JP6454078B2 - ポリビニルアセタール系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、モバイル端末などの電子機器の小型化・高機能化に伴い、薄型化が進んでいる電子部品については、製造工程において薄い製品の加工や搬送の作業性向上のために、接着剤等を用いて部材を固定し、作業終了後に剥離することで、製品を得るといった方法が用いられている。
例えば、シリコンウエハの製造では、原材料であるシリコンインゴッドを接着剤を用いて固定具に固定し、切断機によって薄膜上に切断し、弱アルカリ性水溶液や弱酸性水溶液等の剥離液に浸漬することで薄膜上のシリコンウエハを得る。
このような用途に用いられる接着材料には、加工時には原材料を固定具に強固に固定することのできる接着力と機械強度が求められ、使用後には固定具から囲う部品を容易に剥離できるという性能が求められる。
また、特許文献2には、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、重合開始剤、β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステル、エラストマー成分及び有機系熱膨張性粒子を含有してなる仮固定用接着剤組成物が開示されている。
更に、特許文献3には、接着剤と、前記接着剤の溶融温度より20℃以上高い熱膨張開始温度を有する熱膨張性マイクロカプセルとを含有する仮固定用接着剤組成物が開示されている。
また、特許文献2の仮固定用接着剤組成物は、部分的に光を透過しない部材の接着に用いる場合、光硬化を行うだけでは接着性が不充分となり、その結果、機械強度が低くなるという問題があった。また、部品固定時の接着強度が弱く、切削加工時の部材の寸法精度が悪くなるという問題もあった。
更に、特許文献3の仮固定用接着剤組成物では、有機系熱膨張性粒子の添加量が多いため、強固に固定するための機械強度が不充分となっていた。また、剥離後の接着剤がフィルム状とはならず、部材に糊残りが発生することで、回収に手間がかかることがあった。
以下、本発明を詳述する。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が600未満であると、ポリビニルアセタール系樹脂組成物の機械強度が低下することがある。ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が5000を超えると、ポリビニルアルコールのアセタール化の際に溶液粘度が異常に高くなってアセタール化が困難になることがある。ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は4500である。
なお、アセタール化度の計算方法については、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基がポリビニルアルコールの2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用する。
ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%未満であると、ポリビニルアルコールの水への溶解度が低下するためアセタール化が困難になることがある。また、ポリビニルアルコールの水酸基量が少ないためアセタール化反応が進みにくくなることがある。ポリビニルアルコールのケン化度のより好ましい下限は85モル%である。
上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、生産性、特性バランス等の点で、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、ブチルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒドが好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリビニルアセタール系樹脂組成物は、ポリビニルアセタール樹脂と、島成分樹脂とが別のポリマーとして存在することで、上記ポリビニルアセタール樹脂のポリマー主鎖骨格を崩すことがないため、ポリビニルアセタールはポリマー構造が維持される。これにより、ポリビニルアセタール樹脂本来の優れた密着性を発現させる事ができる。
また、吸水性の高い島成分樹脂を更に有することで、接着した後に水によって容易に剥離することが可能となる。
上記水接触角の好ましい下限は5度、好ましい上限は20度である。
上記島成分樹脂の水接触角は、例えば、接触角計(KSV社製、CAM200)等を用いて測定することができる。
なお、上記島成分樹脂の水接触角は、本発明のポリビニルアセタール系樹脂組成物から島成分樹脂を採取した後、フィルム状とした状態で測定することが好ましい。
具体的には例えば、本発明のポリビニルアセタール系樹脂組成物を少量のエタノールに溶解させ、その溶液に水を滴下していくことで、不溶解成分が発生させ、その不溶解成分と溶解成分とに分離する。次いで、溶解成分(島成分樹脂含有成分)について、離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、フィルムを得る。そのフィルム表面の水接触角を測定することで、島成分樹脂の水接触角を測定することができる。
上記エステル側鎖に有する親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、及び、それらの塩や、水酸基、エチレンオキシド鎖からなる群より選択される少なくとも1種の官能基が好ましい。なかでも、カルボキシル基、スルホン酸基、それらの塩がより好ましく、カルボキシル基、その塩であることが特に好ましい。
これらのモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ポリビニルアセタール系樹脂組成物が海島構造を有していることは、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た後、得られたフィルムをカミソリ刃、ミクロトーム等を用いて切断し、その切断面を、例えば、光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、顕微ラマン等を用いて観察することにより判断することができる。
