JP5809896B2 - 炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体及び該接合体の製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明は、前記炭化ホウ素含有セラミックス部材と酸化物セラミックス部材とを接合させる際に、その接合部分に、アルミニウム又はアルミニウム化合物からなる、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを接合材として、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で上記セラミックス部材同士を保持して、
(1)真空条件下で、少なくとも接合させる部分を600℃以上1,200℃以下の温度で加熱するか、
(2)不活性雰囲気中で、少なくとも接合させる部分を600℃以上1,500℃以下の温度で加熱するか、
(3)大気中で、少なくとも接合させる部分を600℃以上800℃以下の温度で加熱すること
のいずれかを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法を提供する。
[実施例1]
接合後の接合体の少なくとも一辺の全長が40mmとなるようにするため、それぞれが20mm×20mm×4.5mmの板状の、2〜99%の炭化ホウ素セラミックス部材と、99%の純度のアルミナセラミックス部材と、ムライトセラミックス(酸化アルミニウム(Al2O3):酸化ケイ素(SiO2)=3:2)部材を、炭化ホウ素セラミックス部材と上記酸化物セラミックス部材が、各々2枚1組となるように用意した。また、接合材として、アルミニウム含有量99.8質量%の、10μmのアルミニウム箔を準備した。
上記で得られた各接合体を加工して、JIS R1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に準じて、接合箇所が中央となるようにしてなる、厚み3mm、幅4mm、長さ40mmの試験片を、それぞれ作製した。そして、得られた試験片を用いて、JISに準拠して抗折強度を測定し、結果を表1に示した。
実施例1で使用したうちの炭化ホウ素含有量が99%である高純度炭化ホウ素セラミックスと、実施例1で使用したと同様のアルミナセラミックス部材を複数枚用意した。また、接合材として、アルミニウム含有量99.8質量%の、5〜1,000μmまでの厚みの異なるアルミニウム箔をそれぞれ準備した。そして、上記2種類のセラミックス部材の接合部分に、それぞれ厚みの異なるアルミニウム箔を用い、アルミニウム箔が重ならないように注意して配置させて挟み、カーボン冶具にて固定した。加熱条件を、真空条件下で、少なくとも接合させる部分が1,000℃の温度となるようにして、接合処理をそれぞれに行って接合体を得た。得られた接合体について、実施例1と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表2に示した。
実施例1で使用したうちの炭化ホウ素含有量が99%である高純度炭化ホウ素セラミックスと、実施例1で使用したと同様のアルミナセラミックス部材を複数用意した。また、接合材として、200μmの厚みのシリコンと、100μmの厚みのオキシナイトライドガラス(酸窒化ガラス)を用意した。そして、2種類のセラミックス部材と、それぞれの接合材を用いて、窒素雰囲気下、表3に示した各温度条件で2時間加熱して各接合体を作製した。しかし、窒素雰囲気下、1,500℃以上の高温で処理したにもかかわらず、いずれの場合も接合しなかった。比較例の接合体の作製条件を表3にまとめて示した。
表3に示したように、炭化ホウ素セラミックス部材を、シリコンやオキシナイトライドガラスを接合材として接合させた比較例1のものでは、2種類のセラミックス部材同士を接合することができなかった。これに対し、1,000μmの厚みまでのアルミニウム箔を接合材として接合させた実施例2では、表2に示したように、アルミニウムの融点以上の温度である1,000℃の加熱で、いずれの厚みの接合材を用いた場合においても、ほぼ母材である炭化ホウ素セラミックスやアルミナと同等な高い抗折強度を示す接合体を得ることができた。さらに、アルミニウムを、ペースト塗膜や、蒸着によって接合面に介在させた場合においても、高い接合強度を示す接合体が得られることを確認した。
実施例2で用いたと同一形状及び同一の組み合わせの2種類のセラミックス部材と、接合材としてアルミニウム含有量99.8質量%の10μmの厚みのアルミニウム箔とを用い、代表的な不活性雰囲気であるアルゴンと窒素中にて、加熱温度を、600〜1,600℃の温度範囲で段階的に変えてそれぞれ接合処理を行った。この際の他の条件は、カーボン冶具にて、5kgf/cm2程度の値で圧着させて、2時間加熱することで一定とした。得られた接合体について、実施例2と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表4に示した。なお、水素や一酸化炭素を含有する還元ガス雰囲気中でもほぼ同じ結果を示した。
