JP2005186111A - 鋼板の製造ライン及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 冷却装置10と、誘導加熱装置50と、第一の形状矯正装置20とがこの順序で配置されている鋼板の製造ライン100において、冷却装置10と誘導加熱装置50との間に第二の形状矯正装置30を配置する。
【選択図】 図1
Description
かかる配置を採ることにより、冷却装置による冷却後において鋼板の平坦度が悪い場合であっても、第二の形状矯正装置によりその形状が矯正される結果、誘導加熱装置を退避させずにそのまま鋼板を加熱することが可能になるため、鋼板製造の生産性を向上させることが容易になる。
かかる構成を採ることにより、熱間圧延後の鋼板形状を、冷却装置による冷却前に矯正することが可能になるため、良好な平坦度を有する鋼板を製造することが容易になる。
かかるコイルは発熱効率が高いため、鋼板を効率良く加熱することが可能となる。
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220 (式1)
誘導加熱装置における、誘導加熱コイル間距離をL(mm)、鋼板を冷却装置で冷却した後の鋼板表面の最高温度と最底温度との差をΔT(℃)、鋼板のうねり高さをΔH(mm)、とするとき、
(1) ΔH≦0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
ΔT≦f となるように、誘導加熱装置により鋼板を加熱した後に、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(2) ΔH>0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
一旦、誘導加熱装置を退避させた後、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、その後、 ΔT≦f となるように、誘導加熱装置により鋼板を加熱した後に、再度、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(3) ΔH>0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
誘導加熱装置を退避させた後、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(4) ΔH≦0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
誘導加熱装置により鋼板を加熱することなく、形状矯正装置により鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法により、上記課題を解決しようとするものである。
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220 (式1)
誘導加熱装置における、誘導加熱コイル間距離をL(mm)、鋼板を冷却装置で冷却した後の鋼板表面の最高温度と最底温度との差をΔT(℃)、鋼板のうねり高さをΔH(mm)、とするとき、
(1) ΔH≦0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
第二の形状矯正装置により鋼板を矯正することなく、ΔT≦f となるように、誘導加熱装置により鋼板を加熱した後に、第一の形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(2) ΔH>0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
第二の形状矯正装置により鋼板を矯正した後、ΔT≦f となるように、誘導加熱装置により鋼板を加熱し、その後、第一の形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(3) ΔH>0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
第二の形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、誘導加熱装置により鋼板を加熱することなく、第一の形状矯正装置により鋼板の形状を矯正し、
(4) ΔH≦0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
第二の形状矯正装置と誘導加熱装置とを使用することなく、第一の形状矯正装置により鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法により、上記課題を解決しようとするものである。
1.製造ライン
図1は、本発明における鋼板の製造ライン100の実施形態例を示す図である。本発明の製造ライン100は、冷却装置10と、第二の形状矯正装置30と、誘導加熱装置50と、第一の形状矯正装置20とが、この順で配置され、鋼板1は図の左から右方向へとライン中を送られる。本発明の製造ライン100において、第二の形状矯正装置30の矯正能力は、第一の形状矯正装置20の矯正能力よりも低く、又、冷却装置10と、第二の形状矯正装置30と、誘導加熱装置50と、第一の形状矯正装置20とがこの順で配置されていることを必須とする。
なお、第二の形状矯正装置では鋼板の平坦度を0.05L以下にすればよく、第一の形状装置のように鋼板をデッドフラットにする必要はないため、能力は低くてもよい。
