JP3994965B2 - 鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延後に冷却する厚鋼板を対象とし、冷却過程において平坦度が良好な厚鋼板を製造する、鋼板の製造方法に関する。
厚鋼板の製造方法として、加工熱処理プロセスで鋼板を製造するケースが急増している。この技術を用いれば、合金の削減が可能で、コストを下げることができるばかりか、合金削減による溶接性向上等の効果があるため、特に造船用材料やラインパイプ鋼管用素材に適用されている。
ところが、上記プロセスには、冷却後の鋼板における平坦度悪化という大きな問題点がある。この平坦度悪化は、鋼板の温度ムラが主原因と考えられており、かかる温度ムラが小さければ、鋼板の平坦度は悪化しないことが知られている。温度ムラによる鋼板の平坦度不良には、幅方向温度差による幅方向反りや、長さ方向温度差による長さ方向の平坦度不良が挙げられるが、平坦度不良はこれらが複雑に絡み合って発生すると言われている。
温度ムラが生じる原因としては種々考えられる。例えば、熱間圧延後の平坦度が悪く、鋼板の平坦度が不良である状態のまま冷却したことに起因する温度ムラのほか、冷却装置の機能に起因する温度ムラ等を挙げることができる。
これまでに、これらの現象に対する防止策が検討されてきている。例えば、特許文献1には、前者の防止策として、冷却装置前にレベラーを設置し、熱間圧延後の鋼板の平坦度を矯正してから冷却をする方法が開示されている。また、特許文献2には、後者の防止策として、冷却装置と形状矯正装置の間に加熱装置を設置し、鋼板内の温度ムラを加熱装置で減少させた後に形状矯正を行う方法が開示されている。
特開昭54−124864号公報 特開昭61−212422号公報
しかし、特許文献1に開示されている方法では、冷却装置が原因の温度ムラを防ぐことはできないため、冷却後に形状矯正を行っても温度ムラがそのまま残り、その後の放冷過程で鋼板の平坦度が悪化するという問題点があった。また、特許文献2に開示されている方法では、形状矯正後の放冷中に発生する鋼板の平坦度不良を改善する為に、冷間レベラーやプレス矯正等による余分な工程を要するという問題点があった。
一方で、本発明者らは、温度ムラを有する鋼板を形状矯正装置により矯正し、鋼板の平坦度を矯正しても、形状矯正後の放冷過程において、鋼板内の温度ムラに起因する平坦度不良が発生するとの知見を有している。この知見に鑑みれば、特許文献2に開示されている方法は、温度ムラ自身をなくす方法であるため、放冷過程における平坦度向上には有効であるが、当該方法においては、従来技術における誘導加熱を用いるため、電力消費量が大きく、コストアップになるとの問題点があった。ここで、従来技術における誘導加熱とは、板厚、板幅等に関係なく鋼板内の温度ムラをなくす方向で加熱する方法をいう。
また、誘導加熱以外の加熱方法でも温度ムラを減少させることは可能であるが、例えば加熱炉方式では鋼板の加熱に多くの時間を要し、生産性が阻害されるので実用的ではない。
そこで、本発明は、かかる現状に鑑み、誘導加熱の消費電力量を抑えて加熱することにより、厚鋼板の温度ムラ、特に幅方向の温度ムラを減少させ、冷却後の放冷過程において良好な平坦度を有する鋼板を得ることが可能な、鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋼板に平坦度不良が起こる温度ムラ限界値を、板幅と板厚で整理したところ、「平坦度不良を起こす温度ムラ限界値」と「板幅/板厚」との間には、一定の関係があることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成させるに至ったものである。
本発明は、冷却装置と、形状矯正装置と、誘導加熱装置とがこの順で設置されている鋼板の製造ラインにおいて、
鋼板の板幅W(mm)と板厚t(mm)とにより与えられる下記(式1)の値をf、
f=0.004×(W/t) −1.8×(W/t)+220 (式1)
鋼板を冷却装置で冷却した後の鋼板表面の最高温度と最低温度との差をΔT(℃)とするとき、
