JPH0867567A - セラミック焼結体およびその製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体およびその製造方法

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JPH0867567A
JPH0867567A JP6205739A JP20573994A JPH0867567A JP H0867567 A JPH0867567 A JP H0867567A JP 6205739 A JP6205739 A JP 6205739A JP 20573994 A JP20573994 A JP 20573994A JP H0867567 A JPH0867567 A JP H0867567A
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silicon nitride
aluminum nitride
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ceramic sintered
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JP6205739A
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Yusuke Okamoto
本 裕 介 岡
Naoto Hirosaki
崎 尚 登 広
Yoshio Akimune
宗 淑 雄 秋
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱伝導度と強度の両方共に優れているセラミ
ック焼結体を提供する。 【構成】 窒化ケイ素多結晶から構成される窒化ケイ素
粒子群3の領域と、窒化アルミニウムから構成される窒
化アルミニウム粒子群2の領域を有する複合構造を持
ち、2次元断面より求めた等価円直径で表わされる平均
径が10μm以上200μm以下の窒化ケイ素粒子群3
が窒化アルミニウム粒子群2のマトリックス中に分散し
た微構造を有し、焼結体の切断面において、窒化ケイ素
粒子群3の面積が全断面積の20面積%以上60面積%
以下である窒化ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック
焼結体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度に優れる軽量なセ
ラミック焼結体およびその製造方法に関するものであ
り、特に、熱伝導度と強度の両方共に優れていることが
要求される部材に好適に利用される窒化ケイ素・窒化ア
ルミニウム質セラミック焼結体およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム焼結体は絶縁性であり
ながら良好な熱伝導性を有し、かつ酸化ベリリウムのよ
うな毒性もないことから、半導体基板の放熱材料等の用
途に前途が嘱望されている。
【0003】従来の窒化アルミニウム焼結体の製造技術
としては、例えば、特開昭62−153173号公報に
開示されたものがあり、熱伝導性に優れかつ緻密な焼結
体を得る方法が示されている。
【0004】また、窒化アルミニウム焼結体は、セラミ
ック材料の本質的特性である耐熱性・軽量性といった特
長も持つことから、内燃機関等の構造材料用途への使用
も考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
窒化アルミニウム焼結体は、その強度が室温3点曲げで
300〜400MPaと低く、現在広く用いられている
窒化ケイ素焼結体に比べてかなり劣る。従って、構造材
料として用いる場合、強度確保のために重量増加を招く
などの問題点を有することから、熱伝導性に優れている
と共に強度にも優れているセラミック焼結体の開発が望
まれていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、窒化アルミニウムのマトリ
ックス中に、窒化ケイ素多結晶から構成される第2相
(粒子群)を分散させて強化し、窒化アルミニウム焼結
体が持つ良好な熱伝導性を犠牲にすることなく強度にも
