JP3170375B2 - 熱延鋼板の温度予測方法 - Google Patents

熱延鋼板の温度予測方法

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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/74Temperature control, e.g. by cooling or heating the rolls or the product
    • B21B37/76Cooling control on the run-out table

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間仕上圧延機と巻取
機との間に設けられ冷却装置により冷却される熱延鋼
板の温度予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間仕上圧延機より巻取機に至るランナ
ウトテーブル上の熱延鋼板に対する冷却は、所要の材質
の鋼板を得るうえから、所要の冷却速度で冷却すること
が望まれ、そのため従来は、冷却装置からの注水による
冷却のほか、輻射熱、対流、テーブルローラへの熱伝導
等の熱伝達や熱変態によるものを考慮した所定の計算式
を用いて熱延鋼板の温度予測計算を行い、計算式中の冷
却条件を種々に変えて予測値が目標値と合致するような
計算式を求めたのち、実際に図1に示す仕上圧延機の最
終スタンド1より巻取機2に向うランナウトテーブル上
の熱延鋼板3に対し、冷却装置4により冷却を行って鋼
板先端部の温度を仕上温度計FDT5、中間温度計MC
T6及び巻取温度計CT7によりそれぞれ計測し、その
実績値から計算式に用いる水冷熱伝達係数、テーブルロ
ーラの熱伝達係数、空冷熱伝達係数等の各種熱伝達係数
モデル式を補正しており、この補正は従来、仕上温度計
5から巻取温度計7の間で一つの学習項により行われ、
また学習の対象となる鋼板の部位は、鋼板先端部の1ポ
イントに限っていた。
【0003】鋼板先端部以後は、以上のようにして補正
された各種熱伝達係数を用いた計算式に基づいて温度予
測が行われ、鋼板圧延中に発生する各種熱伝達係数の誤
差による予測値と、各温度計5、6、7によって計測さ
れた実績値との差は、フィードバック制御による冷却装
置4からの注水により解消していた。また、上述の学習
項の選択に際し、ランナウトテーブル上の鋼板より計測
された中間位置温度及び巻取温度の両方が、学習項によ
り補正された各種熱伝達係数モデル式を使用した温度予
測値と一致しない場合には、中間位置温度のみを一致さ
せる学習項を選択するか、巻取温度のみを一致させる学
習項を選択し、或いは両方の温度を平均的に満足する学
習項を選択する方法を採用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年は、材質面の要求
から、ランナウトテーブル上の全域において、鋼板の温
度を制御する冷却速度制御が必要とされるようになった
が、上述する従来の方法におけるように、ランナウトテ
ーブル上における鋼板の温度予測計算に用いる各種熱伝
達係数モデル式の補正を、仕上温度計より巻取温度計ま
での間で、一つの学習項により補正した場合、中間位置
温度のみを一致させるか、巻取温度のみを一致させ、或
いは両方の温度を平均的に満足する学習項しか選択でき
ないため、ランナウトテーブルの全域において精度のよ
い温度予測ができない難点があった。
【0005】また、学習の対象となる鋼板の部位が、鋼
板先端部の一ポイントに限っており、学習項を一度選択
すると、以後は、この選択された学習項により補正され
た各種熱伝達係数モデル式を用いて温度予測を行ってい
るため、その後の鋼板圧延中において各種熱伝達係数に
誤差を生じると、予測値と実績値との間に差を生じ、こ
の差は次第に増大して鋼板の尾端部に向う程大きくなる
傾向があり、これに対処するため、従来のように、予測
値と実績値との間に差を生じたとき、中間温度計位置及
び巻取温度計位置直前のフィードバック制御による注水
で対処する方法では、注水以後は目標とする冷却速度が
得られても、温度計位置直前の冷却速度が局部的に目標
値から外れる難点がある。
【0006】本発明は、上記の問題を解消しようとする
もので、その第1の目的は、ランナウトテーブルの全域
で予測値と実績値が精度よく一致する熱伝達係数を求
め、これにより鋼板の温度予測を行って温度精度を向上
させ、目標値との差を低減できるような熱延鋼板の温度
予測方法を提供しようとするものであり、第2の目的