(1) ΔT>f、であるときは、
ΔT≦f となるように、誘導加熱装置により鋼板を加熱したうえで、鋼板を形状矯正装置の前まで逆送し、その後、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(2) ΔT≦f、であるときは、
誘導加熱装置により鋼板を加熱することなく、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法により、上記課題を解決しようとするものである。
ΔTの値が一定値以下であれば鋼板の平坦度悪化を防止可能であるという特性を利用して、ΔTの値が一定値を超える鋼板に限り、この値を一定値以下とする加熱を行うため、上記の本発明によれば、加熱コストを抑制しつつ平坦度が良好な鋼板を製造することが可能となる。
上記の本発明において、誘導加熱装置による加熱は、ソレノイド型の誘導加熱コイルを用いて行うことが好ましい。
かかるコイルは発熱効率が高いため、鋼板を効率良く加熱することが可能となる。
本発明の鋼板の製造方法によれば、冷却装置による冷却後の鋼板に温度ムラが発生した場合でも、特定の条件に該当する鋼板のみを加熱するため、誘導加熱の消費電力を抑えて加熱することが可能となる。また、かかる加熱を行うことにより、厚鋼板の温度ムラ、特に幅方向の温度ムラを減少させ、冷却後の放冷過程においても平坦度が良好な鋼板を製造し得る、鋼板の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
1.製造方法の概要
本発明における鋼板の製造方法において使用する鋼板の製造ライン100の形態例を図1に示す。鋼板の製造ライン100は、冷却装置10と、形状矯正装置20と、誘導加熱装置30とが、この順で設置され、鋼板1は図の左から右方向へとライン中を送られる。ここで、形状矯正装置20により形状を矯正された鋼板1の板幅と板厚は、それぞれW(mm)とt(mm)であり、この鋼板は、ΔT(℃)の温度ムラとを有しているとする。この時、鋼板1は、「Wの値とtの値とを下記(式1)に代入して得られるfの値と、ΔTの値との間における大小関係」により、以下に示す2通りの方法により、その形状を矯正される。
f=0.004×(W/t)−1.8×(W/t)+220 (式1)
すなわち、
ケースA:形状矯正装置20による形状矯正後の鋼板1が、「ΔT>f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置30による加熱によってΔT≦fとしてから、形状矯正装置20の前まで逆送され、引き続き、形状矯正装置20により、その形状を矯正された後、次工程へと送られる。
ケースB:形状矯正装置20による形状矯正後の鋼板1が、「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置30により加熱されることなく、次工程へと送られる。
2.製造方法選択の基準
本発明の鋼板の製造方法において、製造方法選択の判断基準となる温度ムラΔTにつき、以下に定義する。
温度ムラΔTは、鋼板のエッジ部各々20mm及び鋼板の先後端1mを除いた部分の鋼板面における、最高温度と最低温度との差とした。鋼板のエッジ部及び鋼板の先後端を除くのは、かかる部分は過冷却され特異値となるためである。
ここで、温度ムラΔTは、冷却装置の出側にスキャン温度計を設置して測定しても良いし、CCDカメラ、赤外線サーモグラフィー等の画像解析により温度ムラΔTを算出しても良い。
3.製造方法の加熱条件
本発明者らは、鋼板に平坦度不良が起こる温度ムラΔTの限界値を、板幅と板厚とで整理したところ、「平坦度不良を起こす温度ムラΔTの限界値」と「板幅/板厚」との間に、一定の関係があることを見出した。図2に、鋼板内温度ムラと鋼板の平坦度との関係を示す。図2の各測定点では、製造現場における実際の各種サイズの鋼板を用いて調査した。図2の縦軸である「加速冷却後の温度ムラΔT」は、冷却装置により冷却した直後における鋼板の温度ムラである。冷却装置における鋼板出側に鋼板の幅方向における温度差を測定可能な放射温度計を設置し、この温度計により、0.2秒毎に鋼板幅方向の温度差を鋼板のほぼ全長に渡って測定した。