優れた高熱伝導・高強度のセラミック焼結体を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる窒化ケイ
素・窒化アルミニウム質セラミック焼結体は、請求項1
に記載しているように、窒化アルミニウムと窒化ケイ素
の複合構造を持つセラミック焼結体であって、窒化ケイ
素多結晶から構成される窒化ケイ素粒子群の領域と、窒
化アルミニウムから構成される窒化アルミニウム粒子群
の領域を有する複合構造を持ち、2次元断面より求めた
等価円直径で表わされる平均径が10μm以上200μ
m以下の窒化ケイ素粒子群が窒化アルミニウム粒子群の
マトリックス中に分散した微構造を有する構成としたこ
とを特徴としている。
【0008】そして、本発明に係わる窒化ケイ素・窒化
アルミニウム質セラミック焼結体の実施態様では、請求
項2に記載しているように、焼結体の切断面において、
窒化ケイ素粒子群の面積が全断面積の20面積%以上6
0面積%以下であるものとすることができる。
【0009】本発明に係わる窒化ケイ素・窒化アルミニ
ウム質セラミック焼結体の製造方法は、請求項3に記載
しているように、窒化ケイ素粉末に焼結助剤を添加・混
合した後、平均粒径15μm以上300μm以下の顆粒
状にした窒化ケイ素原料造粒体と、窒化アルミニウム粉
末に焼結助剤を添加・混合した窒化アルミニウム原料粉
末、もしくはこの窒化アルミニウム原料粉末を平均粒径
200μm以下の顆粒状にした窒化アルミニウム原料造
粒体を混合し、請求項1または2のいずれかの組織が発
現するまで焼成する構成としたことを特徴としている。
【0010】そして、本発明に係わる窒化ケイ素・窒化
アルミニウム質セラミック焼結体の製造方法の実施態様
においては、請求項4に記載しているように、窒化ケイ
素に添加する焼結助剤が、周期律表第IIIa族元素の
酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カ
ルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのうち
から選ばれる1種または2種以上の酸化物または窒化物
であるものとすることができ、請求項5に記載している
ように、窒化アルミニウムに添加する焼結助剤が、酸化
イットリウムまたは酸化カルシウムであるものとするこ
とができ、請求項6に記載しているように、焼成温度が
1700℃以上2000℃以下であるようにすることが
でき、請求項7に記載しているように、焼成方法がホッ
トプレスであり、1気圧以上100気圧以下の窒素雰囲
気中で5MPa以上50MPa以下の加圧力で一軸加圧
するようになすことができ、請求項8に記載しているよ
うに、焼成方法がガス圧焼成であり、1気圧以上500
気圧以下の窒素ガス下で焼成するようになすことがで
き、請求項9に記載しているように、焼成方法が熱間静
水圧プレスであり、100気圧以上2000気圧以下の
ガス圧下で焼成するようになすことができる。
【0011】
【発明の作用】本発明に係わる窒化ケイ素・窒化アルミ
ニウム質セラミック焼結体は、請求項1に記載している
ように、窒化アルミニウムと窒化ケイ素の複合構造を持
つセラミック焼結体であって、窒化ケイ素多結晶から構
成される領域(窒化ケイ素粒子群と呼ぶ)と、窒化アル
ミニウムから構成される領域(窒化アルミニウム粒子群
と呼ぶ)を有する複合構造を持ち、2次元断面より求め
た等価円直径で表わされる平均径が10μm以上200
μm以下の窒化ケイ素粒子群が窒化アルミニウム粒子群
のマトリックス中に分散した微構造を有する構成とした
ものであり、図1に模式的に示すように、この窒化ケイ
素・窒化アルミニウム質セラミック焼結体1は、窒化ア
ルミニウムから構成される窒化アルミニウム粒子群2の
マトリックス中に窒化ケイ素粒子の集まりからなる窒化
ケイ素粒子群3をその平均径で10μm以上200μm
以下で分散させたものであるから、十分良好な熱伝導性
を確保しつつ強度の向上がもたらされる。
【0012】ところで、これまでに、単一の粒子を強化
相として分散させて強度の向上を図る試みは多くなされ
ているが、当然のことながら、単一の粒子は焼成時に粒
成長しない。
【0013】一方、単体の窒化ケイ素焼結体では焼成中
に柱状晶が発達し、この粒成長に伴なって靭性・強度が
