JP2002068864A - 耐プラズマ性部材およびその製造方法 - Google Patents

耐プラズマ性部材およびその製造方法

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JP2002068864A
JP2002068864A JP2000251930A JP2000251930A JP2002068864A JP 2002068864 A JP2002068864 A JP 2002068864A JP 2000251930 A JP2000251930 A JP 2000251930A JP 2000251930 A JP2000251930 A JP 2000251930A JP 2002068864 A JP2002068864 A JP 2002068864A
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Mitsuhiro Fujita
光広 藤田
Takashi Morita
敬司 森田
Masahiko Ichijima
雅彦 市島
Tomonori Uchimaru
知紀 内丸
Akira Miyazaki
晃 宮崎
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐プラズマ性を有するとともに、曲げ強
度や強靱性などの機械的な強度もすぐれた低コスト型の
耐プラズマ部材および製造方法の提供。 【解決手段】 耐プラズマ性部材の発明は、実質的にセ
ラミックス系燒結体から成る基材13と、前記基材13
表面に溶融被覆された厚さ2μm以上のイットリウムア
ルミニウムガーネット層14とを有することを特徴とす
る。製造方法の発明は、セラミックス系成形体の表面に
イットリウムアルミニウムガーネット粒子を含む層を設
ける工程と、前記イットリウムアルミニウムガーネット
粒子を含む層を設けたセラミックス系成形体を加熱し、
セラミックス系成形体を焼結するとともに、イットリウ
ムアルミニウムガーネット粒子を溶融し被覆層を形成す
る工程とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐プラズマ性部材
およびその製造方法に係り、さらに詳しくはハロゲン系
腐食性ガス雰囲気下で、すぐれた耐プラズマ性を呈する
耐プラズマ性部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程においては、半導
体ウエハーに微細な加工を施すエッチング装置やスパッ
タリング装置、あるいは半導体ウエハーに成膜を施すC
VD装置などが使用されている。そして、これらの製造
装置では、高集積化を目的としてプラズマ発生機構を備
えた構成が採られている。たとえば、図2に構成の概略
を示すように、ヘリコン波プラズマエッチング装置が知
られている。
【0003】図2において、1はエッチングガス供給口
2、および真空排気口3を有するエッチング処理室で、
その外周にはアンテナ4、電磁石5、永久磁石6が配置
されている。また、前記エッチング処理室1内には、半
導体ウエハー7を支持する下部電極8が設置されてい
る。なお、アンテナ4は、第1のマッチングネットワー
ク9を介して第1の高周波電源10と接続し、下部電極
8も同様に第2のマッチングネットワーク11を介して
第2の高周波電源12と接続している。
【0004】そして、このエッチング装置でのエッチン
グは、次のように行われる。すなわち、下部電極8面に
半導体ウエハー7を載置し、処理室1内を真空化した後
に、エッチングガス供給口2からエッチングガスを供給
する。その後、アンテナ4および下部電極8に、対応す
る各マッチングネットワーク9、11を介し、高周波電
源10、12から、たとえば周波数13.56MHzの
高周波電流を流す。一方、電磁石5に所要の電流を流し
て磁界を発生させることにより、処理室1内に高密度の
プラズマを発生させる。このプラズマエネルギーによっ
て、エッチングガスを原子状態に分解し、半導体ウエハ
ー7面に形成された膜のエッチングが行われる。
【0005】ところで、この種の製造装置では、エッチ
ングガスとして塩化ホウ素(BCl)などの塩素系ガ
ス、もしくはフッ化炭素(CF)などのフッ素系ガス
などの腐食性ガスを使用する。したがって、処理室1の
内壁部、監視窓、下部電極8、下部電極8周辺部など、
腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝される構成部材につ
いては、耐プラズマ性が要求される。このような要求に
対応して、上記耐プラズマ性部材として、アルミナ系燒
結体、窒化ケイ素系燒結体、窒化アルミニウム系焼結体
などが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ア
ルミナ系燒結体、窒化ケイ素系燒結体、窒化アルミニウ
ム系焼結体などの耐プラズマ性部材は、腐食性ガス雰囲
気下でプラズマに曝されると徐々に腐食が進行し、表面
を構成する結晶粒子が離脱するため、いわゆるパーティ
クル汚染を生じる。すなわち、離脱したパーティクル