上記温度ムラは、この測定結果から、最大温度差を計算することにより特定した。一方、図2における鋼板の平坦度は、製造現場の最終検査場において、製造ライン側面に平坦度測定目盛りを設置し、かかる目盛りを目視で確認することにより特定した。ここで、「平坦度良好」とは、鋼板のうねり高さが10mm以下である場合を指し、「平坦度不良」とは、うねり高さが10mmを超える場合を指す。
なお、鋼板の平坦度については、板厚が15〜30mm、板幅が2000〜4000mmである鋼板において反りが発生したものを選び、データを採取した。また、鋼板の平坦度不良は、鋼板の長手方向にも生じるが、水冷された鋼板においては、特に鋼板の幅方向における平坦度が悪いため、かかる方向の平坦度を測定した。
図2において、「○」は、鋼板の平坦度が良好であり次工程において形状矯正が不要であることを意味し、一方、「●」は、鋼板に平坦度が不良な箇所が発生したため次工程において形状矯正が必要であることを意味している。図2から、鋼板に温度ムラΔTが存在しても、「板幅/板厚」の値との関係で、鋼板に平坦度不良が発生しない許容範囲が存在することが示唆される。鋼板の板幅をW(mm)、同板厚をt(mm)とする時、かかる許容範囲の境界は、「板幅/板厚」の関数として次式で与えられる。
f=0.004×(W/t)−1.8×(W/t)+220
鋼板温度ムラΔTが当該許容値の範囲内である場合、すなわち、ΔTの値が上記fの値以下である場合には、次工程(冷却床)における放冷過程において平坦度不良が発生しないため、鋼板の平坦度不良抑制を目的とした加熱は不要である。一方で、鋼板温度ムラが当該許容値の範囲外である場合、すなわち、ΔTの値が上記fの値を超える場合には、ΔTの値をfの値以下とする加熱をすれば次工程における放冷過程において鋼板の平坦度不良を抑制することが可能であるため、従来のように、鋼板内の温度ムラがほとんどなくなるまでの加熱は不要となる。
4.製造方法の詳細
本発明における鋼板の製造方法は、上記条件を用いた制御により、鋼板を製造する方法であり、各々の条件を満たすか否かによって、下記2種類の製造方法が考えられる。
(1)ケースA
形状矯正装置20による形状矯正後の鋼板1が、「ΔT>f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置30による加熱によってΔT≦fとしてから、形状矯正装置20の前まで製造ラインを逆送され、引き続き、形状矯正装置20によりその形状を矯正された後、次の工程へと送られる。
この場合は、形状矯正装置による形状矯正後における鋼板の温度ムラが「ΔT>f」であるため、このまま次の工程へと送られると、鋼板の放冷過程において、温度ムラに起因する平坦度不良が発生する。したがって、かかる平坦度不良を防止するため、本ケースの場合には、誘導加熱装置30により、温度ムラが「ΔT≦f」の条件を満たすような加熱が行われる。
ここで、誘導加熱装置30による加熱は、鋼板1の温度ムラが「ΔT≦f」の条件を満たす程度の加熱であれば、その後の放冷過程において平坦度不良が発生しないため十分であり、ΔT<<fの条件を満たす程の加熱は必要とされない。
誘導加熱装置30による加熱後に、形状矯正装置20により鋼板1の形状を矯正するのは、加熱装置による加熱により、熱間圧延による鋼板の残留応力が開放され、鋼板の平坦度が悪化するためである。
また、誘導加熱装置における誘導加熱方式には、トランスバース型とソレノイド型とが存在するが、ソレノイド型の加熱方式の方が、他方の加熱方式よりも加熱効率の点で優れているため、本発明において、誘導加熱装置30による加熱は、ソレノイド型の誘導加熱コイルを用いて行うことが好ましい。
さらに、図1に示す鋼板の製造ライン100では、一台の誘導加熱装置30のみを図示しているが、鋼板1の板厚が大きい場合、鋼板1の搬送速度が大きい場合、及び誘導加熱装置30による鋼板1の温度上昇量を大きくする場合等においては、当該加熱装置30を、二台以上設置することが好ましい。
