JPH1072262A - セラミック成形用有機バインダ、分散液、グリーンシート、および、セラミック焼結体または多層配線セラミック基板の製造方法 - Google Patents

セラミック成形用有機バインダ、分散液、グリーンシート、および、セラミック焼結体または多層配線セラミック基板の製造方法

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JPH1072262A
JPH1072262A JP9162394A JP16239497A JPH1072262A JP H1072262 A JPH1072262 A JP H1072262A JP 9162394 A JP9162394 A JP 9162394A JP 16239497 A JP16239497 A JP 16239497A JP H1072262 A JPH1072262 A JP H1072262A
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ceramic
organic binder
water
green sheet
dispersion
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JP9162394A
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English (en)
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Nobuhito Katsumura
宣仁 勝村
Fusaji Shoji
房次 庄子
Kunihiro Yagi
邦博 矢木
Norio Sengoku
則夫 千石
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水系溶剤にてスラリを調製し、さらに、柔軟
性、成形性、分散性、機械的強度等に優れたグリーンシ
ートを得る。 【解決手段】下記一般式(化1)に示す2つの繰返し単
位を備えるポリビニルアセタールと、水溶性有機高分子
化合物とを含む有機バインダを用いる。ただし、R1
水素または炭素数1〜12個のアルキル基、R2は水
素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜8の環状
アルキル基または炭素数2〜12の芳香族基、R3は水
素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8の芳香族
基、炭素数2〜9の脂肪族アシル基および/または炭素
数2〜9の芳香族アシル基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック原料を
成形する際に用いられる有機バインダおよび該有機バイ
ンダを含む分散液と、該有機バインダを用いて形成され
た成形体、特にセラミックグリーンシートと、それを用
いる多層配線セラミック基板の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】多層配線セラミック基板、特にグリーン
シートを用いて作製する湿式セラミック基板は、信頼性
の高い高密度配線を容易に形成することができるため、
電子計算機などに半導体チップなどを組み込むための基
板として多用されている。
【0003】この湿式セラミック基板は、特開昭59−
995号公報、特開昭60−254697号公報などに
記載されているように、セラミック原料粉末を有機バイ
ンダで結合し成形したグリーンシートに、貫通孔(スル
ーホール)をあけ、この貫通孔に導体ペーストを充填し
て層間接続用配線(ビアホール)とし、さらにシート表
面に導体ペーストの配線パターンを形成した上で、この
シートを複数枚積み重ねて圧着し、焼成することにより
得られる。
【0004】なお、この焼成工程では、まず低温の加熱
によりグリーンシート内のバインダと導体ペースト内の
ビヒクルとが除去され、さらに高温の加熱によりグリー
ンシート内のセラミック粉末、および、導体ペースト内
の導体粉末が、それぞれ焼結される。
【0005】従来より、グリーンシートは、例えば、有
機バインダ(ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エ
ステル等)を溶剤に溶解した溶液とセラミック粉末とを
ボールミル等で混合して調製されたスラリを脱泡した
後、このスラリをドクターブレード法等によりポリエス
テルフィルム等の基材上に一定の厚みでキャスティング
し、加熱して乾燥させることにより成形されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このグリーンシートの
成形の際に用いられるセラミック成形用バインダとして
は、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル等
の有機バインダが用いられ、溶剤としては、ブチルアル
コール、イソプロピルアルコール、トリクロロエチレ
ン、トルエン等の有機溶剤が用いられている。しかし、
これらの有機溶剤は、引火による爆発性、火災の危険
性、成形時、乾燥時の臭気、特にハロゲン系溶剤は、蒸
発ガスによる環境汚染、人体への有害性の公害問題等が
あり、これらを防ぐために防爆設備、廃ガス処理設備、
溶剤回収設備等の設置が必要である等、多くの問題があ
る。
【0007】このため、近年ではスラリの溶剤として水
を用いることができる水溶性バインダが望まれている。
例えば、特開昭56−76405号公報ではアセタール
化度10モル%以下の水溶性ポリビニルアセタールが、
特開昭64−29408号公報ではアセタール化度10
〜30モル%の冷水可溶性ポリビニルアセタールが、特
開昭59−156959号公報では疎水基あるいは特定
のイオン性親水基を側鎖に有する変性ポリビニルアルコ
ールが、それぞれ水系有機バインダとして提案されてい
る。しかし、これらの水系有機バインダは、水溶性であ
るために吸湿性が大きい。従って得られるセラミックグ
リーンシートの特性にバラツキが生じる等の欠点があ
る。また、水溶性高分子化合物には、熱分解性の悪いも
のが多い。従って、これをバインダとして用いるには、
添加量をなるべく低く抑える必要がある。
【0008】そこで、特開昭59−128266号公報
では、水溶性高分子成分100重量部に対し、疎水性高
分子成分を1〜1000重量部含有するセラミック成形
用複合バインダが提案されている。このバインダは、水
系分散体として乳化重合で得られた疎水性高分子ラテッ
クスを、水に溶かした水溶性高分子溶液に添加すること
により得られるが、乳化重合で得られた疎水性高分子ラ
テックスには界面活性剤が含まれているため、セラミッ
ク粉末の種類によっては凝集したり、脱泡時に泡が多く
発生する等、作業性が悪い。
【0009】また、特開平6−227855号公報で
は、疎水性高分子成分100重量部に対し、水溶性高分
子成分を1〜9.5重量部含有するセラミック成形用複
合バインダが提案されている。しかし、ここで提案され
ているバインダを用いた場合、グリーンシートの強度が
若干低く、後の工程時の取り扱い方によってはグリーン
シートを破損することがあった。
【0010】一方、特開平2−307859号公報で
は、ポリビニルブチラールのエマルジョン組成物を用い
たグリーンシートおよびセラミック基板の製造法が提案
されている。しかし、このエマルジョンは成形性が悪
く、グリーンシートを形成するのが難しい。また、エマ
ルジョンの粒径が大きくなってしまい、グリーンシート
の内部構造が不均一となってしまう。
【0011】そこで、本発明は、水系溶剤にて成形性の
よいスラリを製造でき、かつ、柔軟性、成形性、分散
性、機械的強度等の諸特性において優れたセラミックグ
リーンシートを得ることのできるセラミック成形用有機
バインダと、それを含む分散液およびグリーンシート