は、鋼板の全長にわたって熱伝達係数の修正を実施する
ことにより、鋼板の全長で目標値との誤差を低減できる
ようにした熱延鋼板の温度予測方法を提供しようとする
ものである。
【0007】更に第3の目的は、ランナウトテーブルの
全域及び鋼板の全長にわたって目標値との誤差を低減す
ることができる熱延鋼板の温度予測方法を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題の解決手段及び作用】第1の目的を達成するため
の熱延鋼板の温度予測方法は、熱間圧延機の最終スタン
ドと巻取機との間のランナウトテーブル上で、板厚、通
板速度、熱間仕上温度、中間位置温度、巻取り温度のサ
ンプリング情報に基づいて冷却装置の注水を制御するこ
とにより、冷却される熱延鋼板の温度予測方法におい
て、ランナウトテーブル上の鋼板の温度予測計算に用い
る水冷熱伝達係数、テーブルローラとの接触による熱伝
達係数、空冷熱伝達係数の各モデル式を、仕上温度計〜
中間温度計間及び中間温度計〜巻取温度計間で別々に決
定した学習項により補正して温度予測計算を行ことを
特徴とするもので、学習項の決定は、板厚、通板速度、
熱間仕上温度、中間位置温度、巻取温度等のサンプリン
グ情報を用いて所定の温度予測計算式により再計算し、
温度予測値と実績値が一致する学習項を求めることによ
って行われる。
【0009】本方法によれば、ランナウトテーブル全域
で精度よく実績値と一致する熱伝達係数が求められる結
果、ランナウトテーブル全域で精度のよい温度予測計算
ができるようになり、目標とする中間位置温度、巻取り
温度、冷却速度について目標値との誤差を低減すること
ができる。第2の目的を達成するための熱延鋼板の温度
予測方法は、ランナウトテーブル上の鋼板の温度予測計
算に用いる水冷熱伝達係数、テーブルローラとの接触に
よる熱伝達係数、空冷熱伝達係数の各モデル式を、鋼板
圧延中に繰返し実施した学習によりリアルタイムで補正
して温度予測計算を行い、冷却水の注水を行うことを特
徴とするもので、各モデル式に用いる学習項の決定は、
前記方法と同様にして行われる。
【0010】本方法によれば、鋼板の全長で実績値と一
致する熱伝達係数が求められ、鋼板全長で精度のよい温
度予測計算ができるようになる。第3の目的を達成する
ための熱延鋼板の温度予測方法は、上記各方法の組合
せ、すなわち前記第1の目的を達成するための温度予測
方法における学習を鋼板圧延中に繰返し実施する事を特
徴とするものである。
【0011】本方法によれば、ランナウトテーブル全域
及び鋼板全長において、精度のよい温度予測計算ができ
るようになる。
【0012】
【実施例】図2は学習項を計算する方法を説明するため
の図、図3は学習項を決定する方法を説明するための
図、図4はランナウトテーブル上の鋼板に対し学習を繰
返し実施する方法を説明するための図で、鋼板の温度予
測計算は数1の(1) 式によって実施される。
【0013】
【数1】
【0014】ここで、上述の熱伝達係数αc 、αr 、α
l は更に次の数式2のモデル式(2)、(3) 、(4) によっ
て表され、各モデル式(2) 、(3) 、(4) の右辺最終係数
であるWが学習項を表している。
【0015】
【数2】
【0016】上述の学習項Wの算定は、図2において、
鋼板の学習計算に使用する部位が仕上温度計FDTから
中間位置温度計MCTを通り、巻取温度計CTに到達す
る間の温度実績、速度実績、注水実績をサンプリング
し、(2) 、(3) 、(4) 式の学習項Wを仮にAという数値
に設定して(1) 式を用い、温度予測計算を行う。そして
中間位置温度予測値及び巻取温度予測値を仮定する。
【0017】次に再び学習項Wを仮にBという数値に設
定して同様の計算を行い、中間温度予測値及び巻取温度
予測値を仮定する。ここで、(1) 式を使用して温度予測
計算を行うときの起点温度は、中間位置温度の予測計算
時においては仕上温度実績に、また巻取温度予測計算時
においては中間位置温度実績にされる。なお学習項A、
Bは、これを用い、(1) 式によって算出された温度予測
値A´、B´が図3に示すように実績温度Rの上下にな
るように選定される。
【0018】以上の計算により仮定した二つの中間位置
温度予測値及び巻取温度予測値から、図3に示すような
線形補間法により実績温度に一致する学習項Cを決定す
る。すなわち図3において、学習項Aを用い、(1) 式に
よって算出された温度予測値A´と、学習項Bを用い、
(1) 式によって算出された温度予測値B´とから、線形
補間法により実績温度Rになるために必要な学習項Cが
決定される。
【0019】以上の計算手段に則って、鋼板の学習計算
