JP2006027914A - プレス成形用セラミックス顆粒 - Google Patents
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Abstract
【課題】
セラミックス焼結体製品の製造法として、プレス法で大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体を成形する際に使用するセラミックス顆粒について、破損や変形の無い高密度な焼結体を得るために、成形体内部への圧力伝達性と圧縮破壊性をバランスさせて、成形体内部の空隙や成形体密度ムラを小さくする必要がある。
【解決手段】
有機成分を含むプレス用セラミックス顆粒において平均顆粒径Dpを10〜90μmの範囲にした場合に顆粒の圧縮破壊強度σpが0.1〜5MPaであり、下式(1)の平均顆粒径と圧縮破壊強度の関係を満たすセラミックス顆粒。
10≦Dp×σp≦45[μm・MPa] ・・・(1)
【選択図】 なし
セラミックス焼結体製品の製造法として、プレス法で大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体を成形する際に使用するセラミックス顆粒について、破損や変形の無い高密度な焼結体を得るために、成形体内部への圧力伝達性と圧縮破壊性をバランスさせて、成形体内部の空隙や成形体密度ムラを小さくする必要がある。
【解決手段】
有機成分を含むプレス用セラミックス顆粒において平均顆粒径Dpを10〜90μmの範囲にした場合に顆粒の圧縮破壊強度σpが0.1〜5MPaであり、下式(1)の平均顆粒径と圧縮破壊強度の関係を満たすセラミックス顆粒。
10≦Dp×σp≦45[μm・MPa] ・・・(1)
【選択図】 なし
Description
本発明は、高密度・高強度を必要とするセラミックス構造体をプレス成形にて製造するプロセスにおいて、効率的でかつ安価な製造を行うのに好適なセラミックス顆粒に関するものである。
セラミックスは粉砕機部材、タイル、刃物、電子部品などに使用され、特に粉砕機部材や工業用タイルなどでは大型化が進んできている。このような構造用セラミックスの一般的な製造方法としてプレス成形法は良く知られている。プレス成形法には水中や油中でゴム型に粉体を充填して圧力をかける等方圧成形法(以下CIP法)や金型に粉末を充填して上下または左右の一軸方向から圧力をかけて成形する金型プレス法等がある。
一般に原料粉末には成形体の保型性を高めるために有機物バインダーが含まれ、型への充填時の流動性を持たせるために球状に顆粒にした粉末が用いられている。
一般に原料粉末には成形体の保型性を高めるために有機物バインダーが含まれ、型への充填時の流動性を持たせるために球状に顆粒にした粉末が用いられている。
このセラミックス顆粒を用いて焼結体を得るまでには顆粒の製造工程→成形工程→(成形体加工工程)→脱脂工程→焼結工程を行うが、大きな焼結体または複雑な形状の焼結体では、焼結後に内部と外部の焼結体密度の違いによる変形や割れが起こる場合(ここで、「内部」とは焼結体の中心部に近い部分を言い、「外部」とは焼結体の外面に近い部分を言う。以下同様)、あるいは焼結体内部に多数の空隙が発生することで、セラミックス構造体としての強度や耐摩耗性を満足できない場合がある。特に、主にコスト的に好ましい製造方法である低圧での成形、または低温での焼結を行うときに、この傾向がより顕著に現れる。
このような焼結体の内部と外部の密度の違いは、成形時の圧力伝達性と顆粒の圧縮破壊性のバランスが悪いことに起因するものと考えられるが、通常このような現象が発生した場合には焼結温度を高くし、あるいは成形時の圧力・保持時間を変更するなど成形条件の変更で対応することが多く、原料である顆粒の製造工程までさかのぼって検討した事例は少ない。
顆粒の圧縮破壊について検討した事例としては、「嵩比重が0.5〜1.5g/ccであり平均粒径が20〜500μm、破壊強度が0.5g〜5.0gである窒化アルミニウム顆粒」(特許文献1参照)があり、また別の例としては「有機成分を実質的に含まず、平均粒径が0.02〜8mmであり、破壊強度が0.002〜0.4kgf/mm2である窒化アルミニウム顆粒」(特許文献2参照)が挙げられる。また有機バインダーにて潰れ性を改善しようとした例として、特許文献3が挙げられる。
しかし、特許文献1に記載されている顆粒の条件では、ファインセラミックスの成形によく使用される数十μmの小さい顆粒径においては、顆粒の破壊強度が大きくなり過ぎることから、大きな焼結体を得るための成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体の成形時には、顆粒が潰れにくく顆粒間に残存する空隙が大きくなるため、焼結体は低密度となり、適していない。
また、特許文献2については有機バインダーを含まないことから、顆粒の破壊強度が低下し、そのため顆粒の潰れ性と脱脂性は良好であるものの、プレス成形後の保型性が悪く、金型成形ではスプリングバック応力により離型時に破損し、CIP法では成形後に破壊するので、大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体には適しない。ここで言うスプリングバック応力とは、成形加圧時に成形体にかかる圧縮の応力が減圧時に解放される衝撃のことを言う。
また特許文献3では有機バインダーによる潰れ性の改善を意図しているが、小さい成形体を連続して成形することを主眼としており、このセラミックス顆粒は大きな成形体には適用できない。
特許第2525074号公報
