JPH10158829A - スパッタリングターゲット組立体の製造方法 - Google Patents
スパッタリングターゲット組立体の製造方法Info
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- JPH10158829A JPH10158829A JP8324263A JP32426396A JPH10158829A JP H10158829 A JPH10158829 A JP H10158829A JP 8324263 A JP8324263 A JP 8324263A JP 32426396 A JP32426396 A JP 32426396A JP H10158829 A JPH10158829 A JP H10158829A
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Abstract
と、バッキングプレートとが接合されてなるスパッタリ
ングターゲット組立体として、高温下でも高い密着力と
高い接合強度が得られ、しかも十分な引っ張り強度を備
えたスパッタリングターゲット組立体を製造することが
可能な方法を提供する。 【解決手段】 スパッタリングに使用されるターゲット
材2と、バッキングプレート3とが接合されてなるスパ
ッタリングターゲット組立体1を製造する際に、ターゲ
ット材2及びバッキングプレート3の接合面を算術平均
粗さRaが0.01〜1.0μmとなるように平坦化し
た上で、ターゲット材2とバッキングプレート3とを固
相拡散接合により接合する。
Description
使用されるターゲット材と、バッキングプレートとが接
合されてなるスパッタリングターゲット組立体の製造方
法に関する。
リングにより各種半導体デバイスの電極、配線、素子、
保護膜等を基板上に形成するためのスパッタリング源と
なるものである。なお、半導体デバイスの分野では、ス
パッタリングターゲットには、Al、Al合金、高融点
金属(Ti,TiW,W,Mo等)、高融点シリサイド
(MoSix,CoSix,WSix等)が主に使用され
ており、スパッタリングターゲットは、通常、これらの
材料が円盤状に形成されてなる。
際は、スパッタリングターゲットの表面に、加速された
粒子を衝突させる。このとき、運動量の交換により、ス
パッタリングターゲットを構成する原子が空間に放出さ
れる。そこで、スパッタリングターゲットに対向する位
置に基板を配しておくことにより、スパッタリングター
ゲットから放出された粒子が基板上に堆積し、基板上に
薄膜が形成されることとなる。
通常、支持及び冷却を目的としてバッキングプレートと
呼ばれる裏当材とボンディングした組立体の状態で使用
される。すなわち、スパッタリングターゲットは、スパ
ッタリング時のスパッタリング源となるターゲット材
と、バッキングプレートとが接合されたスパッタリング
ターゲット組立体の状態で使用される。ここで、バッキ
ングプレートには、通常、OFC(無酸素銅)、Cu合
金、Al、Al合金、SUS(ステンレス鋼)、Ti又
はTi合金等のように、熱伝導性の良い金属又は合金が
使用される。
ッタリング装置にスパッタリングターゲット組立体を取
り付け、バッキングプレートを冷却する。これにより、
スパッタリングの最中にターゲット材に生じる熱がバッ
キングプレートによって奪い取られ、ターゲット材の温
度上昇が防がれることとなる。
ゲット材とバッキングプレートとのボンディングには、
In又はSn合金等のような低融点ロウ材を用いたロウ
付け法が主として採用されてきた。しかしながら、この
ような低融点ロウ材を用いたロウ付け法には、次のよう
な欠点があった。
Sn合金系では160〜300℃と低いために、スパッ
タリング時の温度が融点近くになると、接合剪断強度が
急激に低下してしまう。
00kg/cm2程度、Sn合金系でも200〜400
kg/cm2程度と低く、しかも低融点ロウ材であるた
め、使用温度の上昇に伴って接合剪断強度が更に低下し
