JP2975087B2 - 均一性に優れる高靭性・高張力熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
均一性に優れる高靭性・高張力熱延鋼板の製造方法Info
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Description
性・高張力熱延鋼板の製造方法に関するもので、特にラ
インパイプ、構造物等に使用する低温用鋼板の製造方法
として有用である。
性・高張力熱延鋼板の製造方法としては、例えば、特公
昭58−19724号公報に開示されているように、Nbを添加
した鋼を制御圧延して高靱性を得ると同時に、低P化に
よる耐セパレーション性能の向上を得ようとする方法
や、特開昭61−34116号公報に開示されているように、
上記に加え、Ti添加と低い巻取り温度により、歪時効に
よる劣化をも防止し、高靱性を得ようとする方法があ
る。
め、オーステナイト低温域での圧下率のコントロールと
低い圧延終了温度を必要としている。これは制御の難し
い圧延であり、適正な成分で、適正な圧延を実施して
も、同一コイル内において、圧延先端側から後端側にか
けての温度低下や、圧延先後端での局部的温度低下など
があり、コイル長手方向に圧延温度が異なるため、材質
特性の均一性に劣い、単一コイル内で所定の特性が得ら
れない部分が生じ、製品の歩留りを悪くする場合が多
い。
を上げる所謂ズーミングアップは、圧延時のロールと鋼
板表面との間の摩擦抵抗の変動が大きくなり、板の長手
方向及び板厚方向の圧延歪が一定でなくなり、均一な特
性が得られなくなるなどの問題がある。
に際し、被圧延材の温度の均一化を計ることにより、均
一性に優れる高靱性・高張力熱延鋼板を製造することに
ある。
片素材の熱間圧延を、被圧延材の粗圧延における圧延先
後端を仕上げ圧延において逆転させ、かつ、被圧延材を
順次接続し、制御圧延を行なうことにより、被圧延材全
長にわたる圧延温度の均一化をはかり、均一性に優れる
熱延板を製造しようとするもので、 その要旨は、次の通りである。
不可避不純物の組成になる連続鋳造鋼片素材を熱間圧延
する際、 粗圧延段階を経たシートバーを一旦コイル状に巻き取
り、その後、巻き終り端から仕上げ圧延を、950℃以下
での圧下率が50%以上で、圧延終了温度が700℃以上、8
00℃以下の範囲にて開始し、その後端に、後続するシー
トバーコイルの巻き終り端を接続して、仕上げ圧延を連
続的に行ない、この仕上げ圧延に続いて、5℃/S以上の
冷却速度で急冷し、450℃以上、600℃以下の温度範囲で
巻取ることを特徴とする均一性に優れる高靱性・高張力
熱延鋼板の製造方法。
及び不可避不純物の組成になる連続鋳造鋼片素材を熱間
圧延する際、 粗圧延段階を経たシートバーを一旦コイル状に巻き取
り、その後、巻き終り端から仕上げ圧延を、950℃以下
での圧下率が50%以上で、圧延終了温度が700℃以上、8
00℃以下の範囲にて開始し、その後端に、後続するシー
トバーコイルの巻き終り端を接続して、仕上げ圧延を連
続的に行ない、この仕上げ圧延に続いて、5℃/S以上の
冷却速度で急冷し、450℃以上、600℃以下の温度範囲で
巻取ることを特徴とする均一性に優れる高靱性・高張力
熱延鋼板の製造方法。
接、高周波加熱溶接などを用いてよく、特に限定するも
のではない。
述べる。
0.01wt%以上含有することが必要である。しかし、0.30
wt%を越えると溶接性や低温靱性が劣化する。したがっ
て、その含有量は0.01wt%以上、0.30wt%以下とする。
性をそこなう。したがって、その含有量は0.5wt%以下
とする。
wt%以上を必要とする。しかし、2.0wt%を超えると溶
接性が劣化する。したがって、その含有量は0.5wt%以
上、2.0wt%以下とする。
による歪時効による靱性の劣化を防止する好ましい成分
である。その効果は、0.005wt%以上で期待できるが、
0.100wt%を超えると飽和する。したがって、その含有
量は0.005wt%以上、0.100wt%以下とする。
御圧延との相乗効果により靱性向上させる好ましい成分
である。その効果は0.005wt%以上で期待できるが、0.1
0wt%を超えると飽和する。したがって、その含有量は
0.005wt%以上、0.10wt%以下とする。
