JP4870454B2 - 中空構造を有するセラミックス接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、検査機器等に好適に用いられる中空構造を有するセラミックス接合体に関するものである。
セラミックスは軽量、高剛性、高強度、高硬度という特徴を有し、また、耐熱性、耐食性に優れているという特性を活かし、構造部材・耐摩耗部材・耐食部材として、特に、半導体製造装置や液晶パネル製造装置等で用いられている。
近年、装置の大型化、高速移動化にともない、装置用部材の軽量化が要求されており、軽量化の手段として、部材を中空構造にすることが行われている。また、高温で使用される部材の冷却機構として、中空構造部に冷却媒体を流入させる方法が取られることもある。
中空構造を有するセラミックス部材の製造方法として、複数の部品に分けて製造し、各々の部品をOリング等でシールし、ボルト等で機械的に固定する方法や、各々の部品を接合する方法が採用されている。このとき、機械的に固定する方法では、温度等の使用環境が限られ、部材の中空部の信頼性も低く、高い気密性が要求される部材に対しては、セラミックスの接合技術が採用されることが多い。
セラミックス同士を接合して接合体を得る技術としては、ろう付け、拡散・圧着、焼結等が挙げられる。
例えば、未焼成のセラミックス成形体同士の突合せ面に、セラミックス成形体と同種のスラリーを塗布して得られた成形体の接合体を焼成してなる方法(例えば、特許文献1参照。)や、セラミックス焼結体同士の接合面に、接合材としてガラスを塗布して接合する方法(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
特開平2−258205号公報 特開平5−4876号公報
中空構造を有するセラミックス接合体の製造方法として、上述した接合技術を採用した場合、セラミックスが脆性材料であるために、熱を加えると、接合部に割れや剥離等の欠陥が発生したり、接合材の濡れ性が悪く接合部に空隙が生じたり、接合が完全に行われない等の問題がある。そして、真空中で中空構造セラミックス接合体を用いた場合、中空構造部からガスが漏出したり、中空構造部に流入された冷却媒体が中空構造部外へ流出したりして、真空度が低下し、装置を汚染することなどが課題となっている。このように、セラミックス接合部材の接合部の品質および信頼性が問われる中、これまで、気密性の向上のために、接合部の形状や構造に着目されることがなかったのが現状である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、セラミックス部材の接合層に隣接する接合材メニスカスの形状が、接合層厚みと一定の関係を有するときに、優れた気密性を示すことを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、気密性に優れた中空構造を有するセラミックス接合体を提供することを目的とする。
上記した本発明の目的は、セラミックス部材の接合面同士が、該セラミックス部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合されてなる中空構造を有するセラミックス接合体であって、前記接合層は接合面に垂直な方向に0.01〜0.2mmの厚みtを有しており、かつ、一方の接合面に隣接する側壁面と他方の接合面に隣接する平面で形成される、中空部に面した角隅部が凹状曲面の接合材メニスカスにより被覆されており、かつ、前記側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δと、接合層厚みtとの比δ/tが0.5以上10以下であることを特徴とする中空構造を有するセラミックス接合体によって達成される。
本発明のセラミックス接合体によれば、セラミックス部材の接合面同士を接合する接合材が、中空部に面する接合領域において、接合層に隣接する角隅部を接合層厚みとの関係で一定の形状により被覆する構造になっているため、接合部の欠陥発生が抑制され、中空構造を有するセラミックス接合体中の接合部の気密性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて更に詳しく説明する。
図1に示す本発明のセラミックス接合体1は、セラミックス部材の接合面同士が、セラミックス部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合され、中空箱型の構造となっており、この接合層は、図2に示すように、接合面に対して垂直方向に0.01〜0.20mmの厚みt(接合層厚みとも呼ぶ。)を有しており、一方の接合面に隣接する側壁面と他方の接合面に隣接する平面で形成される、中空部に面した角隅部が凹状曲面の接合材メニスカスにより被覆されており、前記側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δ(メニスカスの被覆距離とも呼ぶ。)と接合材厚みtの比δ/tが0.5以上10以下となっている。
