JP2006315911A - セラミックス顆粒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 顆粒の製造方法や顆粒中の水分量等に関わらず、成形時の加圧による変形が常に良好であり、特に、低圧での変形が容易で、有機物粉末や金属粉末等の異種材料に追従したより低圧での良好な潰れ性を有し、これらの異種材料との混合粉末の成形体を容易に作製することが可能なセラミックス顆粒を提供する。
【解決手段】 セラミックス粉末を造粒して得られるセラミックス顆粒において、前記セラミックス粉末の比表面積径Aと前記セラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)を1.3〜4.0としたセラミックス顆粒とする。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】 セラミックス粉末を造粒して得られるセラミックス顆粒において、前記セラミックス粉末の比表面積径Aと前記セラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)を1.3〜4.0としたセラミックス顆粒とする。
【選択図】 選択図なし
Description
本発明は、主としてセラミックスからなる成形体を得るためのセラミックス顆粒に関するものである。
セラミックス焼結体は、電子部品や構造材料等として多くの分野で用いられている。この焼結体の製造においては形状付与のために原料となるセラミックス粉末は各種成形方法によりセラミックス成形体とされる。中でも乾式の加圧成形法は寸法精度に優れ、比較的簡便に量産できる方法として広く採用されてきた。このとき、用いられるセラミックス原料は、微細化の流れが著しく、成形助剤を添加して顆粒状(以下セラミックス顆粒)として使用されることが多い。
このような乾式の加圧成形方法に用いられるセラミックス顆粒に要求される特性として、
1)型等に投入する際に良好な状態に充填されるように流動性が良好であること、
2)型に充填した後に低圧で均一に潰れること、
3)加圧成形後、型からの離型性が良好であること、
4)貯蔵時や運搬時、あるいは型への充填時に相互衝突等により顆粒が崩壊しないこと、などが挙げられている。
1)型等に投入する際に良好な状態に充填されるように流動性が良好であること、
2)型に充填した後に低圧で均一に潰れること、
3)加圧成形後、型からの離型性が良好であること、
4)貯蔵時や運搬時、あるいは型への充填時に相互衝突等により顆粒が崩壊しないこと、などが挙げられている。
これらの要求を満たすために、例えば特許文献1(特開平7−82036号公報)によれば、セラミックス原料粉末に結合剤、可塑剤および媒体を添加してスラリー状の懸濁液とし、当該懸濁液のpHを2.5〜5.5もしくは10.5〜12.5に調整することにより、界面活性剤や凝集剤等を使用せずとも、安定した懸濁液を調整でき、流動性に優れ、低い圧力での潰れ性が良好なセラミックス顆粒の製造方法が開示されている。
特許文献2(特開平6−234563号公報)、特許文献3(特開2002−087885号公報)、特許文献4(特開2002−255658号公報)では、セラミックス原料粉末と特定の添加物を所定の量比にて配合したスラリーを噴霧乾燥して造粒することにより、流動性、型への充填性が良好で、低圧での潰れ性に優れたセラミックス顆粒の製造方法が開示されている。
特許文献5(特開平4−137704号公報)では、特定の条件にて造粒することにより、顆粒中の水分量を所定量に調整することにより、流動性、型への充填性が良好で、低圧での潰れ性に優れたセラミックス顆粒の製造方法が開示されている。
特許文献6(特開2002−128570号公報)では、セラミックス原料粉末およびバインダーと溶媒として水を含むセラミックススラリーを噴霧造粒機の入口温度170〜230℃かつ出口温度65〜125℃の範囲でアトマイザにより造粒することにより、流動性、型への充填性が良好で、低圧での潰れ性に優れたセラミックス顆粒の製造方法が開示されている。
このようにセラミックス原料粉末への添加物の種類や配合量、pH等によるスラリー性状や噴霧乾燥機の運転条件、造粒粉末の水分量等によっての課題への対応が開示されている。
また、異種材料との複合化に関して、例えば、特許文献7(特開2003−119019号公報)にはマトリックス樹脂中にセラミックス粒子を分散、充填させた樹脂複合材料の製造において、セラミックス粉末(2次粒子)中の粒子(1次粒子)占有体積率が50〜65%であることが好ましいことが開示されている。
しかしながら、これらの方法では、前述の要求に対してある程度の改善は可能だが、必ずしも満足しうるものではなく、さらには前記のような対応の場合には同等の条件や水分量等でありながら、潰れ性の異なる顆粒が得られることがしばしばあり、潰れ性の適正な評価のためには実際に成形してみる必要があり、作業が煩雑となっていた。
また、多孔体や複合材料等を乾式加圧成形方法で得る場合には、有機物粉末や金属粉末等の異種材料との混合粉末を成形する必要があり、このような場合には、異種材料粉末に追従したより低圧での潰れ性が特に重要となっていた。
