JP5085959B2 - セラミックス部材 - Google Patents

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本発明は、腐食性ガスあるいはそれらのプラズマに対して、高い耐食性を有するセラミックス部材に関するもので、少なくとも腐食性ガスに曝される部位がイットリア部材からなり、金属部材が埋設された静電チャック、ヒータ、サセプタ、シャワープレート等の半導体製造装置用部材に関するものである。
近年の半導体製造工程においては、ドライプロセスやプラズマコーティングなど、腐食性ガスのプラズマの利用が一般的なものになっている。例えば、パターンの焼き付けのために行われるドライエッチングでは、塩素系や弗素系ガス等のハロゲン系ガスがその反応性の高さから利用されており、半導体製造装置を構成する部材には、このような活性の高いガスあるいはそれらのプラズマに対する耐食性が要求される。
これらの部材としては、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスが一般的に用いられているが耐食性が十分ではないため、より耐食性に優れたイットリアやYAGを用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、半導体製造装置を構成する部材のなかでも、ウエハを載置固定する部材である静電チャック、ヒータ、サセプタ等は、ウエハに直接接する部材であるため、高い耐食性が要求される。このような部材についても、イットリアを用いたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−159572号公報 特開2004−2101号公報 特開2006−128603号公報
このような部材には特許文献1に記載された発明のように、イットリアやYAGの緻密質焼結体をバルク体として使用することが望ましいが、原料が非常に高価なためバルク体として使用する場合は、部材の製造コストが莫大であった。また、イットリアやYAGは、アルミナや窒化アルミニウム等の一般的なセラミックスに比べて機械的強度や破壊靱性値が低いという問題があった。
また、特許文献2に記載された発明では、比較的安価なアルミニウムやステンレス鋼などの金属、アルミナや窒化アルミニウムなどセラミックス部材にフレーム溶射やプラズマ溶射等でイットリアの溶射膜を形成するため、安価に製造可能である。しかしながら、このような溶射を用いる方法では緻密な膜を形成することが困難であるため、溶射膜の気孔を通じて基材が腐食されるおそれがある。特に金属部材を埋設した静電チャック等のセラミックス部材においては、電極が腐食したり、気孔に起因する放電が起きたりするため好ましくない。また、溶射膜表面は、凹凸があるため、エッジ部にプラズマが集中し、腐食され易く、溶射膜自体がパーティクル源となるおそれがある。
特許文献3に記載された発明は、アルミナ焼結体と、アルミナ焼結体上に形成され、腐食性ガスに曝されるイットリア焼結体とを備える基体と、基体に埋設された金属部材とを備えるものである。この発明では、ホットプレス法によりアルミナ焼結体とイットリア焼結体とを一体化したものを静電チャック等の部材としている。しかしながら、本発明者らの知見によれば、破壊靱性が低いイットリア焼結体をホットプレス法で作製することは、極めて困難である。まして材質の異なる二層を焼結により一体化する方法では、たとえ中間層を形成し、熱膨張差を小さくしたとしても、粉末が焼結する際の焼成収縮率がそれぞれ異なるため、材質の異なる境界部が一体化し難く境界部での剥離が発生し易い。したがって、境界部の剥離やプレスでの割れにより歩留まりは著しく低下する。また、剥離や割れに至らなくともイットリアとアルミナとの焼成収縮率が異なるため、収縮率の大きな層が収縮率の小さな層に拘束されて焼結が不十分になる場合がある。そうなると機械的強度が低下するだけでなく、耐食性が著しく劣化する。したがって、イットリアとアルミナを接合し、静電チャックやヒータとして歩留まり良く製造するには、依然多くの課題があった。