が、半導体ウエハー7や下部電極8などに付着し、成膜
の質や加工精度などに悪影響を与え、半導体の性能や信
頼性が損なわれ易いという問題がある。
【0007】また、CVD装置においても、クリーニン
グ時にプラズマ下で、窒化フッ素(NF)などのフッ
素系ガスに曝されるため、耐食性が必要とされている。
【0008】上記耐食性の問題に対し、イットリウムア
ルミニウムガーネット(アルミン酸イットリウム…YA
Gとも呼称される)系焼結体を素材とする耐プラズマ性
部材が提案されている(特開平10−236871号公
報)。すなわち、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラ
ズマに曝される表面が、気孔率3%以下のイットリウム
アルミニウムガーネット系焼結体で形成され、かつ表面
を中心線平均粗さ(Ra)1μm以下とした耐プラズマ
性部材が知られている。
【0009】しかし、このイットリウムアルミニウムガ
ーネット系焼結体は、耐プラズマ性の点ではすぐれてい
るが、曲げ強度および破壊靱性などが劣るという問題が
ある。ここで、破壊靱性などが劣ることは、たとえば洗
浄操作などの過程で、焼結部材が損傷・損壊を発生し易
いことを意味し、素材自体が比較的高価であることと相
俟って、製造装置ないし半導体の製造コストアップを招
来する。
【0010】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、高い耐プラズマ性を有するとともに、曲げ強度や
強靱性などの機械的な強度もすぐれた低コスト型の耐プ
ラズマ性部材およびその製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、実質
的にセラミックス系燒結体から成る基材と、前記基材表
面に溶融被覆された厚さ2μm以上のイットリウムアル
ミニウムガーネット層とを有することを特徴とする耐プ
ラズマ性部材である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の耐プラ
ズマ性部材において、セラミックス系燒結体がアルミナ
系焼結体であることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、セラミックス系成形体
もしくはセラミックス系焼結体の表面にイットリウムア
ルミニウムガーネット粒子を含む層を設ける工程と、前
記イットリウムアルミニウムガーネット粒子を含む層を
設けたセラミックス系成形体もしくはセラミックス系焼
結体を1750℃以上に加熱し、イットリウムアルミニ
ウムガーネット粒子を溶融して表面に被覆層を形成する
工程とを有することを特徴とする耐プラズマ性部材の製
造方法である。
【0014】請求項4の発明は、セラミックス粒子を主
体としたスラリーを造粒して造粒粉を調製する工程と、
前記造粒粉を成形し、その成形体に脱脂もしくは仮焼処
理を施す工程と、前記脱脂もしくは仮焼処理した成形体
表面に、イットリウムアルミニウムガーネット粒子を含
む層を設ける工程と、前記イットリウムアルミニウムガ
ーネット粒子を含む層を設けたセラミックス系成形体を
加熱し、セラミックス系成形体を焼結するとともに、イ
ットリウムアルミニウムガーネット粒子を溶融して表面
に被覆層を形成する工程とを有することを特徴とする耐
プラズマ性部材の製造方法である。
【0015】請求項5の発明は、請求項3もしくは請求
項4記載の耐プラズマ性部材の製造方法において、セラ
ミックスがアルミナ系であること特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項3ないし請求項
5のいずれか一記載の耐プラズマ性部材の製造方法にお
いて、イットリウムアルミニウムガーネット粒子を含む
層が粉末、スラリーないしペーストの塗布層であること
を特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項3ないし請求項
6いずれか一記載の耐プラズマ性部材の製造方法におい
て、水素雰囲気中で加熱することを特徴とする。
【0018】請求項1および2の発明において、セラミ
ックス系基材の表面に溶融により被覆・形成されたイッ
トリウムアルミニウムガーネット層は、その厚さが2μ
m以上に選択される必要がある。すなわち、厚さ2μm
未満では、所要の耐プラズマ性を十分に付与できない
し、なお、1000μmを超えても同効的で、却って低
コスト化の支障となる。
【0019】請求項1および2の発明において、セラミ
ックス系基材(燒結体)は、たとえばアルミナ系焼結
体、ジルコニア系焼結体、窒化アルミニウム系焼結体、
窒化ケイ素系焼結体などが挙げられる。そして、このセ
ラミックス系焼結体は、たとえばマグネシアなどの添加
剤を0.01〜1重量%程度含有する実質的にアルミナ
質などから成るものであってもよい。また、その厚さや
形状は、耐プラズマ性部材の使用形態などによって決め
られる。
【0020】請求項1および2の発明に係る耐プラズマ
性部材は、請求項3ないし7の発明に係る手法などで製
造することができる。たとえば、平均粒径0.1〜1.
0μmのアルミナ粒子に、少なくともマグネシアを0.