異種材料との複合化に関して、例えば、前記特許文献7(特開2003−119019号公報)にはマトリックス樹脂中にセラミックス粒子を分散、充填させた樹脂複合材料の製造において、セラミックス粉末(2次粒子)中の粒子(1次粒子)占有体積率が50〜65%であることが好ましいことが開示されているが、この発明は、樹脂中への1次粒子の高分散と高流動性を狙ったものであり、乾式の加圧成形用を目指したものではなく、樹脂を母材とする材料に関するものである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は流動性、型への充填性が良好で、低圧での潰れ性に優れたセラミックス顆粒を提供することである。特に多孔体や複合材料等を乾式加圧成形方法で得る場合に、有機物粉末や金属粉末等の異種材料粉末に追従した、より低圧での潰れ性が良好なセラミックス顆粒を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、セラミックス粉末の比表面積径Aと該セラミックス粉末を造粒したセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)が特定の範囲内にある場合に低圧での変形が容易で潰れ性が非常に良好なセラミックス顆粒となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセラミックス顆粒は、セラミックス粉末を造粒して得られたセラミックス顆粒であって、前記セラミックス粉末の比表面積径Aと前記セラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)が1.3〜4.0であることを特徴とする。
以下、本発明をより詳しく説明する。
(1)セラミックス顆粒
本発明のセラミックス顆粒は、上記のように、セラミックス粉末の比表面積径Aとセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)が1.3〜4.0であることを特徴とするものである。このようにすることにより、成形時の加圧による変形が良好となり、特に500kg/cm2以下の低圧での変形が容易なセラミックス顆粒となる。なお、B/Aが4.0を上回る場合でも使用できないこともないが、流動性が劣る場合がある。
本発明のセラミックス顆粒は、上記のように、セラミックス粉末の比表面積径Aとセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)が1.3〜4.0であることを特徴とするものである。このようにすることにより、成形時の加圧による変形が良好となり、特に500kg/cm2以下の低圧での変形が容易なセラミックス顆粒となる。なお、B/Aが4.0を上回る場合でも使用できないこともないが、流動性が劣る場合がある。
ここで、セラミックス顆粒を形成するセラミックス粉末には通常のものを用いることが可能であり、特に限定されるものではない。具体的には、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、安定化剤として酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化インジウム、酸化セリウム等の希土類酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等を固溶させた酸化ジルコニウム、酸化マンガン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化イットリウム等の酸化物や炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素等の非酸化物の中の少なくとも1種類以上からなるものを用いることができる。
中でも、酸化セリウムを主体として構成されるセラミックス粉末については、従来顆粒化した事例は少なく、潰れ性の良好な顆粒は報告されていないが、本発明によれば、低圧での潰れ性に優れた酸化セリウムを主体とする顆粒を得ることができる。ここで、酸化セリウムを主体とする粉末とは、酸化セリウムを50%(重量比)以上含むセラミックス粉末を指すが、酸化セリウムを70%(重量比)以上含むセラミックス粉末であっても、潰れ性の良好な顆粒を得ることができる。酸化セリウムは鉱石として他の金属元素と共に産出され、精製することにより高純度化されている場合が多く、純度が高くなる程、顆粒化する際に他の元素の影響を受け難くなるためより好ましい。もちろん、気相法、液相法等により合成された高純度の酸化セリウム微粉末を用いることも好ましいのは言うまでもない。
また、セラミックス粉末が酸化ケイ素を主体として構成される場合は、酸化ケイ素粉末の平均粒径が非常に小さい場合があるため、従来の技術では、低圧での潰れ性に優れた顆粒を得ることが困難である場合があったが、本発明によれば、低圧での潰れ性に優れた酸化ケイ素を主体とする顆粒を容易に得ることができる。ここで、酸化ケイ素を主体とする粉末とは、酸化ケイ素を90%(重量比)以上含む粉末を指し、気相法、液相法、沈降法等により合成された酸化ケイ素等が含まれる。
