JP4269394B2 - 鋼板形状の予測方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延後冷却された鋼板を条切断加工する際の切断加工して得られる鋼板の形状を予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延鋼板は、スラブを加熱炉で加熱し、高圧水噴射などの方法でデスケーリングし、熱間圧延し、冷却して製造される。また、厚鋼板の場合には、通常、熱間圧延の後に、それまでに生じた内部応力や歪み(平坦不良など)を除去するためにホットレベラーなどの熱間矯正が施される。これらの製造工程、特に加速冷却工程などにおいて鋼板内の温度分布が不均一になり、熱間矯正が施された場合でも常温まで冷却された鋼板内部に残留応力が発生する。
【0003】
この残留応力の発生は、条切断加工、すなわち鋼板を幅方向に数条に分割切断する際に生じる条切りキャンバと呼ばれる横曲がりの原因となる。条切りキャンバのある鋼板は溶接や組立作業が困難であるので形状修正作業が必要となり、作業能率の低下やコストの増大をもたらす。
【0004】
鋼板に生じた残留応力は熱処理等を施すことにより除去することができるが、切断加工を行う全ての鋼板に対してこのような残留応力除去処理をおこなうのは生産性および製造コストの点からも実用的でない。
【0005】
このような不都合を避けるためには、条切り後の鋼板のキャンバ量が所定量以下である製品が得られるか否かを事前に判定できるのが望ましい。このような要望に応えて、条切り後のキャンバ量を推定する方法が開示されている。
【0006】
特公平4−8128号公報、および特公平4−8129号公報には、板材の板面温度分布を2次元的に測定し、この測定した温度分布と、板面温度分布が均一化した後の鋼板残留応力とを取り込んだ所定の推定式を用いて、鋼板の複数の条切り位置についての条切り後の変形量を推定演算し、得られた変形量の最大値が許容範囲にあるか否かを判定する方法が提示されている。
【0007】
特公平5−16927号公報には、熱間圧延後の注水冷却制御工程の直後で鋼板表面の2次元温度分布を測定し、板幅方向温度分布より少なくとも板幅中央部と両端縁部の高、低温度差を示す特徴値を求め、また板長手方向で複数区分に分割した各領域における2次元温度分布より鋼板表面温度の分散を示す特徴値を求め、これらの特徴値より鋼板冷却後かつ条切り後の板形状を推定する方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特公平4−8128号公報、特公平4−8129号公報または特公平5−16927号公報に開示された方法によれば条切り後の鋼板形状であるキャンバ量を推定することが可能であるが、その推定精度は必ずしも十分ではない。特に、鋼板が厚い場合や、加速冷却工程における冷却量や鋼板の搬送速度が大きい場合などでキャンバ量の推定精度が悪く、問題となることがあった。
【0009】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、鋼板が厚い場合や、急速冷却された鋼板の場合であっても、これを条切り加工して得られる条切り鋼板の形状を精度よく推定できる鋼板形状の予測方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、熱間矯正の前後における鋼板の温度分布状況を詳細に調査した結果、鋼板は表面、裏面および板厚内部で温度偏差が生じており、特に、鋼板が厚く(例えば厚さが20mm以上、さらには40mm以上)、加速冷却が大きく、あるいは搬送速度が大きい条件では、特に厚さ方向での温度偏差が大きく、表面温度のみを条件としてキャンバ量を推定する従来の方法では、温度偏差が原因となって発生する残留応力の分布を正確に予測するのが困難であることが判った。
【0011】
すなわち、鋼板を冷却すると、鋼板の表面と裏面とでは、水乗りの有無、冷却方法や冷却設備が相違し、鋼板搬送に際しても、搬送ロール等の設備との接触が無い鋼板表面と、搬送ロールに絶えず接触する鋼板裏面とでは鋼板の表面粗さやスケールの厚さや性状が異なる。このため、鋼板の表面と裏面とでは冷却履歴に差が生じる。
