JP6200231B2 - セラミックグリーンシート形成用水性分散液 - Google Patents
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Description
一方で、電子部品の小型化への要求から、グリーンシートについても一層の薄膜化が求められている。しかしながら、特許文献1のバインダーを用いて、厚みの薄いグリーンシートを成形すると、シート強度が低下するという問題があった。そのため、PETフィルム上に塗布成形をしたグリーンシートをフィルムから剥離させる工程等において、グリーンシートが破損するといった不具合が生じていた。
また、特許文献2には、特殊なアクリルエマルジョンと水溶性アクリル樹脂とを含んでなるバインダーが提案されている。
しかしながら、このバインダーを用いることによって、スラリーの粘性等は改善されるものの、依然として充分なシート強度は得られないのが現状である。
以下、本発明を詳述する。
更に、従来のバインダー樹脂が溶媒に溶解している状態とは異なり、微粒子が分散した状態であることで、スラリーとした際の粘度上昇が小さいために過剰の媒体を用いることが必要なく、調製作業性が良好であり、且つ、塗工性に優れたセラミックグリーンシート用スラリーが得られるという利点がある。
加えて、本発明のセラミックグリーンシート形成用水性分散液は、水を含有する分散媒に対する分散安定性に優れるとともに、仮に沈殿が生じた場合でも、容易に再分散できるという利点がある。
また、上記ケン化度が80モル%より小さいと、水への溶解性が悪くなるためアセタール化反応が困難になり、また、水酸基量が少ないためアセタール化反応自体が困難となる。特に、ケン化度85モル%以上とすることがより好ましい。
なかでも、上記イオン性官能基がポリビニルアセタール樹脂構造中に直接存在する場合は、水性分散液中のポリビニルアセタール樹脂微粒子のサイズを小さくすることができることからセラミックグリーンシートとした際に高い機械的性質を発現させることができる。
更に、上記イオン性官能基がポリビニルアセタール樹脂構造中に直接存在している場合は、イオン性官能基は特定の構造を介してポリマー主鎖骨格に結合していることで、分散安定性を改善できるほか、得られるセラミックスラリーの塗工性、乾燥時の製膜性に優れ、セラミックグリーンシートの強度や柔軟性を優れたものとすることができる。上記特定の構造としては、炭化水素からなる基が好ましく、特に、炭素数1以上のアルキレン基、炭素数5以上の環状アルキレン基、炭素数6以上のアリール基等が好ましい。
これは、上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれるイオン性官能基が、上記一般式(1)中のR2を介してポリマー主鎖に結合しているために、該イオン性官能基の運動性が高まり、水を含有する分散媒に分散させた場合に、微粒子表面に存在するイオン性官能基が分散媒の方向に向くように再配置する。これにより、ポリビニルアセタール微粒子と水性媒体との親和性が向上するためであると考えられる。
また、上記イオン性官能基を有するポリビニルアセタール樹脂が、上記一般式(1)で表される構造単位を有することによって、得られるセラミックグリーンシートは、高い機械的強度、及び、柔軟性を有するものとなる。これは、分散媒が乾燥した後に、イオン性官能基が微粒子表面から微粒子内部へと移動することで、微粒子同士の接合及びセラミックとの接合が強固に行われるためであると考えられる。
上記R2としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基等が挙げられる。なかでも、上記R2はメチレン基であることが好ましい。
上記R2は、ヘテロ原子を有する置換基によって置換された構造であってもよい。上記置換基としては、エステル基、エーテル基、スルフィド基、アミド基、アミン基、スルホキシド基、ケトン基、水酸基等が挙げられる。
なかでも、アリルスルホン酸及びその塩を用いた場合、水性分散媒中における優れた分散安定性と、セラミックグリーンシートの高い機械的強度、及び、柔軟性を実現することができるため好適である。特に、アリルスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
これらのモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記R5としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基等が挙げられる。なかでも、上記R5はメチレン基であることが好ましい。
上記R5は、ヘテロ原子を有する置換基によって置換された構造であってもよい。上記置換基としては、エステル基、エーテル基、スルフィド基、アミド基、アミン基、スルホキシド基、ケトン基、水酸基等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂中のイオン性官能基の含有量を上記範囲内とすることで、水性分散液中でのポリビニルアセタール微粒子の分散安定性が向上するとともに、得られるセラミックグリーンシートの強度、及び、柔軟性を両立させることができる。
上記重合方法は特に限定されず、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の従来公知の重合方法が挙げられる。
上記溶液重合に用いる溶媒は特に限定されず、例えば、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及び、これらの混合溶媒等が挙げられる。
具体的には、イオン性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてグラフト鎖を形成することが好ましい。
