JP7400179B2 - 半導体製造装置用セラミックス構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
アルミナ焼結体、窒化アルミニウム焼結体、または炭化珪素焼結体からなる板状の第1基材と、イットリア焼結体またはイットリウムおよびアルミニウムを含む複合酸化物焼結体からなり、前記第1基材より厚みが小さい板状の第2基材と、を準備する工程と、
前記第1基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った前記第1基材の平滑な第1の接合面上および前記第2基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った平滑な前記第2基材の第2の接合面上にそれぞれWまたはTaからなる下地層を形成する工程と、
前記第1基材に形成された前記下地層の上および前記第2基材に形成された前記下地層の上にそれぞれAuからなる金属膜を形成する工程と、
前記第1基材に形成された前記金属膜と前記第2基材に形成された前記金属膜とを重ね合わせた状態で1MPa以上25MPa以下の圧力で加圧することにより、前記金属膜を介して前記第1基材と前記第2基材と接合する工程と、を備え、
前記第1基材に形成された前記下地層の上に形成される前記金属膜の厚みは前記第1の接合面の算術平均粗さRaの2倍よりも大きく、前記第2基材に形成された前記下地層の上に形成される前記金属膜の厚みは前記第2の接合面の算術平均粗さRaの2倍よりも大きく、
前記第1基材に形成された前記金属膜と前記第2基材に形成された前記金属膜とを重ね合わせた状態において、前記厚み方向から見た時に前記第1の接合面と前記第2の接合面とが重なる領域を通る線分の最大長さが200mm以上であり、
前記金属膜を形成する工程において、前記第1の接合面および前記第2の接合面の20mm四方の領域の平面度よりも大きい厚みで前記金属膜を形成する。
アルミナ焼結体、窒化アルミニウム焼結体、または炭化珪素焼結体からなる板状の第1基材と、イットリア焼結体またはイットリウムおよびアルミニウムを含む複合酸化物焼結体からなり、前記第1基材より厚みが小さい板状の第2基材と、が接合されてなる半導体製造装置用セラミックス構造体であって、
前記第1基材と前記第2基材とは、
前記第1基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った前記第1基材の平滑な第1の接合面上および前記第2基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った平滑な前記第2基材の第2の接合面上にそれぞれ形成された、WまたはTaからなる下地層と、前記第1の接合面上に形成された下地層と、前記第2の接合面上に形成された下地層との間に形成された、Auからなる金属接合層と、を介して接合され、
前記第1基材と前記第2基材の少なくとも一方には、溝および貫通孔が形成され、前記貫通孔から排気して-95kPaまで減圧した1分後の圧力変化が5kPa未満である。
図1に示されている本発明の第1実施形態としてのセラミックス構造体10は、略平板状の第1基材11と、第1基材11より厚みが小さい略平板状の第2基材12と、第1基材11および第2基材12の間に介在し、金属膜21、22同士の原子拡散接合により形成されてなり、第1基材11および第2基材12を接合する金属接合層20と、金属接合層20と第1基材11との間および金属接合層20と第2基材12との間に介在する下地層31、32を備えている。セラミックス構造体10は、チャンバの天井部材など、半導体製造装置の構成部材として用いられる。
略平板状の第1基材11および第2基材12のそれぞれが作製される。第1基材11および第2基材12のそれぞれの厚み方向に垂直な平面方向に沿った接合面である一方の主面の表面粗さRaが1~100nmになるように、かつ、平面度が20mm四方の領域において0.01~0.1μmになるように当該接合面に表面加工が施される。
複数の第2基材121、122、123が第1基材11に対して金属接合層20を介して接合されてもよい。例えば、図3に示されているように、Y2O3焼結体、またはイットリウムおよびアルミニウムを含む複合酸化物焼結体からなる3つの第2基材121、122および123が作製される。第2基材121、122および123のそれぞれの縁の一部には相欠きが形成されている(図3参照)。第2基材121、122および123のそれぞれに形成された下地層321、322、323の上に金属膜221、222および223のそれぞれが形成され、平面方向に隣り合う第2基材121、122、123が相欠き継ぎによって組み合わせられるように、第1基材11に対して重ね合わせられ、当該重ね合わせ方向に対して圧力がかけられる(図3参照)。
図4に示されている本発明の第2実施形態としてのセラミックス構造体10は、第2基材12の一方の主面に複数の凸部120が形成され、当該複数の凸部120の端面が一の平面となるように第2基材12の接合面を構成している。このため、第1基材11および第2基材12の間には、当該複数の凸部120の間隙に相当する空間が存在する。それ以外は、第1実施形態のセラミックス構造体と同様の構成であるため、当該同様の構成に関しては同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
略平板状の第1基材11および第2基材12のそれぞれが作製される。第2基材12の一方の主面に複数の凸部120が形成される。第1基材11の接合面である一方の主面および第2基材12の接合面である複数の凸部120の端面の表面粗さRaが1~100nmになるように、かつ、平面度が20mm四方の領域において0.01~0.1μmになるように当該接合面に表面加工が施される。なお、表面粗さRaは非接触型の表面性状測定器(TAYLOR HOBSON社製 Talysurf CCI HDM112-4161-01)を用いて測定され、平面度はレーザ干渉計(ZYGO社製 Mark GPI XPS)や3次元測定器を用いて測定される。
