JP6447710B2 - 温度計算方法、温度計算装置、加熱制御方法、及び加熱制御装置 - Google Patents

温度計算方法、温度計算装置、加熱制御方法、及び加熱制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、温度計算方法、温度計算装置、加熱制御方法、及び加熱制御装置に関する。
熱間圧延では、鋼板の温度履歴に応じて相変態の状況が変わり、最終的な製品の強度などの機械的性質が変化する。このため、鋼板の各部の温度を管理することが極めて重要である。下記特許文献1には、熱間圧延における鋼板の長手方向に対して垂直な断面の温度分布を計算する装置が開示されている。特許文献1の装置は、鋼板の断面における外周から中央まで、空間刻み幅ごとに輪状に複数の要素に分割し、分割された要素毎の予測温度を差分法により算出する。
熱間圧延における鋼板は、エッジ部の温度が板幅方向中央部の温度に比べて低くなりやすい。エッジ部の低温を補正する設備として、圧延ラインにエッジヒータが備えられる場合がある。エッジヒータは、鋼板のエッジ部のみを誘導加熱で加熱する。
下記特許文献2には、エッジヒータから圧延機までの間の、空冷、クーラント、及びロール接触によるエッジ部の抜熱量を計算し、圧延機の入側でエッジ部が目標温度になるように、エッジヒータによる加熱量を補正する方法が開示されている。
日本特許第5391205号公報 日本特開2012−148310号公報
特許文献1の装置は、分割された各々の輪状の要素の代表温度を計算する。最も外側の要素は、鋼板の上面及び側面を含む。したがって、特許文献1の装置による計算結果は、鋼板の上面の温度と側面の温度とが等しくなる。特許文献1の装置は、鋼板の板幅方向の中央付近の温度と、エッジ部の温度との差が大きい場合には、鋼板の温度分布を正確に計算することが困難である。
特許文献2における抜熱量の計算には、クーラント圧力、板速度などの、抜熱量に影響する変数を基にした簡易式が用いられる。当該簡易式の係数は、実験的に求める必要がある。そのため、計算精度を上げるには、いろいろな鋼種及びサイズの実験を行い、係数を求める必要がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、計算負荷を抑制しつつ、熱間圧延される鋼板の品質をエッジ部も含めて向上することに寄与する温度計算方法、温度計算装置、加熱制御方法、及び加熱制御装置を提供することにある。
本発明の温度計算方法は、熱間圧延される鋼板の長手方向に対して垂直な断面を複数の矩形要素に分割すること、及び有限差分法を用いて矩形要素の各々の温度を計算すること、を含み、断面のエッジ部を含む領域である第一領域は、複数の矩形要素が板厚方向に並ぶとともに複数の矩形要素板幅方向に並ぶように分割され、断面の中心を含み、第一領域より広い領域である第二領域は、複数の矩形要素が板厚方向に並ぶように分割され、板幅方向には分割されないものである。
本発明の加熱制御方法は、鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータより下流側の位置において、第二領域の代表温度と、第一領域の代表温度との温度差を測定すること、上記温度計算方法を用いて、温度差を計算すること、及び温度差の測定値と、温度差の計算値と、温度差の目標値とに基づいて、エッジヒータの出力または加熱量を制御すること、を含むものである。
本発明の温度計算装置は、熱間圧延される鋼板の長手方向に対して垂直な断面を複数の矩形要素に分割する手段と、有限差分法を用いて矩形要素の各々の温度を計算する手段と、を備え、断面のエッジ部を含む領域である第一領域は、複数の矩形要素が板厚方向に並ぶとともに複数の矩形要素板幅方向に並ぶように分割され、断面の中心を含み、第一領域より広い領域である第二領域は、複数の矩形要素が板厚方向に並ぶように分割され、板幅方向には分割されないものである。
本発明の加熱制御装置は、上記温度計算装置と、鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータより下流側の位置において、第二領域の代表温度と、第一領域の代表温度との温度差を測定する手段と、温度計算装置を用いて、温度差を計算する手段と、温度差の測定値と、温度差の計算値と、温度差の目標値とに基づいて、エッジヒータの出力または加熱量を制御する手段と、を備えるものである。
本発明によれば、熱間圧延される鋼板の温度分布をエッジ部も含めて正確に計算でき、鋼板の品質をエッジ部も含めて向上することに寄与することが可能となる。
本発明の実施の形態1が適用される圧延システムを示す構成図である。 図1に示す圧延システムが備える制御装置のハードウェア構成図である。 鋼板の長手方向に対して垂直な断面が複数の矩形要素に分割された状態を示す図である。 鋼板の長手方向に対して垂直な断面が複数の矩形要素に分割された状態の他の例を示す図である。 矩形要素の熱収支を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における圧延システムのエッジヒータ制御部のブロック図である。 中心−エッジ間温度差の板幅方向の測定位置を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1が適用される圧延システムを示す構成図である。図1に示す圧延システム20は、スラブ加熱炉1、高圧デスケーリング装置2、エッジャー3、粗圧延機4、第一温度計5、第二温度計6、エッジヒータ7、クロップシャー8、仕上入側デスケーリング装置9、仕上圧延機10、第三温度計11、ランアウトラミナースプレー冷却装置12、第四温度計13、コイラー14、及び制御装置100を備える。圧延システム20により熱間圧延される鋼板は、鋼板の長手方向(図1中の横方向)に搬送される。鋼板の長手方向及び板厚方向の双方に垂直な方向が板幅方向である。鋼板の板幅は、例えば900mm〜2000mm程度である。圧延される前の鋼板(スラブ)の板厚は、例えば200mm〜250mm程度である。仕上圧延機10を出た鋼板の板厚は、例えば1mm〜25mm程度である。
スラブ加熱炉1は、圧延される前の鋼板(スラブ)を、例えば1200℃程度に加熱する。高圧デスケーリング装置2は、スラブ加熱炉1を出た鋼板に対し、上下から高圧水を噴射することで、鋼板の表面からスケールを除去する。エッジャー3は、鋼板の板幅方向の圧延を行う。粗圧延機4は、鋼板の板厚方向の粗圧延を行う。第一温度計5は、粗圧延機4により粗圧延された鋼板の温度を測定する。第二温度計6は、エッジヒータ7で加熱される前の鋼板の温度を測定する。
