JP3302914B2 - 熱間圧延鋼板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

熱間圧延鋼板の製造方法及び製造装置

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JP3302914B2
JP3302914B2 JP34038497A JP34038497A JP3302914B2 JP 3302914 B2 JP3302914 B2 JP 3302914B2 JP 34038497 A JP34038497 A JP 34038497A JP 34038497 A JP34038497 A JP 34038497A JP 3302914 B2 JP3302914 B2 JP 3302914B2
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/22Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling plates, strips, bands or sheets of indefinite length
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間圧延鋼板の製造
方法及び製造装置に関し、詳細には熱間圧延鋼板の空冷
中の形状変化や置き方の違いによる形状変化、或いは切
断加工後の形状変化を精度良く予測し、適正な矯正処理
条件を採用することにより、形状不良の発生を未然に防
止することのできる製造方法及び製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延鋼板は、熱間圧延により所定の
鋼板サイズにされた後、加速冷却や焼入れが施され、そ
の後熱間レベラにより矯正が施されて製造されることが
一般的である。この様にして製造された鋼板はオンライ
ンでの出荷検査において平坦であると判定された場合に
はそのまま出荷され、形状不良が残存している場合に
は、冷間レベラ等により矯正され平坦化された後に出荷
されている。
【0003】しかしながら、出荷時には平坦であったも
のが、その後の流通過程等において、鋼板の置き方を変
えたときなどに、反りや波等の形状不良が発生する場合
があった。また上記鋼板にガス切断などの熱加工を施し
た場合、反りや波等の形状不良が発生する場合があるこ
とも指摘されていた。
【0004】更に鋼板の置き方を変えた場合や、切断加
工を施した後に、このような形状不良が発生すると、歪
み取りというオフラインでの作業が必要となって生産性
の低下を招き、また鋼板の強度やサイズによっては矯正
能力の制約から矯正できない場合もあった。
【0005】このような形状不良は、鋼板内部の残留応
力に起因して起こる現象であることが知られている。鋼
板の置き方を変えた場合の形状不良は、残留応力レベル
が座屈臨界応力の近傍にある鋼板において、テーブルロ
ーラ上では鋼板の自重とテーブルローラによる拘束がつ
り合って見掛け上平坦であったのが、その後の置き方の
変化により、拘束状態や残留応力状態が変化して座屈変
形が起こり、形状不良が発生していたものである。また
切断後に発生する形状不良は、ガス切断条件に起因する
こともあるが、切断時に鋼板内部に不均一に分布した残
留応力が開放されることによって反りや横曲がりが発生
するものである。
【0006】特に加速冷却型鋼板では、加速冷却時の板
面内での冷却不均一による温度偏差等に起因して、鋼板
内部に不均一な残留応力が発生し易く、残留応力状態が
座屈臨界応力近傍となっている場合が比較的多く、この
ような傾向が顕著に見られた。
【0007】そこで従来では、置き方の違いにより座屈
が発生する鋼板を選別するために、角棒上に置いた状態
か、或いはクレーンで吊り下げた状態において、目視に
よる平坦度のチェックが行われていた。しかしながら、
このような目視チェックでは、例えば角棒上での置き方
によって形状が変化する場合としない場合とがあるた
め、形状不安定な鋼板を完全に識別することは困難であ
った。また、クレーンで吊り下げた時の形状チェックで
は自重による垂れが発生するために、座屈による波を正
確には識別できない。したがって、このような方法では
信頼性のある識別が行われ難いという問題が指摘されて
いた。また、これらの方法では出荷判定に際して鋼板を
角棒上に載置したりクレーンで吊り上げる必要があるの
で、生産性が低下するという問題もある。しかも、これ
らの方法では、切断加工後に発生する形状不良を予測す
ることはできない。
【0008】特公平4−8128号公報及び特公平4−
8129号公報等には、板材の板面温度分布を測定する
ことにより残留応力を推定し、条切り加工後の変形量を
推定演算する方法が開示されている。また本発明者ら
は、鋼板の平坦度における座屈に関しても、大型コンピ
ュータによるFEM解析(有限要素法による熱粘弾塑性
解析)を行うことなく、簡易的に予測できる方法を先に
提案している(特開平8−187505号公報)。
【0009】このような予測技術に基づけば大板鋼板の
出荷に際して出荷判定を行うことにより、ユーザーでの
使用時における切断加工を施しても形状不良を発生する
ことのない鋼板を提供できる。但し、これらの予測技術
であっても完全に形状不良を防止できるものではなく改
善の余地を残しており、より一層高精度である予測技術
の開発が望まれると共に、出荷検査が不合格であったも
のであっても、その特性を改善して合格品とすることが
できる技術が要望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、熱間圧延鋼板の空冷中の
形状変化や置き方の違いによる形状変化、或いは切断加
工後の形状変化を精度良く予測し、形状不良の発生を未
然に防止することのできる熱間圧延鋼板の製造方法及び
製造装置の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の製造方法とは、加速冷却工程または熱間矯正工程を
経た鋼板を空冷するに当り、空冷に先立って鋼板の板面
温度分布を測定し、空冷後に生じる鋼板の残留応力を算
出して該残留応力の分布状況と製品鋼板の処理条件から
鋼板の形状変化を予測し、形状不良が発生すると判定さ
れた鋼板について冷間矯正処理及び/又は熱処理を施す
熱間圧延鋼板の製造方法であって、鋼板の板面温度分布
の測定前または測定後に鋼板表面の平坦度を測定し、前
記残留応力の分布状況から演算される熱歪み量を、前記
平坦度の測定結果から演算される空冷後の歪み量で補正
することにより前記形状変化を予測することを要旨とす