てしまう。
のロウ材の凝固収縮によってターゲット材とバッキング
プレートとの接合面に気泡(ポア)が残存してしまいや
すく、未接着部分がない100%接合率のボンディング
は困難である。
とバッキングプレートとを強固に接合することが難しい
ため、スパッタリング時の投入パワーが低く制限されて
しまう。すなわち、ロウ付け法を採用したときには、例
えば、規定以上のスパッタリングパワーを付加したと
き、或いは冷却水の管理が不十分なときに、ターゲット
材の温度上昇に伴ってターゲット材とバッキングプレー
トとの接合強度が低下してしまう。更に、ロウ材の融点
以上にまで温度が上昇してしまうと、ロウ材が溶融して
しまい、ターゲット材がバッキングプレートから剥離し
てしまう。なお、このような問題を解消するために、低
融点ロウ材に代えて、高融点のロウ材を用いることも考
えられるが、高融点ロウ材では、ロウ付け時に高温とす
る必要があるために、ターゲット材の品質に悪影響を与
えるという問題があり実用的ではない。
ング時の投入パワーが低く制限されてしまうが、近年、
スパッタリング成膜時のスループットを改善するため
に、スパッタリング時の投入パワーをより大きくする傾
向があり、そのために、ターゲット材とバッキングプレ
ートとの接合強度を高温下でも所定水準以上に維持しう
るスパッタリングターゲット組立体が要望されている。
平4−143269号公報に、ターゲット材とバッキン
グプレートとを直接、或いはターゲット材よりも高融点
のスペーサを介して、これらを接合する方法が開示され
ている。ここで、ターゲット材とバッキングプレートと
を接合して一体化する方法については、主に爆発接合法
について説明されており、その他の方法としてホットプ
レス法、HIP法、ホットロール法が挙げてある。
きな衝撃又は負荷の下でターゲット材とバッキングプレ
ートとを強圧着するものであり、ターゲット材の変形と
それに伴う内部歪みや組織変化並びに表層部の汚染が激
しく、結晶粒径や結晶方位を調整したターゲット材には
適用できない。
結晶粒径が100μm以下のTiからなるターゲット材
と、Tiからなるバッキングプレートとを固相拡散接合
により接合する方法が開示されている。具体的には、タ
ーゲット材とバッキングプレートとを、真空下にて、歪
み速度を1×10-3/sec以下、加圧力を0.1〜2
0kg/mm2、温度を350〜650℃とした条件下
で固相拡散接合させる方法が開示されている。特開平6
−158296号公報では、このような方法により、未
接着部分がない100%接合率のボンディングが可能で
あり、高い密着力と高い接合強度が得られるとしてい
る。
行っても、実際には十分な接合強度を得ることは困難で
あり、特に、十分な引っ張り強度を得ることは非常に難
しい。
案されたものであり、ターゲット材とバッキングプレー
トとが接合されてなるスパッタリングターゲット組立体
として、高温下でも高い密着力と高い接合強度が得ら
れ、しかも十分な引っ張り強度を備えたスパッタリング
ターゲット組立体を製造することが可能な方法を提供す
ることを目的としている。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ターゲット材及
びバッキングプレートの接合面を十分に平坦化した上
で、これらを固相拡散接合することにより、高い密着力
と高い接合強度が得られ、しかも十分な引っ張り強度が
得られることを見いだした。
が粗いと、それらの接合面に隙間が生じてしまい、その
結果、固相拡散接合を行っても、引っ張り強度のばらつ
きや、引っ張り強度の低下などの問題が生じてしまう。
そこで、本発明では、ターゲット材及びバッキングプレ
ートの接合面を十分に平坦化した上で、これらを固相拡
散接合するようにする。
ーゲット組立体の製造方法は、スパッタリングに使用さ
れるターゲット材と、バッキングプレートとが接合され
てなるスパッタリングターゲット組立体を製造する際
に、ターゲット材及びバッキングプレートの接合面を算