特開平09−052704号公報
特許第3409183号公報
これらの課題の解決のため、本発明は大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体をプレス法で成形する場合に、成形体の中心部付近の顆粒にも圧力が伝達され、圧縮崩壊することで成形体内部の空隙や成形体密度ムラを小さくでき、焼結後にも変形、破壊することなく、十分な強度を有する顆粒を提供するものである。
本発明は、上記課題に鑑み、有機成分を含むプレス用セラミックス顆粒において平均顆粒径Dpを10〜90μm、顆粒の圧縮破壊強度σpが0.1〜5MPaであり、さらに下式(1)の平均顆粒径と圧縮破壊強度の関係を満たすことで、圧力伝達性と顆粒の圧縮破壊性のバランスの取れたセラミックス顆粒になることを発明したものである。
10≦Dp×σp≦45[μm・MPa] ・・・(1)
さらに、有機成分の添加量や種類、噴霧条件や粉体の物性をそれぞれ制御することで、より高機能なプレス用セラミックス顆粒となることを見出した。
さらに、有機成分の添加量や種類、噴霧条件や粉体の物性をそれぞれ制御することで、より高機能なプレス用セラミックス顆粒となることを見出した。
具体的には、有機成分の量は0.5〜5重量部であることが好ましく、また、有機成分の内にバインダーを含むことが望ましい。有機バインダーの種類としては、特に、柔らかくかつ粘着力の高い有機物が好ましく、平均重合度1000以下のポリビニルアルコール、ガラス転移温度30℃以下のアクリル共重合樹脂またはその混合物が適している。さらにバインダーに可塑剤として平均分子量3万以下のポリエチレングリコールを0.1〜1重量部添加することで、顆粒に可塑性を与えることができ、さらに優れた圧力伝達性を付加することが可能となる。平均分子量10万〜15万のポリエチレンオキサイドを0.1〜1重量部添加することで、適度な圧縮破壊性を付与できることから、さらに成形体の空隙を小さくすることが可能となる。
また、顆粒を構成する粉体の平均凝集径が0.1〜2μmであることで、セラミックスとして焼結性に優れ、さらに有機成分を顆粒内に均一に分散すること及び、焼結体中の残留空隙を少なくすることができる。また、顆粒を容器に充填した際の見かけ嵩比重が0.5〜1.5g/cm3であることで、流動性に優れた顆粒となる。さらに、顆粒を98MPaの圧力で成形したときの成形体強度が2MPa以上となる有機成分を選定することで、さらに優れた成形性をもつセラミックス顆粒となる。
本発明のセラミックス顆粒をプレス成形に使用することで、低圧にて大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体を成形し、さらに焼結温度が低い場合でも、焼結体の内部の空隙が少ないことから、焼結体密度、焼結体強度が優れ、かつ成形中や成形後の加工中の割れや欠け、脱脂割れ、焼結後の低密度や収縮ムラによる変形などの不良を最小限にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のセラミックス顆粒は金型プレス法、CIP法、ラピットプロトタイプ法など様々なプレス成形法に使用され、大きい、または複雑形状の焼結体を緻密かつ精度良く得るために使用される。構成するセラミックス粉体の種類は特に限定しないが、緻密かつ高強度な性能を必要とする酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素、炭化タングステン、窒化チタン、ムライト、サイアロン、珪酸カルシウム、コーディエライト、スポジュメン、ゼオライト、ジルコン等についてそれぞれ単独または複合した構造材料用セラミックスが選択される。中でも汎用性の高い酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムおよびその混合物に使用されることがさらに好ましい。炭化物セラミックスや窒化物セラミックス、およびその混合物は無酸素雰囲気での焼結が必要であり、有機成分が完全に燃焼除去されずに焼結体内部に残存するために焼結体密度が低下してしまうため、本発明のセラミックス顆粒による焼結体密度の向上効果が半減する。また酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよびその混合物以外の酸化物セラミックスについては、高密度の大きな構造部材として取り扱う場合が少なく、その場合は従来のセラミックス顆粒でも適応できる。
ここで言う酸化ジルコニウムは酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の安定化剤単独または混合物で一部または全部が安定化されているものを含む。
本発明のセラミックス顆粒は有機成分を含み、平均顆粒径Dpが10〜90μm、好ましくは30〜70μmであって、圧縮破壊強度σpが0.1〜5MPa、好ましくは0.2〜2MPaであり、かつ圧縮による顆粒の崩壊性と顆粒による成形体内部への圧力伝達性をバランスさせるためには平均顆粒径Dpと圧縮破壊強度σpとが式(1)を満たす必要がある。
10≦Dp×σp≦45 [μm・MPa] ・・・(1)
