JP6737339B2 - エッジヒータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延材の幅方向端部を加熱するエッジヒータのエッジヒータ制御装置に関する。
圧延ライン、特に熱間圧延ラインにおいて、エッジヒータは、圧延材の幅方向端部(板幅方向端部)を加熱するために使われる。幅方向端部は温度が低下しやすく、温度が低下すると強度や延性といった金属材料の材質が低下する。エッジヒータによる幅方向端部の加熱は、圧延材の板幅方向すべてに亘って均一な材質を得ることが目的である。また、ステンレスなどの材料では、幅方向端部の温度低下により、幅方向端部にクラックが生じ、圧延の安定性を阻害したり、製品が不良品になったりする場合もあるため、これを防ぐために、圧延材はエッジヒータにより加熱・昇温される。
熱間圧延において、差分法を用いて圧延材の板幅方向の温度分布を精度良く計算することを記載した特許文献として、特開2015−147216号公報(特許文献1)がある。特許文献1は、板幅中央部の温度計算値に基づいて、幅方向の温度分布を近似的に計算する温度分布予測装置を開示する。
日本特開2015−147216号公報
圧延材の幅方向端部の温度は、幅方向中央部に比して低下しやすく、材質が劣化しやすい。それを改善するため、圧延ラインにはエッジヒータが設置される。しかし、従来のエッジヒータでの加熱制御は、試行錯誤的に定めた電力で圧延材を加熱するものにすぎず、材質への影響が大きい圧延スタンド出側における圧延材の幅方向端部の温度低下を十分に抑制できるものではなかった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、圧延材がエッジヒータに到達する前に、圧延スタンド出側における圧延材の幅方向端部の温度条件を満たすために必要な、エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを決定できるエッジヒータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、指示値に応じた電気エネルギーの供給を受けて圧延材の幅方向端部を加熱するエッジヒータと、前記エッジヒータの下流側に少なくとも1つ設けられた圧延スタンドとを有する圧延ラインのためのエッジヒータ制御装置であって、
前記エッジヒータへ供給する電気エネルギーを示す仮値に基づいて、前記エッジヒータ出側における前記圧延材の幅方向温度分布(第1温度分布)を予測する第1温度分布予測部と、
前記第1温度分布に基づいて、前記圧延スタンド出側における前記圧延材の幅方向温度分布(第2温度分布)を予測する第2温度分布予測部と、
前記圧延材が前記エッジヒータへ到達する前に、前記第2温度分布の幅方向端部に関する温度条件を満たすために必要な、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値を算出する供給エネルギー算出部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧延材がエッジヒータに到達する前に、圧延スタンド出側における圧延材の幅方向端部の温度条件を満たすために必要な、エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを決定できる。そのため、本発明によれば、圧延スタンド出側における材質の低下を抑制することができる。
実施の形態1に係る圧延ラインのシステム構成を示す概略図である。 実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。 第1供給エネルギー算出部32および第2温度分布予測部34が実行するルーチンのフローチャートである。 第1供給エネルギー算出部32および第1温度分布予測部33が実行するルーチンのフローチャートである。 圧延材1の長手方向に垂直な断面を表す断面図である。 第2温度分布予測部34で圧延材1の温度を計算した一例を示すグラフである。 有限要素法による解析のためにメッシュを切った様子を示している。 エッジヒータ温度計算簡易モデル35の一例を示す図である。 実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。 実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3が実行するルーチンのフローチャートである。 エッジヒータ23に供給する電気エネルギーと第2温度分布の幅方向端部の温度の関係の一例を説明するためのグラフである。 エッジヒータ23に供給する電気エネルギーと第2温度分布の幅方向端部の温度の関係の一例を説明するためのグラフである。 エッジヒータ23に供給する電気エネルギーと幅方向端部の温度変化の関係の他の例を説明するためのグラフである。 実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。 実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3が実行するルーチンのフローチャートである。 各実施の形態に係るエッジヒータ制御装置3が有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
<圧延ラインのシステム構成>
図1は、実施の形態1に係る圧延ラインのシステム構成を示す概略図である。図1において、圧延材1は、圧延ライン2で加工される間に薄く延ばされ、幅も所望の値に制御される。説明をわかりやすくするため、圧延ライン2は、鉄鋼の熱間圧延ラインであるとする。圧延ライン2は、主な設備として、加熱炉21、粗圧延機22、エッジヒータ23、仕上圧延機24、冷却テーブル25、巻取機26を備える。
