JP5636714B2 - 巻取温度制御装置及び巻取温度制御方法 - Google Patents

巻取温度制御装置及び巻取温度制御方法 Download PDF

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本発明は、鋼板の巻取温度を目標巻取温度に制御する巻取温度制御装置及び巻取温度制御方法に関するものである。
鋼板の熱間圧延工程では、仕上げ圧延機を通過した鋼板は、所望の材質を得るために予め定められた目標巻取温度を実現するように、鋼板の搬送方向に複数の水冷設備が配置された水冷区間において水冷される。この際、水冷設備の動作を制御する制御装置が、仕上げ圧延機の出側に設置された出側温度計と巻取装置の入側に設置された巻取温度計とを用いて、鋼板の巻取温度が目標巻取温度になるように各水冷設備の設定(使用又は不使用)を決定する(特許文献1〜3参照)。
具体的には、始めに、制御装置は、鋼板の先端部が仕上げ圧延機を通過する前の段階で、仕上げ圧延機の出側における鋼板の板厚、通過速度、及び温度それぞれの設定値と目標巻取温度とに基づいて、水冷区間内における鋼板の温度履歴を予測する温度予測モデルを用いて各水冷設備の設定を決定する。次に、制御装置は、決定した設定情報に基づいて鋼板の巻取温度を予測し、予測された温度と目標巻取温度との差が許容範囲内に収まるか否かを判定する。そして、許容範囲内に収まらない場合、制御装置は、許容範囲内に収まるまで水冷設備の設定の修正を繰り返す。このようにして、鋼板の巻取温度を目標巻取温度まで水冷するための水冷設備の設定が決定される(設定計算)。
次に、鋼板の先端部が仕上げ圧延機を通過して水冷区間に搬送されてくると、制御装置は、出側温度計によって計測された鋼板の実績温度に基づいて水冷設備の設定を修正し、各水冷設備の設定を決定する。なお、この際、鋼板の実績温度が鋼板の長手方向によって異なるため、制御装置は、鋼板の長手方向を仮想的な制御単位に分割し、制御単位毎に実績温度を管理して水冷設備の設定を決定する(フィードフォワード制御)。
次に、鋼板の先端部が巻取温度計を通過した段階で、制御装置は、巻取温度計によって計測された実績温度と目標巻取温度との差が許容範囲内に収まっているか否かを判別する。そして、許容範囲内に収まっていない場合、制御装置は、許容範囲内に収まるように水冷設備の設定を修正し、修正された設定に基づいて計算された巻取温度と目標巻取温度との差が許容範囲内に収まるか否かを判別する。許容範囲内に収まらない場合、制御装置は、水冷設備の設定を再修正し、許容範囲内に収まるまで水冷設備の設定の修正を繰り返す。これにより、鋼板の巻取温度を目標巻取温度まで水冷するための水冷設備の設定が修正される(フィードバック制御)。
以上のように、鋼板の巻取温度を目標巻取温度に制御する際には、制御装置は、温度予測モデルを利用して水冷設備の設定を決定する。このため、温度予測モデルの精度が悪いと、水冷設備の設定計算やフィードバック制御の精度が悪くなり、鋼板の巻取温度を目標巻取温度に制御することが困難になる。そこで、制御装置は、過去の実績データから温度予測モデルの補正係数を算出し、水冷設備の設定を決定する際には、この補正係数によって温度予測モデルを補正する。具体的には、補正係数は、学習係数と呼ばれ、鋼板の厚み、幅、仕上げ圧延機の出側における鋼板の目標温度(目標仕上げ温度)、巻取装置の入側における鋼板の目標温度(目標巻取温度)、及び鋼種成分等の複数のパラメータで分類された数値テーブル形式で保存されている。そして、制御装置は、この数値テーブルから操業条件に対応する学習係数を読み出し、読み出された学習係数を用いて水冷設備の設定を決定する。
特開2003−25008号公報 特許第3170375号公報 特開平9−267113号公報
しかしながら、学習係数が、鋼板の厚み、幅、温度等の複数のパラメータで分類されたテーブル形式で保存されていると、温度予測モデルの精度は、パラメータの分類の仕方、換言すれば、テーブルの設定の仕方に依存してしまう。具体的には、多数のパラメータで分類することによってテーブルを細かく設定した場合、テーブル内にデータがなかなか蓄積せず、温度予測モデルの精度の向上が図れなくなる。また、テーブルの数が膨大になるために利用するテーブルを決定、調整する際に過大な負荷がかかってしまう。一方、少数のパラメータで分類することによってテーブルを粗く設定した場合には、一つのテーブルの中に様々な操業条件のデータが含まれることになるために、一つのテーブル内における学習係数のばらつきが大きくなる。