【0012】
さらに鋼板が厚い場合には、厚さ方向の温度偏差が復熱により均一化するのに要する時間が長くなるため、厚さ方向での温度偏差が大きい。特に加速冷却などを施し板厚方向温度偏差が大きい場合には、熱間矯正後においても復熱が十分ではなく、鋼板の表裏面のみならず厚さ方向にも大きな温度偏差が残る。従って、切断加工して得られる鋼板の形状を正確に推定するためには、鋼板の表裏面のみならず厚さ方向での温度偏差を考慮することが重要である。
【0013】
本発明はこれらの知見を基にして完成されたものであり、その要旨は、下記の鋼板形状の予測方法にある。
【0014】
熱間圧延された鋼板の熱間矯正の直前から直後の間で、該鋼板の表面および裏面の板長手方向における少なくとも一ヶ所の板幅方向温度分布を測定し、次いで該板幅方向温度分布の長手方向位置および幅方向位置が同位置の板厚中心部の温度を推定し、該板厚中心部温度と前記表裏面温度より板厚方向温度分布を、板厚中心部と鋼板表面または鋼板裏面との間で温度が直線的に変化すると仮定して、演算し、次いで前記板幅方向温度分布と該板厚方向温度分布より前記鋼板冷却後の残留応力分布を演算し、次いで該残留応力分布より前記鋼板の条切断後の鋼板形状を予測することを特徴とする条切断後の鋼板形状の予測方法。
【0015】
なお、上記要旨において「熱間矯正の直前から直後の間」とは、鋼板温度が熱間矯正時の温度とほぼ同じである時間を意味し、具体的には熱間矯正の前後30秒程度以内を指す。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の方法を実施するのに好適な設備構成例を説明する概要図である。図1で符号8は熱間圧延鋼板、9は熱間圧延機、10は加速冷却装置、11はホットレベラ(熱間矯正装置)、1aおよび1bは幅方向温度計、2は幅方向温度計制御装置、3は解析装置、6はプロセスコンピュータ、5はモニタである。
【0017】
熱間圧延された鋼板8は、その表面および裏面の板長手方向における少なくとも一ヶ所の板幅方向温度分布が、熱間矯正装置であるホットレベラ11の入側および/または出側(図示例では、出側)に設置した温度計1a、1bにより測定される。得られた板幅方向温度分布データは解析装置3に送られ、長手方向位置および幅方向位置が同じ位置の板厚中心部の温度が推定され、該板厚中心部温度と前記表裏面温度より板厚方向温度分布が演算される。
【0018】
次いで前記板幅方向温度分布と該板厚方向温度分布より前記鋼板冷却後の残留応力分布が演算され、この残留応力分布より前記鋼板を条切断した後の鋼板形状、すなわち鋼板変形量である条切断鋼板の曲がり量が予測される。
【0019】
この鋼板曲がり量と残留応力分布は、必須ではないが、モニタ5に表示し操業オペレータに示すと共に、プロセスコンピュータ6に出力するのがよい。また温度測定データおよび計算結果はバックアップのために記録媒体4に保存するのがよい。
【0020】
鋼板温度の測定は、温度計制御装置2を用い、パスラインの上下に設けた走査型の温度計1a、1bの近傍の鋼板搬送ローラ7の回転数から鋼板移動距離を求める等の方法により前記温度計1a、1bを板幅方向に走査制御しておこなう。
【0021】
図1に示すように、本発明を実施する装置は、熱間圧延された鋼板の熱間矯正の直前から直後の間で、該鋼板の表面および裏面の板幅方向温度分布を測定する温度測定機構12と、該板幅方向温度分布より板厚方向温度分布を計算し、次いで前記板幅方向温度分布と該板厚方向温度分布より前記鋼板冷却後の残留応力分布を計算し、該残留応力分布より前記鋼板切断後の鋼板形状を予測する解析装置3により構成される。
【0022】
温度測定機構12は、鋼板の表面と裏面の温度を計測する温度計1a、1bと温度計制御装置2から構成され、温度計制御装置2は、下記のa〜dに示す機能を有する。
【0023】
a.温度測定の開始・終了等の自動動作、ならびに放射率の設定や測定レンジの変更などの手動動作の管理。
【0024】