圧延材1は、加熱炉21を出たときは、例えば厚さ250mm、幅800〜2000mm、長さ5〜10mほどのスラブと呼ばれる直方体状に成形された鉄の塊である。スラブは加熱炉21で加熱され、約1200℃で加熱炉21から抽出される。粗圧延機22は1基から3基で構成されることが多く、順方向(上流から下流へ)、逆方向(下流から上流へ)で複数パス圧延する。粗圧延機22にエッジャと呼ばれる幅を調整する装置が付属することもある。
エッジヒータ23は、粗圧延機22と仕上圧延機24の間に設置され、圧延材1の幅方向端部を加熱するための装置である。なお、圧延材の先尾端を切り落とすクロップシア、圧延材の表面にできる酸化膜を高圧水で除去するスケールブレーカ、幅方向全部を加熱するバーヒータなどが、粗圧延機22と仕上圧延機24の間に設置されることもある。
エッジヒータ23の下流に設けられた仕上圧延機24は、複数の圧延スタンドを備え、上流から下流へ一方向の圧延を行い、圧延材1の板厚、板幅などのサイズに関する最終品質を決定づける。圧延材1の温度は、仕上圧延機24の出側では、約900℃である。圧延スタンドには圧延ロール、支持ロールなどの装置がある。上下の圧延ロールで圧延材1が圧延される。このとき、圧延材1の熱は圧延ロールや、圧延材1に直接噴射される冷却水により抜熱される。幅方向端部では、幅方向中央部よりも水や空気と触れる面積が大きいため、熱が逃げやすく、温度が下がりやすい。
冷却テーブル25は、圧延材1に注水して温度を下げる。巻取機26でコイル状に巻かれる前の温度は、特殊鋼など低い場合で200℃、普通鋼では、600℃前後である。
エッジヒータ23は、エッジヒータ制御装置3に接続している。エッジヒータ制御装置3は、粗圧延機22とエッジヒータ23との間に設けられたエッジヒータ入側温度計27、および、上位計算機5に接続している。
<実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置>
図2を用いて、実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置3の全体概要を説明する。図2は、実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。
実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置3は、データ取得部31、第1供給エネルギー算出部32、第1温度分布予測部33、第2温度分布予測部34を備える。
データ取得部31は、上位計算機5から圧延材1に関する各種データ(圧延材1の鋼種・厚み・搬送速度、仕上圧延機24の制御量、仕上圧延機24の最終圧延スタンド出側における圧延材1の幅方向端部の温度条件等)を取得する。また、データ取得部31は、エッジヒータ入側温度計27から、エッジヒータ23の入側における圧延材1の初期温度を取得する。
第1温度分布予測部33は、エッジヒータ23へ供給する電気エネルギーを示す仮値に基づいて、エッジヒータ出側における圧延材1の幅方向温度分布(以下、「第1温度分布」と記す)を予測する。
第2温度分布予測部34は、第1温度分布に基づいて、仕上圧延機24の最終圧延スタンド出側における圧延材1の幅方向温度分布(以下、「第2温度分布」と記す)を予測する。
エッジヒータ制御装置3は、圧延材1がエッジヒータ23へ到達する前に、第2温度分布の幅方向端部に関する温度条件を満たすために必要な、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値を算出する。
実施の形態1に係るシステムの目的は、仕上圧延機24の最終圧延スタンド出側における圧延材1の幅方向温度分布の幅方向端部の目標温度、すなわち第2温度分布の幅方向端部の目標温度が、温度条件として与えられた場合に、この目標温度を達成するために必要なエッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値を求めることである。
この目的を実現するために、実施の形態1に係る第1供給エネルギー算出部32は、圧延材1がエッジヒータ23へ到達する前に、以下の(1)〜(3)の処理を実行する。
(1)第1供給エネルギー算出部32は、上述した温度条件として、第2温度分布の幅方向端部における目標温度を取得する。この目標温度は、データ取得部31を介して上位計算機5から与えられる。また、圧延材1の板幅方向すべてに亘って均一な材質を得るため、目標温度には、第2温度分布の幅方向中央部に近い温度が設定される。なお、目標温度は幅方向端部の1点について設定されてよいし、複数点について設定されてもよい。また、代表値であってもよい。
(2)次に、第1供給エネルギー算出部32は、第2温度分布予測部34を用いて、第2温度分布の幅方向端部の温度が、(1)で取得した目標温度を満たすために必要な第1温度分布を算出する。
(3)その後、第1供給エネルギー算出部32は、第1温度分布予測部33を用いて、(2)で算出された第1温度分布を満たすために必要な、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値を算出する。
このとき、第2温度分布予測部34は、一般には、圧延材1の温度を上流側から下流側に向かって計算する。高精度の温度計算を行う場合は、差分法などを用いて、圧延材1を小さな部分に分け、その部分の熱の出入りを数式で記述する。この方法を使う場合、(2)において、第2温度分布から第1温度分布を、すなわち下流側から上流側に向かって温度分布を一気に計算することは不可能である。なお、簡便な温度モデルを用いれば、下流側から上流側に向かって一気に計算することは可能である場合もあるが、温度モデルの精度が保てないことが多い。
