JPH1029871A - セラミックス成形用顆粒 - Google Patents

セラミックス成形用顆粒

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JPH1029871A
JPH1029871A JP8205472A JP20547296A JPH1029871A JP H1029871 A JPH1029871 A JP H1029871A JP 8205472 A JP8205472 A JP 8205472A JP 20547296 A JP20547296 A JP 20547296A JP H1029871 A JPH1029871 A JP H1029871A
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binder
granules
ceramic
weight
molding
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JP8205472A
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Hiroichi Fukuda
博一 福田
Hiroshi Ichikawa
浩 市川
Yuka Fukano
由花 深野
Takeshi Yasui
猛 安井
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性に優れた焼結体が得られる、成形
性のよいセラミックス成形用顆粒を得ること。 【解決手段】 セラミックス原料粉末とバインダーを混
合して造粒してなるセラミックス成形用顆粒を製造する
に際し、バインダーとして、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレングリコール、および多価アルコール脂肪酸エ
ステルを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス成形
用顆粒に関し、特に成形性がよく機械的特性に優れたセ
ラミックス焼結体が得られるセラミックス成形用顆粒に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス成形体の製造工程において
は、乾式加圧成形時の均一充填、成形体の密度の向上な
どのために、あらかじめ造粒が行われる。しかし、乾式
加圧成形時にセラミックス顆粒の変形・破壊による緻密
化が充分に行われないと、成形体中に顆粒間ポアが残存
し、その焼結体は、強度、密度などの物性において、射
出成形または鋳込み成形による焼結体の物性よりも劣る
ことがある。また、乾式加圧成形の場合、離型時の成形
体と金型間の摩擦が大きいために成形体にクラックが発
生しやすいという問題もある。このため、セラミックス
成形用のバインダーとしては、ポリビニルアルコール
(PVA)、アクリル樹脂、またはワックスなどのバイ
ンダーに、ポリエチレングリコール(PEG)、ジブチ
ルフタル酸などの可塑剤を併用したものを用いること
で、その成形性を改善することが行われている。しか
し、このようなバインダーを用いても、密度が均質な成
形体を得ようとすると高い成形圧力が必要であり、ま
た、ポアの減少にも一定の限界がある。しかも、セラミ
ックス摺動部品のように、摩擦性、磨耗性、焼付き限界
などの摺動特性において特に優れた物性が要求されるセ
ラミックス焼結体の成形体にあっては、微細な顆粒間ポ
アが残存しているだけでも、摺動特性に大きな悪影響を
及ぼすため、ポアをより少なくすることが重要な課題で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた機械
的特性を有する焼結体が得られる、成形性のよいセラミ
ックス成形用顆粒を得ること目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
原料粉末とバインダーを混合して造粒してなるセラミッ
クス成形用顆粒であって、バインダーとして、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール、および多価ア
ルコール脂肪酸エステルが添加されていることを特徴と
するセラミックス成形用顆粒を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックス成形用顆粒
は、少なくともセラミックス原料粉末と、バインダーと
からなるものである。
【0006】本発明のセラミックス成形用顆粒の原料粉
末は、特に限定されるものではないが、例えばSi3