術平均粗さRaが0.01〜1.0μmとなるように平
坦化した上で、ターゲット材とバッキングプレートとを
固相拡散接合により接合することを特徴とする。
力は、140〜200kg/cm2が好適であり、固相
拡散接合を行う際の温度は、450〜600℃が好適で
ある。また、上記ターゲット材としては、Ti又はTi
合金等が使用可能であり、上記バッキングプレートとし
ては、Al又はAl合金等が使用可能である。なお、タ
ーゲット材をTi又はTi合金とするとき、その結晶粒
径は100μm以下とすることが好ましい。
ターゲット組立体の製造方法では、ターゲット材及びバ
ッキングプレートの接合面を十分に平坦化した上で、タ
ーゲット材とバッキングプレートとを固相拡散接合によ
り接合するようにしているので、接合面に隙間が生じる
ようなことがなく、ターゲット材とバッキングプレート
とを確実に接合することができる。
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能
であることは言うまでもない。
グターゲット組立体の一例を図1に示す。このスパッタ
リングターゲット組立体1は、ターゲット材2と、バッ
キングプレート3とが固相拡散接合界面4を介して強固
に接合されてなる。
グによる成膜時にスパッタリング源となるものであり、
成膜に使用される材料からなる。そして、本発明におい
て使用可能なターゲット材2は、バッキングプレート3
と固相拡散接合が可能な材料からなるものである。具体
的には、Ti、Ti合金、Al、Al合金等が使用可能
である。ここで、ターゲット材2に使用するTi合金と
しては、例えば、Tiに10重量%以下のAl、Sn、
V又はW等を添加したような合金が使用可能である。な
お、ターゲット材2として、Ti又はTi合金を使用す
るときは、結晶粒径が100μm以下のものを使用する
ことが好ましい。このように、結晶粒径を小さくしてお
くことにより、スパッタリング時のパーティクルの発生
量を低減することができる。
リング時にターゲット材2を冷却するためのものであ
り、熱伝導性の良い材料からなる。そして、本発明にお
いて使用可能なバッキングプレート3は、ターゲット材
2と固相拡散接合が可能な材料からなるものである。具
体的には、Al、Al合金、OFC(無酸素銅)、Cu
合金、Ti、Ti合金、SUS(ステンレス鋼)等が使
用可能である。
ゲット組立体1の製造方法について、図2に示す工程図
を参照して説明する。
する際は、先ず、所定の形状に加工されたターゲット材
2を作製するとともに、所定の形状に加工されたバッキ
ングプレート3を作製する。
先ず、ターゲット材2の材料からなるビレット11に対
して、所定の熱処理12と鍛造処理13とを施し、その
後、圧延処理14を施して所定の形状に圧延する。ター
ゲット材2の結晶粒径や結晶方位等は、これらの熱処理
12、鍛造処理13及び圧延処理14によって決定され
る。その後、必要に応じて更に熱処理15を施した上
で、機械加工16を施して所定の形状とする。
おいて、ターゲット材2の表面のうち、少なくともバッ
キングプレート3との接合面となる面に対して鏡面処理
を施し、算術平均粗さRaが0.01〜1.0μmとな
るように平坦化する。そして、鏡面処理の後、ターゲッ
ト材2に対して、イソプロピルアルコール(IPA)、
アセトン又はエタノール等の有機溶剤を用いて脱脂及び
洗浄処理を施す。以上の工程により、ターゲット材2が
完成する。
は、バッキングプレート3の材料からなるビレット17
に対して、機械加工18を施して所定の形状とする。な
お、バッキングプレート3に関しては、結晶粒径や結晶
方位等は問題とならないので、ターゲット材2の作製に
おいて行ったような熱処理、鍛造処理及び圧延処理等は
不要である。そして、本発明では、この機械加工18に
おいて、バッキングプレート3の表面のうち、少なくと
もターゲット材2との接合面となる面に対して鏡面処理
を施し、算術平均粗さRaが0.01〜1.0μmとな
