JP5545803B2 - セラミックス多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマに対する耐食性に優れたセラミックス多孔質焼結体に関する。
セラミックス多孔体は、フィルター、ガス分散板、真空吸着装置等に用いられている。セラミックス多孔体は耐食性に優れており、特に不純物による汚染を嫌う環境で使用される部材として好適である。なかでも、希土類元素化合物は、耐プラズマ性に優れており、半導体製造装置用のシャワープレート等に用いられている。
例えば、特許文献1には、腐食性ガスをウェハ表面に供給するための複数の細孔と該細孔の先端に形成された噴出口を有する半導体製造装置用のシャワープレートであって、アルミナとYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の化合物を主結晶相とするセラミックスからなることを特徴とするシャワープレートが開示されている。特許文献1のシャワープレートでは、ガスを噴出する複数の細孔及び噴出口は、所望のサイズに適した細いドリルを用いて穴加工が行われている。
特開2003−133237号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、細孔及び噴出口がドリルによる穴加工で形成されているため、欠けが生じ易かった。そのため、噴出量が制御できなかったり、欠けたものが異物として装置内に入ったりするおそれがあった。
また、数多くの細孔を形成する必要があり、細孔の寸法精度も必要になることから、加工コストがかかるという問題があった。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、耐食性に優れ、パーティクルの発生が少ないセラミックス多孔質焼結体を得ることを目的とする。
本発明は、これらの問題を解決するため、圧壊強度5MPa以上の希土類元素酸化物を含むセラミックス粉末成形粒子の結合により形成されたセラミックス多孔質焼結体を提供する。
また、セラミックス粉末成形粒子の平均粒径が5μm以上、希土類元素酸化物の含有量が10質量%以上であるセラミックス多孔質焼結体を提供する。
気孔率10〜40%、ヤング率20GPa以上、曲げ強度15MPa以上であるセラミックス多孔質焼結体を提供する。
また、セラミックス粉末成形粒子のアスペクト比が1〜10であるセラミックス多孔質焼結体を提供する。
さらに、希土類元素酸化物を含む原料粉末からセラミックス粉末成形粒子を得る工程と、前記セラミックス粉末成形粒子を成形冶具に充填する充填工程と、充填した前記セラミックス粉末成形粒子を一軸加圧して成形する成形工程と、所定の雰囲気でホットプレス焼結する焼結工程と、を含み、前記セラミックス粉末成形粒子は、圧壊強度が5MPa以上であり、平均粒径が5μm以上であることを特徴とする半導体プラズマ処理装置用セラミックス多孔質焼結体(但し、結合材としてガラスを含まない)の製造方法を提供する。
前記焼結工程におけるホットプレスのプレス圧は、5MPa以上であってセラミックス粉末成形粒子の圧壊強度の2倍以下とすることが好ましい。
セラミックス多孔質焼結体は、半導体製造装置用セラミックス部品、なかでもシャワープレートに好適である。
耐食性に優れ、パーティクルの発生が少ないセラミックス多孔質焼結体を提供できる。
本発明のセラミックス多孔質焼結体を用いたセラミックス部品である。
本発明のセラミックス多孔質焼結体は、圧壊強度5MPa以上の希土類元素酸化物を含むセラミックス粉末成形粒子の結合により形成される。セラミックス粉末成形粒子の圧壊強度が、5MPa以上であれば、セラミックス多孔質焼結体の成形及び焼成時に、損壊するおそれがなく、損壊に伴う微細粉の発生も抑えられる。したがって、微細なパーティクルによる汚染を嫌う装置内であっても好適に用いることができる。
また、上記のようにセラミックス原料を粉末成形粒子として、所定以上の圧壊強度を有するまで予備的に焼結させておくことで、多孔質であっても耐食性に優れたセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。
