JP2005239453A - セラミックス構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合強度の優れたセラミックス構造体を提供する。
【解決手段】本発明のセラミックス構造体1は、同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が、セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合され、中空箱型の構造となっており、この接合材は、接合面に対して垂直方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において接合面に平行な幅方向に突出するとともに接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下であり、接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtとの比δ/tが0.5以上5以下となっている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のセラミックス構造体1は、同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が、セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合され、中空箱型の構造となっており、この接合材は、接合面に対して垂直方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において接合面に平行な幅方向に突出するとともに接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下であり、接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtとの比δ/tが0.5以上5以下となっている。
【選択図】 図2
Description
本発明は同一の材質からなるセラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合されたセラミックス構造体に関する。
セラミックスは軽量、高剛性、高強度、高硬度という特徴を有し、また、耐熱性、耐食性に優れているという特性を生かし、構造部材・耐摩耗部材・耐食部材として広く用いられており、その期待も高い素材である。
セラミックスを構造部材として用いる場合、軽量化を求められることが多く、その実現のため、中実のセラミックス構造体から不必要な部分を成形や切削や研削により除去し、肉抜きの構造体とする方法が知られている。しかし、中空部が複雑な形状のセラミックス構造体を製造する場合には、上記方法による成形が困難なため、複数のセラミックス部材を別個に製造しこれを接合する方法が採用されている。
セラミックスを構造部材として用いる場合、軽量化を求められることが多く、その実現のため、中実のセラミックス構造体から不必要な部分を成形や切削や研削により除去し、肉抜きの構造体とする方法が知られている。しかし、中空部が複雑な形状のセラミックス構造体を製造する場合には、上記方法による成形が困難なため、複数のセラミックス部材を別個に製造しこれを接合する方法が採用されている。
このような接合方法として、鋳込み成形により形成された未焼成のセラミック成形体同士の突合せ面に、セラミック成形体と同種のスラリーを塗布し押付け、乾燥する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、仮焼成体同士を同一組成の泥しょうで接合一体化し、再度焼成する方法も知られ、この方法により製造されたセラミックス構造体として、接合部が接合面より外方に膨らむとともに、接合面に隣接する側壁を被覆するような形状になったものが知られている(特許文献2参照)。
特公平7−88005号公報
特開平2−279570号公報
また、仮焼成体同士を同一組成の泥しょうで接合一体化し、再度焼成する方法も知られ、この方法により製造されたセラミックス構造体として、接合部が接合面より外方に膨らむとともに、接合面に隣接する側壁を被覆するような形状になったものが知られている(特許文献2参照)。
このように、接合しようとするセラミックス部材と実質的に同材質の接合材を用いて接合することが知られ、また接合部として、接合面より外方に膨らむとともに、接合面に隣接する側壁を被覆するような形状のものも知られているが、従来のセラミックス構造体ではまだまだ満足のいく接合強度が得られておらず、また接合強度の向上のために接合部の形状に着目されることもなかった。
本発明は叙情の事情に鑑みてなされたもので、接合強度の優れたセラミックス構造体を提供することを目的とする。