るものである。
【0012】前記形状不良としては、座屈,切断後の平
坦度不良または横曲がりが挙げられ、上記形状不良のい
ずれかが発生すると判定された鋼板に冷間矯正処理及び
/又は熱処理を施すにあたり、予め複数の処理条件を設
定しておき、各処理条件により冷間矯正処理及び/又は
熱処理を施した際の残留応力から処理後の形状変化を予
測し、いずれの形状不良も発生しない処理条件を選択す
ることが推奨される。また、平坦度を測定した際の鋼板
の形状が、高さδの波をピッチpで有するものであり、
板幅中央と板端での伸び率差をΔεWAVE、熱歪みの板幅
方向分布をΔε THとするとき、空冷後の歪み量:δ’は
下記の式で算出することができる。 δ’=(ΔεWAVE+ΔεTH1/2 ・2/π・p
【0013】更に、前記形状不良が発生すると判定され
た鋼板について冷間矯正処理及び/又は熱処理を施す熱
間圧延鋼板の製造装置としては、鋼板の板面温度分布を
測定する板面温度計測手段と、鋼板表面の平坦度を測定
する平坦度計測手段と、上記板面温度計測手段により得
られた板面温度分布データと上記平坦度計測手段により
得られた平坦度データに基づいて空冷後の鋼板の形状変
化量を予測する演算手段と、予測した上記形状変化量
と、予め設定されている判定基準とを比較して合否の判
定を行う合否判定手段と、冷間矯正処理及び/又は熱処
理に関して予め設定された複数の処理条件から、鋼板の
形状変化量を合格判定基準内に抑制する処理条件を選択
する処理条件選択手段とを有する熱間圧延鋼板の製造装
置を採用することが推奨される。
【0014】尚、形状不良の中で鋼板の置き方の変化に
より発生する座屈変形に関しては、下記の判定方法[A],
[B] を採用すれば良い。
【0015】(i) 判定方法[A] 鋼板の置き方の変化により形状不良が発生する原因は、
残留応力が座屈臨界応力を超えているにもかかわらず、
自重の影響により鋼板の変形が拘束されることによる。
したがって、座屈臨界応力を予測し、残留応力が座屈臨
界応力を超えているか否かの判定により、平坦であって
も形状不安定な鋼板を識別することが可能である。そこ
で以下の判定方法を採用することが推奨される。
【0016】即ち、鋼板の板面温度の測定結果から算出
される残留応力分布をσact (x, y)とするとき、該残留
応力分布から形状変化を予測するにあたり、板面を残留
応力の平均が圧縮となる領域Ω1 とその他の領域Ω2
に分割し、座屈臨界状態での領域Ω1 における応力の平
均σcr (-) を、下記(1)式で算出し、下記(2)式が
成立する場合に座屈が発生すると判定し、成立しない場
合には座屈が発生しないと判定する方法である。
【0017】
【数1】
【0018】σact (-)/σcr (-) ≧1 … (2) 但し、σ0 :鋼板サイズ,座屈モード,領域の分け方に
応じて決まる定数、 F(x1, yj):鋼板サイズ,座屈モード,領域の分け方に
応じて決まる関数、 Δσact (-)(xi, yj)=σact −σact (-) 、 Δσact (-)(xi, yj)=σact −σact (+) 、 σact (-):領域Ω1 におけるσact の平均、 σact (+):領域Ω2 におけるσact の平均、 N1,2 :各領域Ω1,Ω2 内の点(Xi, yj)全体の集合
【0019】この様に板面を残留応力の平均が圧縮とな
る領域Ω1 とその他の領域Ω2 とに分割し、座屈臨界状
態での領域Ω1 における応力の平均σcr (-) を座屈臨界
応力として、これを求める場合に、上記(1)式に示す
ように、残留応力分布を矩形近似したときに対応する座
屈臨界応力σ0 に、さらに、残留応力分布を考慮した計
算[(1)式における右辺の第2・3項]を行うこと
で、実際の残留応力分布により正確に対応したσcr (-)
の算出が可能になる。これにより、高精度の座屈判定を
簡易に行うことができる。
【0020】(ii)判定方法[B] また、鋼板の形状変化の予測結果により、形状不良が発
生すると判定された鋼板について、冷間矯正処理及び/
又は熱処理を施した後の残留応力を算出し、この残留応
力に基づいて形状不良が発生するか否かを判定するにあ
たり、冷間矯正処理及び/又は熱処理を施した後の残留
応力分布を算出すると共に、板面における矯正後の残留
応力が圧縮となる領域Ω1 'における残留応力の平均σ
act af(-)と、座屈臨界状態での領域Ω1 'における応力の
平均σcr af(-) とを算出し、下記(3)式が成立する場
合に座屈が発生すると判定し、成立しない場合には座屈
が発生しないと判定する方法を採用することが望まし
い。 σact af(-)/σcr af(-) ≧1 … (3)
【0021】この方法では、この矯正後の残留応力分布
をもとに、前記と同様に、座屈臨界応力σcr af(-) を算
出し、これと比較することによって、矯正を施した後に
座屈が発生するか否かを判定する。この判定結果に基づ
いて、鋼板に座屈が発生しない条件で冷間矯正処理及び
/又は熱処理が施されることになる。したがってこの方
法では、例えば残留応力の低減度合いを各レベラ加工の
条件ごとに求めておくだけで、座屈を発生させない矯正
条件を設定することができる。
【0022】また鋼板を冷間レベラにより冷間矯正処理
を行うに際しては、以下の矯正方法[C] を採用すること
が望ましい。
【0023】(iii) 矯正方法[C] 即ち、矯正前の残留応力分布を求め、当該求めた残留応
力分布状態の鋼板を予め決められた複数の圧下パターン
について矯正した場合の矯正後の残留応力分布を算出
し、当該算出結果に基づき、前記各圧下パターンについ
て、矯正後の当該鋼板が座屈するか否かの座屈判定を行
い、当該判定結果より、座屈しない圧下パターンを選
び、当該選ばれた圧下パターンにより前記鋼板をローラ
レベラにより矯正する方法である。
【0024】具体的には、矯正前の残留応力分布を求め
た後、以下の〜の手順に従い、鋼板を冷間レベラに
より矯正することが望ましい。
【0025】予め決められた複数の圧下パターンγi
について、矯正前の残留応力分布からの矯正による残留
応力の低減係数ηi を算出する。 ηi (x,y)=Fj (γi ,σb (x,y)) γi :入側,出側の圧下量,矯正ロールのベンディング
量からなる圧下パターン 添字i:圧下パターンの数 Fj :鋼板の板厚,板幅,強度により決まる関数 σb :矯正前の板面内の残留応力分布
【0026】当該残留応力の低減係数ηi より矯正後
の残留応力分布σa を算出して、座屈判定を行う。 σa =ηi (x,y)×σb (x,y)
【0027】当該結果より矯正後に座屈しない圧下パ