01〜1重量%程度添加配合した原料粉を作製する。次
に、前記原料粉を造粒後、この造粒粉をたとえば静水圧
プレスで成形し、その成形体に仮焼・脱脂処理を施す。
【0021】その後、前記仮焼・脱脂処理した成形体表
面に、イットリウムアルミニウムガーネットの粉末もし
くはスラリーやペーストなどを塗布・乾燥させる。次い
で、加熱処理を施し、成形体を焼成・燒結する一方、表
面に塗着されているイットリウムアルミニウムガーネッ
ト粒子の溶融により、表面がイットリウムアルミニウム
ガーネット層で一体的に被覆された耐プラズマ性部材を
得ることができる。
【0022】なお、前記イットリウムアルミニウムガー
ネット粒子を含む層の形成は、上記スラリーの塗布など
によらず、蒸着法、スパッタリング法などで行ってもよ
い。また、イットリウムアルミニウムガーネット粒子を
含む層の形成に当たっては、既に焼結したセラミックス
に対して行ってもよい。すなわち、セラミックス焼結体
表面に、イットリウムアルミニウムガーネットの粉末も
しくはスラリーやペーストなどを塗布し、加熱処理して
もよい。この場合、焼結体表面を研削加工しておくと、
平坦なイットリウムアルミニウムガーネット層の形成が
容易になる。また、イットリウムアルミニウムガーネッ
ト粒子を含む層の形成は、仮焼・脱脂前の成形体に対し
て行ってもよい。
【0023】請求項3ないし7の発明において、基材を
成すセラミックス成形体、もしくはセラミックス焼結体
は、次のような手段で作製される。たとえばアルミナ粒
子を主体とした原料粉末に、マグネシア、バインダー樹
脂および媒体液の撹拌・混合によってスラリーを調製す
る。このスラリー調製は、たとえば回転式のボールミル
などによって行われ、また、調製したスラリーから押し
出し成形、射出成形、あるいは鋳込み成形、もしくはそ
のスラリーからスプレードライヤー方式などで造粒が行
われ、得られた造粒粉を素材として、たとえば静水圧プ
レスなどの一般的な成形方式で成形する。
【0024】さらに、上記成形体の仮焼・脱脂は、大気
中600〜1300℃程度の温度で行われ、このときの
温度および時間などは、成形体の形状・寸法、添加した
バインダ種などによって決められる。また、仮焼・脱脂
後の焼成は、たとえば大気中、真空ないし減圧下、ある
いは水素ガスを含む雰囲気中、より好ましくは水素気流
中、1700〜1850℃程度の温度で行われる。そし
て、イットリウムアルミニウムガーネットの溶融被膜を
形成した焼結体について、要すれば表面の加工・研磨を
施す。
【0025】なお、この焼成過程では、その過程で結晶
粒の急激な成長を抑制する一方、よりスムースにイット
リウムアルミニウムガーネット粒子の溶融・緻密な成膜
化を進行させるために、焼成の温度上昇速度をやや遅め
に、あるいは焼成時間をやや長めに選択・設定する。ま
た、アルミナ系の燒結・焼成を減圧もしくは非酸化性雰
囲気炉で行う場合、一般的に、炉材がカーボン系である
ため、カーボン性雰囲気に曝されることになり、アルミ
ナが分解され易いので注意を要する。この点からも、水
素雰囲気中での焼成もしくは熱処理が好ましい。
【0026】請求項1および2の発明では、基材が本質
的にアルミナなどのセラミックス燒結体で形成され、プ
ラズマに曝される表面がイットリウムアルミニウムガー
ネットの溶融層で被覆された構造を採っている。つま
り、曲げ強度や破壊靱性など機械的強度のすぐれている
セラミックス燒結体層を基材とする一方、耐プラズマ性
のすぐれたイットリウムアルミニウムガーネット系の緻
密な溶融層でプラズマに曝される表面を被覆した構成と
したことにより、洗浄操作などでの損傷・損壊の発生が
解消され、また、パーティクル汚染を生じる恐れも著し
く減少する。
【0027】したがって、製造装置ないし半導体の製造
コストアップを抑制防止しながら、たとえば成膜の質や
精度などに悪影響を与えることなく、性能や信頼性の高
い半導体の製造・加工に、効果的に寄与する。
【0028】請求項3ないし7の発明では、曲げ強度や
破壊靱性など機械的強度のすぐれているセラミックス燒
結体層を基材とする一方、耐プラズマ性のすぐれたイッ
トリウムアルミニウムガーネットの溶融層でプラズマに
曝される表面が被覆された構成の耐プラズマ性部材を歩
留まりよく、かつ量産的に提供することが可能となる。
【0029】
【発明の実施形態】以下、図1を参照して実施例を説明
する。
【0030】実施例1
【0031】平均粒子径0.3μmアルミナ粒子100
重量部に対し、MgSO・7HOをマグネシアに換
算して750ppm添加した適量のイオン交換水および
ポリビニルアルコール2重量部を加え、撹拌・混合して
スラリーを調製する。次いで、前記調製した各スラリー
をスプレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を静水
圧プレス(CIPプレス)にて、1000kgf/cm