大きく向上することが知られている。したがって、分散
相中においても粒成長が進むようにすれば機械的特性の
向上が期待できる。
【0014】本発明では、分散相として単一の粒子を用
いるのではなく、粒子の集まり(粒子群)を用いること
により、焼成中に粒子群中で柱状晶を成長させ、焼結体
の機械的特性の向上を図っている。また、窒化ケイ素−
窒化アルミニウムは焼成中に反応してサイアロンを生成
するが、分散させる窒化ケイ素相の径を大きくすれば、
表面反応相の割合が相対的に低下し、サイアロン生成の
影響を抑えることができる。
【0015】このような粒子群分散材料の製造方法とし
ては、分散相である窒化ケイ素粒子群の原料を予め顆粒
状に造粒し、これをマトリックス相である窒化アルミニ
ウム粒子群の原料と混合して焼成する方法が簡便である
すなわち、請求項3に記載しているように、窒化ケイ素
粉末に焼結助剤を添加・混合した後、平均粒径15μm
以上300μm以下の顆粒状にした窒化ケイ素原料造粒
体と、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加・混合し
た窒化アルミニウム原料粉末、もしくはこの窒化アルミ
ニウム原料粉末を平均粒径200μm以下の顆粒状にし
た窒化アルミニウム原料造粒体を混合し、請求項1また
は2のいずれかの組織が発現するまで焼成する方法が簡
便である。
【0016】顆粒を製造する方法としては、凝集してい
る原料粉末をほぐしてふるいで分級する方法を用いるこ
とができるが、スプレードライヤーなどによって造粒し
てもよい。
【0017】窒化ケイ素原料造粒体の大きさは15μm
以上300μm以下とするのが適当で、小さすぎると強
化の作用・効果が十分でなくなる可能性があり、大きす
ぎるとマトリックス中に均一に分散させることが難しく
なる可能性がある。
【0018】マトリックス相となる窒化アルミニウム原
料は、分散相と同様に造粒して窒化アルミニウム原料造
粒体としてから加えてもよく、また、粉末の状態で窒化
アルミニウム原料粉末として加えてもよいが、窒化アル
ミニウム原料造粒体で加える場合には、その大きさは2
00μm以下に留めるのがよく、あまり大きい造粒体で
は窒化ケイ素粒子群の分散が不均一となって強度が低下
する可能性がある。
【0019】窒化ケイ素原料造粒体と窒化アルミニウム
原料粉末または窒化アルミニウム原料造粒体の混合割合
は、重量比で、2:8ないし6:4程度とするのが適当
である。
【0020】さらに詳しくは、請求項2に記載している
ように、焼結体の切断面において、窒化ケイ素粒子群の
占める面積が全断面積に対して20面積%以上60面積
%以下にするのがよい。この理由は、窒化ケイ素粒子群
の割合が低いと、焼結体の強度が上がらない可能性があ
り、窒化ケイ素粒子群の割合が高いと熱伝導性が悪くな
る可能性があるためである。実施態様において、熱伝導
性の確保に主眼を置く場合には、窒化ケイ素粒子群の割
合を低めにし、また、強度が要求される場合には、窒化
ケイ素粒子群の割合を高くするとよい。
【0021】焼結を容昜にするために、原料となる窒化
ケイ素、窒化アルミニウムそれぞれの粉末に焼結助剤を
添加する。窒化ケイ素に添加する結助剤としては、請求
項4に記載しているように、周期律表第IIIa族元素
の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化
カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのう
ちから選ばれる1種または2種以上の酸化物または窒化
物を用いることができる。また、窒化アルミニウムに添
加する焼結助剤としては、請求項5に記載しているよう
に、酸化イットリウムおよび酸化カルシウムの少なくと
もいずれかまたは両方を用いることができる。
【0022】原料造粒体の混合粉末を所期の形状に成形
する方法としては、従来の窒化ケイ素セラミック焼結体
の製造に際して用いられている方法と同様の方法をその
まま適用できる。また、焼成は、製品に要求される特性
に応じてホットプレス法のほか、ガス圧焼成法、熱間静
水圧プレス等を用いることができる。
【0023】単純形状品の場合は、請求項7に記載して
いるように、ホットプレス法が比較的適している。この
