JP5741634B2 - 熱延鋼板の冷却制御方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延された熱延鋼板を冷却するに際して、500℃以下のコイラー巻取温度(以下、CTと称する)とする場合に、CTを高精度で冷却を終了させることが可能な熱延鋼板の冷却制御方法及び装置に関するものである。
熱延鋼板は、高温加熱したスラブが、目的とするサイズになるよう鋼板に圧延され、その後、材質調整などの観点からランナウトテーブルで水冷される。ここで行う水冷は、主に鋼板の析出物や変態組織を制御することにより、目的の強度、伸びなど材質を調整するために行われている。特に冷却終了温度を精度よく制御することは、目的の材質をバラツキ無く製造するために最も重要である。一方、水冷工程では冷却媒体としてコストが安い水を使うことが多い。これにより冷却終了温度が低くなると温度ムラの発生が問題となる。
温度ムラ発生の第一の原因として、冷却水は鋼板が被水した時点で沸騰するが、ある温度を境に沸騰形態が変わって伝熱能力の変化が起こり、この温度よりも低い温度まで冷却した場合、冷却終了温度を精度良く制御できないことがある。
ここで鋼板を水冷した場合の沸騰形態について説明する。鋼板表面温度が高い高温領域では膜沸騰、低温領域では核沸騰、高温領域と低温領域の間の中間温度領域では、膜沸騰と核沸騰が混在した遷移沸騰となっている。高温領域で存在する膜沸騰では、鋼板表面と冷却水の間に蒸気膜が発生し、この蒸気膜内の熱伝導により伝熱がなされる状態となり、冷却能力は低い。一方、低温領域で存在する核沸騰では、鋼板表面と冷却水が直接接触し且つ鋼板表面から冷却水の一部が蒸発して出来た蒸気泡が発生して直ぐ回りの冷却水により凝縮され消滅するといった複雑な現象が起こっており、蒸気泡の生成・消滅に伴う冷却水の攪拌が発生することから、極めて高い冷却能力を有する。なお、中間温度領域では、膜沸騰と核沸騰が混在した状態である遷移沸騰状態となる。この遷移沸騰状態では、核沸騰・膜沸騰と異なり、鋼板温度が低くなるにつれ熱流束が大きくなる現象が起こる。材質制御の観点から温度によって冷却速度が変化することは好ましくなく、且つ遷移沸騰状態の温度域で冷却を停止させようとすると、遷移沸騰領域では加速度的に冷却速度が変化することから、わずかに冷却制御時間が異なっただけで、鋼板温度は狙いより大きく外れてしまう問題がある。
また、冷却前の鋼板に局所的に温度の低い領域があった場合、冷却中に表面温度は、この温度の低い領域が早いタイミングで遷移沸騰に移行するため、冷却後の鋼板の温度偏差は増大する。一般的なランナウトテーブルに設置されている冷却装置では、この遷移沸騰開始温度がおおよそ500℃である。
次に第二の原因として、鋼板上の滞留水によるものがある。これは、通常のランナウトテーブルでは特に上面から冷却する場合、円筒ラミナーやスリットラミナーにより冷却するが、冷却水が鋼板に衝突した後、鋼板に乗ったまま鋼板とともに鋼板進行方向に流出していく。通常、水切りパージなどで排除するものの、冷却水を鋼板に衝突させた地点から離れたところで実施するため、そこまでは鋼板に水が乗っている部分だけ冷えてしまう。特に、500℃以下の低温度域まで冷却する場合、この滞留水により膜沸騰状態から遷移沸騰状態に変化するため冷却能力が大きく変化して、滞留水が乗っていた部位と乗っていなかった部位とで大きな温度偏差を生じる。以上の理由から、遷移沸騰開始温度である500℃以下で熱延鋼板を冷却終了させようとすると鋼板内の温度のバラツキが大きくなる。
また、近年、熱間圧延後の鋼板を急速冷却して、組織の微細化や変態組織を制御して、鋼板の強度や加工性を向上する技術が盛んである。その際、全長に亘って、温度変動、冷却ムラを抑制し、所定の巻取温度にすることが重要である。特に巻取温度は、鋼板全長に亘り±30℃程度以下にして材質を制御する必要があり、それに係る冷却制御技術が必要である。
そこで、従来からこれらの現象に対応するために様々な検討がなされている。
特許文献1では、ランナウトテーブル巻き取り前の後段に水量密度2000L/(min.・m2)以上で冷却する大流量密度急冷設備を設置し、温度バラつきの少ない鋼板を製造する。その冷却制御方法として後段冷却用に設置した大流量密度急冷設備の注水量を変化させることで、目標温度を達成するようにしている。
又、特許文献2では、ランナウトテーブル巻き取り前の後段に水量密度2m3/min/m2以上で冷却する大流量密度急冷設備を配置し、搬送速度変化、鋼板温度変化に対応するために、その冷却水量を調整し目標温度を達成するようにしている。
特開2008−110353号公報 特許第4938159号公報
最近では鋼板のCTが低い領域において、さらに高精度な冷却が必要とされる。
