JP5809884B2 - 炭化ホウ素含有セラミックス接合体及び該接合体の製造方法 - Google Patents

炭化ホウ素含有セラミックス接合体及び該接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部材を接合して大型化させてなり、かつ、高い接合強度を示す炭化ホウ素含有セラミックス接合体及び該接合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、炭化ホウ素を含有するセラミックス製の小型部材同士を強固に接合し、高い接合強度で一体化し、高速で稼動する場合や、化学的な反応が起こりうる環境下で使用する用途に適用可能な、大型化した炭化ホウ素含有セラミックス部材を提供する技術に関する。なお、本発明でいう「炭化ホウ素含有セラミックス」とは、炭化ホウ素を形成材料とし、かつ、炭化ホウ素を2質量%以上含有してなるセラミックスを意味する。したがって、炭化ホウ素の含有率が数質量%と低いセラミックスから、炭化ホウ素を主成分とする、例えば、炭化ホウ素を60質量%以上含有するセラミックスや、さらには炭化ホウ素が99質量%以上含有する、高純度炭化ホウ素セラミックスの範囲までのセラミックスを意味する。
セラミックスは、構造用部材として工業製品に幅広く応用されているが、炭化ホウ素セラミックスは、実用セラミックスの中で最高の硬さと最高の軽量性(かさ密度:2.5g/cm3)を有する。このため、炭化ホウ素セラミックスは、例えば、高速で稼動する機械部材の構造材料等としての利用が期待されている。近年、常圧焼結で、理論密度の95%以上の高密度焼結体を得る方法が開発され(特許文献1参照)、純度の高い緻密質の炭化ホウ素セラミックスを安価に安定して提供することが可能になったことから、今後、炭化ホウ素セラミックの広範な利用が期待されている。
一方、近年、稼動する機械部材の大型化は目覚しく、例えば、セラミックス材料が適用されている半導体製造装置用の露光装置では、シリコンウエハのサイズアップによって、稼動する機械部材であるステージも年々大型化しており、使用されるセラミック材料も広い面積を有するものが要求されてきている。かかる要求に応えるためには、セラミックス製造工程における工業施設や加工機を大型化する必要がある。しかし、この場合は、多大な設備投資を伴い、製品の経済性が損なわれるという極めて重大な実用上の課題を生じる。
このような状況下、小型のセラミックス部材を作製し、得られた複数の小型のセラミックス部材同士を接合して一体化して、大型化することで、低コストで優れた特性を示す大型部品を製造する技術が注目されており、後述するように、様々な研究機関や企業にて研究開発がなされている。しかし、セラミックス製の小型部材同士を強固に接合し、高い接合強度で一体化することは難しい。特に、炭化ホウ素含有セラミックスの利用が期待されている、高速で稼動する機械部材に用いる場合には、より高い接合強度が要求されるため、より優れた接合技術の確立が待望されている。
下記に述べるように、従来のセラミックス部材同士を接合してセラミックス構造体とする方法には、各種のロウ材を介して接合させる方法や、ガラスを介して接合させる方法がある。例えば、特許文献2では、セラミックスの種類に応じた適切な接合強度を得るために、金属とセラミックスとの接合を銀−銅−インジュウム系活性金属ロウを用いて行うことを提案している。また、特許文献3では、同種又は異種のセラミックスを接合する際に用いる、アルミニウム及びケイ素のオキシナイトライドガラスからなるセラミックス接合用接着組成物を提案している。
また、特許文献4では、接合すべき面を660℃以上に加熱し、アルミニウム材を介してセラミックス構造体を加熱或いは加圧接合することを提案している。また、特許文献5では、セラミックス焼結体の接合部分を、該セラミックスと同質化する接合方法を提案している。具体的には、アルミナ基板の間に金属アルミニウムを挟んで、加熱後、金属アルミニウムが基板と同様のアルミナになるように酸化処理することを提案している。また、特許文献6では、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部材とセラミックスとを接合層を介して接合した接合体を提案しており、該接合層の強度は、接合層中に生成された金属間化合物の量に依存すること、金属間化合物の量は、接合層中に含まれるアルミ母相の銅の含有量を規定することで制御できることが開示されている。上記した技術で接合の対象としているセラミックスは、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロン、ジルコニアなどである。
特許文献7では、エンジニアリングセラミックスとして高い特性を示す窒化ケイ素セラミックスを強固に接合させるために、接合面がともに嵌め合いとなる形状を有する小型部材を作製し、嵌め合い部にケイ素を含むペーストを充填し、ケイ素を窒素中で窒化ケイ素とすることで接合を行う方法を提案している。
特開2009−215091号公報 特開2003−335585号公報 特開昭62−128975号公報 特開平9−142948号公報 特開平6−115009号公報 特開平8−206875号公報 特開2008−184352号公報
しかしながら、上述した種々の従来技術では、それぞれ、下記に述べるような課題があった。また、焼結助剤として炭化ホウ素を用いた極微量の炭化ホウ素を含有したセラミックス同士の接合の例はあるものの、セラミックスの形成材料に用いたもの同士の接合についてさえ検討されていない。特に、本発明が最終的な目的としている、炭化ホウ素の含有率が高いものや、炭化ホウ素の含有率が高く緻密な炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を接合させることについての検討は、全くなされていない。このため、半導体製造装置用の露光装置におけるシリコンウエハを載せて使用するステージのような、高速で稼動する機械部材にも利用が可能な、高い接合強度で一体化してなる大型の炭化ホウ素含有セラミックス製部材を提供できる接合技術の開発が望まれる。この場合に求められる高い接合強度とは、接合した部分の強度が100MPa以上である。