図1(a)に斜視図で本発明の一実施例を示すセラミックス接合体1は、そのA−A線断面図である図1(b)に示すように、セラミックス部材としての基板11と、予め加工によりリブを付与した部材12と、これらの部材を接合する接合材13から構成される。
図1(b)のX部を拡大した図2に示すように、接合部の角隅部に形成される接合材メニスカスは凹状曲面13b(接合材メニスカス面とも呼ぶ。)を有する。この接合材凹状曲面13bは、接合材13がセラミックス部材11および部材12と十分な濡れ性を持っており、リブ部の接合面に隣接する側壁面12b、および、基板部材の接合面に隣接する平面11bと融着した接合材の接触角が鋭角になることにより形成される。
ここで、接触角は具体的には45°よりも小さければ良く、さらに望ましくは30°よりも小さければ良い。このようにセラミックス部材と接合材との濡れ性を確保し、接合層を取囲むように凹状曲面の接合材メニスカスを形成することにより、上述したような接合層の欠陥が発生し難くなるだけでなく、接合層に内部欠陥が生じた場合であっても、接合層を取囲む接合材メニスカスにより気密性を担保することができるという作用がある。さらには、接合材メニスカスにより接合部に十分な接合強度を付与することができる。
ここで、「一方の接合面に隣接する側壁面と他方の接合面に隣接する平面で形成される、中空部に面した角隅部」は、正確には、リブ部の側壁面の接合層側延長上に接合層の側壁面を仮想し、接合面に隣接するリブ部および接合層の側壁面と基板平面で形成される角隅部として捉えられる。
さらに、この接合材メニスカスは、一方のセラミックス部材の接合面に隣接する側壁面の角縁部、すなわち前記リブ部の角縁部12cから接合材メニスカス面上の最短部13cまでの距離δと接合層厚みtとの比δ/tが0.5以上10以下となっている。
ここで、δ/tが0.5未満の場合は、接合材メニスカスが、接合層および接合層に隣接する角隅部を十分に被覆することができなくなり気密性が低下して好ましくない。逆に、δ/tが10を超えて大きいと接合材とセラミックス部材との熱膨張差の影響が大きくなり、接合材メニスカス部あるいは、接合層にクラックが発生し気密性や接合強度が低下するため好ましくない。
なお、図1(b)に示すように、接合材13はセラミックス接合体1の外壁側接合部も被覆するように形成されるが、外壁側接合部の被覆部分は必要に応じ、研削、研磨等により取り除かれても良い。また、接合層厚みtとメニスカスの被覆距離δとの比率は、均等である必要はなく、上記範囲内においてばらつきがあっても良い。
さらに、図2に示す接合層13は、接合面に対して垂直方向に0.01〜0.20mmの厚みtを有している。接合層厚みtが0.01mm未満の場合は、接合強度が著しく低下してしまうため加工時や装置への組み込み時の負荷により接合部が外れたり、外れに至らない場合であっても内部にクラックが生じ、気密が低下したりする。また、接合層厚みtが0.20mmを越える場合は、接合材メニスカス部あるいは、接合層自体に、熱膨張差に起因するクラックが生じ気密性が低下する。
ここで、本発明のセラミックス構造体の製造方法について説明する。
第一に、軽量化や中空溝配置など目的に応じた形状に加工されたセラミックス部材を作製する。セラミックス部材の構成としては、図1(a)では、基板と予め加工によりリブを付与した部材の2つの部材からなる構成としたが、図3(a)に示すセラミックス接合体2のように、基板21と、基板21に対向する天板22と、基板21と天板22の間に配置されたリブ23と、これらの3つの部材からなる構成としてもよい。また、図1および図3に示す構造では、周辺部にリブを設けるとともに内部にもリブを設けているが、さらに複雑な構造のリブを設けてもよく、内部にリブを設けない箱型の構造体であってもよい。また、本例のような直方体形状に限られるものではなく、中空のものであれば種々の形状が採用可能である。接合体内部の中空構造は筒状、格子状、ハニカム状、ピン状、リブのない箱型構造等の種々の構造が採用できる。また、接合体形状についても図1および図3に示したような直方体形状に限られるものではなく、中空のものであれば種々の形状が採用可能である。
ここで、セラミックス部材の接合面の表面は、平面度を接合層厚みtの1/2以下とし、平面度10〜100μm、表面粗さ0.1〜0.5μmとすることが好ましい。