有機成分を含まない場合は、成形体強度が低くなりすぎ、そのため金型プレス法ではスプリングバックにより破損してしまい、CIP法では成形後の保型が悪いため成形体割れや欠けが発生し最悪の場合は破壊してしまう。また平均顆粒径が10μm未満であると、粉体の凝集が激しくなることから粉体の流動性が悪化し、型への充填ムラが発生し、成形体が割れたり、焼結体が歪んでしまう。また平均顆粒径が90μmより大きいと、顆粒の充填時の顆粒間の空隙が大きくなり、焼結後にその空隙が残存してしまうことから、焼結体の密度・強度が低下してしまう。また圧縮破壊強度が0.1MPa未満であると、顆粒が容易に崩壊してしまうことにより圧力伝達性が得られず内部の密度が低下してしまうこととなり、一方で5MPaを超えると成形圧98MPa以下の低圧成形では顆粒の崩壊が起こらず、焼結体内部に大きな空隙が多数残存し、焼結体の密度・強度が低下して好ましくない。さらに平均顆粒径Dpと圧縮破壊強度σpが上述の範囲であった場合でも式(1)においてDpとσpの積が10[μm・MPa]未満であった場合は、平均顆粒径の大きさに対し圧縮破壊強度が小さすぎて、やはり圧力伝達がうまくいかずに内部の密度が低下してしまい、一方、Dpとσpの積が45[μm・MPa]を超えるであった場合は、平均顆粒径の大きさに対し圧縮破壊強度が大きすぎることで、顆粒の崩壊が起こりにくくなり、焼結体内部に大きな空隙が多数残存し、焼結体の密度・強度が低下してしまう。式(1)の平均顆粒径と圧縮破壊強度の関係は、単位体積あたりの顆粒同士の接触点の数に関係する。顆粒径が大きい場合は単位体積あたりの接触点は少なくなり圧力伝達性が向上するが、圧力損失によって焼結体の内部の伝達圧力は外部に比べて低くなってしまうため、圧縮破壊強度を低い範囲にして顆粒の崩壊性を高める必要がある。一方、顆粒径が小さい場合は接触点が多くなり、圧力伝達性が低下するため、顆粒を固くして圧縮崩壊性を高い範囲にすることで圧力伝達性を向上させる必要がある。
有機成分を含まない場合は、成形体強度が低くなりすぎ、そのため金型プレス法ではスプリングバックにより破損してしまい、CIP法では成形後の保型が悪いため成形体割れや欠けが発生し最悪の場合は破壊してしまう。また平均顆粒径が10μm未満であると、粉体の凝集が激しくなることから粉体の流動性が悪化し、型への充填ムラが発生し、成形体が割れたり、焼結体が歪んでしまう。また平均顆粒径が90μmより大きいと、顆粒の充填時の顆粒間の空隙が大きくなり、焼結後にその空隙が残存してしまうことから、焼結体の密度・強度が低下してしまう。また圧縮破壊強度が0.1MPa未満であると、顆粒が容易に崩壊してしまうことにより圧力伝達性が得られず内部の密度が低下してしまうこととなり、一方で5MPaを超えると成形圧98MPa以下の低圧成形では顆粒の崩壊が起こらず、焼結体内部に大きな空隙が多数残存し、焼結体の密度・強度が低下して好ましくない。さらに平均顆粒径Dpと圧縮破壊強度σpが上述の範囲であった場合でも式(1)においてDpとσpの積が10[μm・MPa]未満であった場合は、平均顆粒径の大きさに対し圧縮破壊強度が小さすぎて、やはり圧力伝達がうまくいかずに内部の密度が低下してしまい、一方、Dpとσpの積が45[μm・MPa]を超えるであった場合は、平均顆粒径の大きさに対し圧縮破壊強度が大きすぎることで、顆粒の崩壊が起こりにくくなり、焼結体内部に大きな空隙が多数残存し、焼結体の密度・強度が低下してしまう。式(1)の平均顆粒径と圧縮破壊強度の関係は、単位体積あたりの顆粒同士の接触点の数に関係する。顆粒径が大きい場合は単位体積あたりの接触点は少なくなり圧力伝達性が向上するが、圧力損失によって焼結体の内部の伝達圧力は外部に比べて低くなってしまうため、圧縮破壊強度を低い範囲にして顆粒の崩壊性を高める必要がある。一方、顆粒径が小さい場合は接触点が多くなり、圧力伝達性が低下するため、顆粒を固くして圧縮崩壊性を高い範囲にすることで圧力伝達性を向上させる必要がある。
本発明の顆粒に含まれる有機成分量についてはセラミックス粉体100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましく、1〜4重量部であればさらに好ましい。有機成分の含有量が0.5重量部未満の場合は、有機成分がバインダーの場合、バインダーとしての粘着力が不足し、大きな物の成形において成形時のスプリングバック応力で破損したり、輸送や成形体加工時のハンドリング中に割れ・欠けが発生することがある。一方5重量部を超えると、バインダーとしての粘着性や形状保持性は充分であるが、脱脂・焼結工程において有機分の分解によるガスが大量に発生し、脱脂割れや焼結割れが起こることがある。
また、有機成分として、成形時の保型性を高めるため、バインダーを使用することが望ましい。その種類としては、一般にセラミックスのプレス成形用バインダーとして使用されるポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、水溶性セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、水溶性ポリエステル、エチレン/酢酸ビニル共重合体等から選ばれるものを使用すればよいが、顆粒を造粒する際にスラリー化した状態で添加することから、水溶性であることが好ましい。中でも、粘着性・可塑性・熱分解性を持ち、さらに顆粒の圧縮破壊強度を高くし過ぎないために、平均重合度1000以下のポリビニルアルコールやガラス転移温度30℃以下のアクリル共重合樹脂、または両者をそれぞれ任意の割合で混合したものが好ましい。ポリビニルアルコールの場合、平均重合度が1000を超えると、粘着力が大きくなり、かつ室温における硬度が高くなるため、顆粒が固くなり、圧縮破壊強度が高くなり過ぎることがある。一方、平均重合度が300より少ないと、バインダーとしての粘着力が足りなくなる恐れがある。またアクリル共重合樹脂のガラス転移温度が30℃を超えると、室温における可塑性が低下して圧縮破壊強度が高くなり過ぎることことがある。一方、ガラス転移温度がマイナス20℃より下がると、室温において粉末が粘着性を持つようになり、流動性が低下することがある。
