JP7181123B2 - 半導体製造装置用部材およびその製造方法 - Google Patents

半導体製造装置用部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、半導体製造装置用部材およびその製造方法に関する。
複数のセラミック焼結体や複数のセラミック成形体同士を一体化して得られるセラミック接合体は、接合部分が接合していない部分よりも機械的強度が低くなる傾向がある。
特許文献1には、セラミック焼結体同士の間に接合材を介在させて、圧力を加えながら熱処理することで、セラミック焼結体同士の間の接合層の気孔割合を3~30%に制御することで、接合体の変形を抑制し、接合体の強度をセラミック焼結体の25~80%の範囲で制御できることが記載されている。
また、特許文献2には、複数のセラミック成形体同士を接合する技術が開示され、セラミック成形体同士の接合領域に溝を設け、その接合領域にスラリーを付着させ、焼成することで高い接合率を有するセラミック接合体が得られ、このセラミック接合体は半導体製造装置の構成部品に適用されうることが記載されている。
特開2014-65631号公報 特開2015-48272号公報
セラミック焼結体あるいはセラミック成形体同士を接合するとき、接合領域からはみ出したスラリーが焼成されて、接合領域に位置する接合層よりも突出した凸部が形成されるが、管状の内部などセラミック接合体の内部に凸部が位置するときには、除去をすることができない場合がある。また、この凸部は、焼成後に加工により除去しようとするとコストが増加する。
そして、この凸部は、被接合体を合わせるときに圧力がかからず、また、予め、接合領域に溝を設けても、その影響が及ばないため、凸部には大きな閉気孔が形成されやすい。この大きな閉気孔が破壊源となって接合層に亀裂が及ぶと接合が解け、セラミック接合体の信頼性が低下する。
本開示は、接合領域に位置する接合層よりも突出した凸部を有する場合であっても信頼性に優れたセラミック接合体からなる半導体製造装置用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本開示の半導体製造装置用部材は、外部に連通する第1流路を備えてなるセラミックスからなる第1本体部と、前記第1流路に連通する第2流路を備えてなるセラミックスからなる第2本体部と、前記第1本体部と前記第2本体部との間に位置する、セラミックスからなる第1接合層と、該第1接合層に繋がるセラミックスからなる第1凸部と、を有するセラミック接合体からなり、前記第1本体部、前記第2本体部、前記第1接合層および前記第1凸部が、酸化アルミニウム、酸化イットリウムまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットを主成分とした緻密質のセラミックスであり、前記第1凸部の閉気孔の平均径が、前記第1本体部および前記第2本体部のそれぞれの閉気孔の平均径の0.8倍以上1.5倍以下である。
また、本開示の半導体製造装置用部材の製造方法は、上記半導体製造装置用部材の製造方法であって、酸化アルミニウム、酸化イットリウムまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットを主成分とする粉末と樹脂とを含む第1成形体と、前記第1成形体に含まれる主成分と同じ成分を主成分とする粉末と樹脂とを含有する第2成形体とを準備する工程と、前記第1成形体に含まれる主成分と同じ成分を主成分とする粉末と非イオン性水溶性ポリマーおよびセルロース系多糖類の少なくともいずれかと溶媒とを含有するペーストを準備する工程と、前記第1成形体および前記第2成形体のいずれかの表面に前記ペーストを存在させる工程と、前記第1成形体と前記第2成形体との間である接合領域から前記ペーストが突出するように前記第1成形体および前記第2成形体を合わせて複合成形体とする工程と、前記複合成形体を焼成することによって、前記第1成形体を前記第1本体部に、前記第2成形体を前記第2本体部に、前記接合領域の前記ペーストを前記第1接合層に、および前記接合領域から突出した前記ペーストを前記第1凸部にする工程とを、有する。
本開示の半導体製造装置用部材の一例である吸着部材を示す、(a)は斜視図、(b)はAA’線における断面図、(c)は(b)のB部を拡大した断面図である。 本開示の半導体製造装置用部材の他の例であるガスノズルが装着された成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2のガスノズルを示す、(a)は斜視図、(b)はCC’線における断面図、(c)は(b)のD部を拡大した断面図である。 本開示の半導体製造装置用部材の他の例であるシャワーヘッドの一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のEE’線における断面図である。 図1に示す吸着部材の製造工程を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本開示の半導体製造装置用部材について詳細に説明する。ただし、本明細書の全図において、混同を生じない限り、同一部分には同一符号を付し、その説明を適時省略する。
図1は、本開示の半導体製造装置用部材の一例である吸着部材を示す、(a)は斜視図、(b)はAA’線における断面図、(c)は(b)のB部を拡大した断面図である。