<第1温度分布の目標分布を算出する処理の流れ>
そこで、第1供給エネルギー算出部32は、以下の繰返し計算をして、エッジヒータ出側における圧延材1の幅方向温度分布(第1温度分布)の目標分布を算出する。図3を参照して、上記(2)の処理について説明する。
図3は、第1供給エネルギー算出部32および第2温度分布予測部34が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、圧延材1がエッジヒータ23に到達する前に実行される。
図3に示すルーチンでは、まずステップS100において、第1供給エネルギー算出部32は、第1温度分布の仮の目標分布を設定する。
次にステップS110において、第2温度分布予測部34は、ステップS100で設定した仮の目標分布に基づいて、後述する厚幅方向温度モデル36を用いて、仕上圧延機出側における圧延材1の幅方向温度分布(第2温度分布)を計算する。
次にステップS120において、第1供給エネルギー算出部32は、ステップS110により算出された第2温度分布に関して、第2温度分布の幅方向端部の温度が目標温度範囲内であるか否かを判定する。目標温度範囲は、上記(1)において取得した第2温度分布の幅方向端部の目標温度に、誤差範囲(±α)を加味した温度範囲である。
ステップS120における判定条件が成立しない場合は、ステップS100に戻り、第1供給エネルギー算出部32は、第1温度分布の仮の目標分布を適正な方向に少し変更する。具体的には、ステップS110により算出された第2温度分布の、幅方向端部の温度が目標温度範囲よりも低い場合には、仮の目標分布の次回値を前回値よりも高く設定する。一方、目標温度範囲よりも高い場合には、仮の目標分布の次回値を前回値よりも低く設定する。仮の目標分布は、ステップS120の判定処理が成立するまで繰り返し更新される。
ステップS120における判定条件が成立する場合は、次にステップS130の処理に進む。ステップS130において、第1供給エネルギー算出部32は、仮の目標分布を第1温度分布の目標分布に決定する。その後、図4に示すルーチンが実行される。
<エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを算出する処理の流れ>
上記(2)と同様に、上記(3)の計算においても、第1温度分布の目標分布からエッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを、下流側から上流側に向かって一気に計算することは不可能である。そこで、第1供給エネルギー算出部32は、以下の繰り返し計算をして、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを算出する。図4を参照して、上記(3)の処理について説明する。
図4は、第1供給エネルギー算出部32および第1温度分布予測部33が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、図3に示すルーチンの実行後、かつ、圧延材1がエッジヒータ23に到達する前に実行される。
図4に示すルーチンでは、まずステップS140において、第1供給エネルギー算出部32は、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す仮値を設定する。
次にステップS150において、第1温度分布予測部33は、ステップS140で設定した仮値に基づいて、後述するエッジヒータ温度計算簡易モデル35を用いて、第1温度分布を計算する。
次にステップS160において、第1供給エネルギー算出部32は、ステップS150により算出された第1温度分布が、上記(2)において決定した第1温度分布の目標分布に一致または十分に近づいているか否かを判定する。例えば、算出された第1温度分布の幅方向端部の温度が、第1温度分布の目標分布における幅方向端部の目標温度範囲内であるか否かを判定する。目標温度範囲は、第1温度分布の目標分布の幅方向端部の温度に誤差範囲(±β)を加味した温度範囲である。
ステップS160における判定条件が成立しない場合は、ステップS140に戻り、第1供給エネルギー算出部32は、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す仮値を適正な方向に少し変更する。具体的には、ステップS150において算出された第1温度分布の、幅方向端部の温度が目標温度範囲よりも低い場合には、仮値の次回値を前回値よりも高く設定する。一方、目標温度範囲よりも高い場合には、仮値の次回値を前回値よりも低く設定する。仮値は、ステップS160の判定処理が成立するまで繰り返し更新される。
ステップS160における判定条件が成立する場合は、次にステップS170の処理に進む。ステップS170において、第1供給エネルギー算出部32は、仮値をエッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値に決定する。
その後、エッジヒータ制御装置3は、エッジヒータ23に指示値と送信し、エッジヒータ23は指示値に応じた電気エネルギーの供給を受けて圧延材1の幅方向端部を加熱する。
なお、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを示す指示値は、電力値の他、電圧値、電流値などであってもよく、エッジヒータ23の入力に合わせるものとする。
<厚幅方向温度モデル>
次に、図5を参照して厚幅方向温度モデル36について説明する。図2に示すように、第2温度分布予測部34は、厚幅方向温度モデル36と連携して、温度計算を行う。