本発明におけるセラミックス粉末の比表面積径Aは、造粒の原料となるセラミックス粉末を、例えば、200℃で脱気した後、市販の比表面積測定機(例えば、QUANTACHROME社製、MONOSORB)により測定して得た比表面積から、粒子形状を球形と仮定して下式により算出されるものである。
A=6/(S×ρ)
式中、Aは比表面積径(単位はμm)、Sは比表面積(単位はm2/g)、ρは粒子の密度(g/cm3)である。
式中、Aは比表面積径(単位はμm)、Sは比表面積(単位はm2/g)、ρは粒子の密度(g/cm3)である。
なお、本発明においては、セラミックス粉末の比表面積径Aは、セラミックス顆粒中の1次粒子径を代表する値として用いたものであり、その妥当性はセラミックス顆粒の電子顕微鏡観察により確認した。したがって、本発明で用いるセラミックス粉末の粒子形態は特に限定されるものではないが、内部細孔を多量に有する多孔質粒子を含むセラミックス粉末は本発明では原則として使用しない。また、本発明におけるセラミックス粉末の比表面積径Aは、セラミックス顆粒の電子顕微鏡観察により、顆粒内の1次粒子の平均粒径として測定することもできる。
本発明におけるセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bは、水銀ポロシメータによりセラミックス顆粒の細孔構造を測定して得られる細孔径分布において、顆粒内の細孔径に相当する細孔部分のモード径として得られるものである(単位はμm)。すなわち、市販の水銀ポロシメータ(例えば、島津製作所製、ポアサイザ9320)により、例えば、0〜270MPaの圧力範囲で測定して細孔径とその細孔径を有する細孔の総容積との関係(細孔径分布)を得、顆粒内の細孔に相当する細孔部分のモード径として、顆粒内細孔径Bを算出する。
セラミックス粉末の平均粒径が小さくなるほど、セラミックス粉末粒子、すなわち、顆粒又は成形体中の1次粒子間の接触点が増加するため、低圧での潰れ性が悪化しやすいが、特に近年は原料粉末の微細化が一層進んでおり、サブミクロンオーダーよりも細かい原料粉末を用いる場合もしばしば見受けられる。このようにセラミックス粉末の平均粒径が1μm以下である場合にも、セラミックス粉末の比表面積径Aとセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)を1.3〜4.0とすることにより、成形時の加圧による変形が良好で、特に低圧での変形が容易なセラミックス顆粒とすることが可能となる。
また、該セラミックス顆粒は、セラミックス粉末の比表面積径Aと500kg/cm2の圧力で成形して得た成形体中の1次粒子間の細孔径Cの比(C/A)が1.3以下、かつ成形前のセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bと前記成形体中の1次粒子間の細孔径Cの比(C/B)が0.7以下となるものであることが好ましい。本発明のセラミックス顆粒は、加圧することで顆粒内細孔径Bは通常小さくなり、成形体中の1次粒子間の細孔径Cとなることから、セラミックス粉末の比表面積径Aと成形体中の1次粒子間の細孔径Cの比(C/A)はB/Aよりも通常小さくなる。この値C/Aが1.3以下となるようにすることにより、1次粒子間が高充填状態となる。しかしながら、C/Aは1次粒子の充填状態を表すものであるから、初期の状態からのセラミックス顆粒の変形とは必ずしも対応しないことがある。したがって、同時にC/Bを0.7以下となるようにすることにより低圧潰れ性も良好となる。もちろん、500kg/cm2よりも高い圧力での成形に使用するセラミックス顆粒においては、成形に使用する圧力で成形した場合にC/Bが0.7以下となれば良い。
ここで、500kg/cm2の圧力で成形するとは、例えば、円板成形用金型(例えば外形22mm)に充填し、500kg/cm2の圧力で所定時間(例えば40秒間)加圧成形して、所定形状の成形体を得ることである。
成形体中の1次粒子間の細孔径Cは、500kg/cm2の圧力で成形して得られた成形体中の細孔構造を前記した水銀ポロシメータを用いて同様に測定し、1次粒子間の細孔径に相当する細孔部分のモード径として得られるものである(単位はμm)。すなわち、成形体を、市販の水銀ポロシメータ(例えば、島津製作所製、ポアサイザ9320)により、例えば、0〜270MPaの圧力範囲で測定して細孔径とその細孔径を有する細孔の総容積との関係(細孔径分布)を得、1次粒子間の細孔径に相当する細孔部分のモード径として細孔径Cを算出する。
前記セラミックス顆粒は、セラミックス粉末に加えて添加物を含有していても良く、その場合には、当該添加物がセラミックス粉末を100重量部とした場合に固形分換算で50重量部以下含まれていることが好ましい。通常セラミックス顆粒中の添加物量が増加することにより、低圧での潰れ性は改善される場合が多くあるが、反対に成形後の離型性や成形体から添加物を除去するための脱脂性が悪化する傾向にあり、好ましい範囲は限定され、本発明においては、50重量部以下含まれる場合が好ましい。ただし、0.5重量部よりも少ない場合は、添加物添加の効果が小さく、50重量部よりも多い場合も使用できないこともないが、離型性や脱脂性が著しく悪化するために実用的でない。したがって、0.5重量部〜50重量部の範囲であることがより好ましい。