特許文献1および2では、冷却量の大きい大流量密度急冷設備で目標CTになるよう温度調整を行うとしているが、目標温度に到達しなかった場合には、大流量であるにもかかわらず、高精度の流量調整が必要であるため、冷却ムラ、温度変動が生じる場合がある。
これらを踏まえ本発明では、従来からある急冷設備による冷却制御方法に加えて、低CT材における高精度の冷却制御技術を提供する。
以上のことからCTが500℃以下の低温度域において冷却温度のバラツキをわずか(例えば±30℃以下)にするには、前段冷却設備では膜沸騰領域のみ冷却し、後段に急冷設備を適用して、遷移沸騰が発生しないように冷却することと、冷却装置の鋼板進行方向に滞留水が出て行かないようにする必要がある。また、精度良く鋼板全長に亘って±30℃以下、特に±15℃以下にするには適切なフィードバック、フィードフォワード制御が必要である。
そこで本発明は、熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段冷却設備に加えて、後段に水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備を設置し、この後段急冷設備の直前および直後に温度計を設置し、予め、後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して冷却を開始した後、後段急冷設備の注水量を保持したまま、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を前段冷却設備注水量の増減により調整することによって、前記課題を解決するものである。
ここで、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異は、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、後段急冷設備の入側温度が遷移沸騰領域に入る直前に、後段急冷設備注水量の増減により調整してもよい。
また、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、前段冷却設備注水量が上限になった場合に、後段急冷設備注水量の増減により調整してもよい。
本発明は、又、熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段冷却設備に加えて、後段に水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備を設置し、この後段急冷設備の直前および直後に温度計を設置し、予め後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して調整した後、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、次いで、残る差異を後段急冷設備注水量の増減により調整することによって、前記課題を解決するものである。
本発明は、又、熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段に設置された前段冷却設備と、ランナウトテーブル後段に設置された、水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備と、前記後段急冷設備の直前および直後に設置された温度計と、予め、後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して冷却を開始した後、後段急冷設備の注水量を保持したまま、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を前段冷却設備注水量の増減により調整する制御手段と、を備えたことを特徴とする熱延鋼板の冷却制御装置を提供するものである。
ここで、前記制御手段が、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、後段急冷設備の入側温度が遷移沸騰領域に入る直前に、後段急冷設備注水量の増減により調整することができる。
また、前記制御手段が、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、前段冷却設備注水量が上限になった場合に、後段急冷設備注水量の増減により調整することができる。
