JP2002068838A - 耐プラズマ性部材およびその製造方法 - Google Patents

耐プラズマ性部材およびその製造方法

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JP2002068838A
JP2002068838A JP2000251931A JP2000251931A JP2002068838A JP 2002068838 A JP2002068838 A JP 2002068838A JP 2000251931 A JP2000251931 A JP 2000251931A JP 2000251931 A JP2000251931 A JP 2000251931A JP 2002068838 A JP2002068838 A JP 2002068838A
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plasma
sintered body
yttrium oxide
yttrium
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Application number
JP2000251931A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Fujita
光広 藤田
Takashi Morita
敬司 森田
Shinichiro Aonuma
伸一朗 青沼
Shigeko Muramatsu
滋子 村松
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ曝露に対しても十分耐え、かつコス
トの低減が図られた耐プラズマ性部材およびその製造方
法の提供。 【解決手段】 耐プラズマ性部材の発明は、腐食性ガス
下でプラズマに曝される少なくとも表面領域が酸化イッ
トリウム系焼結体であることを特徴とし、また、その酸
化イットリウム系焼結体がアルミン酸イットリウムとの
複合焼結体で、かつアルミニウム元素の定量によって算
出されるアルミン酸イットリウムを外率で0.1〜10
質量%含有していることを特徴とする。そして、この酸
化イットリウム系焼結体は、気孔率が2%以下、表面が
中心線平均粗さ(Ra)2.5以下であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐プラズマ性部材
およびその製造方法に係り、さらに詳しくはハロゲン系
腐食性ガス雰囲気下で、優れた耐プラズマ性を呈する耐
プラズマ性部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程においては、半導
体ウエハーに微細な加工を施すエッチング装置やスパッ
タリング装置、あるいは半導体ウエハーに成膜を施すC
VD装置などが使用されている。そして、これらの製造
装置では、微細加工による高集積化などを目的として、
プラズマ発生機構を備えた構成が採られている。たとえ
ば、図1に構成の概略を示すようなヘリコン波プラズマ
エッチング装置が知られている。
【0003】図1において、1はエッチングガス供給口
2、および真空排気口3を有するエッチング処理室であ
り、その処理室1の外周部にはアンテナ4、電磁石5お
よび永久磁石6が設置されている。また、前記処理室1
内には、被処理体となる半導体ウエハー7を支持する下
部電極8が配置されている。さらに、前記アンテナ4
は、第1のマッチングネットワーク9を介して第1の高
周波電源10に接続し、下部電極8は、第2のマッチン
グネットワーク11を介して第2の高周波電源12に接
続している。
【0004】そして、このエッチング装置によるエッチ
ング加工は、次のように行われる。すなわち、下部電極
8面に半導体ウエハー7を載置し、エッチング処理室1
内を真空化した後に、エッチングガス供給口2からエッ
チングガスを供給する。その後、アンテナ4および下部
電極8に、対応する各マッチングネットワーク9、11
を介して、高周波電源10、12から、たとえば周波数
13.56MHzの高周波電流を流す。一方、電磁石5
に所要の電流を流して磁界を発生させることにより、エ
ッチング処理室1内に高密度のプラズマを発生させる。
そして、このプラズマエネルギーによって、エッチング
ガスを原子状態に分解して、半導体ウエハー7面に形成
された膜のエッチング加工が行われる。
