) フルオロポリエーテル−ポリシロキサンエラストマー組成物及び成形物品
JP7007601B2 (ja) 硬化性組成物
JP6943297B2 (ja) 紫外線硬化型オルガノポリシロキサンゲル組成物、シリコーンゲル硬化物及びその製造方法並びに圧力センサー
JP6962290B2 (ja) 光造形用紫外線硬化型シリコーン組成物およびその硬化物
JP2021185247A (ja) 硬化性組成物
JP3743495B2 (ja) 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物
JP5799930B2 (ja) 硬化性フルオロポリエーテル系ゲル組成物及びその硬化物を用いたゲル製品
JP2009149782A (ja) 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物
TWI526496B (zh) Room temperature hardened fluoropolyether rubber composition and hardened product thereof
JP5701803B2 (ja) 含フッ素硬化性組成物及びその硬化物
JP2954444B2 (ja) 室温硬化性組成物
JP5447352B2 (ja) 含フッ素硬化性組成物
JP5338024B2 (ja) 硬化性組成物
US20220010075A1 (en) Curable composition
JP3674680B2 (ja) 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物
JP2005089672A (ja) 紫外線硬化性組成物
JP2006249356A (ja) 白金触媒組成物、その製造方法及び含フッ素硬化性組成物
JP4182338B2 (ja) 熱硬化性パーフルオロポリエーテル系ゴム組成物及びゴム製品
JP5691983B2 (ja) フルオロポリエーテル系組成物
JPH0570695A (ja) 硬化性シリコーン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4894997

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3