本発明は、又、熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段に設置された前段冷却設備と、ランナウトテーブル後段に設置された、水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備と、前記後段急冷設備の直前および直後に設置された温度計と、予め後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して調整した後、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、次いで、残る差異を後段急冷設備注水量の増減により調整する制御手段と、を備えたことを特徴とする熱延鋼板の冷却制御装置を提供するものである。
以上の如く、熱間仕上圧延後のランナウトテーブルに前段冷却設備と後段急冷設備を配置し、後段急冷設備の入出側に温度計を設置して、前段冷却設備では膜沸騰領域のみ冷却するために、後段急冷設備直前の熱延鋼板の温度を膜沸騰領域として本発明の冷却制御を行うことにより、CT目標に対して高精度の冷却が可能である。また、従来と比較して、本発明を適用することで冷却水温、気温、鋼板の加工発熱、変態発熱など変化しても精度の良いCTが達成可能であるので工業的価値が高い発明である。
本発明が適用される熱延設備の全体構成の模式図 図1のランナウトテーブル部分の拡大図 本発明に係る第1の冷却制御方法を示すフロー 本発明に係る第2の冷却制御方法を示すフロー 本発明に係る第3の冷却制御方法を示すフロー 第2の冷却制御方法による制御結果を示す図 従来方法による制御結果を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に、冷却ムラを抑制しCTを精度良くすることが可能な設備に関して模式化した一例を示す。図において、1は加熱炉、2は粗圧延機であり、仕上圧延機5の下流のランナウトテーブル6の前段に、前段冷却設備(本実施形態では一例として円筒ラミナー冷却設備)7を配置し、後段に水量密度2m3/(min.・m2)以上の後段急冷設備8を配置している。
図2に前段冷却設備7と後段急冷設備8付近の温度計の配置の拡大図を示す。前段冷却設備7と後段急冷設備8との間に急冷設備入側温度計9を配置し、後段急冷設備8の出側に急冷設備出側温度計10、さらにはCTを測定するためのCT温度計11を配置する。
操業方法は、次のように行う。所定温度(一般に1050℃〜1250℃)に加熱炉1内で加熱したスラブを粗圧延機2で粗圧延し、粗圧延したシートバーを仕上圧延機5で仕上圧延を行い、前段冷却設備7を用いて膜沸騰領域である550℃以上まで冷却を行い、後段急冷設備8を用いて遷移沸騰を抑制して、500℃以下まで冷却を行う。なお、シートバーコイラー(図示せず)や接合装置(図示せず)を使用してもよい。
次に、ランナウトテーブル6上での冷却制御方法の基本的な考えは次の通りである。
通常の冷却では約500℃を境に、これ以下の温度で遷移沸騰が開始して温度の低下とともに熱流束が大きくなる。また、伝熱特性としては冷却水量を多くしていくと、遷移沸騰開始温度および核沸騰を維持する温度が次第に高くなる。よって、余裕代も考慮して、鋼板温度が約550℃までは、通常のランナウト冷却を実施する。また、それ以下の温度域では冷却水量を多くして核沸騰領域で冷却すれば、冷却装置内において遷移沸騰を著しく抑制できて、冷却後の温度偏差の発生や冷却停止温度精度の低下を抑制することが可能となる。すなわち、前段冷却装置7は既存のランナウト冷却装置(例えば円筒ラミナー冷却設備)を利用して膜沸騰領域である550℃程度まで冷却し、後段冷却装置として特許文献1で示されるような核沸騰を確実に実施する後段急冷設備8を用いて水量密度2m3/(min.・m2)で冷却すれば遷移沸騰領域を回避して冷却が可能となる。
また、上記技術に合わせて、鋼板内での冷却制御方法が重要である。鋼板長手方向では仕上圧延後の鋼板形状、冷却水温、気温、鋼板の加工発熱、変態発熱などの影響により大きく温度が変化するので、精度良いCTとすることは重要である。
以下に本発明における冷却制御方法を示す。
第1の冷却制御方法のフローを図3に示す。予め、鋼板温度目標(仕上出側温度目標、CT目標)100と鋼板圧延情報(板幅・板厚、板速度)110の情報から、演算機Aを用いて、後段急冷設備8の入側温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるよう、前段冷却設備7での注水量120を演算し、さらに、目標CT(500℃以下)となるように後段急冷設備8の注水量130を演算し、固定保持する。その後、CT温度計11で実測したCTの目標CT(500℃以下)に対する差異を演算機Bで演算し、遷移沸騰にならず、急激な温度変化のない安定した膜沸騰領域となるように前段冷却設備7(例えば円筒ラミナー冷却設備)の注水量及び/又は注水区間の増減により調整することで、長手方向のコイル内に亘って精度が良好なCTを出すことができる。
