JP6627609B2 - 冷却制御方法及び冷却装置 - Google Patents

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本発明は、鋼板を冷却する際の冷却制御方法及び冷却装置に関する。
厚板鋼板の製造では、熱間圧延後、鋼板の冷却速度や冷却終了温度を制御する所謂制御冷却を行って材質の作り込みをしている。この制御冷却において、冷却速度及び冷却終了温度を正確に制御するために、水冷却における熱伝達率の予測の研究が多数なされている。
すなわち、鋼板を冷却水で冷却する際の鋼板表面の沸騰形態は、鋼板表面温度により核沸騰領域と遷移沸騰領域と膜沸騰領域とに分類され、各領域では熱伝達率が異なる。核沸騰領域及び膜沸騰領域では、鋼板表面温度による熱伝達率の変化はなだらかでほぼ一定とみなせ、安定した制御が可能である。一方、遷移沸騰領域では、鋼板表面温度が低くなるにつれて熱伝達率が高くなる。このため、鋼板の冷却が進行する程、熱伝達率が高くなるので冷却制御が不安定になる。
そして、この膜沸騰領域の下限界温度は、スケール厚と関係があることが知られている。スケール厚が厚い程、膜沸騰領域の下限界温度は高くなる。また、スケール厚が薄い程、膜沸騰領域の下限界温度は低くなり、安定的な冷却が可能な膜沸騰領域が広がる。これらは特許文献1に示されている。
そこで、熱間圧延後の熱間矯正装置の下流でスケール厚を計測し、スケール厚の計測結果に基づいて、デスケーリングをしてスケール厚を薄くして制御冷却を行う冷却方法が知られている(特許文献2)。この冷却方法では、スケール厚を薄くして膜沸騰領域の下限界温度を下げ、膜沸騰領域を広げて厚板鋼板を制御冷却することで、安定的な冷却を行うものである。
特開平09−118935号公報 特開2001−300627号公報
デスケーリングにより膜沸騰領域を広げて制御冷却する方法では、スケール厚計測装置と制御冷却装置との間にデスケーリング装置を設置しなければならない。
また、前述した特許文献1には、加熱条件からスケール厚を予測し、鋼板を冷却する際の熱伝達率を予測する技術が示されており、精度の高い熱伝達率を用いることで、鋼板の冷却速度や冷却終了温度の的中精度を高めることができる。しかし、加熱条件からスケール厚を予測しているため、圧延条件などの変化によりスケール厚が正確に予測できない場合、熱伝達率の予測精度が低くなり、精度の高い冷却を提供できない場合がある。
本発明は、膜沸騰領域での冷却制御を精度よく行うことができる冷却制御方法及び冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の第一態様によれば、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御方法であって、矯正後の鋼板を冷却水で冷却する際に、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する。
本発明の第二態様によれば、第一態様に記載の冷却制御方法において、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量を用いて予測する。
本発明の第三態様によれば、第二態様に記載の冷却制御方法において、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記予測値を用いて予測する。
本発明の第四態様によれば、第三態様に記載の冷却制御方法において、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、矯正後に測定した鋼板のスケール厚の測定値と前記予測値との差が、予め定めた規定範囲内であるか否に応じて、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量と、矯正後のスケール厚の予測値との対応関係を修正し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記あらかじめ求めた対応関係または修正された対応関係を用いて求めた、前記予測値を用いて予測する。
本発明の第五態様によれば、第一態様から第四態様のいずれかに記載の冷却制御方法において、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御に関わる計算が、鋼板の冷却を開始する前までに完了可能か否かを、鋼板の搬送速度に基づいて判断し、この判断結果が否定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記判断結果が肯定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する。