【0005】ところで、この種の製造装置では、エッチ
ングガスとして、たとえば四塩化炭素(CCl)、塩
化ホウ素(BCl)などの塩素系ガス、もしくはフッ
化炭素(CF、C)、フッ化窒素(NF)、
フッ化硫黄(SF)などのフッ素系ガス(いずれも腐
食性ガス)を使用する。したがって、エッチング処理室
1の内壁部、監視窓、マイクロ波導入窓、下部電極8、
サセプターなど、腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝さ
れる構成部材については、耐プラズマ性が要求される。
このような要求に対応して、上記耐プラズマ性部材とし
て、アルミナ系燒結体、サファイア、窒化ケイ素系燒結
体、窒化アルミニウム系焼結体などが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ア
ルミナ系燒結体、サファイア、窒化ケイ素系燒結体、窒
化アルミニウム系焼結体などの耐プラズマ性部材は、腐
食性ガス雰囲気下でプラズマに曝されると徐々に腐食が
進行し、表面領域を構成する結晶粒子が離脱するため、
いわゆるパーティクル汚染を生じる。すなわち、離脱し
たパーティクルが、半導体ウエハー7、下部電極8、下
部電極8近傍などに付着し、エッチングの精度などに悪
影響を与え、半導体の性能や信頼性が損なわれ易いとい
う問題がある。
【0007】また、CVD装置においても、クリーニン
グ時にフッ化窒素(NF)などのフッ素系ガスにプラ
ズマ下で曝されるため、耐食性が必要とされている。
【0008】上記耐食性の問題に対し、イットリウムア
ルミニウムガーネット(いわゆるYAG)もしくはアル
ミン酸イットリウム焼結体を素材とする耐プラズマ性部
材が提案されている(たとえば特開平10−45461
号公報、特開平10−236871号公報)。すなわ
ち、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝され
る表面領域が、気孔率3%以下のスピネル、コージェラ
イト、イットリウムアルミニウムガーネットなどの複合
酸化物を主体とした焼結体で形成され、かつ表面を中心
線平均粗さ(Ra)1μm以下とした耐プラズマ性部材
が知られている。
【0009】しかし、このイットリウムアルミニウムガ
ーネット焼結体などは、アルミナなどに較べて耐プラズ
マ性がすぐれているとはいえ、被加工体の大口径化など
に対応できない。すなわち、半導体の製造におけるドラ
イプロセス、特に、エッチングプロセスにおいて、製造
上のコストアップを招来する。こうした事由によって、
さらに、低コストで、すぐれた耐プラズマ性を有する部
材が望まれる。
【0010】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、プラズマ曝露に対しても十分耐え、かつコストの
低減が図られた耐プラズマ性部材およびその製造方法の
提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、腐食
性ガス下でプラズマに曝される少なくとも表面領域が酸
化イットリウム系焼結体であることを特徴とする耐プラ
ズマ性部材である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の耐プラ
ズマ性部材において、酸化イットリウム系焼結体がアル
ミン酸イットリウムとの複合焼結体で、かつアルミニウ
ム元素の定量によって算出されるアルミン酸イットリウ
ムを外率で0.1〜10質量%含有していることを特徴
とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の耐プラズマ性部材において、酸化イットリウ
ム系焼結体の気孔率が2%以下であることを特徴とす
る。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3いずれか一記載の耐プラズマ性部材において、酸化イ
ットリウム系焼結体の表面が中心線平均粗さ(Ra)が
2.5以下であることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、純度99.5%以上
で、平均粒径0.1〜5.0μmの酸化イットリウム粉
末を主体として含むスラリーを調製する工程と、前記調
製したスラリーから造粒して造粒粉を調製する工程と、
前記造粒粉を成形体化し、その成形体を仮焼・脱脂した