その理由は、接合層厚みtの1/2を超える平面度を有する接合面同士を接合した場合、接合面間の隙間の最大距離が接合層厚み以上となる可能性が有り、これにより未接合部が形成され、気密性が大きく低下してしまうため好ましくないからである。
次に、セラミックス部材の材質としては、アルミナ、イットリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、チタニア等が挙げられ、特に限定はされないが、熱膨張差に起因する接合不良を防ぐためにも、同一材質同士か、あるいは熱膨張差が小さい材質同士のものが好ましい。
接合材の材質は、接合されるセラミックス部材よりも溶融温度の低いセラミックスで構成され、特に限定はされないが、セラミックス部材の溶融温度以下となるように、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア等から、複数の材料を適宜選択し、組成を調整したもの等が挙げられる。また、接合材の平均粒子径は、5.0μm以下とすることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを超えて大きいと接合材の焼結性が悪くなり、接合材中に内部欠陥が生成する場合が有り、気密性が低下してしまう。
また、接合材の形態としては、特に限定はしないが、バインダーと可塑剤を添加したペースト状であることが好ましく、ペーストの粘度としては50〜300Pa・secに調整することが好ましい。バインダーとしてはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニールブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ワックスエマルジョン等を用いるのが好ましく、可塑剤としてはフタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、アジピン酸ジオクチル等を用いることが好ましい。溶媒としては、水、アルコールの他、α-テルピネオール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート等の有機溶剤を用いることができる。
また、バインダーおよび可塑剤および溶媒の添加量は、接合材中のセラミックス粉末固形分を20〜60重量%の比率となるように調整した方が好ましい。接合材として用いるセラミックス粉末の量がペースト全体に対して20重量%未満であると、接合層中に空隙が生成する原因となるとともに、接合材メニスカスにより接合部を所定厚みで被覆することが困難となる。また、粉体の量がペースト全体に対して60重量%を超えると、ペーストの粘度が高くなり過ぎて接合面に均質にペーストを塗布することができず、接合強度の低下を引き起こすとともに、δ/tの値を10以下とすることが困難となる。
次に、上記のように作製された接合材を、目的に応じた形状に加工されたセラミックス部材の接合面上に均一の厚さになるように塗布する。接合材の塗布方法としては、例えば、接合材をペースト状として、スクリーン版により印刷する等、接合面に均一の厚さに塗布できる方法であれば、特に限定はしない。接合材の塗布厚さは、接合材の固形分、熱処理条件、収縮率により決定され、最終的に接合層厚みが、0.01〜0.20mmとなるように、適宜調整を行う。
次に、セラミックス部材の接合は、接合面同士を貼り合わせたセラミックス部材の上面に、荷重を付加し、接合材の溶融温度以上、セラミックス部材の融点以下の温度範囲で熱処理することにより、接合界面で溶融拡散もしくは焼結させることで実施する。このとき、熱処理温度は、接合材の溶融温度の50℃程度高い温度で実施することが好ましい。熱処理温度が、溶融温度近辺では、接合材の粘性が高く、十分な濡れ性を有しないため、接合層が0.20mmを超えて大きくなったり、接合材メニスカスが凸状曲面となったりするためクラックが生じやすくなるし、接合材メニスカスが凹状曲面の場合のように接合部を取囲む構造にならないため、気密性が確保できない。また、接合材の溶融温度よりも50℃以上高くなると、接合材の粘性が低くなり過ぎて、接合材メニスカスの被覆距離δが小さくなったり、接合層の厚みが0.01mm未満になったりし、接合層を十分に被覆できず気密性が低下し、接合強度も不十分となる。
熱処理時の荷重は5.0〜100g/cm2であるのが好ましく、荷重が5.0g/cm2未満であると、接合材の密着性が悪くなって気密性が低下し、100g/cm2を超えると接合層の厚さを0.01mm以上とすることが困難となるだけでなく、セラミックス部材が荷重により塑性変形し、未接合部が形成されてしまう虞がある。