前述した特許文献2に記載の技術に用いられるロウ材は、銀−銅−インジュウム系で微量のチタンを含んだ活性金属ロウ材であり、活性金属を含有することによって、1回の処理でセラミックス同士を接合できる。しかし、構成する材質の異なるすべてのセラミックスがこの活性金属ロウ材で接合できるとは限らず、個々のセラミックスに対して最適な組成を選定する必要があり簡便な手段ではない。これに対し、特許文献3に記載の技術は、コスト面で有利なオキシナイトライドガラスを接合材として用いており、炭化ホウ素を焼結助剤として用いたセラミックス同士の接合にも適用が可能であるとしている。しかしながら、炭化ホウ素の主成分であるホウ素は、ガラス成分に容易に混入するため、本発明で目的とする炭化ホウ素を形成材料とするセラミックス同士の接合にあっては、接合部分等の特性が著しく変質し、一体化した大型部材の材質が均質なものにならないと考えられる。下記にも述べる通り、特に、純度の高い炭化ホウ素セラミックス同士の接合については、高い接合強度を達成できる簡便な接合手段の報告はない。
特許文献4及び5に記載の技術は、いずれもアルミナ系セラミックスの接合にアルミニウムを使用するものであり、これらの文献では、それ以外のセラミックスの接合、特に炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を接合することに関しての検討はなされていない。特許文献6も、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部材と、セラミックスとを接合することに関する技術であり、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士の接合についての検討はない。また、高いせん断強度が示されているものの、本発明が目的とする接合強度には及ばない。さらに、この技術では、セラミックスの接合面にはメタライズ処理が必要であり、小型部材を複数組み合わせて一体化して大型化することを考えると、その実施化には極めて高いプロセスコストが必要になると考えられる。また、特許文献7の技術では、セラミックス同士の強固な結合を実現するために、セラミックスの向かい合う接合面を、互いに嵌め合いとなる形状としており、セラミックス部材のフラットな面同士で強く接合できる技術が望まれる。さらに、この技術では、窒化ケイ素を主成分とするセラミックスの接合に、ケイ素を主成分としたペーストを用い、そのペーストを、乾燥・窒素雰囲気で窒化する工程を必要とし、この点からも高コスト化は避けられず改善の余地があった。
さらに、本発明者らは、炭化ホウ素含有セラミックス接合体における下記の新たな課題を認識するに至った。すなわち、炭化ホウ素含有セラミックス自体は耐薬品性に優れたものでもあるが、これを接合体とした場合は、接合部分が耐薬品性に劣り、用途によっては使用できない場合があるため、炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部分の耐薬品性を向上させる必要があるという点である。
従って、本発明の目的は、炭化ホウ素を形成材料として2質量%以上、さらには60質量%以上含む炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を、簡便な方法で、接合強度が100MPa以上の極めて高い強度を示し、しかも、接合部分が耐薬品性に優れる炭化ホウ素含有セラミックス接合体に関する新たな技術を提供することにある。また、本発明の目的は、高速で稼動する機械部材にも利用が可能な、高い接合強度で接合され一体化されてなる、大型或いは複雑な形状の炭化ホウ素含有セラミックス部材を、特殊な材料を用いることなく、簡便な方法で経済的に提供することで、高い耐薬品性を有する機能性に優れた素材である炭化ホウ素含有セラミックスの広範な利用を可能にすることである。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、それぞれが炭化ホウ素を2質量%以上含有してなる各セラミックス部材同士が、銅、金およびジルコニウムからなる金属群から選ばれる少なくとも一種を含む接合材で接合した接合層を介して一体化されてなるか、或いは、金属アルミニウム又はアルミニウム化合物のいずれかと、チタン化合物とを接合材として形成した接合層を介して一体化されてなり、かつ、接合した部分の強度が100MPa以上であることを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体を提供する。
上記炭化ホウ素含有セラミックス接合体の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。上記各セラミックス部材が、炭化ホウ素を60質量%以上含有してなること。上記接合層を介して一体化された接合体の強度をP1とし、該接合体を強酸又は強アルカリの2mol/Lの水溶液に室温で72時間浸漬した後の接合体の強度をP2とした場合に、(P1−P2)/P1で求められる強度残存率が0.8以上であること。上記接合層の厚みが1〜1,000μmであること。
本発明の別の実施形態は、上記の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法を提供するが、使用する接合材によって下記の2種類の方法がある。
(第1の方法)
上記いずれかの炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法であって、それぞれが炭化ホウ素を2質量%以上含有してなるセラミックス部材同士を接合させる際に、その接合部分に、銅、金、又はジルコニウムのいずれかの金属或いはこれらの金属をベースとするいずれかの合金からなる、箔、ペースト及び蒸着層から選ばれるいずれかを接合材とし、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で保持して上記セラミックス部材同士を、真空条件下或いは不活性雰囲気中で、少なくとも接合させる部分を700℃以上1,600℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法。
(第2の方法)