後に1500〜2000℃の温度で焼成する工程とを有
することを特徴とする耐プラズマ性部材の製造方法であ
る。
【0016】請求項1ないし5の発明は、次のような知
見に基づいてなされたものである。すなわち、ハロゲン
系のプラズマに対して高い耐食性を有する材料に関して
検討を進めた結果、(a)酸化イットリウム(Y
)系焼結体は、酸化アルミニウム系焼結体に較べ
て格段とすぐれた耐ハロゲン系プラズマ性を呈する。
(b)上記すぐれた耐ハロゲン系プラズマ性に伴って、
焼結体における反応生成物も少なく、たとえばアルミニ
ウムなどを不都合な元素を放出する問題がない。(c)
酸化イットリウム系焼結体は、イットリウムアルミニウ
ムガーネット系焼結体に較べ、低コストの耐プラズマ性
部材として機能する。などの点を確認し、これらの発明
に至ったものである。
【0017】請求項1ないし4の発明において、腐食性
ガス下でプラズマに曝される少なくとも表面領域は、酸
化イットリウム系焼結体で形成されている。ここで、酸
化イットリウム系焼結体の結晶平均粒径は、特に、限定
されないが、一般的に、2〜10μm程度が好ましい。
また、酸化イットリウム系焼結体は、成形助剤や焼結助
剤の含有を許容する実質的に、酸化イットリウム成分の
みによる構成でもよいが、アルミニウム元素の定量によ
って算出したアルミン酸イットリウムを外率で0.1〜
10質量%含有した複合焼結体の構成を採ることもでき
る。この場合、酸化イットリウムのみによるものに比
べ、焼成温度を低くすることができ、得られる焼結体
は、気孔の少ない緻密なものとなる利点がある。
【0018】すなわち、酸化イットリウム成分100質
量部当たり、アルミン酸イットリウム、酸化アルミニウ
ムもしくはこれらの混合物を0.2〜20質量部、好ま
しくは0.3〜5質量部添加して調製した組成物を原料
とし、複合酸化物焼結体とし、かつこの複合酸化物焼結
体中に、アルミニウム元素の定量によって算出したした
とき、アルミン酸イットリウムを外率で0.1〜10質
量部とした構成を採ることもできる。ここで、アルミン
酸イットリウムが、外率で0.1質量%未満では、焼結
性の助長など図れないし、また、10質量%を超えると
耐プラズマ性の低下を招来する傾向が認められる。
【0019】なお、上記において、酸化アルミニウム成
分は、焼成過程で酸化イットリウム成分の一部と反応し
てアルミン酸イットリウムを生成し、酸化イットリウム
粒子間を充填する形で焼成・緻密化を助長する。また、
この焼結体は、全体を酸化イットリウム質系で構成して
もよいが、たとえば酸化アルミニウム系焼結体を基材と
し、表面に酸化イットリウム系焼結体層を一体的に形成
した構成としてもよい。つまり、腐食性ガス下、プラズ
マに曝される表面領域のみを酸化イットリウム系焼結体
とし、中心基材部を機械的強度などのすぐれた他のセラ
ミックスとした構造を採ってもよい。
【0020】請求項1ないし4の発明において、腐食性
ガス下でプラズマに曝される少なくとも表面領域が、次
のような状態にあることが好ましい。すなわち、表面領
域を形成する酸化イットリウム系焼結体層は、その気孔
率が2%以下であること、さらには、中心線平均粗さ
(Ra)が2.5μm以下であることが望ましい。ここ
で、気孔率が2%以下、中心線平均粗さ(Ra)が2.
5μm以下の場合は、プラズマによる侵食の起点となり
易い角部などが低減するため、耐プラズマ性の向上が助
長される。
【0021】請求項5の発明において、主原料成分とな
る酸化イットリウム粉末は、純度99.5%以上で、平
均粒径0.1〜5.0μmの範囲で選択される。ここ
で、純度99.5%以上、平均粒径0.1〜5.0μm
に選択されるのは、最終的に、所望の耐プラズマ性を有
する酸化イットリウム系焼結体を容易に、歩留まりよく
製造し易く、結果として、低コスト化なども図れるから
である。
【0022】請求項5の発明において、上記酸化イット
リウム粉末を主体として含む原料粉の調製は、次のよう
に行われる。先ず、酸化イットリウム粉末に、要すれば
所要の添加成分(たとえば成形助剤、アルミン酸イット
リウムなど)、純水などの媒体、およびポリビニルアル
コールなどのバインダーを所要量加え、たとえば回転式
のボールミルなどによって、撹拌混合してスラリーを調
製する。その後、前記調製したスラリーをプレードライ
法で造粒して造粒粉を調製する。
【0023】ここで、酸化イットリウム−アルミン酸イ
ットリウム系などの複合焼結体化する場合は、予め、酸