このような条件で製造された本発明のセラミックス接合体は、接合層に内部欠陥が存在せず、接合部が接合材メニスカスにより所定形状で被覆されることにより、高い気密性を発現する。よって、本発明のセラミックス構造体は、半導体製造装置や液晶製造装置などの精密機器用部材として、ステージ部材、テーブル、ガイドレール等、あるいは一般構造用部材として、その駆動源がサーボモータ、リニアモータ、超音波モータ等であるステージ、ガイド材、治具等に用いることが可能であり、構造体中の中空部が優れた気密性を有しているため、冷却媒体として、冷却水やHeガス等を流入させることができる。
以下、本発明の実施例と比較例を具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
(1)セラミックス接合体の作成
基板部材(部材1)として、形状100mm×100mm×10mmのアルミナ焼結体を1枚、リブを付与した部材(部材2)として、形状100mm×100mm×20mmに、幅10mmのリブが田の字に配置されるように、形状35mm×35mm×10mmのザグリ溝を、マシニング加工により設けたアルミナ焼結体を1枚作製した。各焼結体の接合面を、平面研削加工により、平面度を10μm、表面粗さを0.3μmとした。
接合材として、アルミナ、シリカ、カルシアを用い、それぞれ重量比20:40:40でボールミル混合後、乾燥粉砕した複合粉末を作製した。この複合粉末に対して、バインダーとしてポリビニルアルコール30重量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを20%投入し、遊星ミル混合機により撹拌、混合することで、接合材をペースト状とした。
次に、接合材を部材1の接合面に、#100のスクリーン版を用いて印刷し、各接合面を合わせ、電気炉にて、大気中、1350℃、3時間の熱処理を行った。尚、接合体は、側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δ、接合層厚みtにおいて、接合材の印刷厚さおよび熱処理時に付加する荷重を制御することによって、tを0.02〜0.20mm、δ/tを0.5〜10となるようした。
このようにして、中空構造を有するアルミナ部材からなるセラミックス接合体を作成した。
(2)評価
得られた接合体の接合層厚みtと側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δの計測は、接合体を接合面に対して垂直に切断し、その断面を光学顕微鏡により観察することに行った。
また、得られた中空構造を有するアルミナ部材からなる接合体の気密性の評価は、Heリーク量を測定して行った。Heリーク量の測定は、ボンビング法(JIS−Z2230準拠)により、Heリーク検知機(日電アネルバ製:ASM 151 TURBO)を用いて行った。リーク量の評価結果を、δ/tの計算値とともに表1にまとめて示した。
ここで、No.1のリーク量の測定値において、1.2×10-6を1.2E-6と略記した。以下のリーク量の測定値においても同様な略記を行った。
Figure 0004870454
(実施例2)
中空構造を有するセラミックス接合体を構成する部材の材質として、表2に示したようにイットリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナを用いて、実施例1で作製した部材1および部材2と同形状の部材を作製した。
中空構造を有するセラミックス接合体は、部材1と部材2の各部材が同一材質としたイットリア接合体、炭化ケイ素接合体、窒化ケイ素接合体を、各材質に適した接合処理により作製した。また、イットリアと熱膨張係数が比較的近似しているアルミナを部材1、イットリアを部材2としたアルミナ−イットリア接合体も作製した。
実施例1と同様に、各接合体は、側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δ、接合層厚みtにおいて、接合材の印刷厚さおよび熱処理時に付加する荷重を制御することによって、tを0.10〜0.20mm、δ/tを0.5〜10となるようにした。
得られた中空構造を有するセラミックス接合体は、気密性の評価として、実施例1と同様の方法でHeリーク量を測定した。リーク量の評価結果を、δ/tの計算値とともに、表2にまとめて示した。
Figure 0004870454
(比較例1)