場合は、原料混合体を黒鉛型に入れ、1気圧以上100
気圧以下の窒素雰囲気中で、5MPa以上50MPa以
下の加圧力で一軸加圧する方法とすることができる。こ
のとき、雰囲気圧力が1気圧未満では原料の熱分解が起
こる可能性があり、100気圧超過では焼結体中に気孔
が残る可能性がでてくる。また、加圧力が5MPa未満
では緻密化促進の作用・効果が小さくなる可能性があ
り、50MPa超過では黒鉛型との反応が起こって製品
の取り出しが難しくなる可能性もありうる。
【0024】複雑形状品の場合、あるいは大量生産品の
場合には、請求項8に記載しているように、ガス圧焼成
法が適している。この場合、焼成は1気圧以上500気
圧以下の窒素ガス雰囲気中で行うのがよく、1気圧未満
では原料の熱分解が起こる可能性があり、500気圧超
過では高圧のガス焼結体中に閉じ込められて焼結性が低
下する可能性がある。
【0025】請求項9に記載している熱間静水圧プレス
(熱間等方圧プレスと称することもある)は、製造コス
トが高くなるものの、複雑形状品にも対応でき、かつま
た、得られる製品が特性に優れたものになるという特長
がある。この熱間静水圧プレスには、成形体をガラスな
どのガスを通さず熱で軟化するカプセルに封入し、雰囲
気ガスで加圧して焼成する方法と、相対密度95%以上
になるまで予備焼成しその後加圧して焼成する方法があ
り、いずれの方法を用いてもよい。この場合、圧力媒体
となる雰囲気の圧力は100気圧以上2000気圧以下
とするのが適当であり、100気圧未満では緻密化促進
の作用・効果が小さくなる可能性があり、2000気圧
超過では装置の取り扱いが煩雑となるおそれがある。ま
た、予備焼成での到達密度が95%未満であると、プレ
ス中に雰囲気ガスが進入して緻密化が阻害されることが
あるので、相対密度が95%以上となるまで予備焼成す
るのがよい。
【0026】焼成温度は、請求項6に記載しているよう
に、1700℃以上2000℃以下、より望ましくは1
800℃以上1900℃以下とするのが適当である。こ
の場合、温度が1700℃よりも低いときには焼成が進
まない可能性があり、2000℃よりも高いときには焼
結体中に鬆やクラックが入ったり、必要以上に粗大な粒
子に成長して強度の低下を招く可能性がある。
【0027】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明を詳
細に説明する。また、実施例1〜40,比較例1〜18
について表にまとめて示す。なお、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 平均粒径約1.5μmの窒化ケイ素粉末に、2重量%の
酸化ネオジム(Nd)と3重量%の酸化イットリ
ウム(Y)を添加し、エタノールを用いた湿式ボ
ールミルによって約100時間混合した後、ロータリー
エバポレータによって乾燥した。この乾燥粉末を適宜ほ
ぐした後、ふるいによる分級によって直径50μm以上
120μm以下の範囲の窒化ケイ素原料造粒体を取り出
した。この窒化ケイ素原料造粒体の平均粒径を乾式レー
ザ回折法で測定したところ88μmであった。
【0029】一方、平均粒径3μmの窒化アルミニウム
粉末に、5重量%の酸化イットリウム(Y)を添
加し、同様にエタノールを用いた湿式ボールミルによっ
て約100時間混合した後、ロータリーエバポレータに
よって乾燥した。この乾燥粉末についても適宜ほぐした
後、ふるいによる分級によって直径38μm以上90μ
m以下の範囲の窒化アルミニウム原料造粒体を取り出し
た。この窒化アルミニウム原料造粒体の平均粒径は55
μmであった。
【0030】次に、これら2種の造粒粉末を、窒化ケイ
素原料造粒体と窒化アルミニウム原料造粒体が重量比で
約4:6となるように調合し、粒を破壊しないようにし
てV型混合器で十分に混合した。
【0031】次いで、断面寸法が40×50mmの黒鉛
型に入れ、加圧圧力20MPaのホットプレスにより1
800℃で2時間の焼成を行ったのち、これにより得ら
れた焼結体から3×4×約40mmの直方体を切り出
し、表面を研磨して曲げ強度試験用の供試片とした。そ
して、この供試片につき、日本工業規格R 1601に
規定される方法に基づいて室温3点曲げ試験を実施し
た。
【0032】また、焼結体から直径10mm,厚さ1.