なお、分散径(直径)は、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た後、得られたフィルムをカミソリ刃、ミクロトーム等を用いて切断し、その切断面を、例えば、光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、顕微ラマン等を用いて撮影し、得られた写真を、画像解析装置を用いて解析処理することにより測定することができる。平均分散径(直径)は、任意に選んだ100個の分散相の分散径(直径)の平均値を求めることにより算出することができる。
なお、上記島成分樹脂は、連続相としての上記ポリビニルアセタール樹脂中に、略球状で分散していることが好ましい。
上記相溶化剤は特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記島成分樹脂とのブロックコポリマー又はグラフトコポリマー、イオン的相互作用による相溶化剤(例えば、特定の官能基を有する化合物又はポリマー等)等が挙げられる。上記相溶化剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂と、上記島成分樹脂との合計100重量部に対して、0〜50重量部程度が好ましい。
このような方法を用いることで、ポリビニルアセタール系樹脂組成物において、分散相である上記島成分樹脂の平均分散径(直径)が小さくなる。これは、上記島成分樹脂を構成するモノマーの重合時に、上記ポリビニルアセタール樹脂に上記島成分樹脂がグラフトしたコポリマーが一部生成し、該コポリマーが、連続相と分散相との両方に対して親和性を有する界面活性作用(相溶化作用)を発揮して、分散相を安定化させるためと考えられる。このような分散相の平均直径が小さいポリビニルアセタール系樹脂組成物は、上述したような海島構造を有するとともに上述したような動的粘弾性スペクトルを満たすものとなり、より優れた機械強度を発現することができる。
一方で、このような方法ではなく、ポリビニルアセタール樹脂と島成分樹脂とを別々に重合する方法で作製する場合は、ガラス転移温度の低い樹脂成分の流動性がガラス転移温度の高い樹脂成分より大きいため、島成分樹脂が海島構造の海部分になりやすい。
上記ポリビニルアセタール樹脂と島成分樹脂とからなるグラフトコポリマーとしては、主鎖としての上記ポリビニルアセタール樹脂に、側鎖としての上記島成分樹脂が分岐状に結合したグラフトコポリマーが好ましい。
なお、グラフト率は、グラフトコポリマー中のポリビニルアセタール樹脂に対する島成分樹脂の比率を表し、単離したグラフトポリマーについてNMR測定を行い、ポリビニルアセタール樹脂の重量と島成分樹脂の重量とを換算し、下記式を用いて算出することができる。
グラフト率(%)
={(島成分樹脂の重量)/(ポリビニルアセタール樹脂の重量)}×100
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)100重量部とアクリル酸100重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸が分散した構造が確認できた。また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:75%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)150重量部とアクリル酸50重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸が分散した構造が確認できた。
また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:74%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)198重量部とアクリル酸2重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸が分散した構造が確認できた。
また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:72%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)150重量部とアクリル酸ナトリウム50重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸ナトリウムが分散した構造が確認できた。また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:76%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)150重量部とアクリル酸25重量部とイタコン酸25重量部、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてアクリル酸とイタコン酸の共重合体が分散した構造が確認できた。また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:71%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)100重量部とアクリル酸イソボルニル100重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸イソボルニルが分散した構造が確認できた。また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:68%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)100重量部とアクリル酸100重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液にメタノールを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリアクリル酸中に、分散相としてポリビニルアセタール樹脂が分散した構造が確認できた。
また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:75%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)80重量部とアクリル酸140重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸が分散した構造が確認できた。