るように平坦化する。そして、鏡面処理の後、バッキン
グプレート3に対して、イソプロピルアルコール(IP
A)、アセトン又はエタノール等の有機溶剤を用いて脱
脂及び洗浄処理を施す。以上の工程により、バッキング
プレート3が完成する。
ト3に対する鏡面処理は、機械的な研磨で行うようにし
ても良いし、また、機械的な研磨と、化学的なエッチン
グとを組み合わせたメカノケミカル研磨によって行うよ
うにしてもよい。ここで、メカノケミカル研磨とは、例
えば、pH9.0〜12.0程度の弱アルカリ性溶液
に、コロイダルシリカ、SiO2系超微粒子、ダイヤモ
ンド又はZrO2等の微粒子からなる砥粒を10〜40
重量%程度分散させた研磨液を用いて、研磨液中の砥粒
による機械的研磨と、アルカリ性溶液による化学的なエ
ッチングとを組み合わせて被研磨材を研磨する方法であ
る。このようなメカノケミカル研磨では、研磨液の溶液
のpHを変化させることによって化学的研磨の速度を制
御することが可能であり、また、研磨液中の砥粒の種類
や濃度を変化させることによって機械的研磨の速度を制
御することが可能である。
材2とバッキングプレート3とを、鏡面処理が施された
面同士が接するように重ね合わせて接合処理19を施
す。ここで、接合処理19は、固相拡散接合により行
う。固相拡散接合では、ターゲット材2とバッキングプ
レート3との接合面において、ターゲット材2の構成原
子と、バッキングプレート3の構成原子とが相互に拡散
し、これにより、ターゲット材2とバッキングプレート
3とが接合される。このような固相拡散接合では、高い
密着性と高い接合強度とを得ることができる。
下の真空雰囲気下で行う。これは、固相拡散接合時にお
ける酸化物の形成を防止するためである。なお、固相拡
散接合は、より低圧の雰囲気中で行うことが好ましい
が、あまりに低圧とすることは現実的には難しい。した
がって、固相拡散接合は、0.01〜1.0Torr程
度の真空雰囲気下で行うのが実用的である。
は、90〜200kg/cm2とすることが好ましく、
より好ましくは140〜160kg/cm2とする。
力の下限を90kg/cm2としたのは、90kg/c
m2未満の加圧力では、接合界面における拡散が生じに
くく、良好な固相拡散接合を行うことができないからで
ある。また、加圧力を140kg/cm2以上としたほ
うがより好ましいのは、このように十分に大きな圧力を
加えたほうが、より強固な接合を図ることが可能となる
からである。
の上限を200kg/cm2としたのは、200kg/
cm2を越えるような圧力では、ターゲット材2やバッ
キングプレート3に損傷や変形等を招く恐れがあるから
である。また、加圧力を160kg/cm2以下とした
ほうがより好ましいのは、上述のような損傷や変形等の
可能性を確実に回避できるからである。
50〜600℃とすることが好ましく、より好ましくは
460〜500℃程度とする。
限を450℃としたのは、450℃未満の温度では原子
の拡散が不十分であり、良好な固相拡散接合を行うこと
ができないからである。また、460℃以上としたほう
がより好ましいのは、このように十分に高い温度として
おけば、接合界面において原子が確実に拡散するので、
より良好な固相拡散接合を行うことができ、より強固な
接合を図ることが可能となるからである。
を600℃としたのは、600℃を越えるような温度で
は、ターゲット材2に結晶粒の成長が起こる恐れがある
からである。しかも、600℃を越えるような高温で
は、バッキングプレート3が熱変形したり溶解するよう
な可能性もある。また、500℃以下としたほうがより
好ましいのは、上述のような、ターゲット材2の結晶粒
成長や、バッキングプレート3の熱変形や溶解等の問題
を、より確実に回避できるからである。
の最適値は、固相拡散接合時の温度や、ターゲット材2
及びバッキングプレート3の材質等に依存し、同様に、
固相拡散接合を行う際の温度の最適値も、固相拡散接合
時の加圧力や、ターゲット材2及びバッキングプレート