第2の冷却制御方法のフローを図4に示す。第1の冷却制御方法と同様に、予め、鋼板温度目標(仕上出側温度目標、CT目標)100と鋼板圧延情報(板幅・板厚、板速度)110の情報から、演算機Aを用いて、後段急冷設備8の入側温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるよう、前段冷却設備7での注水量120を演算し、さらに、目標CT(500℃以下)となるように後段急冷設備8の注水量130を演算して一旦保持する。その後、CT温度計11で実測したCTの目標CT(500℃以下)に対する差異を演算機Bで演算し、急激な温度変化のない安定した膜沸騰領域となるように前段冷却設備7(例えば円筒ラミナー冷却設備)の注水量の増減により調整する。さらに、後段急冷設備8の入側温度が遷移沸騰領域に入る直前か否か(140)、また、前段冷却設備7の注水量が上限か否かを判定し(150)、遷移沸騰領域に入る直前か、注水量が上限になった場合、後段急冷設備8の注水量160の増減により遷移沸騰領域を抑制し核沸騰領域となるように調整することで、長手方向のコイル内に亘って精度の良好なCTとすることができる。なお、ここで記す遷移沸騰領域は、冷却水量等を考慮して、予め温度領域を計算等で求めておくか、実績データから設定してもよい。
第3の冷却制御方法のフローを図5に示す。予め、鋼板温度目標(仕上出側温度目標、CT目標)100と鋼板圧延情報(板幅・板厚、板速度)110の情報から、演算機Aを用いて、後段急冷設備8の入側温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるよう、前段冷却設備7での注水量120を演算し、さらに目標CT(500℃以下)となるように後段急冷設備8の注水量170を演算する。急冷設備入側温度計9の実測温度と後段急冷設備8の目標入側温度の差異を演算機Bで演算し、急激な温度変化のない安定した膜沸騰領域となるように前段冷却設備7(例えば円筒ラミナー冷却設備)の注水量120を増減させる。さらに、急冷設備出側温度計10の実測温度もしくはCT温度計11の実測CTと目標CTとの差異を演算機Cにて演算し、遷移沸騰領域を抑制し核沸騰領域となるように後段冷却設備8の注水量170を増減する。以上により長手方向のコイル内に亘って精度の良好なCTとすることができる。
本発明の実施例1に関して熱延鋼板の製造について説明する。厚み260mmのスラブを加熱炉1で1200℃まで加熱した後、粗圧延機2により35mmまで圧延し、さらに仕上圧延機5により3.2mmまで圧延し、仕上出側目標温度を850℃、目標CTは450℃とした。図4にフローを示す本発明の第2の冷却制御方法を用いた場合の結果の一例を図6に示し、比較例として図7に従来方法である急速冷却設備のみで冷却制御した場合のCTの鋼板長手方向の変化を示す。
本発明を適用した図6の場合には急冷設備入側温度計9にて鋼板温度が±20℃と変動が小さく、しかも、CTは目標の±10℃と温度がほぼ一定になっていることが分かる。一方、従来方法の図7の比較例では急冷設備入側温度計9にて鋼板温度が±40℃と変動しており、しかも、CTは大部分の領域が目標CTよりも低くなり、温度変動が目標の±30℃と本発明より大きかった。
本発明を行うことで、目標CTに対して精度が良好であり、鋼板長手方向においては温度変動が少ない良好な鋼板が得られることが明らかになった。
本発明の実施例2に関して、熱延鋼板の製造について説明する。厚み200mmのスラブを加熱炉1で1250℃まで加熱した後、粗圧延機2により20mmまで圧延し、さらに仕上圧延機5により1.4mmまで圧延し、仕上出側温度目標を780℃、目標CTは390℃とした。図5にフローを示す本発明の第3の冷却制御方法を用いて冷却制御し、比較例として従来方法である急速冷却設備のみで冷却制御した。
本発明を適用した場合には急冷設備入側温度計が±20℃の変動であり、CTは±10℃と温度がほぼ一定で良好であった。一方、従来方法では後段急速設備入側温度計が±50℃と変動し、CTも温度変動が±30℃と本発明より大きかった。
本発明の別の態様においても、目標CTに対して精度が良好であり、鋼板長手方向においては温度変動が少ない鋼板が得られることが明らかになった。
1…加熱炉
2…粗圧延機
5…仕上圧延機
6…ランナウトテーブル
7…前段冷却設備
8…後段急冷設備
9…急冷設備入側温度計
10…急冷設備出側温度計
11…コイラー巻取温度(CT)温度計

Claims (8)