化イットリウムとアルミン酸イットリウムとの混合系に
焼成処理を施し、複合型酸化物化させたものを粉砕して
使用する形態を採ることもできる。
【0024】次いで、造粒粉を静水圧プレス法などで成
形し、その成形体に大気雰囲気中、900℃程度の加熱
温度で仮焼・脱脂処理を施す。なお、成形は、静水圧プ
レスで行う代わりに、たとえば金型成形、押し出し成
形、射出成形、鋳込み成形などの成形手段であってもよ
い。また、1500〜2000℃にて行われる焼成雰囲
気は、大気(空気)、還元性雰囲気、真空などいずれで
もよく、焼成後に、大気中でアニール処理を施してもよ
い。
【0025】ここで、焼成温度が、1500℃未満で
は、十分な焼結が行うことが難しく、2000℃を超え
ると、原料成分の揮散などが起こり易いので、上記範囲
内、好ましくは1700〜1850℃程度に設定する。
なお、熱間静水圧プレス方式、あるいはホットプレス方
式などで、加圧焼成した場合、より気孔率の低い焼結体
を得ることができる。
【0026】請求項5の発明において、酸化イットリウ
ム成分に、アルミン酸イットリウム成分、酸化アルミニ
ウム成分の所要量を添加配合したとき、成形体の焼結
(焼成)を非酸化性雰囲気で行うと、アルミン酸イット
リウムに導入された酸素イオン欠陥に起因する焼結体の
灰色ないし黒色化を生じるが、耐プラズマ性など性能上
の支障はない。なお、前記灰色ないし黒色は、大気雰囲
気中、1400〜1700℃の熱処理を施すことにより
白色化できる。
【0027】また、焼結2おいては、その焼結過程でア
ルミン酸イットリウムが揮散し易いため、アルミン酸イ
ットリウム成分を所要の組成比に維持できるように調製
する。
【0028】請求項1ないし4の発明では、酸化イット
リウム系焼結体は、その焼結結晶的に安定化するだけで
なく、すぐれた耐プラズマ性を呈する。ここで、優れた
耐プラズマ性の発現は、次のような理由によると考えら
れる。つまり、一般的に、酸化イットリウムがフッ化さ
れて生成するフッ化イットリウム(YF)は、フッ化
アルミニウム(AlF)に較べて蒸発しにくく、ま
た、ハロゲン系の腐食性ガスにも侵食され難いので、高
い耐プラズマ性を呈する。
【0029】そして、耐プラズマ性の向上に伴う反応の
起こりにくさは、高密度の腐食性プラズマに曝される領
域での使用において、パーティクル汚染を生じる恐れを
解消し、高精度で、信頼性の高い加工などに適した機能
を呈する。さらに、こうした性能は、表面領域を形成す
る酸化イットリウム系焼結体の気孔率2%以下、中心線
平均粗さ(Ra)2.5μm以下であることにより助長
される。
【0030】したがって、製造装置ないし半導体の製造
コストアップを抑制防止しながら、成膜の質や加工精度
などに悪影響を与えることなく、性能や信頼性の高い半
導体の製造・加工に、効果的に寄与する。
【0031】請求項5の発明では、より耐プラズマ性が
向上・改善された耐プラズマ性部材を歩留まりよく、か
つ量産的に提供することが可能となる。
【0032】
【発明の実施形態】以下、実施例を説明する。
【0033】実施例1
【0034】純度99.9%、平均粒子径1.0μmの
酸化イットリウム粒子100重量部に対し、適量のイオ
ン交換水およびポリビニルアルコール2重量部を加え、
撹拌・混合してスラリーを調製する。その後、前記調製
したスラリーをスプレードライヤーで造粒し、得られた
造粒粉を冷間静水圧プレス(CIP)にて、100MP
aの圧力で成形し、厚さ10mm、径80mmの成形体
を作製した。
【0035】上記成形体について、大気中、900℃の
温度で仮焼・脱脂の処理を施した後、大気中、水素気流
中もしくは減圧下、1750℃の温度で焼成を行って、
3種類の酸化イットリウム系燒結体を得た。これらの焼
結体の気孔率をアルキメデス法で測定したところ表1に
示す如くであった。また、上記各焼結体から、厚さ2m
m、幅10mm、長さ10mmの試験片を切り出し、そ
の片面を表面粗さRa0.05μmに加工した。
【0036】上記各試験片の被加工表面を約半分をテフ
ロン(登録商標)テープでマスキングし、平行平板型R
IE装置に取り付け、周波数13.56MHz、高周波
ソース500W、高周波バイアス300W、CF/O
/Ar=30:20:50、10mTorrの条件
で、2時間プラズマ曝露試験を行って、それぞれエッチ
ングレート(オングストローム/h)を測定・評価し
た。この結果を表1に併せて示す。因みに、純度99.
