JP6449680B2 - セラミック接合体およびセラミック流路体ならびにこれを備える熱交換器 - Google Patents

セラミック接合体およびセラミック流路体ならびにこれを備える熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック接合体およびセラミック流路体ならびにこれを備える熱交換器に関する。
従来、炭化珪素からなるセラミック接合体に関しては、接合層にSiとSiCを含む接合体が知られている。例えば、特許文献1に、接合層にSiとSiCを含むSiC接合体であって、接合層のSiCの含有割合であるSiC/(Si+SiC)が接合層の中央部と外周部において、中央部>外周部の関係を有することを特徴とするSiCからなるセラミック接合体が記載されている。
特開2010−215419号公報
近年、セラミック接合体は、中実体の接合のみならず、中空体を接合することにより内部が媒体の流路とされた流路体として用いられてきており、接合部から流路を流れる流体が漏出することがあってはならないため、気密性を優れたものとすべく、さらに高い接合強度を有していることが求められている。
本発明は、このような問題点を解決すべく案出されたものであり、接合強度の高いセラミック接合体およびこれに流路を設けてなるセラミック流路体ならびにこれを備える熱交換器を提供することを目的とする。
本発明のセラミック接合体は、炭化珪素質焼結体からなる第1部材および第2部材が、炭化珪素および金属珪素を含む接合層を介して接合されたセラミック接合体であって、前記接合層は、前記第1部材と前記第2部材との間に存在する第1の領域と、該第1の領域よりも外方において前記第1部材および前記第2部材にわたって存在する第2の領域とを有し、該第2の領域における前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊が存在していることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック流路体は、上記構成のセラミック接合体に流路が設けられてなることを特徴とするものである。
また、本発明の熱交換器は、上記構成のセラミック流路体を備えることを特徴とするものである。
本発明のセラミック接合体は、高い接合強度を有する。
また、本発明のセラミック流路体および熱交換器は、流体の漏出が少なく、高い信頼性を有する。
本実施形態のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。 図1に示す本実施形態のセラミック接合体の接合部における、(a)は部分断面図であり、(b)は(a)におけるBの拡大図である。 本実施形態のセラミック接合体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 本実施形態のセラミック流路体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。 本実施形態のセラミック流路体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 本実施形態の熱交換器の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)における概略断面図である。
以下、本実施形態のセラミック接合体について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図であり、図2は、図1に示す本実施形態のセラミック接合体の接合部における、(a)は部分断面図であり、(b)は(a)におけるBの拡大図である。
図1に示す本実施形態のセラミック接合体20(20a)は、円柱状の第1部材1(1a)と平板状の第2部材2(2a)とを、第1部材1aと第2部材2aとの間に存在する第1の領域4(4a)と、第1部材1aと第2部材2aにわたって存在する第2の領域5(5a)とを有した接合層3(3a)で接合してある。このようなセラミック接合体20aにおいては、第1部材1aと第2部材2aとを第1の領域4aのみで接合する場合に比べて、高い接合強度を有する。
また、図2において、本実施形態のセラミック接合体20aの接合部における部分拡大図である図2(a)および図2(a)におけるBの拡大図である図2(b)に示すように、第1の領域4aおよび第2の領域5aは、炭化珪素6(6a)および金属珪素7(7a)を含み、第2の領域5aにおける第1部材1および第2部材2の接合面には、長さが100
μm以上の金属珪素の塊8(8a)が存在している。