前記添加物としては、特に限定されるものではなく、ポリビニルアルコール等のビニル系高分子類、ポリビニルブチラール等のポリビニルエーテル系高分子、ポリアクリル酸エステル等のアクリル、メタクリル系高分子類、パラフィンワックス、カルボワックス等のワックス類、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系高分子類、寒天、アラビアゴム、グアールゴム等の水溶性ゴム類、澱粉類、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ポリエチレングリコール等が例示できる。これらの添加物は水溶性、有機溶媒系等を問うものではないが、取り扱い性等を考慮すると水溶性や水分散性の良好なものが好ましい。
なお、このような特性を有する本発明のセラミックス顆粒の圧縮強度を測定した結果、0.05kg/mm2以上の顆粒強度を有しており、貯蔵時や運搬時、あるいは型への充填時に相互衝突等により顆粒が崩壊しないものであった。ここで、顆粒強度は、微小圧縮試験機MCTM−200(島津製作所製)を用い、直径50μmの平面圧子を使用し、負荷速度0.0455gf/secで圧縮試験を行って測定した。
(2)セラミックス顆粒の製造方法
本発明のセラミックス顆粒の製造方法は特に限定されるものではなく、前記の特徴を有するセラミックス顆粒が得られる製造方法であれば何ら問題ない。
本発明のセラミックス顆粒の製造方法は特に限定されるものではなく、前記の特徴を有するセラミックス顆粒が得られる製造方法であれば何ら問題ない。
例えば、セラミックス粉末を所定の添加物、溶媒等と混合してスラリー状態とし、スプレードライヤーで噴霧乾燥する方法、セラミックス粉末を所定の添加物、溶媒等と混合しながら転動造粒する方法などが挙げられる。
中でもスプレードライヤーで噴霧乾燥する方法、特に回転ディスク方式のスプレードライヤーによればセラミックス顆粒の粒径を制御しやすいとともに、粒度分布も広範囲に広がりにくいので特に好適である。
セラミックス粉末と混合する添加物の添加量は、前記したように、セラミックス粉末を100重量部とした場合に50重量部以下含まれていることが好ましい。これは、通常セラミックス顆粒中の添加物量が増加することにより、低圧での潰れ性は改善される場合が多くあるが、反対に成形後の離型性や成形体から添加物を除去するための脱脂性が悪化する傾向にあり、好ましい範囲は限定され、本発明においては、50重量部以下含まれる場合が好ましい。ただし、0.5重量部よりも少ない場合は、添加物添加の効果が小さく、50重量部よりも多い場合も使用できないこともないが、離型性や脱脂性が著しく悪化するために実用的でない。したがって、0.5重量部〜50重量部の範囲であることがより好ましい。
(3)セラミックス顆粒の用途
本発明のセラミックス顆粒は、低圧での潰れ性が著しく向上しているため、従来のセラミックス顆粒と同様な高圧での成形でも一層潰れ性が改善されることになる。このため、各種成形用の顆粒としての用途はもちろん、成形での圧力伝達性が通常劣ると言われる異種材料、例えば各種有機物粉末材料等とのセラミックス材料を母材とした複合成形体を得る場合にも好適な成形用顆粒となり得るものである。
本発明のセラミックス顆粒は、低圧での潰れ性が著しく向上しているため、従来のセラミックス顆粒と同様な高圧での成形でも一層潰れ性が改善されることになる。このため、各種成形用の顆粒としての用途はもちろん、成形での圧力伝達性が通常劣ると言われる異種材料、例えば各種有機物粉末材料等とのセラミックス材料を母材とした複合成形体を得る場合にも好適な成形用顆粒となり得るものである。
本発明のセラミックス顆粒によると、顆粒の製造方法や顆粒中の水分量等に関わらず、成形時の加圧によるセラミックス顆粒の変形が良好となり、特に500kg/cm2以下の低圧での変形が著しく容易となるので、有機物粉末や金属粉末等の異種材料との混合粉末を焼結して得る多孔体や複合材料等を乾式加圧成形法で成形体を作製して得る場合に要求される、有機物粉末や金属粉末等の異種材料粉末に追従したより低圧での潰れ性が発現できるセラミックス顆粒を得ることができる。
また、本発明のセラミックス顆粒は潰れ性に優れた顆粒であるとともに、顆粒の製造条件や顆粒中の水分量等に依存せず、潰れ性は良好となり、潰れ性の定性的な判断のための成形をすることなく、その潰れ性を推定することが可能となる。さらに、本発明のセラミックス顆粒を用いて得られた成形体を焼成した焼成体では、その表面の加工単位を小さくすることができるため、平滑で平坦な面を有する焼成体を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各評価は以下に示した方法によって実施した。
〜セラミックス粉末の比表面積径A〜
セラミックス粉末を200℃で脱気した後、比表面積測定機MONOSORB(QUANTACHROME社製)を用いて比表面積を測定し、下式により球状粒子を仮定して比表面積径を算出した。
セラミックス粉末を200℃で脱気した後、比表面積測定機MONOSORB(QUANTACHROME社製)を用いて比表面積を測定し、下式により球状粒子を仮定して比表面積径を算出した。