なお、本発明において、「グラフト率」とは、グラフト共重合体中のポリビニルアセタールからなるユニットに対するイオン性官能基を含む重合性単量体からなるユニットの比率を表し、例えば、以下の方法により評価することができる。得られた樹脂溶液を110℃で1時間乾燥させた後、メタノールに溶解させ、該メタノール溶液を水に滴下添加した後に、遠心分離操作によって不溶分と可溶分とに分離する。この際得られた不溶分をグラフト共重合体とする。得られたグラフト共重合体について、NMRによりポリビニルアセタールからなるユニットとイオン性官能基を含む重合性単量体からなるユニットの重量を換算し、下記式(3)を用いて算出することができる。
上記他の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、単官能(メタ)アクリル酸アルキルエステル、単官能(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、単官能(メタ)アクリル酸アリールエステル等を用いることができる。
上記単官能(メタ)アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸を総称するものであり、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを総称するものとする。
なお、本発明において、「他の(メタ)アクリル系モノマーのグラフト率」とは、グラフト共重合体中のポリビニルアセタールからなるユニットに対する他の(メタ)アクリル系ポリマーからなるユニットの比率を表し、例えば、以下の方法により評価することができる。得られた樹脂溶液を110℃で1時間乾燥させた後、キシレンに溶解させ、不溶分と可溶分とに分離し、不溶分をグラフト共重合体とする。得られたグラフト共重合体について、NMRによりポリビニルアセタールからなるユニットと他の(メタ)アクリル系ポリマーからなるユニットの重量を換算し、下記式(4)を用いて算出することができる。
なお、上記ポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置等を用いて測定することができる。
上記CV値のより好ましい上限は35%、更に好ましい上限は32%、特に好ましい上限は30%である。なお、CV値は、標準偏差を平均粒子径で割った値の百分率(%)で示される数値である。
なかでも、ポリビニルアセタール樹脂本来の優れた機械的性質を低下させることが無く、被膜とした際に高い機械的性質を発現させることができ、また、導入した官能基の変質等が発生しないためにグラフトさせる方法が特に好ましい。
また、イオン性官能基がポリビニルアセタール樹脂構造中に直接存在している場合には、イオン性官能基を上記特定の構造を介してポリマー主鎖骨格に結合させることで、優れた分散安定性と、セラミックグリーンシートの高い機械的強度及び柔軟性を実現することができる。
具体的には、上記ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した後、水を少量ずつ添加し、必要に応じて加熱及び/又は減圧して有機溶剤を除去し、ポリビニルアセタール微粒子が水を含有する水性媒体中に分散したセラミックグリーンシート形成用水性分散液を調製する方法や、大量の水に上記ポリビニルアセタール樹脂が溶解した溶液を添加した後に必要に応じて加熱及び/又は減圧して有機溶剤を除去し、ポリビニルアセタール微粒子が水を含有する水性媒体中に分散したセラミックグリーンシート形成用水性分散液を調製する方法等が挙げられる。
なかでも、ポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径を制御しやすく、高固形分の水性分散液を容易に作成できることから、上記ポリビニルアセタール樹脂を有機溶剤に溶解した後、水を少量ずつ添加し、加熱及び/又は減圧して有機溶剤を除去する方法が好適である。
なお、上記水以外の媒体を含む場合は、水性分散液の引火点が40℃以上となるように添加量の調整を行う。引火点を40℃以上とすることで、セラミックグリーンシートを製造する工程において防爆設備を必要とせず、乾燥時や排気時の環境汚染を抑制し、なおかつ作業者の安全衛生を確保することができる。
上記セラミックグリーンシートを作製する方法としては、特に限定されず、公知の成形方法によって成形される。例えば、本発明のセラミックグリーンシート形成用水性分散液に、必要に応じて分散剤、消泡剤等の添加物を配合し、セラミック微粒子と共にボールミル等の混合装置で均一に混合してセラミックグリーンシート形成用スラリーを調製し、該セラミックグリーンシート形成用スラリーをPETフィルム等の支持体上にドクターブレード法等の公知の方法により湿式塗布し、揮発成分を乾燥除去する方法が挙げられる。その他に、上記セラミックグリーンシート形成用スラリーをスプレードライヤー法等により顆粒状に造粒した後、該顆粒を乾式プレス法により成形する方法等も挙げられる。
(1)水性分散液の作製
重合度900、ケン化度99.2モル%であり、共重合体としてのアリルスルホン酸ナトリウムを1モル%有するポリビニルアルコール100重量部を純水1000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸80重量部を添加した後、液温を4℃に下げてn−ブチルアルデヒド70重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃、2時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂についてNMRを用いて測定を行ったところ、ブチラール化度は67モル%、水酸基量は31.2モル%、アセチル基量は0.8モル%、共重合体としてのアリルスルホン酸ナトリウムは1モル%、樹脂中に含まれるイオン性官能基の量は0.05mmol/gであった。