0mmの円盤状の試料を切り出し、レーザーフラッシュ
法によって焼結体の熱伝導度を測定した。
【0033】さらに、焼結体から一辺約3mmの立方体
を切り出し、表面をラッピングとポリッシングにより鏡
面に研磨した後、酸素を7%含有した四弗化炭素ガスに
よるプラズマエッチングを施し、走査型電子顕微鏡によ
って焼結体の組織を観察した。
【0034】さらにまた、研磨面を微分干渉顕微鏡で観
察し、窒化ケイ素粒子群の形状を球と仮定して2次元断
面から等価直径を決定した。この等価直径は、断面にお
ける当該粒子群の占める領域と等面積の円の直径であ
る。すなわち、断面での当該粒子群の面積S(μm
を円周率πで除したものの平行が等価半径なり、等価直
径はその倍の値である(すなわち、d(μm)=2(S
/π)1/2)。
【0035】この焼結体の特性は表の実施例1の欄にお
いて示したとおりであった。なお、以下の実施例におい
ては、本焼結体の使用環境を鑑み、強度として500M
Pa以上、熱伝導率として80W/(m・K)以上が要
求されるものとして適用の可否を判断した。
【0036】また、以下の実施例および比較例におい
て、特に断った部分の他は実施例1と同様にして行っ
た。そして、表中の焼成方法の欄で、HPはホットプレ
ス法、GPSはガス圧焼成法、HIPは熱間静水圧プレ
ス法を採用したことをそれぞれ表している。
【0037】実施例2〜5 実施例2から実施例5までは、粉末分級時にふるいの目
を変えて窒化ケイ素原料造粒体の大きさを調整し、焼結
体組織中の窒化ケイ素粒子群の大きさを変えたものであ
る。以下、特に断らないかぎり、各実施例および比較例
において、造粒体の粒径の調整はふるいによる分級の目
を変えて行っている。
【0038】実施例6〜9 実施例6から実施例9までは、原料粉末の窒化ケイ素と
窒化アルミニウムの割合を変えることによって、焼結体
の切断面での窒化ケイ素粒子群の面積割合を変えたもの
である。
【0039】実施例10〜13 実施例10から実施例13までは、窒化アルミニウム原
料造粒体の大きさを変えたもの、もしくは造粒せずに粉
末をそのまま用いたものである。
【0040】実施例14〜19 実施例14から実施例19までは、窒化ケイ素原料造粒
体中の添加焼結助剤成分を変えたものである。
【0041】実施例20,21 実施例20および実施例21は、窒化アルミニウムに添
加する焼結助剤の量を変えたものである。
【0042】実施例22,23 実施例22および実施例23は、焼成温度を変えたもの
である。
【0043】実施例24〜28 実施例24から実施例28までは、焼成をガス圧焼成法
によったもので、それぞれ焼成温度を変えている。ま
た、焼結助剤もガス圧焼成に適したものとして酸化アル
ミニウム−酸化イットリウムの組み合わせとしている。
そして、実施例24から28までにおいては、原料粉末
造粒体の混合物を準備するまでは実施例1と同様に行っ
た後、この混合物を金型で圧粉成形して約5×5×60
mmの直方体に成形し、圧力400MPaで冷間静水圧
プレスを施してグリーン体を得たのち、このグリーン体
を10MPaの窒素雰囲気中において1750〜195
0℃で6時間焼成して焼結体を得た。
【0044】実施例29,30 実施例29および実施例30は、熱間静水圧プレス法に
よって焼成したものである。この場合、実施例24と同
様の方法でグリーン体を作製した後、ガス圧焼成法によ
って1800℃で2時間の予備焼成を行い、これを圧力
500気圧の窒素雰囲気中において1800℃,190
0℃で2時間焼成して焼結体を得た。
【0045】実施例31〜33 実施例31から実施例33までは、窒化アルミニウム原
料造粒体に添加する焼結助剤として、酸化イットリウム
に代えて酸化カルシウムを用いた例である。酸化カルシ
ウムを用いても良好な特性の焼結体が得られる。
【0046】実施例34,35 実施例34および実施例35は、雰囲気圧力を変えてホ
ットプレスを行ったものである。
【0047】実施例36 実施例36は、ホットプレスの加圧圧力を40MPaと
高くしたものである。
【0048】実施例37,38 実施例37および実施例38は、ガス圧焼結における雰
囲気圧力を変えたものである。
【0049】実施例39,40 実施例39および実施例40は、熱間静水圧プレスにお
いて雰囲気圧力を変えたものである。
【0050】実施例のまとめ 表に示す結果より明らかなように、実施例1〜40のセ
ラミック焼結体は、いずれも、強度が500MPa以