9%の酸化アルミニウム焼結体の場合を焼結条件、気孔
率、試験片の表面粗さRa、およびエッチングレート
(オングストローム/h)など、表1に比較のため示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から分かるように、実施例に係る耐プ
ラズマ性部材は、比較例に係る耐プラズマ性部材に較べ
て、腐食性ガス下におけるプラズマによるエッチング損
傷、パーティクル汚染なども大幅に抑制される。つま
り、半導体の製造工程などにおいて、精度の高い加工な
どを行えるだけでなく、被加工体に悪影響を及ぼす恐れ
の解消も図られる。
【0039】実施例2
【0040】上記実施例1において、焼成雰囲気を水素
気流中とし、焼成温度1680〜1750℃の範囲で変
えた他は、実施例1の場合と同様の条件で酸化イットリ
ウム焼結体を6種類作製した。次いで、これらの焼結体
につき、実施例1の場合と同様に、気孔率をアルキメデ
ス法によって測定するとともに、試験片を切り出し表面
加工した後、エッチングレート(オングストローム/
h)を測定・評価した結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から分かるように、実施例に係る耐プ
ラズマ性部材は、腐食性ガス下におけるプラズマによる
エッチング損傷、パーティクル汚染なども大幅に抑制さ
れる。つまり、半導体の製造工程などにおいて、精度の
高い加工などを行えるだけでなく、被加工体に悪影響を
及ぼす恐れの解消も図られる。
【0043】実施例3 純度99.9%、平均粒子径1.0μmの酸化イットリ
ウム粒子100重量部に対し、アルミン酸イットリウム
(表3でAとして表示)もしくは酸化アルミニウム(表
3でBとして表示)0.05〜22重量部を加え、ボー
ルミルによって18時間撹拌・混合した後、適量のイオ
ン交換水およびポリビニルアルコール2重量部を加え、
さらに、ボールミルによって1時間撹拌・混合して比較
例を含む16種のスラリーを調製する。その後、前記調
製した各スラリーをスプレードライヤーで造粒し、得ら
れた造粒粉を一軸金型プレスを用いて30MPaの圧力
で一次成形を行った。この一次成形体を冷間静水圧プレ
ス(CIP)にて、100MPaの圧力で二次成形し、
厚さ10mm、径80mmの成形体をそれぞれ作製し
た。
【0044】上記各成形体について、大気中、900℃
の温度で仮焼・脱脂の処理を施した後、10Pa以下の
減圧下、1480℃、1850℃もしくは2020℃の
温度で焼成を行って、16種類の酸化イットリウム系燒
結体を得た。これらの焼結体を大気中、1600℃の熱
処理を施して、白色の焼結体を得た。
【0045】次いで、各白色化した焼結体について、I
CP(誘導結合プラズマ)発光分光分析によってアルミ
ニウム濃度を定量し、この定量アルミニウムの全てがア
ルミン酸イットリウムであると仮定して、アルミン酸イ
ットリウム濃度(外率質量%)を算出した。また、これ
ら焼結体の気孔率をアルキメデス法で測定した結果を、
組成系、焼成温度などとともに、表3に示す。さらに、
上記各焼結体から、厚さ2mm、幅10mm、長さ10
mmの試験片を切り出し、その片面を表面粗さRa0.