本実施形態のセラミック接合体20aは、炭化珪素質焼結体からなる第1部材1aおよび第2部材2aが、炭化珪素6aおよび金属珪素7aを含む接合層3aを介して接合されてなり、接合層3aは、第1部材1aと第2部材2aとの間に存在する第1の領域4aと、第1の領域4aよりも外方において第1部材1aおよび第2部材2aにわたって存在する第2の領域5aとを有し、第2の領域5aにおける第1部材1aおよび第2部材2aの少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊8(8a)が存在している
このような構成を満たす本実施形態のセラミック接合体20aは、第2の領域5aにおける第1部材1aおよび第2部材2aの少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の
金属珪素の塊8aが存在していることにより、セラミック接合体20aを取り扱うときの力によって、第1部材1aと第2の領域5aの接合面や第2部材2aと第2の領域5aの接合面において、外方から内方に向かって生じやすいクラックの進展を止めることができる。それゆえ、本実施形態のセラミック接合体20aは、高い接合強度を有する。なお、金属珪素の塊8aの長さの上限については、第1部材1aと第2の領域5aの接合面の長さの1/2以下であることが好ましく、金属珪素の塊8aが複数個ある場合も、合計の長さが1/2以下であるのが好ましい。第2部材2aと第2の領域5aの接合面についても同様
である。
これに対し、金属珪素の塊8aが存在していたとしても、長さが100μm未満では、ク
ラックの進展を止める効果が少ない。
そして、金属珪素の塊8aとは、図2(a)、(b)に示すように、炭化珪素の粒子が存在せず金属珪素のみが存在しているもののことであり、金属珪素の塊8aの長さとは、金属珪素の塊8aと第1部材1aまたは第2部材2aとが接している距離(図2(b)におけるL1)のことである。
また、図2(b)に示す、金属珪素8aの長さL1の垂線において最も長い長さL2については、50μm以上であることが好ましく、上限については、長さL2を第2の領域5aまで伸ばした長さの1/2以下であることが好ましい。
そして、炭化珪素質焼結体からなる第1部材1aおよび第2部材2aにおいては、炭化珪素質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、炭化珪素が70質量%以上を占めること
が好適である。
また、第1の領域4aおよび第2の領域5aに含む炭化珪素6aおよび金属珪素7aのうち、炭化珪素6aは、第1の領域4aおよび第2の領域5aの強度を保つ骨材の役目を成し、一方の金属珪素7aは、炭化珪素6aとの濡れ性がよく骨材となる炭化珪素6a同士を繋ぐとともに、炭化珪素質焼結体からなる第1部材1aと第2部材2aとを強固に接合する役目を成すものである。
第1の領域4aおよび第2の領域5aにおける炭化珪素6aと金属珪素7aの質量合計における炭化珪素6aの質量割合は、例えば、20%以上70%以下である。炭化珪素6aの質量割合が20%以上35%以下であれば、空隙を少なくして接合強度を高めることができる。炭化珪素6aの質量割合が35%を超えて70%以下であれば、接合強度を維持しつつクラックを少なくすることができる。
なお、第1の領域4aおよび第2の領域5aにおける炭化珪素6aと金属珪素7aの存在の有無については、走査型電子顕微鏡(SEM)および付設のエネルギー分散型分析装置(EDS)を用いて確認すればよい。具体的には、第1の領域4aおよび第2の領域5aを含むようにセラミック接合体20aを切断し、切断面をダイヤモンド砥粒などの研磨剤を用いて鏡面に加工した面を観察面とし、SEMで観察した後、SEMに付設のEDSにより、観察領域において確認される結晶粒子および結晶粒子以外の部分に電子線を照射して確認すればよい。なお、結晶粒子において珪素と炭素が観察されれば、炭化珪素が存在しているといえ、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されれば、金属珪素が存在しているといえる。
また、他の方法としては、上述した同様の観察面において、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いたカラーマッピングにより、炭素が確認される領域で珪素が確認されれば炭化珪素の結晶粒子が存在するとみなすことができ、珪素が確認される領域で炭素が確認されなければ金属珪素が存在するとみなすことができる。
なお、接合相3の構成が、炭化珪素6aと金属珪素7aであることが把握できているときには、金属珪素の塊8aの長さL1が200μm以上あれば、金属顕微鏡による色調差で
も金属珪素の塊8aの存在を確認することも可能である。
次に、本実施形態のセラミック接合体の他の例について図3を説明する。
図3は、本実施形態のセラミック接合体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