本発明の第六態様によれば、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却装置であって、矯正後の鋼板を冷却水で冷却する冷却手段と、矯正前の鋼板のスケール厚を測定する矯正前スケール測定手段と、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を予測する冷却予測手段と、矯正後の鋼板を冷却水で冷却制御する冷却制御手段と、を備え、矯正前の鋼板のスケール厚を前記矯正前スケール測定手段で測定し、矯正後の鋼板を冷却水で冷却する際に、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、前記冷却制御手段を用いて冷却制御し、前記冷却手段により冷却を行う。
本発明の第七態様によれば、第六態様に記載の冷却装置において、熱間圧延した鋼板を矯正するときの圧下量を矯正前に取得する圧下量取得手段を備え、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正するときの圧下量を用いて前記冷却予測手段で予測する。
本発明の第八態様によれば、第七態様に記載の冷却装置において、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記予測値を用いて前記冷却予測手段で予測する。
本発明の第九態様によれば、第八態様に記載の冷却装置において、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、矯正後に測定した鋼板のスケール厚の測定値と前記予測値との差が、予め定めた規定範囲内であるか否に応じて、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量と、矯正後のスケール厚の予測値との対応関係を修正し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記あらかじめ求めた対応関係または修正された対応関係を用いて求めた、前記予測値を用いて前記冷却予測手段で予測する。
本発明の第十態様によれば、第六態様から第九態様のいずれかに記載の冷却装置において、矯正後の鋼板のスケール厚を測定する矯正後スケール測定手段と、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御に関わる計算が、鋼板の冷却を開始する前までに完了可能か否かを、鋼板の搬送速度に基づいて判断する冷却制御判断手段と、を備え、該冷却制御判断手段による判断結果が否定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、前記判断結果が肯定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、前記冷却制御手段を用いて冷却制御し、前記冷却手段により冷却を行う。
本発明により、膜沸騰領域での冷却制御を精度よく行うことができる。
本実施形態に係る冷却装置を含む設備を示す側面図である。 鋼板の通過位置と計算タイミングとの関係を示す説明図である。 矯正前スケール計の測定値と矯正後スケール計の測定値との関係を示す線図である。 (A)は、冷却時のスケール厚と遷移沸騰突入温度との関係を示す線図であり、(B)は、鋼板の表面温度と熱伝達率との関係を示す図である。 搬送速度を求める工程を模式的に示した説明図である。 本実施形態の動作を示すフローチャートである。 本実施形態と比較例との比較を示す表である。
以下、本発明の一実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係る冷却制御方法が実施される冷却装置10を示す図であり、鋼板12の搬送方向の上流側Uには、鋼板12を熱間圧延するための圧延装置14が設けられている。
この圧延装置14には、下流側Lに仕上げ圧延機(FM)16が設けられており、圧延装置14の下流側Lには、矯正装置(HL)18が設けられている。これにより、搬送路20に沿って搬送される鋼板12を、圧延装置14の仕上げ圧延機16で仕上げ圧延した後、鋼板12に発生した歪等を矯正装置18で矯正するように構成されている。