次いで、得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部をメタノール90重量部に溶解させ、水35重量部を滴下添加した。次いで液温を40℃に保ち、減圧しながら撹拌を行うことでメタノールを揮発させた後、固形分が20重量%となるまで濃縮し、ポリビニルアセタール樹脂からなる微粒子が分散した水性分散液を作製した。
得られた水性分散液についてNMRを用いて測定を行ったところ、分散媒に含まれる水の割合は85重量%であり、メタノールの割合は15重量%であった。また、得られた水性分散液のポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径を透過型電子顕微鏡により測定したところ、30nmであった。
得られた水性分散液10重量部に可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートをポリビニルアセタール樹脂に対して10重量%となるよう添加し十分撹拌を行った。次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウム粉末(BT−03、平均粒子径0.3μm、堺化学工業社製)、及び、希釈水を添加し、ポリビニルアセタール樹脂濃度が10重量%、チタン酸バリウム濃度が50重量%となるように調整を行い、次いでボールミルを用いて48時間混練してセラミックグリーンシート形成用スラリーを得た。
次に、得られたセラミックグリーンシート形成用スラリーを、コーターを用いて乾燥後の厚みが3μmとなるようにPETフィルム上に塗布し、熱風乾燥機で80℃で1時間、ついで、120℃で1時間乾燥してセラミックグリーンシートを得た。
実施例1の((1)水性分散液の作製)において、原料のポリビニルアルコールを重合度1500、ケン化度99.0モル%、共重合体としてのアリルスルホン酸ナトリウムを0.1モル%有するポリビニルアルコールに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂についてNMRを用いて測定を行ったところ、ブチラール化度は67.5モル%、水酸基量は31.4モル%、アセチル基量は1モル%、共重合体としてのアリルスルホン酸ナトリウムは0.1モル%、樹脂中に含まれるイオン性官能基の量は0.005mmol/gであった。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、水性分散液及びセラミックグリーンシートを得た。なお、得られた水性分散液の分散媒中に含まれる水の割合、ポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径の測定結果を表1に示す。
実施例1の((1)水性分散液の作製)において、原料のポリビニルアルコールを重合度1700、ケン化度99.0モル%、共重合体としてのアクリル酸ナトリウムを2モル%有するポリビニルアルコールに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂についてNMRを用いて測定を行ったところ、ブチラール化度は67.3モル%、水酸基量は29.7モル%、アセチル基量は1モル%、共重合体としてのアクリル酸ナトリウムは2モル%、樹脂中に含まれるイオン性官能基の量は0.2mmol/gであった。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、水性分散液及びセラミックグリーンシートを得た。なお、得られた水性分散液の分散媒中に含まれる水の割合、ポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径の測定結果を表1に示す。
可塑剤をジオクチルフタレートに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性分散液及びセラミックグリーンシートを得た。
温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器内に、ポリビニルアセタール樹脂(重合度800、ブチラール化度65.0モル%、水酸基量34モル%、アセチル基量1モル%)25重量部と、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート5重量部と、ジメチルスルホキシド100重量部とを加え、撹拌しながらポリビニルブチラールおよび2−ソジウムスルホエチルメタクリレートを溶解させた。次に、窒素ガスを30分間吹き込んで反応容器内を窒素置換した後、反応容器内を撹拌しながら85℃に加熱した。30分間後、0.5重量部の重合開始剤としてのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを5重量部のジメチルスルホキシドで希釈し、得られた重合開始剤溶液を上記反応器内に3時間かけて滴下添加した。その後、さらに85℃にて3時間反応させた。反応液を冷却後、水への沈殿を3回行ってから充分乾燥し、2−ソジウムスルホエチルメタクリレートがグラフトしたポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂に含まれるイオン性官能基の量をNMRにより測定したところ、0.6mmol/gであった。
次いで、得られたポリビニルアセタール樹脂3重量部をメタノール150重量部に溶解させ、溶解液を水300重量部に滴下添加した。次いで液温を40℃に保ち、減圧しながら撹拌を行うことでメタノールおよび水を揮発させた後、固形分が20重量%となるまで濃縮し、ポリビニルアセタール樹脂からなる微粒子が分散した水性分散液を作製した。
