JP2001278675A - SiC焼結体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びその製造方法 - Google Patents
SiC焼結体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 SiC焼結体の種類にかかわらず、高接合強
度の接合体とし得ると共に、CVD−SiC膜のクラッ
クや剥離を生じないSiC焼結体の接合体を提供する。 【解決手段】 表面に緻密なSiC層を形成したSiC
焼結体同士が高純度Siからなる接合部を介して接合さ
れている。
度の接合体とし得ると共に、CVD−SiC膜のクラッ
クや剥離を生じないSiC焼結体の接合体を提供する。 【解決手段】 表面に緻密なSiC層を形成したSiC
焼結体同士が高純度Siからなる接合部を介して接合さ
れている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SiC(炭化珪
素)焼結体(SiCセラミックス)の接合体、それを利
用した定盤やエッチャー用チャンバ、真空チャック、ラ
ップフレート等の半導体製造用部材、及びその製造方法
に関する。
素)焼結体(SiCセラミックス)の接合体、それを利
用した定盤やエッチャー用チャンバ、真空チャック、ラ
ップフレート等の半導体製造用部材、及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のSiC焼結体の接合体と
しては、2〜40wt%のSiと60〜98wt%のS
iCとからなるSi含浸反応焼結SiC焼結体同士が、
反応焼結により新たに生成したβ−SiCからなる接合
部を介して接合されているものが知られている(特開平
6−128046号公報参照)。このSiC焼結体の接
合体は、Si含浸反応焼結SiC焼結体同士の接合面間
にSi粉末を塗布し、アルゴンガス雰囲気等の非酸化性
雰囲気において熱処理した後、室温まで徐冷して製造さ
れる。
しては、2〜40wt%のSiと60〜98wt%のS
iCとからなるSi含浸反応焼結SiC焼結体同士が、
反応焼結により新たに生成したβ−SiCからなる接合
部を介して接合されているものが知られている(特開平
6−128046号公報参照)。このSiC焼結体の接
合体は、Si含浸反応焼結SiC焼結体同士の接合面間
にSi粉末を塗布し、アルゴンガス雰囲気等の非酸化性
雰囲気において熱処理した後、室温まで徐冷して製造さ
れる。
【0003】ちなみに、半導体製造用部材に用いられる
SiC焼結体には、高純度が要求されると共に、酸洗浄
の際における耐食性も要求されており、一般に、製品に
は、CVD法によるSiC膜のコーティングが施されて
いる。そして、熱処理用部材としてのSiC焼結体は、
上述したように純度が要求されるので、焼結助剤に金属
不純物やB(ほう素)系化合物を用いている常圧焼結S
iC焼結体は殆んど使用されず、主に反応焼結SiC焼
結体が使用されている。一方、熱処理を伴わない部材と
してのSiC焼結体には、常圧焼結SiC焼結体が使用
されている。
SiC焼結体には、高純度が要求されると共に、酸洗浄
の際における耐食性も要求されており、一般に、製品に
は、CVD法によるSiC膜のコーティングが施されて
いる。そして、熱処理用部材としてのSiC焼結体は、
上述したように純度が要求されるので、焼結助剤に金属
不純物やB(ほう素)系化合物を用いている常圧焼結S
iC焼結体は殆んど使用されず、主に反応焼結SiC焼
結体が使用されている。一方、熱処理を伴わない部材と
してのSiC焼結体には、常圧焼結SiC焼結体が使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のSiC
焼結体の接合体とその製造方法では、接合されるSi含
浸反応焼結SiC焼結体が接合材であるSiの溶融温度
(1420℃)以上に達するため、含浸されているSi
の流出が避けられず、Si含浸反応焼結SiC焼結体の
組織を損ずる不具合がある。又、接合部においても同様
の現象が発生し、接合強度の低下をもたらす不具合があ
る。更に、Siが流出した所は、気孔となってしまうた
め、この状態でCVD−SiC膜をコーティングすると
半導体製造プロセスにおける熱処理の際の応力発生によ
って、CVD−SiC膜にクラックが生じたり、剥離が
生じたりする不具合がある。かかる不具合を解消するた