と、それを用いたセラミック焼結体または多層配線セラ
ミック基板の製造方法とを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、ポリビニルアセタールと、水溶性有機
高分子化合物とを含むセラミック成形用有機バインダが
提供される。本発明で用いられるポリビニルアセタール
は、下記一般式(化1)で表される第1の繰返し単位
と、下記構造式(化2)で表される第2の繰返し単位と
からなる。ポリビニルアセタール一分子中の繰返し単位
数に対する上記第1の繰返し単位の数の割合は10〜8
0%であり、第2の繰返し単位の数の割合は10%以上
である。
【0013】
【化1】
【0014】(ただし、式中、R1は水素または炭素数
1〜12個のアルキル基であり、R2は水素、炭素数1
〜12のアルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、
または、炭素数2〜12の芳香族基である。)
【0015】
【化2】
【0016】(ただし、式中、R3は水素、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8の芳香族基、炭素数2〜
9の脂肪族アシル基、および、炭素数2〜9の芳香族ア
シル基の、少なくともいずれかである。) なお、この第2の繰返し単位における−OR3は水酸基
のみでもよく、一部または全部がエーテル基またはエス
テル基となっていてもよい。R3が水素以外の基である
第2の繰返し単位の数は、ポリビニルアセタール一分子
中の全繰返し単位数の10%以下とすることが望まし
い。
【0017】この本発明で用いられるポリビニルアセタ
ールは、通常、ポリ酢酸ビニルを原料とすることが多い
ため、第2の繰返し単位の一部が、R3がアセチル基の
下記構造式(化3)で表される第3の繰返し単位となっ
ていることが多い。この第3の繰返し単位の数は、ポリ
ビニルアセタール一分子中の全繰返し単位数の10%以
下とすることが望ましい。
【0018】
【化3】
【0019】このポリビニルアセタールは、グリーンシ
ートに優れた機械特性を付与する。しかし、非水溶性で
あるため、従来の方法では水系溶剤を用いることができ
なかった。しかし、本発明では、バインダに、分散安定
剤として水溶性有機高分子化合物を含有させたため、水
系溶剤(分散媒)中に、非水溶性のポリビニルアセター
ルの小さな粒子を安定かつ均一に分散させることがで
き、さらに、スラリにした際の成形性を向上させること
ができた。本発明で用いられる分散安定剤は、高分子で
あるため、分散液およびスラリに適度な粘性を付与する
ことができ、また、成形の際の脱泡処理時にも泡立ちが
少なく、作業性に優れている。
【0020】さらに、本発明では、上述の有機バインダ
と水系溶剤とを含み、バインダ中のポリビニルアセター
ルが水系溶剤(すなわち分散媒)中に分散している分散
液が提供される。この分散液にセラミック粉末を添加し
て混練することにより、容易に成形体形成用のスラリを
得ることができる。分散媒としては、水を用いてもよ
く、また、水と有機溶剤との混合液を用いてもよい。
【0021】さらに、本発明では、本発明の有機バイン
ダとセラミック粉末とを含むセラミック前駆体組成物を
加熱して焼成する工程を有するセラミック製造方法と、
該組成物の薄膜であるセラミックグリーンシートとが提
供される。また、本発明では、該セラミックグリーンシ
ートと、配線導体を含む導体層とを積層して積層体を形
成する工程と、この積層体を加熱して焼成する工程とを
備える多層配線セラミック基板の製造方法が提供され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明では、セラミック成形用有
機バインダとして、上述のように機械的特性に優れたグ
リーンシートを得ることができるポリビニルアセタール
と、分散安定剤である水溶性有機高分子化合物とを併用
することにより、安全で成形性に優れるセラミック成形
用有機バインダ水性分散液を得ることができ、これを用
いてグリーンシートを製造することによって従来より機
械的特性に優れたグリーンシートを得ることができた。
【0023】本発明で用いられるポリビニルアセタール
としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニル
エチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルオク
チラール、ポリビニルフェニラール等、またはその誘導
体などが挙げられる。これらは1種類を用いてもよく、
2種類以上を併用しても良い。また、本発明で用いられ
るポリビニルアセタールは、グリーンシートの機械的特
性の点から、重量平均分子量が1万以上ものが好まし
く、通常、重量平均分子量200万以下のものを用い
る。
【0024】本発明で用いられる水溶性有機高分子化合
物としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルピロリドン共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリ
エチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合
体、ポリ(2−エチルオキサゾリン)、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリメタリル酸、ポリメ
タリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アルコール共重合体等が挙げられる。これらは1種類を
用いてもよく、2種類以上を併用しても良い。本発明で
用いられる水溶性有機高分子化合物は、分散安定剤とし
ての効力の点から、重量平均分子量が5000以上のも
のが好ましく、通常、重量平均分子量200万以下のも
のを用いる。
【0025】水溶性有機高分子化合物の量は、ポリビニ
ルアセタール100重量部に対して10〜90重量部と
することが望ましい。水溶性有機高分子化合物の量が1
0重量部以上であれば、通常、ポリビニルアセタール粒
子の均一な分散を安定に維持するのに十分であり、90
重量部以下であれば、上述の吸湿性の高さや熱分解性の
低さが実用上問題にならない。
【0026】本発明のセラミック成形用有機バインダ分
散液は、本発明の有機バインダと、分散媒とを含む。こ
の分散液の固形分濃度は、良好な作業性を確保するため
に15重量%以上であることが望ましく、ポリビニルア
セタール粒子の粒径を小さく保つために50重量%以下
とすることが望ましい。
【0027】ここで、分散媒としては、水、または、水
および有機溶剤の混合液が用いられる。水と有機溶剤と
の混合液を用いる場合、その混合割合は、水50重量%
以上、有機溶剤50重量%以下とすることが望ましく、
水95〜50重量%、有機溶剤5〜50重量%とするこ
とがさらに好ましい。
【0028】本発明の分散液に用いられる有機溶剤とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリ
コールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエー
テル、エチレングリコールブチルエーテル等のエチレン
グリコール誘導体、ジエチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレン
グリコールブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレ
ングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブ
チルエーテル等のプロピレングリコール誘導体、酢酸メ
チル、酢酸エチル等の酢酸エステル誘導体、乳酸メチ
ル、乳酸エチル等の乳酸エステル誘導体等のような水溶