また、セラミックス同士を接合する方法としては、ホウ珪酸ガラスによる接合が一般的であるが、ホウ珪酸ガラスを用いた場合には接合強度が低く、セラミックス部材に求められるような十分な強度を得ることができないという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、安価に製造でき、機械的強度、耐食性に優れた静電チャック、ヒータおよびサセプタ等の半導体又は液晶製造装置用のセラミックス部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イットリア部材と基材となるアルミナ部材とを両部材より溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合し、少なくともプラズマに曝される部位がイットリア部材からなり、金属部材が埋設されたセラミックス部材を用いることにより、安価に製造でき、機械的強度、耐食性に優れた静電チャック、ヒータ、サセプタおよびシャワープレートを得ることが可能となった。
すなわち、本発明のセラミックス部材は、イットリア部材とアルミナ部材との接合面同士が、前記両部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合されてなるセラミックス接合体と、前記セラミックス接合体に埋設された金属部材とを備えるセラミックス部材であって、少なくとも腐食性ガスに曝される部位がイットリア部材からなり、前記金属部材は一方側でイットリア部材の接合面に直接的に接合され、かつ、他方側で前記接合層に対して直接的に接合され、前記セラミックス接合材からなる接合層が、主結晶相であるゲーレナイトを95重量%以上含む複合酸化物により構成されていることを特徴とする。イットリアおよびアルミナよりも溶融温度の低いセラミックス接合材を用いることにより、イットリア部材とアルミナ部材とを強固に接合でき、電極等として機能する金属部材を埋設しても、剥離や割れなく一体化することができる。
また接合層をゲーレナイトを主体とすることで、十分な接合強度を持たせることができる。
本発明のセラミックス部材において、金属部材は、イットリア部材の接合面にイオンプレーティング法により成膜された金、白金、ロジウム、イリジウム又はパラジウムから選択された1つの金属からなることが好ましい。なかでも、成膜の容易性から白金が好ましい。このような構成とすることにより、接合時にも金属部材が剥離することなく精度良く埋設されたセラミックス部材を得ることができる。
前記金属部材は、静電電極、抵抗発熱体、又は、RF電極の少なくとも1つとして機能する。したがって、本発明のセラミックス部材は、金属部材を静電電極として用いた静電チャック、抵抗発熱体として用いたヒータ、又はRF電極として用いたサセプタもしくはシャワープレートとして使用することができる。
本発明によれば、耐食材であるイットリア部材と安価なアルミナ部材とを強固に接合することにより、セラミックスとしての十分な強度を有しつつ、半導体プロセスにおける腐食性ガスやそのプラズマに曝される環境下において極めて耐食性に優れた静電チャック、ヒータ、サセプタ等を製造コストを大幅に高騰させることなく提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係るセラミックス部材の静電チャックへの適用例を示した模式的な断面図である。図1において、本発明のセラミックス部材10は、イットリア部材2と基材となるアルミナ部材1との接合面同士が、前記両部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層4を介して接合されてなり、金属部材3が埋設された構成となっている。
本発明の特徴は、耐食性を必要される部位に予め緻密に焼結した焼結体からなるイットリア部材を用いていることを特徴とする。したがって、多孔質な溶射膜よりも耐食性が高く、また、接合時に原料粉末の成形体を一体焼結させる場合よりも、緻密質であるため、耐食性が低下することがない。
イットリア部材としては、十分な耐食性を得るために気孔率0.5%以下とするのが好ましい。イットリア部材は、セラミックス焼結体の公知の製法を用いて作製できる。例えばCIP成形、鋳込み成形等の公知の成形方法により成形体を作製し、続いて脱脂、焼成を行い、適宜加工を加えて作製する。また、イットリア部材の形状は図のような板状に限定されるものではなく、容器状、筒状等種々の形状を用いることができるが、上述のように、イットリア部材は、機械的強度および破壊靱性が比較的劣るため、セラミック部材への形状付与は基材となるアルミナ部材を用いて行うことが望ましい。