め、過剰のSiを供給すれば、接合部については緻密に
なるが、余分なSiが接合部から吹き出した状態で固化
するため、これを除去する作業が必要となり、例えば、
Siウェーハを搬送する真空チャック等のように内部に
溝を形成している構造を持つ製品については適応できな
い。一方、常圧焼結SiC焼結体をSiを接合材として
接合する場合、常圧焼結SiC焼結体の嵩密度が3.0
g/cm3 未満であると、Siが常圧焼結SiC焼結体
に吸い込まれてしまい、接合が困難となる不具合があ
る。
焼結体の接合体とその製造方法では、接合されるSi含
浸反応焼結SiC焼結体が接合材であるSiの溶融温度
(1420℃)以上に達するため、含浸されているSi
の流出が避けられず、Si含浸反応焼結SiC焼結体の
組織を損ずる不具合がある。又、接合部においても同様
の現象が発生し、接合強度の低下をもたらす不具合があ
る。更に、Siが流出した所は、気孔となってしまうた
め、この状態でCVD−SiC膜をコーティングすると
半導体製造プロセスにおける熱処理の際の応力発生によ
って、CVD−SiC膜にクラックが生じたり、剥離が
生じたりする不具合がある。かかる不具合を解消するた
め、過剰のSiを供給すれば、接合部については緻密に
なるが、余分なSiが接合部から吹き出した状態で固化
するため、これを除去する作業が必要となり、例えば、
Siウェーハを搬送する真空チャック等のように内部に
溝を形成している構造を持つ製品については適応できな
い。一方、常圧焼結SiC焼結体をSiを接合材として
接合する場合、常圧焼結SiC焼結体の嵩密度が3.0
g/cm3 未満であると、Siが常圧焼結SiC焼結体
に吸い込まれてしまい、接合が困難となる不具合があ
る。
【0005】そこで、本発明は、SiC焼結体の種類に
かかわらず、高接合強度の接合体として得ると共に、C
VD−SiC膜のクラックや剥離を生じないSiC焼結
体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
かかわらず、高接合強度の接合体として得ると共に、C
VD−SiC膜のクラックや剥離を生じないSiC焼結
体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のSiC焼結体の接合体は、表面に緻密なS
iC層を形成したSiC焼結体同士が高純度Siからな
る接合部を介して接合されていることを特徴とする。前
記SiC焼結体同士は、反応焼結SiC焼結体同士、常
圧焼結SiC焼結体同士、又は反応焼結SiC焼結体と
常圧焼結SiC焼結体の組み合わせであることが好まし
い。
め、本発明のSiC焼結体の接合体は、表面に緻密なS
iC層を形成したSiC焼結体同士が高純度Siからな
る接合部を介して接合されていることを特徴とする。前
記SiC焼結体同士は、反応焼結SiC焼結体同士、常
圧焼結SiC焼結体同士、又は反応焼結SiC焼結体と
常圧焼結SiC焼結体の組み合わせであることが好まし
い。
【0007】又、半導体製造用部材は、上記SiC焼結
体の接合体を利用したことを特徴とする。
体の接合体を利用したことを特徴とする。
【0008】一方、SiC焼結体の接合体の製造方法
は、接合するSiC焼結体の表面にポリカルボシランを
塗布又は含浸し、不活性ガス雰囲気において600〜1
200℃の温度で熱処理した後、SiC焼結体同士の接
合面間に高純度Siからなる接合材を介在して真空雰囲
気又は非酸化性雰囲気においてSiの融点以上の温度で
熱処理することを特徴とする。前記接合するSiC焼結
体は、反応焼結SiC焼結体同士、常圧焼結SiC焼結
体同士、又は反応焼結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼
結体の組み合わせとすることが好ましい。
は、接合するSiC焼結体の表面にポリカルボシランを
塗布又は含浸し、不活性ガス雰囲気において600〜1
200℃の温度で熱処理した後、SiC焼結体同士の接
合面間に高純度Siからなる接合材を介在して真空雰囲
気又は非酸化性雰囲気においてSiの融点以上の温度で
熱処理することを特徴とする。前記接合するSiC焼結
体は、反応焼結SiC焼結体同士、常圧焼結SiC焼結
体同士、又は反応焼結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼
結体の組み合わせとすることが好ましい。