本発明の鋼板の製造ラインに配置される第三の形状矯正装置の矯正能力については、特に制限はないが、設備コスト抑制の観点から、第一の形状矯正装置20の矯正能力よりも低いことが好ましい。
ここで、形状矯正装置における「矯正能力」とは、形状矯正装置の最大矯正反力のことである。
なお、本発明において、形状矯正装置はローラレベラーが好ましいが、ピンチロールのようなもので押さえる形状矯正装置でも良いし、プレス型の形状矯正装置でも良い。
本発明における鋼板の製造方法において使用する鋼板の製造ライン200の形態例を図2に示す。鋼板の製造ライン200は、冷却装置11と、誘導加熱装置51と、形状矯正装置21とが、この順で配置されている。ここで、冷却装置11により冷却された鋼板1の板幅と板厚は、それぞれW(mm)とt(mm)であり、この鋼板は、ΔH(mm)のうねり高さとΔT(℃)の温度ムラとを有しているとする。また、誘導加熱装置51の誘導加熱コイル間距離をL(mm)とする。この時、鋼板1は、「ΔHの値と0.05×Lの値との大小関係」及び「Wの値とtの値とを下記(式1)に代入して得られるfの値と、ΔTの値との間における大小関係」に応じて、以下に示す4通りの方法により、その形状を矯正される。
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220 (式1)
すなわち、
ケースA:冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51による加熱によってΔT≦fとしてから、形状矯正装置21により、その形状を矯正される。
ケースB:冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」である場合、鋼板1は、一旦、誘導加熱装置51を退避するか若しくは当該装置51による加熱を経ずに形状矯正装置21によりその形状を矯正され、その後、誘導加熱装置51により加熱される。当該装置51による加熱は、鋼板1がΔT≦fの条件を満たすまで行い、この条件を満たした後で、鋼板1は、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
ケースC:冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51を退避した後で、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
ケースD:冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51により加熱されることなく、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
本発明の鋼板の製造方法において、製造方法選択の判断基準となる制御条件の各要素につき、以下に定義する。
(1)うねり高さΔH
うねり高さΔHの概念図を、図3に示す。図3において、1は鋼板の幅方向断面を示している。
形状矯正装置と接する鋼板面の少なくとも一部が水平面5と接するように鋼板1を配置した場合に、形状矯正装置と接する鋼板面の一面において、水平面5からの距離が最大となる点を点A、水平面5と接する点の一つを点Bとする時、点Aと点Bとの二点間における鉛直方向の距離を、うねり高さΔHとする。
ここで、鋼板のうねり高さΔHは、鋼板の製造ラインの側面にうねり高さ測定目盛りを設置して運転席から目視で確認しても良いし、平坦度計による鋼板の急峻度測定によりうねり高さを測定しても良いし、板幅と同程度の長さを有する直尺を鋼板の表面に当てて目視又は隙見ゲージにより測定しても良い。
温度ムラΔTは、鋼板のエッジ部各々20mm及び鋼板の先後端1mを除いた部分の鋼板面における、最大温度と最小温度との差とした。ここで、鋼板のエッジ部及び鋼板の先後端を除くのは、かかる部分は過冷却され特異値となるためである。
ここで、温度ムラΔTは、冷却装置の出側にスキャン温度計を設置して測定しても良いし、CCDカメラ、赤外線サーモグラフィー等の画像解析により温度ムラΔTを算出しても良い。
鉛直方向における誘導加熱コイルの内径を、誘導加熱コイル間距離Lとする。誘導加熱コイル間距離Lの概念図を、図4に示す。
図4(a)は、誘導加熱装置50を鉛直方向に切断した場合における切断面を示した図であり、図4(b)は、誘導加熱コイル8、8、8、…と鋼板1との位置関係を、図4(a)とは異なる方向から示した図である。ここで、鋼板1の進行方向は、図4(a)においては紙面の手前から奥へと向かう方向であるのに対し、図4(b)においては、紙面の左から右へと向かう方向である。誘導加熱コイル8は、誘導加熱装置50の周囲に巻き付けられており、テーブルローラ9の上に配置される鋼板1は、誘導加熱コイル8、8、8、…により、上下両面から加熱される。本発明において、誘導加熱コイル間距離Lは、鋼板1の上方に存在する誘導加熱コイル8、8、8、…と、下方に存在する誘導加熱コイル8、8、8、…とが、それぞれ鋼板1と向かい合っている面の間の距離と定義する。
(1)第一の条件