エッジヒータ7は、鋼板の長手方向に延びるエッジ部を誘導加熱により加熱する。エッジヒータ7は、鋼板のパスラインを上下から挟み込むように対になった誘導加熱コイルを有する。エッジヒータ7は、誘導加熱コイルに高周波電流を流すことで発生した磁界により、鋼板のエッジ部に渦電流を発生させ、そのジュール熱により鋼板のエッジ部のみを加熱する。
デスケーリングの水冷、あるいはロール伝熱などによって鋼板の表面温度が一時的に低下しても、その後、鋼板内部からの熱伝導による復熱効果で、表面温度が上昇する場合がある。鋼板は、板厚に比べ、板幅が圧倒的に長い。このため、板厚方向への復熱に比べて、板幅方向の復熱の方が時間がかかる。その結果、鋼板のエッジ部の温度が板幅方向中央部の温度に比べて低くなりやすい。エッジ部の温度と、板幅方向中央部の温度との差が大きいと、幅方向の品質が不均一になる。エッジヒータ7で鋼板のエッジ部のみを加熱することで、エッジ部の温度が低くなることを抑制できる。
クロップシャー8は、鋼板の先端部及び尾端部を切断する。仕上入側デスケーリング装置9は、仕上圧延機10の入側において鋼板の表面からスケールを除去する。仕上圧延機10は、鋼板を所定の板厚に仕上げ圧延する。第三温度計11は、仕上圧延機10により仕上げ圧延された鋼板の温度を測定する。ランアウトラミナースプレー冷却装置12は、鋼板を冷却する。第四温度計13は、ランアウトラミナースプレー冷却装置12により冷却された鋼板の温度を測定する。コイラー14は、鋼板を巻き取る。
第一温度計5、第二温度計6、第三温度計11、及び第四温度計13は、放射温度計である。第一温度計5、第二温度計6、第三温度計11、及び第四温度計13は、鋼板の表面(上面)の温度を測定する。
制御装置100は、圧延システム20が備える上述した各設備と接続される。制御装置100は、その機能上、要素分割部100a、温度計算部100b、及びエッジヒータ制御部100cを備える。要素分割部100aは、圧延システム20において熱間圧延される鋼板の長手方向に対して垂直な断面を、温度計算のための複数の矩形要素に分割するステップを実行する。温度計算部100bは、要素分割部100aにより分割された矩形要素の各々の温度を、有限差分法を用いて計算するステップを実行する。温度計算部100bは、矩形要素の各々の予測温度または推定温度等を計算する。エッジヒータ制御部100cは、温度計算部100bの計算結果に基づいて、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御するステップを実行する。さらに、制御装置100は、温度計算部100bの計算結果を用いて、圧延プロセスの諸量(圧延荷重、圧延トルク、冷却水量など)を計算または制御しても良い。
次に、図2を参照して、制御装置100のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、図1に示す圧延システム20が備える制御装置100のハードウェア構成図である。図2に示すように、本実施の形態1の制御装置100は、プロセッサ101、ROM(リードオンリーメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103、受信装置104、送信装置105、ハードディスクドライブ106、及びバス200を備える。プロセッサ101、ROM102、RAM103、受信装置104、送信装置105、及びハードディスクドライブ106は、バス200を介して相互に接続される。
ROM102、RAM103、及びハードディスクドライブ106は、記憶装置である。ROM102は、不揮発性半導体等で構成され、プロセッサ101が実行するオペレーションシステム等のプログラムを記憶している。RAM103は、揮発性半導体等で構成され、プロセッサ101が各種処理を実行する上で必要なプログラム及びデータ等を一時的に記憶する。ハードディスクドライブ106は、プロセッサ101が実行するプログラムを記憶している。
受信装置104は、圧延システム20の第一温度計5、第二温度計6、第三温度計11、及び第四温度計13により測定される温度情報を受信する。さらに、受信装置104は、圧延システム20が備える図示しない他のセンサ等により検出されるプロセス値等を受信する。送信装置105は、プロセッサ101により生成された各種の制御信号を、高圧デスケーリング装置2、エッジャー3、粗圧延機4、エッジヒータ7、クロップシャー8、仕上入側デスケーリング装置9、仕上圧延機10、ランアウトラミナースプレー冷却装置12、コイラー14等の各設備へ送信する。
制御装置100の要素分割部100a、温度計算部100b、エッジヒータ制御部100c等の機能及び動作は、記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することによって実現される。なお、複数組のプロセッサ及び記憶装置が連携することで制御装置100の機能及び動作を実現するように構成しても良い。
次に、要素分割部100aが、鋼板の長手方向に対して垂直な断面を、温度計算に用いる複数の矩形要素に分割する方法について説明する。図3は、鋼板の長手方向に対して垂直な断面が複数の矩形要素に分割された状態を示す図である。鋼板の板幅をBとする。鋼板の板厚をHとする。図3中の破線は、矩形要素間の境界を示す。鋼板の側面30は、鋼板の長手方向に延びる側面である。
図3に示すように、要素分割部100aは、鋼板の長手方向に対して垂直な断面を、第一領域31と第二領域32とに分ける。第一領域31は、当該断面のエッジ部を含む領域である。第一領域31は、鋼板の側面30を含む領域である。第二領域32は、当該断面の板幅方向の中心を含む領域である。第二領域32は、第一領域31より広い領域である。第二領域32は、当該断面から第一領域31を除いたすべての領域である。領域境界33は、第一領域31と第二領域32との境界である。領域境界33は、鋼板の側面30に対して平行である。第一領域31の板幅方向の長さ、すなわち鋼板の側面30から領域境界33までの距離は、第二領域32の板幅方向の長さに比べて、小さい。
要素分割部100aは、第一領域31内で複数の矩形要素が板厚方向に並ぶように、第一領域31を分割する。要素分割部100aは、第一領域31内で複数の矩形要素が板幅方向に並ぶように、第一領域31を分割する。すなわち、要素分割部100aは、第一領域31を、板厚方向及び板幅方向にそれぞれ分割する。