【0009】SiC焼結体の表面に緻密なSiC層が形
成されていることにより、SiC焼結体が、反応焼結S
iC焼結体の場合、接合の際の熱処理時に反応焼結Si
C焼結体からのSiの流出が抑制され、又、常圧焼結S
iC焼結体の場合、その気孔がSiCで詰まり、それへ
のSiの吸い込みが抑制される。
成されていることにより、SiC焼結体が、反応焼結S
iC焼結体の場合、接合の際の熱処理時に反応焼結Si
C焼結体からのSiの流出が抑制され、又、常圧焼結S
iC焼結体の場合、その気孔がSiCで詰まり、それへ
のSiの吸い込みが抑制される。
【0010】表面に緻密なSiC層を形成したSiC焼
結体同士が高純度Siからなる接合部を介して接合され
ているSiC焼結体の接合体を半導体製造用部材に利用
することにより、接合体による半導体の不純物汚染が格
段に低減される。
結体同士が高純度Siからなる接合部を介して接合され
ているSiC焼結体の接合体を半導体製造用部材に利用
することにより、接合体による半導体の不純物汚染が格
段に低減される。
【0011】接合するSiC焼結体の表面にポリカルボ
シランを塗布又は含浸し、不活性ガス雰囲気において6
00〜1200℃の温度で熱処理することにより、ポリ
カルボシランが熱分解しSiCを生成する。
シランを塗布又は含浸し、不活性ガス雰囲気において6
00〜1200℃の温度で熱処理することにより、ポリ
カルボシランが熱分解しSiCを生成する。
【0012】ポリカルボシランを表面に塗布又は含浸し
たSiC焼結体の熱処理温度が、600℃未満である
と、ポリカルボシランの熱分解が行われない。ポリカル
ボシランのSiC化は、1200℃で十分であり、これ
以上の温度は必要ない。好ましい熱処理温度は、100
0〜1200℃である。又、ポリカルボシランは、キシ
レンやトルエン等の有機溶媒に溶解した溶液として用い
る。
たSiC焼結体の熱処理温度が、600℃未満である
と、ポリカルボシランの熱分解が行われない。ポリカル
ボシランのSiC化は、1200℃で十分であり、これ
以上の温度は必要ない。好ましい熱処理温度は、100
0〜1200℃である。又、ポリカルボシランは、キシ
レンやトルエン等の有機溶媒に溶解した溶液として用い
る。
【0013】不活性ガス雰囲気としては、アルゴンガス
やヘリウムガス等が用いられる。
やヘリウムガス等が用いられる。
【0014】接合材として高純度Siを用いるのは、そ
れ以外の接合材では、それ自体が半導体製造プロセスに
おいて不純物になること、接合の際の熱処理時に、接合
材が被接合部材であるSiC焼結体の組織内に不純物と
して拡散してしまい、接合体を実際に半導体製造プロセ
スにおいて使用した場合、シリコンウェーハ等の半導体
基板を汚染して歩留まりを低下させてしまうためであ
る。
れ以外の接合材では、それ自体が半導体製造プロセスに
おいて不純物になること、接合の際の熱処理時に、接合
材が被接合部材であるSiC焼結体の組織内に不純物と
して拡散してしまい、接合体を実際に半導体製造プロセ
スにおいて使用した場合、シリコンウェーハ等の半導体
基板を汚染して歩留まりを低下させてしまうためであ
る。
【0015】真空雰囲気としては、0.01Torr以
下の真空が用いられ、又、非酸化性雰囲気としては、ア
ルゴンガスや窒素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。
下の真空が用いられ、又、非酸化性雰囲気としては、ア
ルゴンガスや窒素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。
【0016】Siの融点以上の温度としては、1450
〜1600℃が好ましく、より好ましくは、1480〜
1500℃である。
〜1600℃が好ましく、より好ましくは、1480〜
1500℃である。
【0017】高純度Siからなる接合材としては、板
状、粒状又は粉状のものが用いられる。板状のSiは、
厚み0.1〜0.5mmのものが好ましく、より好まし
くは、0.2〜0.3mmである。粒状のSiは、粒径
0.05〜0.2mmのものが好ましく、より好ましく
は、0.05〜0.1mmであり、エタノールと混合し
てペースト状として用いる。粉状のSiは、粒径0.1
〜10μmのものが好ましく、より好ましくは、1〜5
μmであり、エタノールと混合してスラリー状として用
いる。