図5は、圧延材1の長手方向に垂直な断面を表す断面図である。厚幅方向温度モデル36は、圧延材1の長手方向に垂直な断面の厚み方向および幅方向の温度分布を、材内部の熱伝導および材表面と外界との熱伝達を鑑みた差分法を用いて定めたモデルである。図5に示すように断面は、複数の矩形要素に分割されている。図5中の黒点は、差分法で温度を計算するポイントを示しノードと称する。ノード間での熱伝導、およびノードと外界(空気や水)との熱伝達は以下の数式で記述され、これらに基づいて温度の変化が計算される。
上述した熱伝導とは、鋼板内部における熱の移動を表し、(1)式で表される。
Figure 0006737339
(1)式は、圧延ロールと圧延材1との間の熱の移動の記述にも使用される。
また、上述した熱伝達は、鋼板と外界との熱の移動を表し、放射による熱伝達、空冷対流による熱伝達、水冷対流による熱伝達がある。
放射による熱伝達は、(2)式で表される。以下、熱流が負である場合、ノードから熱が奪われることを示す。
Figure 0006737339
空冷対流による熱伝達は、(3)式で表される。
Figure 0006737339
水冷対流による熱伝達は、(4)式で表される。
Figure 0006737339
圧延材1の温度に影響する要素として、上下の圧延ロールによって加工されるときに発生する加工発熱、圧延ロールと圧延材の間の摩擦による発熱などがあるので、これらの要素も考慮すべきである。
1つのノードについて全ての熱流を記述し、次の(5)式でノードNo.iの温度の変化ΔTを計算する。
Figure 0006737339
第2温度分布予測部34は、上述した熱流の計算および熱流を用いた温度の計算を、エッジヒータ23から仕上圧延機24の出側まで繰り返す。
図6は、第2温度分布予測部34で圧延材1の温度を計算した一例を示すグラフである。エッジヒータ23よりも下流かつ仕上圧延機24の入側にある温度計FETから、仕上圧延機24の出側にある温度計FDTまでの圧延材1の温度変化を示す。エッジヒータ23で幅方向端部を加熱し、FETの位置では幅方向端部の温度が上昇している。FDTの位置でも幅方向端部の温度降下は、エッジヒータ23で加熱しない場合よりも抑えられている。
<エッジヒータ温度計算簡易モデル>
次に、図7、図8を用いて、エッジヒータ温度計算簡易モデル35について説明する。図2に示すように、第1温度分布予測部33は、エッジヒータ温度計算簡易モデル35と連携して、上位計算機5およびエッジヒータ入側温度計27から取得した圧延材1に関する各種データやエッジヒータ23に供給する電気エネルギーに基づいて、エッジヒータ出側における圧延材1の幅方向温度分布(第1温度分布)を算出する。
エッジヒータ23は、誘導加熱により圧延材1を加熱する。エッジヒータ23により発生した磁界の影響を受けて、圧延材1の幅方向端部に電流が流れると、圧延材1は発熱する。このため、モデル化のためには、エッジヒータ23で発生する磁界の解析と、磁界の影響を受けて圧延材1に電流が流れることにより発生する熱の解析が必要になる。電磁界解析と熱伝導解析には、一般に、有限要素法が適用されるが、その解析には非常に長い時間がかかる。図7は、有限要素法による解析のためにメッシュを切った様子を示している。解析時間を短縮するためには、有限要素法による電磁界解析と熱伝導解析の結果(オフラインで構築された詳細モデル)を簡易化したモデルで表し、オンラインの制御等に利用することが必要である。
図8は、エッジヒータ温度計算簡易モデル35の一例を示す図である。図8は、図7の解析結果を簡易化したもので、例えば、エッジヒータ23に任意の電力を与えたときの、圧延材1の初期温度および厚みに応じた、幅方向端部の昇温量を表している。図8には、圧延材1の厚みが薄いほど幅方向端部の昇温量が大きく、圧延材1の初期温度が低いほど幅方向端部の昇温量が大きい関係が表わされている。実際には、圧延材1の鋼種、搬送速度などもパラメータとして考慮しなければならないので、簡易モデルの全てのパラメータを3次元のグラフで表すことはできない。エッジヒータ温度計算簡易モデル35は、いくつかの2次元(平面)を組み合わせたモデルで表すことができる。
具体的には、エッジヒータ温度計算簡易モデル35は、エッジヒータ23へ供給する電気エネルギー、エッジヒータ入側における圧延材1の初期温度、板厚、鋼種、搬送速度を含む入力パラメータと、エッジヒータ23に加熱される圧延材1の昇温量を示す出力パラメータとを関連付けたモデルである。このモデルは、例えば数式やマップで定められた簡易モデルである。簡易モデルを予め用意しておき、オンラインでの計算に用いることで、制御時の計算時間を大幅に短縮できる。
<効果>
以上説明したように、実施の形態1に係るエッジヒータ制御装置3によれば、圧延材がエッジヒータに到達する前に、仕上圧延機24の出側における圧延材1の幅方向端部の目標温度を満たすために必要な、エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを決定できる。材質に大きな影響を与える仕上圧延機24の出側において、圧延材1の幅方向端部の温度を適切に制御できるため、材質の低下を抑制することができる。
<変形例>
ところで、上述した実施の形態1のシステムでは、エッジヒータ入側温度計27が設置されているが、エッジヒータ入側温度計27が設置されていない場合もある。エッジヒータ入側温度計27が設置されていない場合は、粗圧延機22の制御のために算出する圧延材1の温度予測値を用いてエッジヒータ入側温度を予測することができる。上述したエッジヒータ23の入側における圧延材1の初期温度は、この予測温度で代用される。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。
実施の形態2.