なお、鋼板1を逆送させる場合には、形状矯正装置20を素通りさせても良いし、形状矯正装置20により形状を矯正しても良いが、より良好な平坦度を有する鋼板1を希望する場合には、形状矯正装置20により鋼板形状を矯正することが好ましい。
(2)ケースB
形状矯正装置20による形状矯正後の鋼板1が、「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置30により加熱されることなく、次工程へと送られる。
この場合は、「ΔT≦f」であるため、次工程における放冷過程において、鋼板1の温度ムラに起因する平坦度不良は発生しない。したがって、誘導加熱装置30による加熱は不要である。
なお、形状矯正装置20による形状矯正後の鋼板1の平坦度が良好ではない場合には、形状矯正装置20を用いて、複数回に渡って矯正することにより、良好な平坦度を有する鋼板1を得ることが可能であるが、形状矯正装置による形状矯正を4回以上行うと、生産性が低下するため、鋼板1の形状矯正は3回以内に止めることが好ましい。
以下に本発明の実施例及び比較例を示す。各実施例及び比較例においては、鋼板サイズ、冷却装置の冷却条件等を予め設定した材質予測シミュレーションにより、鋼板のうねり高さ及び温度ムラを算出した。
本発明の実施例及び比較例のシミュレーションにおいて用いた鋼板は、JIS SM490A相当材とした。鋼板サイズは、板厚23mm×板幅3200mm×長さ37mとし、鋼板製造ラインにおける冷却装置入り側の鋼板温度は780℃、冷却装置出側の鋼板温度は400℃とした。ここで、鋼板の板厚23mmと、同板幅3200mmとから、fは、
f=0.004×(3200/23)2−1.8×(3200/23)+220≒47
となり、本発明の実施例及び比較例において使用した鋼板の限界温度ムラは47℃であった。
本発明の実施例又は比較例において使用した、鋼板製造ラインの構成配置を表1に、冷却装置の仕様を表2に、誘導加熱装置の仕様を表3に、形状矯正装置の仕様を表4に、形状矯正装置による形状矯正後における鋼板の温度ムラΔTの値を表5に、それぞれ示す。
Figure 0003994965
Figure 0003994965
Figure 0003994965
Figure 0003994965
Figure 0003994965
「f≒47」より、表5における各鋼板は、次のように分類することができる。すなわち、
「鋼板A」は、ΔT=60より、「ΔT>f」であるため、上記ケースAに該当する。
また、「鋼板B」は、ΔT=30より、「ΔT≦f」であるため、上記ケースBに該当する。
(実施例1)
本実施例では、表1に示す鋼板製造ライン1を使用した。誘導加熱装置内における鋼板の搬送速度、当該加熱装置が各鋼板に熱量を与えた時間、及び当該装置が各鋼板に与えた熱量は、それぞれ、毎分10m、6秒間、及び400℃の鋼板温度が500℃となる熱量とし、かかる加熱を1回行うことにより、各鋼板の温度ムラを47℃以下とした。
本実施例における鋼板A及び鋼板Bの製造工程を表6にあわせて示す。
Figure 0003994965

本実施例において、鋼板Aは、上記ケースAに該当するため、誘導加熱装置による加熱により温度ムラΔTの値を47以下としたうえで、当該鋼板を形状矯正装置の前まで逆送し、その後、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
また、本実施例の鋼板Bは、上記ケースBに該当するため、誘導加熱装置により加熱することなく、次工程へと送った。
本実施例による鋼板形状の矯正結果を表6にあわせて示す。表6より、本実施例における鋼板は、鋼板Aと鋼板Bとの両方の鋼板において、良好な平坦度を得ることができた。ここで、鋼板の平坦度が良好であるか否かの判断は、2mの直尺により行った。かかる平坦度の判断基準は、以下に示す比較例においても同様である。
なお、本実施例において、誘導加熱装置による加熱後に行う形状矯正装置による鋼板形状の矯正は、1回のみとしたが、鋼板の平坦度に応じて、かかる矯正を複数回行っても良い。