さらにバインダーの可塑性を向上させるために、分子量3万以下のポリエチレングリコールをセラミックス粉体100重量部に対し、0.1〜1重量部添加することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量が3万を超えると可塑性の向上効果が見られなくなる。一方で、分子量が1000を下回る場合は室温で液状であるため、粉末が凝集してしまい、粉末の型への充填性が悪化することがある。また、添加量が0.1重量部未満であると添加による可塑性向上効果が見られず、1重量部を超えるとバインダーの粘着性を阻害してしまい、成形時のスプリングバックによる破壊を発生させてしまうことがある。
さらに顆粒の低圧崩壊性を向上させるために、セラミックス粉体100重量部に対して、平均分子量10万〜15万のポリエチレンオキサイドを0.1〜1重量部添加することが好ましい。ここでいうポリエチレンオキサイドは一種のポリエチレングリコールであるが、上述の平均分子量3万以下のポリエチレングリコールはエチレングリコールにエチレンオキサイドを縮合開環重合させたものであるのに対し、ポリエチレンオキサイドはエチレンオキサイドを配位開環重合させたものであり、ポリエチレングリコールは次式(2)、ポリエチレンオキサイドは次式(3)であらわされるものである。
HO−(CH2−CH2−O−)mH ・・・(2)
〜(CH2−CH2−O−)n〜 ・・・(3)
(なお、mの好ましい範囲は分子量が約1000〜3万に相当する数値範囲であり、nの好ましい範囲は約10万〜15万に相当する数値範囲である。)
ポリエチレンオキサイドの分子量が10万未満であると崩壊性の付与が少なすぎて添加の効果がみられなくなり、15万を超えたものを用いると崩壊性が悪化し、圧縮破壊強度が高くなり過ぎることがある。また添加量が0.1重量部未満であると添加による低圧崩壊性の効果が見られず、一方で1重量部を超えるとバインダーの粘着性を阻害してしまい、成形時のスプリングバックによる破壊を発生させてしまうことがある。
HO−(CH2−CH2−O−)mH ・・・(2)
〜(CH2−CH2−O−)n〜 ・・・(3)
(なお、mの好ましい範囲は分子量が約1000〜3万に相当する数値範囲であり、nの好ましい範囲は約10万〜15万に相当する数値範囲である。)
ポリエチレンオキサイドの分子量が10万未満であると崩壊性の付与が少なすぎて添加の効果がみられなくなり、15万を超えたものを用いると崩壊性が悪化し、圧縮破壊強度が高くなり過ぎることがある。また添加量が0.1重量部未満であると添加による低圧崩壊性の効果が見られず、一方で1重量部を超えるとバインダーの粘着性を阻害してしまい、成形時のスプリングバックによる破壊を発生させてしまうことがある。
上述したセラミックス顆粒を構成するセラミックス粉体としては、レーザー回折法等で測定される平均凝集径が0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1μmであることが良い。平均凝集径が0.1μm未満であると、顆粒を構成したときに顆粒が密になり、圧縮破壊強度が高くなり過ぎることがある。また2μmを超えると焼結性が悪化し、顆粒の性質に関係なく焼結体内に空隙が多数存在してしまい、低焼結体密度になる傾向がある。また、セラミックス顆粒の見かけの嵩密度は0.5〜1.5g/cm3が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.3g/cm3である。見かけの嵩密度が0.5g/cm3未満であると、焼結体内部に空隙が多く残り、焼結体密度が低くなって良好な焼結体が得られないことがある。一方見かけ嵩密度が1.5g/cm3を超えると、顆粒が固くなり過ぎ、圧縮破壊強度が上述した良好な範囲に入らず、顆粒が崩壊しないことにより焼結体内部に空隙が残存する傾向がある。
大きな成形体または複雑な形状の焼結体を得るための成形体の原料としてセラミックス顆粒を使用する場合、成形後の成形体の強度が重要なパラメーターとなってくる。本発明のセラミックス顆粒は98MPaの圧力で成形したときの成形体強度が2MPa以上となる。成形体強度は大きければ大きい程好ましいが、98MPaの圧力で成形したときの成形体強度が2MPa未満であると、成形時のスプリングバック応力に成形体が耐えきれなくなり、成形体割れが発生する恐れがあり、成形条件を工夫してうまく成形できたとしても、その後のハンドリングや、加工に耐えきれずに割れてしまうことがある。次に本発明のセラミックス顆粒の製造方法の例について説明する。
セラミックス原料粉末を湿式または乾式で粉砕し、水中で分散させてスラリー化する。湿式粉砕では、ビーズミルやアトライターなどのメディア媒体型攪拌法が好ましい。また乾式粉砕ではジェットミルや乾式アトライター等で粉砕・混合しボールミルや攪拌型分散混合機により水中に良く分散させる。ここでレーザー回折法等で測定される平均凝集径が0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1μmの範囲に入るように粉砕時間を調節する。
次に有機成分を任意量スラリーに添加して充分攪拌混合する。平均顆粒径を10〜90μmにするためには、噴霧乾燥法が好ましい。顆粒径の調整についてはディスク式の場合はディスクの回転数を調整し、二流体ノズル式については空気圧と供給量を調整する。また乾燥温度については、水分の残存によりセラミックス顆粒が形状を保持できれば良いが、水分残存率を0.1〜2重量部の範囲にするのが好ましく、通常70℃〜120℃位とする。