上記いずれかの炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法であって、それぞれが炭化ホウ素を2質量%以上含有してなるセラミックス部材同士を接合させる際に、その接合部分に、スラリー状或いはペースト状のチタン化合物を塗布し、シート化し、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、セラミックス部材同士を密着させた状態で保持し、さらに、該接合部分の上部に、金属アルミニウム粉末又はアルミニウム化合物の粉末を含む接合材を配し、真空条件下或いは不活性雰囲気中で、600℃以上1,200℃よりも低い温度で加熱し、上記金属アルミニウム又はアルミニウム化合物を接合部分のチタン化合物へ含浸させて接合させることを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法。
本発明によれば、それぞれが炭化ホウ素を60質量%以上含有してなる各炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を、簡便な方法で接合した、100MPa以上の優れた接合強度をもち、しかも、その接合部分が耐薬品性に優れる炭化ホウ素含有セラミックス接合体が提供できる。このため、高速で稼動する機械部材にも利用が可能な極めて高い接合強度で接合して一体化されてなり、しかも接合部の耐薬品性にも優れる、大型或いは複雑な形状の炭化ホウ素含有セラミックス部材の提供が可能になる。さらに、本発明によれば、これらの炭化ホウ素含有セラミックス部材を特殊な材料を用いることなく、簡便な方法で経済的に提供することができるので、機能性に優れた素材である炭化ホウ素含有セラミックスの広範な利用が可能になる
本発明の接合体を製造する際の、セラミックス部材同士の間に接合材を配置した状態の断面を示す模式図。 金属アルミニウムを接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部の微構造。 金属アルミニウムを接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部の微構造。 金属アルミニウムを接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部の微構造。 銅を接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部の微構造。 金を接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部の微構造。
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、これまでに、炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合材として、金属アルミニウム或いはアルミニウム化合物が好適であることを見出し、接合部において、100MPa以上という優れた接合強度を示す炭化ホウ素含有セラミックス接合体の提供を可能にしている。
下記は、金属アルミニウムを接合材に用いてなる炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部分についての検討結果である。上記接合体の接合層の微細構造を、SEM(走査型電子顕微鏡)を使って観察し、得られたSEM写真の図を、図2−1〜図2−3に示した。これらの図に示されているように、この場合は、被接合体である炭化ホウ素焼結体の接合面に、例えば、1,000nm(1μm)以下の無数の亀裂或いは気孔や、アスペクト比が5以上と大きい亀裂或いは気孔が存在し、さらに、これらの亀裂或いは気孔の内部先端にまでアルミニウムが浸透して接合層が形成されていることを確認した。このことから、金属アルミニウム或いはアルミニウム化合物を接合材として用いた場合における炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、その接合時に、炭化ホウ素焼結体の接合面に生じる無数のナノレベルの亀裂或いは気孔内に、浸透性のよいアルミニウムが入り込み、この結果、アルミニウムが、ヘアークラックを埋めつつ強固な結合を生じさせ(所謂、アンカー効果)、炭化ホウ素含有セラミックス接合体の接合部分に、従来、達成できなかった極めて高い接合強度を発現できたものと考えられる。
さらに、上記のようにして形成されている接合層の形成成分について詳細な検討を行った結果、接合層中には、金属アルミニウム、炭化ホウ化アルミニウム(例えば、Al3BC、Al3482、AlB122、Al847、Al2518、AlB404、AlB244など)、ホウ化アルミニウム(例えば、AlB2、AlB10AlB12など)、炭化アルミニウム(例えば、Al43)のいずれかが存在することを確認した。
本発明者らは、上記したような炭化ホウ素含有セラミックス接合体についての詳細な検討を行っていく過程で、金属アルミニウム或いはアルミニウム化合物を接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、その接合強度において極めて優れたものになるものの、接合部分が耐薬品性に劣り、接合体が用途によっては使用できない場合があり、改善の余地があるとの認識を持つに至った。
本発明者らは、この新たに認識した課題を解決すべく鋭意検討の結果、第1の発明として、銅、金およびジルコニウムからなる金属群から選ばれる少なくとも一種を含むものを接合材とすることで、いずれの場合も、炭化ホウ素を2質量%以上、さらには炭化ホウ素を60質量%以上含有してなる各セラミックス部材同士を、その接合強度が100MPa以上となる強固な接合状態を実現でき、しかも、その接合部分は十分な耐薬品性を有するものになることを見出して、本発明に至った。