08〜0.22μmに加工した。
【0046】上記各試験片を平行平板型RIE装置に取
り付け、周波数13.56MHz、高周波ソース100
0W、高周波バイアス300W、CF/Ar=40:
60、10mTorrの条件で、5時間プラズマ曝露試
験を50回繰り返し行って、それぞれエッチングレート
(オングストローム/h)を測定・評価した。この耐プ
ラズマ性の評価結果は、実施例3a〜3jの各試料と
も、比較例3bなどに較べて、2倍以上の耐プラズマ性
を示した。なお、比較例3a、3c、3e、3fは、気
孔率が大きく鏡面が得られなかったので、鏡面に近い状
態でプラズマに曝露し、その曝露表面をSEM(走査型
電子顕微鏡)で観察したところ、パーティクルが多数固
観察され、表面粗さRaを測定できなかった。
【0047】
【表3】
【0048】表3から分かるように、焼結体中のアルミ
ン酸イットリウム濃度ないし含有量が外率で10質量%
を超えるとプラズマ中での曝露によって、表面が侵食さ
れて粗される。一方、0.1質量%未満では、焼結性が
十分に助長されないので気孔率が大きく、プラズマ中で
の曝露でパーティクルの発生が観察される。さらに、焼
成温度が1500℃未満では、焼結が十分に進行しない
ために、焼結体の気孔率が高く、パーティクルの発生が
促進されている。また、焼成温度が2000℃を超える
と、生成したアルミン酸イットリウムの揮発が多くな
り、これが気孔率のアップに連なって、パーティクルの
発生が観察される。
【0049】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば成形手段、仮焼・脱脂処理
温度、焼成条件など、許容される範囲で適宜変更でき
る。
【0050】
【発明の効果】請求項1および4の発明によれば、すぐ
れた耐プラズマ性を有する酸化イットリウム系焼結体か
ら成る耐プラズマ性部材が提供される。さらに、耐プラ
ズマ性が向上したことに伴って、反応が起こりにくくな
るので、高密度の腐食性プラズマに曝される領域での使
用において、パーティクル汚染を生じる恐れを解消し、
高精度で、信頼性の高い加工などに適した機部材が提供
される。
【0051】したがって、製造装置ないし半導体の製造
コストアップを抑制防止しながら、成膜の質や精度など
に悪影響を与えることなく、性能や信頼性の高い半導体
の製造・加工に、効果的に寄与する。
【0052】請求項5の発明によれば、より耐プラズマ
性が向上・改善された耐プラズマ性部材を歩留まりよ
く、かつ量産的に提供、および信頼性の高い半導体の製
造に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマエッチング装置の概略構成を示す断面
図。
【符号の説明】
1……エッチング処理室 2……エッチングガス供給口 3……真空排気口 4……アンテナ 5……電磁石 6……永久磁石 7……半導体ウエハー 8……下部電極 9、11……マッチングネットワーク 10、12……高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青沼 伸一朗 神奈川県秦野市曾屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 村松 滋子 神奈川県秦野市曾屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 5F004 AA15 BA20 BB07 BB13 BB29 BD04 DA00 DA05 DA11 DA17 DA18 DA23 DA26 5F045 AA08 BB15 DP03 DQ10 EB03 EC05 EH02 EH16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食性ガス下でプラズマに曝される少な
    くとも表面領域が酸化イットリウム系焼結体であること
    を特徴とする耐プラズマ性部材。
  2. 【請求項2】 酸化イットリウム系焼結体がアルミン酸
    イットリウムとの複合焼結体で、かつアルミニウム元素
    の定量で算出されるアルミン酸イットリウムを外率で
    0.1〜10質量%含有していることを特徴とする請求
    項1記載の耐プラズマ性部材。
  3. 【請求項3】 酸化イットリウム系焼結体の気孔率が2
    %以下であることを特徴とする請求項1もしくは請求項
    2記載の耐プラズマ性部材。
  4. 【請求項4】 酸化イットリウム系焼結体の表面が中心
    線平均粗さ(Ra)が2.5以下であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3いずれか一記載の耐プラズマ
    性部材。
  5. 【請求項5】 純度99.5%以上で、平均粒径0.1
    〜5.0μmの酸化イットリウム粉末を主体として含む
    スラリーを調製する工程と、 前記調製したスラリーから造粒して造粒粉を調製する工
    程と、 前記造粒粉を成形体化し、その成形体を仮焼もしくは脱
    脂した後に1500〜2000℃の温度で焼成する工程
    と、を有することを特徴とする耐プラズマ性部材の製造
    方法。
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