次に、基材となるアルミナ部材は、特に限定されず、アルミナ純度が99.9%以上の高純度アルミナや、98%程度の低純度アルミナ等、種々のアルミナ質焼結体材料を用いることができる。また、アルミナ焼結体の形状は図のような板状に限定されるものではなく、箱状、円筒状、ハニカム、多孔体等種々の形状を用いることができる。腐食性ガスやそのプラズマに曝されるイットリア部材が十分な耐食性を有しているので、基材であるアルミナ部材については、部材に必要な強度、重量等に応じ、種々の材質、形状を用いて対応が可能である。ただし、接合時の熱処理温度において焼成収縮が生じないように緻密であることが望ましい。アルミナ部材もイットリア部材同様、公知の焼結体の製法を用いて作製できる。
次に、イットリア部材およびアルミナ部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層はゲーレナイトを主結晶相とするAl、SiおよびCaの複合酸化物により構成される。より具体的には、セラミックス接合材からなる接合層には、主結晶相であるゲーレナイトが95%以上含まれる。ゲーレナイトを主結晶相とする接合層は、原料組成が酸化アルミニウム10〜30重量部、酸化ケイ素20〜40重量部、酸化カルシウム35〜50重量部からなるからなる接合材を融点以上に加熱することにより得られる。尚、酸化アルミニウムが30重量部以上でも、ゲーレナイトを構成できるが、接合材の融点が1590℃となるため、接合のための熱処理が、基材であるアルミナの焼結温度(1600℃)と同等となるため、適用できない。後述するように、アルミナ部材とイットリア部材とを強固に接合できる接合材は、上記接合材以外には見出されていない。この理由は明らかではないが、熱膨張のマッチング以外にも接合材溶融時のアルミナ部材およびイットリア部材との濡れ性、冷却時の凝固収縮挙動など、様々な要因が考えられる。
ここで、本発明で、セラミックス接合材からなる接合層が、主結晶相であるゲーレナイトを95重量%以上含む複合酸化物である理由は、ゲーレナイト以外の複合酸化物結晶相が生成されると接合層の強度が低下するためである。特にアノーサイトが混在すると、著しく強度低下が起きるため好ましくない。アノーサイトからなる針状結晶が破壊源となって接合体の機械的強度が劣り好ましくないからである。
なお、セラミックス接合材からなる接合層のゲーレナイト以外の残部は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、これらの複合酸化物の結晶相(ゲーレナイトを除く)、または非晶質相が含まれる。Al、SiおよびCa以外の不純物としては、NaやK等のアルカリ金属やMgが含まれるが、これらの含有量は、できるだけ少ない方が良い。アルカリ金属等の不純物が多く含まれると、非晶質のガラス相を生じ、強度低下や密着不良を招くためである。特にアルカリ金属は、セラミックス接合材の性質を著しく変えるため好ましくない。接合層の強度低下や密着不良があると、ウエハを載置固定する面の平面加工を精度良く行うことができないため、ウエハのエッチングや成膜処理が不均一なものとなってしまう。したがって、接合法により作製した静電チャック、ヒーターまたはサセプタとして使用する場合、接合層の強度は極めて重要である。
金属部材は、イットリア部材の接合面に直接接合されることが望ましい。アルミナ部材の接合面に接合すると、ウエハが載置されるイットリア部材と金属部材との間に接合層を介することになる。このような構成では、接合層の体積抵抗率や厚みが静電チャック等の性能に影響を及ぼす不確定な要素であるため好ましくない。これは、接合層の組成や厚みを均一にすることは難しく、これらが不均一になると静電チャックでは、吸着力にばらつきが生じ、ヒータでは均熱がとれず、サセプタやシャワープレートでは均一なプラズマが発生しなくなるおそれがあるためである。一方、金属部材がイットリア部材の接合面に直接接合されていれば、イットリア部材の組成や厚みを均一化することは、比較的容易であるため、静電チャック等の性能を低下させることはない。