本発明は叙情の事情に鑑みてなされたもので、接合強度の優れたセラミックス構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、接合強度について種々の検討をしていたところ、接合材(接合部)の厚みと、接合材のセラミックス部材接合面からの突出距離と、接合材のセラミックス部材接合面に隣接する側壁を被覆する被覆距離がある一定の関係を有するときに優れた接合強度を示すことを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が該セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合されてなる中空構造のセラミックス構造体であって、前記接合材は前記接合面に垂直な方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において、前記接合面に対して平行な幅方向に突出するとともに前記接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、前記接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下、前記接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtの比δ/tが0.5以上5以下であることを特徴とするセラミックス構造体である。
ここで、セラミックス部材および接合材は、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、SiO2系ガラスセラミックスの群から選ばれる1つであるのが好ましい。
そして、本発明のセラミックス構造体は、セラミックス部材として、基板と、該基板と対向する天板と、該基板および天板の間に配置されたリブを含んでなり、リブは基板及び/又は天板の周囲に接合材を介して取り付けられて外壁を構成し、基板及び天板の厚みがリブの幅の50%以上150%以下である構造のものとして好ましく採用できる。
ここで、セラミックス部材および接合材は、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、SiO2系ガラスセラミックスの群から選ばれる1つであるのが好ましい。
そして、本発明のセラミックス構造体は、セラミックス部材として、基板と、該基板と対向する天板と、該基板および天板の間に配置されたリブを含んでなり、リブは基板及び/又は天板の周囲に接合材を介して取り付けられて外壁を構成し、基板及び天板の厚みがリブの幅の50%以上150%以下である構造のものとして好ましく採用できる。
本発明のセラミックス構造体によれば、接合材が、中空部に面する70%以上の接合領域においてその厚みとの関係で、セラミック部材接合面の外周よりも所定比率だけ突出し、セラミック部材の接合面に隣接する側壁を所定比率だけ被覆する形状になっているため、応力集中を緩和するとともに界面にクラックが生じにくくなり、接合強度、特に曲げ強度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明のセラミックス構造体1は、同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が、セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合され、中空箱型の構造となっており、この接合材は、図2に示すように、接合面に対して垂直方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において接合面に平行な幅方向に突出するとともに接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下であり、接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtとの比δ/tが0.5以上5以下となっている。
図1に示す本発明のセラミックス構造体1は、同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が、セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合され、中空箱型の構造となっており、この接合材は、図2に示すように、接合面に対して垂直方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において接合面に平行な幅方向に突出するとともに接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下であり、接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtとの比δ/tが0.5以上5以下となっている。