要素分割部100aは、第二領域32内で複数の矩形要素が板厚方向に並ぶように、第二領域32を分割する。要素分割部100aは、第二領域32を板幅方向には分割しない。すなわち、要素分割部100aは、第二領域32を、板厚方向にのみ分割し、板幅方向には分割しない。第二領域32の矩形要素の板幅方向の長さは、第二領域32自体の板幅方向の長さに等しい。第二領域32の矩形要素は、板幅方向の長さが板厚方向の長さに比べて圧倒的に長い。すなわち、第二領域32の矩形要素は、細長い。
鋼板の長手方向に対して垂直な断面を上記のように分割することで、この断面の二次元温度分布を正確に計算できる。なお、第一領域31の板厚方向の分割の数と、第二領域32の板厚方向の分割の数とは、等しいことが望ましい。
板厚方向の中心部から、鋼板の上面34または下面35までの、板厚方向に並ぶ矩形要素の数をNTとする。図3の例ではNT=5であるが、NTの値はこれに限定されるものではない。鋼板の上面34から下面35まで、板厚方向に並ぶ矩形要素の数は、2NT−1となる。鋼板の上面34を含む矩形要素及び鋼板の下面35を含む矩形要素を除いた矩形要素の、板厚方向の長さをΔxとする。鋼板の上面34を含む矩形要素の板厚方向の長さは、Δx/2である。鋼板の下面35を含む矩形要素の板厚方向の長さは、Δx/2である。
本実施の形態では、鋼板の上面34または下面35を含む矩形要素を除く矩形要素については、板厚方向の長さをいずれもΔxとし、均一にしている。このような方法に限らず、鋼板の上面34または下面35を含む矩形要素を除く矩形要素についても、板厚方向の長さを異ならせても良い。例えば、板厚方向の中心部から、鋼板の上面34または下面35に近づくにつれて、矩形要素の板厚方向の長さが小さくなるようにしても良い。
熱間圧延プロセスにおいて、鋼板のエッジ部の温度が低下すると、局所的に、板幅方向の急な温度勾配が生じる。第一領域31は、そのような板幅方向の急な温度勾配が生じる部分を包含するように設定される。第二領域32では、板幅方向の温度勾配はほとんど生じないとみなせる。よって、第二領域32を板幅方向に分割しなくても、鋼板の温度分布を正確に計算できる。本実施の形態では、第一領域31のみを板幅方向にも分割し、第二領域32を板幅方向に分割しないことで、全体の矩形要素の数を少なくできる。このため、計算負荷の増加を抑制しつつ、熱間圧延プロセスにおける鋼板の温度分布を、エッジ部も含めて、正確に計算できる。
第一領域31内で板幅方向に並ぶ矩形要素の数をNWとする。図3の例ではNW=6であるが、NWの値はこれに限定されるものではない。第二領域32の板幅方向の矩形要素の数は、1である。鋼板の一方の側面30を含む第一領域31と、反対側の側面30を含む第一領域31とは、対称的に分割される。したがって、鋼板の一方の側面30から反対側の側面30までの、板幅方向に並ぶ矩形要素の数は、2NW+1となる。
第一領域31の矩形要素のうち、側面30を含む矩形要素を除いた矩形要素の板幅方向の長さをΔyとする。側面30を含む矩形要素の板幅方向の長さは、Δy/2である。一つの第一領域31の板幅方向の長さは、(NW−1)*Δy+Δy/2となる。第二領域32の板幅方向の長さは、鋼板の板幅Bから、2箇所の第一領域31を除いた部分の長さとなる。よって、第二領域32の板幅方向の長さは、B−(2NW−1)*Δyとなる。
温度計算部100bは、各々の矩形要素の代表温度を計算する。各々の矩形要素の代表温度は、図3中の黒点の位置の温度である。鋼板の表面(上面34、下面35、側面30)を含む矩形要素を除いた矩形要素、すなわち鋼板の内部の矩形要素の代表温度は、当該矩形要素の中心位置の温度である。鋼板の表面(上面34、下面35、側面30)を含む矩形要素の代表温度は、当該表面の温度である。
図3に示す例では、第一領域31の矩形要素の板幅方向の長さは、鋼板の側面30を含む矩形要素を除き、いずれも等しい大きさ(Δy)になっている。
鋼板の板幅Bは、例えば、900mm〜2000mm程度である。第一領域31の板幅方向の長さ、すなわち鋼板の側面30から領域境界33までの距離は、例えば、100mm〜150mm程度が望ましい。第二領域32の板幅方向の長さは、両側の第一領域31の板幅方向の長さの合計よりも長いことが望ましい。第二領域32の板幅方向の長さを長くすることで、計算負荷の増加をより確実に抑制できる。
第一領域31は、エッジヒータ7の加熱領域を包含するように設定されることが望ましい。すなわち、第一領域31の板幅方向の長さは、エッジヒータ7で加熱される部分の板幅方向の長さ以上であることが望ましい。これにより、エッジヒータ7で加熱された後の鋼板の板幅方向の温度勾配をより正確に計算できる。
図4は、鋼板の長手方向に対して垂直な断面が複数の矩形要素に分割された状態の他の例を示す図である。以下、図4に示す例について、上述した図3に示す例との相違点のみを説明する。図4に示す例では、領域境界33に近い位置から、鋼板の側面30に近づくにつれて、第一領域31の矩形要素の板幅方向の長さが徐々に小さくなる。第一領域31の温度勾配は、第二領域32に近い部分では比較的小さく、側面30に近い部分で比較的大きい。このため、図4のように第一領域31を分割することで、矩形要素の数を抑制しつつ、第一領域31の板幅方向の温度勾配をより正確に計算できる。
第一領域31の各々の矩形要素の板幅方向の長さを、側面30から領域境界33に向かって、順に、Δy,Δy,Δy,・・・,ΔyNWとする。図4に示す例では、Δy<Δy<Δy<・・・<ΔyNWとしている。第一領域31の矩形要素の板幅方向の長さを1個ずつ異ならせることで、矩形要素の数を抑制しつつ、第一領域31の板幅方向の温度勾配をより正確に計算できる。このような構成に限らず、第一領域31の矩形要素の板幅方向の長さを、2個ずつ、3個ずつ、あるいは数個ずつ、異ならせるようにしても良い。
第二領域32の矩形領域の板幅方向の長さをΔyNW+1とする。ΔyNW+1は、第二領域32自体の板幅方向の長さに等しい。図4に示す例では、ΔyNW+1は、次式で計算できる。
ΔyNW+1=B−2*(Δy+Δy+Δy+・・・+ΔyNW
圧延システム20における、鋼板の上面34及び下面35の境界条件、並びに左右の側面30の境界条件は、次のように考えられる。上面34及び下面35の境界条件としては、下面35のみが搬送ローラとの接触伝熱が考えられる。また、水スプレーにおいて、上面34側と下面35側とで、異なる流量を噴射できる。このように、鋼板の上面34の境界条件と下面35の境界条件とは、異なる場合が考えられる。これに対し、鋼板の左右の側面30に関しては、通常、左右の設備の差異あるいは環境の差異は無いと想定できる。すなわち、鋼板の左右の側面30の境界条件は、ほぼ同等とみなすことができる。したがって、左側の側面30を含む第一領域31の温度分布と、右側の側面30を含む第一領域31の温度分布とは、ほぼ等しいとみなすことができる。このため、本実施の形態の制御装置100は、第一領域31に対する有限差分法の計算として、左側の側面30を含む第一領域31と、右側の側面30を含む第一領域31とのいずれか一方のみについて計算し、他方の計算を省略する。これにより、有限差分法の計算負荷をほぼ半分にすることが可能となる。