本発明者らは、鋼板に平坦度不良が起こる温度ムラΔTの限界値を、板幅と板厚とで整理したところ、「平坦度不良を起こす温度ムラΔTの限界値」と「板幅/板厚」との間に、一定の関係があることを見出した。図5に、鋼板内温度ムラと鋼板の平坦度との関係を示す。図5の各測定点では、製造現場における実際の各種サイズの鋼板を用いて平坦度不良が発生するか否かを調査した。図5の縦軸である「加速冷却後の温度ムラΔT」は、冷却装置により冷却した直後における鋼板の温度ムラである。冷却装置における鋼板出側に鋼板の幅方向における温度差を測定可能な放射温度計を設置し、この温度計により、0.2秒毎に鋼板幅方向の温度差を鋼板のほぼ全長に渡って測定した。上記温度ムラは、この測定結果から、最大温度差を計算することにより特定した。一方、図5における鋼板の平坦度は、製造現場の最終検査場において、鋼板の幅方向に全長2mの直尺を当て、隙間ゲージにより鋼板のうねり高さを確認することにより特定した。ここで、「平坦度良好」とは、鋼板のうねり高さが10mm以下である場合を指し、「平坦度不良」とは、うねり高さが10mmを超える場合を指す。
なお、鋼板の平坦度については、板厚が15〜30mm、板幅が2000〜4000mmである鋼板において反りが発生したものを選び、データを採取した。また、鋼板の平坦度不良は、鋼板の長手方向にも生じるが、水冷された鋼板においては、特に鋼板の幅方向における平坦度が悪いため、かかる方向の平坦度を測定した。
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220
鋼板温度ムラΔTが当該許容値の範囲内である場合、すなわち、ΔTの値が上記fの値以下である場合には、平坦度不良が発生しないため、鋼板の平坦度不良抑制を目的とした加熱は不要である。一方で、鋼板温度ムラが当該許容値の範囲外である場合、すなわち、ΔTの値が上記fの値を超える場合には、ΔTの値をfの値以下とする加熱をすれば鋼板の平坦度不良を抑制することが可能であるため、従来のように、鋼板内の温度ムラがほとんどなくなるまでの加熱は不要となる。
良好な平坦度を有する鋼板を得るための他の条件として、上記第一の条件以外に、鋼板のうねり高さΔHと関連する条件が存在する。
誘導加熱による発熱量は、「誘導加熱コイルと鋼板表面との距離」の2乗に比例する。そのため、鋼板の平坦度が悪く、鋼板のうねり高さΔHの値が大きい場合には、鋼板の同一面内において誘導加熱コイルとの距離にばらつきが生じ、誘導加熱コイルによる発熱量に差が生じる結果、鋼板に温度差(温度ムラ)が発生する。したがって、鋼板のうねり高さΔHの値が大きい場合には、誘導加熱装置による加熱を行う前に、形状矯正装置により、鋼板の形状を矯正する必要がある。
製造される鋼板において、その機械的特性のばらつきを許容範囲内に収めるには、上記温度ムラの範囲を±30℃以内に抑える必要があり、かかる温度ムラの範囲内へ抑えるため、鋼板のうねり高さΔHの値を特定値以下にする必要がある。誘導加熱装置における誘導加熱コイル間距離をL(mm)とする時、当該特定値は、「0.05×L」で表される。かかる特定値「0.05×L」は、以下に示す算出手順により得ることができる。
誘導加熱コイルと鋼板表面との距離(以後、「コイル距離」と記述する。)を変化させると、誘導加熱の加熱効率が変化する。そこで、誘導加熱による発熱量に誘導加熱の加熱効率を乗じたものを、鋼板表面が受ける熱量(以後、「鋼板熱量」と記述する。)とする。コイル距離と鋼板熱量との関係は、二次元熱伝導方程式に差分法ビオサバールの法則
、オームの法則ジュールの法則等を適用することにより算出可能であり、鋼板における60℃の温度差と対応する熱量を当該算出結果へ代入することにより、鋼板のうねり高さΔHの限界値を算出できる。上記特定値「0.05×L」は、かかる手順により算出した鋼板のうねり高さΔHの限界値を、誘導加熱コイル間距離Lの関数として表すことにより、得たものである。
2.3.製造方法
(1)ケースA
冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51による加熱によってΔT≦fとしてから、形状矯正装置21により、その形状を矯正される。
この場合は、「ΔH≦0.05×L」であるため、鋼板1をそのまま誘導加熱装置51で加熱しても、その平坦度に影響を及ぼさない。したがって、誘導加熱装置51により温度ムラΔTの値をfの値以下とする加熱を行い、その後、形状矯正装置21により、鋼板1の形状矯正を行う。
冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」である場合、鋼板1は、一旦、誘導加熱装置51を退避するか若しくは当該装置51による加熱を経ずに形状矯正装置21によりその形状を矯正され、その後、誘導加熱装置51により加熱される。当該装置51による加熱は、鋼板1がΔT≦fの条件を満たすまで行い、この条件を満たした後、鋼板1は、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51から鋼板1を退避させた後若しくは誘導加熱装置51により鋼板1を加熱せずに、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
冷却装置11による冷却後の鋼板1が、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」である場合、鋼板1は、誘導加熱装置51により加熱されることなく、形状矯正装置21によりその形状を矯正される。
本発明の実施例及び比較例のシミュレーションにおいて用いた鋼板は、JIS SM490A相当材とした。鋼板サイズは、板厚23mm×板幅3200mm×長さ37mとし、鋼板製造ラインにおける冷却装置入り側の鋼板温度は780℃、冷却装置出側の鋼板温度は400℃とした。ここで、鋼板の板厚23mmと、同板幅3200mmとから、fは、
f=0.004×(3200/23)2−1.8×(3200/23)+220≒47
となり、本発明の実施例及び比較例において使用した鋼板の限界温度ムラは47℃であった。
