JP5621730B2 - 厚鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延後に冷却して製造する厚鋼板の製造方法に関する。
厚鋼板の製造方法として、加工熱処理プロセスで厚鋼板(以下において、「鋼板」ということがある。)を製造するケースが急増している。この技術を用いれば、合金元素の削減が可能で、コストを下げることができるばかりか、合金元素削減による溶接性向上等の効果があるため、特に造船用材料やラインパイプ鋼管用素材に適用されている。
ところが、上記プロセスには、冷却後の鋼板における平坦度悪化という大きな問題点がある。この平坦度悪化は、鋼板の温度ムラが主原因と考えられており、かかる温度ムラが小さければ、鋼板の平坦度は悪化しないことが知られている。温度ムラによる鋼板の平坦度悪化には、幅方向温度差による幅方向反りや、長さ方向温度差による長さ方向の平坦度不良が挙げられるが、平坦度悪化はこれらが複雑に絡み合って発生すると言われている。
温度ムラが生じる原因としては種々考えられる。例えば、熱間圧延後の平坦度が悪く、鋼板の平坦度が不良である状態のまま冷却したことに起因する温度ムラのほか、冷却装置の機能に起因する温度ムラ等を挙げることができる。
温度ムラを小さくするための対策として、例えば、特許文献1及び特許文献2には、製造ラインに誘導加熱装置を導入し、一定条件を満足する場合に誘導加熱装置を使用して形状矯正装置により鋼板形状を矯正することで、平坦度の良好な厚鋼板を製造する方法が開示されている。
特開2005−186103号公報 特開2005−186111号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている製造方法は、いずれも誘導加熱装置を導入しているため温度ムラは小さくなり、鋼板の平坦度悪化を減少させることができる。しかし、誘導加熱装置の導入には、設備費だけでなく、装置使用時に使用される電力消費量も大きいため、製造コストが上昇するという問題がある。
そこで、本発明は、かかる現状に鑑み、製造コストの上昇を抑制しつつ、冷却後の放冷過程において良好な平坦度を有する厚鋼板を得ることが可能な、厚鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
上述のように、平坦度悪化は様々な要因が複雑に絡み合って発生する。発明者らは鋼板の温度ムラは避けられないところ、温度ムラを誘導加熱装置等で取り除くという従来の観点とは逆に、一定の温度ムラが生じたとしても、なるべく平坦度不良が起こり難くなるような条件について、製造プロセスの観点から見直しを行った。
図1に、厚鋼板の製造ライン100の概要図を示す。図1の紙面左右方向が、連続式加熱炉から抽出されたスラブ及び厚鋼板の進行方向である。図1に示したように、厚鋼板は、通常、スラブを連続式加熱炉11、12、13(以下において、「加熱炉11、12、13」ということがある。)で加熱し、加熱されたスラブを圧延装置20で所定厚まで圧延した後、水冷装置30で水冷することによる一連の加工熱処理プロセスを経て製造される。
圧延あるいは水冷に比べ、スラブ加熱には一定の時間がかかることから、厚鋼板の製造ラインには、通常、複数の連続式加熱炉が設けられる。加熱炉11、12、13には、炉入口から順次スラブが投入される。加熱炉11、12、13の炉幅(図1の左右方向長さ)に対しスラブが小さい場合には、加熱炉11、12、13内にスラブを複数列(例えば2列)に並べ、スラブを縦列加熱することが行われる。
図2は、加熱炉内で2列に並べられたスラブを説明する図である。図2では、一部の符号の記載を省略しており、図2の紙面左右方向が、加熱炉11、12、13から抽出されたスラブの進行方向(以下において、単に「スラブの進行方向」ということがある。)である。図2に示したように、加熱炉11、12、13では、それぞれ、複数のスラブ1、1、…が、スラブの進行方向に2列(列11x及び列11y、列12x及び列12y、並びに、列13x及び列13y)に並べられている。