以下、本実施の形態において、有限差分法を用いて各々の矩形要素の温度(代表温度)を計算する方法について説明する。以下では、図4に示す例の矩形要素の温度を計算する方法について説明する。なお、図3に示す例の矩形要素の温度を計算する場合には、2*Δy=Δy=Δy=・・・=ΔyNWとして計算すれば良い。
まず、各々の矩形要素のボリュームを計算する。以下の説明では、インデックスとしてi及びjを用いて、各々の矩形要素を区別する。インデックスiは、板厚方向の矩形要素の順番を表す。鋼板の上面34から下面35に向かって、順に、i=1,2,3,・・・,2NT−1とする。インデックスjは、板幅方向の矩形要素の順番を表す。鋼板の側面30から中央に向かって、順に、j=1,2,3,・・・,NW,NW+1とする。j=1〜NWは、第一領域31の矩形要素に相当する。j=NW+1は、第二領域32の矩形要素に相当する。上からi番目、側面30からj番目の矩形要素のことを、第i_j要素と称する(図5参照)。第i_j要素のボリュームをVi,j[mm]とする。各矩形要素は、鋼板の長手方向については、単位長を有するものとする。計算を簡単にするため、Vi,jは、各矩形要素の体積を鋼板長手方向の単位長で割った値を示すものとする。このため、Vi,jは、面積の単位を有する。また、後述する各矩形要素の熱収支の計算においても、計算を簡単にするため、熱量を鋼板長手方向の単位長で割った値を用いて計算する。
第1_j要素は、鋼板の上面34を含む矩形要素である。第1_j要素のボリュームV1,jは、次式で計算できる。
Figure 0006447710
第i_j要素(i=2,3,・・・,2NT−2)は、鋼板の上面34及び下面35を含まない矩形要素である。第i_j要素(i=2,3,・・・,2NT−2)のボリュームVi,jは、次式で計算できる。
Figure 0006447710
第(2NT−1)_j要素は、鋼板の下面35を含む矩形要素である。第(2NT−1)_j要素のボリュームV2NT−1,jは、次式で計算できる。
Figure 0006447710
熱間圧延プロセスの鋼板は、図1に示すようなライン上を搬送される間に、熱放射、空冷及び水冷による冷却(熱伝達)、加工発熱、圧延機のロールとの伝熱などの、正負の様々な熱を受ける。有限差分法の計算の時間刻みをΔtとする。温度計算部100bは、各々の矩形要素について、時間刻みΔtの間における熱収支を計算する。図5は、矩形要素の熱収支を模式的に示す図である。矩形要素の熱収支における各種の熱量は、一般的な伝熱理論及び圧延理論で使用される理論式を用いて算出できる。まず、鋼板の上面34または下面35を含み、側面30を含まない矩形要素について、熱収支を計算する方法を説明する。
第1_j要素(j=2,3,・・・,NW+1)は、鋼板の上面34を含み、側面30を含まない矩形要素である。第1_j要素(j=2,3,・・・,NW+1)の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
第(2N−1)_j要素(j=2,3,・・・,NW+1)は、鋼板の下面35を含み、側面30を含まない矩形要素である。第(2N−1)_j要素(j=2,3,・・・,NW+1)の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
である。
鋼板の上面34及び下面35からの熱放射量Qrad Top及びQrad Botは、上面34及び下面35の温度に基づいて計算できる。上面34または下面35の熱放射の熱流束に、各矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の上面34または下面35からの熱放射量Qrad TopまたはQrad Botを計算できる。
水冷による鋼板の上面34及び下面35からの流出熱量Qwater Top及びQwater Botは、上面34及び下面35の温度、水温、及び熱伝達係数に基づいて計算できる。上面34または下面35の水冷の熱流束に、各矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の上面34または下面35の水冷の流出熱量Qwater TopまたはQwater Botを計算できる。鋼板の上面34及び下面35の水冷の流出熱量Qwater Top及びQwater Botは、水冷域のみで算入される。水冷域は、鋼板が水で冷却される領域である。本実施の形態では、水冷域は、高圧デスケーリング装置2、仕上入側デスケーリング装置9、及びランアウトラミナースプレー冷却装置12を含む。図1に示す仕上圧延機10は、複数のスタンドを備える。仕上圧延機10のスタンド間に、水スプレー装置が備えられる場合がある。水冷域は、そのような水スプレー装置など、鋼板が水で冷却されるすべての領域を含む。
空冷による鋼板の上面34及び下面35からの流出熱量Qconv Top及びQconv Botは、上面34及び下面35の温度、気温、及び熱伝達係数に基づいて計算できる。上面34または下面35の空冷の熱流束に、各矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の上面34または下面35の空冷の流出熱量Qconv TopまたはQconv Botを計算できる。鋼板の上面34及び下面35の空冷の流出熱量Qconv Top及びQconv Botは、空冷域のみで算入される。空冷域は、鋼板の上面34及び下面35が空気に接触して冷却される領域である。
圧延ロールバイトにおける熱量Qfric Top、Qfric Bot、Qroll Top、Qroll Bot、及びQdefは、粗圧延機4及び仕上圧延機10のロールバイト内のみで算入される。圧延ロールバイトにおける摩擦熱量Qfric Top及びQfric Botは、板速度、圧下量、摩擦係数等を用いて計算できる。ロールバイト内の上面34または下面35の摩擦熱の熱流束に、各矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の上面34または下面35の摩擦熱量Qfric TopまたはQfric Botを計算できる。