3の材質等に依存する。したがって、固相拡散接合を行
う際に加える圧力や、固相拡散接合を行う際の温度等の
最適値は、ターゲット材2及びバッキングプレート3の
材質等の条件を考慮して、上述したような範囲にて適宜
設定することが好ましい。
温度が比較的に低いために、ターゲット材2の結晶粒径
や結晶方位等に変化が生じるようなことがない。しか
も、固相拡散接合では、接合時に加える圧力が比較的に
低いために、ターゲット材2に不均質な歪みや組織変化
等が生じるようなことがない。更に、固相拡散接合で
は、接合面に気泡(ポア)等が発生するようなことがな
く、高い密着性と高い接合強度とが得られる。このよう
に、固相拡散接合では、ターゲット材2に殆ど影響を与
えることなく、ターゲット材2とバッキングプレート3
とを強固に接合することができる。
行う前に、ターゲット材2及びバッキングプレート3の
接合面を算術平均粗さRaが0.01〜1.0μmとな
るように平坦化している。したがって、ターゲット材2
とバッキングプレート3との間に隙間が生じるようなこ
となく、接合面の全面にわたって確実にターゲット材2
とバッキングプレート3とが接合される。すなわち、本
発明では、ターゲット材2及びバッキングプレート3の
接合面を精度良く平坦化しているので、ターゲット材2
とバッキングプレート3の接合面の全面にわたって固相
拡散接合が良好に行われ、ターゲット材2とバッキング
プレート3とが、それらの接合面の全面にわたって非常
に強固に接合される。
ト3との接合強度を向上するという観点からは、それら
の接合面の算術平均粗さRaは0.01μm未満であっ
ても良い。しかしながら、算術平均粗さRaを0.01
μm未満とするには、鏡面処理工程に多大な手間や時間
がかかるため、接合面の算術平均粗さRaは0.01μ
m以上とするのが実用上好ましい。
キングプレート3とを、固相拡散接合により接合するこ
とにより、スパッタリングターゲット組立体1が完成す
る。そして、このように作製されたスパッタリングター
ゲット組立体1は、通常は、機械加工20が施されて所
定の寸法とされた上で、超音波探傷装置によって接合状
態に検査21が施された上で出荷される。
グプレート3とを固相拡散接合により接合してスパッタ
リングターゲット組立体1を作製し、それらの接合強度
を調べた結果について説明する。
ト材2には、純度99.998%以上の高純度チタンか
らなり、直径が300mmのものを使用し、バッキング
プレート3には、工業用アルミ(A6061P)からな
るものを使用した。
精密万能試験機を用いて、図3に示すように、ターゲッ
ト材2とバッキングプレート3とが接合されたスパッタ
リングターゲット組立体1を切り出した試験片5に対し
て、それらを引き剥がす方向に力Fを加えたときの引っ
張り強度を測定した。ここで、試験片5には、作製した
スパッタリングターゲット組立体1を、長さt1が10
1.6mm、幅t2が25.4mm、高さt3が16.
0mmとなるように切り出したものを用いた。また、引
き剥がす方向に加える力Fは、試験片5の端部に加える
ようにし、力Fを加える領域は、長さt4が25.4m
mで、幅が試験片の幅t2と同じ25.4mmの領域と
した。また、測定時の温度は後述する実験4以外では2
5℃とし、測定時のクロスヘッド速度は0.5mm/m
inとした。なお、引っ張り強度測定時の最大引っ張り
荷重は1000kgfとしたが、600kgf程度以上
の力Fを加えると試験片5に塑性変形が生じてしまうの
で、約600kgfが測定限界値であった。
キングプレート3に加える圧力を40〜200kg/c
m2の範囲で変化させて、複数のスパッタリングターゲ
ット組立体1を作製し、それらのスパッタリングターゲ
ット組立体1について、上述のように引っ張り強度を測
定した。なお、本実験では、ターゲット材2及びバッキ
ングプレート3の接合面の算術平均粗さRaを3.0μ
mとした上で、ターゲット材2とバッキングプレート3