発明者らは、複数の連続式加熱炉で加熱されたスラブから製造された厚鋼板の平坦度は、加熱炉内におけるスラブの位置により大きく異なることを知得した。すなわち、いずれの加熱炉においても一方の炉壁側のスラブ(図2における列11x、列12x、及び、列13xを構成していたスラブ1、1、…(以下において、これらを「奇数列のスラブ」ということがある。)。)から製造した厚鋼板(以下において、「奇数列の厚鋼板」ということがある。)は、もう一方の炉壁側のスラブ(図2における列11y、列12y、及び、列13yを構成していたスラブ1、1、…(以下において、これらを「偶数列のスラブ」ということがある。)。)から製造した厚鋼板(以下において、「偶数列の厚鋼板」ということがある。)よりも平坦度不良が少ないことを知得した。具体的には、ある鋼種で平坦度不良率を調査したところ、奇数列の厚鋼板の平坦度不良率が50〜60%となったのに対し、偶数列の厚鋼板の平坦度不良率は70〜80%となり、偶数列で平坦度不良率が大きくなった。
これは、加熱炉内において、炉中央部は炉壁周辺に比べて炉温が高く、スラブの炉心側と炉壁側とでスラブの温度差が生じていることに起因していると推測される。図1に示すような厚鋼板の製造ライン100において、加熱炉11、12、13から抽出されたスラブのうち、奇数列のスラブは、図1の紙面左側が炉壁側であるため、低温側から圧延装置20に装入されて熱間圧延される。これに対し、偶数列のスラブは、図1の紙面左側が炉心側であるため、高温側から圧延装置20に装入されて熱間圧延されることになる。
加熱炉から抽出されるとスラブ温度の低下が始まり、熱間圧延工程や冷却工程を通してさらに温度が低下する。このとき生成された厚鋼板は、端部ほどその温度低下が大きく、特に先端と後端とでは水冷開始時刻にラグタイムがあり、後端は遅れて水冷が開始されるため、奇数列の厚鋼板と偶数列の厚鋼板とでは温度プロフィールに大きな違いが生じる。すなわち、奇数列の厚鋼板は、水冷直前の厚鋼板における最高温度と最低温度との差が小さいのに対し、偶数列の厚鋼板は同差が大きい。この結果、偶数列の厚鋼板では、平坦度が悪くなると推測される。それゆえ、図2における偶数列のスラブは、低温側がスラブの進行方向下流側になるように回転させてから圧延装置20に装入して熱間圧延することにより、平坦度不良率を低減することが可能になると考えられる。
本発明は、以上の知見に基づいて完成させるに至ったものである。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、加熱炉(11、12、13)でスラブ(1、1、…)を加熱する加熱工程(S1)と、該加熱工程で加熱されたスラブを圧延して厚鋼板にする圧延工程(S3)と、該圧延工程後に厚鋼板を冷却する冷却工程(S4)と、を有し、加熱工程後且つ圧延工程前のスラブは、該スラブの進行方向の先端側と後端側とで温度差を有し、加熱工程と圧延工程との間または圧延工程中に、加熱されたスラブの低温度側の端がスラブの進行方向下流側になるように、加熱されたスラブを回転させる回転工程(S5)を有し、該回転工程で回転されたスラブが圧延工程で圧延され、圧延工程後且つ冷却工程前の厚鋼板は、該厚鋼板の進行方向の先端側と後端側とで温度差を有し、冷却工程が、厚鋼板を、厚鋼板の進行方向における低温度側の端から冷却する工程であることを特徴とする、厚鋼板の製造方法である。
また上記本発明において、加熱工程(S1)が、スラブの進行方向に複数列に配置されたスラブ(1、1、…)を加熱する工程であり、複数列に配置されたスラブのうち、一部の列(11y、12y、13y)を構成していたスラブは、回転工程で回転された後に、圧延工程(S3)で圧延され、複数列に配置されたスラブのうち、他の列(11x、12x、13x)を構成していたスラブは、回転工程を経ずに、圧延工程で圧延されることが好ましい。
ここに、「スラブの進行方向」とは、加熱炉(11、12、13)から抽出された後のスラブ(1、1、…)の進行方向をいう。