例えば、下記のような方法で、容易に、炭化ホウ素を2質量%以上含有してなる各セラミックス部材(以下、単に炭化ホウ素含有セラミックス部材と呼ぶ)同士を、高い接合強度で強固に接合させることができることがわかった。すなわち、接合材として、銅、金又はジルコニウムのいずれかの金属或いはこれらをベースとする合金の、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを接合部分に介在させ、上記いずれかの金属が微少量介在した状態で、各炭化ホウ素含有セラミックス部材を保持し、700℃以上1,600℃以下の温度で加熱する。上記したような極めて簡単な方法で、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士間を、接合強度が100MPa以上である強固な接合状態で接合できる。さらに、先に述べた金属アルミニウム又はアルミニウム化合物を接合材とした炭化ホウ素含有セラミックス接合体の場合と比較すると、接合温度が高温になるものの、この場合は、金属アルミニウム等を接合材とした場合と比較して接合部における耐薬品性が向上することがわかった。このため、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士の接合に、銅、金又はジルコニウムのいずれかの金属或いはこれらをベースとする合金を接合材として用いれば、耐薬品性が要求される用途への展開が可能になり、炭化ホウ素含有セラミックス接合体の用途のさらなる拡大を図ることができる。
ここで、セラミックス部材同士の接合強度が100MPa以上であることは、その接合部分が、炭化ホウ素を主成分とする高純度の炭化ホウ素含有セラミックス自体の強度と、使用上ほぼ同じレベルであることを意味している。従って、このような接合状態で一体化されて、大型化或いは多様な形状とされた炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、その強度において、接合処理をすることなく、炭化ホウ素を主成分とする高純度の炭化ホウ素含有セラミックス自体で作製された大型化或いは多様な形状の部材と遜色がない。
上記した方法によって、接合強度が100MPa以上の強固な接合状態を有する炭化ホウ素含有セラミックス接合体となる理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように考えている。炭化ホウ素含有セラミックス部材同士の間に介在させた本発明で規定する銅又は金或いはこれらをベースとする合金からなる接合材は、いずれの場合も、接合面に介在させて所定の温度以上とすることで、容易に接合面に均一に行きわたらせることができると考えられる。
本発明で規定する金属の中の銅を接合材として用いた場合の接合体の接合層の微構造を、アルミニウムの場合と同様にSEMを使って観察した結果、形成される接合層に、先に説明した金属アルミニウムと同様に、銅が炭化ホウ素接合面の亀裂或いは気孔の内部に浸透していることを確認した(図3−1参照)。したがって、銅を接合材として用いた場合は、金属アルミニウムを接合材とした場合と同様に、そのアンカー効果と欠陥減少によってセラミックス部材同士が強固に一体化されたものと考えられる。
また、金を接合材として用いた接合部分のSEMには、図3−2に示したように、炭化ホウ素表面の亀裂や気孔への浸透は見られず、この場合は、金が所定の温度にて溶融することにより金を介して、直接、セラミックスの界面が強固に接合された結果、十分な接合強度を発現したものと考えられる。また、溶融温度(1,857℃)の高いジルコニウムを接合材とした場合も高い接合強度の接合体が得られたが、ジルコニウムは、本発明で規定する所定の温度範囲の程度では当然、溶融しない。このため、加熱することで、その一部が炭化ホウ素と反応し、これによって高い接合強度の実現が達成されたものと考えている。
上記のようにして形成した各接合層の形成成分について詳細な検討を行った結果、銅または金を用いた接合層中には炭化ホウ素との反応によって生成された化合物はみられず、金属単体で構成されていることを確認した。一方、ジルコニウムを用いた接合層中には、ジルコニウム、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)及び炭化ジルコニウム(ZrC)のいずれかが存在することを確認し、上記の推論を支持する結果であった。すなわち、これらの結果から、ジルコニウムを用いた場合は、セラミックス部材中の炭化ホウ素成分からの炭素やホウ素とジルコニウムが反応し、これらの化合物を形成し、金属単体以外に、これらが混在する接合層が形成されたものと考えられる。また、アルミニウムやジルコニウムを接合材とした場合は、接合層は、金属の状態で存在するのに加え、使用した金属が炭化ホウ素と融合し、これらの金属のホウ化物や炭化ホウ化物等が生成されて、これらが混在した状態になって接合し、強固な接合を実現したものといえる。さらに、アルミニウムや銅を接合材に用いた場合は、各セラミックス部材の表面に亀裂或いは気孔が存在し、これらの内部まで銅或いはアルミニウム成分が浸透していた現象から、そのアンカー効果と欠陥減少によるセラミックス部材同士の強固な一体化が実現されたものと考えられる。
一方、本発明者らは、接合部における耐薬品性を向上させることを目的としてさらなる検討を行った結果、銅、金又はジルコニウムのいずれかの金属を接合材として用いることなく、耐薬品性の向上が達成できることを見出して第2の発明に至った。すなわち、第2の発明では、接合材に、金属アルミニウムとチタン化合物、或いは、アルミニウム化合物とチタン化合物とを用いる。このように構成することで、先に述べた金属アルミニウム又はアルミニウム化合物を接合材とした場合と比較して、得られる接合体は、接合部における耐薬品性が向上したものになる。この場合は、金等と比べて安価な材料で耐薬品性を向上させた接合が可能になるため、用途のさらなる拡大を図ることができる。
上記の構成からなる第2の発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、下記のような方法で簡便に製造できる。まず、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を接合させる際に、その接合部分に、スラリー状或いはペースト状のチタン化合物を塗布し、シート化し、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、セラミックス部材同士を密着させた状態で保持する。次に、チタン化合物が介在している接合部分の上部に、金属アルミニウム粉末又はアルミニウム化合物の粉末を含む接合材を配し、真空条件下或いは不活性雰囲気中で、600℃以上1,200℃よりも低い温度で加熱し、上記アルミニウム又はアルミニウム化合物を接合部分へ含浸させて接合させる。