4 、Al2 3 、ZrO2 、ZnO、AlN、SiC、
MgO、SiO2 、TiO2 、Fe2 3 、BN、Ti
C、WC、Y2 3 のなどの粉末が挙げられるが、Si
3 4 が最も好ましい。
【0007】これらは、単独で用いてもよいが、他の原
料粉末を焼結助剤として併用することが好ましい。例え
ば、原料粉末が、Si3 4 が主体の原料粉末にあって
は、焼結助剤としてY2 3 、Al2 3 を焼結助剤と
して用いることができる。焼結助剤の割合は、原料粉末
の種類にもよるが、Si3 4 を主体とする場合には、
全原料粉末中、1〜15重量%が好ましく、特に2〜1
2重量%がより好ましい。
【0008】原料粉末がSi3 4 である場合の好まし
い平均粒径は、0.01〜5μmでありしく、特に好ま
しくは、0.1〜1.5μmである。
【0009】好ましい平均粒径にするためには、ボール
ミル、攪拌ミル、ジェットミルなどどのような方式によ
ってもよく、また、湿式粉砕、乾式粉砕のいずれでもよ
い。湿式粉砕を行う際の媒液としては、エチルアルコー
ル、メチルアルコール、その他の有機溶媒が用いられ
る。
【0010】本発明のセラミックス成形用顆粒は、バイ
ンダーとして、ポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコール、および多価アルコール脂肪酸エステルを必須
の成分とする。
【0011】バインダーとしての第一の必須成分である
ポリビニルアルコールは、一次粒子の結合剤、すなわち
原料粉末と原料粉末の結合剤として機能するものであ
る。
【0012】ポリビニルアルコールの添加量は、原料粉
末100重量部に対して、0.1〜4重量部が好まし
く、特に0.4〜2重量部がより好ましい。ポリビニル
アルコールが0.1重量部未満であると、グリーン成形
体の強度が低下してハンドリング性が悪くなり、一方、
4重量部を超えると、顆粒が硬くなり過ぎ、成形体中に
多量の顆粒間ポアが残存するため、焼結体の物性が低下
する。
【0013】バインダーとしての第二の必須の成分であ
るポリエチレングリコールは、本発明のセラミックス成
形用顆粒において、可塑剤として機能するものである。
【0014】ポリエチレングリコールの添加量は、原料
粉末100重量部に対して、0.1〜9重量部が好まし
く、特に0.6〜7重量部がより好ましい。ポリエチレ
ングリコールが、0.1重量部未満であると、顆粒が硬
くなり過ぎ、成形体中に多量の顆粒間ポアが残存するた
めに、焼結体物性が低くなり、一方、9重量部を超える
と、顆粒の流動性が低下し、充填密度が不均一となり、
またグリーン成形体の強度が低下してハンドリング性が
悪くなる。また、ポリエチレングリコールは、添加する
ポリビニルアルコール100重量部に対して、50〜2
50重量部が好ましく、100〜200重量部がより好
ましい。
【0015】さらに、本発明のセラミックス成形用顆粒
は、バインダーとして、多価アルコール脂肪酸エステル
を第三の必須成分とする。本発明で用いる多価アルコー
ル脂肪酸エステルは、その多価アルコールが、ソルビタ
ン、ソルビット、ソルバイトなどのアンヒドロソルビッ
ト類であるものが好ましく、特にソルビタンがより好ま
しい。また、脂肪酸としては、ラウリン酸、オレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸が好
ましく、特に、ラウリン酸、オレイン酸がより好まし
い。
【0016】多価アルコール脂肪酸エステルの添加量
は、原料粉末100重量部に対して、0.5〜10重量
部であることが好ましく、特に1〜6重量部がより好ま
しい。多価アルコール脂肪酸エステルが、0.5重量部
未満であると、セラミックス成形用顆粒と金型との摩擦
力が大きくなり、離型時に成形体にクラックが発生しや
すく、また成形体中に多量の顆粒間ポアが残存し、焼結
体物性が低くなる。一方、10重量部を超えると、セラ
ミックス成形用顆粒の流動性が低下して充填密度が不均
一になり、グリーン成形体の強度が低下して成形体のハ
ンドリング性が悪くなる。
【0017】本発明のセラミックス成形用顆粒におい
て、上記バインダーの3成分の合計量が、原料粉末10
0重量部に対して、0.7〜20重量部、特に2〜11
重量部含有されていることが好ましい。バインダーの合
計量が0.7重量部未満であると、グリーン強度が低
く、成形体のハンドリング性が悪くなり、一方、20重
量部を超えると、セラミックス成形用顆粒の流動性が低
下して充填密度が不均一になる恐れがある。
【0018】本発明のセラミックス成形用顆粒は、前記
セラミックス粒子原料粉末に、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール、および多価アルコール脂肪酸