本発明では、厚鋼板の進行方向における低温度側の端から冷却される。厚鋼板の進行方向における低温度側の端を冷却してから、厚鋼板の進行方向における高温度側の端を冷却することにより、高温度側の端の冷却が開始される時の厚鋼板の高温度側の端の温度を、低温度側の端の冷却が開始される時の厚鋼板の低温度側の端の温度に近づけること、すなわち、厚鋼板の長手方向の温度ムラを低減することが可能になる。温度ムラを低減することにより、冷却後の放冷過程における平坦度の悪化を抑制することが可能になる。したがって、本発明によれば、厚鋼板の進行方向における低温度側の端から冷却されるように製造プロセスを改善することにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、冷却後の放冷過程において良好な平坦度を有する厚鋼板を得ることが可能な、厚鋼板の製造方法を提供することができる。さらに、加熱工程(S1)と圧延工程(S3)との間または圧延工程(S3)中に回転工程(S5)を有することにより、上記効果に加えて厚鋼板の製造効率を向上させやすくなる。また、加熱工程(S1)が、スラブの進行方向に複数列に配置されたスラブ(1、1、…)を加熱する工程であっても、本発明の上記効果を奏することができる。
厚鋼板の製造ライン100の概要図である。 加熱炉内で2列に並べられたスラブを説明する図である。 スラブ及び厚鋼板の進行方向と温度との関係を説明する図である。 スラブ及び厚鋼板の進行方向と温度との関係を説明する図である。 本発明の厚鋼板の製造方法を説明するフロー図である。 炉列別平坦度不良発生状況を示す図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、本発明の厚鋼板の製造方法で使用される厚鋼板の製造ライン100の概要図であり、図2は、加熱炉11、12、13内で2列に並べられたスラブ1、1、…を説明する図である。図1では、スラブ及び厚鋼板の記載を省略しており、図2では一部符号の記載を省略している。図1に示したように、製造ライン100には、上流側から、加熱炉群10、圧延装置20、及び、水冷装置30が順に配置されている。加熱炉群10には加熱炉11、12、13が含まれており、加熱炉11、12、13から抽出されたスラブ1、1、…、及び、圧延装置20で熱間圧延された厚鋼板は、図1の紙面右側から左側へとライン中を送られる。なお、図1では、加熱炉11、12、13、圧延装置20、及び、水冷装置30を示しているが、加熱炉、圧延装置、水冷装置の台数は図1で示される台数に限られない。例えば、粗圧延用の圧延装置と仕上げ圧延用の圧延装置の2台の圧延装置を設けてもよい。また、これら以外にも、例えば形状矯正装置等の装置が配置されている製造ラインにも、本発明の厚鋼板の製造方法を適用することが可能である。製造ラインに形状矯正装置を配置し、この形状矯正装置を用いて厚鋼板の形状を矯正することにより、より確実に平坦度不良を解消することが可能になる。
加熱炉11、12、13では、製造する鋼種にもよるが、スラブ1、1、…が1100〜1250℃程度の温度に加熱される。加熱炉11、12、13は、通常、連続式加熱炉であり、ウォーキングビーム(不図示)とスラブ1、1、…とが連動することで、スラブ1、1、…が炉入口から炉出口へと運ばれ、スラブ1、1、…は均熱された状態で加熱炉11、12、13より抽出される。厚鋼板の製造ラインでは、加熱炉は複数設置されることが一般的であり、図1には3つの加熱炉11、12、13が設置されている製造ライン100を模式的に示した。
図2に示したように、スラブ1、1、…の寸法が大きい場合を除いて、進行方向(図1及び図2の紙面左右方向)に2列に並べられたスラブ1、1、…が、加熱炉11、12、13で加熱される。加熱炉11、12、13中を通過中のスラブ1、1、…は、徐々に温度が上昇し、均熱状態で抽出される。ところが、実際には、スラブ1が完全に均熱状態になって抽出されるのではなく、スラブ1の両端(図2の紙面右側端及び左側端)で温度差を有する状態で抽出される。これは、加熱炉11、12、13は、炉壁からの熱放出が避けられないためであり、熱放出される炉壁側に位置するスラブ端は、炉心側に位置するスラブ端に比べて温度が低くなる。