上、熱伝導率が80W/(m・K)以上であり、強度と
熱伝導度の両方共が優れているセラミック焼結体であ
る。
【0051】比較例1 比較例1は、窒化ケイ素原料造粒体を加えずに窒化アル
ミニウム造粒体のみを単独でホットプレスにより焼成し
たものである。この窒化ケイ素質焼結体では熱伝導性に
は格段に優れるが、強度が低いものとなっている。
【0052】比較例2 比較例2は、窒化ケイ素原料造粒体の平均粒径が小さす
ぎるために、焼結体中の窒化ケイ素粒子群の平均径が小
さすぎ、このため、強度の向上効果が十分に発揮されて
いないものとなっている。
【0053】比較例3,4 比較例3および比較例4では、窒化ケイ素原料造粒体の
平均粒径が大きすぎたために、焼結体中の窒化ケイ素粒
子群の平均径が大きすぎて熱伝導率が低下したものとな
っており、比較例3では強度が高いものの比較例4では
強度も低下したものとなっている。
【0054】比較例5,6 比較例5,6は、窒化ケイ素原料造粒体の配合割合が少
ないため、焼結体中の窒化ケイ素粒子群の断面面積比率
が小さく、熱伝導性は十分良好であるものの、窒化ケイ
素粒子群による強度向上効果は働いていない。
【0055】比較例7 比較例7は、窒化ケイ素原料造粒体の配合割合が多いた
め、焼結体中の窒化ケイ素粒子群の面積比率が大きいも
のであり、このため、強度は十分良好であるものの、熱
伝導率の低下が見られる。
【0056】比較例8,9 比較例8および比較例9は、添加した窒化アルミニウム
原料造粒体の平均粒径が大きすぎるものであり、このた
め、窒化ケイ素粒子群の分散が十分でなく強度が低下し
たものとなっている。
【0057】比較例10,11,13,15 比較例10,比較例11,比較例13および比較例15
では、焼成温度が低いため焼結が不十分となり、強度お
よび熱伝導率がともに良くないものとなっている。
【0058】比較例12,14,16 比較例12,比較例14および比較例16では、焼成温
度が高すぎるため、大型のポア(空孔)が焼結体中に導
入されると共に必要以上に粗大な粒子へと成長すること
により、熱伝導率および強度の低下が見られる。なお、
焼結体の作製は、比較例13および比較例14は、焼成
温度を除いて実施例25に、比較例15および比較例1
6は焼成温度を除いて実施例29に、それぞれ準じた手
順で行った。
【0059】比較例17 比較例17は、ホットプレス時の加圧圧力が小さいた
め、緻密化の進行が遅く、強度および熱伝導率がともに
低下したものとなっている。
【0060】比較例18 比較例18は、加圧雰囲気の圧力が小さいため、原料の
熱分解が起こったことから、強度および熱伝導率が低い
ものとなっている。なお、比較例18は、実施例25に
準じた手順で行っている。
【0061】比較例のまとめ 表に示す結果より明らかなように、比較例1〜18のセ
ラミック焼結体では、強度が500MPa以上でかつ熱
伝導率が80W/(m・K)以上であるという両方の条
件を同時に満足することはできないものであった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】
【発明の効果】本発明に係わる窒化ケイ素・窒化アルミ
ニウム質セラミック焼結体は、請求項1に記載している
ように、窒化アルミニウムと窒化ケイ素の複合構造を持
つセラミック焼結体であって、窒化ケイ素多結晶から構
成される窒化ケイ素粒子群の領域と、窒化アルミニウム
から構成される窒化アルミニウム粒子群の領域を有する
複合構造を持ち、2次元断面より求めた等価円直径で表
わされる平均径が10μm以上200μm以下の窒化ケ
イ素粒子群が窒化アルミニウム粒子群のマトリックス中
に分散した微構造を有する構成としたものであるから、
熱伝導性の良い窒化アルミニウム中に強化相として窒化
ケイ素が粒子群の形で分散したものとなっているので、
窒化アルミニウムの持つ高熱伝導性を犠牲にすることな
く、強度の向上を実現することが可能であり、熱伝導度
と強度の両方共に優れているセラミック焼結体を提供す
ることが可能であるという著大なる効果がもたらされ
る。
【0075】そして、請求項2に記載しているように、
焼結体の切断面において、窒化ケイ素粒子群の面積が全
断面積の20面積%以上60面積%以下であるものとす
ることによって、窒化アルミニウムの持つ良好な熱伝導
性と、窒化ケイ素の持つ良好な機械的特性を活かした高
品質のセラミック焼結体とすることが可能である。
【0076】本発明に係わるセラミック焼結体の製造方