また、金属部材は、金属箔やメッシュのろう付け、金属ペーストの焼付けの他、溶射、CVD、真空蒸着、イオンプレーティング等、種々の方法により形成することができるが、なかでもイオンプレーティング法により形成されることが望ましい。イオンプレーティング法は、高真空化でイオン化した金属を高速で飛ばして衝突させ、その衝撃により金属をコーティングする方法である。イオン衝撃による成膜のため、強靭な被膜の形成が可能であり、比較的低温で密着性の高い膜を形成できる。これにより、イットリア部材の寸法精度を損なうことなく、良質で密着性の高い金属部材を得ることができる。
金属部材の厚みは、1〜5μmとすることが好ましい。この範囲であればセラミックスの接合時に、熱膨張差の影響を小さくできるので、金属が剥離したり、平面度に狂いが生じたりすることはない。また、この範囲であれば、接合層の厚みが金属部材の厚みよりも大きく形成できるので接合層に隙間が生じることなく接合することができる。
接合のための熱処理前における接合材の形態としては、特に限定はしないが、バインダーと可塑剤を添加したペースト状であることが好ましく、ペーストの粘度としては50〜300Pa・secに調整することが好ましい。接合材の平均粒子径は、5.0μm以下とすることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを超えて大きいと接合材の焼結性が悪くなり、接合材中に内部欠陥が生成するおそれが有り、気密性が低下してしまう。
バインダーとしてはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニールブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ワックスエマルジョン等を用いるのが好ましく、可塑剤としてはフタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、アジピン酸ジオクチル等を用いることが好ましい。また、バインダーおよび可塑剤の添加量は、接合材中のセラミックス粉末固形分を20〜60重量%の比率となるように調整することが好ましい。接合材として用いるセラミックス粉末の量がペースト全体に対して20重量%未満であると、接合層中に空隙が生成され接合強度が低下する。また、粉体の量がペースト全体に対して60重量%を超えると、ペーストの粘度が高くなり過ぎて接合面に均質にペーストを塗布することができず、接合強度の低下を引き起こす。
次に、上記のように作製された接合材を、目的に応じた形状に加工されたイットリア部材またはアルミナ部材の接合面上に均一の厚さになるように塗布する。このときイットリア部材に金属部材が形成されているので、金属部材に接合材が塗布されても良い。接合材の塗布は一方の部材の接合面のみでも良いし、両方の接合面でも良い。接合材の塗布方法としては、例えば、接合材をペースト状として、スクリーン版により印刷する等、接合面に均一の厚さに塗布できる方法であれば、特に限定はしない。接合材の塗布厚さは、接合材の固形分、熱処理条件、収縮率により決定され、最終的に熱処理後の接合層の厚みが、0.01〜0.20mmとなるように、適宜調整を行う。これは、接合層の厚みが0.01mm未満の場合は、接合強度が著しく低下してしまうため加工時や装置への組み込み時の負荷により接合部が外れる恐れがあり、逆に接合層厚みtが0.20mmを越える場合は、接合層自体に熱膨張差によるクラックが生じやすくなるため好ましくない。
次に、接合面同士を貼り合わせたセラミックス部材の上面に、荷重を付加し、接合材の溶融温度以上、セラミックス部材の融点以下の温度範囲で熱処理することにより、接合界面で溶融拡散もしくは焼結させることで実施する。
このとき、熱処理温度は、1300℃〜1500℃の範囲、より好ましくは、1350〜1450℃にて行う。熱処理温度が、低すぎると、接合材の溶融が不十分となり、接合材が緻密化せず、また。セラミックス部材と十分な濡れ性を有しないため、接合強度が低下する。また、熱処理温度が高すぎると、接合材が過剰に溶融し、流れ出してしまい、接合強度も不十分となったり、アルミナ部材やイットリア部材の変形が生じたりする。熱処理時の荷重は、部材の重量や形状に応じて、0〜50g/cmで調整する。部材の重量や形状によっては、部材の自重による荷重でも十分に密着するが、例えば、イットリア部材が薄板の場合等は、荷重を加える必要がある。ただし、50g/cmを超えると部材が荷重により塑性変形し、接合不良が発生するため好ましくない。
(接合材試験)