本発明者らの検討によれば、金属アルミニウム又はアルミニウム化合物のいずれかと、チタン化合物とを接合材として用いた上記第2の発明の場合には、その接合層中に、金属アルミニウム以外に、アルミニウムと、炭素、ホウ素、ケイ素及びチタンのうち少なくとも一種類を含む化合物が種々存在したものとなる。具体的には、炭化ホウ化アルミニウム(例えば、Al3BC、Al3482、AlB122、Al847、Al2518、AlB404、AlB244など)、ホウ化アルミニウム(例えば、AlB2、AlB10、AlB12など)、炭化アルミニウム(例えば、Al43)、炭化チタン(TiC)、ホウ化チタン(TiB2)、アルミチタン合金(TiAl3)、アルミシリコン合金(TiSi2)のいずれかが存在することを確認した。このことから、チタン化合物を併用することで、金属アルミニウム又はアルミニウム化合物を接合材として接合した場合とは異なる構成成分からなる接合層が形成され、この結果、接合部分が耐薬品性に優れるものになったと考えられる。
以下、本発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の構成について説明する。まず、接合する際に用いる各セラミックス部材は、炭化ホウ素を2質量%以上含有しているものであればよく、その構成成分は用途によって異なり、炭化ホウ素の含有量の異なるものを適宜に選択して使用すればよい。例えば、比較的高い靱性値が要求される用途では、炭化ホウ素を2〜3質量%含有する炭化物、代表的なものとしては炭化ケイ素を主成分とするセラミックス部材を用いることが好ましい。また、高速で稼動し、高い位置精度が求められる用途では、炭化ホウ素の含有量が高い組成領域のもの、例えば、炭化ホウ素含有量として、60質量%以上、さらには80質量%以上の値を示すセラミックス部材を用いることが好ましい。例えば、各炭化ホウ素含有セラミックス部材に、純度が80質量%以上、さらには99質量%以上であって、理論密度が95質量%以上の緻密な炭化ホウ素含有セラミックスを使用すれば、得られる炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、軽量で硬く、高い弾性率を示し、しかも高い接合強度と接合部の耐薬品性とを満足した大型のものとなる。炭化ホウ素含有セラミックス部材の形状も、その一部に、できるだけ平坦な接合面をそれぞれ設けることが好ましいが、それ以外は制約を受けることなく、目的とする大型或いは複雑な形状の接合体に合わせて自由に設計することができる。
上記した本発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、下記の本発明の製造方法によって、特殊な材料や装置を用いることなく、簡易に、かつ、安定して得ることができる。以下、本発明の製造方法について詳細に説明するが、第1の発明の接合体と、第2の発明の接合体では、一部、製造手順が異なるため、それぞれに説明する。
(第1の発明の接合体の製造方法)
本発明の製造方法では、まず、接合させるための複数の炭化ホウ素含有セラミックス部材を用意し、これら部材の接合面に、銅、金およびジルコニウムからなる金属群から選ばれる少なくとも一種を含む接合材を介在させて、この状態で互いの部材が保持されるようにし、さらに、少なくとも接合させる部分を加熱することで接合体を得る。先に述べたように、本発明では、接合材として用いる金属材料によって接合層の状態は異なるものになるが、いずれの場合も、接合部分の耐薬品性を満足した状態で、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を強固に接合させることができる。
上記で使用する接合面に介在させる接合材としては、銅、金、ジルコニウム群中の少なくとも一種類の金属単体をベースとして含んでなる(例えば、ベースの金属が90質量%以上、さらには99質量%以上含有)、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを、その厚みが1,000μm以下となる範囲で、より好ましくは100μm以下、さらには、50μm以下の範囲で用いるとよい。その下限値は、5μm以上、少なくとも数μmの厚みで設けることが好ましい。本発明者らの検討によれば、接合面に介在させる上記金属の量は、あまり多過ぎると本発明で目的とするまでの高い接合強度を得ることができない。具体的なものとしては、その厚みは使用する材料にもよるが、例えば、10μm、50μm或いは100μm程度の厚みを有する、市場から得られる、所謂金属箔を、接合する部分に介在させることが好ましい。
接合部分に接合材を介在させるその他の方法としては、下記の方法が挙げられる。炭化ホウ素含有セラミックス部材の接合面に、上記いずれかの金属粉末を有機溶剤等の液媒体に分散させてなるペースト状のものを上記範囲の厚みに塗布する方法や、上記接合面に上記範囲の厚みで、上記いずれかの金属を蒸着させて蒸着層を形成する方法や、溶射させて上記いずれかの金属を介在させる方法が挙げられる。
本発明で用いる接合材は、上記いずれかの金属であれば、様々な純度の材料を用いることができるが、金属の純度は高い方が好ましい。例えば、上記いずれかの金属を90質量%以上の範囲で含む材料を用いることが望ましい。しかし、本発明はこれに限定されず、上記いずれかの金属以外に、その他の成分を含むものも接合材として用いることができる。例えば、銅以外のその他の成分として、亜鉛、スズ、アルミニウム、ニッケル、鉛及びマンガンなどを含む合金も接合材として用いることができる。また、金以外のその他の成分として、銅、銀、及びニッケルなどを含む合金も接合材として用いることができる。ジルコニウム以外のその他の成分として、スズ、鉄、ニッケル、クロムなどを含む合金も接合材として用いることができる。なお、接合材に合金を用いた場合は融点が大幅に低下するので、使用する接合材の融点との兼ね合いで、接合部分の加熱温度を適宜に決定すればよい。
上記したようにして、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士の接合面に上記いずれかの金属を含む接合材を介在させた後、カーボンや耐熱性の金属等の冶具で、この状態が保持されるようにして固定する。固定する際に、部材同士を圧着してもよいし、接合時に製品がズレたり、動かない範囲で無負荷の状態で保持してもよい。本発明では、次に、この状態で少なくとも接合させる部分を加熱して、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を接合させる。以下、加熱する条件について説明する。