法は、請求項3に記載しているように、窒化ケイ素粉末
に焼結助剤を添加・混合した後、平均粒径15μm以上
300μm以下の顆粒状にした窒化ケイ素原料造粒体
と、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加・混合した
窒化アルミニウム原料粉末、もしくはこの窒化アルミニ
ウム原料粉末を平均粒径200μm以下の顆粒状にした
窒化アルミニウム原料造粒体を混合し、請求項1または
2のいずれかの組織が発現するまで焼成する構成とした
ものであるから、熱伝導度と強度の両方共に優れている
請求項1または2に記載のセラミック焼結体を製造する
ことが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0077】そして、請求項4に記載しているように、
窒化ケイ素に添加する焼結助剤が、周期律表第IIIa
族元素の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウ
ム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニ
ウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物ま
たは窒化物であるものとすることによって、窒化ケイ素
の焼結がより一層良好に行われることとなり、請求項5
に記載しているように、窒化アルミニウムに添加する焼
結助剤が、酸化イットリウムまたは酸化カルシウムであ
るものとすることによって、窒化アルミニウムの焼結が
より一層良好に行われることとなる。
【0078】さらに請求項6に記載しているように、焼
成温度が1700℃以上2000℃以下であるようにす
ることによって、必要以上に粗大な粒子に成長して強度
の低下をもたらすことなく焼結を十分良好に進行させる
ことが可能であり、請求項7に記載しているように、焼
成方法がホットプレスであり、1気圧以上100気圧以
下の窒素雰囲気中で5MPa以上50MPa以下の加圧
力で一軸加圧することによって、単純形状品のセラミッ
ク焼結体の製造を低コストで行うことが可能であり、請
求項8に記載しているように、焼成方法がガス圧焼成で
あり、1気圧以上500気圧以下の窒素ガス下で焼成す
ることによって、複雑形状品のセラミック焼結体や大量
生産品のセラミック焼結体を生産性良く製造することが
可能であり、請求項9に記載しているように、焼成方法
が熱間静水圧プレスであり、100気圧以上2000気
圧以下のガス圧下で焼成することによって、複雑形状品
にも対応することができ、特性がさらに良好なセラミッ
ク焼結体を製造することが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる窒化ケイ素・窒化アルミニウム
質セラミック焼結体の組織を示す模式図である。
【符号の説明】
1 窒化ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック焼結体 2 窒化アルミニウム粒子群 3 窒化ケイ素粒子群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/581 C04B 35/58 102 R 102 U 104 J 104 S 104 U

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムと窒化ケイ素の複合構
    造を持つセラミック焼結体において、窒化ケイ素多結晶
    から構成される窒化ケイ素粒子群の領域と、窒化アルミ
    ニウムから構成される窒化アルミニウム粒子群の領域を
    有する複合構造を持ち、2次元断面より求めた等価円直
    径で表わされる平均径が10μm以上200μm以下の
    窒化ケイ素粒子群が窒化アルミニウム粒子群のマトリッ
    クス中に分散した微構造を有することを特徴とする窒化
    ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック焼結体。
  2. 【請求項2】 焼結体の切断面において、窒化ケイ素粒
    子群の面積が全断面積の20面積%以上60面積%以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素・
    窒化アルミニウム質セラミック焼結体。