A=6/(S×ρ)
ここで、Aは比表面積径(単位はμm)、Sは比表面積(単位はm2/g)、ρは粒子の密度(g/cm3)である。
ここで、Aは比表面積径(単位はμm)、Sは比表面積(単位はm2/g)、ρは粒子の密度(g/cm3)である。
なお、スラリー状の懸濁液の場合はスラリーを80℃で十分に乾燥した後、220℃で前処理を行った後に前記の脱気処理を行って測定した。
〜セラミックス顆粒の顆粒内細孔径B〜
水銀ポロシメータ(島津製作所製、ポアサイザ9320)を用い、水銀圧入法により0〜270MPaの圧力範囲で測定した。測定データを付属ソフトにより細孔径に変換し、セラミックス顆粒間に相当すると考えられる細孔部分を除いた細孔部分のモード径を顆粒内細孔径B(単位はμm)とした。
水銀ポロシメータ(島津製作所製、ポアサイザ9320)を用い、水銀圧入法により0〜270MPaの圧力範囲で測定した。測定データを付属ソフトにより細孔径に変換し、セラミックス顆粒間に相当すると考えられる細孔部分を除いた細孔部分のモード径を顆粒内細孔径B(単位はμm)とした。
〜セラミックス顆粒から得られた成形体中の1次粒子間の細孔径C〜
セラミックス顆粒を外径22mmの円板成形用金型に充填し、500kg/cm2の圧力で40秒間加圧成形して成形体を得た。得られた成形体について、上記と同様に、水銀ポロシメータ(島津製作所製、ポアサイザ9320)を用い、水銀圧入法により0〜270MPaの圧力範囲で測定した。測定データを付属ソフトにより細孔径に変換し、セラミックス顆粒間に相当すると考えられる細孔部分を除いた細孔部分のモード径を成形体中の1次粒子間の細孔径C(単位はμm)とした。
セラミックス顆粒を外径22mmの円板成形用金型に充填し、500kg/cm2の圧力で40秒間加圧成形して成形体を得た。得られた成形体について、上記と同様に、水銀ポロシメータ(島津製作所製、ポアサイザ9320)を用い、水銀圧入法により0〜270MPaの圧力範囲で測定した。測定データを付属ソフトにより細孔径に変換し、セラミックス顆粒間に相当すると考えられる細孔部分を除いた細孔部分のモード径を成形体中の1次粒子間の細孔径C(単位はμm)とした。
〜セラミックス顆粒中の水分量〜
セラミックス顆粒を105℃で2時間加熱処理した後、デシケータ中で室温まで冷却して恒量し、下式により算出した。
セラミックス顆粒を105℃で2時間加熱処理した後、デシケータ中で室温まで冷却して恒量し、下式により算出した。
水分量(%) = 100 × (W2−W1)/W1
ここで、W1は加熱処理前の顆粒重量(単位はg)、W2は加熱処理後の顆粒重量(単位はg)である。
ここで、W1は加熱処理前の顆粒重量(単位はg)、W2は加熱処理後の顆粒重量(単位はg)である。
〜セラミックス顆粒の成形及び潰れ性〜
セラミックス顆粒を外径22mmの円板成形用金型に充填し、500kg/cm2又は2000kg/cm2の所定圧力で40秒間加圧成形した。得られた成形体の表面を光学顕微鏡で観察してセラミックス顆粒の潰れ性を調査し、顆粒間の境界の有無や変形状態を評価した。非常に良好に変形しているため、顆粒間の境界が確認されない場合を◎、顆粒が良好に変形しているため、顆粒間の境界がほとんど確認されない場合を○、顆粒は十分に変形しているが、顆粒間に境界がわずかに観察される場合を△、顆粒の変形が十分でなく、顆粒間に明瞭な境界が認められる場合を×とした。
セラミックス顆粒を外径22mmの円板成形用金型に充填し、500kg/cm2又は2000kg/cm2の所定圧力で40秒間加圧成形した。得られた成形体の表面を光学顕微鏡で観察してセラミックス顆粒の潰れ性を調査し、顆粒間の境界の有無や変形状態を評価した。非常に良好に変形しているため、顆粒間の境界が確認されない場合を◎、顆粒が良好に変形しているため、顆粒間の境界がほとんど確認されない場合を○、顆粒は十分に変形しているが、顆粒間に境界がわずかに観察される場合を△、顆粒の変形が十分でなく、顆粒間に明瞭な境界が認められる場合を×とした。
〜セラミックス顆粒の流動性〜
SUS製漏斗(φ150×φ35×H110mm)にセラミックス顆粒を充填した後、その漏斗の下口を開き、顆粒全量が排出される状況を観察することで評価した。すなわち、顆粒が滑らかに排出されて良好な場合を○、顆粒排出過程で詰まり等を生じて良好に排出されない場合を×とした。
SUS製漏斗(φ150×φ35×H110mm)にセラミックス顆粒を充填した後、その漏斗の下口を開き、顆粒全量が排出される状況を観察することで評価した。すなわち、顆粒が滑らかに排出されて良好な場合を○、顆粒排出過程で詰まり等を生じて良好に排出されない場合を×とした。
実施例1
セリア微粉末100重量部、ポリビニルアルコール1重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン0.5重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、ポリビニルアルコール1重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン0.5重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂2重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン0.5重量部をビーズミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例3