圧延ロールバイトにおけるロールへの熱伝導量Qroll Top及びQroll Botは、上面34、下面35、及びロールの、温度及び熱伝導率等を用いて計算できる。ロールバイト内の上面34または下面35のロールへの熱伝導の熱流束に、各矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の上面34または下面35の、ロールへの熱伝導量Qroll TopまたはQroll Botを計算できる。
圧延ロールバイトにおける加工発熱量Qdefは、圧下量、材料変形抵抗等を用いて計算できる。圧延ロールバイトにおける加工発熱量Qdefは、総発熱量を各矩形要素のボリュームVi,jの比率で各矩形要素に分配することで計算できる。
エッジヒータ7による加熱量QEHは、エッジヒータ7内のみで算入される。エッジヒータ7による加熱量QEHは、第一領域31の矩形要素のうちの一部の矩形要素に対してのみ算入される。本実施の形態では、鋼板の側面30からの距離が所定距離以下の矩形要素に対してのみ、エッジヒータ7による加熱量QEHを算入する。すなわち、jEH<NWを満たすjEHを予め決めておき、第i_j要素(j=1,2,3,・・・,jEH)に対してのみ、エッジヒータ7による加熱量QEHを算入する。jEHは、エッジヒータ7の加熱領域(エッジヒータ7が加熱する部分の板幅方向の長さ)に基づいて決めることができる。エッジヒータ7による加熱量QEHは、対象となる矩形要素群に対して、総加熱量を、各矩形要素のボリュームVi,jの比率で各矩形要素に分配することで計算できる。
矩形要素間の熱伝導量は、双方の矩形要素の温度と、熱伝導率とに基づいて計算できる。矩形要素間の板厚方向(x方向)の熱伝導量は、熱伝導の熱流束に、当該矩形要素の板幅方向の長さを乗じることで計算できる。矩形要素間の板幅方向(y方向)の熱伝導量は、熱伝導の熱流束に、当該矩形要素の板厚方向の長さを乗じることで計算できる。
なお、鋼板の下面35を含む矩形要素の熱収支の計算においては、鋼板の下面35から搬送ローラへの熱伝導量をさらに算入しても良い。
次に、鋼板の側面30を含み、上面34及び下面35を含まない矩形要素について、熱収支を計算する方法を説明する。第i_1要素(i=2,3,・・・,2N−2)は、鋼板の側面30を含み、上面34及び下面35を含まない矩形要素である。以下、第i_1要素(i=2,3,・・・,2N−2)の熱収支について説明するが、前述した熱収支との相違点のみを説明する。第i_1要素(i=2,3,・・・,2N−2)の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
である。
鋼板の側面30からの熱放射量Qrad Sideは、側面30の温度に基づいて計算できる。側面30の熱放射の熱流束に、各矩形要素の板厚方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の側面30の熱放射量Qrad Sideを計算できる。
水冷による鋼板の側面30からの流出熱量Qwater Sideは、側面30の温度、水温、及び熱伝達係数に基づいて計算できる。鋼板の側面30の水冷の流出熱量Qwater Sideは、水冷域のみで算入される。側面30の水冷の熱流束に、各矩形要素の板厚方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の側面30の水冷の流出熱量Qwater Sideを計算できる。
空冷による鋼板の側面30からの流出熱量Qconv Sideは、側面30の温度、気温、及び熱伝達係数に基づいて計算できる。鋼板の側面30の空冷の流出熱量Qconv Sideは、空冷域のみで算入される。側面30の空冷の熱流束に、各矩形要素の板厚方向の長さを乗じることで、当該矩形要素の側面30の空冷の流出熱量Qconv Sideを計算できる。
水冷域では、鋼板の側面30に水が直接が掛けられることは少ない。側面30の水冷は、鋼板の上面34に掛けられた水の一部が側面30へ流れることによるものがほとんどである。したがって、側面30の水冷の熱流束は、上面34の水冷の熱流束に比べて、小さいと考えられる。これらの事項に鑑みて、本実施の形態では、以下のように計算しても良い。
側面30の水冷の熱流束をqwater Side[W/mm]とし、上面34の水冷の熱流束をqwater Top[W/mm]とする。ゼロより大きく1より小さい所定の調整係数をβとする。qwater Sideは、次式で表すことができる。
water Side=β*qwater Top
上記の式で計算したqwater Sideを用いて側面30の水冷の流出熱量Qwater Sideを計算することで、計算負荷をさらに軽減できる。なお、上記の計算に代えて、以下のようにしても良い。側面30の水冷の熱伝達係数をhwater Sideとし、上面34の水冷の水冷の熱伝達係数をhwater Topとする。hwater Sideは、次式で表すことができる。
water Side=β*hwater Top
上記の式で計算したhwater Sideを用いて側面30の水冷の熱流束を計算し、その熱流束を用いて側面30の水冷の流出熱量Qwater Sideを計算することで、上記と類似の効果が得られる。
次に、鋼板の上面34または下面35と、側面30との双方を含む矩形要素について、熱収支を計算する方法を説明するが、前述した熱収支との相違点のみを説明する。第1_1要素は、鋼板の上面34と側面30とを含む、角の矩形要素である。第1_1要素の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
第(2N−1)_1要素は、鋼板の下面35と側面30とを含む、角の矩形要素である。第(2N−1)_1要素の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
なお、鋼板の側面30を含む矩形要素の熱収支の計算においては、鋼板の側面30からエッジャー3のエッジャーロールへの熱伝導量をさらに算入しても良い。
次に、鋼板の上面34、下面35、及び側面30のいずれも含まない、内部の矩形要素について、熱収支を計算する方法を説明するが、前述した熱収支との相違点のみを説明する。第i_j要素(i=2,3,・・・,2NT−2)(j=2,3,・・・,NW+1)は、そのような内部の矩形要素である。これらの矩形要素は、四方がすべて他の矩形要素に隣接している。第i_j要素(i=2,3,・・・,2NT−2)(j=2,3,・・・,NW+1)の熱収支は、次式のように表現できる。