  1. 熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段冷却設備に加えて、後段に水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備を設置し、この後段急冷設備の直前および直後に温度計を設置し、予め、後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して冷却を開始した後、後段急冷設備の注水量を保持したまま、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を前段冷却設備注水量の増減により調整することを特徴とする熱延鋼板の冷却制御方法。
  2. 前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、後段急冷設備の入側温度が遷移沸騰領域に入る直前に、後段急冷設備注水量の増減により調整することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の冷却制御方法。
  3. 前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、前段冷却設備注水量が上限になった場合に、後段急冷設備注水量の増減により調整することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼板の冷却制御方法。
  4. 熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段冷却設備に加えて、後段に水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備を設置し、この後段急冷設備の直前および直後に温度計を設置し、予め後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して調整した後、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、次いで、残る差異を後段急冷設備注水量の増減により調整することを特徴とする熱延鋼板の冷却制御方法。
  5. 熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段に設置された前段冷却設備と、
    ランナウトテーブル後段に設置された、水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備と、
    前記後段急冷設備の直前および直後に設置された温度計と、
    予め、後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して冷却を開始した後、後段急冷設備の注水量を保持したまま、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を前段冷却設備注水量の増減により調整する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする熱延鋼板の冷却制御装置。
  6. 前記制御手段が、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、後段急冷設備の入側温度が遷移沸騰領域に入る直前に、後段急冷設備注水量の増減により調整するようにされていることを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼板の冷却制御装置。
  7. 前記制御手段が、前記実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、まず前段冷却設備注水量の増減により調整し、前段冷却設備注水量が上限になった場合に、後段急冷設備注水量の増減により調整するようにされていることを特徴とする請求項5または6に記載の熱延鋼板の冷却制御装置。
  8. 熱間仕上圧延後のランナウトテーブル前段に設置された前段冷却設備と、
    ランナウトテーブル後段に設置された、水量密度2m3/(min.・m2)以上で冷却する後段急冷設備と、
    前記後段急冷設備の直前および直後に設置された温度計と、
    予め後段急冷設備直前の温度が膜沸騰領域の温度である550℃以上になるように、前段冷却設備の注水量を決定し、さらに、500℃以下の目標巻取温度となるように後段急冷設備の注水量を決定して調整した後、後段急冷設備直前の温度を550℃以上に維持しつつ、実測した巻取温度の目標巻取温度に対する差異を、まず、前段冷却設備注水量の増減により調整し、次いで、残る差異を後段急冷設備注水量の増減により調整する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする熱延鋼板の冷却制御装置。
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