こうして抽出されたスラブ1、1、…のうち、奇数列のスラブ(列11x、列12x、及び、列13xを構成していたスラブ)は、スラブ左端が低温、右端が高温となり、偶数列のスラブ(列11y、列12y、及び、列13yを構成していたスラブ)は、スラブ左端が高温、右端が低温となる。
続いて、加熱により軟化したスラブ1、1、…は、圧延装置20により圧延される。加熱炉11、12、13から抽出されたスラブ1、1、…をそのまま圧延装置20で圧延した場合、奇数列のスラブは低温側のスラブ端から圧延された後、水冷装置30により水冷されるのに対し、偶数列のスラブは高温側のスラブ端から圧延された後、水冷装置30により水冷される。
水冷装置30で水冷される直前の厚鋼板の温度プロフィールは、加熱炉11、12、13から抽出された直後のスラブ1、1、…の温度プロフィールとは異なるものとなる。加熱炉11、12、13から抽出されると温度低下が始まるが、スラブの端部ほど温度低下が大きく、特に後端部ほど温度低下が大きくなるため、厚鋼板の温度プロフィールにはこのような現象が反映される。
図3及び図4は、スラブ1及び厚鋼板の進行方向と温度との関係を説明する図である。より具体的には、図3は、奇数列のスラブ1及び奇数列の厚鋼板の進行方向と温度との関係を説明する図であり、図4は、偶数列のスラブ1及び偶数列の厚鋼板の進行方向と温度との関係を説明する図である。図3及び図4の紙面右側がスラブ1及び厚鋼板の進行方向上流側であり、図3及び図4の紙面左側がスラブ1及び厚鋼板の進行方向下流側である。製造ライン100に備えられている加熱炉11、12、13のうち、図3及び図4では、便宜上、加熱炉11を示しており、図3及び図4では、スラブ1、加熱炉11、圧延装置20、水冷装置30、及び、厚鋼板を簡略化して示した。
奇数列のスラブは、スラブの進行方向下流側が炉壁側であり、スラブの進行方向上流側が炉心側である。そのため、奇数列のスラブの温度プロフィールは、図3の右側に示したように、スラブ1の進行方向先端から後端にかけて温度が高くなる温度プロフィールXになる。温度プロフィールが温度プロフィールXであるスラブ1をそのまま圧延装置20で圧延すると、厚鋼板の温度プロフィールは、図3の左側に示したように、進行方向先端から後端にかけて緩やかに温度が高くなる温度プロフィールX1、又は、先端から後端に向けて緩やかに温度が高くなり、且つ、後端部で温度が低下する温度プロフィールX2になる。
一方、偶数列のスラブは、スラブの進行方向下流側が炉心側であり、スラブの進行方向上流側が炉壁側である。そのため、偶数列のスラブの温度プロフィールは、図4の右側に示したように、スラブ1の進行方向後端から先端にかけて温度が高くなる温度プロフィールYになる。温度プロフィールが温度プロフィールYであるスラブ1をそのまま圧延装置20で圧延すると、厚鋼板の温度プロフィールは、図4の左側に示したように、進行方向後端から先端にかけて急激に温度が高くなる温度プロフィールY1、又は、進行方向後端から先端にかけて急激に温度が高くなり、且つ、先端部で温度が低下するプロフィールY2になる。
図3と図4とを比較すると、水冷装置30で水冷される厚鋼板の最高温度と最低温度との差(以下において、「温度ムラ」という。)は、奇数列の厚鋼板の方が偶数列の厚鋼板よりも小さくなる。奇数列の厚鋼板では温度ムラが小さくなるために、水冷後の厚鋼板の平坦度不良が小さくなるのに対し、偶数列の厚鋼板では温度ムラが大きくなるために、水冷後の厚鋼板の平坦度不良が大きくなると推察される。
よって、偶数列の厚鋼板を、厚鋼板の進行方向における低温度側の鋼板端から水冷すれば、奇数列の厚鋼板のように、平坦度不良を小さくする(平坦度を向上させる)ことが可能になると考えられる。