このように、学習係数をテーブル形式で保存した場合、テーブルの設定の仕方によって温度予測モデルの精度、つまり巻取温度制御の精度が規定される。また、利用するテーブルを決定、調整する際にも大きな負荷がかかることになる。特に、鋼板の先端部が巻取装置の出側に設置された温度計に到達するまでの間は、制御装置は、フィードバック制御によって鋼板の巻取温度を制御することができないので、温度予測モデルの精度を向上させることは大変重要である。このため、テーブルを決定、調整するための負荷を軽減すると共に、テーブルの設定の仕方によって生じる巻取温度制御の誤差を低減可能な巻取温度制御装置及び巻取温度制御方法の提供が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、学習係数テーブルを決定、調整するための負荷を軽減すると共に、学習係数テーブルの設定の仕方によって生じる巻取温度制御の誤差を低減可能な巻取温度制御装置及び巻取温度制御装置を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る巻取温度制御装置は、圧延機と巻取装置との間に設けられた冷却設備の運転/停止を制御することによって、圧延機から巻取装置に搬送される鋼板の温度を所定の目標巻取温度に制御する巻取温度制御装置であって、過去の操業条件データと巻取装置の入側における鋼板の温度を予測するための温度予測モデルの学習係数との関係を記憶する学習係数テーブルと、巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データと学習係数テーブルに記憶されている過去の操業条件データとの距離に基づいて、巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された学習係数を用いて温度予測モデルを補正し、補正された温度予測モデルを用いて巻取装置の入側における鋼板の温度を予測する予測手段と、予測手段の予測結果に基づいて冷却設備の運転/停止を制御する制御手段とを備える。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る巻取温度制御方法は、圧延機と巻取装置との間に設けられた冷却設備の運転/停止を制御することによって、圧延機から巻取装置に搬送される鋼板の温度を所定の目標巻取温度に制御する巻取温度制御方法であって、過去の操業条件データと巻取装置の入側における鋼板の温度を予測するための温度予測モデルの学習係数との関係を記憶する記憶ステップと、巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データと記憶ステップにおいて記憶された過去の操業条件データとの距離に基づいて、巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数を抽出する抽出ステップと、抽出ステップによって抽出された学習係数を用いて温度予測モデルを補正し、補正された温度予測モデルを用いて巻取装置の入側における鋼板の温度を予測する予測ステップと、予測ステップによる予測結果に基づいて前記冷却設備の運転/停止を制御する制御ステップとを含む。
本発明に係る巻取温度制御装置及び巻取温度制御装置によれば、冷却装置に搬送される鋼板の操業条件データと過去の操業条件データとの距離に基づいて学習係数テーブルから学習係数を抽出するので、学習係数テーブルを決定、調整するための負荷を軽減すると共に、学習係数テーブルの設定の仕方によって生じる巻取温度制御の誤差を低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態である冷却装置の構成を示す模式図である。 図2は、鋼板の搬送方向に設定された複数の仮想領域を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態である学習係数算出処理の流れを示す図である。 図4は、巻取実績温度に対応する学習係数の算出方法を説明するための図である。 図5は、図1に示す学習係数テーブルの一構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である冷却装置の構成及びその動作について説明する。
〔冷却装置の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である冷却装置が適用される冷却装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である冷却装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である冷却装置1は、仕上げ圧延機2を通過した鋼板3を巻取装置4の方向に搬送しつつ、搬送過程で鋼板3の温度を巻取装置4における目標巻取温度まで水冷する装置である。冷却装置1は、注水バンク10a〜10f、注水バンク11a〜11f、注水バンク12a〜12f、注水バンク13a〜13f、出側温度計14、中間温度計15、巻取温度計16、及び巻取温度制御装置17を備える。