得られた顆粒から200μm以上の顆粒や凝集物を篩で除き、磁石等で装置からの鉄異物を除去してセラミックス顆粒が得られる。圧縮破壊強度を制御する因子としては、原料粉末の比表面積や凝集状態などの粉末物性、スラリーの濃度、有機成分の種類と添加量、水分残存率であり、平均顆粒径との関係が式(1)の関係を満たすように調整する。
また、本セラミックス顆粒において、金型からの離型効果を向上させるために有機バインダー添加と同時にステアリン酸エマルジョン等の離型剤を0.5重量部以下添加しても良い。ただし、この場合も、セラミックスに対する有機成分の総添加量は通常5重量部以下となるようにする。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例の物性測定、評価は以下のように行った。
(1)平均顆粒径(Dp)
顆粒を電子顕微鏡等で100倍〜500倍に拡大して撮影し、そのランダムに選択した投影径について円相当径として統計的に算出した。処理個数は200個以上とした。
(2)圧縮破壊強度
微小圧縮試験器(島津製作所MCTM-500)にて気温25℃、湿度40〜50%の条件で測定した。測定顆粒直径d[m]、圧縮破壊荷重をP[MN]としたとき、圧縮破壊強度σp[MPa]は次式(4)で求められる。測定を10点行い平均値を圧縮破壊強度とした。
(1)平均顆粒径(Dp)
顆粒を電子顕微鏡等で100倍〜500倍に拡大して撮影し、そのランダムに選択した投影径について円相当径として統計的に算出した。処理個数は200個以上とした。
(2)圧縮破壊強度
微小圧縮試験器(島津製作所MCTM-500)にて気温25℃、湿度40〜50%の条件で測定した。測定顆粒直径d[m]、圧縮破壊荷重をP[MN]としたとき、圧縮破壊強度σp[MPa]は次式(4)で求められる。測定を10点行い平均値を圧縮破壊強度とした。
σp=2.8×P/(πd2) ・・・(4)
(3)セラミックス粉体の平均凝集径
セラミックス顆粒を水に分散させて超音波振動器で充分分散させスラリー状にする。本スラリーをレーザー回折法粒度分布測定装置(堀場製作所LA-920)にて体積換算の粒度分布として測定し、そのメジアン径を平均凝集径とした。
(4)ポリビニルアルコールの平均重合度測定
JISK6726(1994年改正)のポリビニルアルコールの平均重合度の試験方法に準ずる。
(5)アクリル共重合樹脂のガラス転移温度測定
JISK7121(1987年制定)プラスチックの転移温度測定法の熱機械測定法(TMA)に準じて測定した。
(6)ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキサイドの平均分子量測定
テトラヒドロフランを溶媒として溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で測定した。得られた測定値は数平均分子量である。
(7)セラミックス顆粒の見かけ嵩密度
パウダーテスター(筒井理化学器製)を使用して100cm3容器のすり切り重量を3回測定し、その平均値とした。
(8)成形体強度の測定
CIP法にて成形圧力98MPaにて成形し、成形体加工して幅0.015m×厚0.01m×長さ0.03mの角柱試験片を10本用意した。この角柱試験片を万能試験機(米倉製作所 CATY-2000Y)により試験幅0.02m、クロススピード0.5mm/minにて3点曲げ試験を行った。測定された加重P [MN]より次式(5)でそれぞれ成形体強度を求め、10本についての平均値を成形体強度とした。
(3)セラミックス粉体の平均凝集径
セラミックス顆粒を水に分散させて超音波振動器で充分分散させスラリー状にする。本スラリーをレーザー回折法粒度分布測定装置(堀場製作所LA-920)にて体積換算の粒度分布として測定し、そのメジアン径を平均凝集径とした。
(4)ポリビニルアルコールの平均重合度測定
JISK6726(1994年改正)のポリビニルアルコールの平均重合度の試験方法に準ずる。
(5)アクリル共重合樹脂のガラス転移温度測定
JISK7121(1987年制定)プラスチックの転移温度測定法の熱機械測定法(TMA)に準じて測定した。
(6)ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキサイドの平均分子量測定
テトラヒドロフランを溶媒として溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で測定した。得られた測定値は数平均分子量である。
(7)セラミックス顆粒の見かけ嵩密度
パウダーテスター(筒井理化学器製)を使用して100cm3容器のすり切り重量を3回測定し、その平均値とした。
(8)成形体強度の測定
CIP法にて成形圧力98MPaにて成形し、成形体加工して幅0.015m×厚0.01m×長さ0.03mの角柱試験片を10本用意した。この角柱試験片を万能試験機(米倉製作所 CATY-2000Y)により試験幅0.02m、クロススピード0.5mm/minにて3点曲げ試験を行った。測定された加重P [MN]より次式(5)でそれぞれ成形体強度を求め、10本についての平均値を成形体強度とした。
成形体強度[MPa] =3×P×20/2/0.015/0.012 ・・・(5)
(9)CIP法における評価