図1(a)に示すセラミックス構造体1は中空箱型状の構造体であり、図1(b)に示すように、セラミック部材としての基板11と、基板11に対向する天板12と、基板11と天板12の間に田型(図示しない)に配置されたリブ13と、これらの部材を接合する接合材14から構成される。ここで、セラミックス部材(基板11、天板12、リブ13)の材質としては、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、SiO2系ガラスセラミックス等が挙げられるが、特に限定はされない。また、焼結助剤は適宜決定され、主成分に少量の不純物が含まれていてもよい。
図1(b)のX部の拡大図を図2に示すように、接合材14は、リブ13の接合面131に対し垂直方向に0.05〜0.5mmの厚みt(基板11とリブ13の接合面間の距離と同一)を有している。接合材14の厚みtが0.05mm未満の場合は塗布量が少なく接合が不十分となって接合強度が低下してしまい、0.5mmを越える場合は接合材中の内部欠陥による影響が大きくなり接合強度の低下が生じてしまう。なお、内部欠陥とは、ボイド、接合材の塗りむら、空気の巻き込み等により発生する未接合部分をいう。
そして、接合材14はリブ13の接合される端面(接合面131)の外周よりも外方に膨らんで突出しているとともに、リブ13の接合面131に隣接する側壁132を被覆するように形成されている。このように形成された接合材14の最大突出部位とリブ13の接合面131外周との距離、即ち図2に示す突出距離wは、上述の接合材の厚みtとの関係において、w/tが2以上10以下となるように決定される。w/tが2未満であると接合強度が低下しリブ13を安定して基盤11に接合し続けることが困難となり、w/tが10を超えるとセラミックス部材と接合材との収縮率の差による影響が大きくなって界面にクラックが生じやすくなり、接合不良の原因となってしまう虞がある。また、接合材14がリブ13の接合面131に隣接する側壁132を被覆する距離、即ち図2に示す被覆距離δは、上述の接合材の厚みtとの関係において、δ/tが0.5以上5以下となるように決定される。δ/tが0.5未満であると、界面にクラックが生じやすくなり、接合不良の原因となってしまう虞があり、δ/tが5を超えてもそれほど強度向上に影響せず、むしろこのような形状にするためには接合材の粘度を低下させなければならなくなりこれにより接合強度が低下するという問題がある。
なお、図1(b)においては、接合材14がセラミックス構造体1の外壁から突出するように示されているが、最終的にこの外壁から突出する部分は研削、研磨などにより取り除かれる(図示しない)。さらに、図1(b)では、便宜上接合材14がすべての箇所において均等に接合面から突出し接合面に隣接する側壁を被覆しているが、実際はばらつきがあって、均等にはなっていない。本発明においては、セラミックス構造体1の中空部に面する接合領域(外壁側の取り除かれる部分ではない領域)の70%以上において、接合材14は接合面131に平行な幅方向に突出するとともに接合面131に隣接する側壁132を被覆するように形成されており、w/tが2以上10以下、δ/tが0.5以上5以下を満たしている。70%未満であると接合強度が低下するため、70%以上である必要があり、さらに好ましくは80%以上である。このように、接合材14が突出する形状は、セラミックス構造体1の中空部に接する領域であって外側から見えることはないので、デザイン的に問題となることはない。
接合材14の材質は、熱膨張差に起因する接合不良がほとんどないように、接合されるセラミックス部材(基板11、天板12、リブ13)と実質的に同材質で構成される。特に、接合材14は、セラミックス部材(基板11、天板12、リブ13)と実質的に同材質からなる粉体とバインダーが溶媒に混合されてなるスラリーが焼成されたものであるのが好ましい。ここで、接合材14の材質がセラミックス部材と実質的に同材質とは、セラミックス部材の前駆体である成形体の構成原料粉体と接合材14の構成原料粉体における主成分が同一であればよいことを意味するが、焼結助剤、不純物などを含めた組成が同一であるのが好ましい。また、バインダーとしてはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニールブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ワックスエマルジョン等を用いるのが好ましく、溶媒としては水、アルコール、その他有機溶剤等を用いればよい。