エステルを混合して、造粒することにより製造される。
このとき、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、および多価アルコール脂肪酸エステルを必須の成
分とするバインダー(以下、単に「バインダー」という
ことがある)は、あらかじめ混合しバインダー組成物と
してから、原料粉末と混合してもよいし、別々に混合し
てもよい。これらのバインダーとともに、必要に応じ
て、分散剤、消泡剤などを添加することができる。
【0019】造粒方法としては、例えば、原料粉末と水
およびバインダーを混合してスラリー状混濁液としたの
ち、これを噴霧乾燥して造粒する方法(噴霧造粒方
法)、原料粉末を攪拌または振動させながら、水および
バインダーを添加して凝集造粒する方法(攪拌造粒方
法、転動造粒方法)、原料粉末を気流中に分散させ、そ
の中に水およびバインダーをスプレーして凝集造粒する
方法(流動造粒方法)などが挙げられるが、目的に応じ
て適宜選択すればよい。
【0020】噴霧造粒方法による場合、スラリー状混濁
液は、原料粉末100重量部に対して、水分量が30〜
100重量部、特に40〜70重量部となるように調整
することが好ましい。水分量が30重量部未満である
と、棒状顆粒が生成し易く、一方、100重量部を超え
ると、陥没顆粒が生成し易く好ましくない。また、バイ
ンダーの添加量は、スラリー状混濁液中、原料粉末10
0重量部に対して、0.7〜20重量部、特に2〜11
重量部となるように調整することが好ましい。
【0021】スラリー状混濁液の調整にあたり、原料粉
末、水およびバインダーの混合は、均一に混合できる方
法であればどのような方法でもよく、例えばボールミ
ル、ヘンシェルミキサー、アトライターなどを用いるこ
とができる。また、噴霧乾燥の方法としては、二流体ノ
ズル方式、高圧ノズル方式、回転円板方式など、目的に
応じて適宜選択すればよい。
【0022】造粒により得られたセラミックス成形用顆
粒の平均粒径は、10〜100μmが好ましく、特に4
0〜80μmがより好ましい。平均粒径が10μm未満
であると、所望の流動性が得られ難くなり、一方、10
0μmを超えると、顆粒に陥没などの欠陥が生じ易くな
る。
【0023】セラミックス成形用顆粒は、乾式加圧成形
により成形して成形体となすことができる。乾式加圧成
形の方法は限定されるものではなく、一軸プレス成形、
冷間静水圧プレス成形(ドライ、ウエット)、温間静水
圧プレス成形などが適用されるが、目的に応じて、適宜
選択することができる。また、一軸プレス成形法により
予備成形したのち、冷間静水圧プレス、温間静水圧プレ
スなどにより二次成形を行ってもよい。
【0024】成形圧力は、3〜5t/cm2 が好まし
く、特に3〜4t/cm2 がより好ましい。成形圧力が
3t/cm2 未満であると、顆粒間ポアの消滅が充分で
なく、一方、5t/cm2 を超えると、スプリングバッ
クが大きくなり、クラックが発生し易くなる。また、予
備成形を行う場合は、0.1〜3t/cm2 、好ましく
は0.5〜1t/cm2 で成形を行ったのち、二次成形
を3〜5t/cm2 、好ましくは3〜4t/cm2 で行
うことが好ましい。
【0025】本発明のセラミックス成形用顆粒は、バイ
ンダーの一成分として多価アルコール脂肪酸エステルを
添加したため圧力伝達性がよく、比較的低い成形圧力で
も、顆粒間ポアのない成形体が得られる。また、成形後
離型の際にも、成形体と金型との摩擦力が小さいため、
スプリングバックの影響が小さく、その結果、クラック
の原因となる表面の歪みが生じない。
【0026】また、脱脂温度は、適宜選択すればよい
が、500〜700℃が好ましく、特に600〜700
℃がより好ましい。
【0027】次いで行う焼結工程の条件は、試料の最大
肉厚を考慮して、肉厚が大きい場合には長く設定するこ
とが好ましい。焼結時の雰囲気は、窒素ガス、アルゴン
ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うなど、適宜選択す
ることができる。焼結温度は、原料粉末がSi3 4
ある場合には1,600〜2,000℃が好ましく、特
に1,650〜1,900℃がより好ましい。また、雰
囲気圧力は、1〜2,000kg/cm2 が好ましく、
特に5〜10kg/cm2 がより好ましい。なお、ここ
でいう雰囲気圧力とは、炉内が焼結温度に達したときの
雰囲気圧力をいう。脱脂前の成形体の密度が大きい場合
には、炉内温度が高くなったのち、具体的には最高保持
温度に達したのちに加圧を開始することが好ましい。