次に、図9〜図13を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは図1および図9に示す構成において、エッジヒータ制御装置3に後述する図10のルーチンを実行させることで実現することができる。
上述した実施の形態1では、温度条件として、仕上圧延機24の出側における圧延材1の幅方向温度分布(第2温度分布)の幅方向端部の目標温度が与えられることを前提とした。しかしながら、全ての圧延材1に対して、その目標温度が与えられるとは限らない。例えば、高級鋼板の圧延ではその目標温度が与えられるものの、普通鋼では与えられない場合もある。そこで、実施の形態2では、目標温度が与えられない場合に、エッジヒータ23で消費するエネルギーを効率的に使用するように、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを示す指令値を決定する。
<実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置>
図9を用いて、実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3の全体概要を説明する。図9は、実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。
実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3は、実施の形態1で説明したデータ取得部31、第1温度分布予測部33、第2温度分布予測部34に加えて、第2供給エネルギー算出部37、加熱モード選択部38、第1加熱モード計算部39、第2加熱モード計算部40を備える。
第2供給エネルギー算出部37は、第1温度分布予測部33および第2温度分布予測部34を用いて、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを示す仮値と、該仮値に応じた第2温度分布の幅方向端部の予測温度との関係を算出する。さらに、第2供給エネルギー算出部37は、第1加熱モード計算部39または第2加熱モード計算部40により算出された仮値を、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値とする。
以下、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを示す仮値を、単に「仮値」とも記し、仮値に応じた第2温度分布の幅方向端部の予測温度を、単に「予測温度」とも記す。
加熱モード選択部38は、データ取得部31により取得された鋼種を含むデータに基づいて、第1加熱モードと第2加熱モードのいずれか一方を選択する。
第1加熱モード計算部39は、第1加熱モードが選択された場合に、第2供給エネルギー算出部37により算出された関係に基づいて、予測温度が最大となる仮値を算出する。
第2加熱モード計算部40は、第2加熱モードが選択された場合に、第2供給エネルギー算出部37により算出された関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、その中で予測温度が最大となる仮値を算出する。
<実施の形態2における処理の流れ>
図10〜図13を参照して、第2圧延分布の目標温度が与えられない場合に、実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3が実行するエネルギー効率を考慮した処理について説明する。
図10は、実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、圧延材1がエッジヒータ23に到達する前に実行される。
図10に示すルーチンでは、まずステップS200において、データ取得部31は、圧延材1に関する各種データ(圧延材1の鋼種・厚み・搬送速度、仕上圧延機24の制御量、第2温度分布の幅方向端部の温度条件、エッジヒータ入側における圧延材1の初期温度等)を取得する。
次にステップS205において、第2供給エネルギー算出部37は、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーの仮値をN個(N>2)決める。実施の形態2では、第2供給エネルギー算出部37は、第1温度分布予測部33および第2温度分布予測部34を用いて、電気エネルギーの仮値に応じた第2温度分布を計算する処理をN回繰り返す(ステップS210〜S225)。
ステップS210において、第2供給エネルギー算出部37は、繰り返し回数のカウンタi(初期値0)をインクリメントする。第i番目の電気エネルギーを示す仮値が設定される。
ステップS215において、第2供給エネルギー算出部37は、第1温度分布予測部33を用いて、第i番目の電気エネルギーを示す仮値に基づいて第1温度分布を予測する。
ステップS220において、第2供給エネルギー算出部37は、第2温度分布予測部34を用いて、第1温度分布に基づいて第2温度分布を予測する。
ステップS225において、第2供給エネルギー算出部37は、カウンタiがN以上であるか否かを判定する。カウンタiがN未満である場合には、ステップS210の処理に戻る。カウンタiがN以上である場合には、ステップS230の処理に進む。
ステップS230において、第2供給エネルギー算出部37は、N個の仮値と、各仮値に応じた第2温度分布の幅方向端部の予測温度との関係を算出する。具体的には、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを示す仮値を横軸(X軸)、第2温度分布の幅方向端部の予測温度を縦軸(Y軸)とする直交座標系に、仮値と予測温度との組み合わせで表す点をプロットする。