(98.07MPa)の圧力で成形し、厚さ10m
m、直径100mmの成形体をそれぞれ得た。
【0032】上記成形体について、大気中、900℃の
温度で仮焼・脱脂の処理を施した後、その仮焼・脱脂処
理した成形体の表面に、平均粒径0.8μmのイットリ
ウムアルミニウムガーネット粒子を分散・含有するペー
ストを塗布・乾燥する。次いで、その成形体を水素ガス
雰囲気中、1790℃の温度で燒結・焼成処理して、表
面が緻密なイットリウムアルミニウムガーネット溶融層
で被覆された耐プラズマ性部材を得た。この耐プラズマ
性部材をX線回折(XRD)で同定した結果、燒結体
(耐プラズマ性部材)の表面にイットリウムアルミニウ
ムガーネットの結晶粒子層が形成されていた。
【0033】すなわち、燒結体の断面について電子顕微
鏡で観察・撮像したところ、図1にその反射電子像を模
式的に示すごとく、実質的にアルミナ燒結体である基材
13の表面全体が、緻密なイットリウムアルミニウムガ
ーネットの溶融層14で覆われた耐プラズマ性部材であ
ることが確認された。
【0034】また、上記燒結体から、10x10mm角
の試験片を切り出し、破壊靱性をそれぞれ測定したとこ
ろ、4MN/m3/2程度であり、アルミナ燒結体の破
壊靱性値に匹敵する値であった。なお、因みに、イット
リウムアルミニウムガーネット燒結体の破壊靱性値は、
1〜2MN/m3/2で脆い材質である。
【0035】さらに、上記燒結体から、片面が燒結体表
面である厚さ2mm、10x10mm角の試験片を切り
出し、平行平板型RIE装置に取り付け、周波数13.
56MHz、高周波ソース500、高周波バイアス30
0W、CF/O/Ar=30:20:50、ガス圧
5mTorrの条件でプラズマ曝露試験を行ったとこ
ろ、エッチングレート(オングストローム/時間)は1
0以下であった。
【0036】実施例2
【0037】平均粒子径0.3μmアルミナ粒子100
重量部に対し、MgSO・7HOをマグネシアに換
算して750ppmを含む適量のイオン交換水およびポ
リビニルアルコール2重量部を加え、撹拌・混合してス
ラリーを調製する。次いで、前記調製したスラリーをス
プレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を静水圧プ
レスにて、1000kgf/cm(98.07MP
a)の圧力で成形し、厚さ10mm、直径100mmの
成形体を得た。
【0038】上記成形体について、900℃の温度で仮
焼・脱脂の処理を施した後、水素ガス雰囲気中、185
0℃の温度で燒結・焼成処理を行って、アルミナ系焼結
体を得た。この焼結体表面に平均粒径0.8μmのイッ
トリウムアルミニウムガーネット粒子を分散・含有する
ペーストを塗布し、乾燥処理を施した。その後、減圧下
で1790℃の温度で加熱処理を施し、焼結体表面のイ
ットリウムアルミニウムガーネット粒子を溶融させ、表
面がイットリウムアルミニウムガーネットの溶融層で被
覆された耐プラズマ性部材を得た。
【0039】この耐プラズマ性部材をX線回折(XR
D)で同定した結果、燒結体(耐プラズマ性部材)の表
面に緻密なイットリウムアルミニウムガーネット溶融層
が一体的に形成されていた。すなわち、燒結体の断面に
ついて電子顕微鏡で観察・撮像したところ、表面全体が
厚さ5〜50μm程度の緻密なイットリウムアルミニウ
ムガーネットの溶融層で覆われたアルミナ基材の耐プラ
ズマ性部材であることが確認された。なお、ここで、ア
ルミナ系基材は、粒径20〜50μm程度のアルミナ結
晶粒子であった。
【0040】上記燒結体から、前記実施例1の場合と同
様に、試験片を切り出して耐プラズマ性、および破壊靱
性をそれぞれ試験・評価したところ、前記例示の場合と
同様の結果が得られた。
【0041】なお、上記実施例2の場合において、アル
ミナ系焼結体(基材)面に、イットリウムアルミニウム
ガーネットを溶射し、イットリウムアルミニウムガーネ
ットの層を形成した後に熱処理によって溶融層を形成し
ても、あるいは薄い接着性の樹脂層を下地とし焼結体面
に設け、その樹脂層にイットリウムアルミニウムガーネ
ット粒子を塗着し、加熱により樹脂層の揮散・除去を行
う一方、イットリウムアルミニウムガーネットの溶融層
を形成しても、同様の結果が得られた。
【0042】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえばセラミックス基材は、アル
ミナのみを素材とした燒結体でもよいが、さらに、燒結
助剤の種類、それら添加成分の組成比などは、耐プラズ
マ性部材の用途・使用目的に応じて、適宜選択してもよ
い。
【0043】
【発明の効果】請求項1および2の発明によれば、曲げ
強度や破壊靱性など機械的強度のすぐれているアルミナ
質燒結体を基材とする一方、耐プラズマ性のすぐれたイ
ットリウムアルミニウムガーネットの溶融層がプラズマ
に曝される表面を被覆した構成となっている。したがっ