b.上下の温度計1a、1bの測定タイミングの同期。
【0025】
c.鋼板搬送ローラ7の回転数から鋼板長手方向における測温位置を指示。
【0026】
d.測温後の温度データを解析装置3へ転送。
【0027】
鋼板温度は熱間矯正時とほぼ同じ温度が保たれている間に測定されればよく、熱間矯正の前後30秒程度以内のタイミングで測定するのがよい。測定場所としてはホットレベラ11の入側でも良いが、熱間圧延や加速冷却工程において鋼板に生じた内部応力や平坦不良が除去され計測精度が良好な熱間矯正直後が好ましい。
【0028】
得られた鋼板表面温度と裏面温度から、長手方向位置および幅方向位置が同じ位置の板厚中心部板厚中心部の温度を推定する。板厚中心温度の推定方法には種々の方法が適用できる。例えば、鋼板の厚さ、圧延条件、冷却条件などを変動因子とした熱伝導解析をおこない、各変動因子ごとに表面温度と裏面温度の平均値(以下、単に「表裏面平均温度」と記す)と板厚中心部温度との差(TS )をあらかじめ求めておく方法や、熱電対を鋼板に埋め込む等の方法で板面温度測定と同時に板厚中心部温度を実測し、種種の製造条件における表裏面平均温度とTS との関係をあらかじめ求めておくなどの方法が考えられる。
【0029】
熱間矯正前後の測定結果から得られる表裏面平均温度に、上記の方法で得られた対象鋼板の製造条件に対応するTS を加算することにより、板厚中心部温度を推定することができる。
【0030】
鋼板厚さ方向の任意の場所での温度は、板厚中心部と鋼板表面または鋼板裏面との間では温度が直線的に変化すると仮定し、前記鋼板表面温度、鋼板裏面温度および板厚中心部温度を用いて推定演算するのがよい。
【0031】
図2は以下の説明に必要な諸量を定義するための鋼板分割モデルである。図2において、鋼板8の長手方向にX軸を、幅方向にY軸をとる。鋼板8は、幅方向には微小幅Δyを有するm個のスリットの集合体とし、厚さ方向には、厚さΔtの層がn個集積したモデルとする。また、各層内での厚さ方向の温度および各スリット内での幅方向の温度はいずれも均一とする。さらに、熱間矯正処理により、それ以前のプロセスで鋼板に生じた内部応力や形状不良は除去されるものとする。
【0032】
任意の鋼板端部から幅方向y番目のスリットの板厚中心温度をTI (y) 、その厚さ方向にk番目の層の温度をT(y,k) 、表裏面平均温度と板厚中心部温度との差をTS とすると、板厚中心部温度TI (y) は式(1) で表される。
【0033】
【数1】
Figure 0004269394
【0034】
ここで、T(y,1) は鋼板表面温度、T(y,n) は鋼板裏面温度を意味する。
板厚中心部温度は、分割層数nが奇数の場合は式(2-1) 、nが偶数の場合は式(2-2)で表される。
【0035】
I (y) =T(y,(n+1)/2) ・・・(2-1 )
I (y) =T(y,n/2) =T(y,n/2+1) ・・・(2-2 )
k番目の層の温度T(y,k) は、分割層数nが奇数の場合、kが(n+1)/2以下の場合には式(3-1) で表され、kが(n+1)/2を超える場合には式(3-2) で表される。
【0036】
【数2】
Figure 0004269394
【0037】
【数3】
Figure 0004269394
【0038】
k番目の層の温度T(y,k) は、分割層数nが偶数の場合、kが( n+1)/2以下の場合には式(3-3) で表され、kが( n+1)/2を超える場合には式(3-4) で表される。
【0039】
【数4】
Figure 0004269394
【0040】
【数5】
Figure 0004269394
【0041】
但し、厚さ方向温度分布の求め方は上記の方法に限定する必要はなく、他の方法、例えば、板厚中心部と鋼板表面または鋼板裏面との間での温度変化を多項関数で仮定して計算する方法でも構わない。
【0042】
次に、残留応力の計算方法について説明する。熱間矯正後の冷却により板厚方向の各層に生じる長手方向歪εx は、弾性歪みをεE 、塑性歪みをεP 、熱歪みをεT 、変態歪みをεTRとすると板幅方向の各位置yにおいて次式で与えられる。