性有機溶剤が挙げられる。なお、本発明では、水ととも
に分散媒を構成する有機溶剤として、一種類の有機溶剤
のみを用いてもよく、2種類以上の有機溶剤を用いても
よい。また、水に溶けにくいアルコール系溶剤を一部添
加して用いても良い。
【0029】本発明のセラミック成形用有機バインダ分
散液は、例えば、つぎの(a)または(b)のようにし
て製造することができる。
【0030】(a)ポリビニルアセタールと水溶性有機
高分子化合物とを含む有機溶剤(複数種の溶剤の混合液
でもよい)の溶液中に、撹拌しながら水を添加する。な
お、この方法では、ポリビニルアセタールおよび/また
は水溶性有機高分子化合物(またはその単量体)を溶解
する際や、溶液に水を添加する際に加熱してもよい。
【0031】この方法で用いられるポリビニルアセター
ルおよび水溶性有機高分子化合物を含む有機溶剤溶液
は、あらかじめポリビニルアセタールと水溶性有機高分
子化合物とを有機溶剤に添加して調製したものでもよ
く、ポリビニルアセタールと、水溶性有機高分子化合物
の単量体(複数種の単量体を用いてもよい)とを有機溶
剤(複数種の溶剤の混合液でもよい)に溶解させた溶液
中で、重合開始剤を添加するなどして単量体を重合させ
て調製したものでもよい。
【0032】有機溶剤中にポリビニルアセタールと水溶
性有機高分子化合物を溶解する場合には、ポリビニルア
セタール100重量部に対して水溶性有機高分子化合物
10〜90重量部を添加することが好ましい。溶媒とし
ては、上述の有機溶剤を好適に用いることができる。
【0033】この(a)の方法により得られた分散液に
は有機溶剤が含まれている。そこで、この有機溶剤の少
なくとも一部を、減圧および/または加熱、あるいは、
デカンテーションなどにより除去する工程を、さらに設
けてもよい。この際、水を徐々に添加するようにしても
よい。
【0034】また、単量体を重合することにより水溶性
有機高分子化合物を得る場合、該単量体が液体であり、
該単量体とポリビニルアセタールとの混合物の粘度が、
撹拌し得る程度であれば、有機溶剤を添加しなくてもよ
い。すなわち、単量体を重合させながら、この混合物に
水を添加することで、本発明の分散液を得ることもでき
る。
【0035】(b)ポリビニルアルコールと水溶性有機
高分子化合物とを含む水溶液を用い、この水溶液中で、
ポリビニルアルコールをアセタール化して上記ポリビニ
ルアセタールを合成する。なお、この方法でも、ポリビ
ニルアルコールおよび/または水溶性有機高分子化合物
を溶解する際に加熱してもよい。また、ポリビニルアル
コールと水溶性有機高分子化合物とを含む水溶液を、ポ
リビニルアルコールを含む水溶液中で水溶性有機高分子
化合物の単量体を重合させることにより調製してもよ
い。
【0036】この(b)の方法では、ポリビニルアルコ
ールと、このポリビニルアルコールのアセタール化によ
り得られるポリビニルアセタール100重量部に対して
10〜90重量部の水溶性有機高分子化合物とを含む水
溶液中で、ポリビニルアルコールのアセタール化を行う
ことで、水溶性有機高分子化合物の溶解した分散媒中
に、ポリビニルアセタールが粒子状に分散したコロイド
分散系を得るものである。
【0037】本発明のバインダ分散液は、さらに、必要
に応じて可塑剤などを含んでいてもよい。また、本発明
のバインダ分散液は、セラミック組成物の原料粉末(セ
ラミック粉末と呼ぶ)および、必要に応じてセラミック
用分散助剤などを適宜添加してスラリーとし、これを成
形・焼結することで、多層配線セラミック基板などのセ
ラミック焼結体を製造するのに用いられる。つぎに、ス
ラリに添加されるバインダ以外の成分について説明す
る。
【0038】本発明の有機バインダは、セラミック粉末
100重量部に対して2〜30重量部用いられる。セラ
ミック粉末としては、粒子の形状が球状、粉砕状のもの
等が使用され、通常、数平均粒径50.0μm以下のも
のを用いることが好ましい。特に、微細なスルーホール
加工を必要とするグリーンシートを形成する場合には、
セラミック粉末の数平均粒径を10ミクロン以下、好ま
しくは5ミクロン以下にすることが望ましい。
【0039】本発明において用いることのできるセラミ
ック粉末としては、特に制限されるものではないが、例
えば、Al23、SiO2、3Al23・SiO2、Pb
O、Al23・MgO、B23、CaO、BaO、Zr
2、ZnO、Na2O、K2O、Li2O等や、これらを
含む混合物が挙げられる。更に詳しく言えば、アルミナ
(Al23)、ムライト(3Al23・2SiO2)ま
たはコージェライト(2MgO・2Al23・5SiO
2)などの粉末またはこれらの少なくともいずれかを含
む粉末混合物、SiO2−B23−Na2O系、SiO2
−B23−KO系、SiO−B23−Li2O系、
SiO2−B23−ZnO系等のホウ珪酸ガラスの粉末
またはこれらの少なくともいずれかを含む粉末混合物、
ガラスセラミック粉末または該粉末を含む混合物が好適
である。また、BaTiO3等の高誘電体材料、抵抗体
材料等を用いてもよい。
【0040】ガラスセラミックを用いる場合、通常、配
線に用いられる金属であるCu、Ag、Au等の融点よ
り低温で焼成可能な、非結晶性または結晶性ガラスセラ
ミックであることが好ましく、また、焼結後にクリスト
バライトが生成しにくい成分が好ましい。
【0041】可塑剤は、ポリビニルアセタールおよび水
溶性有機高分子化合物の総量100重量部に対して、0
〜100重量部用いることが望ましい。また、可塑剤
は、本発明のバインダ、すなわち、上述のポリビニルア
セタールおよび水溶性有機高分子化合物の双方に対して
相溶性が高いことが望ましい。このような可塑剤として
は、例えば、ジメチルフタレート(DMPと略す)、ジ
ブチルフタレート(DBPと略す)、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(DOPと略す)、ジイソノニルフタ
レート(DINPと略す)、ジイソデシルフタレート
(DIDPと略す)、ジヘプチルフタレート(DHPと
略す)、ジ−n−オクチルフタレート(N−DOPと略
す)ブチルベンジルフタレート(BBPと略す)、エチ
ルフタリルエチルグリコレート(EPEGと略す)、ブ
チルフタリルブチルグリコレート(BPBGと略す)等
のフタル酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルアジペー
ト(DOAと略す)、ジブチルジグリコールアジペート
(BXAと略す)等の脂肪族エステル、ジエチレングリ
コール(DEGと略す)、トリエチレングリコール(T
EGと略す)、ポリエチレングリコール(PEGと略
す)、トリエチレングリコールメチルエーテル(TEM
と略す)、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル
(DEnBと略す)、トリエチレングリコール−n−ブ
チルエーテル(TEnBと略す)、エチレングリコール
フェニルエーテル(EPhと略す)等のエチレングリコ
ール系溶剤、トリプロピレングリコールメチルエーテル
(TPMと略す)、ジプロピレングリコール−n−ブチ
ルエーテル(DPnBと略す)、トリプロピレングリコ
ール−n−ブチルエーテル(TPnBと略す)、プロピ
レングリコールフェニルエーテル(PPhと略す)等の
プロピレングリコール系溶剤が挙げられる。これらのう
ち、特にDMP、DOP、TEG、PEG、TPnB、
PPhが好ましい。
【0042】この可塑剤の添加方法は特に制限されるも
のでなく、例えば、バインダ分散液の製造時、またはセ
ラミックスラリ製造時に添加するようにしてもよいが、
ポリビニルアセタール粒子どうしの癒着を防止すること
ができるため、バインダ分散液の製造時に添加しておく
ことが望ましい。
【0043】セラミック用分散助剤は、セラミック原料
粒子どうしの凝集を阻害し、スラリの流動を容易にする