吸着部材1は、例えば、半導体ウェハ、ガラス基板等の被処理物2をバックグラインド(裏面研削)あるいはポリッシングするために被処理物2(図1(a)では図示しない)を吸着して保持する真空チャックである。この吸着部材1は、上面に開口した凹部3を有する緻密質のセラミックスからなる板状の本体部4と、凹部3に収容された多孔質のセラミックスからなる吸着部5とを備え、被処理物2は凹部3から空気を外部に排出することによって吸着部5に吸着保持される。吸着部5は、ガラス状の結合層(図示しない)によって本体部4に固定されている。
本体部4は、被処理物2を冷却する機能を有する。緻密質のセラミックスは、例えば、主成分が酸化アルミニウム、酸化イットリウム、イットリウム・アルミニウム・ガーネット、コージェライトまたは炭化珪素であるセラミックスである。
多孔質のセラミックスは、例えば、緻密質のセラミックスの主成分と同じ成分である複数のセラミック粒子と、このセラミック粒子同士を結合するガラスとからなり、セラミック粒子間に気孔を有する。
ここで、本開示における主成分とは、セラミックスを構成する全成分の合計100質量%のうち、最も多い成分をいい、特に、60質量%以上、さらに90質量%以上であるとよい。各成分の同定はCuKα線を用いたX線回折装置で行い、各成分の含有量は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置により求めればよい。
また、本開示における緻密質とは、後述するセラミック接合体を構成する各部材の断面における閉気孔の面積比率が10%以下(0面積%を除く)である状態をいい、多孔質とは、緻密質以外の状態をいう。
本体部4は、外部に連通する第1流路6を備えてなるセラミックスからなる第1本体部4aと、第1流路6に連通する第2流路7を備えてなるセラミックスからなる第2本体部4bと、第1本体部4aと第2本体部4bとの間に位置する、セラミックスからなる第1接合層4cと、第1接合層4cに繋がるセラミックスからなる第1凸部4dと、を有するセラミック接合体からなる。第1本体部4aは、平面方向(XY方向)に沿った細長形状の冷却用流路8を備えており、純水などの液体、気体等の冷却用流体が冷却用流路8を流れることにより、被処理物2を冷却することができる。冷却用流路8は、本体部4の外周面または下面に開口した流入口および流出口(いずれも図示しない)を有する。冷却用流体は、流体供給手段(図示しない)から流入口を介して冷却用流路8に供給され、冷却用流路8から流出口を介して流体供給手段に排出されることによって、冷却用流体を冷却用流路8に循環させることができる。
冷却用流路8は、第1本体部4aの平面方向に沿って形成されているため、冷却用流体は第1本体部4aの平面方向に沿って流れる。したがって、吸着部5を介して、被処理物2は比較的均一に冷却され、被処理物2を研磨しても体積膨張しにくい状態にされているので、被処理物2を精度よく研磨することができる。なお、冷却用流路8の形状は、第1本体部4aの平面方向に沿って細長形状にされていれば良く、例えば、渦巻き状やミアンダ状に形成することができる。ここで、冷却用流路8の高さ(Z方向)は、例えば、2mm以上8mm以下である。また、冷却用流路8の長手方向に垂直であるとともに平面方向(XY平面)に沿った幅は、例えば、2mm以上8mm以下である。
第1流路6は、第2流路7を介して第1流路6に接続した排気手段(図示せず)によって凹部3内の空気を排出し、被処理物2の吸着用流路として機能する。第1流路6は、第1本体部4aの下面で開口しており、第2流路7は、凹部3の底面に開口している。
ここで、第2流路7は、第2本体部4bを厚み方向に貫通する貫通孔7aと、貫通孔7aおよび吸着部5の双方に連通する吸着溝7bとを備えている。また、冷却用流路8は、第1流路6および第2流路7いずれともつながっておらず、独立した流路である。
以上、吸着部材1をバックグラインド(裏面研削)あるいはポリッシングするために被処理物2を吸着して保持する真空チャックの例で説明したが、吸着部材1は、半導体ウェハの露光工程、エッチング工程または成膜工程などの他の半導体製造工程に用いても構わないし、FPD製造工程に用いても構わない。
図2は、本開示の半導体製造装置用部材の他の例であるガスノズルが装着された成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。
図3は、図2のガスノズルを示す、(a)は斜視図、(b)はCC’線における断面図、(c)は(b)のD部を拡大した断面図である。
図2に示す成膜装置11は、例えば、プラズマCVD法によって半導体ウェハ、ガラス基板等の被処理物12に成膜する装置である。成膜装置11は、成膜するための反応室13と、反応室13内に原料ガスを導入するガス導入管14と、反応室13内においてガス導入管14に接続されたガスノズル15と、反応室13内において被処理物12が載置される、内部電極16を備えた静電チャックなどの基板保持部17と、内部電極16が接続される反応室13の外部のバイアス電源18と、反応室13内にプラズマを生成するために反応室13の外部に設けられたコイル19および電源20とを備えている。このコイル19および電源20は、反応室13内に供給された原料ガスに放電を行なう放電手段を構成している。
被処理物12の上方では、ガスノズル15から供給された原料ガスが、コイル19および電源20からの放電によってプラズマ化され、被処理物12上に薄膜が形成される。例えば、被処理物12上に酸化ケイ素(SiO)の薄膜を形成するときは、シラン(SiH)ガス、アルゴン(Ar)ガスおよび酸素(O)ガス等の原料ガスが供給され、不要堆積物を除去するときは三フッ化窒素(NF)ガスまたはオクタフルオロプロパン(C)ガス等のクリーニングガスが供給される。