本発明者らは、加熱条件について詳細な検討を行う過程で、本発明において特に重要なことは、加熱の際に、炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を接合させる部分に、上記いずれかの金属を、多くなり過ぎない僅少量介在させることが重要であることを見い出した。また、その加熱の条件は、接合材として銅或いはその合金又は金或いはその合金を使用する場合は、使用する金属或いは合金のそれぞれの融点以上の温度で加熱すればよく、例えば、700℃以上で加熱すればよい。好ましくは、1,200℃以上1,600℃以下の範囲、さらには、1,200℃以上1,500℃以下で加熱することが好ましい。接合材としてジルコニウムを使用する場合は、その溶融温度は1,857℃以上と高いが、本発明者らの検討によれば、炭化ホウ素と反応する1,200℃以上で加熱すれば、強固な接合が可能になることを見出した。さらに、より強固な接合を実現するためには、温度以外の加熱条件に応じて、下記の温度範囲で加熱することが好適であることがわかった。すなわち、まず、加熱雰囲気は、真空条件下、不活性雰囲気中(Ar又はN2)、のいずれであってもよい。
そして、接合した部分の強度が100MPa以上を示す強固な接合体を安定して得るためには、使用する金属の種類にもよるが、加熱雰囲気に応じて、下記の温度範囲となるようにして加熱することが好ましい。具体的には、真空条件下で加熱する場合は、700〜1,600℃、さらには、1,200〜1,500℃の温度範囲で加熱することが好ましい。また、不活性雰囲気下で加熱する場合は、1,200℃以上1,600℃以下の温度範囲で加熱することが好ましい。
また、加熱時間は、接合材として使用する金属の種類や、セラミックス部材の種類や、接合部分の大きさにもよるが、数時間、具体的には、1〜3時間程度とすればよい。その後、徐冷することで、接合層を介してセラミックス部材が一体化されてなり、その接合強度が100MPa以上である本発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体を容易に得ることができる。さらに、本発明の製造方法において、使用する接合材の材料や、加熱処理条件を選べば、140MPa以上、さらには160MPa以上、場合によっては200MPa程度の、より接合強度の高い接合体を得ることができる。
(第2の発明の接合体の製造方法)
先に述べた通り、接合強度のみならず、耐薬品性に優れる炭化ホウ素含有セラミックス接合体は、上記した場合以外に、その接合部分の形成に、金属アルミニウム又はアルミニウム化合物のいずれかと、チタン化合物とを用いた場合にも簡便な方法で得ることができる。すなわち、上記材料を接合材として用い、アルミニウムとチタン化合物を複合化させることによっても炭化ホウ素含有セラミックス部材同士を強固に接合し、しかも、その耐薬品性を向上させることができる。以下、この場合の製造方法について詳細に説明する。
まず、炭化ホウ素含有セラミックス部材を接合させる部分に、チタン化合物スラリー(或いはペースト)を塗布する。チタン化合物スラリーとしては、炭化チタンや窒化チタン等のチタン化合物粉末、バインダー及び分散剤をボールミルにて混合して作製したものを用いるとよい。具体的な塗布方法としては、ドクターブレード法又はスクリーン印刷にて接合面にチタン化合物スラリーを薄く塗布し、カーボンや耐熱性の金属等の冶具で、この状態が保持されるようにして固定する。固定する際に部材同士を圧着してもよいし、接合時に製品がズレたり、動かない範囲で無負荷の状態で保持してもよい。さらに、この状態で、少なくとも接合させる部分の上部に、金属アルミニウム粉末、またはアルミニウムを含む金属粉末をのせ、加熱して、金属アルミニウム粉末またはアルミニウムを含む金属粉末を溶融させ、接合部分へ含浸させる。アルミニウムを含む金属粉末としては、例えば、アルミニウムとシリコンとをそれぞれ50質量%の割合で混合したもの等を用いることができる。
上記した本発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法による接合処理の結果、形成される前記した接合層に存在する金属やその化合物は、電子線マイクロアナライザー(EPMA:波長分散型分光器WDS、エネルギー分散型分光器EDS)による表面分析法や、透過型電子顕微鏡(TEM)によるX線分析装置によって測定することができる。また、X線回折法(XRD)により結晶構造を同定することにより、測定できる。本発明者らの検討によれば、接合材の形成成分の炭化ホウ素化合物が存在している接合層となる範囲は、介在させた接合材の厚みと、圧着等の保持方法にもよるが、その範囲は、条件に依存し、1〜300μm程度となる。得られる接合体の接合強度と、この接合層となる範囲との関係については、より詳細な検討が待たれるが、より高い強度を達成するためには、接合層の厚みが、10〜100μm程度となるようにするとよい。
上記したようにして得られる本発明の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の耐薬品性は、例えば、下記のような方法で確認し、評価することができる。接合層を介して一体化された接合体の強度を測定し、その値をP1とする。この接合体を、強酸又は強アルカリの2mol/Lの水溶液に室温で72時間浸漬した後の接合体の強度を測定し、その値をP2とする。使用する薬品は、耐酸性が求められる場合は、塩酸や硝酸や硫酸等を用い、耐アルカリ性が求められる場合は、水酸化ナトリウム等を適宜に用いればよい。そして、(P1−P2)/P1で求められる値を強度残存率と定義し、この値が1に近いか否かで評価を行えばよい。例えば、強度残存率が0.8以上のものを耐薬品性があるとして判断し、使用するようにすればよい。
本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1−1(接合材の厚みと強度の関係)]
接合後の接合体の少なくとも一辺の全長が40mmとなるようにするため、20mm×20mm×4.5mmの板状の、99%の高純度炭化ホウ素セラミックス部材を2枚1組として用意した。また、接合材として、銅含有量99.8質量%の、5〜1,000μmまでの厚みの異なる銅箔を準備した。そして、上記2枚の炭化ホウ素含有セラミックス部材の接合部分に、それぞれ厚みの異なる銅箔を用い、銅箔が重なって厚みが不均一にならないように注意して配置させて挟み、カーボン冶具にて固定した。加熱条件を、真空条件下で、少なくとも接合させる部分を1,500℃の温度にして、接合処理をそれぞれに行って接合体を得た。