ターンγi を選び、それらの中から圧下量が最小となる
圧下パターンγmin と、最大となる圧下パターンγmax
を求める。 γmin =min(γi ) γmax =max(γi
【0028】圧下パターンを圧下量が、 γmin ≦γOPT ≦γmax なる関係を満たす圧下パターンγOPT として、最低1パ
ス以上矯正する。
【0029】更に、焼入れ後或いは熱間圧延後に加速冷
却が施された鋼板を切断する際に発生する形状変化を許
容量内に制御するにあたっては、鋼板の残留応力を推定
すると共に、当該残留応力をもとに切断時の形状変化量
を予測して、当該形状変化量が許容量を越えるか否かを
判定し、許容量を越える場合には、鋼板の残留応力と許
容量をもとに決まる条件で熱処理を施すことが望まし
い。
【0030】また、鋼板を所定形状に切断加工する際
に、前記切断加工によって得られる切断部材の変形量ω
が予め設定された許容量ω0 を満足するように、前記鋼
板を熱処理することにより制御するにあたっては、以下
の熱処理方法[D] を採用することが推奨される。
【0031】(iV)熱処理方法[D] 即ち、前記鋼板の製造条件に基づいて前記鋼板の熱処理
前の推定残留応力σ0を推定演算し、前記推定残留応力
σ0 をもとに前記鋼板を熱処理しない場合の前記切断部
材の推定変形量ω1 を推定演算し、前記推定変形量ω1
が前記許容量ω0 を満足するか否かを判定し、前記推定
変形量ω1 が前記許容量ω0 を満足しない場合には、更
に、前記鋼板を熱処理した場合の推定残留応力σ1 を推
定演算し、前記鋼板の前記推定残留応力σ0 、σ1 並び
に前記許容量ω0 に基づいて熱処理条件を決定し、前記
鋼板を前記熱処理条件で熱処理することにより、前記切
断部材の変形量が予め設定された許容値ω0 を満足する
ように制御する方法である。
【0032】また鋼板に熱処理を施すにあたっては、以
下〜の手順に従って好適な条件を求めた上で熱処理
を施せばよい。
【0033】焼入れ後或は加速冷却後の鋼板の残留応
力を算定あるいは設定する。 熱処理前の矯正による鋼板の残留応力変化を矯正条件
に応じて算定する。 熱処理後の残留応力を当該鋼板の熱処理前における残
留応力と熱処理時におけるクリープ特性と熱処理前の表
面の手入れの状態に基づき算定する。 熱処理後の残留応力と切断後の鋼板サイズから切断に
よる変形量を算定する。 前記〜の条件を用いて切断による変形が許容量以
下となる熱処理温度および熱処理時間からなる熱処理条
件を算定する。
【0034】
【発明の実施の形態】従来の方法では、空冷後に生じる
残留応力が、加速冷却終了後や加速冷却に続く熱間矯正
終了後における温度分布の不均一に起因する熱応力にほ
ぼ一致するとの仮定を前提としており、まず板面温度分
布を測定し、その結果から空冷後に鋼板内に生じる残留
応力が算出されていた。このような熱応力に起因した残
留応力の算出方法は、例えば特公平4−8128号公報
に開示されている。上記方法では、加速冷却設備あるい
は熱間矯正機出側に、鋼板の板面温度分布を測定する板
面温度プローフィール計を温度測定手段として設置し、
この板面温度プローフィール計により、鋼板の板面温度
分布を計測し、その計測結果から、空冷後に鋼板内に生
じる残留応力分布を算出する。
【0035】そして、上記の残留応力をもとに、例え
ば、後述のように算出される座屈臨界応力との比較によ
り、座屈が生じるか否かを判定し、さらに、座屈が生じ
ると判定された鋼板に対しては、鋼板の座屈が発生しな
い熱処理条件やレベラ加工条件を、例えば上記同様に座
屈臨界応力との比較により求めて、残留応力を低減する
加工が施されていた。
【0036】しかしながら、従来の方法では必ずしも形
状不良の発生を防止することはできなかった。そこで本
発明では、鋼板の板面温度分布の測定工程の直前または
直後において鋼板表面の平坦度を測定し、上記残留応力
の分布状況と上記平坦度の測定結果に基づき空冷後の鋼
板の形状変化を予測する方法を採用するものであり、前
記残留応力の分布状況から演算される熱歪み量を、前記
平坦度の測定結果から演算される空冷後の歪み量により
補正した上で鋼板の形状変化の予測を行う。具体的には
以下の方法により、空冷後の歪み量を算出するものであ
る。
【0037】図1は熱間圧延鋼板の波形状を示す模式図
であり、(イ)は断面図、(ロ)は斜視図を夫々示す。
【0038】熱間圧延鋼板10の平坦度不良は長手方向
伸びの板幅方向での不均一分布によって生じるものであ
り、図1に示される波に対して板幅中央と板端での伸び
率の差ΔεWAVEは、下記数2による式で表されることが
知られている(例えば、社団法人日本鉄鋼協会編「第3
版鉄鋼便覧III(1) 」第53,54 頁)。
【0039】
【数2】
【0040】ここで当該波(L1 ≦x≦L2 )に注目
し、板面の温度プロフィールをT(x,y)(x:板長
方向,y:板幅方向)とすると、板面温度分布に起因し
て空冷後に生じる幅方向各位置における熱収縮量の偏差
に基づく熱歪みの板幅方向分布Δε(y)は下記数3に
おける式で算出でき、板幅中央と板端での伸び率差Δε
THが算出できる。従って上記熱歪み量演算手段5はこの
演算手順に基づく演算を行えばよい。
【0041】
【数3】
【0042】空冷後の伸び率差(ΔεTOTAL )は、前記
ΔεWAVEと上記ΔεTHを重畳させることにより求まり、
即ち下記の式に基づいて求めることができる。従って、
歪み量演算手段6はこの演算手順に基づく演算を行えば
よい。 ΔεTOTAL =ΔεWAVE+ΔεTH この結果より、空冷後の歪み量(δ’)は下記数4の式
に基づいて求めることができる。従って面外変形量演算
手段7はこの演算手順に基づく演算を行えばよい。
【0043】
【数4】
【0044】以上述べた演算手法によって、計測対象の
熱間圧延鋼板10が温間であっても、空冷後の熱間圧延
鋼板10の平坦度の高精度な推定が可能となる。
【0045】尚、本発明において形状不良とは、置き方
の変化による座屈不良,任意に切断した後の平坦度不
良,または切断後の横曲がりが挙げられ、いずれかの形
状不良が発生すると判定された鋼板に冷間矯正処理及び
/又は熱処理を施すにあたっては、予め複数の処理条件
を設定し、各処理条件により冷間矯正処理及び/又は熱
処理を施した際の残留応力から処理後の形状変化を予測
し、最適な処理条件を選択することが推奨される。尚、
形状不良に関して、上記座屈不良,平坦度不良,横曲が
りを夫々単独で評価した場合には、例えば、座屈不良が
発生することが予測されて座屈不良の発生を防止する処
理を施した場合、他の平坦度不良または横曲がりを招く
こともあるので、形状不良は、上記座屈不良,平坦度不