【0043】
εx =εE +εP +εT +εTR・・・(4)
ただし、
【0044】
【数6】
Figure 0004269394
【0045】
【数7】
Figure 0004269394
【0046】
ここで、α:熱線膨張係数、RT :冷却速度、T:冷却前の温度、T0 :冷却後の温度、ξA :変態Aの変態率、βA :変態Aの線膨張係数。なお、式(4-2) で、右辺のΣは各種の変態のそれぞれの変態歪みの総和を表す。
【0047】
材料は弾完全塑性体と仮定すると、応力−歪み関係より次式が与えられる。
【0048】
σx(T,y)=σE (ただしσE <σY )・・・(5)
σx(T,y)=σY (ただしσE ≧σY )・・・(6)
σE =E・ (εx −εP −εT −εTR) ・・・(7)
ただし、σx :各層の長手方向応力、σE :長手方向の弾性歪みから計算される応力、σY :材料の降伏応力、E:ヤング率。
【0049】
長手方向歪εx は鋼板横断面内で均一と仮定すると、下記の(8) 式に示す横断面内の長手方向応力の釣合条件から繰り返し計算により、冷却により発生する各層の長手方向応力σx (すなわち残留応力)が求まる。
【0050】
【数8】
Figure 0004269394
【0051】
ただし、n=t/Δt、m=w/Δy、t:鋼板の厚さ、w:鋼板の幅。
【0052】
次に、条切断後の鋼板形状の計算方法について説明する。
【0053】
上記のように計算された残留応力において、板厚方向分割層k、長手方向位置i、幅方向位置yにおける残留応力をσi (y,k) とする。
【0054】
図3は、鋼板8を条切断した状況および残留応力σi (y,k) の幅方向分布の例を示す模式図である。図3において、条j切断時(切断位置yj 、yj+1 )の残留応力の解放によって生じる曲げモーメントMijk は次式のようになる。
【0055】
【数9】
Figure 0004269394
【0056】
長手方向の各位置iにおける上記Mijk より、曲げモーメントの長手方向分布を、距離xの多項関数で次式(10)のように近似する。
【0057】
【数10】
Figure 0004269394
【0058】
ここで、係数ah (h=1〜5)は、上記Mijk より最小二乗法により決定される。したがって、条切断時に生じる横曲がり方向の曲げモーメントSMj (x) は、各層での曲げモーメントMjk (x) の総和として式(11)のように求まる。
【0059】
【数11】
Figure 0004269394
【0060】
上記曲げモーメントSMj (x) より、式(12)の梁のたわみ方程式を積分することにより、条のたわみ曲線uj (x) が計算される。
【0061】
【数12】
Figure 0004269394
【0062】
ここで、Iは断面2次モーメントである。
式(12)から得られる条のたわみ曲線uj (x) より、条切断後の横曲がり量を求めることができる。
【0063】
図4は、解析装置3の動作例を示すフローチャートであり、解析装置3では、以下に示す動作によって条切断後の横曲がり量を推定する。
【0064】
すなわち、解析装置3では、図4に示すように、測定された表裏面の板幅方向温度T(y,1) 、T(y,n) から板厚方向各分割層の温度を式(1) 〜(3-4) 式より求め、次いで、冷却により発生する長手方向応力すなわち残留応力を式(4) 、弾完全塑性体と仮定した応力−歪み条件式(5) 〜(7) および釣り合い条件式(8) とから繰り返し計算により求めた後、式(9) 〜式(11)より残留応力の解放により生じる曲げモーメントを求め、式(12)よりたわみ曲線が求まり、横曲がり量が計算される。
【0065】
なお、本発明の方法によれば、従来方式では推定精度が悪く問題となる板厚が20mm以上、特に40mm以上の鋼板に適用し、横曲がり量を高精度に推定できる。
【0066】
【実施例】
図1に示す構成内容の熱間圧延設備を用いて普通鋼スラブを熱間圧延し、熱間矯正し常温まで冷却した鋼板の条切断後の横曲がり量を、図4に示すフローチャートに従って予測した。