とを積層させて密着させた状態で、1Torrの真空下
にて、接合温度を480℃、保持時間を0.5時間とし
て、これらを固相拡散接合した。
っ張り強度との関係を調べた結果を図4に示す。この図
4に示すように、固相拡散接合時に加える圧力を高くす
るに従って引っ張り強度は上昇し、およそ140kg/
cm2のときに測定限界近くに達し、その後は、固相拡
散接合時に加える圧力を高くしても引っ張り強度はほぼ
一定であった。このことから、固相拡散接合時にターゲ
ット材2及びバッキングプレート3に加える圧力は、1
40kg/cm2以上とすることが好ましいことが分か
る。
びバッキングプレート3の接合面の算術平均粗さRaを
0.01μm、0.3μm、1.0μm又は3.0μm
として4つのスパッタリングターゲット組立体1を作製
し、それらのスパッタリングターゲット組立体1につい
て、上述のように引っ張り強度を測定した。なお、固相
拡散接合は、1Torrの真空下にて、接合温度を48
0℃、保持時間を0.5時間、加圧力を162kg/c
m2として行った。
引っ張り強度との関係を調べた結果を図5に示す。な
お、図5及び後述する図7乃至図10において、図中の
上向き矢印は、引っ張り強度測定時にバッキングプレー
ト3に塑性変形が生じて、引っ張り強度が測定限界に達
したことを示している。
が0.01〜1.0μmのときに、引っ張り強度は測定
限界値に達した。このことから、固相拡散接合前におけ
るターゲット材2及びバッキングプレート3の接合面の
算術平均粗さRaを0.01〜1.0μmとすることに
より、固相拡散接合が良好に行われ、ターゲット材2及
びバッキングプレート3とが強固に接合されることが分
かる。
びバッキングプレート3の接合面の算術平均粗さRaを
0.3μm、1.0μm又は3.0μmとして3つのス
パッタリングターゲット組立体1を作製し、それらのス
パッタリングターゲット組立体1の引っ張り強度につい
て、その径方向依存性を調べた。すなわち、図6に示す
ように、作製された直径300mmのスパッタリングタ
ーゲット組立体1の中心近傍から切り出した試験片5a
と、半径65mmの位置から切り出した試験片5bと、
半径130mmの位置から切り出した試験片5cとにつ
いて、それらの引っ張り強度を調べた。なお、固相拡散
接合は、1Torrの真空下にて、接合温度を480
℃、保持時間を0.5時間、加圧力を148kg/cm
2として行った。
したときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた結果
を図7に示し、接合面の算術平均粗さRaを1.0μm
としたときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた結
果を図8に示し、接合面の算術平均粗さRaを0.3μ
mとしたときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた
結果を図9に示す。なお、図9には、従来の方法である
ロウ付け法によって、ターゲット材2とバッキングプレ
ート4とを接合したときの、引っ張り強度の径方向依存
性を調べた結果も載せた。
Raを3.0μmとしたときには、スパッタリングター
ゲット組立体1の中心から外周に向かって、引っ張り強
度が低下する。一方、図8及び図9に示すように、接合
面の算術平均粗さRaを1.0μm又は0.3μmとし
たときには、スパッタリングターゲット組立体1の全面
にわたって、引っ張り強度は測定限界値以上に達してい
る。このことから、固相拡散接合前におけるターゲット
材2及びバッキングプレート3の接合面の算術平均粗さ
Raを1.0μm以下とすることにより、固相拡散接合
が接合面の全面にわたって良好に行われ、ターゲット材
2とバッキングプレート3とが強固に接合されることが
分かる。
ってターゲット材2とバッキングプレート3を接合した
ときには、引っ張り強度が150kgf程度の水準にと
どまったのに対して、接合面の算術平均粗さRaを0.