良,横曲がりを総合的に考慮して処理条件を選択すべき
である。
【0046】上記の製造方法を実現する製造装置として
は、空冷後の鋼板に形状不良が発生すると判定された鋼
板について冷間矯正処理及び/又は熱処理を施す熱間圧
延鋼板の製造装置であって、鋼板の板面温度分布を測定
する板面温度計測手段と、鋼板表面の平坦度を測定する
平坦度計測手段と、上記板面温度計測手段による板面温
度分布と上記平坦度計測手段による平坦度に基づいて空
冷後の鋼板の形状変化量を予測する演算手段と、予測し
た上記形状変化量と、予め設定されている判定基準とを
比較して合否の判定を行う合否判定手段と、冷間矯正処
理及び/又は熱処理に関して予め設定された複数の処理
条件から、鋼板の形状変化量を合格判定基準内に抑制す
る処理条件を選択する処理条件選択手段とを有する熱間
圧延鋼板の製造装置を採用することが推奨される。
【0047】図2は、本発明の実施に好適な装置構成を
示す概略説明図であり、熱間圧延鋼板10の板面温度プ
ロフィールを計測する走査型温度計等の板面温度計測手
段1と、この計測手段1の例えば下流側においてレーザ
距離計により前記熱間圧延鋼板10の平坦度を計測する
平坦度計測手段2と、それら両計測手段1,2の計測結
果が導入されることによって所定の演算を行うマイクロ
コンピュータ等の演算処理制御装置3と、この演算処理
制御装置3の演算結果等の各情報を画面に表示するCR
T等の表示装置4とによって構成されている。
【0048】計測対象の前記熱間圧延鋼板10は、熱間
圧延ラインにおいて圧延された後、所定速度下で繰り出
され走行する空冷前の高温度の鋼板であることから、前
記両計測手段1,2は、上記鋼板の板面温度プロフィー
ルや平坦度を非接触で計測することが望ましい。
【0049】演算処理制御装置3には、板面温度計測手
段1が計測した板面温度プロフィールに基づいて熱間圧
延鋼板10の空冷後に生じる熱歪み量を演算する熱歪み
量演算手段5を備えると共に、平坦度計測手段2が計測
した平坦度に基づいて熱間圧延鋼板10の歪み量を演算
する歪み量演算手段6と、熱歪み量演算手段5による熱
歪み量及び歪み量演算手段6による歪み量に基づいて、
平坦度計測手段2で計測した平坦度を補正演算して空冷
後の熱間圧延鋼板10の面外変形量を推定する面外変形
量演算手段7を備えることが好ましい。
【0050】図3は、本発明に係る製造ラインを示す概
略説明図である。例えばスラブを用いて熱間圧延鋼板を
製造する場合、加熱炉で加熱された後、表面に形成され
たスケールが除かれ、熱間圧延が施されて加速冷却され
る。必要に応じて熱間矯正が行われ、温度プロフィール
計等により鋼板表面の温度分布が測定され、更に平坦度
計により鋼板表面の平坦度が測定される。得られた温度
データ及び形状データはコンピュータに送られ、前記の
予測方法等により冷却後の平坦度が予測され、また後述
の方法により座屈の発生の有無が判断される。形状の評
価基準を満足するものは、そのまま出荷され、満足しな
いものは、不合格品と判定され、後述する方法で冷間矯
正及び/または熱処理が行われ、形状の評価基準を満足
する場合には出荷される。
【0051】[I]次に鋼板の置き方を変えたときなど
に座屈波が発生するか否かを判定するにあたって採用す
ることが望ましい前記判定方法[A],[B] について説明す
る。
【0052】例えば特公平4−8128号公報に開示さ
れている方法により算出された残留応力分布σact
ら、鋼板の置き方を変えたときなどに座屈波が発生する
か否かを判定するにあたっては、鋼板の残留応力が座屈
臨界応力を超えているか否かの判定により可能である。
上記座屈臨界応力は、後述するように、残留応力σ
act(x,y) の分布パターンに応じて変化する。そこで残
留応力σact (x,y) の分布パターンに対応する座屈臨界
応力の簡易予測式を構築し、この予測式での算出結果と
の比較で座屈の判定を行う。この予測式の導出過程は以
下の通りである。
【0053】まず、図4に示すように、板長さL、板幅
bの鋼板に対し、板長さ方向をx、幅方向をyとする座
標系を設定する。座屈理論によると、撓みwが発生した
ときの鋼板における厚さ方向中央面に働くσact (x,y)
のなす仕事ΔTと、曲げ歪みエネルギΔVとは、それぞ
れ下記(4)式、(5)式で表される。
【0054】
【数5】
【0055】但し、E:ヤング率,υ:ポアソン比,
t:板厚 ここで、ΔTが任意の撓み形状での曲げ歪みエネルギΔ
Vより大きくなれば、座屈変形が発生する。すなわち、 ΔT/ΔV≧1 の場合に座屈変形が生じる。
【0056】以上の考え方に基づく座屈臨界応力の予測
式の構築に当たって、まず、板面の領域を、残留応力σ
act (x,y) の平均が圧縮の領域Ω1 とそれ以外の領域Ω
2 とに分割する。そして、座屈臨界状態での残留応力分
布σcr(x,y) =ησact (x,y) の関係が成立するものと
し、領域Ω1 でのσcr(x,y) の平均を座屈臨界応力σ cr
(-) とする。座屈臨界点では、下記(6)式が成り立つ
ことから、前記(4),(5)式より下記(7)式が導
出される。
【0057】
【数6】
【0058】但し、Δσact (-)=σact −σact (-) Δσact (+)=σact −σact (+) σact (-):領域Ω1 におけるσact の平均 σact (+):領域Ω2 におけるσact の平均 η:鋼板の残留応力と座屈臨界残留応力との比を表す未
知定数
【0059】
【数7】
【0060】但し、σ0 :鋼板サイズ、座屈モード、領
域の分け方に応じて決まる定数で残留応力分布を矩形近
似したときの座屈臨界応力 さらに離散化し、σcr (-) を、
【0061】
【数8】
【0062】但し、F(x,y) =η(θw/θx)2 により求める。さらに、撓みwをx,yに関する多項式
で表現し、
【0063】
【数9】
【0064】とすると、σcr (-) は、
【0065】
【数10】
【0066】di ,en :座屈モードωによって決まる
未知定数 Δx,Δy:x,y方向それぞれの離散化の間隔 と求まる。式(10)の未知定数は、FEM等による座
屈解析結果と比較して各座屈モード毎に決定することが
でき、σcr (-) とσact (-)との大小関係において、 σact (-)≧σcr (-) が成立する場合に、座屈が発生すると判定する。
【0067】上記のように構築した座屈簡易予測式の精
度を以下に示す。ここでは、 w=(a0 +a1 x+a22 )(b0 +b1 y+b2
2 ) 但し、a0 ,a1 ,a2 ,b0 ,b1 ,b2 は定数 とする。種々の残留応力分布σact (x,y) を有する鋼板