図3に示す例の本実施形態のセラミック接合体20(20b)は、円柱状の第1部材1(1b)および第2部材2(2b)のそれぞれが、接合層3(3b)で接合されているものである。このような構成においても、第2の領域5bにおける第1部材1bおよび第2部材2bの少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊(図示せず)が存
在していることにより、セラミック接合体20bを取り扱うときの力によって、第1部材1bと第2の領域5bの接合面や第2部材2bと第2の領域5bの接合面において、外方から内方に向かって生じやすいクラックの進展を止めることができる。
次に、本実施形態のセラミック流路体の一例について図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態のセラミック流路体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
本実施形態のセラミック流路体30(30c)における第1部材1(1c)および第2部材2(2c)は、図1に記載したセラミック接合体20aの第1部材1aおよび第2部材2aの内部に、それぞれ流路10(10c)を形成し連通させたものである。
次に、本実施形態のセラミック流路体の他の例について図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態のセラミック流路体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
本実施形態のセラミック流路体30(30d)における第1部材1(1d)および第2部材2(2d)は、図3に記載したセラミック接合体20bの第1部材1bおよび第2部材2bの内部に、それぞれ流路10(10d)を形成し連通させたものである。
図4および図5に示すセラミック流路体30においても、第2の領域5における第1部材1および第2部材2の少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊(
図示せず)が存在していることにより、セラミック流路体30を取り扱うときの力によって、第1部材1と第2の領域5の接合面や第2部材2と第2の領域5の接合面において、外方から内方に向かって生じやすいクラックの進展を止めることができるため、高い接合強度を有するとともに、内部の流路10を流れる流体が漏出することのない信頼性の高いものとすることができる。
次に、本実施形態の熱交換器の一例について図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態の熱交換器の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は概略断面図である。
本実施形態の熱交換器40は、熱交換用部材21の複数個と、それぞれの熱交換用部材21(21a、21b、21c)における流路24の流入口と連通するように熱交換用部材21間に配置された流体導入部材22(22a、22b、22c)と、それぞれの熱交換用部材21における流路24の流出口と連通するように熱交換用部材21間に配置された流体導出部材23(23d、23e、23f)とを備えている。なお、図6においては、熱交換器用部材21が3個の例を示し、最下部に第1の流体の導入口27および導出口28を備えるベース部29を備えている例を示しており、導入口27側の入側流路に「25」、導出口28側の出側流路に「26」の符号を付してい
る。また、各部材を接合する接合層3については、図6では省略している。
なお、この熱交換器40の流体導入部材22および流体導出部材23が、図4に示すセラミック流路体30cの第1部材1cに相当し、熱交換用部材21が第2部材2cに相当するものである。そして、この熱交換器40は、例えば、熱交換器40内を流す媒体を第1の流体、熱交換器40外に存在する媒体を第2の流体としたとき、第1の流体が冷たい流体であり、第2の流体が各種装置等の稼働によって生じた高温ガスであるとき、流路24に冷たい第1の流体を流すことによって冷却された熱交換用部材21の表面に高温の第2の流体が接触することにより、熱交換が行われるものである。
本実施形態の熱交換器40は、本実施形態のセラミック流路体を備えていることにより、熱交換効率に優れているとともに、流体の漏出が少ないため、高い信頼性を有する。
なお、熱交換器40において効率のよい熱交換を行なうにあたっては、第1の流体と第2の流体とが対向流となるように配置することが好ましいが、必ずしも対向流となるように配置する必要はなく、例えば直交流となるように配置する、流体の流れを同じ方向となるように配置する等、適宜、目的とする流体の流れに合わせて配置することができる。
次に、本実施形態のセラミック接合体の製造方法の一例について説明する。