さらに、圧壊強度が上記範囲であれば、ホットプレス圧を制御することによってセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。そして、得られたセラミックス多孔質焼結体は、良好な耐食性を示す。圧壊強度が小さいと、それよりも小さなホットプレス圧を加えても十分な粒子間の結合が得られないし、得られる多孔質焼結体の強度も低いため研削や使用中の接触によりパーティクルが発生し易い。逆に大きなホットプレス圧を加えても、損壊し易くなるので、やはりパーティクルの発生が増加する。
希土類元素酸化物を含むことでセラミックス多孔質焼結体の耐食性が向上する。これまで焼結体や溶射膜については、希土類元素酸化物を含むセラミックスが用いられてきたが、多孔質焼結体に用いた例は見られない。これは、希土類元素酸化物の焼結体は、脆いため多孔質にすると微細なパーティクルが発生し易いため適用が困難であったと思われる。本発明は、このような問題を解消し、耐食性に優れ、パーティクルの発生の少ないセラミックス多孔質焼結体を提供するものである。
希土類元素としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのいずれの元素でも用いられるが、焼結性や取り扱いの点でY、La、Sm、Gd、Dy、Ybが好ましい。なかでもYが最も望ましい。
その他アルミナ、マグネシア、スピネル、ジルコニア等の酸化物セラミックスが含まれていても良い。なかでもアルミナが焼結性や耐食性の点で最も好適に用いられる。
希土類元素酸化物の含有量は10質量%以上が好ましい。例えば、Yの酸化物であるYを10質量%含み、残部がアルミナであるセラミックス混合粉末を用いることができる。希土類元素酸化物の含有量は、10〜100質量%とすることができる。セラミックス粉末成形粒子の強度を高めるには10〜99.9質量%とすることが好ましく、10〜90質量%とすることがより好ましい。このような範囲であれば、プラズマに対する耐食性を高めることができる。また、その他の酸化物セラミックスを含ませることで、機械的強度を高めることができる。
また、セラミックス粉末成形粒子は、平均粒径5μm以上が好ましい。このような粗いセラミックス粉末成形粒子を用い、その圧壊強度を5MPa以上とすることで、パーティクルが発生し難い多孔質焼結体を得ることができる。セラミックス粉末成形粒子の平均粒径のより好ましい範囲は、5〜200μmであり、より好ましくは、5〜100μmである。なお、本発明では、レーザー回折式粒度分布測定により求めたメディアン径(D50)をもってセラミックス粉末成形粒子の平均粒径とする。
本発明のセラミックス多孔質焼結体において、多孔質とは、少なくとも10%の気孔率を有することを意味する。気孔率は10〜40%とすることが好ましい。このような範囲であれば、フィルター、ガス分散板、真空吸着装置等に好適である。特に、本発明のセラミックス多孔質焼結体は、プラズマに対する耐食性に優れているので、プラズマに曝されるシャワープレート等の半導体製造装置用部材に適用することができる。
さらに、セラミックス多孔質焼結体は、ヤング率20GPa以上、曲げ強度15MPa以上であることが好ましい。研削加工や使用時の接触に伴って生じるパーティクルを低減するには、上記のようなヤング率及び曲げ強度を有することが望ましく、本発明では、セラミックス粉末成形粒子の圧壊強度を、5MPa以上とし、適切なホットプレス圧で焼結させることから、上記範囲を満足する耐食性に優れたセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。
セラミックス粉末成形粒子のアスペクト比は1〜10であることが好ましい。アスペクト比が上記範囲であれば、成形時の局所的なストレスが少ないので、微細粉の発生を抑えることができる。また、アスペクト比を上記範囲とすることにより、局所的に腐食が進むことが起こり難く、セラミックス多孔質焼結体の耐食性を高めることができる。セラミックス粉末成形粒子のアスペクト比は、1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。
セラミックス多孔質焼結体セラミックス多孔質焼結体は、ガラスのような結合材を実質的に含まず、セラミックス粉末成形粒子同士の結合により形成され、10〜40%の気孔率を有し、ヤング率が20GPa以上である。本発明によれば、気孔率が10〜40%の希土類元素酸化物を含むセラミックス多孔質焼結体でヤング率が20GPa以上のヤング率のセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。ヤング率が高いので加工精度が良く、他の部材と接合する場合であっても、接合部を高精度で接合することができる。