に関して、座屈臨界応力を前記の予測式(10)とFE
M解析とによりそれぞれ算出した。その比較結果を図5
に示す。上記の座屈簡易予測式を用いることで、任意の
応力分布の鋼板について、座屈臨界応力を高精度に予測
ができることが分かる。
【0068】なお、従来、残留応力分布を圧縮領域で矩
形近似し、解析解の算出が可能な平板の一様圧縮とみな
して座屈臨界応力を算出する方法が知られている。この
簡易予測方法の精度検証を行うために、残留応力分布パ
ターンを種々変化させ、FEMを用いて求めた座屈臨界
応力と比較した。その結果を図6に示す。座屈臨界応力
σcr (-) は、FEMでの算出結果では、板端での圧縮領
域における残留応力パターンに応じて大きく変化してい
るのに対し、圧縮領域の残留応力を矩形近似しただけの
本発明に係る簡易法では、分布パターンの相違が反映さ
れずに一定となって、実機適用には充分な精度を有して
いない。一方、高精度に座屈判定するには大形コンピュ
ータを用いたFEM解析が必要であり、オンラインへの
適用は困難である。
【0069】これに対し、本実施形態では、例えば前記
の(8)式に示されているように、残留応力分布を、圧
縮領域Ω1 とその他の領域Ω2 との全体にわたって矩形
近似したときに対応する座屈臨界応力σ0 に、さらに、
残留応力分布状態に応じた補正項[(8)式右辺第2・
3項]を加えた計算を行うことで、実際の残留応力分布
により正確に対応したσcr (-) の算出が可能となってい
る。これにより、座屈臨界応力を高精度にかつ簡易的に
予測することができる。
【0070】以上の方法で、板面内の残留応力分布がい
かなる鋼板に対しても、簡易に座屈の判定が可能であ
る。
【0071】座屈発生と判定された鋼板については、冷
間ローラレベラにより矯正を行う。この際、ローラレベ
ラでの矯正後の残留応力σact af は、 σact af =λf ・σact 但しλf :レベラ加工条件Λf での残留応力の低減係数 で算出することができ、このσact af について、前記と
同様に、板面における矯正後の残留応力の平均が圧縮と
なる領域Ω1'とそれ以外の領域Ω2'とに分割し、前記同
様に定義される座屈臨界応力σcr af(-) を算出する。
【0072】そして、各レベラ加工条件Λf 毎に、 σact af(-)/σcr af(-) ≧1 が成立する場合に座屈が発生し、成立しない場合には座
屈が発生しないと判定する。これらの判定結果から、座
屈が発生しないレベラ加工条件、すなわち、 σact af(-)/σcr af(-) <1 を満足するレベラ加工条件Λf を選定し、この条件Λf
でローラレベラ矯正を施すことによって、置き方が種々
変わっても座屈波が発生しない鋼板として出荷すること
ができる。
【0073】この様に座屈の判定に際し、座屈臨界応力
σcr (-) ・σcr af(-) を求め、これらとの比較によって
判定を行えばよいが、これ以外にも例えば前述の(4)
式,(5)式に基づいて算出されるΔTとΔVとの大小
関係により座屈発生の判定を行うようにすることもでき
る。
【0074】上述の様な形状不良を防止するには、鋼板
内部の残留応力が、鋼板の置き方を変えた場合や切断加
工を施した後に座屈臨界応力を越えることのない範囲に
低減しておくことが不可欠である。特に、加速冷却型鋼
板や焼入れ型鋼板等の水冷を施す鋼板では、水冷時の板
面内での冷却不均一による温度偏差などに起因して、鋼
板内部に不均一な残留応力が発生し易いために、その重
要性は極めて高い。
【0075】このような鋼板内部の残留応力を低減する
手段として、熱処理を施したり、冷間でのローラレベラ
矯正が採用されている。 [II]更に、冷間でローラレベラによる矯正を行う場合
に採用することが望ましい矯正方法[C] について説明す
る。
【0076】冷間でのローラレベラによる矯正が行われ
る場合、その矯正条件によって残留応力の低減が可能な
ことが知られている。したがって、上記のような形状不
安定な鋼板に対し、冷間でのローラレベラによる矯正を
施し、これによって、その残留応力を低減して出荷する
ことが考えられる。しかしながら、このときの矯正によ
る残留応力低減度合いをどの程度にすれば座屈臨界応力
以下となって座屈を生じない状態になるのか不明なた
め、適正な矯正加工条件の設定ができない。この結果、
鋼板の実製造においては、特に形状不安定な鋼板に対
し、これを識別して座屈の発生を防止することは困難な
ものとなっている。
【0077】しかし、従来、ローラレベラ矯正は、通
常、熱間矯正後に形状不良が残存している場合のみ適用
され、さらに、形状不良が残存した鋼板を矯正する際に
も、矯正条件の設定は、矯正直後の鋼板形状の点のみか
ら決められており、残留応力を考慮した設定となってい
なかった。このため、鋼板内部の残留応力状態によって
は、上記のような座屈変形に起因した問題が発生する場
合があった。
【0078】この様な問題を解決した矯正方法[C] は、
本発明者が、残留応力を有する鋼板を冷間レベラにより
矯正した場合の鋼板形状および残留応力状態の変化につ
いて種々の条件下で力学に基づく理論解析により詳細に
調べた結果得られた知見に基づきなされたものである。
【0079】まず矯正後の残留応力分布の算定について
詳細に説明する。図7は矯正による残留応力の変化を解
析した一例であり、(a)は矯正前、(b)は矯正後の
残留応力を示す。また、図8は種々の残留応力分布に対
して同様に解析した結果を板面内各位置における矯正前
後の残留応力の関係として示したものである。これらの
結果から、矯正前後の板面内各位置における残留応力
は、若干のバラツキはあるものの、同一の矯正条件下で
は、矯正前の残留応力分布のパターンによらず同一の曲
線上に位置する関係となることが判る。したがって、矯
正後における残留応力:σa と、矯正後における残留応
力:σb は、 σa =G(σb ) …(11) という関係式で表すことができる。この(11)式は近
似的には、 σa =Co +η×σb η=∂G/∂σb 但し、Co は定数、ηは残留応力の低減係数 となる。尚、定数項C0 は、σa とσb の関係式が図8
に示すように曲線Gがほぼ原点を通ることを勘案すれば
近似的にC0 =0となり、板面内の各位置における矯正
後における残留応力分布σa (x,y)は、残留応力の
低減係数ηを用いて、 σa (x,y)=η×σb (x,y) …(12) として表すことができる。また残留応力の低減係数η
は、図9に示すように矯正前の残留応力σb に対して近
似的には線形関係にあり、 η=Fj {γi ,σb (x,y)} =a+b×σb として表すことができる。したがって、係数a,bを図