実施例2と同一形状及び同一の種類の炭化ホウ素セラミックス部材とアルミナセラミックス部材と、接合材に、アルミニウム含有量99.8質量%の10μmの厚みのアルミニウム箔とを用い、大気中、加熱温度を500〜900℃の温度範囲で段階的に変えて接合処理を行った。この際の他の条件は、カーボン冶具にて、5kgf/cm2程度の値で圧着させて、2時間加熱することで一定とした。得られた接合体について、実施例2と同様にして接合層の厚みと強度を測定した。得られた結果と、加熱条件とを表5にまとめて示した。
表5に示したように、大気中では、800℃で処理した場合には、高い抗折強度を示す接合体が得られたのに対して、900℃で処理した比較例3−2の場合は、炭化ホウ素が酸化することにより発生した表面に大きな発泡が見られ、接合していなかった。
さらに、表4に示したように、不活性ガス雰囲気下では、アルゴン、窒素いずれの雰囲気下においても、600℃以上1,500℃までの温度で、高い抗折強度を示す接合体が得られることを確認した。これに対し、比較例2に示したように、より高温の1,600℃では、アルゴン、窒素いずれの雰囲気下においても、炭化ホウ素の溶融が見られ、接合していなかった。
実施例2で用いたものと同一形状及び同一の組み合わせの2種類のセラミックス部材とを用い、実施例1〜4で用いた99.8質量%のアルミニウム箔に変えて、アルミニウム以外の成分を含む10μmの厚みのアルミニウムを主成分とする箔をそれぞれ接合材として用いて、1,000℃、真空中で2時間接合を行い、各接合体を得た。そして、得られた各接合体について、実施例2と同様にして、接合層の厚みと、抗折強度を測定し、結果を表6に示した。この結果、接合材のアルミニウム材料中に共存する成分によって抗折強度に若干の差異が認められたものの、いずれも100MPa以上の値を示し、接合強度の高い接合体が得られることを確認した。
Claims (6)
- 炭化ホウ素を60質量%以上含有してなる炭化ホウ素含有セラミックス部材と、該セラミックス部材とは異種の、絶縁性を示す、アルミナ、ムライト、コーディエライト又はジルコニアを主成分とする酸化物セラミックス部材とが、アルミニウム又はアルミニウム合金を接合材として接合した接合層を介して一体化されてなり、かつ、接合した部分の抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体。
- 前記接合層の厚みが1〜1,000μmである請求項1に記載の炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体。
- 請求項1又は2に記載の炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法であって、前記炭化ホウ素含有セラミックス部材と前記酸化物セラミックス部材とを接合させる際に、その接合部分に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを接合材とし、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で上記セラミックス部材同士を保持して、真空条件下で、少なくとも接合させる部分を600℃以上1,200℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法であって、前記炭化ホウ素含有セラミックス部材と前記酸化物セラミックス部材とを接合させる際に、その接合部分に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを接合材とし、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で上記セラミックス部材同士を保持して、不活性雰囲気中で、少なくとも接合させる部分を600℃以上1,500℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法であって、前記炭化ホウ素含有セラミックス部材と前記酸化物セラミックス部材とを接合させる際に、その接合部分に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる、箔、ペースト及び蒸着層のいずれかを接合材とし、その厚みが1,000μm以下となる範囲で介在させ、この状態で上記セラミックス部材同士を保持して、大気中で、少なくとも接合させる部分を600℃以上800℃以下の温度で加熱することを特徴とする炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法。
- 前記アルミニウム合金が、純アルミニウムに、銅、銀、インジウム、チタン、マンガン、マグネシウム、ケイ素又は亜鉛のいずれかを含んでなるアルミニウム合金である請求項3〜5のいずれか1項に記載の炭化ホウ素含有セラミックス−酸化物セラミックス接合体の製造方法。
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