この矯正装置18には、入力装置22が接続されており、制御装置23又はオペレータが、矯正する鋼板12の板厚等の鋼板情報や、過去の製造実績値より作成されたデータテーブルから矯正装置18での圧下量を定め、設定値として入力装置22に入力する。これにより、矯正装置18は、入力装置22からの設定値に応じた圧下量で鋼板12を圧下して矯正するように構成されている。この入力装置22は、プロセスコンピュータで構成された制御装置23に接続されており、制御装置23は圧下量を示す設定値及び実績値を取得するように構成されている。
矯正装置18の下流側Lには、ハードウエアとしての冷却手段の一例である加速冷却装置(ACC)24が設けられており、熱間圧延された鋼板12を矯正機18による矯正後に冷却水で冷却する。加速冷却装置24では、鋼板12の表面及び裏面に冷却水を噴射して冷却できるように構成されている。
この加速冷却装置24は、搬送ローラを回転駆動する駆動装置を備えており(図示省略)、駆動装置は、前述した制御装置23に接続されている。この駆動装置は、制御装置23からの指令に従って搬送ローラの回転速度を制御するように構成されており、搬送ローラで搬送される鋼板12の搬送速度を制御する。
図2の下段には、加速冷却装置24を含む設備が示されており、各所に設けられたセンサー類及びその位置が示されている。
鋼板12の温度を測定するセンサーについて説明すると、圧延装置14の下流側Lに第1出側温度計34が設けられており、搬送路20に沿って搬送される圧延直後の鋼板12の表面温度を測定する。
矯正装置18の上流側Uの近傍には、矯正前温度計36が設けられており、矯正装置18で矯正される前の鋼板12の表面温度を測定する。
加速冷却装置24の上流側Uの近傍には、入側温度計38が設けられており、加速冷却装置24で冷却される直前の鋼板12の表面温度を測定する。
加速冷却装置24内には、当該加速冷却装置24内を通過する鋼板12の表面温度を上流寄りの部位で測定する上流側中間温度計40と、下流寄りの部位で測定する下流側中間温度計42とが設けられており、鋼板12の冷却過程を観測できるように構成されている。
加速冷却装置24の下流側Lの近傍には、第2出側温度計44が設けられており、この第2出側温度計44は、加速冷却装置24で冷却された鋼板12の表面における温度分布を検出するサーモトレーサで構成されている。これにより、鋼板表面の各所の温度を細かく分析できるように構成されている。
そして、この第2出側温度計44の下流側Lには、復熱温度計46が設けられており、冷却後の鋼板内部からの熱による表面温度の変化を測定できるように構成されている。
各温度計34〜46は、前述の制御装置23に接続されており、制御装置23において、各所での鋼板12の温度を把握できるように構成されている。
第1出側温度計34の下流側Lには、第1位置センサー48が予め定められた位置に設けられており、当該第1位置センサー48が設けられた搬送路20の位置を鋼板12が通過した際に、これを検出する。矯正前温度計36と矯正装置18との間には、第2位置センサー50が予め定められた位置に設けられており、当該第2位置センサー50が設けられた搬送路20の位置を鋼板12が通過した際に、これを検出できるように構成されている。
第1位置センサー48及び第2位置センサー50は、前述した制御装置23に接続されており、制御装置23において、鋼板12の搬送位置を把握できるように構成されている。また、制御装置23では、同一の鋼板12が第1位置センサー48で検出されてから第2位置センサー50で検出されるまでの時間より、搬送路20に沿って搬送される鋼板12の搬送速度を検出できるように構成されている。これにより、予め定められた搬送速度で鋼板12が搬送されていることを確認することができる。
矯正装置18の上流側Uの直前位置であって第2位置センサー50より下流側Lには、図1にも示したように、ハードウエアとしての矯正前スケール測定手段の一例である矯正前スケール測定装置52が設けられている。矯正前スケール測定装置52は、加熱により鋼板12の表面に生じる酸化物の被膜であるスケールの厚み寸法(以下スケール厚とする)を矯正前に測定できるように構成されている。
この矯正前スケール測定装置52は、図1に示したように、計測値がスケールの影響を受け易い非接触型温度計である長波長温度計52Aと、計測値がスケールの影響を受け難い非接触型温度計である短波長温度計52Bと、によって構成されている。両温度計52A、52Bは、前述の制御装置23に接続されており、制御装置23に記憶されたデータベースを用いることで、長波長温度計52Aの計測値と短波長温度計52Bの計測値との差からスケール厚を取得できるように構成されている。