9に例示したように、圧下パターン,鋼板のサイズ,降
伏強度等の材料特性に応じて、力学に基づく理論解析な
どにより、予め求めておくことにより上記(12)式を
用いて、矯正後の残留応力分布を求めることができる。
また、その際に用いる矯正前の残留応力分布は、例え
ば、ホットレベラー通過直後における熱間状態の鋼板の
板面温度プロフィルから、特公平4−8128号公報に
記載の(8)式を用いて推定することができる。
【0080】次に、このようにして決まる矯正後の残留
応力分布に対して、座屈判定を行うことにより、座屈変
形による形状不良発生を防止しうる圧下パターンを求め
ることができる。
【0081】すなわち、入側,出側の圧下量、矯正ロー
ルのベンディング量からなる予め決められた複数の圧下
パターンγi の全部に対して、上述したように矯正後の
残留応力分布を求めて座屈判定を行って、座屈変形が発
生しない圧下パターンを抽出し、それらの中で、下記の
ように圧下量が最小となる圧下パターンγmin と最大と
なる圧下パターンγmax の範囲内となる圧下パターンγ
OPT により矯正するようにすれば、当然の如く置き方の
変化等による座屈変形による形状不良の発生が防止でき
るようになる。 γmin =min(γi ) γmax =max(γi ) γmin ≦γOPT ≦γmax このときの座屈判定は、有限要素法による理論解析や特
開平8−187505号公報に示された方法等により行
うことができる。
【0082】[III ]最後に、前記熱処理方法[D] につ
いて説明する。切断後の鋼板の形状変化は、残留応力に
起因した現象であることから、鋼板の残留応力状態が分
かれば切断時の横曲がりなどの形状変化量ωを推定する
ことができる。即ち、横曲がりを例にとれば、特公平4
−8128号公報や特公平4−8129号公報に示され
る方法によって、鋼板の残留応力σ(x,y) (x:板長方
向位置、y:板幅方向位置)を基に切断後の部材での応
力とモーメントの釣り合いから切断後の変形量ω1 を求
めることができる。
【0083】従って、熱処理条件(温度,時間)に応じ
た熱処理後の残留応力を算定できれば、逆に切断時の変
形量ωを許容量ω0 とすることのできる熱処理条件を決
定することができ、当該熱処理条件で熱処理を施すこと
によって切断後の変形量ω1を許容量ω0 内に制御する
ことができるようになる。以下では熱処理前後の残留応
力の推定方法について具体的に説明する。
【0084】(1)熱処理前における残留応力の推定 熱処理前の残留応力は、焼入れ或は加速冷却後に室温ま
で空冷した直後における残留応力と冷間矯正を行った場
合には矯正による残留応力変化が重畳した状態となる。
【0085】(1-i) 焼入れ、加速冷却後、室温まで空
冷した直後の鋼板の残留応力の推定方法。 [A] 加速冷却が施される鋼板の場合 加速冷却鋼板の内部には、加速冷却過程で誘起された応
力、その後の熱間矯正による応力、加速冷却過程で形成
された板面内温度分布によって空冷により室温まで冷却
する間に生じる熱応力が重畳した残留応力が形成されて
いる。しかし、図10に示す如く、或は、文献(「神戸
製鋼技報」Vol.35 No.4 P87 )や、特公平4−8128
号公報、特公平4−8129号公報で示されるように切
断後の形状から推定した鋼板の残留応力(板厚方向の平
均値)分布は、加速冷却停止時あるいは加速冷却に続く
ホットレベラ後の板面内温度分布より推定した残留応力
分布と一致することから、実際の空冷後の残留応力σ
c(X,Y)は、加速冷却停止時あるいは加速冷却に続くホッ
トレベラ後の板面内温度分布T(X,Y) より推定すること
ができる。但し、前述の通り、平坦度計により得られる
情報で残留応力σc(X,Y)を補正することが必要である。
【0086】[B] 焼入れが施された鋼板の場合 焼入れの場合には、加速冷却の場合とは異なり、鋼板は
加熱炉によって均一に加熱された状態で抽出された後、
直ちに水冷が施されるために、鋼板サイズが決まれば焼
入れ後の板面内各位置における温度履歴は略同様であ
り、その結果、焼入れ後の残留応力も略同様な状態とな
る。このため、例えば、図11に示すように、有限要素
法を用いた熱弾塑性解析等によって予め求めておくこと
ができる。無論、加速冷却鋼板の場合と同様に、鋼板の
板面内温度分布を基に推定することもできる。即ち、前
記特公平4−8128号公報、特公平4−8129号公
報に記載の温度分布T(X,Y) を焼入れ後の温度分布(変
態完了以降での温度分布)とし、変態歪εphを重畳させ
ることにより求めることができる。例えば、次式によ
り、求めることができる。 σc(X,Y)=E(a0(x)y +b0(x)−αΔT(X,Y) +εph) a0(x)=(12α/W3 )∫(y−W/2)ΔT(X,Y) dy b0(x)=(12α/W3 )∫ΔT(X,Y) dy−a0(x)W/2 ΔT(X,Y) =TRT−T(X,Y) α:平均熱膨張係数 TRT:室温 E:ヤング率 W:板幅 t:板厚 但し、この残留応力σc(X,Y)についても、平坦度計によ
り得られる情報で補正することが必要である。
【0087】(1-ii) 冷間矯正による残留応力の変化 熱処理前に冷間矯正を施した場合には、前記のような水
冷後の残留応力状態から大きく変化して異なった分布に
なる。これをプレス矯正を例に説明すると、図9は降伏
応力が50kgf/mm2 の板厚55mmの加速冷却鋼
板を支点間距離500mmで矯正(3点曲げ)した際の
応力状態を示している。尚、図12のσ avは、矯正前の
平均残留応力を示す。
【0088】押し込み量と矯正前の応力状態によって、
プレス矯正後の残留応力は大きく変化することが分か
る。従って、冷間矯正を行った場合には、空冷後の残留
応力に加えてその影響を取り込むことが不可欠と言え
る。
【0089】そこで、次に冷間矯正時の応力変化算定方
法について説明する。水冷を経た後に室温まで空冷され
た際の板厚方向の応力分布は、水冷過程における冷却速
度に依存し、例えば、9℃/secの冷却速度で水冷さ
れた場合(冷却開始温度:900℃,冷却停止温度:4
50℃,冷却時間:50秒)では、図13に示すような
σg となる。従って、鋼板内に発生する応力σa0は、 σa0=σc +σg となる。この応力を初期応力として有する鋼板を矯正し
た後の応力状態σp は、矯正される位置での鋼板の初期
応力σa0と矯正条件Λp (x,y) により、 σp =G(σa0(x,y,z) ,Λp(x,y)) と表される。
【0090】プレス矯正を例にとると、プレス矯正での
3点曲げで発生する塑性歪みεp (x,y) は、空冷後の残