【0028】このようにして得られた焼結体は、ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレングリコール、および多価
アルコール脂肪酸エステルを必須の成分とするバインダ
ーを用いたため、焼結前の成形体中に顆粒間ポアがな
く、高強度でクラックの発生のない優れた物性の焼結体
である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1 (1)顆粒の作成 原料粉末として、チッ化ケイ素〔直接チッ化法,電気化
学工業(株)製、比表面積;7.6m2 /g〕を92重
量部、酸化イットリウムを5重量部、酸化アルミニウム
を3重量部を計量し、これに水51重量部と、分散剤
0.4重量部を添加して、ボールミルで64時間混合し
た。この混合物に、ソルビタンのオレイン酸エステル、
PVA〔試薬、重合度500〕、PEG〔試薬、分子量
300〕を、表1に示した分量で添加して(No.1、
4〜10)、スラリー状混濁液を得た。次いで、これを
噴霧乾燥して平均粒径80μmのセラミックス成形用顆
粒を得た。
【0030】(2)セラミックス焼結体の作成 セラミックス成形用顆粒を3t/cm2 で一軸プレス成
形し、径12×高さ35mmの円柱の成形体を作成し、
これを大気中600℃に1時間保持し、成形体の脱脂を
行った。得られた脱脂体を、窒素ガス中、1,800℃
で4時間焼結し、セラミックス焼結体を得た。このと
き、雰囲気圧力は、炉内が800℃のときから加圧を開
始して、1,800℃のときに9kg/cm2 となるよ
うに加圧した。この焼結体に研削加工および鏡面仕上げ
を行いテストピース(以下、「TP」と略す)を作成し
た。このTPについて、画像処理によりポア面積率を評
価した。その結果を図1に示す。
【0031】図1によると、いずれの配合においても、
ソルビタンのオレイン酸エステルが配合されているもの
は、ポア面積率は著しく低下することが分かった。
【0032】実施例2 表1の配合処方No.1〜4のバインダー組成物を用い
たセラミックス成形用顆粒を用いて、径7×高さ14m
mの円柱形状の成形体を乾式加圧成形すること以外は、
実施例1と同様に焼結し、焼結体についてポア面積率を
評価した。その結果を図2に示す。また、焼結前のセラ
ミックス成形体内部の走査型電子顕微鏡写真を図3〜6
に示す。
【0033】図2によると、ソルビタンのオレイン酸エ
ステルを増やすと、焼結体中のポア面積率が減少するこ
とが分かった。また、図3〜6によると、この効果は、
成形体の顆粒間ポアが消失もしくは縮小していることに
よるものであり、本実施例の場合、ソルビタンのオレイ
ン酸エステルを3重量部添加することで顆粒間ポアが消
失することが分かった。
【0034】実施例3 表1の配合処方No.1〜4のバインダー組成物を用い
たセラミックス成形用顆粒を用いて、実施例2と同様に
一軸プレス成形し、焼結した。各成形体について、乾式
加圧成形の離型時に下パンチに加わる荷重P(図7)を
測定した。ソルビタンのオレイン酸エステルの添加量と
離型時の荷重との関係を図8に示す。また、セラミック
ス焼結体の光学顕微鏡写真を参考図として示した。な
お、参考図1〜4は、順に、No.1〜4のバインダー
組成物を用いた場合の焼結体の写真である。
【0035】図8によると、ソルビタンのオレイン酸エ
ステルを添加したことにより、離型時にかかる荷重が減
少している。また、参考図1〜4によると、ソルビタン
のオレイン酸エステルを添加した場合の焼結体は、クラ
ックが全く発生していないか、僅かに発生しているに止
まっている。以上のことより、ソルビタンのオレイン酸
エステルを添加することにより、離型時の荷重が減少し
て成形体と金型の摩擦力が低下したため、図9に示した
ように、スプリングバックによる影響が小さくなり、そ
の結果、クラックが抑制されたことが分かった。
【0036】実施例4 表1のNo.1、No.4のバインダー組成物を用いた
セラミックス成形用顆粒を、0.3t/cm2 で一軸プ
レス成形し、幅35×長さ55×高さ10(mm)の平
板形状としたのち、4t/cm2 で冷間静水圧プレス処
理したこと以外は、実施例1と同様に成形し、焼結し
た。得られた焼結体からJIS R1601に準拠した
TPを加工し、3点曲げ強度を求めた。その結果を、図
10に示す。
【0037】図10によると、ソルビタンのオレイン酸
エステルを添加したバインダー組成物(No.4)を用
いた焼結体の平均強度は、添加しなかったバインダー組
成物(No.1)を用いた焼結体の平均強度よりも高い
ことが分かった。これは、焼結体のポア面積率が小さく
なったためと思われる。