  3. 【請求項3】 窒化ケイ素粉末に焼結助剤を添加・混合
    した後、平均粒径15μm以上300μm以下の顆粒状
    にした窒化ケイ素原料造粒体と、窒化アルミニウム粉末
    に焼結助剤を添加・混合した窒化アルミニウム原料粉
    末、もしくはこの窒化アルミニウム原料粉末を平均粒径
    200μm以下の顆粒状にした窒化アルミニウム原料造
    粒体を混合し、請求項1または2のいずれかの組織が発
    現するまで焼成することを特徴とする窒化ケイ素・窒化
    アルミニウム質セラミック焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素に添加する焼結助剤が、周期
    律表第IIIa族元素の酸化物,酸化アルミニウム,酸
    化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,
    窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以
    上の酸化物または窒化物であることを特徴とする請求項
    3に記載の窒化ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック
    焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 窒化アルミニウムに添加する焼結助剤
    が、酸化イットリウムまたは酸化カルシウムであること
    を特徴とする請求項3または4に記載の窒化ケイ素・窒
    化アルミニウム質セラミック焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成温度が1700℃以上2000℃以
    下であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか
    に記載の窒化ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック焼
    結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 焼成方法がホットプレスであり、1気圧
    以上100気圧以下の窒素雰囲気中で5MPa以上50
    MPa以下の加圧力で一軸加圧することを特徴とする請
    求項3ないし6のいずれかに記載の窒化ケイ素・窒化ア
    ルミニウム質セラミック焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 焼成方法がガス圧焼成であり、1気圧以
    上500気圧以下の窒素ガス下で焼成することを特徴と
    する請求項3ないし6のいずれかに記載の窒化ケイ素・
    窒化アルミニウム質セラミック焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 焼成方法が熱間静水圧プレスであり、1
    00気圧以上2000気圧以下のガス圧下で焼成するこ
    とを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の窒
    化ケイ素・窒化アルミニウム質セラミック焼結体の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116874304A (zh) * 2023-06-29 2023-10-13 淄博职业学院 高散热性陶瓷材料及其制备方法和应用
US11807528B2 (en) 2018-12-20 2023-11-07 Nichia Corporation Silicon-containing aluminum nitride particles, method for producing same, and light emitting device

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CN116874304A (zh) * 2023-06-29 2023-10-13 淄博职业学院 高散热性陶瓷材料及其制备方法和应用
CN116874304B (zh) * 2023-06-29 2024-04-12 淄博职业学院 高散热性陶瓷材料及其制备方法和应用

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