留応力σc (x,y) とプレス矯正条件Λp (x,y) の関数で
表され、 εp(x,y)=G(σc(x,y),Λp(x,y)) となる。従って、プレス矯正後の残留応力σp は、 σp =E(a1(x)y +b1(x)−εp(x,y)) a1(x)=(12/W3 )∫(y−W/2)(εp(x,y)−σ
c(x,y)/E)dy b1(x)=(12/W3 )∫(εp (x,y) −σc(x,y)/E)
dy−a1(x)W/2 により算定することができる。
【0091】(2)熱処理過程における残留応力の変化 本発明では、熱処理過程における残留応力変化を熱処理
前における手入れ等による表面性状と熱処理時における
クリープ特性から決めるようにしている。
【0092】熱処理前の手入れなどによる表面性状の
影響 表面に手入れがある場合、手入れ部と未手入れ部では昇
温特性が異なるために熱応力が発生し、熱処理後の残留
応力に大きく影響する。図14は鋼板の温度履歴を測定
した結果であって、手入れ部と未手入れ部では温度履歴
が異なることが判る。これは、手入れによって鋼板表面
での熱伝達率が変化するためであり、図14の場合に
は、手入れ部の方が約3割程度小さいという事実を掴ん
でいる。この影響により、熱処理後の残留応力は、手入
れ無しの鋼板の場合には、大きな応力偏差は発生してい
ないが、手入れ有りの鋼板では、図15に示すように手
入れ部近傍では空冷後に約10kgf/mm2 の応力偏
差が生じている。このことから、本発明のようにその影
響を取り入れなければ正確な残留応力の評価はできない
ことが判る。
【0093】熱処理時のクリープ変形の影響 残留応力を有する鋼板を高温に晒すとクリープと称され
る永久歪みが発生して鋼板内部の残留応力は低減され
る。その際に発生するクリープ歪みεc は、550℃以
上の温度では羃乗則、即ち、 εc =Aσn A,n:定数 に従って発生する。理想的な条件下での熱処理後の残留
応力は、このクリープ歪みの発生挙動により決まること
になる。
【0094】以上の,の影響により、熱処理過程に
おける残留応力挙動は下記により決まることになる。
【0095】(i) 熱処理開始から保持温度に達するまで
の間には、鋼板表面における表面性状の違いに起因する
熱応力が、熱処理前の残留応力に重畳すると共に高温で
はクリープ変形により応力緩和が同時に生じる。
【0096】(ii)この結果として、鋼板温度が保持温度
になる直前の応力状態が決まり、熱処理の保持温度と保
持時間に従ってクリープ変形が生じ、熱処理後の鋼板残
留応力は低減されていくことになる。
【0097】そこで、次に、前記のような過程を経た後
の熱処理後の残留応力の算定方法について具体的に説明
する。熱処理後の残留応力σ1 は、熱粘弾塑性解析を行
うことによっても算定できるが、計算時間が膨大にな
る。以下では、熱処理後の残留応力を簡易に且つ高精度
に算出する方法について説明する。
【0098】熱処理後の残留応力σ1 は、熱処理前の残
留応力(初期の応力)σ0 と熱処理条件(熱処理温度と
保持時間)により決まる。鋼板に初期応力σ00を負荷し
た後に、鋼板の両端が拘束された状態の下で、熱処理温
度T0 でt分保持後の応力σ 11は(13)式から、 σ11=σ00/{1+E1 (n−1)A((E1 /E0
σ00n-1 t}1/n-11 :保持温度でのヤング率 E0 :室温でのヤング率 と表される。σ11は各位置での熱処理後の残留応力を算
出したものであり、鋼板全体での力とモーメントの条件
を考慮すれば、熱処理後の残留応力σ1 は、次式で表さ
れる。 σ1 =E(a2(x)y +b2(x))−σ11 …(14) a2(x)=(12/W3 )∫(y−W/2)σ11/Edy b2(x)=(12/W3 )∫σ11/Edy−a2(x)W/2 σ00の算出に際して手入れの影響は、熱処理によって発
生する残留応力σB を熱処理前の残留応力として存在し
ていたとして考慮する。具体的には、σ00は熱処理によ
って発生する残留応力に熱処理前の残留応力を加えた値
(σK +σP)とし、また(σK +σP)は室温での降伏応
力σy RT を超えることはないので、 σ00=MIN(σH +σP ,σy RT ) と表され、σ00の設定が可能となる。
【0099】以上をまとめると、熱処理後における鋼板
の残留応力σ1 は、焼入れ或は加速冷却後に形成された
残留応力σc と矯正条件Λ等により決まる熱処理前の残
留応力σ0 : σ0 =Ж(板厚,T(x,y,z) ,Λ) と、熱処理時の応力、主には疵等の手入れによる鋼板表
面の性状差Ξに起因する熱応力とクリープ変形により生
じる応力が重畳して、 σ1 =Γ(σ0 ,Ξ,Theat,thold,A,n) Theat:熱処理温度 thold:熱処理時間 A,n:クリープ定数 となり、前記で具体的に説明してきた各式等を用いるこ
とにより切断等の変形量ωを許容量ω0 の範囲内に制御
し得る熱処理条件を算出することができる。
【0100】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0101】
【実施例】実施例1 下記表1に大きさを示した鋼板A及び鋼板Bの2種類の
鋼板を用いて、温間における平坦度と共に温度プロフィ
ールを測定し、冷却後の平坦度の予測を行った。図16
は、上記鋼板A,Bの平坦度測定直前の板幅方向温度分
布であり、(イ)に示す鋼板Aの温度偏差は28.3℃であ
り、(ロ)に示す鋼板Bの温度偏差は17.1℃であった。
本発明方法では、上記板幅方向温度分布等に基づき、空
冷後に生じる鋼板の残留応力の分布状況から熱歪み量を
演算し、温間における平坦度の測定結果を補正し(前記
[数4]の式を参照)、冷却後の平坦度を予測した。結
果は表2に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】従来法によれば、温間における平坦度測定
結果をそのまま冷却後の平坦度として利用するものであ
るが、表2に示す様に、熱間圧延を施し空冷した後の形
状における波高さ(図1のδ)は、鋼板Aで 9.3mm(中
波)であり、鋼板Bで31.5mm(端波)であり、温間にお
ける平坦度の測定結果(従来法の欄の値)との間には大
幅な差がある。
【0105】これに対して、本発明方法によれば、空冷
後の測定で波高さが 9.3mmと確認された鋼板Aの中波に
対して、9.5mm とほぼ正確に予測できた。また空冷後の
測定で波高さが31.5mmと確認された鋼板Bの端波に対し
ては31.8mmとわずか1%程度の誤差で予測できた。
【0106】この様に温度偏差に起因した形状変化を考
慮している本発明方法によれば、非常に精度良く空冷後