ものであり、セラミック粉末を添加する前の溶剤(水、
または、水および有機溶剤)に、あらかじめ溶解または
分散させておくことが望ましい。セラミック用分散助剤
は、セラミック粉末100重量部に対して、0〜5重量
部用いることが望ましい。
【0044】本発明に用いられるセラミック用分散助剤
としては、例えば、ポリアクリル酸の塩、リン酸エステ
ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリビニル−2−ピロリ
ドンおよび共重合体、グリセロ−ルトリオレ−ト等があ
げられる(Advacesin ceramics,V
ol.21,Ceramic Powder Scie
nce pp.537〜547,1987)。
【0045】本発明のバインダを用いたセラミック前駆
体組成物成形体(セラミックグリーンシートなど)は、
例えば、つぎのようにして製造される。まず、セラミッ
ク粉末100重量部、水、および、必要に応じてセラミ
ック用分散助剤とを含むセラミック分散液を、ボールミ
ルを用いて1〜5時間湿式混合し、次に、本発明の有機
バインダを所定量(好ましくは2〜30重量部)添加
し、さらに湿式混合を少なくとも5時間以上行い、スラ
リとする。得られたスラリを、脱泡工程を経たのち、押
出成形法、射出成形法、ドクターブレード法、または、
カレンダーロール法等によって所定の形状に成形する。
シート状に成形すればセラミックグリーンシートが得ら
れる。成形法は特に制限されるものではない。
【0046】ここで、有機溶剤を含まない(または、廃
ガス中の有機溶剤濃度が環境基準を満たす有機溶剤量し
か含まない)バインダ分散液を使用すれば、セラミック
グリーンシート製造中に有機溶剤またはそのガスが製造
装置または製造設備の外部へ漏洩または拡散するのを防
止するための設備または装置(例えば廃ガス処理装置、
溶剤回収装置、廃液処理装置、防爆設備、不活性ガスを
送風する設備、局所排気装置等)を設ける必要がないた
め好ましい。
【0047】このセラミック前駆体組成物成形体を、3
00〜1800℃の温度で、通常5時間以上、空気中ま
たは非還元性雰囲気中で焼成することによって、緻密
で、表面平滑性及び強度の高いセラミック焼結体を得る
ことができる。この焼成工程では、加熱により、バイン
ダの除去(脱バインダ)とセラミックの焼結とが順次行
なわれる。脱バインダ温度は、通常300℃以上とし、
セラミック粉末の焼結温度より200℃以上低いことが
望ましい。脱バインダ時間は、雰囲気、脱バインダ温度
および成形体サイズなどにもよるが、通常、30分〜1
0時間程度である。焼結温度は、用いるセラミック粉末
の組成に応じて適宜定められるが、通常、800〜18
00℃程度とする。
【0048】また、本発明のバインダ分散液を用いれ
ば、均質で緻密なセラミック絶縁層を有する多層配線セ
ラミック基板を得ることができる。本発明の多層配線セ
ラミック基板の製造方法の一例を、図1を用いて説明す
る。
【0049】まず、セラミック粉末100重量部、水、
および必要に応じてセラミック用分散剤とを含むセラミ
ック分散液を、ボールミル装置1を用いて1〜5時間湿
式混合し、ついで、本発明の有機バインダ分散液(ポリ
ビニルアセタールと、水溶性有機高分子化合物と、可塑
剤とを含む)を、所定量(好ましくは、ポリビニルアセ
タール、水溶性有機高分子化合物、および、可塑剤の総
量を2〜30重量部含む量)添加し、さらに湿式混合を
少なくとも5時間以上行なう。これにより、セラミック
前駆体組成物であるスラリが得られる(スラリ形成工
程:図1(a))。
【0050】得られたスラリ2を、脱泡工程を経たの
ち、室温〜120℃のキャスト温度で、キャスティング
装置3を用い、ドクターブレード法等によつて成形し
て、グリーンシート4を得る(成形工程:図1
(b))。なお、この際、必要に応じて、得られたグリ
ーンシートの機械的特性を向上させるために、さらに1
00〜150℃にて30分以上乾燥しても良い。
【0051】つぎに、得られた厚さ0.05〜2mmの
グリーンシート4を所定の大きさ(例えば、10〜20
0mm×10〜200mm角)に切断し、必要な層、所
定の位置にパンチ5を用いてスルーホール51およびガ
イド孔6を打ち抜く(孔あけ工程:図1(c))。スル
ーホール51の直径は制限されるものではないが、通
常、40μm以上であれば開口可能である。
【0052】この孔あけ工程を経たグリ−ンシ−ト4上
に、導体ペースト8を載せ、スキージ7により貫通孔5
1に導体を充填してビアホール52を形成し、さらグリ
ーンシート4表面にスクリーンマスクを介して導体ペー
スト8を印刷し、所定の位置に配線(回路)パターン5
3を形成する(印刷工程:図1(d))。導体ペースト
には、例えば、W(融点3410℃)、Mo(融点26
20℃)、Ag(融点961.9)、Au(融点106
4℃)、Pt(融点1769℃)、Pd(融点1554
℃)、Cu(融点1083.4℃)、Ni(融点145
3℃)等の一種類以上の導体を主成分とするものが用い
られる。
【0053】つぎに、配線パターン53が印刷されたグ
リーンシート4を数枚〜数十枚を、ガイド孔6を合わせ
て積層し、温度80〜150℃、圧力0.98MPa〜
29.4MPa(10〜300kgf/cm2)で熱プ
レス圧着した後、得られた積層体41を所定の形状、大
きさになるように切断する(積層工程:図1(e))。
【0054】これを、加熱炉9を用い、配線形成に用い
た導体の種類に応じた焼成温度(一般には導体の融点以
下、通常、約350〜1800℃)で、少なくとも5時
間以上、空気中または非還元性雰囲気中で焼成すること
によって、多層配線セラミック基板42が得られる(脱
バインダ・焼結工程:図1(f))。
【0055】本発明により得られるセラミック成形用有
機バインダは、セラミックの分散性、表面の平滑性、密
度、伸び、及び強度において優れたセラミックグリーン
シートを製造でき、また分散媒として水を使用するた
め、低公害、省資源の観点から有利である。また、該グ
リーンシートを積層、焼成することにより緻密で、表面
平滑性及び強度において優れた多層セラミック基板が得
られる。
【0056】
【実施例】
<実施例1> (1)セラミック成形用有機バインダ分散液の調製 撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた10Lのフラスコ
に、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PMと
略す)1.23kgと、可塑剤トリプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル(TPnBと略す)0.75kg
とを量り入れ、80℃に加熱し、撹拌しながら、重量平
均分子量30万のポリビニルブチラール(PVBと略
す)0.77kgと、重量平均分子量16万のポリビニ
ルピロリドン(PVPと略す)0.23kgとを徐々に
加えた。PVB、PVPが完全に溶解した時点で、激し
く撹拌しながらイオン交換水2.86kgを約1時間か
けて滴下した。これを室温まで冷却し、固形分濃度30
重量%のセラミック成形用有機バインダ分散液を得た。
【0057】(2)グリーンシートの作製 得られたセラミック成形用有機バインダ分散液27重量
部(バインダ成分8重量部)と、アルミナ粉末を主成分
とするセラミック粉末(粒径5μm以下、Al 23換算
量91重量%、SiO2換算量6重量%、MgO換算量
3重量%)100重量部とを混合し、セラミック前駆体
組成物を得た。これをアルミナ製内張り容器およびアル
ミナ製ボールを用いたボールミルにて24時間混練し、
スラリとした後、減圧して脱泡した。
【0058】つぎに、得られたスラリの粘度を、減圧濃
縮により調整して1,500〜10,000cpsと
し、ドクターブレード型キャスト装置を用い、ポリエス
テルフィルム上に塗布して120℃で乾燥し、厚さ0.