矯正装置18の下流側Lには、ハードウエアとしての矯正後スケール測定手段の一例である矯正後スケール測定装置54が設けられており、この矯正後スケール測定装置54も、矯正前スケール測定装置52と同様に、長波長温度計54Aと短波長温度計54Bとによって構成されている。両温度計54A、54Bは、前述の制御装置23に接続されており、前述のデータベースを用いることで、矯正後の鋼板12のスケール厚を取得できるように構成されている。
制御装置23には、図3に示すように、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚との対応関係56が記憶されている。この対応関係56は、過去に矯正した複数の鋼板12において、矯正前に測定されたスケール厚と、矯正後に測定されたスケール厚との関係を蓄積して得たものであり、矯正前のスケール厚から矯正後のスケール厚を予測する為の対応関係56を示す。
この対応関係56には、矯正時の圧下量の影響も加味されている。すなわち、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚とは通常比例関係にある。しかし、矯正時の圧下量が大きくなると矯正前のスケール厚が厚い領域では、スケールが割れて剥がれ落ちる所謂スケール割が生ずる。このため、この対応関係56では、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚との関係が圧下量に応じて修正されている。
制御装置23に記憶された対応関係56としては、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚との関係を示すデータベースや、矯正前のスケール厚から矯正後のスケール厚を算出するための演算式が挙げられる。
また、制御装置23には、図4(A)に示すように、鋼板12を冷却水で冷却する際に、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域から遷移沸騰領域へ移行する、遷移沸騰突入温度(Tm)を求めるためのスケール特性58が記憶されている。この遷移沸騰突入温度より高温の領域は膜沸騰領域を示し、遷移沸騰突入温度に基づいて膜沸騰領域である温度を判断できる。
このスケール特性58は、冷却時のスケール厚と遷移沸騰突入温度との関係を示すものである。このスケール特性58は、過去に冷却した複数の鋼板12において、冷却時のスケール厚と遷移沸騰突入温度との関係を蓄積して得たものであり、冷却時のスケール厚から遷移沸騰突入温度を予測する為の特性である。
そして、冷却時のスケール厚は、矯正後のスケール厚と考えてよく、先に述べた通り、矯正後のスケール厚は、矯正前に測定されたスケール厚を用いて求めることが出来る。
制御装置23に記憶されたスケール特性58としては、スケール厚と遷移沸騰突入温度との関係を示すデータベースや、スケール厚から遷移沸騰突入温度を算出するための演算式が挙げられる。
さらに、制御装置23には、図4(B)に示すように、過去の実績から求められた熱伝達特性60が、矯正前に測定されたスケール厚により求められる遷移沸騰突入温度に関連付けられて記憶されている。この熱伝達特性60は、鋼板12の表面温度と鋼板12の熱伝達率との関係が示されており、熱伝達特性60には、膜沸騰領域62、遷移沸騰領域64及び核沸騰領域66と、その境界とが示されている。また、各沸騰領域62〜66において鋼板12の表面温度に対する熱伝達率の変化が示されている。
先に述べたとおり、冷却時のスケール厚が変化することで、遷移沸騰突入温度も変化する。このため、図4(B)で、膜沸騰領域62と遷移沸騰領域64の境界点(図中、黒丸で表示)である遷移沸騰突入温度が、冷却時のスケール厚が変わることで変化する。また、矯正前のスケール厚により、矯正後のスケール厚を求め、冷却時のスケール厚を求めることが出来る。熱伝達特性60では、矯正前に測定されたスケール厚により求める遷移沸騰突入温度が変化するときの、膜沸騰領域62、遷移沸騰領域64及び核沸騰領域66と、その境界とが示されているデータとなっている。
制御装置23に記憶された熱伝達特性60としては、表面温度と熱伝達率との対応関係を示すデータベースや、表面温度から熱伝達率を算出するための演算式が挙げられる。
図5は、冷却制御方法の概要を示す図であり、本実施形態の冷却装置10では、加速冷却装置24を通過する鋼板12の搬送速度を制御することで冷却制御が行われている。