前記実施形態のセラミックス構造体10によれば、金属接合層20によって、当該接合層20を構成する金属の原子拡散接合により第1基材11および第2基材12が強固に接合されている。これにより、第1セラミックス焼結体からなる第1基材11により全体的な強度が確保されるため、第2セラミックス焼結体からなる第2基材12の薄型化または小型化を図りながら、セラミックス構造体10の全体としての大型化および耐プラズマ性の向上が図られる。
一辺20mm、厚み6mmの略正方形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図6Aおよび図6Bに示されているように、幅1mm、深さ0.25mmの格子状の溝110が接合面となる一方の主面111に形成され、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ2mmの貫通孔114が形成されている。このとき、第1基材11の当該一方の主面111の外縁から最外周の溝110までの距離は2.5mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが10nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
φ180mm、厚み10mmの略円形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図7Aおよび図7Bに示されているように、幅10mm、深さ1mmの溝110を接合面となる一方の主面111に形成し、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ4mmの貫通孔114が形成されている。第1基材11の主面111に形成された溝110は円形溝部と円形溝部の内周側において当該円形溝部と接続された十字溝とからなり、第1基材11の主面111の外縁から円形溝部までの距離は10mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが15nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
φ450mm、厚み25mmの略円形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図7Aおよび図7Bに示されているように、幅10mm、深さ1mmの溝110を接合面となる一方の主面111に形成し、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ4mmの貫通孔114が形成されている。第1基材11の主面111に形成された溝110は円形溝部と円形溝部の内周側において当該円形溝部と接続された十字溝とからなり、第1基材11の主面111の外縁から円形溝部までの距離は10mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが15nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
1辺の長さ400mm、厚み25mmの略正方形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。第1基材11の接合面の表面粗さRaが15nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。
一辺20mm、厚み6mmの略正方形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図6Aおよび図6Bに示されているように、幅1mm、深さ0.25mmの格子状の溝110が接合面となる一方の主面111に形成され、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ2mmの貫通孔114が形成されている。第1基材11の主面111の外縁から最外周の溝までの距離は2.5mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが10nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
一辺20mm、厚み6mmの略正方形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図6Aおよび図6Bに示されているように、幅1mm、深さ0.25mmの格子状の溝110が接合面となる一方の主面111に形成され、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ2mmの貫通孔114が形成されている。このとき、第1基材11の主面111の外縁から最外周の溝までの距離は2.5mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが10nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
φ250mm、厚み10mmの略円形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図7Aおよび図7Bに示されているように、幅10mm、深さ1mmの溝110を接合面となる一方の主面111に形成し、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ4mmの貫通孔114が形成されている。第1基材11の主面111に形成された溝110は円形溝部と円形溝部の内周側において当該円形溝部と接続された十字溝とからなり、第1基材11の主面111の外縁から円形溝部までの距離は10mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが15nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