セリア微粉末100重量部、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)2.5重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)2.5重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン2重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例4
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂3重量部、ポリビニルアルコール3重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をビーズミルで湿式混合した後、ステアリン酸エマルジョン3重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約25%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂3重量部、ポリビニルアルコール3重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をビーズミルで湿式混合した後、ステアリン酸エマルジョン3重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約25%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例5
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂8重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をビーズミルで湿式混合した後、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)8重量部、ステアリン酸エマルジョン7重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約27%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂8重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をビーズミルで湿式混合した後、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)8重量部、ステアリン酸エマルジョン7重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約27%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例6
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂38重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩2重量部、ステアリン酸5重量部をミキサーで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約35%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂38重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩2重量部、ステアリン酸5重量部をミキサーで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約35%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例7
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂10重量部、ワックスエマルジョン(カルナバワックス)2重量部、ステアリン酸エマルジョン8重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約27%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂10重量部、ワックスエマルジョン(カルナバワックス)2重量部、ステアリン酸エマルジョン8重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約27%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
実施例8
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂3重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン1.5重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂3重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部、ステアリン酸エマルジョン1.5重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約40%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
比較例1
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂2重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部をビーズミルで湿式混合した後、ステアリン酸1.5重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁するスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂2重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩0.5重量部をビーズミルで湿式混合した後、ステアリン酸1.5重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁するスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
比較例2
セリア微粉末100重量部、ポリビニールアルコール2重量部をビーズミルで湿式混合した後、ワックスエマルジョン2重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁するスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、ポリビニールアルコール2重量部をビーズミルで湿式混合した後、ワックスエマルジョン2重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁するスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
比較例3
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂8重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をミキサーで湿式混合した後、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)8重量部、ステアリン酸エマルジョン7重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約30%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
シリカ微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂8重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部をミキサーで湿式混合した後、ワックスエマルジョン(マイクロクリスタリンワックス)8重量部、ステアリン酸エマルジョン7重量部を添加し、ナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、シリカ粒子が懸濁する固形分濃度約30%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
比較例4
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂25重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部、ステアリン酸エマルジョン4重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約25%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
セリア微粉末100重量部、水溶性アクリル樹脂25重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩1重量部、ステアリン酸エマルジョン4重量部をナイロン被覆鉄球を用いたボールミルで湿式混合し、セリア粒子が懸濁する固形分濃度約25%のスラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥造粒して顆粒を得た。顆粒製造条件を表1に、得られた顆粒の特性を表2に示す。
以上の実施例から、本発明のセラミックス顆粒は比較例1〜4のセラミックス顆粒に比較して潰れ性又は流動性に優れた顆粒であることが分かる。
さらに、本発明のセラミックス顆粒の効果を一層明確化するため、以下の方法により潰れ性を詳細に評価した。