すなわち、この加速冷却装置24では、鋼板12が搬送される経路長が決まっており、鋼板12を冷却する冷却水の水温や水量密度は制御装置23に入力される。また、冷却する鋼板12毎に、その板厚や、冷却水による冷却を停止する狙い停止温度が定められており、この板厚や狙い停止温度は、冷却開始時の鋼板表面の冷却開始温度と共に鋼板情報として制御装置23に入力される。
制御装置23は、前述したスケール特性58から冷却対象となる鋼板12の遷移沸騰突入温度を求めるとともに、この遷移沸騰突入温度に対応する熱伝達特性60を抽出して冷却モデルとして採用する。
この冷却モデルが採用された制御装置23では、冷却モデルの熱伝達特性60をシミュレーションプログラムに適用し、このシミュレーションプログラムでは、採用された冷却モデルの熱伝達特性60を用いた計算が行われる。
また、制御装置23では、初期値として適当な冷却時間を設定し、このシミュレーションプログラムで冷却終了時の鋼板12の表面温度を予測する。シミュレーション結果と狙い停止温度とに温度差がある場合には、その温度差に応じて冷却時間を変更し、シミュレーションを再度行う。
シミュレーション結果と狙い停止温度の温度差が許容範囲内に収まるまで、シミュレーションプログラムによる繰り返し計算を行い、適切な冷却時間を求める。この冷却時間から当該加速冷却装置24内での搬送速度を算出し、鋼板12の冷却を行うように構成されている。
このような冷却装置10において、精度よく膜沸騰領域62での冷却制御が行えるように、矯正後の鋼板12のスケール厚を計測するとともに、この計測結果に基づいて遷移沸騰突入温度や熱伝達率を予測し、鋼板12を冷却することを試みた。
しかしながら、矯正後スケール測定装置54から加速冷却装置24までの距離は短く、スケール厚を計測してから搬送速度を求めるまでには繰り返し計算を要する。このため、鋼板12の冷却を開始するまでに計算が完了しない場合があることが判明した。そこで、本実施形態では以下のような制御を行っている。
本実施形態の動作を、図6に示すフローチャートに従って説明する。なお、熱間圧延され冷却される鋼板12は、冷却水による冷却を停止する狙い停止温度が、要求された材質に応じて鋼板12毎に定められており、狙い停止温度は、冷却開始時の鋼板表面の冷却開始温度と共に鋼板情報として制御装置23に入力される。
すなわち、制御装置23を構成するプロセスコンピュータが予め記憶されたプログラムに従って動作を開始し、メインルーチンから冷却制御ルーチンが呼び出されると、制御装置23は、冷却対象の鋼板12の先端が圧延装置14の仕上げ圧延機16を通過するタイミングで(図2参照)、加速冷却装置24より上流側Uでの鋼板12の搬送速度を取得する(S1)。この取得する搬送速度は、圧延中に粗算出された搬送速度であるが、搬送路20に設けられた第1位置センサー48及び第2位置センサー50からの入力信号の時間差から求めた搬送速度を採用することもできる。
この搬送速度で搬送される鋼板12を矯正装置18で矯正した後に加速冷却装置24で冷却する際に、矯正後スケール測定装置54からの矯正後のスケール厚に基づく制御方法で、冷却制御できるか否かを判断する(S2)。
ここで、冷却制御できるか否かは、搬送される鋼板12の先頭部分(鋼板12の先端から1mの位置)のスケール厚を、矯正後スケール測定装置54で測定し、加速冷却装置24内で用いる搬送速度の演算を開始してから、当該鋼板12の先端が加速冷却装置24に達するまでに、この演算が完了するか否かによって判断する。
具体的手法としては、加速冷却装置24より上流側Uで用いられる搬送速度が許容速度以下の場合に冷却制御できると判断する一方、この搬送速度が許容速度を超える場合には冷却制御できないと判断する。許容速度は、次の式で算出される。
許容速度=L(測定距離)/(Tc(必要計算時間)+Ta(余裕時間))
測定距離(L):矯正後スケール測定装置54から加速冷却装置24まで距離
必要計算時間(Tc):加速冷却装置24内での搬送速度の演算に要する時間
余裕時間(Ta):粗計算やその他で考えられる誤差を考慮した時間
このステップS2において、矯正後のスケール厚に基づく制御方法で冷却制御が行えないと判断(否定判断)した際には、矯正前スケール測定装置52から矯正前のスケール厚を取得するとともに、制御装置23より矯正装置18での圧下量を取得する(S3)。そして、図3に示したように予め記憶された対応関係56を用いるとともに、取得した矯正前のスケール厚及び圧下量から矯正後のスケール厚を予測値として予測する(S4)。