図3に示すガスノズル15は、ガスが流れる流路21を複数備えた円柱状であり、外部に連通する第1流路21aを備えてなるセラミックスからなる第1本体部15aと、第1流路21aに連通する第2流路21bを備えてなるセラミックスからなる第2本体部15bと、第1本体部15aと第2本体部15bとの間に位置する、セラミックスからなる第1接合層15cと、第1接合層15cに繋がるセラミックスからなる第1凸部15dと、を有するセラミック接合体からなる。流路21は、ガスが供給される供給口22とガスが排出される排出口23とを有する。図4に示すガスノズル15では、供給口22および排出口23は、それぞれ上面(端面S2)、下面(端面S1)に設けられている。第1本体部15aは、プラズマ空間Pに近い側に位置しており、第2本体部15bよりも外径が短い。
ガスノズル15は、端面S1および側面S3が反応室13内のプラズマに晒されるため、耐プラズマ性の観点からセラミックスを用いるとよく、特に、酸化アルミニウムよりも耐プラズマ性の高い成分を主成分とするセラミックスを用いるとよい。耐プラズマ性の高いセラミックスとしては、酸化イットリウムを主成分とするセラミックスを用いることができる。
ここで、第1本体部15aおよび第2本体部15bがいずれも酸化イットリウムを主成分とするセラミックスからなる場合には、耐プラズマ性が向上するため、ガスノズル15が腐食性ガスのプラズマに曝される環境下またはプラズマ密度の高い環境下で用いられたとしても、長期間に亘って用いることができる。この場合、第1本体部15aおよび第2本体部15b(第1本体部15aおよび第2本体部15bを合わせて、本体部15という。)は、各部材を構成する成分100質量%中、酸化イットリウムが99.9質量%以上であって、SiがSiO換算で300質量ppm以下、FeがFe換算で50質量ppm以下、AlがAl換算で100質量ppm以下、AE(AEは周期表第2族元素)がAEO換算で350質量ppm以下であるとよい。
図4は、本開示の半導体製造装置用部材の他の例であるシャワーヘッドの一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のEE’線における断面図である。
シャワーヘッド31は、半導体ウェハ等の被処理物を保持する保持部材(例えば、静電チャック等)の上方に配置され、被処理物に向けてプラズマ生成用ガスGを分配して供給する部材であり、例えば、半導体装置の製造工程で使用される薄膜形成装置(例えば、CVD装置)やエッチング装置(例えば、プラズマエッチング装置)に備えられている。
シャワーヘッド31は、上下方向(Z方向)に並べて配置された本体部(シャワープレート)32およびガス供給部33を備える。本体部32とガス供給部33とは、本体部32の上面とガス供給部33の下面とが上下方向に対向するように配置されている。
本体部32は、例えば、円板状の部材であり、例えば、直径が200mm以上500mm以下であり、厚さが5mm以上20mm以下である。
ガス供給部33は、例えば、セラミックスからなる円筒状の部材であり、例えば、外径が30mm以上90mm以下であり、内径が10mm以上60mm以下であり、軸方向の長さが50mm以上200mm以下である。
本体部32は、外部に連通する第1流路34aを備えてなるセラミックスからなる第1本体部32aと、第1流路34aに連通する第2流路34bを備えてなるセラミックスからなる第2本体部32bと、第1本体部32aと第2本体部32bとの間に位置する、セラミックスからなる第1接合層32cと、第1接合層32cに繋がるセラミックスからなる第1凸部32dと、を有するセラミック接合体からなる。
ガス供給部33は、第2本体部32bとの間に位置する、セラミックスからなる第2接合層35cによって固定され、ガス供給部33内の貫通孔33a側に第2接合層35cに繋がるセラミックスからなる第2凸部35dを備えている。
第2本体部32bの上面には、貫通孔33aと接続する連結口37が開口されている。
プラズマ生成用ガスGは、貫通孔33a、連結口37、第2流路34b、第1流路34aを順次介して薄膜形成装置やエッチング装置の内部空間に供給される。
第1本体部32aは、プラズマ生成用ガスGが第1流路34aを通過して排出される排出口36を下面に複数備えている。被処理物の処理対象面全体に向かってプラズマ生成用ガスGを均一に排出するために、排出口36は、本体部32の軸を中心とする複数の同心円上のそれぞれにおいて周方向に略等間隔で配置されている。第1流路34aは、第2流路34bを通過したプラズマ生成用ガスGを分散させるためにXY方向に形成された放射状流路34cおよび同心円状流路(図示しない)と、放射状流路34cおよび同心円状流路を通過したプラズマ生成用ガスGを排出口36から排出する排出流路34dと、を備えている。
一般に、セラミック接合体を構成する各部材は、閉気孔などの破壊源が大きくなるほど壊れやすい。従って、第1凸部4d(15d、32d)の気孔、特に、開気孔よりも通常多く存在する閉気孔の大きさを小さくすることができれば、壊れにくく、信頼性に優れた半導体製造装置用部材を得ることができる。
このような観点から、本開示の吸着部材、ガスノズル、シャワーヘッド等の半導体製造装置用部材は、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径を、第1本体部4a(15a、32a)および第2本体部4b(15b、32b)のそれぞれの閉気孔の平均径の0.8倍以上1.5倍以下としたものである。