次に本発明のセラミックス部材に用いられる接合材について試験例を示して具体的に説明する。形状100mm×100mm×20mmの焼結体からなるアルミナ部材とイットリア部材を作製し、各部材の接合面を、平面研削加工により、平面度を10μm、表面粗さを0.3μmとした。
接合材として、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウムを用い、それぞれ表1(試験例1〜14)に示した重量部でボールミル混合後、乾燥粉砕した複合粉末を100g作製した。この複合粉末に対して、バインダーとしてポリビニルアルコール30重量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを20%投入し、遊星ミル混合機により撹拌、混合することで、接合材をペースト状とした。同様に、セラミックス接合に一般的に用いられるガラス粉末である、ほう珪酸ガラス3種類ガラスA、ガラスB、ガラスC(酸化ケイ素、酸化ホウ素を主成分とし、酸化アルミニウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム等の含有量が異なるもの、軟化点約800℃)についてペースト状に作製した(試験例15〜17)。
次に、接合材をアルミナ部材の接合面に、#100のスクリーン版を用いて、0.5mm塗布し、各接合面を合わせ、3.0kgの荷重(30g/cm)を付加し、電気炉にて、大気中、試験例1〜14については、1350℃、3時間、試験例15〜17については、1000℃、3時間の熱処理を行い、セラミックス接合体を作製した。
また、スプレードライによりアルミナ粉末、およびアルミナ粉末とイットリア粉末の1:1混合粉末の造粒粉末を作製し、続いて、金型プレス成形により、アルミナ粉末の成形体、その上に混合粉末の成形体を形成した。最後に500℃で脱脂、1700℃で焼成を行い、未焼結の成形体同士を一体焼成により接合したものを作製した(試験例18)。さらには、溶射技術を用いて、アルミナ部材にイットリアを溶射した形状100mm×100mm×20mmのプレートも作製した(試験例19)。
得られた接合部材については、接合部を挟んで3 m m × 4 m m × 4 0 m m の試験片を切り出し、これをJISR1601(1995)の4点曲げ強度法に準拠して曲げ強度を測定し、これを接合強度とした。
また、接合層の複合酸化物の結晶相をX線解析により同定した。結晶相の定量は、ゲーレナイトとアノーサイトの濃度既知のセラミックス試料を作製し、X線回折の強度比より検量線を作成して行った。
また、エッチングレート測定は、イットリア部材の厚みが1mmとなるように接合部材の接合部から直径30mm×厚み3mmの試料を切り出し、イットリア部材の表面にラップ加工を施して鏡面にしたものを測定試料とし、エッチング装置を用いてCl2ガス雰囲気下でプラズマ中に3時間曝してエッチングした後、エッチング後の重量の減少量から1分間当たりのエッチングレートを算出した。なお、試験例18についてはイットリアを含む部分の面について、試験例19についてはイットリア溶射面について、それぞれ同様のラップ加工を施した試料を作製した。エッチングレートの数値は、99.9重量%のアルミナ焼結体のエッチングレートを1としたときの相対比較で評価した。
上記試験例の接合強度およびエッチングレートの結果を表1にまとめて示した。ここで、表中「×」は、接合材の剥離を示している。また、結晶相欄のGはゲーレナイトを、Aはアノーサイトを略記して示し、GまたはAの後に付記した数字は、GまたはAの重量%を示す(例えば、試験例1の主結晶相欄のG98とは、ゲーレナイトが接合層中に98重量%含まれることを示している。その他の結晶相欄の略記についても同様である)。
Figure 0005085959
評価の結果、試験例1〜8に示した本発明のセラミックス部材を構成する接合材を用いたセラミックス接合体では、イットリアの曲げ強度とほぼ同等の接合強度を有しており、試験例9〜14に示した本発明のセラミックス部材に適用しない接合材を用いたセラミックス接合体では、接合部が剥離もしくは接合強度が非常に低くなった。また、それ以外の接合方法で作製したセラミックス接合体(試験例15〜18)においても、接合強度が非常に低くなった。また、本発明のセラミックス部材を構成する接合材を用いたセラミックス接合体では、緻密質なイットリアの焼結体をアルミナ部材と接合しているため、塩素系腐食性ガスに対して、優れた耐食性を有していた。一方、成形体一体焼成の試験例18、および、イットリア溶射の試験例19はいずれも本発明のセラミックス部材を構成する接合材を用いたセラミックス接合体と比べて耐食性が低かった。これは、それぞれ、イットリアを含む部分の焼結が不十分であったこと、イットリア溶射膜が緻密でなかったことが原因と思われる。
