JP2005234338A - 位置測定用ミラー - Google Patents

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昌子 片岡
Mamoru Ishii
守 石井
Tomoyuki Sugaya
智幸 菅谷
Motohiro Umetsu
基宏 梅津
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Abstract


【課題】 熱膨張係数の小さい材料からなり、軽量で高い剛性を有する位置測定用ミラーを提供する。
【解決手段】 位置測定用ミラー10は、照射光を反射するための表面粗さがRaで10nm以下の反射面を備えた低熱膨張セラミックスからなる板部材11aと、板部材11aの反射面に形成された反射膜と、低熱膨張セラミックスからなるハニカム構造体12と、板部材11aとハニカム構造体12とを接合する、板部材11aおよびハニカム構造体12を構成する低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスからなる接合部13aとを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物を保持するステージに装着され、所定の照射光を反射させてこのステージの位置を測定するための反射光を得る位置測定用ミラーに関し、例えば、露光ステージ等の精密位置合わせに用いられる位置測定用ミラーに関する。
半導体デバイスの製造工程で行われている露光処理において、シリコンウエハが保持された露光ステージ等の位置合わせには、この露光ステージに取り付けられた位置測定用ミラーにレーザ光を照射し、その反射光を得ることによって行われている。そのため、その測定精度は位置測定用ミラーの特性に負うところが大きい。このような位置測定用ミラーの材料として、従来から、金属よりも熱膨張係数が小さいアルミナや窒化珪素等が用いられている。
しかし、近年、半導体デバイスの回路構造の精細化、高集積化が飛躍的に進んでいるために、アルミナや窒化珪素では、その熱膨張係数に依存して、所要の測定精度を得ることができなくなってきている。そこで、コーディエライトを主体とする低熱膨張セラミックスを用いた位置測定用ミラーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような低熱膨張セラミックスでは、ガラスよりも高い剛性を確保しながら、熱膨張係数を安定して1×10−6/℃以下とすることができるために、従来よりも優れたミラー特性を得ることができるとされている。
しかしながら、近時、シリコンウエハやマスクの大型化が進み、これに伴って露光ステージや位置測定用ミラーを大型化する必要があるために、露光装置の構成上、その重量増加が新たな問題となってきている。例えば、位置測定用ミラーは長尺状であってその長さが500〜1200mmあるために、移動している露光ステージを停止させたときに、この位置測定用ミラーの重量に起因する慣性力によって、位置決め精度が低下する問題がある。
特開平11−209171号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱膨張係数の小さい材料からなり、軽量で高い剛性を有する位置測定用ミラーを提供することを目的とする。
本発明者らは、位置測定用ミラーの軽量化について鋭意検討を行った。位置測定用ミラーの軽量化の方法としては、反射面を備えた板部材をその裏側からリブと厚みの薄い外周壁とにより支えたリブ構造とする方法が考えられる。しかし、このようなリブ構造の場合、リブ間隔が大きく、反射面を備えた板部材の厚みが薄いと、反射面の平面度の経時変化が大きくなる問題がある。このため、リブ間隔が大きい場合には板部材の厚みを厚くすることが必要となり、結果的に軽量化の効果をほとんど得ることができない。これに対して、板部材の厚みを薄くするためには、リブ間隔およびリブ幅を小さくする必要があるが、従来の機械加工によるリブ形成方法では、軽量化に限界がある。