第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径が、第1本体部4a(15a、32a)および第2本体部4b(15b、32b)の閉気孔の平均径の1,5倍以下であると、破壊源となる閉気孔が小さいので、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔を基点とするセラミック接合体の破壊を抑制することができる。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径を、第1本体部4a(15a
、32a)および第2本体部4b(15b、32b)のそれぞれの閉気孔の平均径よりも小さくてもよい。
このような構成であると、第1凸部4d(15d、32d)の機械的強度を第1本体部4a(15a、32a)および第2本体部4b(15b、32b)の機械的強度よりも高くすることができる。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の歪度Skの絶対値が第1本体部4a(15a、32a)および第2本体部4b(15b、32b)のそれぞれの重心間距離の歪度Skの絶対値よりも小さてもよい。
このような構成であると、凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の分布の方が第1本体部4a(15a、32a)および第2本体部4b(15b、32b)のそれぞれの重心間距離の分布よりも正規分布に近づくので、凸部4d(15d、32d)内における残留応力のばらつきが低減して、信頼性が向上する。
なお、本開示における閉気孔の重心間距離とは、隣り合う閉気孔の重心同士を結ぶ直線距離である。
また、歪度Skとは、分布が正規分布からどれだけ歪んでいるか、即ち、分布の左右対称性を示す指標(統計量)であり、歪度Sk>0である場合、分布の裾は右側に向かい、歪度Sk=0である場合、分布は左右対称の正規分布となり、歪度Sk<0である場合、分布の裾は左側に向かう。
閉気孔の重心間距離の歪度Skは、Excel(登録商標、Microsoft Corporation)に備えられている関数SKEWを用いて求めればよい。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の平均値から第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径を差し引いた値が、第1本体部4a(15a、32a)の閉気孔の重心間距離の平均値から第1本体部4a(15a、32a)の閉気孔の平均径を差し引いた値の0.4倍以上であり、第2本体部4b(15b、32b)の閉気孔の重心間距離の平均値から第2本体部4b(15b、32b)の閉気孔の平均径を差し引いた値の0.4倍以上であってもよい。
第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の平均値から第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径を差し引いた値とは、凸部4d(15d、32d)における、隣り合う閉気孔の間隔の平均値と言い換えることができる。この間隔が広いほど、隣り合う閉気孔が連通しにくいことを意味する。
このような構成であると、第1凸部4d(15d、32d)における、隣り合う閉気孔の間隔が広いので、加熱および冷却が繰り返されても、閉気孔同士が連通しにくくなるため、第1凸部4d(15d、32d)の機械的強度を維持することができる。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の平均値から第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均値を差し引いた値を、5μm以上15μm以下としてもよい。この値が5μm以上であると、加熱および冷却が繰り返されても、閉気孔同士が連通しにくくなり、第1凸部4d(15d、32d)の機械的強度を維持することができるとともに、流体が内部空間から外部空間に向ってリークしにくくなる。また、上記距離が15μm以下であると、隣り合う閉気孔の間隔が狭いので、クラックが発生したとしても、閉気孔でその進展が遮られる確率が高くなるため、第1凸部4d(15d、32d
)が部分的に欠損するおそれが低減する。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の円相当径の歪度Skは、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の重心間距離の歪度Skよりも大きくてもよい。
このような構成であると、第1凸部4d(15d、32d)における、隣り合う閉気孔の間隔の分布が正の方向に偏るので、加熱および冷却が繰り返されても、閉気孔同士が連通しにくくなるため、第1凸部4d(15d、32d)の機械的強度を維持することができる。
閉気孔の円相当径の歪度Skも、Excel(登録商標、Microsoft Corporation)に備えられている関数SKEWを用いて求めればよい。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の円形度の平均値を0.78以上としてもよい。
第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の円形度の平均値がこの範囲であると、閉気孔の形状が球状に近くなり、閉気孔近傍における応力集中が生じにくくなるので、機械的強度を維持することができる。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の面積比率は、2面積%以下としてもよく、また、第1凸部4dの閉気孔の最大径は、5μm以下としてもよい。第1凸部4dの閉気孔の面積比率および最大径が上述した範囲であると、破壊源である閉気孔が小さくなるので、壊れにくいものとなる。