まず、炭化珪素質焼結体からなる第1部材および第2部材を準備する。次に、平均粒径が2〜5μmの大きさの珪素粉末と、炭化珪素粉末と、テルピネオール等の有機溶媒と、エチルセルロースまたはアクリル系のバインダーとを攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、攪拌・脱泡して、接合層となる第1のペーストを作製する。このとき、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量合計における炭化珪素粉末の質量割合は、例えば20%以上70%以下とすればよい。また、珪素粉末、炭化珪素粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質
量%における有機溶媒の含有量は1.2質量%以上23.3質量%以下、バインダーの含有量は3.1質量%以上32.7質量%以下とすればよい。
また、平均粒径が3〜20μmの大きさの珪素粉末、有機溶媒およびバインダーを含む第2のペーストを作製する。なお、珪素粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質量%
における有機溶媒の含有量は1.2質量%以上23.3質量%以下、バインダーの含有量は3.1質量%以上32.7質量%以下とすればよい。
次に、第1部材および第2部材の少なくともいずれか一方の接合面に、第1のペーストを塗布した後、それぞれの接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。なお、加圧には、接合面の上部に第1部材または第2部材が位置するように置くことにより自重が加わるものも含む。
なお、第2の領域における第1部材および第2部材の少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊を存在させるには、所望の位置に、熱処理後に100μm以上の長さの金属珪素の塊となるように第2のペーストを予め塗布しておき、加圧後若しくは加圧中に、第1部材および第2部材にわたるように、かつ、第2のペーストを覆うように、第1のペーストをさらに塗布すればよい。
また、第2のペーストを予め塗布しておけば、第1部材および第2部材の少なくとも一方の接合面に塗布する第1のペーストを多めに塗布して加圧することにより、第1のペーストが第1部材と第2部材の間からはみ出して第2のペーストを覆うようにしてもよい。
そして、ペースト塗布後においては、8時間以上16時間以下の間、80℃以上300℃以下
の温度に保持してペーストを乾燥する。その後、真空雰囲気中またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、圧力を1気圧、保持温度を1400℃以上1500℃以下、保持時間を30分以上90分以下として熱処理することにより、本実施形態のセラミック接合体を得ることができる。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、例えば、120℃/時間以上150℃/時間以下とすることが好適である。
また、接合層に空隙を有していないものとするには、上述した熱処理の昇温時に圧力の調整を行なうことが好ましい。具体的には、保持温度に到達するまでの昇温時には1気圧より低い圧力とし、保持温度に到達したときに、圧力を1気圧とすればよい。
なお、本実施形態のセラミック流路体の製造方法については、上述した本実施形態のセラミック接合体の製造方法に対して、中空状の第1部材および第2部材を用いる点のみが異なるものであるため、記載を省略する。また、本実施形態の熱交換器の製造方法についても、第1部材および第2部材の形状や個数等が異なるのみであるため、記載を省略する。
以上、本実施形態について詳細を説明したが、本実施形態は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
また、本実施形態のセラミック流路体は、例えば、半導体素子用の載置部材として用いれば、放熱性にすぐれたものとすることができる。さらに、本実施形態の熱交換器は、例えば、半導体製造装置用等の熱交換器として用いることができるものである。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、炭化珪素質焼結体からなる第1部材および第2部材を準備した。第1部材、第2部材の大きさは、共に3×4×25mmとした。3×4mmの面が接合面である。
次に、平均粒径が3μmの大きさの珪素粉末と、炭化珪素粉末と、テルピネオール等の有機溶媒と、エチルセルロースまたはアクリル系のバインダーとを攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、攪拌・脱泡して、接合層となる第1のペーストを作製した。このとき、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量合計における炭化珪素粉末の質量割合は40%とした。また、珪素粉末、炭化珪素粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有