【0067】
図1において、温度計制御装置2により板幅方向に走査制御される走査型放射式の温度計1aおよび1bをホットレベラ11の出側(ホットレベラから約3m下流の位置)に設け、熱間圧延後加速冷却装置10により加速冷却(水冷開始時の鋼板温度:700〜800℃、水冷終了時の鋼板温度:500〜600℃)された鋼板(板厚:40mm、板幅:2800mm、板長:10m、40キロ級鋼)の鋼板表裏面の幅方向温度分布を熱間矯正の5〜10秒後に測定した。表1に温度計の主仕様を示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004269394
【0069】
図5は、鋼板長手方向中央部における表裏面の幅方向温度分布の測定結果の一例を示すグラフである。図5に示すように、表面と裏面で最大30℃程度の温度差が発生した。
【0070】
次いで、上記幅方向温度分布のデータを解析装置3に転送した。解析装置3では図4に示すように、板厚方向の温度分布、残留応力分布が順次計算され、条切断後のたわみ曲線が求まり、横曲がり量を予測した。なお、表裏面温度平均値に対する板厚中心部温度の相対差の設定値は+25℃とし、計算モデルの板厚方向の分割数は5とした。
【0071】
上記鋼板を常温に空冷した後、ガスにて条切断をおこない横曲がり量を調査した。条切断条件は、板幅両端部に各50mmの捨代を設け、切断幅450mmの6条切りとした。
【0072】
図6は、本発明方法による条切断後の横曲がり量の予測精度を表すグラフで、比較例と共に示す。比較例は、板厚方向の温度を一定と仮定し、鋼板表面温度のみから条切断後の横曲がり量を推定したもので、具体的には、本発明の計算モデルにおいて、板厚方向の分割数を1として計算した。なお、横曲がり量は、同図に示すようにキャンバ量で定義し、曲がり方向を(+)、(−)で示した。
図6に示すように、本発明方法による予測精度は比較例に比べ大幅に向上した。
【0073】
【発明の効果】
本発明の方法は、熱間圧延鋼板、特に厚鋼板について、従来方法では正確に予測できない条切断後の横曲がり量を高精度に予測することが可能であり、加速冷却工程等の製造条件の調整、残留応力除去等の作業工程の効率化、および品質管理等に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに好適な設備構成例を説明する概要図である。
【図2】本発明に係る計算に用いる諸量を定義するための鋼板分割モデルである。
【図3】鋼板8を条切断した状況および残留応力σi (y,k) の幅方向分布の例を示す模式図である。
【図4】解析装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】鋼板長手方向中央部における表裏面の幅方向温度分布の測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】本発明方法による条切断後の横曲がり量の予測精度を表すグラフである。
【符号の説明】
1a、1b:温度計、2:温度計制御装置、3:解析装置、4:記録媒体、5:モニタ、6:プロセスコンピュータ、7:鋼板搬送ローラ、8:鋼板、9:圧延機、10:加速冷却装置、11:ホットレベラ、12:温度測定機構。

Claims (1)

  1. 熱間圧延された鋼板の熱間矯正の直前から直後の間で、該鋼板の表面および裏面の板長手方向における少なくとも一ヶ所の板幅方向温度分布を測定し、次いで該板幅方向温度分布の長手方向位置および幅方向位置が同位置の板厚中心部の温度を推定し、該板厚中心部温度と前記表裏面温度より板厚方向温度分布を、板厚中心部と鋼板表面または鋼板裏面との間で温度が直線的に変化すると仮定して、演算し、次いで前記板幅方向温度分布と該板厚方向温度分布より前記鋼板冷却後の残留応力分布を演算し、次いで該残留応力分布より前記鋼板の条切断後の鋼板形状を予測することを特徴とする条切断後の鋼板形状の予測方法。
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