本発明で得られたセラミックス顆粒を内径30cm×高さ30cmの円柱状ゴム型に充填し、CIP法で設定圧力98MPaとし、設定圧力まで5分で昇圧し、30秒保持した後、5秒で減圧した。本成形体を取り出したときに、成形体の割れや欠けの程度を目視で判定した。割れ・欠けの程度は成形体が内部から割れていたり、エッジ部分が上面より3cm以上欠けているものを×、それ以外を○とした。また本成形体から成形体加工で直径10cm×高さ10cmの円柱成形体を切り出し、成形体密度を測定した後、20℃/hで750℃まで昇温して脱脂し、その後所定温度まで60℃/hで昇温して焼結した。得られた焼結体について、JISZ8807(1976年改正)における固体比重測定方法で焼結体密度を測定し、その値を理論密度で除して焼結体密度比を求めた。本密度比が97%以上である場合を製品として充分高密度な焼結体と判断した。
(10)金型プレス法における評価
本発明で得られたセラミックス顆粒を、面積15cm2の金型において、設定圧力を98MPaとし、設定圧力まで5秒で加圧し、10秒保持後に急減圧して、厚み1cmの金型成形体を得た。成形体の割れや欠けを観察し、スプリングバック応力による割れが発生したり、エッジ部分が欠けたものは×、それ以外を○とした。本成形体を20℃/hで750℃まで昇温して脱脂し、その後所定温度まで60℃/hで昇温して焼結した。焼結体をカラーチェック液(日本油脂製浸透液FAW−3)に数分浸して水洗した後、厚み方向の側面のカラーチェックの染まりを観察した。厚み方向について全体または中心部が帯状に染まるものを×とした。
(9)CIP法における評価
本発明で得られたセラミックス顆粒を内径30cm×高さ30cmの円柱状ゴム型に充填し、CIP法で設定圧力98MPaとし、設定圧力まで5分で昇圧し、30秒保持した後、5秒で減圧した。本成形体を取り出したときに、成形体の割れや欠けの程度を目視で判定した。割れ・欠けの程度は成形体が内部から割れていたり、エッジ部分が上面より3cm以上欠けているものを×、それ以外を○とした。また本成形体から成形体加工で直径10cm×高さ10cmの円柱成形体を切り出し、成形体密度を測定した後、20℃/hで750℃まで昇温して脱脂し、その後所定温度まで60℃/hで昇温して焼結した。得られた焼結体について、JISZ8807(1976年改正)における固体比重測定方法で焼結体密度を測定し、その値を理論密度で除して焼結体密度比を求めた。本密度比が97%以上である場合を製品として充分高密度な焼結体と判断した。
(10)金型プレス法における評価
本発明で得られたセラミックス顆粒を、面積15cm2の金型において、設定圧力を98MPaとし、設定圧力まで5秒で加圧し、10秒保持後に急減圧して、厚み1cmの金型成形体を得た。成形体の割れや欠けを観察し、スプリングバック応力による割れが発生したり、エッジ部分が欠けたものは×、それ以外を○とした。本成形体を20℃/hで750℃まで昇温して脱脂し、その後所定温度まで60℃/hで昇温して焼結した。焼結体をカラーチェック液(日本油脂製浸透液FAW−3)に数分浸して水洗した後、厚み方向の側面のカラーチェックの染まりを観察した。厚み方向について全体または中心部が帯状に染まるものを×とした。
次に実際の試作方法とその結果により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール1重量部とガラス転移温度がマイナス8℃のアクリル共重合樹脂0.5重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度80℃で噴霧乾燥し表1実施例1の通りの顆粒を得た。
(実施例1)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール1重量部とガラス転移温度がマイナス8℃のアクリル共重合樹脂0.5重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度80℃で噴霧乾燥し表1実施例1の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1600℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の実施例1に記載した。
(実施例2)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール0.5重量部と、ガラス転移温度がマイナス8℃のアクリル共重合樹脂1.5重量部、平均分子量2万のポリエチレングリコール0.2重量部と、平均分子量10万のポリエチレンオキサイド0.3重量部に離型剤としてステアリン酸エマルジョンを0.2重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例2の通りの顆粒を得た。
(実施例2)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール0.5重量部と、ガラス転移温度がマイナス8℃のアクリル共重合樹脂1.5重量部、平均分子量2万のポリエチレングリコール0.2重量部と、平均分子量10万のポリエチレンオキサイド0.3重量部に離型剤としてステアリン酸エマルジョンを0.2重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例2の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1400℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の実施例2に記載した。
(実施例3)