φ450mm、厚み25mmの略円形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11には、図7Aおよび図7Bに示されているように、幅10mm、深さ1mmの溝110を接合面となる一方の主面111に形成し、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ4mmの貫通孔114が形成されている。第1基材11の主面111に形成された溝110は円形溝部と円形溝部の内周側において当該円形溝部と接続された十字溝とからなり、第1基材11の主面111の外縁から円形溝部までの距離は10mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが15nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.06μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
一辺20mm、厚み6mmの略正方形板状のAl2O3焼結体からなる第1基材11が作製された。ここで作製した第1基材11は
第1基材11には、図6Aおよび図6Bに示されているように、幅1mm、深さ0.25mmの格子状の溝110が接合面となる一方の主面111に形成され、当該溝110と連通するように第1基材11を厚み方向に貫通するφ2mmの貫通孔114が形成されている。このとき、第1基材11の主面111の外縁から最外周の溝までの距離は2.5mmに設定された。第1基材11の接合面である主面111の表面粗さRaが59nmになり、かつ、20mm四方の領域において平面度が0.22μmになるように、当該接合面に表面加工が施された。なお、ここでの平面度は第1基材11に形成された溝110を除く領域での測定値である。
Claims (4)
- アルミナ焼結体、窒化アルミニウム焼結体、または炭化珪素焼結体からなる板状の第1基材と、イットリア焼結体またはイットリウムおよびアルミニウムを含む複合酸化物焼結体からなり、前記第1基材より厚みが小さい板状の第2基材と、を準備する工程と、
前記第1基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った前記第1基材の平滑な第1の接合面上および前記第2基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った平滑な前記第2基材の第2の接合面上にそれぞれWまたはTaからなる下地層を形成する工程と、
前記第1基材に形成された前記下地層の上および前記第2基材に形成された前記下地層の上にそれぞれAuからなる金属膜を形成する工程と、
前記第1基材に形成された前記金属膜と前記第2基材に形成された前記金属膜とを重ね合わせた状態で1MPa以上25MPa以下の圧力で加圧することにより、前記金属膜を介して前記第1基材と前記第2基材と接合する工程と、を備え、
前記第1基材に形成された前記下地層の上に形成される前記金属膜の厚みは前記第1の接合面の算術平均粗さRaの2倍よりも大きく、前記第2基材に形成された前記下地層の上に形成される前記金属膜の厚みは前記第2の接合面の算術平均粗さRaの2倍よりも大きく、
前記第1基材に形成された前記金属膜と前記第2基材に形成された前記金属膜とを重ね合わせた状態において、前記厚み方向から見た時に前記第1の接合面と前記第2の接合面とが重なる領域を通る線分の最大長さが200mm以上であり、
前記金属膜を形成する工程において、前記第1の接合面および前記第2の接合面の20mm四方の領域の平面度よりも大きい厚みで前記金属膜を形成する
ことを特徴とする半導体製造装置用セラミックス構造体の製造方法。 - 前記準備する工程で準備される前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、前記第1の接合面および前記第2の接合面の少なくとも一方となる端面を有する複数の凸部が主面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置用セラミックス構造体の製造方法。
- 前記準備する工程では、前記第2基材を複数準備し、
前記接合する工程において、前記平面方向に隣接して配置された複数の前記第2基材と前記第1基材とを前記金属膜を介して接合することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体製造装置用セラミックス構造体の製造方法。 - アルミナ焼結体、窒化アルミニウム焼結体、または炭化珪素焼結体からなる板状の第1基材と、イットリア焼結体またはイットリウムおよびアルミニウムを含む複合酸化物焼結体からなり、前記第1基材より厚みが小さい板状の第2基材と、が接合されてなる半導体製造装置用セラミックス構造体であって、
前記第1基材と前記第2基材とは、
前記第1基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った前記第1基材の平滑な第1の接合面上および前記第2基材の厚み方向に垂直な平面方向に沿った平滑な前記第2基材の第2の接合面上にそれぞれ形成された、WまたはTaからなる下地層と、前記第1の接合面上に形成された下地層と、前記第2の接合面上に形成された下地層との間に形成された、Auからなる金属接合層と、を介して接合され、
前記第1基材と前記第2基材の少なくとも一方には、溝および貫通孔が形成され、前記貫通孔から排気して-95kPaまで減圧した1分後の圧力変化が5kPa未満である半導体製造装置用セラミックス構造体。
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