2mmのグリーンシートを作製した。得られたシートの
成形性、柔軟性、セラミック粉末の分散性を評価したと
ころ、表1に示すように、各特性とも良好であった。な
お、各特性は、つぎのようにして測定した。
【0059】
【表1】
【0060】(3)諸特性の評価 成形性は、ポリエステルフィルム上に塗布して乾燥した
後、得られたグリーンシートを目視により評価した。表
1〜5において、「〇」はポリエステルシートからのグ
リーンシートの剥離がよく、割れが無いことを、「△」
は若干割れのあるグリーンシートが得られることを、
「×」はヒビ割れによりグリーンシートにならないこと
を、それぞれ示している。
【0061】柔軟性は、グリーンシートの中央部を直径
のことなる5種のガラス芯棒のそれぞれで抑え、これを
中心とする180°の折り曲げ試験を行ない、シートに
割れが入らない芯棒のうち、最も細いものの直径で示し
た。用いた芯棒の直径は2、3、4、6、8mmであ
る。
【0062】分散性は、得られたグリーンシート内のセ
ラミック粒子の分散状態を顕微鏡で観察することにより
評価した。表1〜5において、「〇」はセラミック粒子
の凝集が少ないことを、「△」はセラミック粒子の凝集
が若干多いことを、「×」はセラミック粒子の凝集が多
いことを、それぞれ示している。
【0063】(4)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートをパンチ金型を用いて、200
mm×200mm角に切断し、ガイド用の穴を施した。
その後、このガイド用の穴を利用してグリーンシートを
固定し、パンチ法により所定位置に直径0.1mmのス
ルーホールを打ち抜いた。
【0064】つぎに、粒径5μm以下のタングステン粉
末:ニトロセルロース:エチルセルロース:α−テレピ
ネオール=100:4:2:23(重量比)の導体ペー
ストをスルーホールに充填し、さらにグリーンシート表
面にこの導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により
所定配線パターンを印刷した。
【0065】このように配線形成されたグリーンシート
を、ガイド用の穴の位置を合わせて40枚を積層し、1
20℃、100kgf/cm2の圧力にて熱プレス圧着し
た後、得られた積層体を必要な形状に切断し、縦横各1
50mmのグリーンシート積層板を得た。
【0066】この積層板を、窒素−水素−水蒸気の混合
雰囲気焼成炉内で、100℃/時間の昇温速度で100
0℃まで昇温し、1000℃に2時間保持した後、さら
に100℃/時間の昇温速度で1600℃まで昇温し、
1600℃に2時間保持して焼成した。これにより、室
温から1600℃までの昇温の過程(1000℃での保
持を含む)で十分な脱バインダを行なわれ、縦横各12
0mm、厚さ7mmの多層配線セラミック基板を得るこ
とができた。
【0067】また、スルーホールおよび導体配線を形成
していないグリーンシートを、同様の条件により積層・
焼結して、配線のないセラミック白基板を作製した。得
られた白基板の密度、表面粗さ、抗折強度、表面状態を
評価したところ、表2に示すように、いずれも良好であ
った。
【0068】
【表2】
【0069】<実施例2〜18>ポリビニルアセタール
の種類および量、水溶性有機高分子化合物の種類および
量、有機溶剤の種類および量を、表1,3に示すように
した他は、実施例1と同様にして、セラミック成形用有
機バインダ分散液を調製した。得られたバインダ分散液
を用い、スラリ中に含まれるポリビニルアセタール、水
溶性有機高分子化合物および可塑剤の量が、セラミック
粉末100重量部に対して表1,3に示すバインダ量に
なるように分散液の量を定めた他は、実施例1と同様に
してグリーンシートを作製した。各実施例において得ら
れたグリーンシートの諸特性を、表1,3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】つぎに、得られたグリーンシートを用い、
実施例1と同様にして、多層配線セラミック基板を作製
したところ、良好な基板が得られた。また、同様の条件
でセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したとこ
ろ、表6に示すようにいずれも良好であった。
【0072】
【表6】
【0073】<実施例19〜20> (1)セラミック成形用有機バインダ分散液の調製 ポリビニルアセタールの種類および量、水溶性有機高分
子化合物の種類および量を表3に示すようにし、また、
有機溶剤としてPMの代わりにPMと同量のイソプロパ
ノール(IPA)を用いた他は、実施例1における有機
バインダ分散液の調製と同様にして、IPA分散液を得
た。このIPA分散液を加熱して、有機溶剤分を留去し
ながら留去量と同量の水を添加した後、室温まで冷却す
ることによりセラミック成形用有機バインダ分散液を得
た。
【0074】(2)グリーンシートの作製 得られたバインダ分散液を用い、実施例1と同様にして
グリーンシートを作製した。得られたグリーンシートの
諸特性を評価したところ、表3に示したように、いずれ
も良好であった。
【0075】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製したところ、実施例1と
同様に良好な基板が得られた。さらに、実施例1と同様
にして配線のないグリーンシート積層板を焼結し、セラ
ミック白基板を作製して、諸物性を評価したところ、表
6に示すようにいずれも良好であった。
【0076】<実施例21> (1)セラミック成形用有機バインダ分散液の調製 撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた10Lのフラスコ
に、水2.83kgと、ポリビニルアルコール(PVA
と略す)0.5kgとを量り入れ、加熱、撹拌してPV
A水溶液を得た。これに濃度35重量%の塩酸0.03
kgを加え、水溶性有機高分子化合物として、ポリエチ
レンオキサイド(PEOと略す)0.23kgを水2.
07kgに溶解したものを添加し、13℃で撹拌しつつ
30分間要してブチルアルデヒド(BALと略す)0.