注水バンク10a〜10fは、鋼板3の搬送方向上流側に鋼板3の搬送方向に沿って鋼板3の上面側に対向するように配置され、鋼板3の上面に冷却水を噴射することによって鋼板3を冷却する。注水バンク11a〜11fは、鋼板3の搬送方向上流側に鋼板3の搬送方向に沿って鋼板3の下面側に対向するように配置され、鋼板3の下面に冷却水を噴射することによって鋼板3を冷却する。注水バンク12a〜12fは、鋼板3の搬送方向下流側に鋼板3の搬送方向に沿って鋼板3の上面側に対向するように配置され、鋼板3の上面に冷却水を噴射することによって鋼板3を冷却する。注水バンク13a〜13fは、鋼板3の搬送方向下流側に鋼板3の搬送方向に沿って鋼板3の下面側に対向するように配置され、鋼板3の下面に冷却水を噴射することによって鋼板3を冷却する。
出側温度計14は、仕上げ圧延機2の出側に配置され、仕上げ圧延機2を通過した鋼板3の温度を検出する。出側温度計14は、検出された温度を示す検出信号を巻取温度制御装置17に入力する。中間温度計15は、鋼板3の搬送方向の中間位置に配置され、搬送方向の中間位置における鋼板3の温度を検出する。中間温度計15は、検出された温度を示す検出信号を巻取温度制御装置17に入力する。巻取温度計16は、巻取装置4の入側に配置され、巻取装置4の入側における鋼板3の温度を検出する。巻取温度計16は、検出された温度を示す検出信号を巻取温度制御装置17に入力する。
巻取温度制御装置17は、コンピュータ等の演算処理装置によって構成されている。巻取温度制御装置17は、出側温度計14,中間温度計15、及び巻取温度計16から入力される検出信号に基づいて、巻取装置4の入側における鋼板3の温度を目標巻取温度に制御する。具体的には、巻取温度制御装置17は、図2に示すように、鋼板3の搬送方向における注水バンクの大きさに合わせて鋼板3の搬送方向に複数の仮想領域R(k=1〜N)設定する。そして、巻取温度制御装置17は、温度予測モデルを用いて各仮想領域Rにおける鋼板3の温度を予測し、予測結果に基づいて各仮想領域Rに対する注水バンクの作動/非作動を設定することによって、巻取装置4の入側における鋼板3の温度を目標巻取温度に制御する。また、巻取温度制御装置17は、温度予測モデルを補正するための学習係数の履歴を鋼板3の操業条件データ毎に記憶した学習係数テーブル18を備える。学習係数テーブル18の詳細については後述する。巻取温度制御装置17は、本発明に係る抽出手段、予測手段、及び制御手段として機能する。
このような構成を有する冷却装置1では、巻取温度制御装置17が以下に示す学習係数算出処理、学習係数保存処理、及び温度予測モデル補正処理を実行することによって、学習係数テーブルを決定、調整するための負荷を軽減すると共に、学習係数テーブルの設定の仕方によって生じる巻取温度制御の誤差を低減する。以下、学習係数算出処理、学習係数保存処理、及び温度予測モデル補正処理を実行する際の巻取温度制御装置17の動作について説明する。
〔学習係数算出処理〕
始めに、学習係数算出処理を実行する際の巻取温度制御装置17の動作について説明する。
以下に示す数式1及び数式2はそれぞれ2次元の熱伝導方程式及び境界条件式を示し、この2つの微分方程式が温度予測モデルの基本式となる。そして、数式1と数式2とを計算機で解くために差分方程式に展開した数式が以下に示す数式3である。ここで、数式1〜3中のパラメータθは鋼板の温度[℃]、パラメータλは鋼板の熱伝導率[kcal/m/hr/℃]、パラメータρは鋼板の密度[kg/m3]、パラメータCpは鋼板の比熱[kcal/kg/℃]、パラメータΔxは計算に用いるメッシュ間隔[m]、パラメータΔtは刻み時間[hr]、パラメータiは第iメッシュ点を示す番号、パラメータkは第k時刻を示す番号、パラメータrは配分係数、パラメータqは抜熱量[kcal/m2/hr]、パラメータΔQiは内部発熱量[kcal/m3hr]を示す。
Figure 0005636714
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本実施形態の冷却装置1では、数式3に示す抜熱量qは、鋼板3と冷却水及び大気との間の熱伝達からなり、以下の数式4〜6によって表される。ここで、数式4〜6中、パラメータTCFは学習係数、パラメータqは総熱流束[kcal/m2hr]、パラメータqは空冷熱流束[kcal/m2hr]、パラメータqは水冷熱流束[kcal/m2hr]、パラメータαは空冷熱伝達率[kcal/m2hr℃]、パラメータαは水冷熱伝達率[kcal/m2hr℃]を示す。
Figure 0005636714
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このため、熱伝達係数を補正する際には、巻取温度制御装置17は、学習係数TCFの値を変更することによって熱伝達係数を補正する。そこで、巻取温度制御装置17は、以下に示す学習係数算出処理を実行することによって、冷却動作を実行している際に学習係数TCFの実績値を算出する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、学習係数を算出する際の巻取温度制御装置17の動作について説明する。