Figure 0006447710
温度計算部100bは、上述した各矩形要素のボリュームVi,j及び熱収支ΔQi,jに基づいて、時間刻みΔtの間の各矩形要素の温度変化量を次式により計算する。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
ρ[kg/mm]:鋼板の密度
Figure 0006447710
である。
続いて、温度計算部100bは、上述した時間刻みΔtの間の各矩形要素の温度変化量ΔTi,jに基づいて、時間刻みΔtが経過した後の各矩形要素の温度を次式により計算する。
i,j k+1=Ti,j +ΔTi,j
ここで、
i,j [K]:時間ステップkにおける第i_j要素の温度
i,j k+1[K]:時間刻みΔt後の時間ステップ(k+1)における第i_j要素の温度
である。
温度計算部100bは、有限差分法を用いて、時間刻みΔtごとに、上記のようにして各矩形要素の熱収支、温度変化量、及び温度を計算する。これにより、温度計算部100bは、計算開始から計算終了まで、時間刻みΔtごとの各時間ステップでの各矩形要素の温度を計算できる。各矩形要素の温度を計算することで、鋼板の長手方向に垂直な断面の温度分布が得られる。
要素分割部100aは、鋼板が圧延されることで鋼板の断面形状が変化した場合には、新たな断面を複数の矩形要素に分割する。断面が分割し直された場合には、各矩形要素のボリュームVi,jが再計算される。要素分割部100aは、鋼板の板厚が薄くなるにつれて、板厚方向の分割数を少なくしても良い。
温度計算部100bが計算を開始する位置は、例えば、鋼板(スラブ)がスラブ加熱炉1を出た位置とすることができる。スラブ加熱炉1では、鋼板(スラブ)が所定温度に加熱されるように制御される。温度計算部100bは、スラブ加熱炉1を出たときに鋼板(スラブ)全体が均一な温度に加熱されているとみなし、当該所定温度を各矩形要素の初期温度としても良い。また、スラブ加熱炉1で加熱中の鋼板の温度分布が数値計算されている場合には、温度計算部100bは、その計算結果に基づいて、各矩形要素の初期温度を定めても良い。
温度計算部100bが計算を終了する位置は、例えば、コイラー14の手前の第四温度計13の位置とすることができる。温度計算部100bは、第一温度計5、第二温度計6、第三温度計11、または第四温度計13で測定された鋼板の表面温度に基づいて、計算結果を補正しても良い。
前述したように、熱間圧延プロセスにおける鋼板のエッジ部は、温度が低下しやすい。また、エッジヒータ7で加熱された場合には、鋼板のエッジ部のみで温度が上昇する。このため、鋼板のエッジ部は、温度変化及び温度勾配が大きくなりやすい。本実施の形態によれば、第一領域31を板幅方向にも複数に分割することで、温度変化及び温度勾配が大きい鋼板のエッジ部の温度分布を正確に計算できる。第二領域32では、板幅方向に沿って温度がほぼ均一になる。このため、第二領域32を板幅方向に分割しなくても、鋼板の温度分布を正確に計算できる。本実施の形態によれば、第二領域32を板幅方向に分割せず、板厚方向にのみ分割することで、矩形要素の総数の増加を抑制できる。その結果、計算負荷の増加を抑制できる。本実施の形態によれば、実操業のオンライン制御計算においても、計算機の負荷を十分に軽減できる。
なお、本発明では、有限差分法の計算の時間刻みΔtに関して、空冷域、水冷域、及び圧延域の境界条件の変化に応じて、時間刻みΔt当たりの温度変化量がほぼ同等になるように、時間刻みΔtを変更する方法を使用しても良い。当該方法は、日本特許第5391205号に開示されている。当該方法によれば、1つの時間ステップごとの温度変化量の精度を確保しつつ、計算回数を低減でき、実操業のオンライン制御計算の計算機負荷をさらに軽減できる。
図1に示す圧延システム20において鋼板が搬送される過程では、熱放射、空冷対流、デスケーリング及びラミナースプレーなどの水冷却、圧延中の加工発熱、摩擦発熱、及びロール伝熱など、多種の伝熱現象が発生する。鋼板の表面(上面34、下面35、及び側面30)の温度は、時々刻々に変化する。鋼板の表面温度が変化することで、鋼板の表面の温度と内部の温度との差が生じる。そのような温度差に起因する熱伝導により、鋼板の内部の温度も変化していく。粗圧延段階などの板厚が厚い状態では、デスケーリングの水冷、あるいはロール伝熱などによって表面温度が一時的に低下した後に、鋼板内部からの熱伝導による復熱効果で、表面温度が上昇する場合がある。このように、境界条件の変化により、鋼板の表面温度は一様に低下せず、低下と上昇を繰り返す変化を示す。上記のような多種の境界条件の変化により、鋼板の表面の温度変化が大きい。鋼板の内部の温度変化は、主として熱伝導によるので、比較的緩やかである。これらのことから、鋼板の長手方向に対し垂直な断面の中に、複雑に変化する温度分布が生じる。本実施の形態によれば、有限差分法を用いて各矩形要素の温度を計算することで、そのような複雑に変化する温度分布を正確に計算できる。
圧延荷重、圧延トルクなどの圧延プロセスの諸量は、鋼板温度により変化する。本実施の形態によれば、鋼板温度を精度良く計算することができるので、圧延プロセスの諸量を精度良く計算できる。
熱間圧延では、鋼板の温度履歴に応じて相変態の状況が変わり、最終的な製品の強度などの機械的性質が変化する。このため、鋼板の温度を管理することが極めて重要である。圧延システム20では、第一温度計5、第二温度計6、第三温度計11、及び第四温度計13を用いて、鋼板の温度を測定及び管理する。圧延システム20が備えるこれらの放射温度計は、通常、鋼板の上面34の板幅方向の中央部の温度を測定する。このため、通常、鋼板の温度管理は、板幅方向の中央部の温度を用いて行われる。板幅方向の中央部の温度とエッジ部の温度との差が大きいと、エッジ部のみ機械的性質が異なることになり、好ましくない。本実施の形態では、鋼板の温度分布を、エッジ部も含めて正確に計算できる。エッジヒータ制御部100cは、温度計算部100bで計算された各矩形要素の温度に基づいて、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御する。本実施の形態では、エッジヒータ7の加熱領域を包含する第一領域31を板幅方向にも複数に分割することで、エッジヒータ7で加熱される鋼板のエッジ部の温度分布を正確に計算できる。その正確な計算結果に基づいてエッジヒータ7の出力または加熱量を制御することで、板幅方向の中央部の温度とエッジ部の温度との差が小さくなるように、エッジヒータ7の出力または加熱量を高精度に制御することが可能となる。
実施の形態2.