27kgを滴下した。さらに、濃度35重量%の塩酸
0.23kgを加えてpHを0.5以下とした後、45
℃まで昇温し、この温度に4時間保って熟成させた。そ
の後、これを加熱、沸騰させて塩化水素ガスと水の共沸
混合物を留去しながら、最終的な固形分濃度が30重量
%となるように水を添加し、さらにトリエタノールアミ
ン(TEAと略す)0.05kgを加えて中和してpH
を8とした後、これに可塑剤トリプロピレングリコール
モノブチルエーテル(TPnBと略す)0.7kgを量
り入れ、室温まで冷却し、固形分濃度30重量%のセラ
ミック成形用有機バインダ分散液を得た。
【0077】ここで生成するポリビニルアセタールは、
1がプロピル基、R2が水素原子とするとき上記一般式
(化1)で表される第1の繰返し単位45モル%と、R
3が水素原子とするとき上記一般式(化2)で表される
第2の繰返し単位52モル%と、上記化学式(化3)で
表される第3の繰返し単位3モル%とからなっていた。
【0078】(2)グリーンシートの作製 得られたセラミック成形用有機バインダ分散液を用い、
実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、その諸
特性を評価したところ、表4に示すように、いずれの特
性も良好であった。
【0079】
【表4】
【0080】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製したところ、実施例1と
同様の良好な基板が得られた。さらに、実施例1と同様
にしてセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したと
ころ、表2に示すように、いずれも良好であった。
【0081】<実施例22〜25>ポリビニルアセター
ル原料の種類および量、水溶性有機高分子化合物の種類
および量を、表4に示すようにした他は、実施例21と
同様にして、セラミック成形用有機バインダ分散液を調
製し、グリーンシートを作製した。各実施例において得
られたグリーンシートの諸特性は、表4に示すようにい
ずれも良好であった。
【0082】つぎに、得られたグリーンシートを用い、
実施例1と同様にして、多層配線セラミック基板を作製
したところ、良好な基板が得られた。また、同様の条件
でセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したとこ
ろ、表2に示すようにいずれも良好であった。
【0083】実施例22および25で生成したポリビニ
ルアセタールは、実施例21と同様であった。実施例2
3で生成したポリビニルアセタールは、R1がフェニル
基、R2が水素原子とするとき上記一般式(化1)で表
される第1の繰返し単位25モル%と、R3が水素原子
とするとき上記一般式(化2)で表される第2の繰返し
単位72モル%と、上記化学式(化3)で表される第3
の繰返し単位3モル%とからなっていた。実施例24で
生成したポリビニルアセタールは、R1がヘプチル基、
2が水素原子とするとき上記一般式(化1)で表され
る第1の繰返し単位20モル%と、R3が水素原子とす
るとき上記一般式(化2)で表される第2の繰返し単位
77モル%と、上記化学式(化3)で表される第3の繰
返し単位3モル%とからなっていた。
【0084】<実施例26> (1)セラミック成形用有機バインダ分散液の調製 撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた10Lのフラスコ
に、PM1.23kgと、可塑剤TPnB0.75kg
と、N−ビニル−2−ピロリドン(VPと略す)0.2
3kgを量り入れ、N2気流下で、80℃に加熱し、撹
拌しながらPVB0.77kgを徐々に加えた。PVB
が完全に溶解した時点で、重合開始剤2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル1.2gを加え、そのまま撹拌しな
がら80℃にて加熱し、3時間重合させた。続いて、さ
らに激しく撹拌しながらイオン交換水2.86kgを約
1時間かけて滴下した後、これを室温まで冷却し、固形
分濃度30重量%のセラミック成形用有機バインダ分散
液を得た。本実施例のバインダ分散液は、水溶性有機高
分子化合物としてポリビニルピロリドンを13重量%含
む。
【0085】(2)グリーンシートの作製 得られたセラミック成形用有機バインダ分散液を用い、
実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、その諸
特性を評価したところ、表5に示すように、いずれの特
性も良好であった。
【0086】
【表5】
【0087】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製したところ、実施例1と
同様の良好な基板が得られた。さらに、実施例1と同様
にしてセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したと
ころ、表2に示すように、いずれも良好であった。
【0088】<実施例27〜30>ポリビニルアセター
ルの種類および量、水溶性有機高分子化合物単量体の種
類および量を、表5に示すようにした他は、実施例26
と同様にして、セラミック成形用有機バインダ分散液を
調製した。実施例27〜28および30において得られ
た分散液は、いずれも、水溶性有機高分子化合物として
ポリビニルピロリドンを含む。また、実施例29におい
て得られた分散液は、水溶性有機高分子化合物としてア
クリル酸−アクリル酸メチル共重合体を含む。
【0089】得られたバインダ分散液を用い、実施例2
6と同様にしてグリーンシートを作製し、諸特性を評価
したところ、表5に示すようにいずれも良好であった。
【0090】つぎに、得られたグリーンシートを用い、
実施例1と同様にして、多層配線セラミック基板を作製
したところ、良好な基板が得られた。また、同様の条件
でセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したとこ
ろ、表2に示すようにいずれも良好であった。
【0091】<実施例31> (1)セラミック成形用有機バインダ分散液の調製 撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた10Lのフラスコ
に、可塑剤TPnB0.75kgと、水溶性有機高分子
化合物単量体VP0.77kgとを量り入れ、N2気流
下で、80℃に加熱し、撹拌しながらPVB0.23k
gを徐々に加えた。PVBがVPに完全に溶解した時点
で、重合開始剤2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
1.2gを加えた。反応液を激しく撹拌しつつイオン交
換水4.09kgを滴下しながら、80℃に加熱して3
時間重合させた後、室温まで冷却し、固形分濃度30重
量%のセラミック成形用有機バインダ分散液を得た。得
られたバインダ分散液には、水溶性有機高分子化合物と
してポリビニルピロリドンが13重量%含まれていた。
【0092】(2)グリーンシートの作製 得られたセラミック成形用有機バインダ分散液を用い、
実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、その諸
特性を評価したところ、表5に示すように、いずれの特
性も良好であった。
【0093】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製したところ、実施例1と
同様の良好な基板が得られた。さらに、実施例1と同様
にしてセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したと
ころ、表2に示すように、いずれも良好であった。
【0094】<実施例32〜35>ポリビニルアセター
ルの種類および量、水溶性有機高分子化合物単量体の種
類および量を、表5に示すようにした他は、実施例31
と同様にして、セラミック成形用有機バインダ分散液を
調製した。実施例32〜35において得られた分散液
は、いずれも、水溶性有機高分子化合物としてポリビニ
ルピロリドンを含む。
【0095】得られたバインダ分散液を用い、実施例3
1と同様にしてグリーンシートを作製し、諸特性を評価
したところ、表5に示すようにいずれも良好であった。
【0096】つぎに、得られたグリーンシートを用い、
実施例1と同様にして、多層配線セラミック基板を作製
したところ、良好な基板が得られた。また、同様の条件