酸化イットリウム11モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末について、湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分としてガラス転移温度18℃のアクリル共重合樹脂2重量部と平均分子量1万のポリエチレングリコール0.8重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例3の通りの顆粒を得た。
(実施例3)
酸化イットリウム11モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末について、湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分としてガラス転移温度18℃のアクリル共重合樹脂2重量部と平均分子量1万のポリエチレングリコール0.8重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例3の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1600℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の実施例3に記載した。
(実施例4)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末と3モル%の酸化イットリウムにて部分安定化された酸化ジルコニウム粉末をそれぞれ重量比で7対3で混合して湿式アトライターでスラリー化して、有機成分として重合度500のポリビニルアルコール1重量部と平均分子量1万のポリエチレングリコール0.5重量部と平均分子量10万のポリエチレンオキサイド0.5重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例4の通りの顆粒を得た。
(実施例4)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末と3モル%の酸化イットリウムにて部分安定化された酸化ジルコニウム粉末をそれぞれ重量比で7対3で混合して湿式アトライターでスラリー化して、有機成分として重合度500のポリビニルアルコール1重量部と平均分子量1万のポリエチレングリコール0.5重量部と平均分子量10万のポリエチレンオキサイド0.5重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1実施例4の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1550℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の実施例4に記載した。
(比較例1)
酸化イットリウム3モル%の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化した。本スラリーを有機成分を添加せずにスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1比較例1の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1400℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例1に記載した。
(比較例2)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度3000のポリビニルアルコール2重量部とガラス転移温度が40℃のアクリル共重合樹脂2重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し表1比較例2の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1600℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例2に記載した。
(比較例3)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末と3モル%の酸化イットリウムにて部分安定化された酸化ジルコニウム粉末をそれぞれ重量比で7対3で混合して、ガラス転移温度40℃のアクリル共重合樹脂を0.3重量部添加して、攪拌造粒法で造粒し表1比較例3の通りのセラミックス顆粒を得た。
(比較例1)
酸化イットリウム3モル%の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化した。本スラリーを有機成分を添加せずにスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1比較例1の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1400℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例1に記載した。
(比較例2)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度3000のポリビニルアルコール2重量部とガラス転移温度が40℃のアクリル共重合樹脂2重量部を添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し表1比較例2の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1600℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例2に記載した。