そこで本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、低熱膨張セラミックスからなるハニカム構造体と反射面を備えた低熱膨張セラミックスからなる板部材とを、この低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスで接合することにより、軽量で剛性の高い位置測定用ミラーを生産性よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、被処理物を保持するステージに装着され、所定の照射光を反射させて前記ステージの位置を測定するための反射光を得る位置測定用ミラーであって、
前記照射光を反射するための表面粗さがRaで10nm以下の反射面を備えた低熱膨張セラミックスからなる板部材と、
前記板部材の反射面に設けられた反射膜と、
低熱膨張セラミックスからなり、その開口面で前記板部材と接合されるハニカム構造体と、
前記板部材と前記ハニカム構造体とを接合する、前記板部材および前記ハニカム構造体を構成する低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスからなる接合部と、
を有することを特徴とする位置測定用ミラー、が提供される。
この位置測定用ミラーでは、使用環境下における形状精度を維持するために、板部材とハニカム構造体の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数は、−1×10−6〜1×10−6/℃の範囲にあることが好ましい。板部材およびハニカム構造体を構成する低熱膨張セラミックスと接合部を形成する低熱膨張セラミックスとしてそれぞれ好適な材料としては、リチウムアルミノシリケート、リン酸ジルコニウムカリウム、コーディエライトから選ばれる1種以上の第1の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭化ホウ素から選ばれる1種以上の第2の材料とを複合してなる複合材料が挙げられる。また、位置測定用ミラーにおける熱膨張歪みの発生を抑制するために、板部材およびハニカム構造体の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数と、接合部の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数との差は、±0.1×10−6/℃の範囲内であることが好ましい。ハニカム構造体としては、四角柱状の空隙部を有するものが好適に用いられる。
本発明によれば、低熱膨張性であり、しかも軽量で剛性の高い位置測定用ミラーを得ることができる。これにより、被処理物の位置決め精度を高めることができ、ひいては被処理物の品質を向上させることができ、また、被処理物を用いた製品の生産歩留を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る位置測定用ミラー10(以下「ミラー10」と記す)の概略斜視図である。ミラー10は、板部材11aと、ハニカム構造体12と、板部材11aとハニカム構造体12とを接合する接合部13aと、を有している。
板部材11aは低熱膨張セラミックスからなり、その表面(接合部13aがある面と反対側の面)は、所定の照射光を反射させる反射面となっている。この反射面の表面粗さは、照射光を高い反射率で反射させるために、Raで10nm以下となっている。板部材11aの反射面には所定の反射膜(図示せず)、例えば、金属膜と誘電体膜を交互に積層された膜が設けられている。
ハニカム構造体12にも低熱膨張セラミックスが用いられる。ハニカム構造体12は、周知の通り、外周壁19の内側で隔壁18により仕切られた多数の柱状の空隙部17を有している。ハニカム構造体12が板部材11aを支持する方向は、空隙部17の長手方向と一致しており、ハニカム構造体12の開口面は接合部13aを介して板部材11aと接合されている。なお、「ハニカム構造体12の開口面」とは、空隙部17の長手方向に垂直な面である。
ここで、ミラー10におけるハニカム構造体12の配置形態は、ミラー10の共振周波数に大きな影響を与える。ミラー10は使用時に高速で移動し、また停止位置の精度が高いことが要求されるために、ミラー10の共振周波数は高いことが好ましい。そこで、空隙部17の形状としては、六角柱、四角柱、三角柱等があるが、ミラー10の共振周波数を高める観点から、空隙部17を四角柱状とし、かつ、空隙部17の長手方向に直交する一辺を板部材11aの長さ方向と一致させることが好ましい(図1参照)。