図11は、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーと第2温度分布の幅方向端部の温度の関係の一例を説明するためのグラフである。図11に示す例では、6点(N=6)において計算し、各プロット点に番号1〜6を付している。計算点j(1〜6)におけるエッジヒータに供給する電気エネルギーをEjで表す。エッジヒータ23に供給する電気エネルギー(仮値)と第2温度分布の幅方向端部の温度(予測温度)との関係は、図11に示すように、仮値が大きくなるほど予測温度の上昇率が低下する曲線(一例として、上に凸の曲線)で表わされる。
図10に戻り説明を続ける。ステップS235において、加熱モード選択部38は、鋼種を含むデータに基づいて、第1加熱モードと第2加熱モードのいずれか一方を選択する。第1加熱モードが選択された場合には、ステップS240の処理に進み、第2加熱モードが選択された場合には、ステップS245の処理に進む。
ステップS240において、第1加熱モード計算部39は、ステップS230により算出された関係に基づいて、予測温度が最大となる仮値を算出する。その後、ステップS250において、第2供給エネルギー算出部37は、ステップS240において算出された電気エネルギーの仮値を、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値として決定する。
図11に示す例では、計算結果のうち、仕上圧延機出側における幅方向端部の温度が最も高くなる温度条件、すなわち点5の温度条件を採用する。このとき図11中の電気エネルギーを示す値はE5である。第1加熱モードによれば、エネルギー効率が高い電気エネルギーを選択して、仕上圧延機出側における幅方向端部の温度を高く維持できる。
図10に戻り説明を続ける。ステップS245において、第2加熱モード計算部40は、ステップS230により算出された関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、その中で予測温度が最大となる仮値を算出する。その後、ステップS250において、第2供給エネルギー算出部37は、ステップS245において算出された電気エネルギーの仮値を、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値として決定する。
図12を参照して、ステップS250における第2加熱モードの処理について具体的に説明する。エッジヒータ23のエネルギー効率を、エッジヒータが供給する単位エネルギーあたりの仕上圧延機出側における幅方向端部の上昇温度、と定義する。図12において、各計算点を結んだときの各計算点における傾きが、エッジヒータ23のエネルギー効率となり、点2、3、4、5の順で、エネルギー効率は小さくなる。この場合、計算点2における傾きが最も大きくなり、効率は良いが、温度上昇が十分ではない。そのため、エッジヒータ23のエネルギー効率が一定値以上で、かつ、仕上圧延機出側における幅方向端部の温度が最も高くなる点における電気エネルギーをエッジヒータ23に供給する。この一定値は、エッジヒータ23の下流側に位置する圧延機の台数や鋼板の水冷装置の有無にも影響されるので、プラント毎に決めるべき数値である。
図11および図12において、計算点の数としては、計算機の能力に応じて点数を決めることができる。つまり、計算点数が多いと、計算機負荷が大きくなるため、計算精度を損なわない程度の点数とする。計算点が図6のように数点である場合は、点と点を直線や高次曲線で結び近似し、点と点の間の値を補間することで、上述した例のように各点におけるとびとびのエネルギーだけではなく、連続してエネルギーを求めることもできる。
図11および図12に示すように上に凸の曲線になる理由は、圧延材1を加熱し温度が上昇すると、熱の放射や空冷・水冷熱伝達の効果が高まり、冷えやすくなることがあるためである。これは前述の(2)〜(4)式に基づく。(2)〜(4)式によれば、圧延材1から奪われる熱流は、圧延材1の温度と、圧延材1の周囲の温度との差が大きい時に、大きくなる。特に(2)式で表される放射による熱伝達では、圧延材1の温度の4乗と圧延材の周囲の温度の4乗との差を含むため、圧延材1の温度が高い領域では、放射による熱の放散が空冷対流の影響より大きい。つまり圧延材1の温度を高くすると、放射による抜熱の効果が大きくなり、エッジヒータ23から、より多くのエネルギーを与えても圧延材1の温度が下がる場合がある。もちろん常に上に凸の曲線になるとは限らないが、少なくとも、高温になるにつれ、温度上昇が鈍る曲線となる。
また、仕上圧延機出側における幅方向端部の温度に上限温度(温度上限値)や下限温度(温度下限値)などの制約が設けられている場合は、その制約の範囲内で、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーを留める。
具体的には、第1加熱モードが選択された場合には、ステップS240において、第1加熱モード計算部39は、ステップS230において算出された関係に基づいて、予測温度が上限温度となる複数の仮値のうち最小の仮値を算出する。また、第2加熱モードが選択された場合には、第1加熱モード計算部39は、ステップS230において算出された関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、予測温度が上限温度と下限温度との間に含まれる仮値を算出する。
図13は、エッジヒータ23に供給する電気エネルギーと幅方向端部の温度変化の関係の他の例を説明するためのグラフである。図13において、第1加熱モードが選択された場合、上限値を超えない点の横軸座標はE4とE6とがあるが、供給するエネルギー小さい、E4が横軸座標である点を選び、E4という仮値が示す電気エネルギーをエッジヒータに供給する。また、図13において、第2加熱モードが選択された場合は、設定された上下限値内に入るエネルギーをエッジヒータに供給する。
<効果>
以上説明したように、実施の形態2に係るエッジヒータ制御装置3によれば、仕上圧延機出側における圧延材1の幅方向端部の温度上昇を、エッジヒータ23で消費するエネルギーの最適な点で制御することができる。
実施の形態3.