また、上記と同様の炭化ホウ素セラミックス部材を用い、2枚のセラミックス部材の接合部分の接合面に、銅をブチルアルコール系の溶剤に分散させたペーストを、スクリーン印刷により、10μmの厚さとなるように塗布した。さらに、上記と同様の炭化ホウ素セラミックス部材を用い、2枚のセラミックス部材の接合部分の接合面に、真空中で銅を、6μmの厚さとなるように蒸着した。これらをそれぞれ、上記と同様にしてカーボン冶具にて固定し、上記と同様の加熱条件で、接合処理を行って、2枚の炭化ホウ素含有セラミックス部材が接合した接合体を得た。
上記で得られた各接合体を加工して、JIS R1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に準じて、接合箇所が中央となるようにしてなる、厚み3mm、幅4mm、長さ40mmの試験片を、それぞれ作製した。そして、得られた試験片を用いて、JISに準拠して抗折強度を測定し、結果を表1に示した。また、接合処理によって形成された接合部分について、上記の各試験片を側面から顕微鏡観察して、銅又は銅化合物が存在している範囲を接合層の厚みとして測定し、結果を表1にまとめて示した。
[実施例1−2(接合層の状態)]
下記のようにして得た接合体の接合層を詳細に調べた。まず、代表として、炭化ホウ素焼結体を#200の砥石で研削し、50×50×10mmのプレートを2枚1組として用意した。また、銅含有量99.8質量%の、10μmの厚みの銅箔を準備した。そして、上記2枚の炭化ホウ素含有セラミックス部材の接合部分に、上記銅箔を重ならないように注意して配置させて挟み、カーボン冶具にて固定した。接合する際の条件を、真空条件下、接合させる部分を1,500℃の温度にして接合体を得た。そして、得られた試料を切断し、研磨を行い、SEMを使って、接合体の接合層の微細構造を観察した。そして、図3−1に得られたSEM写真の図を示した。
(比較例1)
実施例1−1で使用したものと同様のセラミックス部材を複数用意し、また、接合材として、200μmの厚みのシリコンと、100μmの厚みのオキシナイトライドガラス(酸窒化ガラス)を用意した。そして、2枚のセラミックス部材と、それぞれの接合材を用いて、窒素雰囲気下、表2に示した各温度条件で2時間加熱して各接合体を作製した。しかし、窒素雰囲気下、1,500℃以上の高温で処理したにもかかわらず、いずれの場合も接合しなかった。比較例の接合体の作製条件を表2にまとめて示した。
(評価結果)
表2に示したように、炭化ホウ素セラミックス部材を、シリコンやオキシナイトライドガラスを接合材として接合させた比較例1のものでは、セラミックス部材同士を接合することができなかった。これに対し、1,000μmの厚みまでの銅箔を接合材として接合させた実施例1−1では、銅の融点以上の温度である1,500℃の加熱で、いずれの厚みの接合材を用いた場合においても、ほぼ母材である炭化ホウ素セラミックスと同等な高い抗折強度を示す接合体を得ることができた。さらに、銅を、ペースト塗膜や、蒸着によって接合面に介在させた場合においても、高い接合強度を示す接合体が得られることを確認した。
(実施例2)
実施例1−1と同一形状及び同一の種類の炭化ホウ素セラミックス部材と、銅含有量99.9質量%の10μmの厚みの銅箔とを用い、加熱温度を、1,200〜1,600℃の温度範囲で段階的に変えて接合処理を行った。この際の他の条件は、真空条件下、カーボン冶具にて、5kg/cm2程度の値で圧着させて、2時間加熱することで一定とした。得られた接合体について、実施例1と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表3に示した。なお、銅の含有量が90質量%の合金の10μm厚の箔を用いて検討を行ったところ、使用した合金の溶融温度以上であれば、熱処理温度が銅の融点以下の1,000℃以下であっても、上記と同様の抗折強度を示す接合体を得ることができることを確認した。
(実施例3)
実施例1−1で用いた炭化ホウ素セラミックス部材に代えて、炭化ホウ素の含有量の異なる炭化ホウ素セラミックス部材をそれぞれ用意した。銅含有量99.8質量%の10μmの厚みの銅箔を用いて、1,500℃、真空中で2時間接合を行い、各接合体を得た。そして、得られた各接合体について、実施例1と同様にして、接合層の厚みと、抗折強度を測定し、結果を表4に示した。この結果、炭化ホウ素の含有量にかかわらず、いずれも接合可能であり、高い抗折強度を示す接合体が得られることを確認した。実施例3−6の接合体において、接合層とその近傍の母材の局所的な分析を行ったところ、接合層では、微量の銅が認められた。
(実施例4)
実施例1−1と同一形状及び同一の種類の炭化ホウ素セラミックス部材と、金含有量99.95質量%の10μmの厚みの金箔とを用い、加熱温度を、1,200〜1,600℃の温度範囲で段階的に変えて接合処理を行った。この際の他の条件は、真空条件下、カーボン冶具にて、5kg/cm2程度の値で圧着させて、2時間加熱することで一定とした。得られた接合体について、実施例1と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表5に示した。
(実施例5)
実施例1−1と同一形状及び同一の種類の炭化ホウ素セラミックス部材と、ジルコニウム含有量99.2質量%の100μmの厚みのジルコニウム箔とを用い、加熱温度を、1,400と1,500℃の温度でそれぞれ接合処理を行った。この際の他の条件は、真空条件下、カーボン冶具にて、5kg/cm2程度の値で圧着させて、2時間加熱することで一定とした。得られた接合体について、実施例1と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表6に示した。本実施例のジルコニウムを用いた接合層中には、金属ジルコニウムだけでなく、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)及び炭化ジルコニウム(ZrC)のいずれかが存在していることを確認した。