前述したように、位置測定用ミラーは、例えば500mm〜1200mmの長尺状であり、また後述するように、ハニカム構造体12は好ましくは押出成形法により製造され、押出成形時の押出方向はハニカム構造体12の空隙部17の長手方向と一致する。このため、位置測定用ミラーに用いるハニカム構造体を1個でまかなおうとすると、押出成形に用いる口金が大型化してコストが嵩み、また均一に成形することも技術的に困難となる。そこで、ミラー10では、複数のハニカム構造体12を板部材11aに取り付けている。
これら複数のハニカム構造体12は全てが同一の外寸を有する必要はない。ミラー10では、図1に示すように、一辺の長さが板部材11aの幅方向と同じハニカム構造体12が、板部材11aの長手方向に所定の隙間を空けて1列に配置されているが、この場合において、ハニカム構造体12の板部材11aの長手方向に平行な一辺の長さはハニカム構造体12ごとに異なっていてもよい。但し、複数のハニカム構造体12において、開口パターン(隔壁18の厚さと空隙部17の形状および大きさ)は、同であることが好ましい。なお、板部材11aの長手方向に複数のハニカム構造体12を並べたように、板部材11aの幅方向に複数のハニカム構造体を配置してもよく、この場合におけるハニカム構造体の板部材11aの幅方向に平行な辺の長さは、ハニカム構造体ごとに異なっていてもよい。
板部材11aに複数のハニカム構造体12を配置する場合には、隣接するハニカム構造体12どうしは、接合部13aと同じ材料によって接合されていてもよいし、10mm以下の間隔で離間されていても構わない。ハニカム構造体12どうしの間隔が10mm以下であれば、複数のハニカム構造体12の接合体の共振周波数は低下しないので、このような接合体を位置測定用ミラーに用いても問題はない。
図1のミラー10では、ハニカム構造体12として、外周壁19が平坦な構造のものを示したが、これに限らず、例えば、ハニカム構造体の大きさを調整するために切断等の加工を施すことにより、隔壁18が周囲に突出したハニカム構造体であってもよい。
接合部13aは、後述するミラー10の製造プロセスを容易とし、またミラー10の熱膨張破壊を防止する等の観点から、板部材11aおよびハニカム構造体12を構成する低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスで構成される。なお、図1では説明のために接合部13aを明確に示しているが、実際のミラー10における接合部13aの厚みは数μm〜数十μm程度である。
ところで、板部材11aとハニカム構造体12の接合には、ガラスを用いることも考えられる。しかし、ガラスは一般的に板部材11aやハニカム構造体12に適する低熱膨張セラミックスよりも熱膨張係数が大きいために、位置測定用ミラーのように長尺形状を有する場合には、板部材11aおよびハニカム構造体12と接合部13aとの間の熱膨張差による残留応力により、反射面の平面度の経時変化が大きくなってしまう問題がある。また、ガラスは剛性が低いために、位置測定用ミラー全体の剛性が低下し、これによって位置測定用ミラーの実使用時の高速移動によって位置測定用ミラー全体が歪むおそれがある。このため、本発明の位置測定用ミラーでは、接合部13aにガラスを用いないことが好ましい。
ミラー10では、板部材11aとハニカム構造体12の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数は、−1×10−6〜1×10−6/℃の範囲にあることが好ましい。これにより、ミラー10の使用環境下における形状精度を維持することができる。また、板部材11aおよびハニカム構造体12の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数と、接合部13aの20℃〜30℃における平均の熱膨張係数との差は、±0.1×10−6/℃の範囲内であることが好ましい。これにより、ミラー10における熱膨張歪みの発生を抑制することができる。
板部材11aおよびハニカム構造体12を構成する低熱膨張セラミックスと接合部13aを形成する低熱膨張セラミックスとしてそれぞれ好適な材料としては、リチウムアルミノシリケート、リン酸ジルコニウムカリウム、コーディエライトから選ばれる1種以上の第1の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭化ホウ素(BC)から選ばれる1種以上の第2の材料とを複合してなる複合材料が挙げられる。板部材11aとハニカム構造体12には同じ材料を用いることが好ましいが、熱膨張係数が前記範囲にあれば、異なる材料を用いることもできる。