偶数列の厚鋼板を、低温度側の鋼板端から水冷するには、例えば、加熱炉11、12、13から偶数列のスラブを抽出した後且つ圧延装置20による圧延前に、または圧延装置20で圧延工程中に、低温度側のスラブ端がスラブの進行方向下流側となるように、偶数列のスラブを回転させ、その後、圧延を開始すれば良い。例えば、圧延装置20が2台設けられている製造ラインでは、1台目の圧延装置(粗圧延用の圧延装置)で圧延した後、2台目の圧延装置(仕上げ圧延用の圧延装置)で圧延する前に回転すれば良い。圧延終了後の厚鋼板を回転させて、厚鋼板の低温度側の鋼板端から水冷することも可能であるが、厚鋼板の長手方向長さはスラブの長手方向長さよりも長いため、厚鋼板を回転させることは困難になりやすい。ここで、図3に示したように、圧延前に先端側から後端側に向かって温度が高くなっていたスラブを圧延すると、圧延後に得られた厚鋼板においても、その先端側から後端側に向かって温度が高くなる。また、図4に示したように、圧延前に後端側から先端側に向かって温度が高くなっていたスラブを圧延すると、圧延後に得られた厚鋼板においても、その後端側から先端側に向かって温度が高くなる。それゆえ、例えば、予め圧延前のスラブを回転させ、スラブの低温側の端から圧延を開始すれば、圧延後の厚鋼板の低温度側の鋼板端から水冷することを容易に行うことができる。
図5は、本発明の厚鋼板の製造方法を説明するフロー図である。図5に示したように、本発明の厚鋼板の製造方法は、加熱工程(S1)と、奇数列のスラブであるか否かを判断する判断工程(S2)と、圧延工程(S3)と、冷却工程(S4)と、回転工程(S5)と、を有している。以下、図1乃至図5を参照しつつ、本発明の厚鋼板の製造方法について説明する。
加熱工程(以下において、「S1」という。)は、加熱炉11、12、13でスラブ1、1、…を加熱する工程である。より具体的には、スラブの進行方向に複数の列11x、11yに配置されたスラブ1、1、…を加熱炉11で加熱し、スラブの進行方向に複数の列12x、12yに配置されたスラブ1、1、…を加熱炉12で加熱し、スラブの進行方向に複数の列13x、13yに配置されたスラブ1、1、…を加熱炉13で加熱する工程である。図2に示したように、奇数列のスラブは、図2の紙面左側が炉壁側であるため、炉心側である図2の紙面右側よりも低温になる。これに対し、偶数列のスラブは、図2の紙面左側が炉心側であるため、炉壁側である図2の紙面右側よりも高温になる。
判断工程(以下において、「S2」という。)は、後述する圧延工程で圧延されるスラブが、奇数列のスラブであるか否かを判断する工程である。上述のように、奇数列のスラブは、スラブの進行方向下流側の温度がスラブの進行方向上流側の温度よりも低温になっているので、このまま圧延装置20に装入しても、平坦度不良率は増大し難い。それゆえ、S2で肯定判断がなされた場合には、スラブを回転せずに、圧延装置20へそのまま装入する。これに対し、S2で否定判断がなされたスラブは、偶数列のスラブである。上述のように、偶数列のスラブは、スラブの進行方向下流側の温度がスラブの進行方向上流側の温度よりも高温になっているので、このまま圧延装置20に装入すると、平坦度不良率が増大しやすい。そこで、S2で否定判断がなされた場合には、スラブを回転させるために、後述する回転工程が行われ、その後、回転されて進行方向下流側が低温側にされたスラブ1、1、…が、圧延装置20へと装入される。
圧延工程(以下において、「S3」という。)は、上記S2で肯定判断がなされたことにより後述する回転工程を経ずに圧延装置20へと装入された奇数列のスラブや、上記S2で否定判断がなされたことにより後述する回転工程を経て圧延装置20へと装入された偶数列のスラブを圧延して、厚鋼板にする工程である。S3では、進行方向下流側が低温側であるスラブが圧延装置20に装入される。そのため、進行方向下流側が高温側であるスラブが圧延装置20に装入された場合と比較して、温度ムラを低減することができる。
冷却工程(以下において、「S4」という。)は、上記S3で圧延された厚鋼板を、水冷装置30で水冷する工程である。上記S3で圧延された厚鋼板は、温度ムラが低減されているので、S4で水冷した後の厚鋼板の温度ムラも低減することができる。厚鋼板の温度ムラを低減することにより、冷却後の放冷過程における平坦度悪化を抑制することが可能になる。
回転工程(以下において、「S5」という。)は、上記S2で否定判断されたスラブを、進行方向下流側が低温度側となるように回転させる工程である。S5で回転されたスラブは、その進行方向下流側が低温度側とされ、平坦度不良が発生し難い状態とされている。S5で回転されたスラブは、引き続きS3が行われ、その後、S4が行われる。