3μmとして固相拡散接合を行ったときには、スパッタ
リングターゲット組立体1の全面にわたって、引っ張り
強度が測定限界値以上に達した。このことからも、本発
明を適用して固相拡散接合によってターゲット材2とバ
ッキングプレート3とを接合することにより、ロウ付け
法よりも遥かに高い接合強度が得られることは明らかで
ある。
体1の引っ張り強度の温度依存性を調べた。すなわち、
本実験では、作製されたスパッタリングターゲット組立
体1について、25℃、150℃、300℃の各温度時
における引っ張り強度を測定した。
ーゲット組立体1は、ターゲット材2及びバッキングプ
レート3の接合面の算術平均粗さRaを0.3μmとし
た上で、これらを1Torrの真空下にて、接合温度を
480℃、保持時間を0.5時間、加圧力を162kg
/cm2として固相拡散接合することにより作製したも
のである。
張り強度と、温度との関係を調べた結果を図10に示
す。なお、図10には、従来の方法であるロウ付け法に
よって、ターゲット材2とバッキングプレート3を接合
したときの、引っ張り強度の温度依存性を調べた結果も
載せた。
製されたスパッタリングターゲット組立体1では、温度
によらずに強固な接合状態が得られている。特に、本発
明を適用して作製されたスパッタリングターゲット組立
体1では、300℃の高温においても、引っ張り強度は
測定限界値となっている。
れたスパッタリングターゲット組立体では、温度上昇に
伴い引っ張り強度が減少してしまい、150℃において
は引っ張り強度が10kgfの水準にまで低下してしま
う。更に、300℃にまで温度が上がると、ロウ材が溶
融してしまい、引っ張り強度は0kgfとなってしまっ
た。このことからも、本発明を適用して固相拡散接合に
よって接合されたスパッタリングターゲット組立体1
は、高温下においても強固な接合が保持され、ロウ付け
法によって接合されたスパッタリングターゲット組立体
よりも遥かに優れていることが分かる。
では、ターゲット材とバッキングプレートとの接合に固
相拡散接合を採用しているので、接合面に気泡(ポア)
等が生じるようなことがなく、未接着部分がない100
%接合率を実現することができる。しかも、本発明を適
用して作製されたスパッタリングターゲット組立体は、
固相拡散接合によってターゲット材とバッキングプレー
トとが接合されているので、低融点ロウ材を用いたロウ
付け法に比べて、使用温度の上昇に伴う接合強度の急激
な低下がない。
キングプレートの接合面を十分に平坦化した上で、ター
ゲット材とバッキングプレートとを固相拡散接合により
接合しているので、高温下でも高い密着力と高い接合強
度が得られ、しかも十分な引っ張り強度を備えたスパッ
タリングターゲット組立体を製造することができる。
ト材とバッキングプレートとの接合が高温下において強
固に保持されるスパッタリングターゲット組立体を提供
することができ、その結果として、例えば、スパッタリ
ング時の投入パワーを更に大きくすることが可能とな
る。
ているので、比較的に低温にてターゲット材とバッキン
グプレートとを接合できる。したがって、ターゲット材
の結晶粒が成長してしまうようなことがないという利点
もある。また、本発明では、固相拡散接合を採用してい
るので、ターゲット材やバッキングプレートに大きな圧
力を加える必要がない。したがって、ターゲット材とバ
ッキングプレートとの接合時にターゲット材に対して損
傷を与えるような恐れがないという利点もある。
ーゲット組立体の一例を示す斜視図である。
立体の製造方法の一例についての工程図である。
る。
関係を調べた結果を示す図である。
の関係を調べた結果を示す図である。
切り出す様子を示す模式図である。
ときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた結果を示
す図である。
ときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた結果を示
す図である。
ときの、引っ張り強度の径方向依存性を調べた結果を示
す図である。
強度と、温度との関係を調べた結果を示す図である。
ト材、 3 バッキングプレート、 4 固相拡散接合
界面、 5 試験片
Claims (6)
- 【請求項1】 スパッタリングに使用されるターゲット
材と、バッキングプレートとが接合されてなるスパッタ
リングターゲット組立体を製造する際に、 ターゲット材及びバッキングプレートの接合面を算術平
均粗さRaが0.01〜1.0μmとなるように平坦化
した上で、ターゲット材とバッキングプレートとを固相
拡散接合により接合することを特徴とするスパッタリン
グターゲット組立体の製造方法。 - 【請求項2】 上記固相拡散接合を行う際に加える圧力
が、140〜200kg/cm2であることを特徴とす
る請求項1記載のスパッタリングターゲット組立体の製
造方法。 - 【請求項3】 上記固相拡散接合を行う際の温度が、4
50〜600℃であることを特徴とする請求項1記載の
スパッタリングターゲット組立体の製造方法。 - 【請求項4】 上記ターゲット材が、Ti又はTi合金
からなることを特徴とする請求項1記載のスパッタリン
グターゲット組立体の製造方法。 - 【請求項5】 上記ターゲット材の結晶粒径が100μ
m以下であることを特徴とする請求項4記載のスパッタ
リングターゲット組立体の製造方法。 - 【請求項6】 上記バッキングプレートが、Al又はA
l合金からなることを特徴とする請求項1記載のスパッ
タリングターゲット組立体の製造方法。
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