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
本実施の形態2における圧延システム20は、実施の形態1とほぼ同様の機器構成を備える。図6は、本実施の形態2における圧延システム20のエッジヒータ制御部100cのブロック図である。図6では、本実施の形態2における圧延システム20が備える機器の一部を省略している。
本実施の形態2において、エッジヒータ制御部100cは、エッジヒータ7より下流側の位置において、鋼板の第二領域32の代表温度と、第一領域31の代表温度との温度差を測定するステップを実行する。当該温度差を以下「中心−エッジ間温度差」と称する。第一領域31の代表温度は、鋼板のエッジ部の代表温度に相当する。第二領域32の代表温度は、鋼板のエッジ部以外の部分の代表温度、または、鋼板の板幅方向の中央部の代表温度に相当する。エッジヒータ制御部100cは、実施の形態1で説明した有限差分法による計算方法を用いて、中心−エッジ間温度差を計算するステップを実行する。エッジヒータ制御部100cは、中心−エッジ間温度差の測定値と、中心−エッジ間温度差の計算値とに基づいて、補正係数を学習するステップを実行する。エッジヒータ制御部100cは、当該補正係数を用いて、中心−エッジ間温度差の計算値を補正するステップを実行する。エッジヒータ制御部100cは、中心−エッジ間温度差の測定値と、中心−エッジ間温度差の補正された計算値と、中心−エッジ間温度差の温度差の目標値とに基づいて、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御するステップを実行する。以下、これらのステップについて、詳細に説明する。
エッジヒータ7は、通常、粗圧延機4と仕上圧延機10との間に設置される。本実施の形態では、第三温度計11または第四温度計13を用いて、中心−エッジ間温度差を測定する。第三温度計11または第四温度計13として、スキャン型放射温度計を用いることで、中心−エッジ間温度差を容易に測定できる。スキャン型放射温度計は、測定点を板幅方向に走査することで、鋼板の上面34において板幅方向の複数点の温度を測定できる。第三温度計11は、仕上圧延機10の出側での鋼板温度を測定する。第四温度計13は、コイラー14の入側での鋼板温度を測定する。これらの測定位置では、鋼板表面が安定しており、温度測定が安定する。
図7は、中心−エッジ間温度差の板幅方向の測定位置を説明するための図である。スキャン型放射温度計は、鋼板の側面30からの距離で定義される何点かの位置の温度と、鋼板の板幅方向の中心位置の温度とを測定する。本実施の形態では、鋼板の上面34の板幅方向の中心位置36の温度を、鋼板の第二領域32の代表温度として用いる。鋼板の上面34において側面30からの距離がyとなる位置37の温度を、第一領域31の代表温度として用いる。
有限差分法により計算される矩形要素の温度は、当該矩形要素内の平均温度に相当する。要素分割部100aは、第一領域31の代表温度を測定する位置37が、いずれかの矩形要素の板幅方向の中心に一致するように、第一領域31を分割することが望ましい。これにより、中心−エッジ間温度差の計算値をより正確に求めることができる。ここで、第一領域31の矩形要素のうち、側面30からE番目の矩形要素の板幅方向の中心が、第一領域31の代表温度を測定する位置37に一致すると仮定する。図7では、便宜上、E=3としているが、Eが4以上でも良いことは言うまでもない。この場合、次式が成り立つ。
Figure 0006447710

Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
1_jE[K]:第1_j要素の温度の計算値
=E
である。
第一領域31の代表温度を測定する位置37が、いずれかの矩形要素の板幅方向の中心に一致しない場合には、以下のようにして、隣接する矩形要素の温度を線形補間することで、T Calを高精度に計算できる。まず、第1_jE−1要素の板幅方向の中心と、第1_j要素の板幅方向の中心との間に、第一領域31の代表温度を測定する位置37があると仮定する。第1_jE−1要素の板幅方向の中心から、位置37までの距離をΔyEMとする。T Calは、次式で計算できる。
Figure 0006447710
中心−エッジ間温度差を次式で表す。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
である。
Figure 0006447710
第二領域32の代表温度の計算値は、第二領域32の上面34を含む矩形要素、すなわち第1_(NW+1)要素の温度の計算値に相当する。第1_(NW+1)要素の温度の計算値をT1_NW+1[K]とする。中心−エッジ間温度差の計算値は、次式で表される。
ΔTCE_cal FDT=T1_NW+1−T Cal
エッジヒータ制御部100cは、上述した中心−エッジ間温度差の計算値及び測定値が、中心−エッジ間温度差の目標値の近くに推移するように、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御する。中心−エッジ間温度差の目標値は、例えば20K程度に設定することが望ましい。
エッジヒータ7と第三温度計11または第四温度計13との間には距離があることから、中心−エッジ間温度差の測定値に基づいて直接エッジヒータ7をフィードバック制御する方法では、中心−エッジ間温度差の測定値を目標値へ近づけることが必ずしも容易ではない場合がある。これに対し、本実施の形態では、中心−エッジ間温度差の計算値も利用してエッジヒータ7を制御することで、中心−エッジ間温度差の測定値を目標値へ高精度に近づけることが可能となる。さらに、本実施の形態では、中心−エッジ間温度差の計算値を補正するための補正係数を学習することで、中心−エッジ間温度差の測定値を目標値へより高精度に近づけることが可能となる。
補正係数をZTEとする。補正係数ZTEは、中心−エッジ間温度差の測定値と計算値との比である。補正係数ZTEは、次式により計算される。
Figure 0006447710
上記式で計算された補正係数ZTEは、次式により平滑化された後に、ルックアップテーブルなどに更新保存される。
Figure 0006447710
Figure 0006447710
Figure 0006447710
Figure 0006447710
本実施の形態では、上記のような学習計算を鋼板ごとに継続して繰り返す。その結果、中心−エッジ間温度差の計算値の精度を高くできる。
次に、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御する方法について説明する。まず、エッジヒータ7の加熱量の変更に対する、中心−エッジ間温度差の変化の割合を、有限差分法を用いて、次式により計算する。なお、この計算では、前述した補正係数で計算値を補正する。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
である。