このように、偶数列のスラブについてはS5で回転させてから圧延装置20で圧延し、奇数列のスラブについてはS5を経ずに圧延装置20で圧延する本発明の厚鋼板の製造方法によれば、誘導加熱装置を設けなくても、厚鋼板の進行方向における低温度側の端から冷却できるように製造工程を改善することによって、冷却後の放冷過程における平坦度悪化を抑制できる。したがって、かかる形態とすることにより、本発明によれば、製造プロセスを改善することにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、冷却後の放冷過程において良好な平坦度を有する厚鋼板を得ることが可能な、厚鋼板の製造方法を提供することができる。
本発明の厚鋼板の製造方法において、S5は、スラブの進行方向両端を温度センサにより測定して、低温度側のスラブ端を決定した上で、低温度側のスラブ端がスラブの進行方向下流側になるように、スラブを回転させる工程、とすることも可能である。しかしながら、特に、加熱炉11、12、13で、スラブ1、1、…をスラブの進行方向に2列に並べて加熱する場合には、いずれの列のスラブ1、1、…が、スラブの進行方向下流側が高温度側になるのかを、予測することができる。そのため、S5は、スラブの進行方向下流側が高温度側になると予測される偶数列のスラブ(列11y、列12y、及び、列13yを構成するスラブ1、1、・・・)を、スラブの進行方向下流側が低温度側になるように回転させる工程、とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、スラブの低温度側及び高温度側を特定するための温度センサ等を設ける必要が無くなるので、製造コストを低減しやすくなる。
本発明に関する上記説明では、加熱工程後且つ圧延工程前に回転工程を有し、圧延前のスラブが回転工程で回転される形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。圧延工程中に回転工程を有し、圧延中のスラブが回転工程で回転される形態を有してもよい。例えば、圧延装置20が2台設けられている製造ラインで厚鋼板を製造する場合、1台目の圧延装置(粗圧延用の圧延装置)で圧延した後、2台目の圧延装置(仕上げ圧延用の圧延装置)で圧延する前に回転すれば良い。
本発明は、圧延工程後且つ冷却工程前に回転工程を有し、圧延後且つ冷却前の厚鋼板を回転工程で回転することにより、厚鋼板の進行方向下流側が低温度側の鋼板端とされ、低温度側の鋼板端から水冷される形態とすることも可能である。ただし、上述のように、圧延後の厚鋼板の長手方向長さは圧延前のスラブの長手方向長さよりも長いため、厚鋼板を回転することは、スラブを回転することよりも困難になりやすい。そこで、上記効果に加えて、製造効率を向上させやすい形態にする等の観点からは、加熱工程後且つ圧延工程前、または圧延工程中に回転工程を有する形態とすることが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、スラブ1、1、…をスラブの進行方向に複数列に配置可能な加熱炉11、12、13が用いられる形態を例示したが、本発明が適用される厚鋼板の製造ラインは、当該形態に限定されない。スラブの進行方向に1列に配置されたスラブを加熱する加熱炉、を有する厚鋼板の製造ラインにも、本発明を適用することができる。加熱炉内のスラブが、スラブの進行方向に1列に配置されている場合、本発明は、例えば、スラブの進行方向先端側及び後端側のスラブ温度を温度センサで測定し、その測定結果に基づいて、スラブの進行方向先端側が高温度側になっている場合には、低温度側がスラブの進行方向下流側となるように、スラブを回転する回転工程を有する形態とすることができる。
また、本発明は、他の方法との併用を否定するものではない。例えば、水冷中の鋼板搬送速度を先端から後端に向けて変化させる、又は、冷却水の水量を変化させる、又は、これらの両方を組み合わせた厚鋼板の平坦度抑制方法と本発明とを併用することも可能である。これらの方法を併用することにより、平坦度不良をより一層低減しやすくなる。