また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:70%)の存在が確認された。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、ブチラール化度67.0モル%、水酸基量32.0モル%、アセチル基量1.0モル%)199重量部とアクリル酸1重量部と、重合溶媒としての酢酸エチル300重量部を加え、攪拌しながらポリビニルアセタール樹脂を溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込み、反応容器内を窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、上記反応器内に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート2.0重量部を4時間かけて滴下添加した。70℃にて、重合開始剤の添加開始から5時間還流させた後、反応液を冷却した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、固形分20重量%の溶液を得た。次に、本溶液を、コーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られたフィルムを透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、連続相としてのポリビニルアセタール樹脂中に、分散相としてポリアクリル酸が分散した構造が確認できた。
また、透過型電子顕微鏡を用いてフィルム断面を観察し、測定サンプル上のランダムに選択した点を中心に低倍率から徐々に倍率を上げ、分散相が50個以上100個未満観察されたときに、分散相の粒径を測定した。この操作を10点で繰り返し行うことによって分散相の平均分散径を測定した。
また、ポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムについて、NMRを用いて分析したところ、グラフトコポリマー(グラフト率:73%)の存在が確認された。
実施例及び比較例で得られたフィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られたポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムを少量のエタノールに溶解させ、その溶液に水を滴下していくことで、不溶解成分を発生させ、その不溶解成分と溶解成分とに分離した。次いで、溶解成分について、離型処理したPETフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させた後、110℃で20分間加熱し、フィルムを得た。
得られたフィルム表面の水接触角を接触角計(KSV社製、CAM200)を用いて測定した。
5×24×80mmのサイズのガラス板を2枚用意し、得られたポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルム(厚さ50μm、直径6mm)を2枚のガラス板で十字に挟み、それをオートクレーブに入れ、160℃に昇温し、30分間加熱した。この接着物について、オリエンテック社製、テンシロン(UTA−500)を用いて圧縮モードにて速度5 mm/minの条件で十字ガラスが分離するように、分離した時の応力を接着力とした。得られた接着力について、以下の基準で評価した。
◎:20N/mm2以上
○:15N/mm2以上20N/mm2未満
×:15N/mm2未満
「(2)接着性評価」と同様にして2枚のガラス板を接着させた後、20℃の水中に24時間浸漬し、浸漬後にガラス板が分離するかを確認し、以下の基準で評価した。
○:水中で自然にガラス板が分離した
△:水中で自然に分離はしなかったが、手で引っ張ると容易に分離した
×:全く分離しない
「(2)接着性評価」と同様にして2枚のガラス板を接着させた後、20℃の水中に24時間浸漬し、浸漬後にガラス板を分離させ、ガラス板表面に樹脂が残っているかを目視にて確認し、以下の基準で評価した。
○:ガラス表面に樹脂が全く残っていない。
×:ガラス表面に樹脂が残っている。
得られたポリビニルアセタール系樹脂組成物からなるフィルムをPETから剥がし、引っ張り試験を行って、破断強度を測定した。また、破断強度を以下の基準で評価した。
◎:60N/mm2以上
○:40N/mm2以上60N/mm2未満
×:40N/mm2未満
Claims (6)
- ポリビニルアセタール樹脂と、島成分樹脂とを含有するポリビニルアセタール系樹脂組成物であって、
連続相としての前記ポリビニルアセタール樹脂中に、分散相として前記島成分樹脂が分散した構造を有しており、
前記ポリビニルアセタール樹脂と島成分樹脂との合計100重量%中、前記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が50〜99重量%、前記島成分樹脂の含有量が1〜50重量%であり、
前記島成分樹脂は、水接触角が40度以下であり、
前記ポリビニルアセタール樹脂と前記島成分樹脂とからなるグラフトコポリマーを含有する
ことを特徴とするポリビニルアセタール系樹脂組成物。 - ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が600〜5000、アセタール化度が40〜80モル%であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール系樹脂組成物。
- 島成分樹脂は、親水性基を有する(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアセタール系樹脂組成物。
- 島成分樹脂の平均分散径が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリビニルアセタール系樹脂組成物。
- 島成分樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂の存在下で、島成分樹脂を構成するモノマーの重合を行うことにより得られるものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリビニルアセタール系樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4又は5記載のポリビニルアセタール系樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
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