図3に示すフローチャートは、巻取温度計16から検出信号が入力されたタイミング、すなわち鋼板3の先端部が巻取温度計16の位置に到達したタイミングで開始となり、学習係数算出処理はステップS1の処理に進む。この学習係数算出処理は、図2に示した仮想領域R毎に繰り返し実行してもよいし、所定のサンプリング周期毎に実行するようにしてもよい。
ステップS1の処理では、巻取温度制御装置17が、出側温度計14及び巻取温度計16から入力された検出信号に基づいて、仕上げ圧延機2の出側位置及び巻取装置4の入側位置における鋼板3の温度を出側温度及び巻取実績温度Tとして取得する。これにより、ステップS1の処理は完了し、学習係数算出処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、巻取温度制御装置17が、前回の学習係数算出処理によって求められた学習係数TCF1を学習係数TCFとして数式4に示す抜熱量qを補正し、温度予測モデルを用いて巻取装置4の入側位置における鋼板3の巻取温度T1を算出する。これにより、ステップS2の処理は完了し、学習係数算出処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、巻取温度制御装置17が、ステップS1の処理によって取得した巻取実績温度TがステップS2の処理によって算出された巻取温度T1以上であるか否かを判別する。判別の結果、巻取実績温度Tが巻取温度T1以上である場合、巻取温度制御装置17は学習係数算出処理をステップS4の処理に進める。一方、巻取実績温度Tが巻取温度T1未満である場合には、巻取温度制御装置17は学習係数算出処理をステップS5の処理に進める。
ステップS4の処理では、巻取温度制御装置17が、巻取実績温度Tが巻取温度T1以上であることから実際の抜熱量が温度予測モデルに用いられている抜熱量qより小さいと判断し、現在の学習係数TCF1の値を0.8倍した学習係数TCF2を算出する。なお、学習係数TCF1の倍率は0.8倍に限定されることはなく、1倍未満であれば適宜変更することができる。これにより、ステップS4の処理は完了し、学習係数算出処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、巻取温度制御装置17が、巻取実績温度Tが巻取温度T1未満であることから実際の抜熱量が温度予測モデルに用いられている抜熱量qより大きいと判断し、現在の学習係数TCF1の値を1.2倍した学習係数TCF2を算出する。なお、学習係数TCF1の倍率は1.2倍に限定されることはなく、1倍以上であれば適宜変更することができる。これにより、ステップS5の処理は完了し、学習係数算出処理はステップS6の処理に進む。
ステップS6の処理では、巻取温度制御装置17が、ステップS4又はステップS5の処理によって算出された学習係数TCF2を学習係数TCFとして数式4に示す抜熱量qを補正し、温度予測モデルを用いて巻取装置4の入側位置における鋼板3の巻取温度T2を算出する。これにより、ステップS6の処理は完了し、学習係数算出処理はステップS7の処理に進む。
ステップS7の処理では、巻取温度制御装置17が、以下の数式7によって表される学習係数TCFを算出し、算出された学習係数TCFを今回の学習係数算出処理における学習係数TCFに設定する。すなわち、巻取温度制御装置17は、図4に示すように、巻取温度Tと学習係数TCFとの関係を示す座標系において点A(学習係数TCF1(TCF2),巻取温度T1(T2))と点B(学習係数TCF2(TCF1),巻取温度T2(T1))とを通る線分Lを算出する。そして、巻取温度制御装置17は、巻取実績温度Tに対応する線分L上の点Cの座標を算出することによって学習係数TCFを算出する。すなわち、巻取温度制御装置17は線形補間によって巻取実績温度Tに対応する学習係数TCFを算出する。これにより、ステップS7の処理は完了し、一連の学習係数算出処理は終了する。
Figure 0005636714
〔学習係数処理〕
次に、上記の学習係数算出処理によって算出された学習係数TCFを学習係数テーブル18に保存する学習係数保存処理を実行する際の巻取温度制御装置17の動作について説明する。
学習係数算出処理によって算出された学習係数TCFを保存する際には、巻取温度制御装置17は、図5に示すように、学習係数TCFと操業条件データとを組み合わせて学習係数テーブル18に記憶する。具体的には、巻取温度制御装置17は、操業条件データX(j)と学習係数Y(j)との組み合わせZ(j)[X(j),Y(j)]を学習係数テーブル18として記憶する。ここで、操業条件データX(j)とは、鋼板の厚み、幅、鋼種成分、仕上げ温度目標、巻取温度目標、速度、水温、先端部からの距離等を含むデータであり、以下の数式8〜10によって表される。
Figure 0005636714
Figure 0005636714
Figure 0005636714