本発明のセラミックス顆粒と平均粒径約20μmの有機物粉末を体積比で1:1となるように乾式混合した後、60×60mmの角板成形用金型に充填し、2000kg/cm2の圧力で加圧成形した。得られた成形体を脱脂して、有機物粉末を消失させた後、所定条件で焼成することで焼成体を得た。この焼成体表面を鏡面化された石英基板と平均粒径が数十nmのコロイダルシリカ粒子からなるスラリーを用いて、平滑化かつ平坦化した。得られた加工面の凹凸形状を表面粗さ計で測定した。得られた凹凸形状から以下のようにしてセラミックス顆粒の潰れ性を評価した。
セラミックス顆粒の潰れ性が良好な場合には残留するセラミックス部分の均質性が高く、加工による粒子の脱落等は任意の場所より生じるため、凹凸形状は小さくなる。セラミックス顆粒の潰れ性が悪い場合には、加工により、原料のセラミックス顆粒に相当するもの、あるいはその一部に相当するものの脱落も多くなるため、凹凸形状が大きくなる現象となって表れてくる。
このことから、平滑化かつ平坦化した面を表面粗さ計で測定し、走査方向に所定間隔で凹凸形状を算出して得られる細孔の深さ分布によりセラミックス顆粒の潰れ性を評価することができる。具体的には、作製した焼成体の平滑化かつ平坦化した面を表面形状測定機SE−3C(小坂研究所製)を用いて測定して図1に示すような形状の断面曲線を得た。得られた断面曲線の平坦面を直線近似して基準面として、走査方向に5μm間隔で基準面からの深さを測定して得られる深さの個数分布(測定点:1000点)により、使用したセラミックス顆粒の潰れ性を評価した。
実施例3、4と比較例1で得たセラミックス顆粒を用いた場合の結果について表3に示す。なお、実施例3、4、比較例1で得たセラミックス顆粒の平均粒径は約30μmでほぼ同等である。
以上の評価から実施例3、4に示されるセラミックス顆粒を用いた場合、潰れ性が良好であるためにセラミックス部分の均質性が高く、粒子の脱落が任意の場所より生じるため、凹凸形状は小さくなり、比較例の場合に比較して平滑で平坦な面が得られることが分かる。
Claims (5)
- セラミックス粉末を造粒して得られたセラミックス顆粒において、前記セラミックス粉末の比表面積径Aと前記セラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bの比(B/A)が1.3〜4.0であることを特徴とするセラミックス顆粒。
- セラミックス粉末の比表面積径Aと、500kg/cm2の圧力で成形して得た成形体中の1次粒子間の細孔径Cの比(C/A)が1.3以下、かつ成形前のセラミックス顆粒の顆粒内細孔径Bと前記成形体中の1次粒子間の細孔径Cの比(C/B)が0.7以下となることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス顆粒。
- セラミックス顆粒が添加物を含有し、該添加物の含有量がセラミックス粉末を100重量部とした場合に50重量部以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックス顆粒。
- セラミックス粉末が酸化セリウムを主体とする粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス顆粒。
- セラミックス粉末が酸化ケイ素を主体とする粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス顆粒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005140355A JP2006315911A (ja) | 2005-05-12 | 2005-05-12 | セラミックス顆粒 |
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JP2005140355A JP2006315911A (ja) | 2005-05-12 | 2005-05-12 | セラミックス顆粒 |
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Cited By (2)
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JP2011011929A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Taiheiyo Cement Corp | セラミックス多孔質焼結体、半導体製造装置用部品及びシャワープレート並びにセラミックス多孔質焼結体の製造方法 |
CN116648430A (zh) * | 2020-12-22 | 2023-08-25 | 可乐丽则武齿科株式会社 | 氧化锆颗粒、压粉体和它们的制造方法 |
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2005
- 2005-05-12 JP JP2005140355A patent/JP2006315911A/ja active Pending
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