この矯正後のスケール厚の予測値から、図4に示したスケール特性58を利用して、冷却対象の鋼板12の沸騰形態が膜沸騰領域から遷移沸騰領域へ移行する遷移沸騰突入温度を求める。そして、この遷移沸騰突入温度に基づいて、当該鋼板12に適合した熱伝達特性60を抽出し、抽出した熱伝達特性60を冷却モデルとして採用する(S5)。
次に、対象となる鋼板12の加速冷却装置24内での搬送速度を計算し、この搬送速度で加速冷却装置24内を搬送する(S6)。
この搬送速度の計算では、前述の冷却モデルを用いたシミュレーションプログラムの繰り返し計算によって、冷却中に鋼板12の表面温度が遷移沸騰突入温度より低くならず、冷却終了時に鋼板表面温度が狙い停止温度となる冷却時間を算出する。そして、この冷却時間と加速冷却装置24の経路長から加速冷却装置24内での搬送速度を算出する。
鋼板12を、この搬送速度で加速冷却装置24内を搬送することで、冷却中での遷移沸騰領域への移行を抑制しつつ、加速冷却装置24での冷却水による冷却終了時には、鋼板12の表面温度を狙い停止温度に近づけることができる。したがって、膜沸騰領域での冷却制御を精度よく行うことができ、冷却終了時の冷却停止温度のばらつきを低減することができる。
これにより、冷却された鋼板12における材質の安定化を図ることができる。また、冷却停止温度のバラツキを補償するために、鋼板12に予め余分に含有させている合金成分を、膜沸騰領域の下限温度を拡大して冷却することで、冷却停止温度のバラツキを少なくして、削減することができる。
ここで、矯正後のスケール厚に基づいて熱伝達特性を決定し冷却モデルに反映させて冷却制御を行えば、計算精度が向上する。しかし、鋼板12の搬送速度が速い場合、矯正後のスケール厚を測定してから冷却を開始するまでの時間が短く、冷却時間を計算するために十分な時間を確保できない場合がある。
そこで、本実施形態では、矯正前に測定したスケール厚から矯正後のスケール厚を予測して冷却制御の計算を行うため、矯正前のスケール測定時から冷却開始までの時間を計算時間に充てることができる。これにより、鋼板12を冷却開始する前に、冷却制御に関わる計算を完了させることが可能となる。
よって、計算時間を確保しつつ、冷却時のスケール厚による影響を加味した冷却モデルを用いることができて、高精度の冷却計算を実現できる。
このとき、矯正時の圧下量によって鋼板12に形成されたスケールの状態が変化することがあり、このスケールの変化によって冷却時間の計算精度が悪化する虞がある。
そこで、本実施形態では、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚との対応関係56に矯正時の圧下量が加味されている。このため、矯正時の圧下による計算結果への影響を抑制することができる。
次に、学習処理(S7)を行った後、メインルーチンへ戻る。ここで、学習処理(S7)を行う際、冷却対象の鋼板12は、矯正後スケール測定装置54を通過する際に、矯正後のスケール厚が測定され、その測定値が制御装置23に入力されている。
この学習処理(S7)では、前述の対応関係56から求められた矯正後のスケール厚の予測値と、矯正後に測定された矯正後のスケール厚の測定値との差が、予め定められた規定範囲内にあるか否を判断する。
このとき、予測値と測定値との差が規定範囲内にない場合、その差が小さくなるように記憶した対応関係56を修正して更新する。例えば、予測値が測定値より大きな値の場合、図3に示した対応関係56を示す線を全体的に下方へシフトする修正を加える。また、予測値が測定値より小さな値の場合、図3に示した対応関係56を示す線を全体的に上方へシフトする修正を加える。
これにより、次の鋼板12では、矯正前のスケール厚から矯正後のスケール厚を予測する際に、修正された対応関係56を用いることができ、予測値と測定値との差を小さくすることができる。
一方、予測値と測定値との差が規定範囲内にある場合、現時点で記憶されている対応関係56は修正しない。これにより、次の鋼板12において、矯正前のスケール厚から矯正後のスケール厚を予測する際にも、予測値と測定値との差を規定範囲内に収めることが可能となる。
そして、前述したステップS2の判断において、矯正後のスケール厚に基づく制御方法で冷却制御が行えると判断(肯定判断)した際には、矯正後スケール測定装置54で矯正後のスケール厚を取得するとともに、制御装置23より矯正装置18での圧下量を取得する(S8)。