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数式8〜10中、パラメータXは全操業条件データ、パラメータX(j)はj番目に保存された操業条件データの集合、パラメータxijはj番目に保存された操業条件データの集合におけるi番目の操業条件データ、パラメータnは操業条件データの数、パラメータmはサンプル数を示す。一方、学習係数Y(j)は以下の数式11を満足するものである。数式11中、パラメータYは全学習係数を示し、パラメータY(j)はj番目の鋼板から得られた学習係数を示す。
なお、本実施形態では、操業条件データと学習係数との組み合わせを一つの学習係数テーブル18に保存することとしたが、操業条件データを厚みや鋼種成分で分類して複数のテーブルに操業条件データと学習係数との組み合わせを保存してもよい。また、学習係数テーブル18に記憶されているデータの容量が所定容量以上になった場合、巻取温度制御装置17は、古いデータから順に学習係数テーブル18からデータを削除するようにしてもよい。
〔学習値参照処理〕
次に、温度予測モデルを補正するために学習係数テーブル18に記憶されている学習係数を参照する際の巻取温度制御装置17の動作について説明する。なお、本実施形態では、巻取温度制御装置17は、巻取温度計16によって鋼板3の巻取温度が検出されるまでの間、学習係数テーブル18に記憶されている学習係数を参照して温度予測モデルを補正し、補正された温度予測モデルを用いて鋼板3の巻取温度を予測する。
学習係数テーブル18に記憶されている学習係数を参照する際、巻取温度制御装置17は、学習係数テーブル18に記憶されている操業条件データと冷却装置1に搬送されてくる鋼板3の操業条件データとを比較し、冷却装置1に搬送されてくる鋼板3の操業条件データに最も近い操業条件データに対応する学習係数TCFを抽出する。そして、巻取温度制御装置17は、抽出された学習係数を用いて温度予測モデルを補正する。以下、学習係数の抽出方法の幾つかの実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態では、巻取温度制御装置17は、以下の数式12を用いて学習係数テーブル18に記憶されている操業条件データと冷却装置に搬送されてくる鋼板の操業条件データとの間の距離dを保存されている操業条件データの集合X(j)について算出する。ここで、数式12中、パラメータdは、j番目に保存された操業条件データの集合X(j)と冷却装置に搬送されてくる鋼板の操業条件データの集合との間の距離を示す値、パラメータxは冷却装置に搬送されてくる鋼板に関するi番目の操業条件データ、パラメータxijはj番目に保存された操業条件データの集合X(j)におけるi番目の操業条件データ、Mは操業条件データの総数、αは操業条件データ毎の重み係数を示す。そして、巻取温度制御装置17は、距離dの算出結果に基づいて距離dが最も短くなる操業条件データの集合X(j)を決定し、決定された操業条件の集合X(j)に対応する学習係数Y(j)を抽出する。
Figure 0005636714
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態では、巻取温度制御装置17は、第1の実施形態に示す方法により算出された距離dと所定距離Dとを比較し、距離dが所定距離D以下になる操業条件データの集合X(j)に対応する数式13に示す学習係数の集合Yを抽出する。そして、巻取温度制御装置17は、以下の数式14を用いて学習係数の集合Yの平均値を学習係数として算出する。
Figure 0005636714
Figure 0005636714
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態では、巻取温度制御装置17は、第1の実施形態に示す方法により算出された距離dを算出し、距離dが小さい順に操業条件データの集合X(j)をN個抽出する。そして、巻取温度制御装置17は、抽出されたN個の操業条件データの集合X(j)に対応する学習係数の集合Yの平均値を学習係数として算出する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である冷却装置1では、巻取温度制御装置17が、巻取装置4に搬送される鋼板3の操業条件データと学習係数テーブル18に記憶されている過去の操業条件データとの距離に基づいて、巻取装置4に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数を抽出し、抽出された学習係数を用いて温度予測モデルを補正し、補正された温度予測モデルを用いて巻取装置4の入側における鋼板の温度を予測し、予測結果に基づいて水冷バンクの運転/停止を制御する。すなわち、本発明の一実施形態である冷却装置1では、巻取温度制御装置17が、冷却装置1に搬送される鋼板3の操業条件データと過去の操業条件データとの距離に基づいて学習係数を選択するので、学習係数テーブルを決定、調整するための負荷を軽減すると共に、学習係数テーブルの設定の仕方によって生じる巻取温度制御の誤差を低減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 冷却装置