状、粒状又は粉状のものが用いられる。板状のSiは、
厚み0.1〜0.5mmのものが好ましく、より好まし
くは、0.2〜0.3mmである。粒状のSiは、粒径
0.05〜0.2mmのものが好ましく、より好ましく
は、0.05〜0.1mmであり、エタノールと混合し
てペースト状として用いる。粉状のSiは、粒径0.1
〜10μmのものが好ましく、より好ましくは、1〜5
μmであり、エタノールと混合してスラリー状として用
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的な実施例、比較例を参照して説明する。 実施例1:先ず、反応焼結SiC焼結体の表面に、キシ
レンに溶解したポリカルボシランを塗布し、不活性ガス
雰囲気において1200℃の温度で、熱処理した。この
熱処理によって、ポリカルボシランが熱分解してSiC
が生成され、反応焼結SiC焼結体の表面に緻密なSi
C層が形成された。次に、上記反応焼結SiC焼結体同
士の接合面間に、厚み0.3mmの短冊状の高純度のS
i板を介在して0.01Torrの真空雰囲気において
1500℃の温度で熱処理し、反応焼結SiC焼結体同
士の接合体を得た。得られた接合体において、反応焼結
SiC焼結体からのSiの吹き出しは見られず、更に接
合体の表面にCVD法によるSiC膜のコーティングを
施した後、室温←→1200℃の熱サイクル(12回)
を与えたが、CVD−SiC膜のクラックや剥離は見ら
れなかった。又、CVD−SiC膜をコーティングした
接合体の接合4点曲げ強度(JISR1624)は、室
温で165MPaであった。
て具体的な実施例、比較例を参照して説明する。 実施例1:先ず、反応焼結SiC焼結体の表面に、キシ
レンに溶解したポリカルボシランを塗布し、不活性ガス
雰囲気において1200℃の温度で、熱処理した。この
熱処理によって、ポリカルボシランが熱分解してSiC
が生成され、反応焼結SiC焼結体の表面に緻密なSi
C層が形成された。次に、上記反応焼結SiC焼結体同
士の接合面間に、厚み0.3mmの短冊状の高純度のS
i板を介在して0.01Torrの真空雰囲気において
1500℃の温度で熱処理し、反応焼結SiC焼結体同
士の接合体を得た。得られた接合体において、反応焼結
SiC焼結体からのSiの吹き出しは見られず、更に接
合体の表面にCVD法によるSiC膜のコーティングを
施した後、室温←→1200℃の熱サイクル(12回)
を与えたが、CVD−SiC膜のクラックや剥離は見ら
れなかった。又、CVD−SiC膜をコーティングした
接合体の接合4点曲げ強度(JISR1624)は、室
温で165MPaであった。
【0019】比較例1:反応焼結SiC焼結体同士の接
合面間に、実施例1と同様の厚み0.3mmの短冊状の
高純度のSi板を介在して0.01Torrの真空雰囲
気において1500℃の温度で熱処理し、反応焼結Si
C焼結体同士の接合体を得た。得られた接合体におい
て、反応焼結SiC焼結体からのSiの吹き出しが見ら
れたが、接合は成されていた。接合4点曲げ強度(JI
S R1624)は、室温で145MPaであった。更
に、上記接合体の表面にCVD法によるSiC膜のコー
ティングを施した後、室温←→1200℃の熱サイクル
を与えたところ、1回でCVD−SiC膜にクラックが
入り、剥離部も数箇所見られた。
合面間に、実施例1と同様の厚み0.3mmの短冊状の
高純度のSi板を介在して0.01Torrの真空雰囲
気において1500℃の温度で熱処理し、反応焼結Si
C焼結体同士の接合体を得た。得られた接合体におい
て、反応焼結SiC焼結体からのSiの吹き出しが見ら
れたが、接合は成されていた。接合4点曲げ強度(JI
S R1624)は、室温で145MPaであった。更
に、上記接合体の表面にCVD法によるSiC膜のコー
ティングを施した後、室温←→1200℃の熱サイクル
を与えたところ、1回でCVD−SiC膜にクラックが
入り、剥離部も数箇所見られた。
【0020】実施例2:先ず、嵩密度2.98g/cm
3 の常圧焼結SiC焼結体の表面に、キシレンに溶解し
たポリカルボシランを減圧含浸し、不活性ガス雰囲気に
おいて1200℃の温度で熱処理した。この熱処理によ
って、ポリカルボシランが熱分解してSiCが生成さ
れ、常圧焼結SiC焼結体の表面の気孔がSiCで詰ま
り、かつ、表面に緻密なSiC層が形成された。次に、
上記常圧焼結SiC焼結体同士の接合面間に、厚み0.