この矯正後のスケール厚の実測値から、図4に示したスケール特性58を利用して、冷却対象の鋼板12の沸騰形態が膜沸騰領域から遷移沸騰領域へ移行する遷移沸騰突入温度を求める。そして、この遷移沸騰突入温度より、当該鋼板12に適合した熱伝達特性60を抽出し、抽出した熱伝達特性60を冷却モデルとして採用する(S9)。
次に、対象となる鋼板12の加速冷却装置24内での搬送速度を前述と同様に計算し、この搬送速度で加速冷却装置24内を搬送する。これにより、加速冷却装置24での冷却水による冷却終了時には、鋼板12の表面温度を狙い停止温度とすることができる(S10)。
このように、矯正後のスケール厚に基づく制御方法で冷却制御が行える場合には、矯正後のスケール厚に基づいて冷却時間を求めることで、搬送速度の計算精度に寄与することができる。
(比較試験)
図7は、実施例と比較例との比較を示す試験結果である。
実施例には、加速冷却装置24内での冷却制御を、前述したフローチャートのステップS3〜S6に従って制御(矯正前のスケール厚を用いた制御)して、鋼板12を冷却した際の冷却停止温度が示されている。また、比較例では、冷却時のスケール厚や矯正前のスケール厚や矯正後のスケール厚により、熱伝達特性の冷却モデルを変化させずに固定とした従来の冷却制御で、鋼板12を冷却した際の冷却停止温度が示されている。
比較例では、冷却停止温度と狙い停止温度との差が−22℃であった。これに対して、実施例では、冷却停止温度と狙い停止温度との差が+3℃であり、比較例と比較して、冷却停止温度と狙い停止温度との差が小さくなることを確認できた。
なお、本実施形態では、矯正前のスケール厚と矯正時の圧下量とを用いて、膜沸騰領域となる温度や熱伝達特性60を求めたが、これに限定されるものではなく、矯正前のスケール厚から膜沸騰領域となる温度や熱伝達特性60を求めてもよい。
また、矯正前のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて矯正後のスケール厚を予測値として求め、この予測値を用いて膜沸騰領域となる温度や熱伝達特性60を求めたが、これに限定されるものではない。すなわち、矯正前のスケール厚と矯正時の圧下量、または矯正前のスケール厚のみから直接、膜沸騰領域となる温度や熱伝達特性60を求めても良い。
さらに、矯正後のスケール厚を予測した予測値と矯正後のスケール厚を測定した測定値の差が規定範囲内に無い場合、矯正前のスケール厚と矯正後のスケール厚の対応関係56を修正する学習処理(S7)を行ったが、この学習処理(S7)は省略しても良い。
また、矯正後のスケール厚を用いて冷却制御が可能な場合、矯正後に測定したスケール厚を用いた冷却制御(S8〜S10)を行ったが、この冷却制御(S8〜S10)は行わず、矯正前のスケール厚に基づく冷却制御(S3〜S6)のみを採用してもよい。
10 冷却装置
12 鋼板
18 矯正装置
23 制御装置
24 加速冷却装置(冷却手段の一例)
52 矯正前スケール測定装置(矯正前スケール測定手段の一例)
54 矯正後スケール測定装置(矯正後スケール測定手段の一例)
56 対応関係
60 熱伝達特性

Claims (10)

  1. 熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御方法であって、
    矯正後の鋼板を冷却水で冷却する際に、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御方法。
  2. 請求項1に記載の冷却制御方法において、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量を用いて予測する冷却制御方法。
  3. 請求項2に記載の冷却制御方法において、
    矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記予測値を用いて予測する冷却制御方法。
  4. 請求項3に記載の冷却制御方法において、
    矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、矯正後に測定した鋼板のスケール厚の測定値と前記予測値との差が、予め定めた規定範囲内であるか否に応じて、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量と、矯正後のスケール厚の予測値との対応関係を修正し、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記あらかじめ求めた対応関係または修正された対応関係を用いて求めた、前記予測値を用いて予測する冷却制御方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却制御方法において、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御に関わる計算が、鋼板の冷却を開始する前までに完了可能か否かを、鋼板の搬送速度に基づいて判断し、