以上で生じ、0.100wt%を超えると飽和する。したがっ
て、その含有量は0.010wt%以上、0.100wt%以下とす
る。
ることがあることから、その含有量は0.025wt%以下と
する。
化させることからその含有量は0.010wt%以下とする。
が、経済性を考慮し、その含有量は0.0050wt%以下とす
る。
えて、例えば、Cr,Ni,Mo,V,B,Cu,Ca,REMのうちから選ん
だ1種又は2種以上を含有させる。
性を向上させることにあり、それぞれの添加量は溶接性
や靱性を阻害しない範囲とする。
分であるが、共に0.5wt%を超えて含有すると溶接性が
劣化する。したがって、上限を共に0.5wt%とする。
を超えて含有すると溶接性が劣化する。したがって、上
限を0.3wt%とする。
るが、0.15wt%を超えて含有するとその効果は飽和し、
溶接性が劣化する。したがって、上限を0.15wt%とす
る。
分であるが、0.005wt%を超えて含有するとその効果は
飽和し、溶接性が劣化する。したがって、上限を0.005w
t%とする。
%を超えて含有すると溶接性が劣化する。したがって、
上限を0.5wt%とする。
好ましいばかりでなく、セパレーション対策としても好
ましい成分である。しかし、共に、0.010wt%を超えて
含有すると、溶接性、及び靱性の劣化をまねく。したが
って、上限を共に0.010wt%とする。
却、巻取り条件などについて以下に述べる。
ル状に巻き取ることが要点である。
き取り、その後巻き戻しながら仕上げ圧延を行うことに
より、粗圧延における被圧延材の先後端が、仕上げ圧延
では逆転されて圧延されることになる。
も角として、圧延先行端側から後尾端側にかけて不可避
に生じる温度勾配の下で、被圧延材が仕上げ圧延では温
度の低い粗圧延での後尾端側から圧延されることにな
り、仕上げ圧延では被圧延材全長の温度が均一化され
る。
均一化効果があり、特に粗圧延での圧延先の局部的温度
低下部分は、粗圧延後コイル内に巻き込まれることによ
り復熱し、均一化した温度となり、仕上げ圧延されるこ
とになる。
ことにより、先行するシートバーとの接続を容易にし、
この接続により最初及び最終の圧延材を除いて仕上げ圧
延では圧延端のない圧延ができ、したがって、仕上げ圧
延での圧延端の局部的温度低下がなくなる。
端側の圧延温度外れや、圧延温度合わせを行うための圧
延速度の増速に伴う圧延歪の不均一化を排除し、製品コ
イル全長にわたり均等な材質が得られる。
以上とする理由は、この温度より高い場合、及びこの加
工率より低い場合、共にオーステナイト中への変形帯の
導入が不十分となり、最終的に得られる組織が微細化せ
ず、十分な強度靱性が得られなくなるためであり、 さらに、圧延終了温度範囲を700℃以上800℃以下とす
るのは、この温度範囲より高いとオーステナイト中に導
入された変形帯から生成する単位面積当りのフェライト
粒の数が減少するので最終的に得られる組織が微細化せ
ず、また、この温度範囲より低いと、多量のフェライト
が生成した以後も圧延加工することになるので、フェラ
イトの温間加工に基づく異方性が大きくなること、及び
靱性が劣化することによるものである。
性が生じやすくなると同時に、フェライト粒の粒成長が
起り、強度、靱性が確保できなくなる。このため、冷却
速度は5℃/S以上を必要とする。
による強化を有効に生かせず、Pの粒界偏析に基づく脆
化が生じ易くなるので600℃以下とする必要があり、逆
に巻取り温度が低いとコイル形状の不良を招き易く、歩
止りを悪くすると共に、鋼中に固溶C,Nが残存しやすく
なり、歪み時効性によくないので450℃以上を必要とす
る。
了温度についての実験結果を以下に記す。
%、SolAl:0.02wt%、P:0.008wt%、S:0.002wt%、N:0.
003wt% の成分組成を有する鋼片素材を、圧延終了温度を変化さ
せる下記の熱延条件で、板厚5mmに圧延し、得られた熱
延板の靱性を調査した。
の限定範囲700℃から800℃の間では、vTsが−100℃以下
と優れた靱性を示しているが、この発明の限定範囲を外
れる温度ではvTsが−100℃以上と靱性に劣っている。し
たがって高靱性を得るためには、圧延終了温度は700℃
から800℃の温度範囲にする必要がある。
%、Nb:0.04wt%、SolAl:0.02wt%、P:0.008wt%、S:0.