また、半導体製造装置用部材を壊れにくくするために、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の面積比率は、1.5面積%以下としてもよい。また、半導体製造装置用部材0を壊れにくくするために、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の最大径は、4μm以下、特に、3μm以下としてもよい。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径は1.5μm以下としてもよい。閉気孔の平均径がこの範囲であると、破壊源である閉気孔が小さいので、機械的強度および剛性を高くすることができる。
また、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の最大径と、第1凸部4d(15d、32d)の閉気孔の平均径との比率(閉気孔の最大径/閉気孔の平均径)は、3以下であってもよい。(閉気孔の最大径/閉気孔の平均径がこの範囲であると、異常に大きな閉気孔がないので、加熱および冷却が繰り返されても閉気孔同士が連通しにくくなり、第1凸部4d(15d、32d)の機械的強度を維持することができるとともに、流体が第1接合層4c(15c、32c)を介して内部空間から外部空間に向ってリークしにくくなる。
また、第1本体部4a(15a、32a)の内側面端部と第2本体部4b(15b、32b)の内側面端部とを結ぶ面からその法線方向に向かう最大高さは、例えば、400μm以上650μm以下である。第1接合層4cの厚みは、例えば、0.7mm以上1.3mm以下である。
また、第1凸部4d(15d、32d)の表面を曲面状としてもよい。第1凸部4d(15d、32d)の表面が曲面状であると、露出する表面が角部を有する場合よりも応力集中が生じにくいので、機械的強度を維持することができる。
また、シャワーヘッド31における第2凸部35dの閉気孔の平均径は、第2本体部32bおよびガス供給部33のそれぞれの閉気孔の平均径の0.8倍以上1.5倍以下であってもよい。
これら各部材の閉気孔の平均径、最大径、面積比率、重心間距離および円形度は、以下の手法により測定する。
まず、第1本体部4a(15a、32a)、第2本体部4b(15b、32b)、ガス供給部33、第1凸部4d(15d、32d)および第2凸部35dの断面を鏡面加工し、各部材の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率を500倍として、例えば、横方向の長さを256μm、縦方向の長さを192μmとする観察範囲を設定する。
この観察範囲を観察の対象として、画像解析ソフト「A像くん(Ver2.52)」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、以下、単に画像解析ソフトと記載する。)の粒子解析という手法を適用して、閉気孔の平均径、最大径、面積比率および円形度を求めることができる。なお、閉気孔の平均径は円相当径の平均値であり、閉気孔の最大径は円相当径の最大値である。
また、閉気孔の重心間距離の平均値は、画像解析の重心間距離法という手法を適用して求めることができる。
解析に際し、粒子解析および重心間距離法の設定条件である粒子の明度を暗、2値化の方法を手動、しきい値を70~100、小図形除去面積を0.3μmおよび雑音除去フィルタを有とする。
なお、上述の測定に際し、しきい値は70~100としたが、観察範囲である画像の明るさに応じて、しきい値を調整すればよく、粒子の明度を暗、2値化の方法を手動とし、小図形除去面積を0.3μmおよび雑音除去フィルタを有とした上で、画像に現れるマーカーが閉気孔の形状と一致するように、しきい値を調整すればよい。
なお、第2本体部4b(15b、32b)、第1接合層4c(15c、32c)および第1凸部4d(15d、32d)のそれぞれのセラミックスの主成分は、いずれも第1本体部4a(15a、32a)を形成するセラミックスの主成分と同じ成分であるとよい。
次に、本開示の半導体製造装置用部材の製造方法について説明する。
まず、本開示の半導体製造装置用部材を構成するセラミックスの主成分が酸化アルミニウムであって、半導体製造装置用部材が吸着部材である場合について説明する。
酸化アルミニウムを主成分とする粉末と樹脂とを含有する第1成形体と、酸化アルミニウムを主成分とする粉末と樹脂とを含有する第2成形体とを準備する工程と、酸化アルミニウムを主成分とする粉末と、ポリエチレングリコール、ポリビニル系ポリマーおよびセルロース系多糖類の少なくともいずれかと溶媒とを含有するペーストを準備する工程と、第1成形体および第2成形体のいずれかの表面にペーストを存在させる工程と、第1成形体と第2成形体との間である接合領域からペーストが突出するように第1成形体および第2成形体を合わせて複合成形体とする工程と、複合成形体を焼成する工程とを有する。
ここで、粉末における主成分とは、粉末の合計100質量%中、90質量%以上の成分を言う。溶媒は、純水を用いるとよい。また、エタノールなどの有機溶剤を用いてもよい
まず、第1成形体および第2成形体の製造方法について説明する。