また、本発明のセラミックス多孔質焼結体の曲げ強度は、15MPa以上とすることができる。上記のように、所定以上の圧壊強度を持つセラミックス粉末成形粒子を用い、所定のホットプレス焼結を行うことで曲げ強度を高めることができる。
このようなイットリア粉末成形粒子を用いて得られる多孔質焼結体の平均気孔径は、3〜30μmとすることができる。このように気孔径の大きな多孔質焼結体が得られるので、例えばフィルター、ガス分散板、シャワープレートに用いる場合には、通気抵抗を小さくすることが可能となる。なお、本発明でいう平均気孔径は、水銀圧入法により測定したものである。
本発明のセラミックス多孔質焼結体は、腐食性ガスを伴うプラズマに対する耐食性に優れている。腐食性ガスとしては、SF、CF、CHF、ClF、NF、C、HF等のフッ素系ガスやCl、HCl、BCl、CCl等の塩素系ガス、及びこれらと酸素等との混合ガスが用いられる。シャワープレートは、これらのガスを処理容器内に供給する部材であり、処理容器内のプラズマに曝されることから、耐食性は極めて重要である。本発明のセラミックス多孔質焼結体は、プラズマ処理によるパーティクルの発生が少ないことから、特にこの用途に好適である。セラミックス多孔質焼結体を構成するセラミックス粉末成形粒子の圧壊強度に着目し、適切な圧力でホットプレス焼結を施すことで、加工時、取扱い時、及びプラズマ処理時のパーティクルの発生を抑制したことから、異物の混入を嫌う半導体製造装置部材に適用できる。
さらに、本発明は、外周にヤング率の小さい低剛性部を有するセラミックス多孔質焼結体とすることができる。低剛性部を形成することにより、セラミックス多孔質焼結体と緻密質セラミックスとを嵌合した部材を製造する場合に、より容易に製造することが可能となる。低剛性部は、セラミックス多孔質焼結体の中心部のヤング率に対して5〜40%低いことが好ましい。ここで、中心部とはセラミックス多孔質焼結体の表面に露出していない内部の略中心を意味する。低剛性部が形成される外周は、セラミックス多孔質焼結体のホットプレス方向に平行な外側の表面をいうが、セラミックス多孔質焼結体の表面全体に低剛性部を形成しても良い。低剛性部は少なくともホットプレス方向に平行な外側の表面から所定の距離の厚さで形成される。例えば、円板や円柱形状であれば、円の半径に対して5〜50%の厚さとすることができる。
低剛性部は、他の部材との嵌合体または接合体を構成する場合に、特に有効である。セラミックス多孔質焼結体は、緻密質セラミックスと接合されて用いられることが多く、特に真空吸着装置やガス分散板など、セラミックス多孔質焼結体の外周を緻密質セラミックスで囲うように接合したものがある。例えば、円板、円柱等の形状のセラミックス多孔質焼結体と、それを嵌め込むことのできる環状、管状等の緻密質セラミックスとが接合される。その際、本発明のセラミックス多孔質焼結体は、外周に低剛性部を有しているので、嵌合または接合時に低剛性部が変形し、割れや欠けを生じることなく作製することができる。
シャワープレートに用いる場合には、プラズマに曝されるセラミックス多孔質焼結体の表面に希土類元素酸化物を含む被覆膜を形成しても良い。多孔質の表面に被覆膜を形成することで、表面の気孔率及び気孔径をより小さい領域で制御できるようになる。このとき、基材はセラミックス多孔質焼結体なので、それ自体を介して雰囲気ガスを供給でき、被覆膜との密着性も高められる。
次に本発明のセラミックス多孔質焼結体の製造方法について、説明する。
セラミックス粉末原料の純度は、希土類元素酸化物及び、その他の酸化物について99.5%以上のものを用いることが好ましい。このように純度が高く、ガラス等の結合材を用いないので不純物による汚染を抑えることができる。
セラミックス粉末成形粒子は、セラミックス粉末を溶融、固化、粉砕する溶融法の他、セラミックス粉末を焼結させた後、粉砕する方法、噴霧乾燥法、溶射法、CVD法等、種々の方法を用いて作製することができる。特に粒度分布をシャープに調整したものを用いたものが好ましい。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定により求めたD10とD90の比D90/D10を10以下とすることが好ましい。