    この判断結果が否定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、
    前記判断結果が肯定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御方法。
  6. 熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却装置であって、
    矯正後の鋼板を冷却水で冷却する冷却手段と、
    矯正前の鋼板のスケール厚を測定する矯正前スケール測定手段と、
    鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を予測する冷却予測手段と、
    矯正後の鋼板を冷却水で冷却制御する冷却制御手段と、を備え、
    矯正前の鋼板のスケール厚を前記矯正前スケール測定手段で測定し、
    矯正後の鋼板を冷却水で冷却する際に、鋼板表面の沸騰形態が膜沸騰領域となる温度または熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、前記冷却制御手段を用いて冷却制御し、前記冷却手段により冷却を行う冷却装置。
  7. 請求項6に記載の冷却装置において、
    熱間圧延した鋼板を矯正するときの圧下量を矯正前に取得する圧下量取得手段を備え、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正するときの圧下量を用いて前記冷却予測手段で予測する冷却装置。
  8. 請求項7に記載の冷却装置において、
    矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記予測値を用いて前記冷却予測手段で予測する冷却装置。
  9. 請求項8に記載の冷却装置において、
    矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量に基づいて、あらかじめ求めた対応関係を用いて、矯正後のスケール厚を予測値として求め、
    矯正後に測定した鋼板のスケール厚の測定値と前記予測値との差が、予め定めた規定範囲内であるか否に応じて、矯正前に測定された鋼板のスケール厚及び矯正時の圧下量と、矯正後のスケール厚の予測値との対応関係を修正し、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、前記あらかじめ求めた対応関係または修正された対応関係を用いて求めた、前記予測値を用いて前記冷却予測手段で予測する冷却装置。
  10. 請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の冷却装置において、
    矯正後の鋼板のスケール厚を測定する矯正後スケール測定手段と、
    前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、熱間圧延した鋼板を矯正後に冷却する冷却制御に関わる計算が、鋼板の冷却を開始する前までに完了可能か否かを、鋼板の搬送速度に基づいて判断する冷却制御判断手段と、を備え、
    該冷却制御判断手段による判断結果が否定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、少なくとも矯正前に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、
    前記判断結果が肯定の場合、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性を、矯正後に測定された鋼板のスケール厚を用いて前記冷却予測手段で予測し、前記膜沸騰領域となる温度または前記熱伝達特性に基づいて、前記冷却制御手段を用いて冷却制御し、前記冷却手段により冷却を行う冷却装置。
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