の平坦度の推定を行うことが可能であることが分かる。
【0107】実施例2 板厚 8〜32mm、板幅2500〜4200mm、板長10〜24mの種々
のTMCP(Thermo mechanical control process) 型50
キロ級鋼板を用いて、冷間矯正及び熱処理を行わずに熱
間圧延鋼板を製造し(従来法)、座屈,平坦度,切断後
の横曲がりに関する形状不良の発生を調べた。次に同じ
鋼板を用いて、熱間矯正後に板面温度プロフィール計と
平坦度計を設置し、板面温度プロフィール計のデータに
より座屈及び横曲がりを予測すると共に、平坦度計のデ
ータにより冷却後の平坦度不良を予測して、不良発生が
予測される場合に、冷間矯正及び/又は熱処理を施し
(本発明法1)、上記形状不良の発生率を調べた。更
に、同じ鋼板を用いて、形状不良が予測される場合に、
さらに矯正処理後に他の形状不良の発生がない条件を選
択して矯正処理を行ったこと以外は本発明法1と同様に
して、熱間圧延鋼板を製造し(本発明法2)、上記形状
不良の発生率を調べた。結果は表3に示す(検査対象鋼
板数nはいずれも100である)。
【0108】
【表3】
【0109】従来法では不良の発生が見られたが、本発
明法によれば形状不良の発生率を大幅に低減できること
が分かる。
【0110】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、熱間圧延鋼板の平坦度不良や置き方の違いによる座
屈変形及び切断加工後の形状変化を精度良く予測し、不
合格になると予測された製品の矯正を適切に行うことに
より形状不良の発生を防止することのできる製造方法及
び製造装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板の波形状を示す模式図であり、(イ) は断面
図,(ロ) は斜視図である。
【図2】形状不良を判定する際の好ましい装置構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明の好ましい製造ラインの一例を示す概略
説明図である。
【図4】本発明法における座屈簡易予測式の導出過程で
の座標系の説明図である。
【図5】上記座屈簡易予測式の精度の評価結果を説明す
るためのグラフである。
【図6】従来の座屈簡易予測式での精度に対する評価結
果の説明図である。
【図7】板幅方向における残留応力分布を示すグラフで
ある。
【図8】矯正前後の残留応力の関係を示すグラフであ
る。
【図9】矯正前の残留応力と矯正による残留応力の低減
係数との関係を示すグラフである。
【図10】加速冷却鋼板の板幅方向における残留応力分
布を示すグラフである。
【図11】焼入れ後の板幅方向における残留応力分布を
示すグラフである。
【図12】プレス矯正の押し込み量と残留応力の関係を
示すグラフである。
【図13】加速冷却停止時の板厚方向応力分布を示すグ
ラフである。
【図14】手入れ有り鋼板の昇温特性を示すグラフであ
る。
【図15】熱処理後の残留応力を示すグラフである。
【図16】2種の被圧延鋼板の歪み量測定時の板幅方向
温度分布図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−187505(JP,A) 特公 平4−8128(JP,B2) 特公 平4−8129(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 38/02 B21C 51/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速冷却工程または熱間矯正工程を経た
    鋼板を空冷するに当り、空冷に先立って鋼板の板面温度
    分布を測定し、空冷後に生じる鋼板の残留応力を算出し
    て該残留応力の分布状況と製品鋼板の処理条件から鋼板
    の形状変化を予測し、形状不良が発生すると判定された
    鋼板について冷間矯正処理及び/又は熱処理を施す熱間
    圧延鋼板の製造方法であって、 鋼板の板面温度分布の測定前または測定後に鋼板表面の
    平坦度を測定し、 前記残留応力の分布状況から演算される熱歪み量を、前
    記平坦度の測定結果から演算される空冷後の歪み量で補
    正することにより前記形状変化を予測することを特徴と
    する熱間圧延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記形状不良が、座屈,切断後の平坦度
    不良または横曲がりである請求項1に記載の熱間圧延鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記形状不良のいずれかが発生すると判
    定された鋼板に冷間矯正処理及び/又は熱処理を施すに
    あたり、予め複数の処理条件を設定しておき、各処理条
    件により冷間矯正処理及び/又は熱処理を施した際の残
    留応力から処理後の形状変化を予測し、いずれの形状不
    良も発生しない処理条件を選択する請求項2に記載の熱
    間圧延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法において、平坦度を測定した際の鋼板の形状が、高さ
    δの波をピッチpで有するものであり、板幅中央と板端
    での伸び率差をΔεWAVE、熱歪みの板幅方向分布をΔε
    THとするとき、 空冷後の歪み量:δ’を下記の式で算出する熱間圧延鋼
    板の製造方法。 δ’=(ΔεWAVE+ΔεTH1/2 ・2/π・p
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の形状不良が発生すると
    判定された鋼板について冷間矯正処理及び/又は熱処理
    を施す熱間圧延鋼板の製造装置であって、 鋼板の板面温度分布を測定する板面温度計測手段と、 鋼板表面の平坦度を測定する平坦度計測手段と、 上記板面温度計測手段により得られた板面温度分布デー
    タと上記平坦度計測手段により得られた平坦度データに
    基づいて空冷後の鋼板の形状変化量を予測する演算手段
    と、 予測した上記形状変化量と、予め設定されている判定基
    準とを比較して合否の判定を行う合否判定手段と、 冷間矯正処理及び/又は熱処理に関して予め設定された
    複数の処理条件から、鋼板の形状変化量を合格判定基準
    内に抑制する処理条件を選択する処理条件選択手段と、 を有する熱間圧延鋼板の製造装置。
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