噴霧乾燥法を用いる方法としては、噴霧乾燥により得られたセラミックス粉末顆粒を仮焼することによってセラミックス粉末成形粒子とすることができる。また、溶射法においては、水中に溶射することでセラミックス粉末成形粒子を得ることができる。このような方法を用いたセラミックス粉末成形粒子では、球状のアスペクト比が1に近いの粒子形状が得られる。
上記したセラミックス粉末成形粒子を一軸加圧用の成形冶具に充填する。その際、プレスが偏らないように均一に充填する。成形冶具は所定の気孔率の多孔質セラミックスが得られるように、スペーサを入れて調整する。成形冶具には、カーボンを用いることができる。カーボンを用いた成形冶具は、ホットプレスにそのまま適用可能である。
充填したセラミックス粉末成形粒子を一軸加圧して成形する。成形のプレス圧は1〜3MPaとすることが好ましい。
焼結はホットプレス法を用いることができる。ホットプレスのプレス圧は、5MPa以上であってセラミックス粉末成形粒子の圧壊強度の2倍以下とすることが好ましい。上述のように、ホットプレス圧が小さいと、十分な粒子間の結合が得られないし、得られる多孔質焼結体の強度も低いため研削や使用中の接触によりパーティクルが発生し易い。逆に圧壊強度よりも著しく大きなホットプレス圧を加えても、損壊し易くなるので、やはりパーティクルの発生が増加する。ホットプレスに加えて、放電プラズマ焼結を併用してもよい。ホットプレス焼結の焼結雰囲気は、真空中または不活性ガス雰囲気とすることができる。不活性ガスとしては、Ar、窒素等を用いることができる。
焼結温度は、1500〜1800℃で行うことが可能である。
セラミックス多孔質焼結体の外周に低剛性部を形成する方法として、充填工程で得られる充填物の外周に造孔材を含むようにする方法を用いることができる。造孔材としては、エポキシやアクリル等の樹脂バインダや、樹脂ビーズ等を用いることができる。具体的には、はじめに中央部に造孔材を含まない第一充填物を形成し、その周りに造孔材を含む第二充填物を形成することで、外周部に造孔材を含むように充填できる。
また、成形及び焼結工程で用いる一軸加圧成形冶具の一つであるパンチを中凸形状とすることによりセラミックス多孔質焼結体の外周部に低剛性部を形成する方法が採用できる。パンチを中凸にすることで中央部と外周部とにプレス圧の差が生じて外周部に低剛性部が形成される。パンチはプレスの片側を中凸としても良いし、両側を中凸としても良い。中凸の形状は特に限定されず、所定の低剛性部を得るために調整することができる。
また、焼結工程の雰囲気を、0.0001〜0.1MPaの窒素雰囲気とすることによりセラミックス多孔質焼結体の外周部に低剛性部を形成することができる。セラミックス多孔質焼結体の剛性を高めるには窒素雰囲気が好ましく、さらに減圧とすることで低剛性部を形成することができ、所定の低剛性部を得るために雰囲気圧力を調整することができる。雰囲気圧力のより望ましい範囲は0.0001〜0.01MPaである。
さらに、低剛性部を形成する方法としては、造孔材を用いる方法、中凸形状のパンチを用いる方法、および焼結雰囲気を調整する方法のいずれかを単独で用いても良いし、これらを組み合わせても良い。
セラミックス多孔質焼結体をセラミックス緻密体と接合する場合には、ホットプレス焼結後のセラミックス多孔質焼結体をそのまま加工せずに接合しても良いし、セラミックス多孔質焼結体の低剛性部の一部または全部を研削加工して接合しても良い。
接合は、セラミックスの焼結収縮を利用して焼き嵌める方法を用いることができる。例えば、環状または管状のセラミックス成形体に円板または円柱状のセラミックス多孔質焼結体を嵌め込み、加熱することでセラミックス成形体を緻密化させるとともに、環状または管状のセラミックス緻密体とセラミックス多孔質焼結体とを直接接合させる方法を用いることができる。この場合、セラミックス成形体の焼結後の寸法をセラミックス多孔質焼結体と同等かそれよりもやや小さく調整することで、セラミックス多孔質焼結体がセラミックス緻密体に締め付けられて隙間無く接合することができる。例えば、環状のセラミックス成形体の寸法は、焼結後の内径がセラミックス多孔質焼結体の外径よりも1〜2%小さくなるように調整することができる。