このような構造を有するミラー10は、全体が低熱膨張セラミックスから構成されているために熱膨張歪みが小さく、これにより反射面の平面度の経時変化が抑制される。また、ハニカム構造体12を用いているために、ミラー10全体が軽量であり、高い剛性を有する。さらに、ミラー10は共振周波数が高く、制振性に優れるという特徴を備えている。
ミラー10の製造方法としては、板部材11aとハニカム構造体12をそれぞれ別に製造し、これらをセラミックスペーストを用いて接合する方法が好適に用いられる。例えば、板部材11aは、一般的なセラミックス焼結体の製造方法、例えば、粉末調製、プレス成形、焼成、切削・研削加工という工程を経ることによって得ることができる。また、ハニカム構造体12は、粉体混練、押出成形、焼成、切削加工という工程を経ることによって得ることができる。なお、成形体を加工し、または成形体を仮焼して加工することにより、最終加工の負担を軽減することができる。板部材11aとハニカム構造体12の接合は、板部材11aの裏面とハニカム構造体12の開口面にそれぞれ接合材たるセラミックスペーストを塗布し、これらの塗布面を合わせて荷重を掛けた状態で昇温し、セラミックスペーストを溶融させることによって行うことができる。ハニカム構造体12と板部材11aとを接合した後に、板部材11aの表面の鏡面研磨および反射膜形成を行う。
次に本発明の位置測定用ミラーの別の実施形態について説明する。図2はミラー20の概略斜視図である。このミラー20は、先に説明したミラー10におけるハニカム構造体12の露出開口面に接合部13bを介して板部材11bを取り付けた構造、つまり、ハニカム構造体12を板部材11a・11bで挟んだ構造を有している。照射光を反射する反射面は、板部材11a・11bのいずれに設けてもよい。
ミラー20のように、ハニカム構造体12の両開口面に板部材11a・11bが取り付けられている構造の場合には、ハニカム構造体12の空隙部17が封止(密閉)されるため、このミラー20を真空中で使用すると、ハニカム構造体12の内部と使用環境との間で圧力差が発生する。これを解消する方法としては、ハニカム構造体12の隔壁18に孔を形成する方法や、ハニカム構造体12の少なくとも一方の開口面の近傍において、隔壁18に、空隙部17と連通し、ハニカム構造体12と板部材11a・11bとの接合処理時に接合部13a・13bによって閉塞されることのないスリットを形成する方法が挙げられる。一方、このような孔やスリットを形成しない場合には、ハニカム構造体12の外周壁の厚さを、圧力差に十分に耐え得るように設定すればよい。この場合において、ハニカム構造体12の外周壁を厚くせずに、ミラー20全体を囲う様に、別途、側壁を形成してもよい。
図3(a)はミラー30の概略斜視図、図3(b)はミラー30の概略断面図(図3(a)に示す矢視AA断面)である。ミラー30は、ハニカム構造体12の側面が側壁部材15a・15bで覆われ、ハニカム構造体12と側壁部材15a・15bとが、板部材11a・11bに挟まれた構造を有している。なお、図3(a)では接合部13a・13bの図示を省略している。
側壁部材15a・15bには、ハニカム構造体12と同じ材料が好適に用いられる。このような側壁部材15a・15bを配設することは、ミラー30の外壁面積を極力小さくすることができるために、ミラー30を真空中で使用する場合に特に有効であり、この場合には、側壁部材15a・15bに使用環境とミラー30において板部材11a・11bおよび側壁部材15a・15bによって囲まれた空間との間に発生する圧力差に十分に耐えうる強度を持たせる。また、側壁部材15a・15bの配設により、ミラー30を露光ステージへ取り付ける際の位置決めが容易となる。
側壁部材15a・15bは枠状の一体構造であってもよい。また、側壁部材15a・15bは、板部材11a・11bのいずれか一方と一体である器状であってもよい。つまり、底壁と側壁を有する器部材にハニカム構造体を収容し、この器部材の開口面に板部材を取り付けて、底壁または板部材のいずれか一方を反射面としてもよい。
実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