でセラミック白基板を作製し、諸物性を評価したとこ
ろ、表2に示すようにいずれも良好であった。
【0097】<比較例1> (1)バインダ樹脂 本比較例では、オクチルアクリルアミド4.0モル%
と、トリメチル−3−(1−メタクリルアミド−プロピ
ル)アンモニウムクロリド2.0モル%とを含有するポ
リ酢酸ビニル系共重合体であって、その酢酸ビニル成分
の88.7モル%がケン化され、かつ20℃における4
重量%水溶液粘度が34センチポアズである変性PVA
をバインダとして用いた。
【0098】(2)グリーンシートの作製 実施例1と同組成のセラミック粉末100重量部と、上
述のバインダ樹脂6重量部と、分散剤であるポリオキシ
エチレンノニルフェノールエーテル1重量部と、イオン
交換水50重量部とを混ぜ合わせ、セラミック前駆体組
成物を得た。これをアルミナ製内張り容器、アルミナ製
ボールを用いたボールミルにて24時間混練してスラリ
とし、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し
て、その諸特性を評価した。結果を表6に示す。
【0099】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製した。さらに、同様の条
件で、配線のないグリーンシート積層板を焼結してセラ
ミック白基板を作製し、諸物性を評価した。結果を表2
に示す。
【0100】<比較例2> (1)バインダ樹脂 本比較例では、アクリル酸、アクリル酸ブチルおよびア
クリル酸エチルの重量平均分子量約10万の共重合体
(重合比50/25/25)のモノエタノールアミン塩
20gを分散剤とし、水/メタノール混合溶媒(重合比
5/5)80g中で、過硫酸アンモニウム0.4gを重
合開始剤として、アクリル酸エチルを乳化重合し、固形
分50重量%のラテックスを得た。
【0101】(2)グリーンシートの作製 得られたラテックス24重量部と、イオン交換水18重
量部と、実施例1と同組成のセラミック粉末100重量
部とを混ぜ合わせ、セラミック前駆体組成物を得た。こ
れを用い比較例1と同様にしてグリーンシートを作製し
て、その諸特性を評価したところ、表6に示す結果が得
られた。
【0102】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製した。さらに、同様の条
件で、配線のないグリーンシート積層板を焼結してセラ
ミック白基板を作製し、諸物性を評価した。結果を表2
に示す。
【0103】<比較例3> (1)バインダ樹脂 本比較例では、アクリル酸およびメタアクリル酸の共重
合体(重合比70/15/15)と、分散剤(非イオン
系界面活性剤)と、乳化剤(アクリル酸ブチル)とを含
むラテックスをバインダとして用いた。
【0104】(2)グリーンシートの作製 上述のラテックス10重量部と、イオン交換水25重量
部とを混合し、モノエタノールアミンを添加して中和し
た後、実施例1と同組成のセラミック粉末100重量部
をさらに加えて混ぜ合わせ、セラミック前駆体組成物を
得た。これを用い比較例1と同様にしてグリーンシート
を作製して、その諸特性を評価したところ、表6に示す
結果が得られた。
【0105】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製した。さらに、同様の条
件で、配線のないグリーンシート積層板を焼結してセラ
ミック白基板を作製し、諸物性を評価した。結果を表2
に示す。
【0106】<比較例4> (1)バインダ樹脂 ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの塩化グ
リシンベタインエステル4重量部と、ポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレングリコールのジメタクリル酸エ
ステル4重量部とを乳化剤とし、重合開始剤として2,
2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミ
ジン)塩酸塩を用い、アクリル酸エチル75重量部、メ
タクリル酸メチル75重量部およびN−メチロールアク
リル酸アミド4.5重量部の組成を有するラテックスを
得た。
【0107】(2)グリーンシートの作製 得られたラテックス10重量部と、可塑剤としてポリエ
チレングリコール(分子量200)3重量部およびエチ
ルカルビトール2重量部と、イオン交換水25重量部
と、実施例1と同組成のセラミック粉末100重量部と
を混ぜ合わせ、セラミック前駆体組成物を得た。これを
用い比較例1と同様にしてグリーンシートを作製して、
その諸特性を評価したところ、表6に示す結果が得られ
た。
【0108】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製した。さらに、同様の条
件で、配線のないグリーンシート積層板を焼結してセラ
ミック白基板を作製し、諸物性を評価した。結果を表2
に示す。
【0109】<比較例5> (1)バインダ樹脂 本比較例では、疎水性高分子の水系分散体であるメタク
リル酸エステル(MMA/n−BMA/LMA/CHM
A=10/60/10/20、固形分48重量%)のエ
マルジョンと、ポリビニルアセタールである10重量%
水溶性高分子PVA(重合度500、ケン化度88.5
モル%)とを混合して、グリーンシート用有機バインダ
(複合バインダ)とした。なお、MMAはメチルメタク
リレートの、n−BMAはn−ブチルメタクリレート
の、LMAはラウリルメタクリレートの、CHMAはシ
クロヘキシルメタクリレートの略である。
【0110】(2)グリーンシートの作製 得られた複合バインダ10重量部と、ポリアクリル酸ア
ンモニウム塩の分散助剤0.3重量部と、イオン交換水
50重量部と、実施例1と同組成のセラミック粉末10
0重量部とを混ぜ合わせ、セラミック前駆体組成物を得
た。これを用い比較例1と同様にしてグリーンシートを
作製して、その諸特性を評価したところ、表6に示す結
果が得られた。
【0111】(3)多層配線セラミック基板の作製 得られたグリーンシートを用い、実施例1と同様にして
多層配線セラミック基板を作製した。さらに、同様の条
件で、配線のないグリーンシート積層板を焼結してセラ
ミック白基板を作製し、諸物性を評価した。結果を表2
に示す。
【0112】なお、表1〜6における略称は、以下の通
りである。 PVB:ポリビニルブチラール、PVO:ポリビニルオ
クチラール、PVPh:ポリビニルフェニラール、PV
P:ポリビニル−2−ピロリドン、PEO:ポリエチレ
ンオキサイド、PEtOZO:ポリ(2−エチルオキサ
ゾリン)、PVA:ポリビニルアルコール、P(VP−
DMAM):ビニルピロリドン−ジメチルアミノメチル
メタクリレート共重合体、TPnB:トリプロピレング
リコール−n−ブチルエーテル、BPBG:ブチルフタ
リルブチルグリコレート、DMP:ジメチルフタレー
ト、PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル、
IPA:イソプロピルアルコール、EL:乳酸エチル、
EM:エチレングリコールモノメチルエーテル、MM
A:メチルメタクリレート、n−BMA:n−ブチルメ
タクリレート、LMA:ラウリルメタクリレート、CH
MA:シクロヘキシルメタクリレート、BAL:ブチル
アルデヒド、BzAL:ベンズアルデヒド、OAL:オ
クチルアルデヒド、TEA:トリエタノールアミン、V
P:ビニル−2−ピロリドン、AA:アクリル酸、A
M:アクリル酸メチル、MeOH:メタノール。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、非水溶性有機溶剤を全
くまたはほとんど使用することなく、柔軟性、成形性、
分散性、機械的強度などに優れたセラミックグリーンシ
ートを製造することができ、それを積層・焼成して、緻
密で均質なセラミック絶縁層を有する多層配線セラミッ
ク基板を、歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線セラミック基板の製造プロセス例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1…ボールミル装置、2…スラリ、3…キャスティング
マシン、4…グリーンシート、5…パンチ、6…ガイド
孔、7…スキージ、8…導体ペースト、9…焼成炉、4
1…積層体、42…多層配線セラミック基板、51…ス