接合材14としてスラリーが焼成されたものを採用した場合、この接合材14の形状は粉体充填率と加圧荷重などを調整しながら設定される。セラミックス部材と同材質からなる粉体は、スラリー全体に対し20〜55体積%の比率で混合されるのが好ましい。粉体の量がスラリー全体に対し20体積%未満であると、焼成後の密度が低くクラックができて接合強度の低下を引き起こすとともに、w/tの値を2以上とすることが困難となってしまう。また、粉体の量がスラリー全体に対し55体積%を超えると、スラリーの粘度が高くなり過ぎて接合面に均質にスラリーを塗布することができず接合強度の低下を引き起こすとともに、δ/tの値を0.5以上とすることが困難となってしまう。なお、本願のセラミックス構造体を製造するために適当なスラリー粘度としては10〜100Pa・sが好ましく、粉体をスラリー全体に対し20〜55体積%の比率で混合することにより、上記範囲の良好なスラリー粘度を得ることができる。また、加圧荷重は1.0〜5.0g/mm2であるのが好ましい。加圧荷重が1.0g/mm2未満であると、接合材の密着性が悪いために、乾燥、焼成後に接合材に密度差を生じてしまう可能性があり、5.0g/mm2を超えるとセラミック部材が破損してしまう可能性があるからである。
このような条件で製造された本発明のセラミックス構造体は、接合材の厚み方向に40μm以上の内部欠陥が存在しない領域が、接合面の面積の総和に対して70%以上となるため、良好な接合強度を得ることができる。この接合材の厚み方向で40μm以上の内部欠陥が存在しないことは、超音波探傷装置(日本クラウトクレーマー社製、HIS−2)を用いて超音波探傷法により測定することができ、セラミックス構造体に入射させた超音波の入力強度に対し、接合材で反射された超音波のエコー強度が10%未満となった部分が40μm以上の内部欠陥が存在しないことに該当する。
また、図1に示すセラミックス構造体1の他、図3に示すように、基板21と、天板221とリブ222が予め一体に成形された上部材22とを、接合材23で接合したセラミックス構造体2も採用できる。
さらに、図4に示すように、基板311とリブ312からなる下部材31と、天板321とリブ322からなる上部材32とを、接合材33で接合したセラミックス構造体3も採用でき、この形状は特に大きなリブ高さを要する場合に適している。そして、図4(b)のY部の拡大図を図5に示すように、接合材33の横断面形状は略きのこ状になっている。
さらに、図4に示すように、基板311とリブ312からなる下部材31と、天板321とリブ322からなる上部材32とを、接合材33で接合したセラミックス構造体3も採用でき、この形状は特に大きなリブ高さを要する場合に適している。そして、図4(b)のY部の拡大図を図5に示すように、接合材33の横断面形状は略きのこ状になっている。
図1〜図5に示す構造では、セラミックス構造体の剛性を高めるために、周辺部にリブを設けるとともに内部にもリブを設けちょうど田型に配置されているが、さらに複雑な構造のリブを設けてもよく、内部にリブを設けない箱型の構造体であってもよい。また、本例のような直方体形状に限られるものではなく、中空のものであれば種々の形状が採用可能である。さらに、軽量化、中空部とセラミックス構造体の外部とに跨った部品の配置、あるいは中空部に配置された部品を保持または連結等のために、上記セラミックス構造体の外壁に肉抜きを形成してもよいし、貫通孔を形成してもよい。
なお、セラミックス構造体上の積載物による荷重、あるいは周辺機器に固定する際に生じる荷重などを考慮し、その用途により基板及び天板の厚み、リブ幅が決定されるが、基板及び天板の厚みがリブ幅の50%以上150%未満であるのが好ましい。
なお、セラミックス構造体上の積載物による荷重、あるいは周辺機器に固定する際に生じる荷重などを考慮し、その用途により基板及び天板の厚み、リブ幅が決定されるが、基板及び天板の厚みがリブ幅の50%以上150%未満であるのが好ましい。
以上のようにして得られた本発明のセラミックス構造体は、半導体製造装置や液晶製造装置などの精密機器用部材として、ステージ部材、支持支柱、テーブル、ガイドレール、スライダー、計測用部材等、あるいは一般構造用部材として、その駆動源がサーボモータ、リニアモータ、超音波モータ等であるステージ、繊維用ガイド材、治具等に用いることが可能である。特に、より軽量化が求められるステージ部材やガイド部材として好適に用いることができ、このとき熱膨張係数の低いコージェライト質セラミックス材料が好適に用いられる。さらに、接合材としてセラミックス部材と実質的に同材質の接合材を用いることによって、接合部を含むセラミックス構造体全体の熱膨張係数を同一に保つことができるため、精密機器用部材として好適である。
次に、本発明のセラミックス構造体を得るための製造方法について説明する。