β−ユークリプタイト粉末と炭化珪素粉末とを表1のNo.1〜3に示す割合でポットミル混合した後に乾燥させて、原料粉末を作製した。なお、表1においては、β−ユークリプタイトを‘Eu’で示している。この原料粉末を120MPaの圧力で冷間静水圧成形(CIP)して、40mm×7mm×620mmの成形体を作製し、この成形体を500℃で脱脂した後、窒素雰囲気において1370℃で焼成し、β−ユークリプタイトと炭化珪素とが複合されたセラミックス焼結体を得た。得られた焼結体に機械仕上げ加工を施して、外形状が32mm×5mm×500mmの板部材を得た。
また、上記原料粉末にメチルセルロース系バインダを10重量部混合し、ニーダによって混練した後、押出成形機を用いて、隔壁厚が2mm、空隙部の開口径が10mm(空隙部の開口断面の形状が正方形で、この正方形の一辺の長さが10mm)、外寸が110mm×110mm、厚み(押出方向の長さ)が47mmのハニカム構造の押出成形体を得た。この成形体を500℃で脱脂した後、窒素雰囲気下、1370℃で焼成し、β−ユークリプタイトと炭化珪素とが複合されたセラミックスハニカム焼結体を得た。得られたハニカム焼結体を、その厚みが35mmとなるように研削加工し、さらに外寸の一辺が32mmとなるように切断して、1個のセラミックスハニカム焼結体から複数のハニカム構造体を得た。
さらに、β−ユークリプタイトと窒化珪素を表1に示す割合でポットミル混合した後に乾燥させて、接合材用の混合粉末を作製した。この混合粉末を無機分が30vol%となるようにエチルセルロース含有量が15%のα−テルピネオール溶液と混合し、三本ロールを用いてペースト状にし、セラミックスペーストを作製した。
こうして作製した板部材の片面とハニカム構造体の一方の開口面の所定位置に、前記セラミックスペーストをスクリーンマスクを用いて厚さ30μmで印刷した。次いで、これら板部材とハニカム構造体を500℃に昇温してこれらに塗布されたセラミックスペーストを脱脂した後、板部材の全面にハニカム構造体が配設されるように、複数のハニカム構造体を板部材の長手方向に複数個並べ、セラミックスペーストの印刷面どうしを接着して1.5g/mmの荷重をかけた。引き続き、この接着体を窒素雰囲気で1300℃〜1350℃の温度で熱処理して、セラミックスペーストを溶融させ、板部材とハニカム構造体との間にセラミックスペーストが溶融して形成された接合部が介在した接合体を得た。次いで、この板部材の一方の主面を鏡面加工して表面粗さRaを10nm以下とし、この鏡面研磨面に反射膜たるAl−SiO積層膜を蒸着法により形成し、ミラーを得た。
上記ミラー作製とは別に、板部材用の焼結体から4mm×4mm×12mmの試験片を切り出し、レーザ干渉式熱膨張測定装置(アルバック理工社製、LIX−1)を用いて20〜30℃において試験片の変位量を測定し、熱膨張係数を求めた。また、接合部の熱膨張係数を調べるために、作製したセラミックスペースト用原料粉末を用いて、板部材と同様の焼結体を作製し、同様に熱膨張係数を測定した。
板部材の鏡面研磨面の表面粗さは、触針式表面粗さ測定機TALYSURF(Taylor−Hobson社製)により測定した。また、反射膜形成後のミラー面に対して垂直に波長633nmのHe−Neレーザ光を照射し、反射光強度を測定して入射高強度と反射光強度から反射率を求めるとともに、面精度を測定して面精度の経時変化を調べた。さらに、ミラーの重さを計測した。
(実施例2・3)
表1に示す材料を用いて、上記実施例1と同様の方法により、ミラーを作製し、さらに特性評価を行った。
(比較例1〜3)
表1に示すように、実施例1の板部材と同じ組成および作製条件により作製した中実の複合材料(比較例1)、実施例1の板部材およびハニカム構造体をガラスを用いて接合したもの(比較例2)、実施例1と同様の接合体ではあるが、反射面の表面粗さが大きいもの(比較例3)のミラーをそれぞれ製造し、その特性を評価した。
(実施例1〜3および比較例1〜3の試験結果)