水酸化マグネシウムを酸化物(MgO)に換算して0.3質量%、酸化珪素を0.04質量%、炭酸カルシウムを酸化物(CaO)に換算して0.02質量%、残部が酸化アルミニウムからなる粉末となるように秤量した混合粉末を純水などの溶媒とともに回転ミルに投入して、純度が99.5%以上99.99%以下の酸化アルミニウムからなるセラミックスボールで混合する。
次に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールやアクリル樹脂などの成形用バインダを添加した後、混合・撹拌してスラリーを得る。ここで、成形用バインダの添加量は混合粉末100質量部に対して合計2質量部以上10質量部以下とする。
あるいは、上記スラリーに代えて、以下に示す方法でスラリーを作製してもよい。
まず、平均粒径が0.4~0.6μmの酸化アルミニウム(Al)A粉末および平均粒径が1.2~1.8μm程度の酸化アルミニウムB粉末を準備する。また、酸化珪素(SiO)粉末、炭酸カルシウム(CaCO)粉末を準備する。なお、酸化珪素粉末は、平均粒径が0.5μm以下の微粉のものを準備する。また、Mgを含む酸化アルミニウム質セラミックスを得るには、水酸化マグネシウム粉末を用いる。なお、以下の記載において、酸化アルミニウムA粉末および酸化アルミニウムB粉末以外の粉末を総称して、第1の副成分粉末と称す。
そして、第1の副成分粉末をそれぞれ所定量秤量する。次に、酸化アルミニウムA粉末と、酸化アルミニウムB粉末とを質量比率が40:60~60:40となるように、また、得られる酸化アルミニウム質セラミックスを構成する成分100質量%のうち、AlをAl換算した含有量が99.4質量%以上となるように秤量し、酸化アルミニウム調合粉末とする。また、第1の副成分粉末について好適には、酸化アルミニウム調合粉末におけるNa量をまず把握し、酸化アルミニウムが主成分であるセラミックスの場合におけるNa量からNaOに換算し、この換算値と、第1の副成分粉末を構成する成分(この例においては、SiやCa等)を酸化物に換算した値との比が1.1以下となるように秤量する。
そして、酸化アルミニウム調合粉末と、第1の副成分粉末と、酸化アルミニウム調合粉末および第1の副成分粉末との合計100質量部に対し、1~1.5質量部のPVA(ポリビニールアルコール)などのバインダと、100質量部の溶媒と、0.1~0.55質量部の分散剤とを攪拌装置に入れて混合・撹拌してスラリーを得る。
次に、噴霧乾燥装置を用いて上述したいずれかのスラリーを噴霧乾燥させることにより造粒した顆粒を得る。この顆粒を例えば圧力を80MPa以上100MPaとしてCIP法により成形して得られる成形体を切削加工によって、上面に冷却用流路8となる段差部6aを、また、厚み方向に第1流路6となる第1貫通孔をそれぞれ備え、下面を平坦にした第1成形体を得る。同様の方法で、上面に凹部3を、また、厚み方向に第2流路7となる第2貫通孔をそれぞれ備え、下面を平坦にした第2成形体を得る。
次に、ペーストの製造方法について説明する。
成形体の製造方法で説明した混合粉末に対して、純水などの溶媒を、体積比で、混合粉末:溶媒=55~60:40~45となるように加え、この溶媒と混合粉末との合計を1
00質量部とする。この100質量部に対し、8質量部以上20質量部以下の非イオン性水溶性ポリマーおよびセルロース系多糖類の少なくともいずれかを加え、これらを撹拌装置内の収納容器に入れ、混合・撹拌して、ペーストを得る。
ここで、非イオン性水溶性ポリマーは、ポリエチレン型およびポリビニル型の少なくともいずれかが良い。ポリエチレン型としては、例えばポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンリン酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテルおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルの少なくともいずれかであり、ポリビニル型としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体および塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体の少なくともいずれかであり、セルロース系多糖類は、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースおよびカルボキシエチルセルロースの少なくともいずれかである。
ここで、第1凸部の閉気孔の平均径が、第1本体部および第2本体部の閉気孔の平均径の0.8倍以上1.5倍以下である半導体製造装置用部材を得るには、撹拌装置の自転回転数を1200rpm以上1600rpm以下とし、回転時間を5分以上15分以下とするとよい。
また、第1凸部の閉気孔の平均径が、第1本体部および第2本体部のそれぞれの閉気孔の平均径よりも小さい半導体製造装置用部材を得るには、回転数を高くして1400rpm以上1600rpm以下とし、回転時間を5分以上15分以下とすればよい。
また、第1凸部の閉気孔の重心間距離の平均値から第1凸部の閉気孔の平均径を差し引いた値が、第1本体部の閉気孔の重心間距離の平均値から第1本体部の閉気孔の平均径を差し引いた値の0.4倍以上の半導体製造装置用部材を得るには、上記撹拌後、さらに、収納容器に自転および公転を同時に与え、自転の回転数および公転の回転数とも800rpm以上1200rpm以下とし、2分以上5分以下回転させることにより、撹拌すればよい。第1凸部の閉気孔の重心間距離の平均値から第1凸部の閉気孔の平均径を差し引いた値が、第2本体部の閉気孔の重心間距離の平均値から第2本体部の閉気孔の平均径を差し引いた値の0.4倍以上の半導体製造装置用部材を得る場合も上述した方法と同じ方法を用いればよい。