ここで、表4より、誘導加熱コイルと鋼板のパスライン間の距離が100mmであるため、本発明の実施例及び比較例における誘導加熱コイル間距離L(mm)は、「100mm×2+鋼板の板厚」より、「L>200」となる。そのため、「10<0.05×L」の条件が特定できる。
「鋼板A」は、ΔH=10、ΔT=60より、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」であるため、上記ケースAに該当する。
また、「鋼板B」は、ΔH=40、ΔT=60より、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT>f」であるため、上記ケースBに該当する。
さらに、「鋼板C」は、ΔH=25、ΔT=40より、「ΔH>0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」であるため、上記ケースCに該当する。
さらにまた、「鋼板D」は、ΔH=5、ΔT=30より、「ΔH≦0.05×L」であり、かつ「ΔT≦f」であるため、上記ケースDに該当する。
本実施例においては、表1に示す鋼板製造ライン1を使用した。誘導加熱装置内における鋼板の通板速度、当該加熱装置が各鋼板に熱量を与えた時間、及び当該装置が各鋼板に与えた熱量は、それぞれ、毎分10m、6秒間、及び400℃の鋼板温度が500℃となる熱量とし、かかる加熱を1回行うことにより、各鋼板の温度ムラを47℃以下とした。
本実施例において、鋼板Aは、上記ケースAに該当するため、加速冷却装置による冷却後に、誘導加熱装置により鋼板Aを加熱し、その後、形状矯正装置により形状を矯正した。
また、本実施例の鋼板Bは、上記ケースBに該当するため、加速冷却装置による冷却後に、鋼板Bは誘導加熱装置を退避し、形状矯正装置によりその形状を矯正した後、誘導加熱装置により加熱し、引き続き、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
さらに、本実施例の鋼板Cは、上記ケースCに該当するため、加速冷却装置による冷却後に、鋼板Cは誘導加熱装置を退避し、その後、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
さらにまた、本実施例の鋼板Dは、上記ケースDに該当するため、鋼板Dは、誘導加熱装置により加熱することなく、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
なお、本実施例において、誘導加熱装置による加熱後に行う形状矯正装置による鋼板形状の矯正は、1回のみとしたが、鋼板の平坦度に応じて、かかる矯正を複数回行っても良い。
また、本実施例において、誘導加熱装置による加熱が必要である場合、その回数は1回のみとしたが、加熱後の鋼板の温度ムラに応じて、かかる加熱を複数回行うことにより、温度ムラをfの値以下としても良い。
本実施例においては、表1に示す鋼板製造ライン3を使用し、誘導加熱装置内における鋼板の通板速度、当該加熱装置が各鋼板に熱量を与えた時間、及び当該装置が各鋼板に与えた熱量は、実施例1と同様とした。
本実施例において、鋼板Aは、上記ケースAに該当する。冷却装置と、第二の形状矯正装置と、誘導加熱装置と、第一の形状矯正装置とがこの順で配置されている鋼板の製造ライン(以後、「製造ラインX」と記述する。)において、上記ケースAに該当する鋼板の形状を矯正する場合、鋼板Aは、ΔH≦0.05×Lの条件を既に満たしているため、当該鋼板Aは、第二の形状矯正装置によりその形状を矯正されることなく誘導加熱装置により加熱される。当該加熱装置による加熱は、ΔT≦fとなるように行われ、かかる加熱後に、第一の形状矯正装置によりその形状を矯正される。したがって、本実施例における鋼板Aは、この手順によりその形状を矯正した。
なお、本実施例において、誘導加熱装置による加熱後に行う形状矯正装置による鋼板形状の矯正は、1回のみとしたが、鋼板の平坦度に応じて、かかる矯正を複数回行っても良い。
また、本実施例において、誘導加熱装置による加熱が必要である場合、その回数は1回のみとしたが、加熱後の鋼板の温度ムラに応じて、かかる加熱を複数回行うことにより、温度ムラをfの値以下としても良い。
本比較例においては、表1に示す鋼板製造ライン1を使用した。誘導加熱装置内における鋼板の通板速度、当該加熱装置が各鋼板に熱量を与えた時間、及び当該装置が各鋼板に与えた熱量は、それぞれ、毎分5m、12秒間、及び400℃の鋼板温度が500℃となる熱量とし、かかる加熱を3回行うことにより、各鋼板の温度ムラを10℃以下とした。
本比較例において、鋼板Aは、上記ケースAに該当するため、誘導加熱装置により鋼板の温度ムラが10℃以下となる加熱を行った以外は、実施例1における鋼板Aの形状矯正と同様の処理を行った。
また、本比較例の鋼板Bは、上記ケースBに該当するため、誘導加熱装置により鋼板の温度ムラが10℃以下となる加熱を行った以外は、実施例1における鋼板Bの形状矯正と同様の処理を行った。
本比較例においては、表1に示す鋼板製造ライン2を使用した。鋼板製造ライン2は、誘導加熱装置を有さず、加速冷却装置以外には形状矯正装置のみを有する製造ラインであるため、全ての鋼板(鋼板A〜鋼板D)において、加速冷却装置による冷却後に、引き続き、形状矯正装置によりその形状を矯正した。
本比較例における各鋼板(鋼板A〜鋼板D)の製造工程及び鋼板形状の矯正結果を表6にあわせて示す。表6より、本比較例における鋼板の平坦度は、鋼板A及び鋼板Bにおいて、不良となった。したがって、鋼板の製造ラインにおいては、誘導加熱装置を配置することが重要であるという結果が得られた。