(比較例3)
99.9%の高純度酸化アルミニウム粉末と3モル%の酸化イットリウムにて部分安定化された酸化ジルコニウム粉末をそれぞれ重量比で7対3で混合して、ガラス転移温度40℃のアクリル共重合樹脂を0.3重量部添加して、攪拌造粒法で造粒し表1比較例3の通りのセラミックス顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1550℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例3に記載した。
(比較例4)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度1700のポリビニルアルコール1.0重量部と、ガラス転移温度が40℃のアクリル共重合樹脂1.5重量部、平均分子量8万のポリエチレングリコール1.5重量部と、平均分子量20万のポリエチレンオキサイド1.5重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1比較例4の通りの顆粒を得た。
(比較例4)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度1700のポリビニルアルコール1.0重量部と、ガラス転移温度が40℃のアクリル共重合樹脂1.5重量部、平均分子量8万のポリエチレングリコール1.5重量部と、平均分子量20万のポリエチレンオキサイド1.5重量部添加した。本スラリーをスプレードライヤーにて乾燥温度100℃で噴霧乾燥し、表1比較例4の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1400℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例4に記載した。
(比較例5)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール1.0重量部と、ガラス転移温度が18℃のアクリル共重合樹脂1.0重量部、平均分子量8万のポリエチレングリコール0.5重量部と、平均分子量20万のポリエチレンオキサイド0.5重量部添加した。本スラリーをツインジェットノズル型スプレードライヤーにて乾燥温度100℃で超微粒噴霧乾燥し、表1比較例4の通りの顆粒を得た。
(比較例5)
酸化イットリウム3モル%含有の部分安定化ジルコニウム粉末を湿式アトライターで粉砕スラリー化して、有機成分として平均重合度500のポリビニルアルコール1.0重量部と、ガラス転移温度が18℃のアクリル共重合樹脂1.0重量部、平均分子量8万のポリエチレングリコール0.5重量部と、平均分子量20万のポリエチレンオキサイド0.5重量部添加した。本スラリーをツインジェットノズル型スプレードライヤーにて乾燥温度100℃で超微粒噴霧乾燥し、表1比較例4の通りの顆粒を得た。
本顆粒を上述したCIP法で成形し、設定温度1400℃で焼結して評価した。同時に上述の金型プレス法で評価した。結果を表2の比較例4に記載した。
Claims (10)
- 有機成分とセラミックス粉体を含むセラミックス顆粒であって、平均顆粒径Dpが10〜90μm、圧縮破壊強度σpが0.1〜5MPaであって、かつ平均顆粒径Dpと圧縮破壊強度σpとが下記式(1)を満たすセラミックス顆粒。
10≦Dp×σp≦45 [μm・MPa] ・・・(1) - 前記有機成分がセラミックス粉体100重量部に対して0.5〜5重量部含まれる請求項1記載のセラミックス顆粒。
- 前記有機成分がバインダーを含む請求項1または2記載のセラミックス顆粒。
- 前記有機成分が、平均重合度1000以下のポリビニルアルコールおよび/またはガラス転移温度30℃以下のアクリル共重合樹脂を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 前記有機成分として、平均分子量3万以下のポリエチレングリコールをセラミックス粉体100重量部に対して0.1〜1重量部含む、請求項3乃至4のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 前記有機成分として、平均分子量10万〜15万のポリエチレンオキサイドをセラミックス粉体100重量部に対して0.1〜1重量部含む、請求項1乃至5のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 前記セラミックス粉体の平均凝集径が0.1〜2μmである請求項1乃至6のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 見かけ嵩密度が0.5〜1.5g/cm3である請求項1乃至7のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 98MPaの圧力で成形したときの成形体強度が2MPa以上である請求項1乃至8のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
- 前記セラミックス粉体が、酸化ジルコニウムおよび/または酸化アルミニウムである請求項1乃至9のいずれかに記載のセラミックス顆粒。
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