また、第1凸部の閉気孔の円形度の平均値が0.78μm以上である半導体製造装置用部材を得るには、上記自転の回転数および上記公転の回転数とも1000rpm以上1200rpm以下とすればよい。
図5は、図1に示す吸着部材の製造工程を示す模式図である。
図5(a)に示すように、第1成形体41aの上面にペースト41cを塗布した後、第1成形体41aの上面と第2成形体41bの下面とを向き合った状態にして、第1成形体41aおよび第2成形体41bを、例えば圧力を20kPa以上40kPa以下として加圧することにより、第1凸部の前駆体(図示しない)を備えた複合成形体41を得る。塗布後のペースト41cの厚みは、例えば、0.1mm以上2mm以下である。
次に、常温で、湿度を調整しながら12時間以上48時間以下保持することによりペースト41cを乾燥させる。しかる後、大気雰囲気中で、1500℃以上1700℃以下の温度で、5時間以上8時間以下保持して複合成形体41を焼成することにより、図5(b)に示すセラミック接合体42を得ることができる。
複合成形体41における第1成形体41aは焼成後に第1本体部4aとなり、第2成形体は焼成後に第2本体部4bとなる。なお、第1本体部4aおよび第2本体部4bは、必要に応じて、研削加工を施してもよい。第1成形体41aと第2成形体41bとの間に介在するペースト41cは焼成後に第1接合層4cとなり、第1成形体41aと第2成形体41bとの間から外側に滲出したペーストは焼成後に第1凸部4dとなる。
そして、例えば、SiOが30~65質量%、Alが10~40質量%、Bが10~20質量%、CaOが4~5質量%、MgOが1~5質量%、TiOが0~5質量%、BaOが0~6質量%およびSrOが0~5質量%からなるペースト状のガラスを凹部3に塗布する。ガラス塗布後、多孔質のセラミックスからなる吸着部5を凹部3に載置し、専用の加圧装置を用いて厚み方向から加圧する。加圧後、950~980℃で熱処理することにより、本体部4と吸着部5とは、ガラスからなる結合層で接合されて、図5(c)に示す、吸着部材となる。
次に、本開示の半導体製造装置用部材を構成するセラミックスの主成分が酸化イットリウムであって、半導体製造装置用部材がガスノズルである場合について説明する。
まず、純度99.9%の酸化イットリウムを主成分とする粉末に純水と分散剤を加えた後、ビーズミルで粉砕、混合してスラリーを得る。酸化イットリウムを主成分とする粉末の純度は、例えば、99.9質量%以上であり、この粉末の平均粒径は、1.2μm以下である。その後、スラリーに有機バインダを添加、撹拌した後、スラリーを噴霧乾燥して、酸化イットリウムを主成分とする顆粒を得る。この顆粒を成形型に充填した後、1軸加圧成形法または冷間静水圧加圧成形法(CIP成形法)などの任意の成形法を用いて円柱状に加圧成形して、焼成後に第1本体部となる第1成形体と、第2本体部となる第2成形体とを得る。第1成形体は、第2成形体よりも予め外径を短くしておく。
これらの成形体に焼成、内面研磨後に、第2流路21bとなる第2流路用下穴および第1流路21aとなる第1流路用下穴とを形成した第1前駆体と、第2流路21bとなる第2前駆体とを得る。第1前駆体の上面に、上述した製造方法によって得られるペーストを塗した後、第1前駆体の上面と第2前駆体の下面とを向き合った状態にして、第1前駆体および第2前駆体を、例えば圧力を20kPa以上40kPa以下として加圧することにより、第1凸部の前駆体(図示しない)を備えた複合前駆体を得る。そして、この複合前駆体を順次、脱脂、焼成することで、ガスノズルを得ることができる。
ここで、焼成雰囲気は大気雰囲気、焼成温度は1500℃以上1800℃以下とし、保持時間は2時間以上4時間以下とすればよい。
次に、本開示の半導体製造装置用部材を構成するセラミックスの主成分がイットリウム・アルミニウム・ガーネットであって、半導体製造装置用部材がシャワーヘッドである場合について説明する。
まず、酸化アルミニウム粉末と酸化イットリウム粉末とを以下の式の割合で混合して1000~1600℃で仮焼した後、これらを粉砕して平均粒子径が0.6~1.2μm、BET比表面積が2~5m/gのイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)粉末を得る。
A+B=1
0.365≦A≦0.385
0.615≦B≦0.635
A:酸化イットリウムのモル量
B:酸化アルミニウムのモル量
次に、このイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)粉末にパラフィンワックス,PVA(ポリビニルアルコール),ワックスエマルジョン(ワックス+乳化剤),PEG(ポリエチレングリコール)等の有機バインダを添加して混合した後、スラリーを噴霧乾燥して、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を主成分とする顆粒を得る。
この顆粒を例えば圧力を80MPa以上100MPaとしてCIP法により成形して得られる成形体を切削加工によって、上面に冷却用流路8となる放射状流路34cおよび同心円状流路(図示しない)を、また、厚み方向に排出流路34dとなる第1貫通孔をそれぞれ備え、下面を平坦にした第1成形体を得る。同様の方法で、厚み方向に第2流路34bとなる第2貫通孔を備え、下面を平坦にした第2成形体を得る。
さらに、ガス供給部33となる円筒状の第3成形体をCIP法による成形および切削加工によって得る。