10、11 冷却装置
20、21、30 形状矯正装置
50、51 誘導加熱装置
100、200 鋼板の製造ライン
Claims (6)
- 冷却装置と、誘導加熱装置と、第一の形状矯正装置とがこの順で設置されている鋼板の製造ラインにおいて、前記冷却装置と前記誘導加熱装置との間に第二の形状矯正装置が設置されていることを特徴とする、鋼板の製造ライン。
- 前記第二の形状矯正装置の矯正能力が、前記第一の形状矯正装置の矯正能力よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の鋼板の製造ライン。
- 前記冷却装置の前に、第三の形状矯正装置が設置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼板の製造ライン。
- 前記誘導加熱装置が、ソレノイド型の誘導加熱コイルを具備することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板の製造ライン。
- 冷却装置と、誘導加熱装置と、形状矯正装置とがこの順で設置されている鋼板の製造ラインにおいて、
前記鋼板の板幅W(mm)と板厚t(mm)とにより与えられる下記(式1)の値をf、
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220 (式1)
前記誘導加熱装置における、誘導加熱コイル間距離をL(mm)、
前記鋼板を前記冷却装置で冷却した後の前記鋼板表面の最高温度と最底温度との差をΔT(℃)、前記鋼板のうねり高さをΔH(mm)、とするとき、
(1) ΔH≦0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
ΔT≦f となるように、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱した後に、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(2) ΔH>0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
一旦、誘導加熱装置を退避させた後、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、その後前記誘導加熱装置まで逆送し、 ΔT≦f となるように、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱した後に、再度、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(3) ΔH>0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
誘導加熱装置を退避させた前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(4) ΔH≦0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱することなく、前記形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法。 - 冷却装置と、第二の形状矯正装置と、誘導加熱装置と、第一の形状矯正装置とがこの順で設置されている鋼板の製造ラインにおいて、
前記鋼板の板幅W(mm)と板厚t(mm)とにより与えられる下記(式1)の値をf、
f=0.004×(W/t)2−1.8×(W/t)+220 (式1)
前記誘導加熱装置における、誘導加熱コイル間距離をL(mm)、
前記鋼板を前記冷却装置で冷却した後の前記鋼板表面の最高温度と最底温度との差をΔT(℃)、前記鋼板のうねり高さをΔH(mm)、とするとき、
(1) ΔH≦0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
前記第二の形状矯正装置により前記鋼板を矯正することなく、ΔT≦f となるように、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱した後に、前記第一の形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(2) ΔH>0.05L、かつ、 ΔT>f、であるときは、
前記第二の形状矯正装置により前記鋼板を矯正した後、ΔT≦f となるように、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱し、その後、前記第一の形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(3) ΔH>0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
前記第二の形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、前記誘導加熱装置により前記鋼板を加熱することなく、前記第一の形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正し、
(4) ΔH≦0.05L、かつ、ΔT≦f、であるときは、
前記第二の形状矯正装置と前記誘導加熱装置とを使用することなく、前記第一の形状矯正装置により前記鋼板の形状を矯正する、鋼板の製造方法。
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