実施例および比較例の熱膨張係数の測定結果を表1に、反射面表面粗さ、反射率、平面度、重さを表2に示す。これらの結果から、実施例では、同じ材料の中実材である比較例1よりも約60%軽量化することができ、また、いずれも熱膨張係数が1×10−6/℃以下と小さく、反射膜の反射率が80%以上という十分な値を示し、λ/20という面精度が実現された。また、面精度の経時変化も実質的に生じなかった。これに対して、比較例1は中実であるために重く、ガラスを用いて板部材とハニカム構造体とを接合した比較例2は面精度が悪く、しかも面精度の経時変化が生じた。また、反射面の表面粗さが大きい比較例3では反射率が70%と低い結果を示した。
(実施例4および比較例4〜6の試料作製)
表1に示す実施例1の組成で、隔壁厚が2.25mm、体積割合が33%、厚さが30mmで、空隙部の開口断面の形状が四角形(正方形(実施例4))、六角形(比較例4)、三角形(比較例5)のハニカム構造体をそれぞれ作製し、ハニカム構造体ごとに、ハニカム構造体と100mm×100mm×5mmの板部材とをセラミックスペーストを用いて接合し、接合体を得た。また、この接合体と同形状の中実のセラミックス焼結体(比較例6)を作製した。
(実施例4および比較例4〜6の共振周波数の測定)
実施例4および比較例4〜6の共振周波数を、衝撃振動試験により測定した。この測定結果を表3に示す。ハニカム構造体の空隙部の開口形状を四角形とすることで、中実構造と同程度以上の共振周波数が得られることが確認された。
Figure 2005234338
Figure 2005234338
Figure 2005234338
本発明の位置測定用ミラーは、例えば、露光装置における露光ステージの位置決めに好適である。
本発明に係る位置測定用ミラーの第1の実施形態を示す概略斜視図。 本発明に係る位置測定用ミラーの第2の実施形態を示す概略斜視図。 本発明に係る位置測定用ミラーの第3の実施形態を示す概略斜視図および概略断面図。
符号の説明
10,20,30;位置測定用ミラー
11a・11b;板部材
12;ハニカム構造体
13a,13b;接合部
15a・15b;側壁部材
17;空隙部
18;隔壁
19;外周壁

Claims (5)

  1. 被処理物を保持するステージに装着され、所定の照射光を反射させて前記ステージの位置を測定するための反射光を得る位置測定用ミラーであって、
    前記照射光を反射するための表面粗さがRaで10nm以下の反射面を備えた低熱膨張セラミックスからなる板部材と、
    前記板部材の反射面に設けられた反射膜と、
    低熱膨張セラミックスからなり、その開口面で前記板部材と接合されるハニカム構造体と、
    前記板部材と前記ハニカム構造体とを接合する、前記板部材および前記ハニカム構造体を構成する低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスからなる接合部と、
    を有することを特徴とする位置測定用ミラー。
  2. 前記板部材と前記ハニカム構造体の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数が、−1×10−6〜1×10−6/℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の位置測定用ミラー。
  3. 前記板部材および前記ハニカム構造体を構成する低熱膨張セラミックスと前記接合部を形成する低熱膨張セラミックスはそれぞれ、リチウムアルミノシリケート、リン酸ジルコニウムカリウム、コーディエライトから選ばれる1種以上の第1の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭化ホウ素から選ばれる1種以上の第2の材料とを複合してなる複合材料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位置測定用ミラー。
  4. 前記板部材および前記ハニカム構造体の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数と、前記接合部の20℃〜30℃における平均の熱膨張係数との差は±0.1×10−6/℃の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位置測定用ミラー。
  5. 前記ハニカム構造体は四角柱状の空隙部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位置測定用ミラー。
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