焼き嵌めの際の焼結温度は、セラミックス多孔質焼結体の焼結温度以下とすることが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。
[セラミックス粉末成形粒子の作製]
希土類元素酸化物粉末として、Y(平均粒径0.5μm、純度99.9%)、Gd(平均粒径0.5μm、純度99.9%)、及びYb(平均粒径0.5μm、純度99.9%)を用いた。また、その他の酸化物粉末として、アルミナ粉末(0.7μm、純度99.9%)、マグネシア粉末(平均粒径0.6μm、純度99.9%)、スピネル粉末(平均粒径0.5μm、純度99.9%)、及びジルコニア粉末(平均粒径0.5μm、純度99.9%)を用いた。
はじめに、セラミックス粉末成形粒子に含まれる希土類元素酸化物粉末の含有量を0〜99.9質量%の範囲で調整し、希土類元素酸化物粉末と他の酸化物粉末との混合粉末を準備した。作製した混合粉末を100kg/cmで一軸加圧成形、1.2t/cmでCIPし、成形体を作製した。成形体は、大気中で、1500〜1800℃の範囲で焼結し、酸化物セラミックス複合焼結体とした。焼成温度は、各配合において、圧壊強度が所定値となるように制御した。得られた焼結体について粉砕機を用いて、平均粒径が所定値となるように粉砕し、セラミックス粉末成形粒子を作製した。
セラミックス粉末成形粒子を光学顕微鏡により観察したところ、アスペクト比は、1〜2の範囲であった。また、レーザー回折式粒度分布測定により求めたD10とD90の比D90/D10を10以下となるように必要に応じて分級した。
[セラミックス多孔質焼結体の作製]
得られたセラミックス粉末成形粒子を内径100mmのカーボンの成形冶具に詰め、2MPaで仮プレスし、昇温速度300℃/min、1600〜1720℃で180分、3〜20MPaの圧力をかけてホットプレス焼結を行い、φ100×20tのセラミックス多孔質焼結体を作製した。焼結は0.1MPaの窒素雰囲気とした。
[評価]
圧壊強度は、微少圧縮試験機を用いて測定した。セラミックス粉末成形粒子の平均粒径については、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。セラミックス多孔質焼結体の気孔率は、アルキメデス法により測定した。ヤング率と曲げ強度は、セラミックス多孔質焼結体の中心部から試験片を切り出してJISR1602、1601に準拠して測定した。
また、セラミックス多孔質焼結体を1時間プラズマ中(ガス:CF+O(50%)、出力:1500W)に暴露した後、リオン社製の光散乱式パーティクルカウンターKC−24を用いて、フィルター浄化空気を流量28リットル/minで、セラミックス多孔質焼結体を通して1分間吸引し、0.5μm以上のパーティクル数を測定した。なお、セラミックス多孔質焼結体を介さずにフィルター浄化空気を吸引したときのパーティクル数は、10〜30個程度であった。
比較のため、結合材にガラスを用いたセラミックス多孔質体(ガラス量:15重量%)についても同様の評価を行った(試験No.29)。
試験No.1は、希土類元素酸化物粉末を用いず、アルミナ粉末のみ用いたものであるが、プラズマ暴露後のパーティクル量は著しく多かった。
試験No.2〜22では、希土類元素酸化物粉末としてイットリアを用い、その他の酸化物粉末としてアルミナを用いた。セラミックス粉末成形粒子の圧壊強度3MPa、ホットプレス圧3MPaの試験No.8では、焼結後の強度が不十分であり、形状を保持できなかった。また、圧壊強度3MPa、ホットプレス圧5MPaの試験No.9では、形状が保持できる強度は得られたものの、プラズマ暴露後のパーティクル量が極めて多くなった。圧壊強度5MPaに対し、20MPaのホットプレス圧を加えた試験No.12では、気孔率が8%と緻密化し、多孔質体として不適なものとなった。
セラミックス粉末成形粒子の平均粒径を3μmとした試験No.16では、焼結が過剰に進んで緻密化し、多孔質体として不適なものとなった。試験No.2〜7、10、11、13〜15、17〜22では、十分な多孔性(気孔率)及び強度を有し、プラズマ暴露後のパーティクルの発生量も極めて少なかった。