続いて、中心−エッジ間温度差の測定値と目標値との偏差を解消するために必要な、エッジヒータ7の加熱量の補正量ΔQEH MODを次式により計算する。
Figure 0006447710
エッジヒータ制御部100cは、上記式で計算された補正量ΔQEH MODに基づいて、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御する。例えば、エッジヒータ制御部100cは、次式を用いて、次の鋼板を加熱するエッジヒータ7の出力または加熱量を補正する。
Figure 0006447710
ここで、
Figure 0006447710
である。
エッジヒータ制御部100cは、次の鋼板を加熱するエッジヒータ7の加熱量が上記のように補正されるように、エッジヒータ7の出力または加熱量を制御する信号をエッジヒータ7へ送信する。また、エッジヒータ制御部100cは、上記のように補正されたエッジヒータ7の加熱量に基づいて、エッジヒータ7の加熱量のルックアップテーブルを更新することが望ましい。
以上説明した方法によれば、中心−エッジ間温度差の測定値(実績値)を目標値に高精度に近づけることができる。本実施の形態によれば、鋼板の板幅方向の中央部の温度とエッジ部の温度との差をより確実に小さくすることができる。その結果、鋼板の品質を、エッジ部も含めて、より高くすることができる。
1 スラブ加熱炉、2 高圧デスケーリング装置、3 エッジャー、4 粗圧延機、5 第一温度計、6 第二温度計、7 エッジヒータ、8 クロップシャー、9 仕上入側デスケーリング装置、10 仕上圧延機、11 第三温度計、12 ランアウトラミナースプレー冷却装置、13 第四温度計、14 コイラー、20 圧延システム、30 側面、31 第一領域、32 第二領域、33 領域境界、34 上面、35 下面、36 中心位置、37 第一領域の代表温度を測定する位置、100 制御装置、100a 要素分割部、100b 温度計算部、100c エッジヒータ制御部、101 プロセッサ、104 受信装置、105 送信装置、106 ハードディスクドライブ、200 バス

Claims (12)

  1. 熱間圧延される鋼板の長手方向に対して垂直な断面を複数の矩形要素に分割すること、及び
    有限差分法を用いて前記矩形要素の各々の温度を計算すること、
    を含み、
    前記断面のエッジ部を含む領域である第一領域は、複数の前記矩形要素が板厚方向に並ぶとともに複数の前記矩形要素が板幅方向に並ぶように分割され、
    前記断面の中心を含み、前記第一領域より広い領域である第二領域は、複数の前記矩形要素が板厚方向に並ぶように分割され、前記板幅方向には分割されない温度計算方法。
  2. 前記第二領域に近い位置から前記鋼板の側面に近づくにつれて、前記第一領域の前記矩形要素の前記板幅方向の長さが小さくなる請求項1に記載の温度計算方法。
  3. 前記鋼板が水冷されるときの前記有限差分法の計算において、前記鋼板の上面を含む前記矩形要素の熱収支と前記鋼板の側面を含む前記矩形要素の熱収支とを計算する際に、前記上面の水冷による熱流束または熱伝達係数の値を用いて前記上面からの流出熱量を計算し、前記熱流束または前記熱伝達係数の値に、ゼロより大きく1より小さい調整係数を乗じた値を、前記側面の水冷による熱流束または熱伝達係数の値として用いて前記側面からの流出熱量を計算する請求項1または請求項2に記載の温度計算方法。
  4. 前記第一領域は、前記鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータの加熱領域を包含する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の温度計算方法。
  5. 前記鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータより下流側の位置において、前記第二領域の代表温度と、前記第一領域の代表温度との温度差を測定すること、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の温度計算方法を用いて、前記温度差を計算すること、及び
    前記温度差の測定値と、前記温度差の計算値と、前記温度差の目標値とに基づいて、前記エッジヒータの出力または加熱量を制御すること、
    を含む加熱制御方法。
  6. 前記測定値及び前記計算値に基づいて補正係数を学習すること、及び
    前記補正係数で前記計算値を補正すること、
    を含む請求項5に記載の加熱制御方法。
  7. 熱間圧延される鋼板の長手方向に対して垂直な断面を複数の矩形要素に分割する手段と、
    有限差分法を用いて前記矩形要素の各々の温度を計算する手段と、
    を備え、
    前記断面のエッジ部を含む領域である第一領域は、複数の前記矩形要素が板厚方向に並ぶとともに複数の前記矩形要素が板幅方向に並ぶように分割され、
    前記断面の中心を含み、前記第一領域より広い領域である第二領域は、複数の前記矩形要素が板厚方向に並ぶように分割され、前記板幅方向には分割されない温度計算装置。
  8. 前記第二領域に近い位置から前記鋼板の側面に近づくにつれて、前記第一領域の前記矩形要素の前記板幅方向の長さが小さくなる請求項7に記載の温度計算装置。
  9. 前記鋼板が水冷されるときの前記有限差分法の計算において、前記鋼板の上面を含む前記矩形要素の熱収支と前記鋼板の側面を含む前記矩形要素の熱収支とを計算する際に、前記上面の水冷による熱流束または熱伝達係数の値を用いて前記上面からの流出熱量を計算し、前記熱流束または前記熱伝達係数の値に、ゼロより大きく1より小さい調整係数を乗じた値を、前記側面の水冷による熱流束または熱伝達係数の値として用いて前記側面からの流出熱量を計算する請求項7または請求項8に記載の温度計算装置。
  10. 前記第一領域は、前記鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータの加熱領域を包含する請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の温度計算装置。
  11. 請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の温度計算装置と、
    前記鋼板のエッジ部を加熱するエッジヒータより下流側の位置において、前記第二領域の代表温度と、前記第一領域の代表温度との温度差を測定する手段と、
    前記温度計算装置を用いて、前記温度差を計算する手段と、
    前記温度差の測定値と、前記温度差の計算値と、前記温度差の目標値とに基づいて、前記エッジヒータの出力または加熱量を制御する手段と、
    を備える加熱制御装置。
  12. 前記測定値及び前記計算値に基づいて補正係数を学習する手段と、
    前記補正係数で前記計算値を補正する手段と、
    を備える請求項11に記載の加熱制御装置。
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