先ず、セラミックス部材の前駆体となる未焼成セラミックス成形体を種々の成形法を用いて成形する。特に大型の成形体を作製する場合には、静水圧プレス(コールドアイソスタティックプレス、以下CIPと記載。)成形装置により粉体を成形した後、切削加工等により所定形状とするのがより好ましい。ここで、成形体表面は切削加工等により、平面度を3次元測定器による測定値が50〜100μm、表面粗さRaを面粗さ測定器による測定値が1.0〜2.0μmとするのが好ましい。なお、上記面粗さ測定器で測定する際、成形体に損傷を及ぼさないためには触針の触針径は0.3mmとするのがより好ましい。
先ず、セラミックス部材の前駆体となる未焼成セラミックス成形体を種々の成形法を用いて成形する。特に大型の成形体を作製する場合には、静水圧プレス(コールドアイソスタティックプレス、以下CIPと記載。)成形装置により粉体を成形した後、切削加工等により所定形状とするのがより好ましい。ここで、成形体表面は切削加工等により、平面度を3次元測定器による測定値が50〜100μm、表面粗さRaを面粗さ測定器による測定値が1.0〜2.0μmとするのが好ましい。なお、上記面粗さ測定器で測定する際、成形体に損傷を及ぼさないためには触針の触針径は0.3mmとするのがより好ましい。
次に、接合材としてのスラリーを作製する。このスラリーは、粉体とバインダーとを溶媒に投入し、万能混合機により真空脱泡しながら撹拌、混合して作製する。
そして、スラリーをセラミックス成形体の接合面に塗布し、セラミック成形体同士を接合面にて当接させた後、加圧・乾燥する。なお、スラリーの塗布は、接合する2つのセラミックス成形体の両方の接合面に塗布しても良いし、片方のセラミックス成形体の接合面に塗布してもよく、焼成による収縮率を考慮して塗布される。また、加圧荷重は、好ましくは1.0〜5.0g/mm2で設定される。また、上記乾燥は室温で10時間以上乾燥させるのが良く、10時間より短い乾燥時間であるとスラリー中の溶媒が蒸発しきれておらず、焼成時にそれらが急激に気化し、接合材とセラミックス成形体の収縮差により界面にクラック等の欠陥が生じるため好ましくない。
最後に、72〜96時間の脱脂工程を経た後、大気中または真空中にて1300〜1700℃の温度で4〜5時間焼成することで、本発明のセラミックス構造体を得ることができる。
そして、スラリーをセラミックス成形体の接合面に塗布し、セラミック成形体同士を接合面にて当接させた後、加圧・乾燥する。なお、スラリーの塗布は、接合する2つのセラミックス成形体の両方の接合面に塗布しても良いし、片方のセラミックス成形体の接合面に塗布してもよく、焼成による収縮率を考慮して塗布される。また、加圧荷重は、好ましくは1.0〜5.0g/mm2で設定される。また、上記乾燥は室温で10時間以上乾燥させるのが良く、10時間より短い乾燥時間であるとスラリー中の溶媒が蒸発しきれておらず、焼成時にそれらが急激に気化し、接合材とセラミックス成形体の収縮差により界面にクラック等の欠陥が生じるため好ましくない。
最後に、72〜96時間の脱脂工程を経た後、大気中または真空中にて1300〜1700℃の温度で4〜5時間焼成することで、本発明のセラミックス構造体を得ることができる。
CIP成形装置により粉体を成形後、切削加工し、図4に示すセラミックス構造体3の上部材12となるセラミックス成形体と、下部材11となるセラミックス成形体とを各材質毎に準備した。ここで、上記セラミックス成形体の材質は、ヤング率がそれぞれ300GPa、130GPa、80GPaであるアルミナ質セラミックス、コージェライト質セラミックス及びSiO2系ガラスセラミックスの3材質とした。
次に、上記セラミックス成形体と同材質の粉体を3種類準備し、これら粉体とポリビニルアルコールとを溶媒である水に投入し、万能混合攪拌機により混合して、粘度15〜70Pa・sのスラリーとした。さらに、このスラリーを真空脱泡装置より、泡がなくなるまで脱泡させた。
このスラリーを上記成形体の接合面に塗布し、セラミックス成形体の接合面同士を当接させ、加圧・5時間乾燥させた後、表1に示す熱処理条件を用いて熱処理することにより、セラミックス成形体同士を接合し、基板311、天板321とも長さ500mm、幅500mm、厚み3mm、リブ厚み10mm、リブ高さ50mmとなる構造体を得た。
そして、接合部を挟んで3mm×4mm×40mmの抗折試験片を切り出し、これをJIS R 1601(1995)の4点曲げ強度法に準拠して曲げ強度を測定し、これを接合強度とした。結果を表1に示す。
次に、上記セラミックス成形体と同材質の粉体を3種類準備し、これら粉体とポリビニルアルコールとを溶媒である水に投入し、万能混合攪拌機により混合して、粘度15〜70Pa・sのスラリーとした。さらに、このスラリーを真空脱泡装置より、泡がなくなるまで脱泡させた。
このスラリーを上記成形体の接合面に塗布し、セラミックス成形体の接合面同士を当接させ、加圧・5時間乾燥させた後、表1に示す熱処理条件を用いて熱処理することにより、セラミックス成形体同士を接合し、基板311、天板321とも長さ500mm、幅500mm、厚み3mm、リブ厚み10mm、リブ高さ50mmとなる構造体を得た。