中空構造を有するセラミックス接合体の材質として、アルミナを用いて、実施例1と同様の方法でアルミナ部材からなる接合体を作製した。尚、接合体は、側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δ、接合層厚みtにおいて、接合材の印刷厚さおよび熱処理時に付加する荷重を制御することによって、tを0.02〜0.20mm、δ/tを0〜0.5、10〜20となるようにした。
得られた中空構造を有するセラミックス接合体は、気密性の評価として、実施例1と同様の方法でHeリーク量を測定した。リーク量の評価結果を、δ/tの計算値とともに、表3にまとめて示した。
Figure 0004870454
(比較例2)
中空構造を有するセラミックス接合体の材質として、イットリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナを用いて、実施例1で作製した部材1および部材2と同形状の部材を作製した。
中空構造を有するセラミックス接合体は、部材1と部材2の各部材が同一材質としたイットリア接合体、炭化ケイ素接合体、窒化ケイ素接合体を、各材質に適した接合処理により作製した。また、イットリアと熱膨張係数が比較的近似しているアルミナを部材1、イットリアを部材2としたアルミナ−イットリア接合体も作製した。
尚、接合体は、側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δ、接合層厚みtにおいて、接合材の印刷厚さおよび熱処理時に付加する荷重を制御することによって、tを0.02〜0.20mm、δ/tを0〜0.5、10〜15となるようにした。 得られた中空構造を有するセラミックス接合体は、気密性の評価として、実施例1と同様の方法でHeリーク量を測定した。リーク量の評価結果を、δ/tの計算値とともに、表4にまとめて示した。
Figure 0004870454
ここで、JISの規定によれば、気密性の合否判定は、Heリーク量が1×10-4atm・cc/sec以上となる接合体は不合格とされている。
したがって、この規定に従い、実施例と比較例のセラミックス接合体について、合否判定を行うと、接合層厚みtと接合材メニスカスの被覆距離δとの比率δ/tが、本発明の範囲内である実施例1および実施例2のセラミックス接合体は、Heリーク量が10-6〜10-10atm・cc/secと十分な気密性を有しており合格であった。
それに対して、δ/tが本発明の範囲外である比較例3および比較例4では、Heリーク量が1×10-4atm・cc/sec以上と大きくなっており、十分な気密性が得られず不合格であった。
以上説明したように、本発明によれば、セラミックス部材の接合面同士が、該セラミックス部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合されてなる中空構造のセラミックス接合体であって、前記接合層は接合面に垂直な方向に0.01〜0.2mmの厚みtを有しており、一方の接合面に隣接する側壁面と他方の接合面に隣接する平面で形成される、中空部に面した角隅部が凹状曲面の接合材メニスカスにより被覆されており、前記側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δと、接合層厚みtの比δ/tを0.5以上10以下とすることで気密性に優れた中空構造セラミックス接合体を作製することができた。
(a)本発明の一実施例を示すセラミックス接合体1の斜視図。(b)A−A線断面図。 X部の拡大図である。 (a)本発明の他の実施例を示すセラミックス接合体2の斜視図。(b)B−B線断面図。
符号の説明
1,2:セラミックス接合体
11,21,22:基板
12:リブを付与した部材
23:リブ
13,24:接合材
11a,12a:接合面
11b:平面部
12b:側壁面
12c:角縁部
13a:接合層
13b:接合材メニスカス面
13c:角縁部との最短部

Claims (1)

  1. セラミックス部材の接合面同士が、該セラミックス部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合されてなる中空構造を有するセラミックス接合体であって、前記接合層は接合面に垂直な方向に0.01〜0.2mmの厚みtを有しており、かつ、一方の接合面に隣接する側壁面と他方の接合面に隣接する平面で形成される、中空部に面した角隅部が凹状曲面の接合材メニスカスにより被覆されており、かつ、前記側壁面の角縁部から接合材メニスカス面上の最短部までの距離δと、接合層厚みtとの比δ/tが0.5以上10以下であることを特徴とする中空構造を有するセラミックス接合体。
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