2 仕上げ圧延機
3 鋼板
4 巻取装置
10a〜10f、11a〜11f、12a〜12、13a〜13f 注水バンク
14 出側温度計
15 中間温度計
16 巻取温度計
17 巻取温度制御装置
18 学習係数テーブル

Claims (7)

  1. 圧延機と巻取装置との間に設けられた冷却設備の運転/停止を制御することによって、圧延機から巻取装置に搬送される鋼板の温度を所定の目標巻取温度に制御する巻取温度制御装置であって、
    過去の操業条件データと前記巻取装置の入側における鋼板の温度を予測するための温度予測モデルの学習係数との関係を記憶する学習係数テーブルと、
    前記巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データと前記学習係数テーブルに記憶されている過去の操業条件データとの距離に基づいて、該巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された学習係数を用いて前記温度予測モデルを補正し、補正された該温度予測モデルを用いて前記巻取装置の入側における鋼板の温度を予測する予測手段と、
    前記予測手段の予測結果に基づいて前記冷却設備の運転/停止を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする巻取温度制御装置。
  2. 前記抽出手段は、前記巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データとの間の距離が最も短い過去の操業条件データに対応する学習係数を、該巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数として抽出することを特徴とする請求項1に記載の巻取温度制御装置。
  3. 前記抽出手段は、前記巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データとの間の距離が所定値以下である過去の操業条件データを抽出し、抽出された過去の操業条件データに対応する学習係数の平均値を該巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数として抽出することを特徴とする請求項1に記載の巻取温度制御装置。
  4. 前記抽出手段は、前記巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データとの間の距離が小さい順に過去の操業条件データを所定数抽出し、抽出された過去の操業条件データに対応する学習係数の平均値を該巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数として抽出することを特徴とする請求項1に記載の巻取温度制御装置。
  5. 前記操業条件データは、少なくとも鋼板の厚み、幅、鋼種成分、仕上げ温度目標、巻取温度目標、速度、冷却水の温度、及び鋼板の先端部からの距離に関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか1項に記載の巻取温度制御装置。
  6. 前記抽出手段、前記予測手段、及び前記制御手段は、鋼板を長手方向に仮想的に分割することによって生成した仮想領域毎に処理を実行することを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項に記載の巻取温度制御装置。
  7. 圧延機と巻取装置との間に設けられた冷却設備の運転/停止を制御することによって、圧延機から巻取装置に搬送される鋼板の温度を所定の目標巻取温度に制御する巻取温度制御方法であって、
    過去の操業条件データと前記巻取装置の入側における鋼板の温度を予測するための温度予測モデルの学習係数との関係を記憶する記憶ステップと、
    巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データと前記記憶ステップにおいて記憶された過去の操業条件データとの距離に基づいて、該巻取装置に搬送される鋼板の操業条件データに対応する学習係数を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップによって抽出された学習係数を用いて前記温度予測モデルを補正し、補正された該温度予測モデルを用いて前記巻取装置の入側における鋼板の温度を予測する予測ステップと、
    前記予測ステップによる予測結果に基づいて前記冷却設備の運転/停止を制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする巻取温度制御方法。
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