このように、本発明のセラミックス部材を構成する接合材を用いれば、イットリアのバルク材と同等の強度を有するセラミックス部材を得ることができる。しかも接合層に気泡や隙間が生じないため、金属部材を埋設し静電電極、発熱抵抗体又はRF電極として機能させてセラミックス部材を静電チャック、ヒーター、サセプタまたはシャワープレートとして使用しても、放電や均熱不良の不具合が生じ難い。
(実施例)
次に、実施例として静電チャックへの適用例を示して、より詳細に説明する。
図1に例示した静電チャックを作製した。イットリア焼結体およびアルミナ焼結体を作製し、それらを加工して、凹型のイットリア部材(直径200mm、全体厚さ10mm、凹部:直径190mm、深さ5mm)、凸型のアルミナ部材(直径250mm、全体厚さ15mm、凸部:直径189mm、高さ5mm)とした。それぞれの接合面は平面度を10μm、表面粗さを0.3μmとした。基材となるアルミナ部材には電極である金属部材へ給電端子を接続するための孔を予め形成した。焼結体の作製は、セラミックス粉末にバインダーを加えて顆粒とした後、金型を用いた一軸加圧およびCIPにより成形し、それを大気中にて焼成した。次にイットリア部材の接合面にイオンプレーティング法により白金を成膜し、金属部材とした。金属部材の形状は、半月状の双極型とし、厚みは4μmとした。
次に、接合材を基材であるアルミナ部材の接合面に、#100のスクリーン版を用いて、0.5mm塗布し、各接合面を合わせ、8.5kgの荷重(30g/cm)を付加し、電気炉にて、大気中、1350℃、3時間の熱処理を行い接合体を得た。接合材には上記試験例3の配合を用いた。その後、接合体のイットリア部材を平面加工し、吸着面とした。金属部材と吸着面との距離、すなわち誘電体層の厚みは1mmとし、吸着面の平面度は0.5μmとした。アルミナ部材の給電端子接続用の孔より給電端子を挿入し、金属部材とろう付けして静電チャックを得た。
得られた静電チャックにウエハを載せ、給電端子より電圧(±1000V)を印加したところ、十分な吸着力が得られた。
(比較例)
実施例と同形状の静電チャックを、上記試験例14の配合を用いて作製した。上記実施例と同条件で吸着面を加工したが、平面度は2.0μmであった。これは接合強度が不十分であったためと思われる。得られた静電チャックに電圧を印加したところ電極間で放電したため、ウエハを吸着できなかった。接合層の切断面を観察したところ、吸着面の加工の際にできたと思われる微小な亀裂が見られた。この亀裂を介して放電が起こったものと考えられる。
本発明に係るセラミックス部材の静電チャックへの適用例を示した模式的な断面図である。
符号の説明
1:アルミナ部材
10:セラミックス部材
2:イットリア部材
3:金属部材
4:接合層

Claims (3)

  1. イットリア部材とアルミナ部材との接合面同士が、前記両部材よりも溶融温度の低いセラミックス接合材からなる接合層を介して接合されてなるセラミックス接合体と、前記セラミックス接合体に埋設された金属部材とを備えるセラミックス部材であって、
    少なくとも腐食性ガスに曝される部位がイットリア部材からなり、前記金属部材は一方側でイットリア部材の接合面に直接的に接合され、かつ、他方側で前記接合層に対して直接的に接合され、
    前記セラミックス接合材からなる接合層が、主結晶相であるゲーレナイトを95重量%以上含む複合酸化物により構成されていることを特徴とするセラミックス部材。
  2. 請求項記載のセラミックス部材において、
    前記金属部材はイットリア部材の接合面にイオンプレーティング法により成膜された金、白金、ロジウム、イリジウム又はパラジウムから選択された1つの金属からなることを特徴とするセラミックス部材
  3. 請求項1又は2記載のセラミックス部材において、
    前記金属部材は、静電電極、抵抗発熱体又はRF電極の少なくとも1つであることを特徴とするセラミックス部材。
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