3mmの短冊状の高純度のSi板を介在して0.01T
orrの真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理
し、常圧焼結SiC焼結体同士の接合体を得た。得られ
た接合体の接合4点曲げ強度(JIS R1624)
は、室温で180MPaであった。
3 の常圧焼結SiC焼結体の表面に、キシレンに溶解し
たポリカルボシランを減圧含浸し、不活性ガス雰囲気に
おいて1200℃の温度で熱処理した。この熱処理によ
って、ポリカルボシランが熱分解してSiCが生成さ
れ、常圧焼結SiC焼結体の表面の気孔がSiCで詰ま
り、かつ、表面に緻密なSiC層が形成された。次に、
上記常圧焼結SiC焼結体同士の接合面間に、厚み0.
3mmの短冊状の高純度のSi板を介在して0.01T
orrの真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理
し、常圧焼結SiC焼結体同士の接合体を得た。得られ
た接合体の接合4点曲げ強度(JIS R1624)
は、室温で180MPaであった。
【0021】比較例2:嵩密度2.98g/cm3 の常
圧焼結SiC焼結体同士の接合面間に、厚み0.3mm
の短冊状の高純度のSi板を介在して0.01Torr
の真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理した
が、Siが常圧焼結SiC焼結体に吸い込まれてしま
い、接合できなかった。
圧焼結SiC焼結体同士の接合面間に、厚み0.3mm
の短冊状の高純度のSi板を介在して0.01Torr
の真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理した
が、Siが常圧焼結SiC焼結体に吸い込まれてしま
い、接合できなかった。
【0022】実施例3:実施例1の方法で熱処理した、
表面に緻密なSiC層が形成された反応焼結SiC焼結
体と、実施例2の方法で熱処理した、表面の気孔がSi
Cで詰まり、かつ、表面に緻密なSiC層が形成された
常圧焼結SiC焼結体との接合面間に、厚み0.3mm
の短冊状の高純度のSi板を介在して0.01Torr
の真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理し、反
応焼結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼結体の接合体を
得た。得られた接合体において、反応焼結SiC焼結体
からのSiの吹き出しが見られず、更に接合体の表面に
CVD法によるSiC膜のコーティングを施した後、室
温←→1200℃の熱サイクル(12回)を与えたが、
CVD−SiC膜のクラックや剥離は見られなかった。
又、CVD−SiC膜をコーティングした接合体の接合
4点曲げ強度(JISR1624)は、室温で165M
Paであった。
表面に緻密なSiC層が形成された反応焼結SiC焼結
体と、実施例2の方法で熱処理した、表面の気孔がSi
Cで詰まり、かつ、表面に緻密なSiC層が形成された
常圧焼結SiC焼結体との接合面間に、厚み0.3mm
の短冊状の高純度のSi板を介在して0.01Torr
の真空雰囲気において1500℃の温度で熱処理し、反
応焼結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼結体の接合体を
得た。得られた接合体において、反応焼結SiC焼結体
からのSiの吹き出しが見られず、更に接合体の表面に
CVD法によるSiC膜のコーティングを施した後、室
温←→1200℃の熱サイクル(12回)を与えたが、
CVD−SiC膜のクラックや剥離は見られなかった。
又、CVD−SiC膜をコーティングした接合体の接合
4点曲げ強度(JISR1624)は、室温で165M
Paであった。
【0023】なお、上述した各実施例においては、高純
度のSi板を融解させる熱処理を真空雰囲気において行
う場合について説明したが、アルゴンガスや窒素ガス等
の非酸化性雰囲気において行っても同様の作用効果が得
られた。又、接合材としてのSiは、板状のものに限ら
ず、ペースト状とした粒状のSiやスラリー状とした粉
状のSiを用いても同様の作用効果が得られた。
度のSi板を融解させる熱処理を真空雰囲気において行
う場合について説明したが、アルゴンガスや窒素ガス等
の非酸化性雰囲気において行っても同様の作用効果が得
られた。又、接合材としてのSiは、板状のものに限ら
ず、ペースト状とした粒状のSiやスラリー状とした粉
状のSiを用いても同様の作用効果が得られた。
【0024】一方、実施例1〜3と同様のSiC焼結体
の接合体を半導体用部材として用いたところ、耐用期間
を大幅に延ばすことができ、又、半導体基板の汚染を格
段に低減することができた。
の接合体を半導体用部材として用いたところ、耐用期間
を大幅に延ばすことができ、又、半導体基板の汚染を格
段に低減することができた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のSiC焼
結体の接合体とその製造方法によれば、SiC焼結体
が、反応焼結SiC焼結体の場合、接合の際の熱処理時
に反応焼結SiC焼結体からのSiの流出が抑制され、
又、常圧焼結SiC焼結体の場合、その気孔がSiCで
詰まり、それへのSiの吸い込みが抑制されるので、反
応焼結SiC焼結体と接合部の組織を損ずることなく、
接合が可能となり、高接合強度とすることができ、又、
接合体にコーティングされるCVD−SiC膜のクラッ
クや剥離を防止することができる。一方、常圧焼結Si