試験No.23〜29では、希土類元素酸化物粉末としてイットリアを用いたセラミックス粉末成形粒子によりセラミックス多孔質体を作製した。結合材としてガラスを用いた試験No.29では、セラミックス粉末成形粒子がガラスにより結合された構造を有していることからプラズマ暴露によりガラスが腐食し、パーティクルが発生した。セラミックス粉末成形粒子にイットリアのみを用いた試験No.23〜28では、十分な多孔性(気孔率)及び強度を有し、プラズマ暴露後のパーティクルの発生量も極めて少なかった。
希土類元素酸化物粉末とスピネルを用いた試験No.30、31、マグネシアを用いた試験No.32、33、及びジルコニアを用いた試験No.34、35では、十分な多孔性(気孔率)及び強度を有し、プラズマ暴露後のパーティクルの発生量も極めて少ないセラミックス多孔質焼結体が得られた。また、希土類元素酸化物としてガドリニアを用いた試験No.36、37、イッテルビアを用いた試験No.38、39においても、十分な多孔性(気孔率)及び強度を有し、プラズマ暴露後のパーティクルの発生量も極めて少ないセラミックス多孔質焼結体が得られた。
次に、上記試験でパーティクル発生量の少なかった試験No.2〜7、10、11、13〜15、17〜22、23〜28、30〜39で得られたセラミックス多孔質焼結体を用いて、フィルター、ガス分散板、シャワープレート等に適用可能なセラックス部品を試作した。図1は試作したセラミックス部品10の概略断面図である。セラミックス多孔質焼結体11と環状の緻密質セラミックス12とは接合層を介さずに隙間なく接合されている。
セラミックス部品10は、接合によって作製した。接合は、環状のセラミックス成形体を各試験例の組成と同一組成で作製し、セラミックス多孔質焼結体を嵌め込んで焼結する方法を用いて行った。環状のセラミックス成形体の寸法は、焼結後の内径がセラミックス多孔質焼結体の外径よりも1〜2%小さくなるように設計した。具体的には、セラミックス多孔質焼結体の外径は、側面を1mmの厚さで研削し98mmとし、環状のセラミックス成形体を単独で焼結したときの内径が97mmになるように設計した。セラミックス成形体の環状部分の内側にセラミックス多孔質焼結体を入れ、昇温速度10℃/時間、1600〜1720℃の範囲でセラミックス多孔質焼結体の焼結温度以下の温度で3時間保持し、焼結を行った。
その結果、いずれの接合体においてもセラミックス多孔質焼結体及びセラミックス緻密体に割れが生じなかった。また、これらについても上記と同様にプラズマ暴露後にパーティクル数を測定した結果、接合体としても同様の結果が得られた。なお、接合体における環状のセラミックス緻密体の気孔率は、いずれも0.1%以下であった。
上記試作では、フィルター、ガス分散板、シャワープレート等に適用可能なセラミックス部品として、セラミックス多孔質焼結体と管状の緻密質セラミックスとが接合されたものを示したが、本発明のセラミックス多孔質焼結体を応用可能なセラミックス部品は上記のような形態に限定されるものではない。
このように、本発明のセラミックス多孔質焼結体は、プラズマ暴露後であってもパーティクルが発生し難いことから、耐プラズマ性が要求されるような部材に好適である。具体的には、フィルター、ガス分散板、シャワープレート等のセラミックス部品として用いることができる。なかでも、半導体製造装置用の部品であるシャワープレートに好適である。従来のシャワープレートのように穴加工によってガス噴出口を形成する必要が無く、多孔質構造によって所望の通気抵抗に制御でき、耐食性に優れたシャワープレートを容易に得ることができる。
10 セラミックス部品
11 セラミックス多孔質焼結体
12 緻密質セラミックス

Claims (2)

  1. 希土類元素酸化物を含む原料粉末からセラミックス粉末成形粒子を得る工程と、
    前記セラミックス粉末成形粒子を成形冶具に充填する充填工程と、
    充填した前記セラミックス粉末成形粒子を一軸加圧して成形する成形工程と、
    所定の雰囲気でホットプレス焼結する焼結工程と、
    を含み、
    前記セラミックス粉末成形粒子は、圧壊強度が5MPa以上であり、平均粒径が5μm以上であることを特徴とする半導体プラズマ処理装置用セラミックス多孔質焼結体(但し、結合材としてガラスを含まない)の製造方法。
  2. 前記焼結工程におけるホットプレスのプレス圧は、5MPa以上であってセラミックス粉末成形粒子の圧壊強度の2倍以下とする請求項1記載のセラミックス多孔質焼結体の製造方法。
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