て、洗浄操作などでの損傷・損壊の発生が解消され、ま
た、パーティクル汚染を生じる恐れも著しく減少する。
【0044】つまり、半導体製造装置ないし半導体の製
造コストアップを抑制防止する一方、成膜の質や精度な
どに悪影響を与えることなく、性能や信頼性の高い半導
体の製造・加工に効果的に寄与する耐プラズマ性部材を
提供できる。
【0045】請求項3ないし7の発明によれば、曲げ強
度や破壊靱性など機械的強度がすぐれ、かつ耐プラズマ
性もすぐれており、半導体の製造装置に適する耐プラズ
マ性部材を歩留まりよく、かつ量産的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る耐プラズマ性部材の要部構成を模
式的に示す断面図。
【図2】CVD装置の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
1……処理室 2……エッチングガス供給口 3……真空排気口 4……アンテナ 5……電磁石 6……永久磁石 7……半導体ウエハー 8……下部電極 9、11……マッチングネットワーク 10、12……高周波電源 13……セラミックス焼結体(基材) 14……イットリウムアルミニウムガーネット溶融層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市島 雅彦 神奈川県秦野市曾屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 内丸 知紀 神奈川県秦野市曾屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 宮崎 晃 神奈川県秦野市曾屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4K030 KA47 5F004 AA16 BA20 BB29 DA01 5F045 AA08 BB14 EB03 EH11 EH16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にセラミックス系燒結体から成る
    基材と、前記基材表面に溶融被覆された厚さ2μm以上
    のイットリウムアルミニウムガーネット層とを有するこ
    とを特徴とする耐プラズマ性部材。
  2. 【請求項2】 セラミックス系燒結体がアルミナ系焼結
    体であることを特徴とする請求項1記載の耐プラズマ性
    部材。
  3. 【請求項3】 セラミックス系成形体もしくはセラミッ
    クス系焼結体の表面にイットリウムアルミニウムガーネ
    ット粒子を含む層を設ける工程と、前記イットリウムア
    ルミニウムガーネット粒子を含む層を設けたセラミック
    ス系成形体もしくはセラミックス系焼結体を1750℃
    以上に加熱し、イットリウムアルミニウムガーネット粒
    子を溶融して表面に被覆層を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とする耐プラズマ性部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックス粒子を主体としたスラリー
    を造粒して造粒粉を調製する工程と、前記造粒粉を成形
    し、その成形体に脱脂もしくは仮焼処理を施す工程と、
    前記脱脂もしくは仮焼処理した成形体表面に、イットリ
    ウムアルミニウムガーネット粒子を含む層を設ける工程
    と、前記イットリウムアルミニウムガーネット粒子を含
    む層を設けたセラミックス系成形体を加熱し、セラミッ
    クス系成形体を焼結するとともに、イットリウムアルミ
    ン酸ガーネット粒子を溶融して表面に被覆層を形成する
    工程と、を有することを特徴とする耐プラズマ性部材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 セラミックスがアルミナ系であること特
    徴とする請求項3もしくは請求項4記載の耐プラズマ性
    部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 イットリウムアルミニウムガーネット粒
    子を含む層が粉末、スラリーないしペーストの塗布層で
    あることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれ
    か一記載の耐プラズマ性部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 水素雰囲気中で加熱することを特徴とす
    る請求項3ないし請求項6いずれか一記載の耐プラズマ
    性部材の製造方法。
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