第1成形体の上面および第3成形体の下面に上述した製造方法によって得られるペーストを塗布した後、第1成形体の上面および第2成形体の下面、第2成形体の上面と第3成形体の下面をそれぞれ向き合った状態にして、第1成形体および第2成形体を、また、第2成形体および第3成形体を、例えば、圧力を20kPa以上40kPa以下として加圧することにより、第1凸部および第2凸部の前駆体(いずれも図示しない)を備えた複合成形体を得る。そして、この複合成形体を順次、脱脂、焼成することで、シャワーヘッドを得ることができる。
ここで、焼成雰囲気は大気雰囲気、焼成温度は1500℃以上1800℃以下とし、保持時間は3時間以上6時間以下とすればよい。
上述したように、本開示の半導体製造装置用部材は、信頼性に優れることから、真空チャック、ガスノズル、シャワーヘッド以外、静電チャック、ピンチャック、ガス注入アセンブリ等に用いることができる。
1 :吸着部材
2 :被処理物
3 :凹部
4 :本体部
4a :第1本体部
4b :第2本体部
4c :第1接合層
4d :第1凸部
5 :吸着部
6 :第1流路
7 :第2流路
8 :冷却用流路
11 :成膜装置
12 :被処理物
13 :反応室
14 :ガス導入管
15 :ガスノズル(本体部)
15a:第1本体部
15b:第2本体部
15c:第1接合層
15d:第1凸部
16 :内部電極
17 :基板保持部
18 :バイアス電源
19 :コイル
20 :電源
21 :流路
21a:第1流路
21b:第2流路
31 :シャワーヘッド
32 :本体部(シャワープレート)
32a:第1本体部
32b:第2本体部
32c:第1接合層
32d:第1凸部
33 :ガス供給部
33a:貫通孔
34a:第1流路
34b:第2流路
34c:放射状流路
34d:排出流路
35c:第2接合層
35d:第2凸部
41 :複合成形体
41a:第1成形体
41b:第2成形体
41c:ペースト
42 :セラミック接合体

Claims (7)

  1. 外部に連通する第1流路を備えてなるセラミックスからなる第1本体部と、前記第1流路に連通する第2流路を備えてなるセラミックスからなる第2本体部と、前記第1本体部と前記第2本体部との間に位置する、セラミックスからなる第1接合層と、該第1接合層に繋がるセラミックスからなる第1凸部と、を有するセラミック接合体からなり、前記第1本体部、前記第2本体部、前記第1接合層および前記第1凸部が、酸化アルミニウム、酸化イットリウムまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットを主成分とした緻密質のセラミックスであり、前記第1凸部の閉気孔の平均径が、前記第1本体部および前記第2本体部のそれぞれの閉気孔の平均径の0.8倍以上1.5倍以下である、半導体製造装置用部材。
  2. 前記第1凸部の閉気孔の平均径が、前記第1本体部および前記第2本体部のそれぞれの閉気孔の平均径よりも小さい、請求項1に記載の半導体製造装置用部材。
  3. 前記第1凸部の閉気孔の重心間距離の歪度Skの絶対値が前記第1本体部および前記第2本体部のそれぞれの重心間距離の歪度Skの絶対値よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の半導体製造装置用部材。
  4. 前記第1凸部の閉気孔の重心間距離の平均値から前記第1凸部の閉気孔の平均径を差し引いた値が、前記第1本体部の閉気孔の重心間距離の平均値から前記第1本体部の閉気孔の平均径を差し引いた値および前記第2本体部の閉気孔の重心間距離の平均値から前記第2本体部の閉気孔の平均径を差し引いた値の0.4倍以上である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体製造装置用部材。
  5. 前記第1凸部の閉気孔の円相当径の歪度Skは、前記第1凸部の閉気孔の重心間距離
    の歪度Skよりも大きい、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体製造装置用部材。
  6. 前記第1凸部の閉気孔の円形度の平均値が0.78以上である、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体製造装置用部材。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の半導体製造装置用部材の製造方法であって、
    酸化アルミニウム、酸化イットリウムまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットを主成分とする粉末と樹脂とを含む第1成形体と、前記第1成形体に含まれる主成分と同
    じ成分を主成分とする粉末と樹脂とを含有する第2成形体とを準備する工程と、前記第1成形体に含まれる主成分と同じ成分を主成分とする粉末と非イオン性水溶性ポリマーおよびセルロース系多糖類の少なくともいずれかと溶媒とを含有するペーストを準備する工程と、前記第1成形体および前記第2成形体のいずれかの表面に前記ペーストを存在させる工程と、前記第1成形体と前記第2成形体との間である接合領域から前記ペーストが突出するように前記第1成形体および前記第2成形体を合わせて複合成形体とする工程と、前記複合成形体を焼成することによって、前記第1成形体を前記第1本体部に、前記第2成形体を前記第2本体部に、前記接合領域の前記ペーストを前記第1接合層に、および前記接合領域から突出した前記ペーストを前記第1凸部にする工程とを、有する、半導体製造装置用部材の製造方法。
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