002wt%、N:0.004wt%、の成分組成を有するこの発明の
適合鋼を用い、熱間圧延を行って、熱延板コイルとし
た。
シートバーのコイル先後端を先行材及び後続材にそれぞ
れ接続して、圧延を連続的に行う方法で熱延板コイルを
製造し、この発明の適合例とした。
て、粗圧延後のシートバーのコイル巻取りを行わず、ま
た他圧延材との接続も行わず、単独で圧延した熱延板コ
イルを比較例とした。
を調査した。この調査結果、すなわち、コイル長手方向
の靱性、引張特性の変化を第1図に示す。
おいて、靱性引張特性の劣化が大きく、かつ、圧延先端
側から後端側にかけてYSが漸増する傾向を示しており、
コイル全長にわたる均一性に劣っている。
ものの全長にわたり均一な特性が得られており、均一性
に優れていることを示している。
この発明の適合鋼21鋼種、比較鋼3鋼種、計24鋼種を、
表2に示す熱間圧延条件で圧延を行ない、板厚5mmの熱
延板とした。
る鋼記号D.E,Fを比較鋼として示し、また、表2には、
これらの鋼を用いて製造した熱延板(試料No.10〜12)
を、熱間圧延条件がこの発明の限定範囲を外れる熱延板
(試料No.4〜9)と共に比較例として示した。
た。
いるが、表2から明らかなように、比較例、すなわち、 圧延条件がこの発明の限定範囲を外れた、 試料No.4(950℃以下の圧下率が少ない) 試料No.5(圧延終了温度が低い) 試料No.6(圧延終了温度が高い) 試料No.7(巻取り温度が高い) 試料No.8(巻取り温度が低い) 試料No.9(圧延終了後の冷却速度が遅い) の各試料では高靱性が得られず、 また、鋼の化学成分組成において、P,S,Nが、それぞ
れこの発明の好適範囲の上限を外れた、試料10,11,12の
各試料でも高靱性が得られない。
性、高強度が得られている。
になる鋼片素材を、熱間圧延する際、粗圧延後の被圧延
材をコイル状に巻き取り、粗圧延での先後端と仕上げ圧
延での先後端を逆点させ、かつ、複数コイルを接続し、
連続して仕上げ圧延を行うことにより、コイル全長にわ
たる均一性優れる高靱性・高張力熱延鋼板を製造するも
ので、この発明により、高靱性・高張力熱延鋼板が安定
して得られるばかりでなく、歩止りの向上が計れる。
長手方向の靱性、引張特性の変化を示すグラフ、及び、 第2図は、圧延終了温度と靱性との関係を示すグラフで
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】C: 0.01wt%以上、0.3wt%以下 Si:0.5wt%以下 Mn:0.5wt%以上、2.0wt%以下 SolAl:0.01wt%以上、0.10wt%以下 P :0.025wt%以下 S :0.010wt%以下、及び、 N :0.0050wt%以下、 を含み、かつ Ti…0.005wt%以上、0.100wt%以下、及び Nb…0.005wt%以上、0.100wt%以下、 のうちから選んだ1種又は2種を含有し、残部は鉄及び
不可避不純物の組成になる連続鋳造鋼片素材を熱間圧延
する際、 粗圧延段階を経たシートバーを一旦コイル状に巻き取
り、その後、巻き終り端から仕上げ圧延を、950℃以下
での圧下率が50%以上で、圧延終了温度が700℃以上、8
00℃以下の範囲にて開始し、その後端に、後続するシー
トバーコイルの巻き終り端を接続して、仕上げ圧延を連
続的に行ない、この仕上げ圧延に続いて、5℃/S以上の
冷却速度で急冷し、450℃以上、600℃以下の温度範囲で
巻取ることを特徴とする均一性に優れる高靱性・高張力
熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】C :0.01wt%以上、0.3wt%以下 Si:0.5wt%以下 Mn:0.5wt%以上、2.0wt%以下 SolAl:0.01wt%以上、0.10wt%以下 P :0.025wt%以下 S :0.010wt%以下、及び、 N :0.0050wt%以下、 と、 Ti…0.005wt%以上、0.100wt%以下、及び Nb…0.005wt%以上、0.100wt%以下、 のうちから選んだ1種又は2種を含み、かつ Cr:0.5wt%以下、 Ni:0.5wt%以下、 Mo:0.3wt%以下、 V :0.15wt%以下、 B :0.0050wt%以下、 Cu:0.50wt%以下、 Ca:0.010wt%以下、及び REM:0.010wt%以下、 のうちから選んだ1種又は2種以上を含有し、残部は鉄
及び不可避不純物の組成になる連続鋳造鋼片素材を熱間
圧延する際、 粗圧延段階を経たシートバーを一旦コイル状に巻き取
り、その後、巻き終り端から仕上げ圧延を、950℃以下
での圧下率が50%以上で、圧延終了温度が700℃以上、8
00℃以下の範囲にて開始し、その後端に、後続するシー
トバーコイルの巻き終り端を接続して、仕上げ圧延を連
続的に行ない、この仕上げ圧延に続いて、5℃/S以上の
冷却速度で急冷し、450℃以上、600℃以下の温度範囲で
巻取ることを特徴とする均一性に優れる高靱性・高張力
熱延鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2292167A JP2975087B2 (ja) | 1990-10-31 | 1990-10-31 | 均一性に優れる高靭性・高張力熱延鋼板の製造方法 |
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JPH04168217A JPH04168217A (ja) | 1992-06-16 |
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CN116334486A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-06-27 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种低温冲击韧性优异的高强度汽车用热轧钢带及其制造方法 |
-
1990
- 1990-10-31 JP JP2292167A patent/JP2975087B2/ja not_active Expired - Fee Related
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