そして、接合部を挟んで3mm×4mm×40mmの抗折試験片を切り出し、これをJIS R 1601(1995)の4点曲げ強度法に準拠して曲げ強度を測定し、これを接合強度とした。結果を表1に示す。
表1からわかるように、本発明の範囲内であるセラミックス構造体から切り出した試験片No.3〜4、8〜10、12〜13、17〜21、25〜29のいずれにおいても、接合材の強度は、セラミックス部材であるバルク体の強度と同等以上となっており、良好な接合状態が得られている。
一方、本発明の範囲外である構造体から切り出した試験片No.1、2、5〜7、11、14〜16、22〜24、30においては、接合強度がセラミックス部材であるバルク体よりも低下しており、荷重に対して接合材部分から破壊を起こしやすく、構造体の信頼性が低下している。
一方、本発明の範囲外である構造体から切り出した試験片No.1、2、5〜7、11、14〜16、22〜24、30においては、接合強度がセラミックス部材であるバルク体よりも低下しており、荷重に対して接合材部分から破壊を起こしやすく、構造体の信頼性が低下している。
1,2,3 :セラミックス構造体
11,21,311 :基板
12,221,321 :天板
22,32 :上部材
31 :下部材
13,222,312,322:リブ
131 :接合面
132 :側壁
14,23,33 :接合材
11,21,311 :基板
12,221,321 :天板
22,32 :上部材
31 :下部材
13,222,312,322:リブ
131 :接合面
132 :側壁
14,23,33 :接合材
Claims (3)
- 同一の材質からなるセラミックス部材の接合面同士が該セラミックス部材と実質的に同材質の接合材を介して接合されてなる中空構造のセラミックス構造体であって、
前記接合材は前記接合面に垂直な方向に0.05〜0.5mmの厚みtを有し、中空部に面する70%以上の接合領域において前記接合面に平行な幅方向に突出するとともに前記接合面に隣接する側壁を被覆するように形成されており、
前記接合材の接合面からの突出距離wと厚みtとの比w/tが2以上10以下、前記接合材の接合面からの被覆距離δと厚みtの比δ/tが0.5以上5以下であることを特徴とするセラミックス構造体。 - 前記セラミックス部材および接合材が、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、SiO2系ガラスセラミックスの群から選ばれる1つからなる請求項1に記載のセラミックス構造体。
- 前記セラミックス部材として、基板と、該基板と対向する天板と、該基板および天板の間に配置されたリブを含んでなり、
該リブは基板及び/又は天板の周囲に接合材を介して取り付けられて外壁を構成し、前記基板及び天板の厚みがリブの幅の50%以上150%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックス構造体。
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JP (1) | JP2005239453A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015224173A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | 京セラ株式会社 | コージェライト接合体 |
JP2020138877A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 京セラ株式会社 | 半導体製造装置用部材およびその製造方法 |
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2004
- 2004-02-24 JP JP2004048440A patent/JP2005239453A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015224173A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | 京セラ株式会社 | コージェライト接合体 |
JP2020138877A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 京セラ株式会社 | 半導体製造装置用部材およびその製造方法 |
JP7181123B2 (ja) | 2019-02-27 | 2022-11-30 | 京セラ株式会社 | 半導体製造装置用部材およびその製造方法 |
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