また、本実施例において、誘導加熱装置による加熱が必要である場合、その回数は1回のみとしたが、加熱後の鋼板の温度ムラに応じて、かかる加熱を複数回行うことにより、温度ムラをfの値以下としても良い。
(比較例1)
本比較例では、表1に示す鋼板製造ライン1を使用した。誘導加熱装置内における鋼板の搬送速度、当該加熱装置が各鋼板に熱量を与えた時間、及び当該装置が各鋼板に与えた熱量は、それぞれ、毎分5m、12秒間、及び400℃の鋼板温度が500℃となる熱量とし、かかる加熱を3回行うことにより、各鋼板の温度ムラを10℃以下とした。
本比較例における鋼板A及び鋼板Bの製造工程を表6にあわせて示す。
本比較例において、鋼板Aは、上記ケースAに該当するため、誘導加熱装置により鋼板の温度ムラが10℃以下となる加熱を行った以外は、実施例1における鋼板Aの形状矯正と同様の処理を行った。
また、本比較例の鋼板Bは、上記ケースBに該当するため、誘導加熱装置により鋼板の温度ムラが10℃以下となる加熱を行った以外は、実施例1における鋼板Bの形状矯正と同様の処理を行った。
本比較例における鋼板形状の矯正結果を表6にあわせて示す。表6より、本比較例における鋼板は、鋼板Aと鋼板Bとの両方において、良好な平坦度を得ることができたが、誘導加熱装置による加熱を3回行ったため、生産性が著しく低下するとともに、電力消費量が大きくなった。そのため、生産コストの面から、本比較例にかかる製造方法は好ましくないとの結果が得られた。
(比較例2)
本比較例では、表1に示す鋼板製造ライン2を使用した。鋼板製造ライン2は、誘導加熱装置を有さず、加速冷却装置以外には形状矯正装置のみを有する製造ラインであるため、鋼板Aと鋼板Bとの両方において、加速冷却装置による冷却後に、引き続き、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
本比較例における鋼板A並びに鋼板Bの製造工程及び鋼板形状の矯正結果を表6にあわせて示す。表6より、本比較例における鋼板の平坦度は、鋼板Aにおいて、不良となった。したがって、鋼板の製造ラインにおいては、誘導加熱装置を配置することが重要であるという結果が得られた。
鋼板の製造方法において使用する鋼板の製造ラインの実施形態例を示す図である。 鋼板内温度ムラと鋼板の平坦度との関係を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
10 冷却装置
20 形状矯正装置
30 誘導加熱装置
100 鋼板の製造ライン

Claims (2)

  1. 冷却装置と、形状矯正装置と、誘導加熱装置とがこの順で設置されている鋼板の製造ラインにおいて、
    前記鋼板の板幅W(mm)と板厚t(mm)とにより与えられる下記(式1)の値をf、
    f=0.004×(W/t) −1.8×(W/t)+220 (式1)
    前記鋼板を前記冷却装置で冷却した後の前記鋼板表面の最高温度と最低温度との差をΔT(℃)とするとき、
    (1) ΔT>f、であるときは、
    ΔT≦f となるように、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱したうえで、前記鋼板を前記形状矯正装置の前まで逆送し、その後、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
    (2) ΔT≦f、であるときは、
    前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱することなく、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法。
  2. 前記誘導加熱装置による加熱を、ソレノイド型の誘導加熱コイルを用いて行うことを特徴とする、請求項1に記載の鋼板の製造方法。
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