に使用する部分について、中間位置温度実績に一致する
学習項及び巻取温度実績に一致する学習項を別々に決定
する。次に、鋼板圧延中に学習を繰返し実施する方法を
図4によって説明する。鋼板圧延中に学習計算ポイント
を一定長さの圧延ごとに設定し、各ポイントごとに上述
の計算手順に則って学習項を決定し、各種熱伝達係数の
補正を行うのである。すなわち、1回目の学習計算ポイ
ントで決定した学習項により補正された熱伝達係数が2
回目の学習計算ポイントまで温度予測計算に用いられ、
また2回目の学習計算ポイントで決定した学習項により
補正された熱伝達係数が3回目の学習計算ポイントまで
温度予測計算に用いられ、以上の繰返しが鋼板の尾端ま
で実施される。
【0020】本実施例の実施結果を表1により説明す
る。表1は、本実施例と従来技術により冷却制御を行っ
た場合の巻取り温度精度を比較したものであり、鋼板の
巻取り目標温度505℃及び585℃の2種類の例を示
す。鋼板全長の温度実績平均値は、本実施例により、目
標値に近付いており、鋼板内の温度変動は、本実施例に
より変動量が小さくなっている。
【0021】
【表1】
【0022】なお上記実施例では、目標温度、鋼種、板
厚を限定したが、本発明の適用範囲は、これに限定され
ることなく、他の鋼種、温度、サイズにも適用できる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、次のよ
うな効果を奏する。請求項1記載の温度予測方法によれ
ば、各種熱伝達モデル式が学習による熱伝達係数の補正
機能により、仕上温度計〜中間位置温度計間及び中間位
置温度計〜巻取温度計間で別々に補正されるため、ラン
ナウトテーブル上の全域で、精度よく温度予測計算を行
うことができ、冷却装置の注水により温度精度の向上が
可能となる。
【0024】請求項2記載の温度予測方法によれば、鋼
板圧延中に鋼板の全長にわたって繰返し学習計算を実施
し、圧延中に発生する熱伝達係数の誤差をリアルタイム
に修正することにより、従来法のフィードバック制御に
よる注水調整に依存していたことにより発生していた局
部的な冷却速度の目標値からのずれを軽減し、冷却速度
精度の向上が可能となる。
【0025】請求項3記載の温度予測方法によれば、請
求項1及び2記載の温度予測方法によって得られる効果
を併せて奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランナウトテーブル冷却設備のレイアウトを
示す図。
【図2】 学習項計算方法の説明図。
【図3】 学習項決定方法の説明図。
【図4】 ランナウトテーブル上の鋼板に対し、学習計
算を繰返し実施する方法の説明図。
【符号の説明】
1・・最終スタンド 2・・巻取機 3・・熱延鋼板 4・・冷却装置 5、6、7・・温度計

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延機の最終スタンドと巻取機との間
    のランナウトテーブル上で、板厚、通板速度、熱間仕上
    温度、中間位置温度、巻取り温度のサンプリング情報に
    基づいて冷却装置の注水を制御することにより、冷却さ
    れる熱延鋼板の温度予測方法において、ランナウトテー
    ブル上の鋼板の温度予測計算に用いる水冷熱伝達係数、
    テーブルローラとの接触による熱伝達係数、空冷熱伝達
    係数の各モデル式を、仕上温度計〜中間温度計間及び中
    間温度計〜巻取温度計間で別々に決定した学習項により
    補正して温度予測計算を行ことを特徴とする熱延鋼板
    温度予測方法。
  2. 【請求項2】熱間圧延機の最終スタンドと巻取機との間
    のランナウトテーブル上で、板厚、通板速度、熱間仕上
    温度、中間位置温度、巻取り温度のサンプリング情報に
    基づいて冷却装置の注水を制御することにより、冷却さ
    れる熱延鋼板の温度予測方法において、ランナウトテー
    ブル上の鋼板の温度予測計算に用いる水冷熱伝達係数、
    テーブルローラとの接触による熱伝達係数、空冷熱伝達
    係数の各モデル式を、鋼板圧延中に繰返し実施した学習
    によりリアルタイムで補正して温度予測計算を行こと
    を特徴とする熱延鋼板の温度予測方法。
  3. 【請求項3】学習項による各種熱伝達係数のモデル式の
    補正が鋼板圧延中、鋼板の全長にわたって繰返し実施さ
    れる請求項1記載の熱延鋼板の温度予測方法。
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