機溶媒およびバインダーの各含有量は共に12質量%とした。
また、平均粒径が8μmの大きさの珪素粉末と、テルピネオール等の有機溶媒と、エチルセルロースまたはアクリル系のバインダーとを攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、攪拌・脱泡して、第2のペーストを作製した。そして、珪素粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有機溶媒およびバインダーの各含有量は共に10質量%と
した。
そして、第2の領域に相当する第1部材および第2部材の表面に、表1に示す大きさの金属珪素の塊が形成可能な第2のペーストを塗布して乾燥した。
次に、第1部材の接合面に、第1のペーストを塗布した後、第1部材の端面と第2部材の端面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧し、第1のペースト、第1部材および第2部材にわたるように、かつ、第2のペーストを覆うように、第1のペーストをさらに塗
布して乾燥させた。その後、真空雰囲気中で、保持温度を1400℃以上1500℃以下、保持時間を30分として熱処理することにより、セラミック接合体を得た。
なお、試料No.1については、第2のペーストを塗布せず作製し、第1部材と第2部材との間に存在する第1の領域における厚みは50μmとし、第2の領域における長さは4100μmとした。
そして、各試料につき、曲げ強度を測定した。測定試料の形状を3×4×50mmとしたこと以外は、JIS R 1624−2010に記載された4点曲げ強度試験に沿って、曲げ強度を測定した。なお、測定にあたっては、接合層が荷重点の中央になるように配置して行ない、各試料につき5個の平均値を表1に示した。
次に、各試料につき、第1の領域および第2の領域における炭化珪素と金属珪素の存在の有無をSEMおよび付設のEDSを用いて確認した。具体的には、第1の領域および第2の領域を含むように、試料の長手方向に沿って切断した。
そして、さらにこの断面をダイヤモンド砥粒などの研磨剤を用いて鏡面に加工した。この加工面を観察面としSEMで観察した後、SEMに付設のEDSにより、観察領域において確認される結晶粒子および結晶粒子以外の部分に電子線を照射して確認した。なお、結晶粒子において珪素と炭素が観察され、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されたので、炭化珪素および金属珪素が接合層に存在することが確認できた。また、SEMの観察により、金属珪素の塊の大きさを測定し、表1に示した。
Figure 0006449680
表1に示すように、金属珪素の塊が存在していない試料No.1は、曲げ強度が298M
Paと低かった。また、金属珪素の塊が存在しているものの、その長さが100μm未満で
ある試料No.2は310MPa、試料No.3は314MPaであった。
これに対し、試料No.4〜19は、330MPa以上と高い曲げ強度の値が得られており
、金属珪素の塊が存在するとともに、その長さが100μm以上であることにより高い接合
強度を有することがわかった。
以上のことから、本実施形態のセラミック接合体に流路が設けられてなるセラミック流路体および、本実施形態のセラミック流路体を備える熱交換器は、高い接合強度を有し、流体の漏出が少ないため、高い信頼性を有するものであることがわかった。
1:第1部材
2:第2部材
3:接合層
4:第1の領域
5:第2の領域
6:炭化珪素
7:金属珪素
8:金属珪素の塊
10、24:流路
20:セラミック接合体
30:セラミック流路体
21:熱交換用部材
22:流体導入部材
23:流体導出部材
25:入側流路
26:出側流路
27:導入口
28:導出口
29:ベース部
40:熱交換器

Claims (3)

  1. 炭化珪素質焼結体からなる第1部材および第2部材が、炭化珪素および金属珪素を含む接合層を介して接合されたセラミック接合体であって、前記接合層は、前記第1部材と前記第2部材との間に存在する第1の領域と、該第1の領域よりも外方において前記第1部材および前記第2部材にわたって存在する第2の領域とを有し、該第2の領域における前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方の接合面に、長さが100μm以上の金属珪素の塊が存在していることを特徴とするセラミック接合体。
  2. 請求項1に記載のセラミック接合体に流路が設けられてなることを特徴とするセラミック流路体。
  3. 請求項2に記載のセラミック流路体を備えることを特徴とする熱交換器。
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