(実施例6)
実施例1−1と同一形状及び同一の種類の炭化ホウ素セラミックス部材に炭化チタン(TiC)スラリーをドクターブレード法によりテープ成形し、アルミニウムまたはアルミニウムとシリコンを50質量%の割合で混合した化合物を接合部の上に載せ、熱処理を行いながら、加熱温度1,000〜1,100℃の温度範囲で真空中にて含浸させ接合処理を行った。得られた結果と加熱条件を表7に示した。
(比較例2)
10μm厚のアルミニウム箔を接合材として下記の条件で接合した、3mm×4mm×40mmの曲げ試験片形状の接合体(中央が接合部)を用意し、接合部分の耐薬品性(耐アルカリ性)を調べた。具体的には、接合体の試験片を、水酸化ナトリウム2mol/Lの水溶液中に、室温で72時間浸漬し、浸漬前後の試験片における強度の違いを比較した。その際、実施例1と同様に、JISに準拠して抗折強度を測定し、浸漬試験前後の試験片について、それぞれ4点曲げ強さを測定し、これらの値を用いて耐薬品性を評価した。得られた結果を表8に示したが、浸漬試験前の接合体の抗折強度をP1、浸漬試験後の接合体の抗折強度をP2として示し、強度残存率を(P1−P2)/P1×100(%)で算出し、これを強度残存率(%)として示した。表8に示した通り、接合材として用いたアルミニウムが水酸化ナトリウムに溶解したため、強度が維持されないことが確認された。
(実施例7)
10μm厚の銅箔を接合材として下記の条件で接合した、3mm×4mm×40mmの曲げ試験片形状の接合体(中央が接合部)を用意し、比較例2と同様の方法で、接合体の接合部における耐薬品性を評価した。得られた結果を表9に示した。表9に示した通り、強度の低下はほとんど見られず接合強度が維持され、高い耐薬品性を示す接合体であることが確認できた。
(実施例8)
10μm厚の金箔を接合材として下記の条件で接合した、3mm×4mm×40mmの曲げ試験片形状の接合体(中央が接合部)を用意し、比較例2と同様の方法で、接合体の接合部における耐薬品性を評価した。得られた結果を表10に示した。表10に示した通り、強度の低下はほとんど見られず接合強度が維持され、高い耐薬品性を示す接合体であることが確認できた。
(実施例9)
ジルコニウム箔を接合材として下記の条件で接合した、3mm×4mm×40mmの曲げ試験片形状の接合体(中央が接合部)を用意し、比較例2で行ったと同様の方法で、接合体の接合部における耐薬品性を評価した。得られた結果を表11に示した。表11に示した通り、強度の低下はほとんど見られず接合強度が維持され、高い耐薬品性を示す接合体であることが確認できた。
(実施例10)
実施例6−1又は実施例6−3と同様にしてTiC−Alまたは、TiC−Al−Siを接合材として接合した、3mm×4mm×40mmの曲げ試験片形状の接合体(中央が接合部)を用意し、比較例2と同様の方法で、接合体の接合部の耐薬品性を評価した。得られた結果を表12に示した。表12に示した通り、銅、金及びジルコニウムの場合と比べると若干劣るものの、強度の低下は僅かであり、比較例2のアルミニウムのみを接合材とした接合体と比べて、その耐薬品性の向上が確認できた。
本発明の活用例としては、硬度や軽量性において極めて優れた特性を示す炭化ホウ素含有セラミックスにおいて、小型部材を接合して大型の接合体が安価に提供できる。さらに、その接合部における耐薬品性が向上した接合体とできるため、この点からも有用な工業部材である炭化ホウ素セラミックスの利用拡大が図れ、これまで、大型部材への応用が期待されていたが、歩留まり等が低いが故に使用されなかった種々の用途への適用が可能になる。また、本発明によれば複数の小型部材を組合せることによって、強度及び耐薬品性において無垢材と同等の性質を示す大型部材を提供することが可能であることから、製造プロセスにおいてトータルでの省エネ効果を生みだし、コストと大幅なグリーンガス削減との相乗効果等も期待できる。
1 炭化ホウ素含有セラミックス部材
2 接合材
3 接合層

Claims (4)

  1. それぞれが炭化ホウ素を60質量%以上含有してなる各セラミックス部材同士が、銅、金およびジルコニウムからなる金属群から選ばれる少なくとも一種で接合した接合層を介して一体化されてなるか、或いは、少なくとも金属アルミニウムと、チタン化合物とを接合材として形成した接合層を介して一体化されてなり、かつ、接合した部分の抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体。
  2. 前記接合層の厚みが、1〜1,000μmである請求項1に記載の炭化ホウ素含有セラミックス接合体。
  3. 請求項1又は2に記載の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法であって、それぞれが炭化ホウ素を60質量%以上含有してなるセラミックス部材同士を接合させる際に、その接合部分に、銅、金、又はジルコニウムのいずれかの金属或いはこれらの金属をベースとするいずれかの合金からなる、箔、ペースト及び蒸着層から選ばれるいずれかを接合材とし、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で保持して上記セラミックス部材同士を、真空条件下或いは不活性雰囲気中で、少なくとも接合させる部分を700℃以上1,600℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法であって、それぞれが炭化ホウ素を60質量%以上含有してなるセラミックス部材同士を接合させる際に、その接合部分に、スラリー状或いはペースト状のチタン化合物を塗布し、シート化し、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、セラミックス部材同士を密着させた状態で保持し、さらに、該接合部分の上部に、金属アルミニウム粉末を含む接合材を配し、真空条件下或いは不活性雰囲気中で、600℃以上1,200℃よりも低い温度で加熱し、上記接合材中の少なくとも金属アルミニウムを接合部分のチタン化合物へ含浸させて接合させることを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス接合体の製造方法。
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