次に、図14および図15を参照して実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは図1及び図14に示す構成において、エッジヒータ制御装置3に後述する図15のルーチンを実行させることで実現することができる。
実施の形態1では、温度条件として第2温度分布の幅方向端部の目標温度が与えられたケースについて説明した。一方、実施の形態2では、目標温度が与えられていないケースについて説明した。実施の形態3では、目標温度の有無に応じて、実施の形態1の処理と実施の形態2の処理とを選択して実行することを目的とする。
<実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置>
図14は、実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3の機能ブロック図である。実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3は、実施の形態1で説明したデータ取得部31、第1温度分布予測部33、第2温度分布予測部34、および実施の形態2で説明した第2供給エネルギー算出部37、加熱モード選択部38、第1加熱モード計算部39、第2加熱モード計算部40に加えて、圧延モード選択部41を備える。
圧延モード選択部41は、温度条件として第2温度分布の幅方向端部の目標温度が与えられている場合に第1圧延モードを選択し、前記目標温度が与えられていない場合に第2圧延モードを選択する。第1圧延モードが選択された場合には、実施の形態1で説明した第1供給エネルギー算出部32により、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値が算出される。また、第2圧延モードが選択された場合には、実施の形態2で説明した第2供給エネルギー算出部37により、第1加熱モード計算部39または第2加熱モード計算部40により算出された仮値を、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値とする。
<実施の形態3における処理の流れ>
図15は、実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、圧延材1がエッジヒータ23に到達する前に実行される。
15に示すルーチンでは、まずステップS300において、データ取得部31は、圧延材1に関する各種データ(圧延材1の鋼種・厚み・搬送速度、仕上圧延機24の制御量、第2温度分布の幅方向端部の温度条件、エッジヒータ入側における圧延材1の初期温度等)を取得する。

次にステップS310において、圧延モード選択部41は、圧延モードを選択する。温度条件として第2温度分布の幅方向端部の目標温度が与えられている場合には、第1圧延モードが選択される。また、目標温度が与えられていない場合には、第2圧延モードが選択される。目標温度は、圧延材1の鋼種に応じて設定されている。例えば目標温度は、普通鋼については設定されていないことも多い。
第1モードが選択された場合には、ステップS320において、実施の形態1で説明した第1供給エネルギー算出部32により、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値が算出される。処理内容の説明は実施の形態1と同様であるため省略する。
第2モードが選択された場合には、ステップS330において、実施の形態2で説明した第2供給エネルギー算出部37により、第1加熱モード計算部39または第2加熱モード計算部40により算出された仮値を、エッジヒータ23に供給すべき電気エネルギーを示す指示値とする。処理内容の説明は実施の形態2と同様であるため省略する。
<効果>
以上説明したように、実施の形態3に係るエッジヒータ制御装置3によれば、第2温度分布の幅方向端部の目標温度の有無に応じて、実施の形態1の処理と実施の形態2の処理とを選択して実行できる。これにより、制御性能の点からも消費エネルギーの点からも、エッジヒータ23を最適に運転することが可能となる。
なお、本発明の適用範囲は、上述した各実施の形態で示した対象に限定されるものではない。
<ハードウェア構成例>
図16は、各実施の形態に係るエッジヒータ制御装置3が有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2、図9、図14に示すエッジヒータ制御装置3の各部は、制御装置が有する機能の一部を示し、各機能は処理回路により実現される。例えば、処理回路は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェース104、システムバス105、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109を備えたコンピュータである。
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM102は、コンピュータに各機能を実現させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM103は、CPU101が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する主記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース104は、各種のハードウェアとシステムバス105との接続を仲介する装置である。システムバス105は、CPU101、ROM102、RAM103および入出力インターフェース104で共有される情報伝達路である。
また、入出力インターフェース104には、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109などのハードウェアが接続されている。入力装置106は、ユーザからの入力を処理する装置である。表示装置107は、システムの状態等を表示する装置である。ストレージ108は、プログラムやデータを蓄積する大容量の補助記憶装置であり、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリなどである。通信装置109は、有線又は無線で外部装置(上位計算機5、エッジヒータ入側温度計27)とデータ通信可能な装置である。
1 圧延材
2 圧延ライン
3 エッジヒータ制御装置
5 上位計算機
21 加熱炉
22 粗圧延機
23 エッジヒータ
24 仕上圧延機