ルーホール、52…ビアホール、53…配線パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 31/04 C08L 33/02 33/02 39/06 39/06 71/02 71/02 C04B 35/00 G (72)発明者 千石 則夫 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアセタールと、水溶性有機高分
    子化合物とを含み、 上記ポリビニルアセタールは、 下記一般式(化1)で表される第1の繰返し単位と、下
    記一般式(化2)で表される第2の繰返し単位とからな
    り、 一分子中の全繰返し単位数に対する、 上記第1の繰返し単位の数の割合は、10〜80%であ
    り、 上記第2の繰返し単位の数の割合は、10%以上である
    ことをことを特徴とするセラミック成形用有機バイン
    ダ。 【化1】 (ただし、式中、R1は水素または炭素数1〜12のア
    ルキル基であり、R2は水素、炭素数1〜12のアルキ
    ル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、または、炭素数
    2〜12の芳香族基である。) 【化2】 (ただし、式中、R3は水素、炭素数1〜8のアルキル
    基、炭素数1〜8の芳香族基、炭素数2〜9のアシル
    基、および、炭素数2〜9の芳香族基の、少なくともい
    ずれかである。)
  2. 【請求項2】請求項1記載のセラミック成形用有機バイ
    ンダにおいて、 上記第2の繰返し単位の一部は、構造式(化3)で表さ
    れる第3の繰返し単位であり、 上記ポリビニルアセタール一分子中の全繰返し単位数に
    対する上記第3の繰返し単位の数の割合は、10%以下
    であることを特徴とするセラミック成形用有機バイン
    ダ。 【化3】
  3. 【請求項3】請求項1記載のセラミック成形用有機バイ
    ンダにおいて、 上記ポリビニルアセタール100重量部に対して、上記
    水溶性有機高分子化合物の含有量は10〜90重量部で
    あることを特徴とするセラミック成形用有機バインダ。
  4. 【請求項4】請求項1記載のセラミック成形用有機バイ
    ンダにおいて、 上記水溶性有機高分子化合物は、 ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエチレンオキサイド
    系樹脂、ポリ(2−エチルオキサゾリン)系樹脂、ポリ
    アクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、および、
    ポリビニルアルコール系樹脂のうちの少なくともいずれ
    かであることを特徴とするセラミック成形用有機バイン
    ダ。
  5. 【請求項5】請求項1記載のセラミック成形用有機バイ
    ンダと、 分散媒とを含み、 上記ポリビニルアセタールは、上記分散媒中に分散して
    おり、 上記分散媒は、水と、水および有機溶剤の混合液との、
    いずれかであることを特徴とするセラミック成形用有機
    バインダ分散液。
  6. 【請求項6】請求項5記載の有機バインダ分散液におい
    て、 固形分濃度は、15〜50重量%であることを特徴とす
    るセラミック成形用有機バインダ分散液。
  7. 【請求項7】請求項5記載の有機バインダ分散液を製造
    する方法において、 上記ポリビニルアセタールと上記水溶性有機高分子化合
    物とを含む有機溶剤の溶液中に、撹拌しながら水を添加
    して、上記ポリビニルアセタールが水に分散した分散液
    を得る工程を有することを特徴とする、セラミック成形
    用有機バインダ分散液の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の有機バインダ分散液を製造
    する方法において、 上記ポリビニルアセタールと、上記水溶性有機高分子化
    合物の1種類以上の単量体とを上記有機溶剤に溶解させ
    た溶液中で、上記単量体を重合させることにより、上記
    溶液を調製する工程を、さらに備えることを特徴とす
    る、セラミック成形用有機バインダ分散液の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7記載の、有機バインダ分散液の製
    造方法において、 上記分散液から、上記有機溶剤の少なくとも一部を除去
    する工程を、さらに備えることを特徴とする、セラミッ
    ク成形用有機バインダ分散液の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5記載の有機バインダ分散液を製
    造する方法において、 上記水溶性有機高分子化合物を含む水溶液中で、ポリビ
    ニルアルコールをアセタール化して上記ポリビニルアセ
    タールを合成する工程を有することを特徴とする、セラ
    ミック成形用有機バインダ分散液の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項5記載の有機バインダ分散液を製
    造する方法において、 上記ポリビニルアセタールと、上記水溶性有機高分子化
    合物の1種類以上の単量体とを含む混合物中で、 上記単量体を重合させ、かつ、撹拌しながら水を添加す
    る工程を有することを特徴とする、セラミック成形用有
    機バインダ分散液の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項1記載の有機バインダと、セラミ
    ック粉末とを含むセラミック前駆体組成物を、加熱して
    焼成する工程を有することを特徴とするセラミック焼結
    体の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の有機バインダと、セラミ
    ック粉末とを含むセラミック前駆体組成物の薄膜である
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート。
  14. 【請求項14】請求項13記載のセラミックグリーンシ
    ートにおいて、 上記セラミック前駆体組成物における上記有機バインダ
    の含有量は、 上記セラミック粉末100重量部に対して、2〜30重
    量部であることを特徴とするセラミックグリーンシー
    ト。
  15. 【請求項15】請求項13記載のセラミックグリーンシ
    ートと、配線導体を含む導体層とを積層して積層体を形
    成する工程と、 上記積層体を加熱して焼成する工程とを備えることを特
    徴とする多層配線セラミック基板の製造方法。
JP9162394A 1996-06-20 1997-06-19 セラミック成形用有機バインダ、分散液、グリーンシート、および、セラミック焼結体または多層配線セラミック基板の製造方法 Pending JPH1072262A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001247375A (ja) * 2000-03-07 2001-09-11 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品用セラミックグリーンシート
JP2006028382A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Denki Kagaku Kogyo Kk ポリビニルアセタール樹脂組成物、シート及び合わせガラス
JP2007501303A (ja) * 2003-08-21 2007-01-25 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト シリコーンを含有するポリビニルアセタール
JP2011230943A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Kyocera Corp セラミックグリーンシートおよびその製造方法
KR20150076164A (ko) * 2012-10-31 2015-07-06 더블유제트알 세라믹 솔루션즈 게엠베하 인쇄법
JP2015196752A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 積水化学工業株式会社 ポリビニルアセタール系樹脂組成物

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