得られた水性分散液についてNMRを用いて測定を行ったところ、分散媒に含まれる水の割合は100重量%であった。また、得られた水性分散液のポリビニルアセタール微粒子の体積平均粒子径を透過型電子顕微鏡により測定したところ、150nmであった。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、セラミックグリーンシートを得た。
(1)水性溶液の作製
ポリビニルアルコール(重合度800、ケン化度98モル%)15重量部を水85重量部に溶解させた水性溶液を調製した。
得られた水性溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、セラミックグリーンシートを得た。
(1)水性溶液の作製
ポリビニルアセタール樹脂(重合度300、ブチラール化度15.0モル%、水酸基量84モル%、アセチル基量1モル%)15重量部を水85重量部に溶解させた水性溶液を調製した。
得られた水性溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、セラミックグリーンシートを得た。
(1)水性分散液の作製
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる微粒子(体積平均粒子径100nm)20重量部を水80重量部に分散させた水性分散液を調製した。
得られた水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、セラミックグリーンシートを得た。
得られた水性分散液及びセラミックグリーンシートの性能を以下の方法で評価した。結果を表1に示した。
得られた水性分散液を24時間放置し、以下の基準で微粒子の分散性を評価した(水性溶液については実施しなかった)。
◎ 沈降物がなく、完全に分散していた。
○ ごく一部の沈降物が見られたが、概ね分散していた。
× 全てが沈降していた。
得られた水性分散液について、遠心分離機によって微粒子を沈降させた後、撹拌によって微粒子が再分散可能かを以下の基準で評価した(水性溶液については実施しなかった)。
◎ 撹拌時間10分以内で完全に分散した。
○ 撹拌時間10分以上、1時間以内で完全に分散した。
× 分散しなかった。
得られた水性分散液又は水性溶液をPETフィルムに塗工乾燥した後、形成したフィルムをPETフィルムから剥がし、厚さ100μmのフィルムを作製した。得られたフィルムを600℃まで加熱し、完全に分解するか否かを観察して、以下の基準で熱分解性を評価した。
△ 残さは殆どなく、概ね完全に分解した。
× 明らかな残さがあった。
得られたセラミックグリーンシートをPETフィルムから剥離し、セラミックグリーンシートの状態を目視にて観察し、以下の基準で強度(剥離性)を評価した。
△ セラミックグリーンシートをPETフィルムからきれいに剥離でき、剥離したシートのごく一部に、小さな切れが観察された。
× セラミックグリーンシートをPETフィルムから剥離できない、もしくは、剥離したシートの大部分に切れや破れが観察された。
得られたセラミックグリーンシートの中央部を直径2mmのガラス芯棒で押さえ、これを中心とする180°の折り曲げ試験を行い、以下の基準で柔軟性を評価した。
△ セラミックグリーンシートのごく一部に、クラックの発生が確認された。
× セラミックグリーンシートに破断が確認された。
Claims (8)
- セラミックグリーンシートの製造に用いられるセラミックグリーンシート形成用バインダーであって、
ポリビニルアセタール樹脂からなる微粒子が、水を含有する水性媒体中に分散されており、
前記ポリビニルアセタール樹脂からなる微粒子は、体積平均粒子径が300nm以下であり、
前記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度が800〜5000である
ことを特徴とするセラミックグリーンシート形成用水性分散液。 - ポリビニルアセタール樹脂は、イオン性官能基を有することを特徴とする請求項1記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液。
- イオン性官能基は、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、及び、それらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項2記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液。
- イオン性官能基は、スルホン酸基又はその塩からなる官能基を有していることを特徴とする請求項2又は3記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液。
- ポリビニルアセタール樹脂中のイオン性官能基の含有量が0.001〜1mmol/gであることを特徴とする請求項2、3又は4記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液。
- 更に、可塑剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載のセラミックグリーンシート形成用水性分散液及びセラミック微粒子を含有することを特徴とするセラミックグリーンシート形成用スラリー。
- 請求項7記載のセラミックグリーンシート形成用スラリーを用いて得られることを特徴とするセラミックグリーンシート。
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