25 冷却テーブル
26 巻取機
27 エッジヒータ入側温度計
31 データ取得部
32 第1供給エネルギー算出部
33 第1温度分布予測部
34 第2温度分布予測部
35 エッジヒータ温度計算簡易モデル
36 厚幅方向温度モデル
37 第2供給エネルギー算出部
38 加熱モード選択部
39 第1加熱モード計算部
40 第2加熱モード計算部
41 圧延モード選択部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 入出力インターフェース
105 システムバス
106 入力装置
107 表示装置
108 ストレージ
109 通信装置

Claims (5)

  1. 指示値に応じた電気エネルギーの供給を受けて圧延材の幅方向端部を加熱するエッジヒータと、前記エッジヒータの下流に少なくとも1つ設けられた圧延スタンドとを有する圧延ラインのためのエッジヒータ制御装置であって、
    前記エッジヒータへ供給する電気エネルギーを示す仮値に基づいて、前記エッジヒータ出側における前記圧延材の幅方向温度分布(第1温度分布)を予測する第1温度分布予測部と、
    前記第1温度分布に基づいて、前記圧延スタンド出側における前記圧延材の幅方向温度分布(第2温度分布)を予測する第2温度分布予測部と、
    前記圧延材が前記エッジヒータへ到達する前に、前記第2温度分布の幅方向端部に関する温度条件を満たすために必要な、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値を算出する供給エネルギー算出部と、を備え
    前記第1温度分布予測部は、前記エッジヒータへ供給する電気エネルギー、前記エッジヒータ入側における前記圧延材の初期温度、板厚、鋼種、搬送速度を含む入力パラメータと、前記エッジヒータに加熱される前記圧延材の昇温量を示す出力パラメータとを関連付けたエッジヒータ温度計算簡易モデルを用いて、前記第1温度分布を予測し、
    前記第2温度分布予測部は、前記圧延材の長手方向に垂直な断面の厚み方向および幅方向の温度分布を、材内部の熱伝導および材表面と外界との熱伝達を鑑みた差分法を用いて定めた厚幅方向温度モデルを用いて、前記第1温度分布に基づいて前記第2温度分布を予測すること、
    を特徴とするエッジヒータ制御装置。
  2. 前記供給エネルギー算出部は、
    前記温度条件が前記第2温度分布の幅方向端部の目標温度である場合に、前記第2温度分布予測部を用いて、前記第2温度分布の幅方向端部の温度が前記目標温度を満たすために必要な前記第1温度分布を算出し、その後、前記第1温度分布予測部を用いて、算出された前記第1温度分布を満たすために必要な、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値を算出する第1供給エネルギー算出部、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のエッジヒータ制御装置。
  3. 前記供給エネルギー算出部は、
    前記第1温度分布予測部および前記第2温度分布予測部を用いて、前記エッジヒータに供給する電気エネルギーを示す仮値と、該仮値に応じた前記第2温度分布の幅方向端部の予測温度との関係を算出する第2供給エネルギー算出部と、
    第1加熱モードと第2加熱モードのいずれか一方を選択する加熱モード選択部と、
    前記第1加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、予測温度が最大となる仮値を算出する第1加熱モード計算部と、
    前記第2加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、その中で予測温度が最大となる仮値を算出する第2加熱モード計算部と、を備え、
    前記第2供給エネルギー算出部は、さらに前記第1加熱モード計算部または前記第2加熱モード計算部により算出された仮値を、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値とすること、
    を特徴とする請求項1記載のエッジヒータ制御装置。
  4. 前記温度条件は、前記圧延スタンド出側における前記圧延材の幅方向端部の上限温度および下限温度を含み、
    前記第1加熱モード計算部は、前記第1加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、予測温度が前記上限温度となる複数の仮値のうち最小の仮値を算出し、
    前記第2加熱モード計算部は、前記第2加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、予測温度が前記上限温度と前記下限温度との間に含まれる仮値を算出すること、
    を特徴とする請求項記載のエッジヒータ制御装置。
  5. 前記供給エネルギー算出部は、
    前記第1温度分布予測部および前記第2温度分布予測部を用いて、前記エッジヒータに供給する電気エネルギーを示す仮値と、該仮値に応じた前記第2温度分布の幅方向端部の予測温度との関係を算出する第2供給エネルギー算出部と、
    第1加熱モードと第2加熱モードのいずれか一方を選択する加熱モード選択部と、
    前記第1加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、予測温度が最大となる仮値を算出する第1加熱モード計算部と、
    前記第2加熱モードが選択された場合に、前記関係に基づいて、仮値の上昇に応じた予測温度の温度上昇率が所定の正値以上であり、かつ、その中で予測温度が最大となる仮値を算出する第2加熱モード計算部と、
    前記温度条件として前記目標温度が与えられている場合に第1圧延モードを選択し、前記目標温度が与えられていない場合に第2圧延モードを選択する圧延モード選択部と、を備え、
    前記第1供給エネルギー算出部は、前記第1圧延モードが選択された場合に、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値を算出し、
    前記第2供給エネルギー算出部は、前記第2圧延モードが選択された場合に、前記第1加熱モード計算部または前記第2加熱モード計算部により算出された仮値を、前記エッジヒータに供給すべき電気エネルギーを示す前記指示値とすること、
    を特徴とする請求項記載のエッジヒータ制御装置。
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