C焼結体の接合においては、その嵩密度が3.0g/c
m 3 未満であっても高接合強度とすることができる。
又、上記SiC焼結体の接合体を利用した半導体製造用
部材によれば、接合体による不純物の汚染が発生しない
ので、この部材による半導体基板の汚染を格段に低減す
ることができる。
結体の接合体とその製造方法によれば、SiC焼結体
が、反応焼結SiC焼結体の場合、接合の際の熱処理時
に反応焼結SiC焼結体からのSiの流出が抑制され、
又、常圧焼結SiC焼結体の場合、その気孔がSiCで
詰まり、それへのSiの吸い込みが抑制されるので、反
応焼結SiC焼結体と接合部の組織を損ずることなく、
接合が可能となり、高接合強度とすることができ、又、
接合体にコーティングされるCVD−SiC膜のクラッ
クや剥離を防止することができる。一方、常圧焼結Si
C焼結体の接合においては、その嵩密度が3.0g/c
m 3 未満であっても高接合強度とすることができる。
又、上記SiC焼結体の接合体を利用した半導体製造用
部材によれば、接合体による不純物の汚染が発生しない
ので、この部材による半導体基板の汚染を格段に低減す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露木 龍也 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4G026 BA14 BB14 BF09 BG26 5F031 HA02 HA03 HA10 HA13 HA14
Claims (5)
- 【請求項1】 表面に緻密なSiC層を形成したSiC
焼結体同士が高純度Siからなる接合部を介して接合さ
れていることを特徴とするSiC焼結体の接合体。 - 【請求項2】 前記SiC焼結体同士が、反応焼結Si
C焼結体同士、常圧焼結SiC焼結体同士、又は反応焼
結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼結体の組み合わせで
あることを特徴とする請求項1記載のSiC焼結体の接
合体。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のSiC焼結体の接
合体を利用したことを特徴とする半導体製造用部材。 - 【請求項4】 接合するSiC焼結体の表面にポリカル
ボシランを塗布又は含浸し、不活性ガス雰囲気において
600〜1200℃の温度で熱処理した後、SiC焼結
体同士の接合面間に高純度Siからなる接合材を介在し
て真空雰囲気又は非酸化性雰囲気においてSiの融点以
上の温度で熱処理することを特徴とするSiC焼結体の
接合体の製造方法。 - 【請求項5】 前記接合するSiC焼結体を、反応焼結
SiC焼結体同士、常圧焼結SiC焼結体同士、又は反
応焼結SiC焼結体と常圧焼結SiC焼結体の組み合わ
せとすることを特徴とする請求項4記載のSiC焼結体
の接合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000097422A JP2001278675A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | SiC焼結体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びその製造方法 |
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JP2000097422A JP2001278675A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | SiC焼結体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びその製造方法 |
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ID=18612044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000097422A Pending JP2001278675A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | SiC焼結体の接合体、それを利用した半導体製造用部材、及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001278675A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007005762A (ja) * | 2005-05-24 | 2007-01-11 | Kyocera Corp | 珪素−炭化珪素複合部材とその製造方法並びにこれを用いた半導体ウエハの吸着部材及び真空吸着装置 |
JP2012224512A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | セラミックス接合体及びその製造方法 |
KR101329665B1 (ko) | 2011-11-04 | 2013-11-15 | 주식회사 티씨케이 | 금속과 세라믹의 접합구조 및 접합방법 |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000097422A patent/JP2001278675A/ja active Pending
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