図1に示した製造ライン100を用い、加熱炉11、12、13それぞれに、同一鋼種のスラブを、スラブの進行方向に2列に並べて加熱した後、圧延工程及び冷却工程を経て、同一厚(24mm)の厚鋼板を製造した。製造ライン100において、加熱炉11、12、13で加熱したすべてのスラブを回転させずに圧延し、圧延後のすべての厚鋼板を回転させずに水冷すると、奇数列のスラブ(列11x、列12x、及び、列13xを構成していたスラブ。以下において同じ。)は、低温度側から圧延されて低温度側から水冷されるが、偶数列のスラブ(列11y、列12y、及び、列13yを構成していたスラブ。以下において同じ。)は、高温度側から圧延されて高温度側から水冷されることになる。加熱炉11、12、13で加熱したすべてのスラブを回転させずに圧延し、圧延後のすべての厚鋼板を回転させずに水冷した場合の、平坦度不良の発生状況を、図6に示す。図6における11x、11y、12x、12y、13x、及び、13yは、図2における11x、11y、12x、12y、13x、及び、13yとそれぞれ対応している。また、図6において、1のスラブから厚鋼板を2枚取りした場合に、2枚とも平坦度が良好であったものを「0」とし、1枚は平坦度が良好であったが1枚は平坦度が不良であったものを「1」とし、2枚とも平坦度が不良であったものを「2」とした。
図6に示したように、奇数列のスラブから得た厚鋼板は、偶数列のスラブから得た厚鋼板よりも、「0」の割合が高く、「2」の割合が低かった。この結果を板取りした厚鋼板の総数を分母として平坦度不良が発生した厚鋼板の割合(平坦度不良発生率)で表わすと54.1%となった。
そこで、この状況を鑑み、奇数列のスラブについては、回転させずに圧延し、そのまま(回転させずに)水冷する一方、偶数列のスラブについては、加熱炉から抽出後圧延前に180°回転させてから圧延し、そのまま水冷した。その結果、平坦度不良発生率は39.7%となり、全体として平坦度不良発生率を低減することができた。したがって、本発明によれば、誘導加熱装置を使用しないという点で製造コストの上昇を抑制でき、且つ、加熱後圧延前に回転させるという製造プロセスの改善により、冷却後の放冷過程において良好な平坦度を有する厚鋼板を得ることが可能であった。
1…スラブ
10…加熱炉群
11、12、13…連続式加熱炉
11x、11y、12x、12y、13x、13y…列
20…圧延装置
30…水冷装置
100…厚鋼板の製造ライン

Claims (2)

  1. 加熱炉でスラブを加熱する加熱工程と、該加熱工程で加熱された前記スラブを圧延して厚鋼板にする圧延工程と、該圧延工程後に前記厚鋼板を冷却する冷却工程と、を有し、
    前記加熱工程後且つ前記圧延工程前の前記スラブは、該スラブの進行方向の先端側と後端側とで温度差を有し、
    前記加熱工程と前記圧延工程との間または前記圧延工程中に、加熱された前記スラブの低温度側の端が前記スラブの進行方向下流側になるように、加熱された前記スラブを回転させる回転工程を有し、該回転工程で回転された前記スラブが前記圧延工程で圧延され、
    前記圧延工程後且つ前記冷却工程前の前記厚鋼板は、該厚鋼板の進行方向の先端側と後端側とで温度差を有し、
    前記冷却工程が、前記厚鋼板を、前記厚鋼板の進行方向における低温度側の端から冷却する工程であることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。
  2. 前記加熱工程が、前記スラブの進行方向に複数列に配置された前記スラブを加熱する工程であり、
    複数列に配置された前記スラブのうち、一部の列を構成していた前記スラブは、前記回転工程で回転された後に、前記圧延工程で圧延され、
    複数列に配置された前記スラブのうち、他の列を構成していた前記スラブは、前記回転工程を経ずに、前記圧延工程で圧延されることを特徴とする、請求項1に記載の厚鋼板の製造方法。
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