【0038】実施例5 比表面積が10.0m2 /gのチッ化ケイ素粉末〔イミ
ド分解法、宇部興産(株)製〕を用いたこと以外は、実
施例4と同様に、成形・焼結した焼結体からTPを加工
し、3点曲げ強度を求めた。その結果を、図11に示
す。
【0039】図11によると、ソルビタンのオレイン酸
エステルを添加したバインダー組成物(No.12)を
用いた焼結体は、添加しなかったバインダー組成物(N
o.11)を用いた焼結体よりも、平均強度がかなり向
上することが分かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のバインダー組成物は、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール、および多価ア
ルコール脂肪酸エステルを必須の成分としたため、成形
体中の顆粒間ポアがない成形体が得られる。また、成形
体と金型間の摩擦力が減少するため、成形性が向上し、
スプリングバックによる影響が少なく、低い成形圧力で
ポアのない成形体が製造できる。このため、本発明のバ
インダー組成物を用いたセラミックス焼結体は、強度が
高く、クラックの発生のない優れた物性の焼結体であ
る。従って、ベアリングの転動体など、高い摺動特性が
要求される部品であっても、疲労が小さく製品寿命の長
い製品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の焼結体のポア面積率を表すチャート
である。
【図2】実施例2の焼結体のポア面積率を表すチャート
である。
【図3】実施例2(No.1)の成形体内部の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図4】実施例2(No.2)の成形体内部の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図5】実施例2(No.3)の成形体内部の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図6】実施例2(No.4)の成形体内部の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図7】離型時に下パンチに加わる荷重Pを示す模式断
面図である。
【図8】実施例3の成形体において、多価アルコール脂
肪酸エステルの添加量と離型時の荷重との関係を表すチ
ャートである。
【図9】乾式加圧成形によるスプリングバックを示す模
式断面図である。
【図10】実施例4のTPの3点曲げ強度を表すチャー
トである。
【図11】実施例5のTPの3点曲げ強度を表すチャー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 猛 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス原料粉末とバインダーを混
    合して造粒してなるセラミックス成形用顆粒であって、
    バインダーとして、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
    ングリコール、および多価アルコール脂肪酸エステルが
    添加されていることを特徴とするセラミックス成形用顆
    粒。
  2. 【請求項2】 多価アルコール脂肪酸エステルが、アン
    ヒドロソルビットと高級脂肪酸とのエステル化合物であ
    る請求項1記載のセラミックス成形用顆粒。
  3. 【請求項3】 アンヒドロソルビットが、ソルビット、
    ソルビタンおよびソルバイトの群から選ばれる少なくと
    も一種である請求項2記載のセラミックス成形用顆粒。
  4. 【請求項4】 高級脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリ
    ン酸およびオレイン酸の群から選ばれる少なくとも一種
    である請求項2〜3のいずれか1項記載のセラミックス
    成形用顆粒。
  5. 【請求項5】 多価アルコール脂肪酸エステルが、セラ
    ミックス原料粉末100重量部に対して、0.5〜10
    重量部添加されている請求項2〜4記載のいずれか1項
    記載のセラミックス成形用顆粒。
JP8205472A 1996-07-17 1996-07-17 セラミックス成形用顆粒 Withdrawn JPH1029871A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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